JP4837635B2 - 能動型防振支持装置およびエンジンの振動周波数検出方法 - Google Patents

能動型防振支持装置およびエンジンの振動周波数検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、エンジンと支持体との間に配置されて制御手段によるアクチュエータへの電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置と、エンジンと支持体との間に配置されてアクチュエータへの電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置を用いて、前記エンジンの振動周波数を検出するエンジンの振動周波数検出方法とに関する。
クランクシャフトの所定回転角毎に出力されるクランクパルスの時間間隔からクランク角速度を算出し、クランク角速度を時間微分したクランク角加速度からクランクシャフトのトルクを算出し、トルクの変動量としてエンジンの振動状態を推定し、エンジンの振動状態に応じてアクチュエータのコイルへの通電を制御して防振機能を発揮させる能動型防振支持装置が,下記特許文献1により公知である。
特開2005−3156号公報
ところで、エンジンの通常運転状態における振動状態(振動周波数)は上述したクランクパルス信号を用いる手法で検出することが可能であるが、エンジンの始動時や停止時のような過渡期には振動波形が大きく変化するため、クランクパルス信号からエンジンの振動周波数を求めることは困難である。
そこで、加速度センサを用いてエンジンの振動周波数を検出することが考えられるが、加速度センサを追加することがコストアップの要因となる問題がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンと支持体との間に配置された能動型防振支持装置を用いてエンジンの振動周波数を検出可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば,エンジンと支持体との間に配置されて制御手段によるアクチュエータへの電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置において、前記制御手段は、前記エンジンにより加振されるアクチュエータの逆起電流を電流検出手段により検出し、前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンが始動あるいは停止する際のロール共振の振動周波数を検出することを特徴とする能動型防振支持装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記制御手段は、前記アクチュエータに定電流を供給した状態で、前記定電流に重畳された前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンのロール共振の振動周波数を検出することを特徴とする能動型防振支持装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、エンジンと支持体との間に配置されてアクチュエータへの電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置を用いて、前記エンジンの振動周波数を検出するエンジンの振動周波数検出方法において、前記エンジンにより加振される前記能動型防振支持装置のアクチュエータの逆起電流を電流検出手段により検出し、前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンが始動あるいは停止する際のロール共振の振動周波数を検出することを特徴とするエンジンの振動周波数検出方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項3の構成に加えて、前記アクチュエータに定電流を供給した状態で、前記定電流に重畳された前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンのロール共振の振動周波数を検出することを特徴とするエンジンの振動周波数検出方法が提案される。
、実施の形態の車体フレームは本発明の支持体に対応し、実施の形態の電流検出回路63は本発明の電流検出手段に対応する。
請求項1または請求項3の構成によれば、アクチュエータへの電流の供給により周期的に伸縮してエンジンの振動が支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置をエンジンからの振動で加振すると、アクチュエータの逆起電流の振動波形が電流検出手段により検出されるので、その逆起電流の振動波形の周波数からエンジンが始動あるいは停止する際のロール共振の振動周波数を検出することができる。これにより、特別の加速度センサを必要とせずにロール共振の振動周波数を精度良く検出することができる。
また請求項2または請求項4の構成によれば、アクチュエータに定電流を供給した状態で該定電流に重畳されアクチュエータの逆起電流の振動波形の周波数からエンジンのロール共振の振動周波数を検出するので、前記重畳された電流の振動波形がプラス電流側とマイナス電流側とに跨がるのを防止し、プラス・マイナス一方向の電流しか測定できない電流検出手段の使用を可能にすることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1〜図8は本発明の実施の形態を示すもので、図1は能動型防振支持装置の縦断面図、図2は図1の2部拡大図、図3は通常運転時におけるアクチュエータの制御手法を示すフローチャート、図4は図3のフローチャートのステップS5の説明図、図5は振動周波数検出部のブロック図、図6は振動周波数の検出手法を示すフローチャート、図7は電流検出回路が検出する電流の波形を示す図、図8はエンジンのロール振動の波形を示す図である。
図1および図2に示すように、自動車のエンジンを車体フレームに弾性的に支持するために用いられる能動型防振支持装置M(アクティブ・コントロール・マウント)は、軸線Lに関して実質的に軸対称な構造を有するもので、概略円筒状の上部ハウジング11の下端のフランジ部11aと、概略円筒状の下部ハウジング12の上端のフランジ部12aとの間に、上面が開放した概略カップ状のアクチュエータケース13の外周のフランジ部13aと、環状の第1弾性体支持リング14の外周部と、環状の第2弾性体支持リング15の外周部とが重ね合わされてカシメにより結合される。このとき、下部ハウジング12のフランジ部12aとアクチュエータケース13のフランジ部13aとの間に環状の第1フローティングラバー16を介在させ、かつアクチュエータケース13の上部と第2弾性体支持リング15の内面との間に環状の第2フローティングラバー17を介在させることで、アクチュエータケース13は上部ハウジング11および下部ハウジング12に対して相対移動可能にフローティング支持される。
第1弾性体支持リング14と、軸線L上に配置された第1弾性体支持ボス18とに、厚肉のラバーで形成した第1弾性体19の下端および上端がそれぞれが加硫接着により接合される。第1弾性体支持ボス18の上面にダイヤフラム支持ボス20がボルト21で固定されており、ダイヤフラム支持ボス20に内周部を加硫接着により接合されたダイヤフラム22の外周部が上部ハウジング11に加硫接着により接合される。ダイヤフラム支持ボス20の上面に一体に形成されたエンジン取付部20aが図示せぬエンジンに固定される。また下部ハウジング12の下端の車体取付部12bが図示せぬ車体フレームに固定される。
上部ハウジング11の上端のフランジ部11bにストッパ部材23の下端のフランジ部23aがボルト24…およびナット25…で結合されており、ストッパ部材23の上部内面に取り付けたストッパラバー26にダイヤフラム支持ボス20の上面に突設したエンジン取付部20aが当接可能に対向する。能動型防振支持装置Mに大荷重が入力したとき、エンジン取付部20aがストッパラバー26に当接することで、エンジンの過大な変位が抑制される。
第2弾性体支持リング15に膜状のラバーで形成した第2弾性体27の外周部が加硫接着により接合されており、第2弾性体27の中央部に埋め込むように可動部材28が加硫接着により接合される。第2弾性体27の外周部は 第2弾性体支持リング15と後述するヨーク44との間に挟持され、その先端の環状の肉厚部がシール機能を発揮する。第2弾性体支持リング15の上面と第1弾性体19の外周部との間に円板状の隔壁部材29が固定されており、隔壁部材29および第1弾性体19により区画された第1液室30と、隔壁部材29および第2弾性体27により区画された第2液室31とが、隔壁部材29の中央に形成した連通孔29aを介して相互に連通する。
第1弾性体支持リング14と上部ハウジング11との間に環状の連通路32が形成されており、連通路32の一端は連通孔33を介して第1液室30に連通し、連通路32の他端は連通孔34を介して、第1弾性体19およびダイヤフラム22により区画された第3液室35に連通する。
次に、前記可動部材28を駆動するアクチュエータ41の構造を説明する。
アクチュエータケース13の内部に固定コア42、コイル組立体43およびヨーク44が下から上に順次取り付けられる。コイル組立体43は、固定コア42およびヨーク44間に配置されたコイル46と、コイル46の外周を覆うコイルカバー47とで構成される。コイルカバー47には、アクチュエータケース13および下部ハウジング12に形成した開口13b,12cを貫通して外部に延出するコネクタ48が一体に形成される。
コイルカバー47の上面とヨーク44の下面との間にシール部材49が配置され、コイル46の下面と固定コア42の上面との間にシール部材50が配置される。これらのシール部材49,50によって、アクチュエータケース13および下部ハウジング12に形成した開口13b,12cからアクチュエータ41の内部空間に水や塵が入り込むのを阻止することができる。
ヨーク44の円筒部44aの内周面に薄肉円筒状の軸受け部材51が上下摺動自在に嵌合しており、この軸受け部材51の上端には径方向内向きに折り曲げられた上部フランジ51aが形成されるとともに、下端には径方向外向きに折り曲げられた下部フランジ51bが形成される。下部フランジ51bとヨーク44の円筒部44aの下端との間にセットばね52が圧縮状態で配置されており、このセットばね52の弾発力で下部フランジ51bを弾性体53を介して固定コア42の上面に押し付けることで、軸受け部材51がヨーク44に支持される。
軸受け部材51の内周面に概略円筒状の可動コア54が上下摺動自在に嵌合する。前記可動部材28の中心から下向きに延びるロッド55が可動コア54の中心を緩く貫通し、その下端にナット56が締結される。可動コア54の上面に設けたばね座57と可動部材28の下面との間に圧縮状態のセットばね58が配置されており、このセットばね58の弾発力で可動コア54はナット56に押し付けられて固定される。この状態で、可動コア54の下面と固定コア42の上面とが、円錐状のエアギャップgを介して対向する。ロッド55に対し、ナット56は固定コア42の中心に形成された開口42a内で上下位置を調整されて締結されており、この開口42aはゴム製のキャップ60で閉塞される。
このように構成された能動型防振支持装置Mは、エンジンの振動状態に応じて電子制御ユニットUにより制御される。
電子制御ユニットUは、エンジンのクランクシャフトの回転に伴って、クランクシャフトの1回転につき24回、つまりクランクアングルの15°毎に1回出力されるクランクパルスを検出するクランクパルスセンサSaと、クランクシャフトの1回転につき3回、つまり各気筒の上死点毎とに1回出力されるカム角センサSbに接続されている。電子制御ユニットUはクランクパルスセンサSaおよびカム角センサSbの出力に基いてエンジンの振動状態を推定し、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41に対する通電を制御する。
アクチュエータ41のコイル46は、電子制御ユニットUからの通電制御により励磁され、可動コア54を吸引して可動部材28を下側に移動させる。この可動部材28の移動に伴い、第2液室31を区画する第2弾性体27が下方に変形して該第2液室27の容積が増加する。逆にコイル46を消磁すると、第2弾性体27が自己の弾性により上方に変形し、可動部材28および可動コア54が上昇し、第2液室31の容積が減少する。
しかして、自動車の走行中に低周波数のエンジンシェイク振動が発生したとき、エンジンから入力される荷重で第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化すると、連通路32を介して接続された第1液室30および第3液室35間で液体が行き来する。第1液室30の容積が拡大・縮小すると、それに応じて第3液室25の容積が縮小・拡大するが、この第3液室35の容積変化はダイヤフラム22の弾性変形により吸収される。このとき、連通路32の形状および寸法、並びに第1弾性体19のばね定数は前記エンジンシェイク振動の周波数領域で低ばね定数および高減衰力を示すように設定されているため、エンジンから車体フレームに伝達される振動を効果的に低減することができる。
尚、上記エンジンシェイク振動の周波数領域では、アクチュエータ41は非作動状態に保たれる。
前記エンジンシェイク振動よりも周波数の高い振動、即ちエンジンのクランクシャフトの回転に起因するアイドル時の振動や、エンジンの気筒の一部を休止してエンジンを駆動する気筒休止運転時の振動が発生した場合、第1液室30および第3液室35を接続する連通路32内の液体はスティック状態になって防振機能を発揮できなくなるため、アクチュエータ41を駆動して防振機能を発揮させる。
能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41を作動させて防振機能を発揮させるべく、電子制御ユニットUはクランクパルスセンサSa、カム角センサSb、エンジン回転数センサScおよびエンジンECU10からの信号に基づいてコイル46に対する通電を制御する。
次に、図3のフローチャートに基づいて、エンジンの始動時および停止時を除く通常の運転状態での能動型防振支持装置Mの制御を説明する。
予め、エンジンECU10からの情報に基づきエンジンの気筒のうち、一部を休止している気筒休止運転状態か、エンジンの全ての気筒が運転する全筒運転状態かを判定する。本実施の形態では4サイクルV型6気筒のエンジンとして説明する。全筒運転時にはクランクシャフトが2回転する間に6回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは120°となる。この振動周期において、クランクアングルの15°毎に8個のクランクパルスが出力される。また片方のバンクの気筒の運転を休止する気筒休止運転時には、クランクシャフトが2回転する間に3回の爆発が起きるため、その振動周期のクランクアングルは240°となり、その間に16個のクランクパルスが出力される。
例えば、エンジンが全筒運転状態であると判断された場合には、先ずステップS1でエンジンの振動周期Tに対するクランクアングル(この場合は120°)を決定する。続くステップS2で振動周期Tにおける8個のクランクパルスを読み込み、クランクパルスの時間間隔を演算する。図4に示すように、振動周期Tの間に8個のクランクパルスが出力され、それらの時間間隔tn(t1,t2,t3,…,t8)はクランクシャフトの角速度の変動に応じて変動する。
即ち、エンジンの爆発行程ではクランク角速度ωが増加して時間間隔tnが短くなり、エンジンの圧縮行程ではクランク角速度ωが減少して時間間隔tnが長くなるが、それ以外にエンジン回転数Neが増加する過程ではクランク角速度ωの増加により時間間隔tnが短くなり、エンジン回転数Neが減少する過程ではクランク角速度ωの減少により時間間隔tnが長くなる。従って、図4に示すクランクパルスの時間間隔tnは、エンジンの各振動周期T内の振動に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素と、エンジン回転数Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動に起因する要素とを含むものとなる。
上記二つの要素のうち、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えるのは前者の要素(振動に伴うクランク角速度ωの変動)であり、能動型防振支持装置Mの制御に影響を与えない後者(エンジン回転数Neの増減に伴うクランク角速度ωの変動)の要素を排除する必要がある。
続くステップS3でクランクパルスの8個の時間間隔tnの累積時間Σtn=t1+t2+t3+…+t8を算出する。この累積時間Σtnは振動周期Tに相当する。
続くステップS4で8個の時間間隔tnの平均累積時間を算出する。図4から明らかなように累積時間のラインはS字状にカーブしているが、平均累積時間のラインは、累積時間のラインの始点と終点とを結ぶ直線となる。つまり、平均累積時間は、クランク角速度ωが一定である場合の累積時間に相当し、その値はクランクアングルが15°増加する毎にT/8ずつ増加する。
続くステップS5でクランクアングルの15°おきの各位置において、累積時間から平均累積時間を減算することにより、8個の偏差Δt1,Δt2,Δt3,…,Δt8を算出する。図4の下側のS字状にカーブするラインは偏差Δtnを表すもので、このラインはエンジン回転数Neの変動の影響を取り除いたクランクパルスの時間間隔tnの変動波形、つまりクランク角速度ωが一定である場合のクランクパルスの時間間隔tnに対するずれに相当する。
エンジン振動が存在しないと仮定した場合、エンジン回転数Neが一定であれば、時間間隔tnの累積時間は平均累積時間と同じように直線状に増加するが、エンジン回転数Neが増減する場合には、時間間隔tnの累積時間は直線状の平均累積時間から外れることになる。しかしながら本実施の形態では、実際には変動するエンジン回転数Neを平均化した直線状の平均累積時間を基準とし、その平均累積時間からの偏差Δtnを算出することで、エンジン回転数Neの変動の影響を排除してエンジンの振動だけに起因する偏差Δtnを得ることができる。このことは、クランクシャフトの平均角速度に対する実角速度の偏差を求めることに外ならない。
続くステップS6で偏差Δtnの最大値と最小値とを判定し、その最大値と最小値との偏差に基づいてクランク速度の変動量VAPPを算出し、ステップS7でカム角センサSbの出力タイミングと最小値までの時間nに基づき振動の位相を推定する。そしてステップS8で電子制御ユニットUに予め保存された変動量VAPPとエンジン回転数とのマップに基づき振動の振幅を算出してアクチュエータ41に印加する電流波形を決定するとともに、位相とエンジン回転数とのマップに基づきアクチュエータ41に印加する電流波形の出力タイミングを決定する。
尚、エンジンが気筒休止運転状態であると判断された場合には、前記振動周期Tにおける16個のクランクパルスを読み込み、全筒運転状態と同じ手順でアクチュエータ41に印加する電流波形とその出力タイミングとを決定する。
以上のように、エンジンが振動すると、その振動の振幅および位相に応じて、エンジンの上下動に追従するように能動型防振支持装置Mを伸縮させることで、エンジンの振動が車体フレームに伝達されるのを抑制して防振機能を発揮させることができる。
ところで、エンジンは燃焼室における混合気の爆発がピストンを押し下げる力をコネクティングロッドを介してクランクシャフトの回転運動に変換するもので、エンジン本体にはクランクシャフトの回転の反作用として該クランクシャフトまわりのロールモーメントが作用することになる。このロールモーメントが変動する周波数はエンジン回転数に応じて変化するため、特定のエンジン回転数において前記ロールモーメントが変動する周波数がエンジンのロール共振周波数に一致した場合には、乗員にとって不快な車体振動が発生する。
一般に、前記ロール共振周波数は、エンジンの通常の運転領域での回転数(アイドリング回転数以上の回転数)における振動周波数よりも低いため、エンジンの始動時および停止時のエンジン回転数がアイドリング回転数未満の所定の回転数のときにエンジンのロール共振が発生し、エンジンが大きく振動してその振動が車体に伝達される。これは、運転者がエンジンを始動しようとしてスタータを作動させたときに、大きくブルブルと車体が揺れる動きに相当する。
そこで、本実施の形態では、エンジンのロール共振周波数を検出し、そのロール共振周波数に対応するエンジン回転数領域で能動型防振支持装置Mを作動させることで、エンジンのロール共振に起因する車体振動を抑制している。
以下、図5のブロック図および図6のフローチャートに基づいて、エンジンのロール共振周波数の検出について説明する。尚、ここではエンジンの停止時の場合について説明する。
能動型防振支持装置Mの電子制御ユニットUは、CPU61と、定電流出力回路62と、電流検出回路63とを備えており、ステップS11でエンジンの停止時にエンジンECU10からエンジンの停止信号が入力されると、ステップS12でCPU61が定電流出力回路62に固定デューティのPWM指令を出力することで、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41に直流定電流(例えば、1Aの直流電流)が供給される(図7(A)参照)。ここで前記直流定電流が細かく変動しているのは、PWMによるチョッピングの影響である。
一方、エンジンはエンジンECU10の制御信号に応じて停止動作に入り、回転数を徐々に低下させる。このエンジンの回転数の低下過程において、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41にはエンジンからの振動が入力され、その振動により第1弾性体19に加わる荷重変動により第1弾性体19が変形して第1液室30の容積が変化する。この第1液室30の容積変化に伴い可動部材28に連結された可動コア54がコイル46に対して相対的に往復動することで、コイル46にエンジンの振動波形に応じた波形の交流逆起電流が発生し、この逆起電流による交流電流は前記定電流に重畳される。前記ステップS12でアクチュエータ41に1Aの直流定電流を印加する理由は、その電流検出回路63は一方向にのみ電流を供給して作動させるアクチュエータ41のコイル46の起電力により発生した交流電流を検出するため、マイナス電流を検出できない構造のものだからである。プラス・マイナス両方向の電流を検出可能な電流検出回路63を使用すれば、必ずしも定電流を印加する必要はない。
ステップS13で前記重畳電流が電流検出回路63により検出されると(図7(B)参照)、ステップS14で前記電流検出回路63により検出された電流はローパスフィルタ(LPF)によりフィルタリング処理され、PWMによるチョッピング電流を除去されてエンジンの振動成分に対応する交流電流だけが残される(図7(C)参照)。そしてステップS15でCPU61が前記交流電流の周波数としてエンジンの振動周波数を検出する。このとき、CPU61は、前記交流電流の振動の中で、振幅が所定の大きさにおける領域の周波数をロール共振周波数として電子制御ユニットU内のメモリに保存する。電子制御ユニットUは、検出保存したロール共振周波数を用いて、エンジン始動時に制御を行う。
図8から明らかなように、エンジンのロール共振は始動時と停止時とに発生しており、そのロール共振の周期(周波数)は、始動時のロール共振と停止時のロール共振とで一致しているが、その振幅は始動時の方が停止時よりも大幅に大きなものとなっている。従って、停止時にロール共振の周波数を検出し、その周波数を用いて次の始動時のロール共振による振動を抑制すべく能動型防振支持装置Mを制御すれば、マウントの劣化やエンジン重量の変動などによりロール共振周波数変動したとしても、ロール共振による振動を効果的に抑制することができ、しかも定期的に検出される固有振動数のうちの最新のものに基づいて能動型防振支持装置Mの作動を制御することで、能動型防振支持装置Mの防振効果を有効に発揮させることができる。
またエンジンの始動時には、運転者がエンジンの回転状態(始動したか否か)に注目するために振動に対して敏感になるが、そのときに能動型防振支持装置Mを作動させてロール共振による振動を抑制することで、運転者の体感的な振動抑制効果を大きくすることができる。
以上のように、エンジンの振動が作動停止中の能動型防振支持装置Mに伝達されると、能動型防振支持装置Mのアクチュエータ41の逆起電流の振動波形が電流検出手段63により検出されるが、その逆起電流の振動波形がエンジンの振動波形に一致することにより、逆起電流の振動波形の周波数からエンジンの振動周波数を検出することができる。これにより、特別の加速度センサを必要とせずにエンジンの振動周波数を精度良く検出することができる。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、能動型防振支持装置Mは液体を封入したものに限定されず、ピエゾ素子を用いたものであっても良い
また実施の形態では電子制御ユニットUは、各制御信号を直接センサから受け取っているが、エンジンECU10から信号を受け取ったり、他の制御装置から信号を受け取っても良い。
またエンジンのロール共振周波数をエンジンの停止時に検出する代わりに、エンジンの始動時に検出しても良い。
能動型防振支持装置の縦断面図 図1の2部拡大図 通常運転時におけるアクチュエータの制御手法を示すフローチャート 図3のフローチャートのステップS5の説明図 振動周波数検出部のブロック図 振動周波数の検出手法を示すフローチャート 電流検出回路が検出する電流の波形を示す図 エンジンのロール振動の波形を示す図
M 能動型防振支持装置
41 アクチュエータ
63 電流検出回路(電流検出手段)

Claims (4)

  1. エンジンと支持体との間に配置されて制御手段(U)によるアクチュエータ(41)への電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置において、
    前記制御手段(U)は、前記エンジンにより加振されるアクチュエータ(41)の逆起電流を電流検出手段(63)により検出し、前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンが始動あるいは停止する際のロール共振の振動周波数を検出することを特徴とする能動型防振支持装置。
  2. 前記制御手段(U)は、前記アクチュエータ(41)に定電流を供給した状態で、前記定電流に重畳された前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンのロール共振の振動周波数を検出することを特徴とする、請求項1に記載の能動型防振支持装置。
  3. エンジンと支持体との間に配置されてアクチュエータ(41)への電流の供給により周期的に伸縮し、前記エンジンの振動が前記支持体に伝達されるのを抑制する能動型防振支持装置(M)を用いて、前記エンジンの振動周波数を検出するエンジンの振動周波数検出方法において、
    前記エンジンにより加振される前記能動型防振支持装置(M)のアクチュエータ(41)の逆起電流を電流検出手段(63)により検出し、前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンが始動あるいは停止する際のロール共振の振動周波数を検出することを特徴とするエンジンの振動周波数検出方法。
  4. 前記アクチュエータ(41)に定電流を供給した状態で、前記定電流に重畳された前記逆起電流の振動波形の周波数から前記エンジンのロール共振の振動周波数を検出することを特徴とする、請求項3に記載のエンジンの振動周波数検出方法。
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