JP4839286B2 - 能動型防振支持装置 - Google Patents

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本発明は、車両のエンジンを支持する能動型防振支持装置に関する。
クランクパルスセンサを使用してエンジン振動の位相及びエンジン振動の大きさを推定し、その推定結果にもとづいてアクチュエータを駆動して、エンジンの振動を抑制する能動型防振支持装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される従来の技術によると、クランクパルスの変動をサンプリングしてエンジン振動を推定し、その推定結果に基づいて、アクチュエータを駆動するため、アイドル状態や定速走行等、定常状態の振動に対しては、効果的な防振性能を有することができる。
しかしながら、従来の能動型防振支持装置は、クランクパルスの変動量に応じて算出される制御量によって制御されることから、シフトポジションや能動型防振支持装置の電源電圧の影響は考慮されず、クランクパルスの変動量が同じであれば同じ制御量が算出される。このことによって、シフトポジションや電源電圧の状態によっては、不安定な振動や騒音が車両に発生し、ドライバが違和感を覚えるという問題があった。
特開2007−107579号公報(段落0027〜0030参照)
そこで、本発明は、シフトポジションやアクチュエータの電源電圧に対応して制御し、振動や騒音の抑制を向上させた能動型防振支持装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジンを支持し、エンジン回転速度およびクランク速度の変動量と、これらの値をパラメータとする制御マップと、に基づいて制御部が算出する制御量で伸縮するアクチュエータの動作によって、防振機能を発揮する車両の能動型防振支持装置とした。そして、前記制御マップは、前記エンジンと駆動系がトルクコンバータおよび自動変速機を介して連結されるシフトポジションであるDレンジに対応したDレンジ用制御マップと、前記エンジンと前記駆動系が切断されるシフトポジションであるNレンジに対応したNレンジ用制御マップとを有し、前記制御部は、シフトポジションが前記Dレンジの場合は前記Dレンジ用制御マップを参照して前記制御量を算出し、シフトポジションが前記Nレンジの場合は前記Nレンジ用制御マップを参照して前記制御量を算出し、さらに、算出した前記制御量を、前記アクチュエータの電源電圧に基づいて補正することを特徴とした。
請求項1に係る発明によると、アクチュエータを制御する制御量が、設定されるシフトポジションに応じて変更されることから、設定されるシフトポジションに対応して好適な制御量を算出することができる。
また、請求項に係る発明によると、算出された制御量はアクチュエータの電源電圧に基づいて補正されることから、アクチュエータの電源電圧の変動に対応して好適な制御量を算出することができる。
本発明によると、シフトポジションに応じて制御量を変更することで、車両の状態が同一でアクチュエータに入力される振動荷重が異なるような場合であっても振動や騒音を抑制する能動型防振支持装置を提供することができる。また、アクチュエータの電源電圧に対応して制御することで、制御量に対するアクチュエータの作動の追従を確実にし、振動や騒音を抑制できる能動型防振支持装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
(能動型防振支持システムの全体構成)
図1は本発明の実施形態に係る能動型防振支持装置を適用した車両を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。
本実施形態にかかる能動型防振支持装置Mを含む能動型防振支持システム1は、上下方向に駆動することが可能で、図1の(a)、(b)に示すように、車両Vのエンジン2を車体フレームに弾性的に支承するために用いられる能動型防振支持装置Mを、例えばエンジン2の前後方向に2つ配置してなる。
ここで、エンジン2は、クランク軸(図示せず)の一端にトランスミッション3が結合されるとともに、クランク軸が車両Vの本体に横向きに配置される、いわゆる横置きのV型6気筒エンジンである。したがって、エンジン2はクランク軸方向が車両Vの左右方向に配置され、能動型防振支持装置Mは、エンジン2によるロール方向の振動を抑制するため、エンジン2を挟んで車両Vの前後に1対備える。以降、車両Vに対してエンジン2の前方向に備わる能動型防振支持装置Mを必要に応じて前方能動型防振支持装置Ma、後方向に備わる能動型防振支持装置Mを後方能動型防振支持装置Mbと称する。
さらに、車両Vには、搭載される電気機器に電力を供給するバッテリ4が備わり、能動型防振支持装置Mもバッテリ4から供給される電力で駆動される。
能動型防振支持装置Mは、エンジン2の重心の高さより低い位置に取り付けられ、エンジン2の前後方向に発生するロール振動のロール共振周波数を検出して、ロール振動を抑制するとともに、エンジン2を車両Vの車体に弾性支持する機能を有する。
このため、能動型防振支持システム1は、例えば図2に示す構成を有する。図2は、能動型防振支持システムの構成を示す図である。
図2に示すように、能動型防振支持システム1は、エンジン2を弾性支持する能動型防振支持装置Mと、能動型防振支持装置Mを制御する電子制御ユニット(制御部)Uとを備え、電子制御ユニットUはエンジン2の回転速度や出力トルク等を制御するエンジン制御ECU(以下、エンジンECUと称する)10と通信回線で接続されている。
そして、電子制御ユニットUには、クランクパルスセンサSaが検出するクランクパルス信号、カム角センサSbが検出するクランクシャフトのカム角、エンジン回転速度センサScが検出するエンジン回転速度が入力される。さらに、エンジンECU10から、例えば、エンジン2の動作状態を通知する信号が入力される。
なお、クランクパルスは、V型6気筒エンジンの場合、クランクシャフトの1回転につき24回、つまりクランクアングルの15°毎に1回出力される。
図2に示すように、クランクパルスセンサSaは、エンジン2の図示しないクランク軸が発生するクランクパルスを検出するセンサである。前記のとおり、V型6気筒エンジンの場合、クランクパルスは、エンジン2におけるクランク角が15°ごとに発生し、クランクパルスセンサSaはこのクランクパルスを検出して電子制御ユニットUに入力する。
エンジンECU10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるマイクロコンピュータ及び周辺回路等から構成され、例えばエンジン2の回転速度を制御する。そして、エンジン2の動作状態(例えば全筒運転か休筒運転か)などの情報を信号として、電子制御ユニットUに入力する。
電子制御ユニットUは、CPU62b、ROM62c、RAM62d等を備えるマイクロコンピュータ及び周辺回路等から構成される。そして、クランクパルスセンサSaから入力されるクランクパルス、カム角センサSbから入力されるクランクシャフトのカム角、エンジン回転速度センサScから入力されるエンジン回転速度、エンジンECU10から入力されるエンジン動作状態等の信号を入力する信号入力部62aが備わる。
さらに、電子制御ユニットUは、前方能動型防振支持装置Ma及び後方能動型防振支持装置Mbがそれぞれ備えるコイル46(図3参照)に電流を通電する、図示しないスイッチング回路を含む定電流出力回路62fを備える。定電流出力回路62fの前記スイッチング回路はCPU62bに制御され、定電流出力回路62fがバッテリ4(図1の(a)参照)や図示しないジェネレータから供給される直流電源を、能動型防振支持装置Mに供給可能となっている。そして、電子制御ユニットUは、例えばROM62cに格納されるプログラムによって動作する。
また、電子制御ユニットUにはフラッシュメモリ等からなる記憶部62eが備わり、能動型防振支持装置Mを制御するために必要なデータ62e1等が記憶される。
なお、記憶部62eにデータ62e1として記憶されるマップ1〜4については後記する。
また、記憶部62eとROM62cを共用し、例えばROM62cを備えない構成とすることも可能である。その場合、電子制御ユニットUを動作するプログラムは、例えば記憶部62eに格納すればよい。
また、エンジン2には、トランスミッション3が接続される。本実施形態におけるトランスミッション3は、AT(オートマチックトランスミッション)であって、トランスミッション3はトルクコンバータ3bと自動変速機3aを含んで構成される。
さらに、ドライバが操作するシフトレバー5aと、シフトレバー5aのシフトポジションを検出して、自動変速機3aの図示しない制御部に出力するシフトECU5bと、を備えるシフト装置5が備わる。
そして、シフトECU5bが検出するシフトポジションは電子制御ユニットUの信号入力部62aにも入力される。
(能動型防振支持装置の構成)
図3は能動型防振支持装置の縦断面図、図4は、図3のA部拡大図である。
図3及び図4に示すように、能動型防振支持装置Mは、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、主に、概略円筒状の上部ハウジング11と、その下側に配置された概略円筒状の下部ハウジング12と、下部ハウジング12内に収容された上面が開放した概略カップ状のアクチュエータケース13と、上部ハウジング11の上側に接続したダイヤフラム22と、上部ハウジング11内に格納された環状の第1弾性体支持リング14と、第1弾性体支持リング14の上側に接続した第1弾性体19等から構成されている。
上部ハウジング11下端のフランジ部11aと、下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、アクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、環状の第1弾性体支持リング14の外周部と、アクチュエータケース13内の上部側に配置された環状の第2弾性体支持リング15の外周部とが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、下部ハウジング12のフランジ部12aと、アクチュエータケース13のフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつアクチュエータケース13の上部と第2弾性体支持リング15の内面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は上部ハウジング11及び下部ハウジング12に対して上下方向に相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、軸線L上に配置された第1弾性体支持ボス18とに、厚肉のラバーで形成された第1弾性体19の下端及び上端がそれぞれ加硫接着により接合される。第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21等で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着等によって接合されたダイヤフラム22の外周部が、上部ハウジング11に加硫接着により接合されている。
ダイヤフラム支持ボス20の上面にはエンジン取付部20aが一体に形成され、エンジン2(図1の(a)参照)に固定される。また下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bには、ストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24及びナット25で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26に、ダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。
このような構造によって、能動型防振支持装置Mにエンジン2から大きな荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジン2の過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15には、膜状のラバー等からなる弾性体で形成された第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部に埋め込むように可動部材28が加硫接着により接合される。
第2弾性体27の外周部は、第2弾性体支持リング15と、ヨーク44との間に挟持され、その先端の環状の肉厚部がシール機能を発揮する。
第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体19の外周部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、隔壁部材29及び第1弾性体19により区画された第1液室30と、隔壁部材29及び第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に開口している連通孔29aを介して相互に連通する。
また、第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されている。連通路32の一端は連通孔33を介して第1液室30に連通し、連通路32の他端は連通孔34を介して、第1弾性体19とダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
次に、可動部材28を駆動するアクチュエータ41の詳細構造を説明する。
図4に示すように、アクチュエータ41は、アクチュエータケース13の内部に、透磁率が高い金属又は合金からなる固定コア42、コイル組立体43及びヨーク44が下から上に順次取り付けられる。コイル組立体43は、固定コア42及びヨーク44間に配置されたコイル46と、コイル46の外周を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、アクチュエータケース13及び下部ハウジング12に形成した開口13b、12cを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成され、そこにコイル46に給電する図示しない給電線が接続される。
コイルカバー47の上部とヨーク44の下面との間にシール部材49が配置され、コイル46の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって、アクチュエータケース13及び下部ハウジング12に形成した開口13b、12cからアクチュエータ41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部44aの内周面に薄肉円筒状の軸受け部材51が上下摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成されている。下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間には、セットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾発力で軸受け部材51の下部フランジ51bを下方に付勢して、下部フランジ51bの下面と固定コア42との間に配された弾性体53を介して、固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44にて支持される。
軸受け部材51の内周面に概略円筒状の可動コア54が上下摺動自在に嵌合する。前記可動部材28の中心から下向きに伸びるロッド55が可動コア54の中心を緩く貫通し、その下端にナット56が締結される。可動コア54の上面に設けたばね座57と可動部材28の下面との間には、圧縮状態のセットばね58が配置されており、このセットばね58の弾発力で可動コア54はナット56に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の下面と固定コア42の上面とが、円錐状のエアギャップgを介して対向する。ロット55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aはゴム製のキャップ60で閉塞される。
このように構成された能動型防振支持装置Mは、エンジン2(図1の(a)参照)の振動状態に応じて電子制御ユニットU(図3参照)により制御される。
図3に示すように、電子制御ユニットUは、エンジン2(図1の(a)参照)の図示しないクランクシャフトの回転に伴って、クランクシャフトの1回転につき24個、つまりクランクアングル15°毎に1回出力されるクランクパルスを検出するクランクパルスセンサSaと、クランクシャフトの1回転につき3回、つまり各気筒の上死点毎に1回出力されるカム角センサSbに接続されている。
そして、電子制御ユニットUは、クランクパルスセンサSa、カム角センサSb及びエンジン回転速度センサScの出力に基づいてエンジン2(図1の(a)参照)の振動状態を推定し、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41に対する通電を制御する。
図4に示すアクチュエータ41のコイル46は、電子制御ユニットU(図3参照)からの通電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して第2液室31の容積が増加する。逆にコイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性によって上方に変形し、可動部材28及び可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
ところで、車両V(図1の(a)参照)の走行中に低周波数のエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジン2(図1の(a)参照)から入力される荷重で第1弾性体19が変形して、第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30及び第3液室35(図3参照)の間で液体が行き来する。第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室35の容積が拡大・縮小するが、このとき第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状及び寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数及び高減衰力を示すように設定されているため、エンジン2から車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
なお、前記エンジンシェイク振動の周波数領域では、アクチュエータ41は非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、すなわちエンジン2(図1の(a)参照)の図示しないクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や気筒休止時の振動が発生した場合、第1液室30及び第3液室35(図3参照)を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって振動を抑制できなくなるため、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41を駆動して防振機能を発揮させる。
能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41を作動させて、防振機能を発揮させるべく、電子制御ユニットU(図3参照)はクランクパルスセンサSa、カム角センサSb、エンジン回転速度センサSc及びエンジンECU10からの信号に基づいてコイル46に対する通電を制御する。
次に、図5及び図6を参照して、エンジン2(図1の(a)参照)の始動時及び停止時を除く通常の運転状態での能動型防振支持装置Mの制御を説明する(適宜、図1〜図4参照)。
図5は、通常運転時におけるアクチュエータの制御ステップを示すフローチャートである。また、図6は、累積時間と平均累積時間の関係を示すグラフであって、横軸はクランクアングル、縦軸は累積時間を示す。そして、クランクアングルが15°変化する時間間隔と、その累積時間の関係を示している。
あらかじめ、エンジンECU10からの情報(信号)に基づきエンジン2の気筒のうち、一部を休止している気筒休止運転状態か、エンジン2の全ての気筒が運転する全筒運転かを、電子制御ユニットUが判定する。
本実施形態では、4サイクルV型6気筒のエンジンに基づいて説明する。全筒運転時には、クランクシャフトが2回転する間に6回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは120°となる。この振動周期において、クランクアングルの15°毎に8個のクランクパルスが出力される。また片方のバンクの気筒の運転を休止する気筒休止運転時には、クランクシャフトが2回転する間に3回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは240°になり、その間に16個のクランクパルスが出力される。
例えば、エンジン2が全筒運転状態であると判断された場合、図5に示すように、電子制御ユニットUはエンジン2の振動周期Tに対応するクランクアングル(全筒運転の場合は120°)を決定する(ステップS1)。
そして、電子制御ユニットUは、振動周期Tにおける8個のクランクパルスを読み込み、クランクパルスの時間間隔を算出する(ステップS2)。図6に示すように、振動周期Tの間に8個のクランクパルスが出力され、それらの時間間隔tn(n=1、2、・・・、8)はクランクシャフトの角速度の変動に応じて変動する。
すなわち、エンジン2の爆発工程ではクランク角速度ωが増加して時間間隔tnが短くなり、エンジン2の圧縮工程では、クランク角速度ωが減少して時間間隔tnが長くなるが、それ以外にエンジン回転速度Neが増加する過程では、クランク角速度ωの増加により時間間隔tnが短くなり、エンジン回転速度Neが減少する過程では、クランク角速度ωの減少により時間間隔tnが長くなる。したがって、図6に示すクランクパルスの時間間隔tnは、エンジン2の各振動周期T内の振動に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素と、エンジン回転速度Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素とを含むものになる。
前記2つの要素のうち、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えるのは前者の要素(振動に伴うクランク角速度ωの変動)であり、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えない後者の要素(エンジン回転速度Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動)を排除する必要がある。このため、電子制御ユニットUは、以下のようにステップS3からステップS5を実行する。
すなわち、電子制御ユニットUは、クランクパルスの8個の、振動周期における時間間隔tnの累積時間Σtn=t1+t2+・・・+t8を算出する(ステップS3)。この累積時間Σtnは振動周期Tに相当する。
そして、クランクパルス8個の時間間隔tnの、振動周期における平均累積時間を算出する(ステップS4)。図6に示すように、累積時間ΣtnのラインはS字状にカーブしているが、平均累積時間のラインは、累積時間Σtnのラインの始点と終点を結ぶ直線となる。つまり、平均累積時間は、クランク角速度ωが一定である場合の累積時間Σtnに相当し、その値はクランクアングル15°増加する毎にT/8ずつ増加する。
そして、電子制御ユニットUはクランクアングル15°おきの各位置において、累積時間Σtnから平均累積時間を減算することにより、8個の偏差Δt1、Δt2、・・・、Δt8を算出し、エンジン回転速度Neの増減の影響を排除する(ステップS5)。図6の下側のS字状にカーブするラインは、偏差Δtnを表すもので、このラインはエンジン回転速度Neの増減の影響を取り除いたクランクパルスの時間間隔tnの変動波形、つまりクランク角速度ωが一定である場合のクランクパルスの時間間隔tnに対するずれに相当する。
エンジン振動が存在しないと仮定した場合、エンジン回転速度Neが一定であれば、時間間隔tnの累積時間Σtnは、平均累積時間と同じように直線状に増加するが、エンジン回転速度Neが増減する場合には、時間間隔tnの累積時間Σtnは、直線状の平均累積時間から外れることになる。しかしながら、本実施形態では、実際には変動するエンジン回転速度Neを平均化した直線状の平均累積時間を基準とし、その平均累積時間からの偏差Δtnを算出することで、エンジン回転速度Neの変動の影響を排除してエンジン2の振動だけに起因する偏差Δtnを得ることができる。このことは、クランクシャフトの平均角速度に対する実角速度の偏差を求めることに他ならない。
さらに電子制御ユニットUは、偏差Δtnの最大値と最小値とを判定し、その最大値と最小値との偏差に基づいてクランク速度の変動量VAPPを算出し(ステップS6)、カム角センサSbの出力タイミングと最小値までの時間nに基づき振動の位相を推定する(ステップS7)。そして、電子制御ユニットUは、記憶部62eに予め記憶されるクランク速度の変動量VAPPとエンジン回転速度Neとのマップに基づき、振動の振幅を算出して、アクチュエータ41に印可する目標電流波形を決定するとともに、位相とエンジン回転速度Neとのマップに基づき、出力タイミングを決定する(ステップS8)。
なお、電子制御ユニットUが、エンジン2が気筒休止運転状態であると判断した場合には、前記振動周期Tにおける16個のクランクパルスを読み込み、全筒運転状態と同じ手順でアクチュエータ41に印可する目標電流波形とその出力タイミングとを決定する。
以上のように、エンジン2が振動すると、その振動の振幅及び位相に応じて、エンジン2の上下動に追従するように能動型防振支持装置Mを伸縮させることで、エンジン2の振動が車体フレームに伝達されるのを抑制して、防振機能を発揮させることができる。
前記のように、電子制御ユニットU(図3参照)が、アクチュエータ41(図3参照)に供給する目標電流波形を決定するには、算出したクランク速度の変動量VAPPに基づいたマップを参照して決定する。
クランク速度の変動量VAPPは、クランクシャフトにかかる負荷によって変動することから、クランク速度の変動量VAPPに基づいて目標電流波形を決定することは、クランクシャフトにかかる負荷、すなわちエンジン2(図1の(a)参照)の負荷に基づいたマップによって、目標電流波形を決定することになる。
(シフトポジションの違いによる制御量の変更)
ここで、クランクシャフトにかかる負荷、すなわちエンジン2(図1の(a)参照)の負荷と、シフトレバー5aのシフトポジションの関係をみると、例えばNレンジ(ニュートラルレンジ)とDレンジ(ドライブレンジ)とで、エンジン2の負荷は異なる。Nレンジはエンジン2が図示しない駆動輪などの駆動系と切断されているのに対し、Dレンジはエンジン2がトルクコンバータ3b及び自動変速機3a(図2参照)を介して、図示しない駆動系と連結されることから、DレンジとNレンジとでは、エンジン2の負荷が異なる。
しかしながら、エンジン2(図1の(a)参照)の負荷が異なっていても、クランク速度の変動量VAPPには変動の幅があることから、DレンジとNレンジで同じクランク速度の変動量VAPPを示す領域がある。
図7の(a)は、アイドリング状態のエンジン回転速度で、Nレンジ及びDレンジのときに、アクチュエータに供給する目標電流波形の電流ピーク値の範囲と、クランク速度の変動量VAPPの関係を示す概略図である。図7において破線は、Nレンジの場合を示し、実線はDレンジの場合を示す。そして、図7の(a)の横軸は、アイドリング状態におけるエンジン回転速度Neの変動を示している。図7の(a)に示すように、同じエンジン回転速度Neであっても、クランク速度の変動量VAPPには幅があって、斜線で示すようにNレンジのクランク速度の変動量VAPPと、Dレンジのクランク速度の変動量VAPPが重なる領域がある。
従来、クランク速度の変動量VAPPがNレンジとDレンジで重なる場合、NレンジであってもDレンジに対応する目標電流波形を演算している。これは、クランク速度の変動量VAPPに基づいたマップがシフトポジションの違いによる振動荷重の大きさの違いを考慮せず、走行中の振動抑制を優先させるため、Dレンジに対応する目標電流波形を優先するように構成されていることによる。
したがって、例えばシフトポジションがNレンジの場合、Dレンジに対応する目標電流波形がアクチュエータ41(図3参照)に供給されることになる。このことによって、シフトポジションがNレンジの場合、車両V(図1の(a)参照)に発生する振動や騒音が不安定になって、ドライバが違和感を覚えることがある。
そこで、本実施形態においては、シフトポジションによって異なるマップを用いることとし、NレンジとDレンジの2種類のマップを用いることを特徴とした。
すなわち、シフトポジションがDレンジの場合にアクチュエータ41に供給する目標電流波形の電流ピーク値の範囲と、エンジン回転速度Neに対応するクランク速度の変動量VAPPの関係を示すマップ1と、Nレンジの場合にアクチュエータ41に供給する目標電流波形の電流ピーク値の範囲と、エンジン回転速度Neに対応するクランク速度の変動量VAPPの関係を示すマップ2と、をあらかじめ実験等に基づいて作成し、例えば図2に示す電子制御ユニットUの記憶部62eに、データ62e1として記憶しておく構成とした。
このように構成することで、例えばシフトポジションがDレンジの場合、電子制御ユニットUはマップ1を参照して、エンジン回転速度Neとクランク速度の変動量VAPPに対応する電流ピーク値を演算して、アクチュエータ41に供給する目標電流波形を算出することができる。
また、シフトポジションがNレンジの場合、電子制御ユニットUはマップ2を参照して、エンジン回転速度Neとクランク速度の変動量VAPPに対応する電流ピーク値を演算して、アクチュエータ41に供給する目標電流波形を算出することができる。すなわち、設定されるシフトポジションに応じて、制御量である目標電流波形が変更されることになる。
なお、シフトポジションがDレンジ以外の駆動レンジ(他の前進レンジやリバースレンジ)の場合、電子制御ユニットUはマップ1を参照して目標電流波形を演算し、パーキングレンジの場合は、電子制御ユニットUはマップ2を参照して目標電流波形を演算する構成としてもよいし、Nレンジ、Dレンジ以外の各シフトポジションに対応する個別のマップを有する構成としてもよい。
このように、シフトポジションによって参照するマップを変更することで、エンジン2(図1の(a)参照)にかかる負荷に基づいた目標電流波形を演算することができ、シフトポジションの違いによって、車両V(図1の(a)参照)に発生する振動や騒音が不安定になる現象を抑制できるという優れた効果を奏する。
図7の(b)は、所定のエンジン回転速度において、Nレンジで車両に発生する振動を測定した結果を示すグラフである。図7の(b)は横軸が周波数で縦軸が振動の大きさを示す。図7の(b)に破線で示すように、対応前、すなわちDレンジのマップとNレンジのマップを共用した場合に比べて、対応後、すなわち、Dレンジ用のマップ1とNレンジ用のマップ2を備え、Nレンジのときにマップ2を参照した場合は、全てのロール共振周波数の帯域において振動の大きさの変位が小さい。このことから、Nレンジ用のマップ2を備え、シフトポジションがNレンジの場合は、電子制御ユニットUがマップ2を参照して目標電流波形を演算することで、車両V(図1の(a)参照)に発生する振動が不安定になる現象を抑制できることがわかる。
また、アイドリング時にエンジン2(図1の(a)参照)にかかる負荷は、車両V(図1の(a)参照)に備わる電気機器の動作状態によっても変動する。これは、動作する電気機器、すなわちONされた電気機器が多いときは、ジェネレータによる発電が促進されるため、ジェネレータからクランクシャフトにかかる負荷が増大することによる。
例えば、DレンジでライトをONした場合と、Nレンジでエアコン(エアコンディショナ)をONした場合の目標電流波形とクランク速度の変動量VAPPはほぼ同じ値を示すが、エンジンの振動荷重は異なる値となる。
このように、車両V(図1の(a)参照)に備わる電気機器の動作状態によっても、エンジン回転速度Neとクランク速度の変動量VAPPと振動荷重の関係は変動することから、電気機器の動作状態に対応したマップをあらかじめ作成し、図2に示す記憶部62eに記憶しておく構成であってもよい。
すなわち、例えばエアコンがONの場合とOFFの場合のマップ、ライトがONの場合とOFFの場合のマップ、及び各電気機器のONとOFFを組み合わせた場合のマップを、それぞれDレンジとNレンジに対応させて用意し、図2に示す記憶部62eに記憶させておく。
そして、電子制御ユニットU(図2参照)は、例えば各電気機器がONの場合とOFFの場合とに応じ、設定されているシフトポジション(DレンジまたはNレンジ)に対応したマップを参照して、目標電流波形を演算する構成とする。
このように構成することで、シフトポジションと電気機器の動作状態に対応して好適な目標電流波形を演算することができ、能動型防振支持装置Mが、より好適に振動を抑制することができる。
(電源電圧による制御量の変更)
また、電子制御ユニットU(図2参照)が演算する、アクチュエータ41(図3参照)により往復駆動される可動部材28(図4参照)の目標振動波形は、エンジン2(図1の(a)参照)の振動波形を近似した正弦波状であるが、本実施形態のアクチュエータ41のようにリニアソレノイドを使用したものでは、アクチュエータ41に正弦波電流を供給しても可動部材28の振動波形は正弦波状にならず、例えば、周波数が2倍の二次振動波形(以下、駆動2次と称する)のような高次振動波形が乗ってしまい、アクチュエータ41が有効な制振力を発生するのを妨げる問題がある。
通常、エンジン2の振動状態から決定したアクチュエータ41の正弦波状の一次電流波形に、周波数が2倍の二次電流波形を、一次電流波形に対する位相およびゲインを考慮して加算することで補正を施し、その補正後の目標電流波形をアクチュエータ41に供給することで可動部材28を正確な正弦波状に往復駆動し、駆動2次の発生を抑制している。
以上のようにアクチュエータ41に供給する目標電流波形を決定し、この目標電流波形で能動型防振支持装置Mを作動させるが、このときの目標電流波形はエンジンの振動状態に基づいて決定されたフィードフォワード制御量であり、能動型防振支持装置Mの制御は基本的にフィードフォワード制御である。そして目標電流波形が供給されたアクチュエータ41を流れる実電流を、電子制御ユニットUが図示しない電流センサで検出し、この実電流が目標電流波形に一致するようにフィードバック制御を行うことで、アクチュエータ41に供給される実電流を精度良く目標電流波形に一致させることができる。
しかしながら、能動型防振支持装置Mを駆動する電源電圧が低い場合、供給できる電流が充分に確保できないことから、電子制御ユニットUの定電流出力回路62f(図2参照)から出力されてアクチュエータ41に供給されるデューティ信号の出力波形が、目標電流波形に追従できなくなる。その結果、能動型防振支持装置Mの電源電圧が低い場合に駆動2次が発生し、車両V(図1の(a)参照)に伝達されてしまう。このことによって、ドライバが違和感を覚える。
車両V(図1の(a)参照)においては、例えばジェネレータによる発電電圧が安定せず、バッテリ4(図1の(a)参照)から低い電圧が能動型防振支持装置M(図1の(a)参照)を含む各電気機器に供給されるBattモードと、ジェネレータによる発電電圧が安定し、所定の高い電圧が各電気機器に供給される発電モードを有する。そして、Battモード時は、前記のように能動型防振支持装置Mに供給される電圧が低いことから、アクチュエータ41(図4参照)を駆動すると駆動2次が発生する。これは、電子制御ユニットUが、アクチュエータ41に供給する目標電流波形を決定するときに使用するマップが、Battモード時と発電モード時とで同じであることに起因して、アクチュエータの電源がバッテリ4から供給されているときには、アクチュエータが目標電流波形に追従することができずに駆動2次が発生する。
そこで、本実施形態においては、Battモードと発電モードで異なる2種類のマップを用いることを特徴とする。
すなわち、Battモード時にアクチュエータ41に供給する目標電流波形の電流ピーク値の範囲と所定のエンジン回転速度Neにおけるクランク速度の変動量VAPPの関係を示すマップ3と、発電モード時にアクチュエータ41(図3参照)に供給する目標電流波形の電流ピーク値の範囲と所定のエンジン回転速度Neにおけるクランク速度の変動量VAPPの関係を示すマップ4と、をあらかじめ実験等に基づいて作成し、図2に示す電子制御ユニットUの記憶部62eに、データ62e1として記憶しておく構成とした。
そして、電子制御ユニットU(図2参照)には、例えば能動型防振支持装置M(図2参照)の電源電圧を測定する図示しない電圧計が備わり、所定の閾値をもって、Battモードと発電モードとを判定する構成とする。一般的に、Battモード時にバッテリ4から供給される電源電圧の標準電圧は12Vであり、発電モード時に図示しないジェネレータ等から供給される電源電圧の標準電圧は14Vであることから、閾値を、例えば13Vとして、電子制御ユニットUが計測する電圧が13Vより低い場合はBattモードと判定し、13V以上の場合は、発電モードと判定すればよい。
なお、閾値は限定される値ではなく、車両V(図1の(a)参照)の特性等によって適宜設定すればよい。
このように構成することで、例えばBattモード時は、電子制御ユニットU(図2参照)はマップ3を参照して、エンジン回転速度Neとクランク速度の変動量VAPPに対応する電流ピーク値を演算して、アクチュエータ41に供給する目標電流波形を算出することができる。
すなわち、アクチュエータ41の電源電圧に基づいて、制御量である目標電流波形が補正されることになる。
また、発電モード時は、電子制御ユニットUはマップ4を参照して、エンジン回転速度Neとクランク速度の変動量VAPPに対応する電流ピーク値を演算して、アクチュエータ41に供給する目標電流波形を算出することができる。
図8の(a)は、発電モード時の目標電流波形とBattモード時の目標電流波形を示すグラフである。図8の(a)に実線で示される、発電モード時の目標電流波形に対して、電子制御ユニットUは、Battモード時に、破線で示すように電流値の低い目標電流波形を演算する。このように、電子制御ユニットUが、発電モード時の目標電流波形より低い電流値の目標電流波形を演算することで、Battモード時であっても、アクチュエータ41に供給されるデューティ信号の出力波形が目標電流波形に追従できるようになる。その結果、Battモード時に能動型防振支持装置Mに発生する駆動2次の大きさを、発電モード時に発生する駆動2次の大きさと略同等に抑えることができる。
図8の(b)は、Battモード時と発電モード時に、発生する駆動2次の大きさを示すグラフであって、縦線が振動の大きさ、横線が振動の周波数を示す。図8の(b)に、破線で示すように、Battモード対策前、すなわちBattモード時においても発電モード時用のマップ4を参照して目標電流波形を演算した場合、発生する駆動2次は、実線で示す、発電モード時に発生する駆動2次より大きい。
これに対し、図8の(b)に一点鎖線で示すように、Battモード対策後、すなわちBattモード時には、Battモード時用のマップ3を参照して目標電流波形を演算した場合、発生する駆動2次は、発電モード時に発生する駆動2次と略同等の値となる。このことから、Battモード時用のマップ3をあらかじめ設定しておくことで、Battモード時に、能動型防振支持装置M(図3参照)に発生する駆動2次の大きさを、発電モード時に発生する駆動2次の大きさと略同等に抑えることができるという優れた効果を奏する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更が可能である。
例えば、シフトポジションの違いによる複数のマップを、電源電圧の違いに対応して備える構成も考えられる。このような構成によって、電子制御ユニットU(図2参照)は、シフトポジションの違いと電源電圧の違いの両方に対応した目標電流波形を演算することができ、より好適にエンジン2の振動を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る能動型防振支持装置を適用した車両を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 能動型防振支持システムの構成を示す図である。 能動型防振支持装置の縦断面図である。 図3のA部拡大図である。 通常運転時におけるアクチュエータの制御ステップを示すフローチャートである。 累積時間と平均累積時間の関係を示すグラフである。 (a)は、アイドリング状態のエンジン回転速度の目標電流波形と、クランク速度の変動量VAPPの関係を示す概略図、(b)は、所定のエンジン回転速度において、Nレンジで車両に発生する振動を測定した結果を示すグラフである。 (a)は、発電モード時の目標電流波形とBattモード時の目標電流波形を示すグラフ、(b)は、Battモード時と発電モード時に、発生する駆動2次の大きさを示すグラフである。
符号の説明
1 能動型防振支持システム
2 エンジン
3 トランスミッション
4 バッテリ
5 シフト装置
41 アクチュエータ
M 能動型防振支持装置
V 車両
U 電子制御ユニット(制御部)
Sa クランクパルスセンサ
Sb カム角センサ
Sc エンジン回転速度センサ

Claims (1)

  1. エンジンを支持し、
    エンジン回転速度およびクランク速度の変動量と、
    これらの値をパラメータとする制御マップと、に基づいて制御部が算出する制御量で伸縮するアクチュエータの動作によって、防振機能を発揮する車両の能動型防振支持装置において、
    前記制御マップは、
    前記エンジンと駆動系がトルクコンバータおよび自動変速機を介して連結されるシフトポジションであるDレンジに対応したDレンジ用制御マップと、
    前記エンジンと前記駆動系が切断されるシフトポジションであるNレンジに対応したNレンジ用制御マップとを有し、
    前記制御部は、シフトポジションが前記Dレンジの場合は前記Dレンジ用制御マップを参照して前記制御量を算出し、シフトポジションが前記Nレンジの場合は前記Nレンジ用制御マップを参照して前記制御量を算出し、
    さらに、算出した前記制御量を、前記アクチュエータの電源電圧に基づいて補正することを特徴とする能動型防振支持装置。
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