JP2009201168A - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の弾性表面波デバイス等の電子部品では、温度特性と電気的特性の両方を同時に向上させることが難しいという問題があった。
【解決手段】基板1と、この基板1の上面に設けた櫛型電極2と、この櫛型電極2を覆うとともに、天面に凹凸形状を有する保護膜4とを備え、櫛型電極2を構成する電極指2aの延伸方向に垂直な面から見た断面形状において、保護膜4の表面形状は、電極指2aの上方で頂部6を有し、隣り合う頂部6の間で、下に凸な曲線になるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、弾性表面波デバイス等の電子部品およびその製造方法に関するものである。
以下、従来の電子部品について説明する。
本従来の技術では、電子部品の一例として弾性表面波デバイス(以下、「SAWデバイス」と記す。)を例にとり説明する。
近年、小型軽量なSAWデバイスは、各種移動体通信端末機器等の電子機器に多く使用されている。特に、800MHz〜2GHz帯における携帯電話システムの無線回路部には、タンタル酸リチウム(以下、「LT」と記す。)基板の切出角度が、X軸周りのZ軸方向への回転角度が36°であるY板から切出された、いわゆる36°YカットX伝播のLT(以下、「36°YLT」と記す。)基板を用いて作成したSAWフィルタが広く用いられてきた。しかし、携帯電話のシステムやその無線回路部におけるフィルタの使用箇所によっては、さらなる通過帯域の低挿入損失化およびフィルタのスカート特性が急峻で、かつ阻止域における抑圧度の高いフィルタ特性が要求されている。この様な要求を満たすため、LT基板の切出角度が、X軸周りのZ軸方向への回転角度が42°であるY板から切出された、いわゆる42°YカットX伝播のLT(以下、「42°YLT」と記す。)基板を用いることで、従来の36°YLT基板を用いるよりも、より低損失かつフィルタのスカート特性が急峻なSAWフィルタを実現する方法が、特開平9−167936号公報に示されている。
しかしながら、42°YLT基板は、従来の36°LT基板同様、弾性表面波の伝播方向の基板の熱膨張係数が大きく、また弾性定数そのものも温度により変化するため、フィルタの周波数特性も温度の変化に対して約−36ppm/°Kと、大きくシフトしてしまうという、温度特性に課題を有していた。例えばアメリカのPCS(Personal Communications Service)用の送信フィルタを例にとって考えた場合、常温で中心周波数1.88GHzのフィルタが、常温±50℃で、約±3.3MHzつまり約6.6MHzも変動する。PCSの場合、送信帯域と受信帯域の間隔は20MHzしかなく、製造上の周波数ばらつきも考慮すると、フィルタにとっての送受信間隔は実質10MHz程度しかない。このため、例えば送信帯域を全温度(常温±50℃)で確保しようとすると受信側の減衰量が十分に取れなくなるという問題を有していた。
また、櫛型電極の上に絶縁膜を形成して温度特性を改善することも行われているが、通常櫛型電極の形がそのまま絶縁膜の形に現れるため、絶縁膜凹部のエッジで不要な反射が起こり、電気的特性を劣化させると言う問題点を有していた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1、及び特許文献2が知られている。
特開平9−167936号公報 国際公開第96/04713号パンフレット
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、電極上に保護膜を形成することによって温度特性および電気的特性が優れた電子部品を得ることを目的とするものである。
前記目的を達成するために本発明は、基板と、互いに平行に並ぶ複数の電極指を有し、前記基板の上面に設けられる櫛型電極と、この櫛型電極を覆うように前記基板の上面に形成される保護膜とを備え、前記保護膜は、前記電極指の延伸方向と直交する方向における断面において各電極指に対応する位置で上方に凸となるとともに、それらの上方に凸となる部分の各頂部同士の間が下に凸な曲線となる凹凸形状を有するようにしたものである。
本発明によれば、基板上に形成された電極を覆うように保護膜を形成し、かつその保護膜を所定の形状とすることによって温度特性および電気的特性が優れた電子部品を得ることができる。
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの上面図であり、図1(b)は、その断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの製造方法を説明する図である。 図3(a)は、従来のSAWデバイスの断面図であり、図3(b)〜(e)は、本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの断面図である。 図4は、図3(a)〜(e)に示すSAWデバイスの要部を拡大した図である。 図5は、図3(a)〜(e)に示すSAWデバイスの電気的特性を示すグラフである。 図6は、本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの構造と電気的特性を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの構造と電気的特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態における電子部品について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態では電子部品の一例としてSAWデバイスを例にして説明する。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明について説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態1における電子部品としてのSAWデバイスの上面図、図1(b)は同断面図である。
同図に示すように本実施の形態1のSAWデバイスは、基板1の上面に、互いに平行に並ぶ複数の電極指2aを有した櫛型電極2と、この櫛型電極2の電極指2aが並ぶ方向の両側に位置する反射電極3とを備えるとともに、少なくともこれら櫛型電極2および反射電極3を覆う保護膜4を備えるものである。さらに櫛型電極2には、当該櫛型電極2から電気信号の取出しを行うためのパッド5が電気的に接続されている。
基板1は、X軸周りにZ軸方向へ数度回転させたY板から切出したタンタル酸リチウム(以下「LT」と記す。)からなるもので、その回転の角度が39°である39°YLT基板である。
櫛型電極2はアルミニウム(以下、「Al」と記する。)またはAl合金からなるものである。
保護膜4は、好ましくは二酸化シリコン(以下、「SiO」と記する。)からなるもので、図1(b)に示すように、その表面には凹凸形状を備えている。保護膜4の凸部分4aは、頂部6がフラットもしくは尖った形状をしており、基板1の上面の電極指2aを有する部分の上方に備わっている。また、保護膜4の凹部分は、頂部6間の電極指2aが基板1の上面に存在しない部分およびその近傍に備わっている。この凹部分の形状は、隣り合う頂部6の間で、下に凸の滑らかな曲線になっている。
ここで、保護膜4が接している基板1の上面から、保護膜4の頂部6までの高さをtとし、保護膜4が接している基板1の上面から、保護膜4の凹部分の最下点までの高さをt1とし、保護膜4の凹部分の最下点から頂部6までの高さ(t−t1)をt2とする。
また、保護膜4が接している基板1の上面から、電極指2aの頂部までを櫛型電極2の高さhとする。
さらに1つの櫛型電極2の電極指2aおよび一方が隣り合う電極指2aの存在する部分までを櫛型電極2の1ピッチ幅Pとする。
また、電極指2aの1本あたりの幅をP1とし、隣り合う電極指2a間の幅をP2(P=P1+P2が成り立つこと)とする。
以上のように構成されるSAWデバイスについて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
図2(a)〜図2(h)は本発明の実施の形態1におけるSAWデバイスの製造方法を説明する図である。
まず、図2(a)に示すように、LT基板21の上面にAlまたはAl合金を蒸着またはスパッタ等の方法により櫛形電極または/および反射器となる電極膜22を成膜する。
次に、図2(b)に示すように、電極膜22の上面にレジスト膜23を形成する。
次に、図2(c)に示すように、所望の形状となるように露光・現像技術等を用いてレジスト膜23を加工する。
次に、図2(d)に示すように、ドライエッチング技術等を用いて電極膜22を櫛型電極や反射器等、所望の形状に加工した後、レジスト膜23を除去する。
次に、図2(e)に示すように、電極膜22を覆うようにSiOを蒸着またはスパッタ等の方法により、保護膜24を形成する。
次に、さらに図2(f)に示すように、保護膜24の表面にレジスト膜25を形成する。
次に、図2(g)に示すように、露光・現像技術等を用いてレジスト膜25を所望の形状に加工する。
次に、図2(h)に示すように、ドライエッチング技術等を用いて、電気信号取出しのためのパッド26等、保護膜24が不要な部分の保護膜を取り除き、その後レジスト膜25を除去する。
最後にダイシングにより個々に分割した後、セラミックパッケージにダイボンド等によりマウントし、ワイヤーボンディング後、蓋を溶接し気密封止を行う。
本発明の実施の形態1においては、保護膜4で温度特性の改善を図るとともに、保護膜4の表面形状を、電極指2aの上方で頂部6を有し、隣り合う頂部6の間が、下に凸な曲線になるようにしたものであり、このようにすることにより、凹部で保護膜4の質量付加が連続的かつ緩やかに変化し、その結果、保護膜4の形状に起因する不要な反射を発生させることなく、電気的特性の劣化を防ぐことができる。
さらに、電極指2aの上方に頂部6を位置させることで、質量付加効果により電極指2aでの反射率が高まり、電気的特性が向上する。
電極指2aでの反射率を向上させるためには、頂部6の中心位置が電極指2aの中心位置に略一致させることが望ましい。
また、電気的特性を効果的に向上させるためには、頂部6の幅L1は、電極指2aの幅P1よりも狭いことが望ましく、より好ましくは、電極指2aの幅の1/4以下が望ましく、頂部6の幅が略0の頂点であっても良い。
ここで、電気的特性が向上することを立証するために、図3(a)〜(e)に示すSAWデバイス10A〜10Eを用いて通過特性を測定した結果を図5に示す。ここで、SAWデバイス10A〜10Eとしては、例えば、電極指2aの幅P1(Pa)が約0.5μm、櫛型電極2のピッチ幅Pが約1μm、櫛型電極2の高さh(電極膜厚)が約140nm、保護膜4の凹部分の最下点までの高さt1が約400nmのものを用いた。なお、本発明のSAWデバイスの形状は、上記の例に特に限定されず、種々の変更が可能である。
図3(a)に示すSAWデバイス10Aは、従来のSAWデバイスであり、頂部の幅Laが電極指2aの幅Paよりも大きくなっている。また、図3(b)〜図3(e)に示すSAWデバイス10B〜10Eは、本実施の形態1のSAWデバイスにおいて、頂部6の幅L1を順次変更したものである。すなわち、SAWデバイス10Bでは、頂部6の幅Lbが電極指2aの幅Paに略等しくなっており、SAWデバイス10Cでは、頂部6の幅Lcが電極指2aの幅Paの1/2よりも小さく、SAWデバイス10Dでは、頂部6の幅Ldが電極指2aの幅Paの1/4よりも小さく、SAWデバイス10Eでは、頂部6の幅Leが略0となっている。なお、頂部6の幅La〜Leとは、図4に示すように、凹部の曲線を延長した線と、頂部6を構成する基板1の上面に平行な直線を延長した線とが交わる点同士の間の距離のことである。
図5から、頂部6の幅が小さくなるに連れて阻止域での減衰量が大きくなるとともに急峻に変化し、電気的特性が向上することが分かる。
また、保護膜4の凹部分の最下点から頂部6までの高さt2と電気的特性との関係を調べると、t2を波長(2×P)で規格化したもの、すなわちt2/(2×P)が、0.01以下では、保護膜4の表面をフラットにしたものに対して反射率の向上がほとんど見られず、0.01より大きくする必要があり、より好ましくは、0.015以上にすることが望ましい。さらに、t2の増加に伴い、反射率を向上させることができるが、t2が櫛型電極の膜厚h以上とするには、上記で示した製造方法にさらに、このSiO形状を作成する為の新たな工程(例えば、保護膜4をエッチングする工程等)を追加することが必要となり、製造方法が煩雑となる。そのため、t2は、0.01<t2/(2×P)<h/(2×P)を満足する範囲に設定されることが望ましい。
さらに発明者らは基板1の切り出し角度と本実施の形態1で示した形状を有する保護膜4が形成されたSAWデバイスの、電気的特性と基板の切り出し角の関係を示す為に、切り出し角の異なるLTの基板を用いてSAWデバイスを作成した。
これにより基板1の切り出し角度が34°から高角度側になるにつれ、その減衰量と急峻性が大きく改善される事を確認した。特に、この実施の形態1で用いたSAWデバイスにおいて減衰量が、SiO2膜を形成しなかった場合の減衰量の約80%である−20dB以上とするには、基板の切り出し角度が約38°以上あればよい。したがって、以上の結果から発明者らは、基板1を、X軸周りにZ軸方向へD°回転させたY板から切出したLTとして、その回転の角度D°が38°以上であるD°YLT基板を用いた場合に良好な温度特性および電気特性が得られることを確認した。
また、電極指2aの膜厚hと、形状の関係についても、hが小さいと頂部を形成する事が難しく、t2/(2×P)を0.01以上にするためには、h/(2×P)を0.05以上にする必要があることも発明者らは確認している。逆にh/(2×P)が0.15を超えると滑らかな曲線を形成するのが難しくなる。本実施の形態1においては、電極材料として、アルミニウムを用いて電極膜の膜厚と保護膜の形状の関係を示したが、保護膜の形状は、電極膜の材料に左右されるものでない為、電極材料が、アルミニウム合金の場合や、アルミニウムもしくはアルミニウム合金と他の材料との積層膜、さらにはアルミニウム以外の金属膜である場合においてもこの関係はほぼ同様である。
次にSiO膜の膜厚と温度特性および電気特性の関係を示す為に、頂部の幅が0であるとともに、SiOの膜厚tがそれぞれ異なる複数のSAWデバイスを作成し、各SAWデバイスの中心周波数における温度特性を測定した。それぞれのデバイスのSiO膜の規格化膜厚t/(2×P)および電気機械結合係数kと温度特性の一覧を(表1)に示した。
Figure 2009201168
図6は、SiO膜の膜厚を波長で規格化したものと、温度特性との関係を表したものであり、SiO膜の膜厚が厚くなるにつれて、その温度特性も改善されることを示している。特にSiO膜の規格化膜厚が約0.09以上になると温度特性の絶対値も30ppm/°K以下となり、さらに約0.27で温度係数が0となる。
図7は、電極の規格化膜厚が6%のときのSiO膜の膜厚を波長で規格化したものと、電気機械結合係数kとの関係を表したものであり、SiO膜の膜厚が厚くなるにつれて、その電気機械結合係数kが低下することを示している。電気機械結合係数kが小さくなるにつれて、急峻性は増すが、同時にこのSAWデバイスを用いてラダー型のSAWフィルタを構成する際、その帯域幅は狭くなる。
現在普及している携帯電話システムにおいて必要とされるフィルタの帯域幅を確保するには、6%程度以上の結合係数が好ましい。図7から6%の結合係数が得られるのはSiOの規格化膜厚が約20%以下の場合で、SiO膜の規格化膜厚が約30%を越えると結合係数が5%未満となり、フィルタの帯域を確保することが非常に困難となる。また逆に電気機械結合係数kが大きすぎると、帯域幅は広くなるが、急峻性が失われるため、送信帯域と受信帯域の間で十分に通過域から減衰域に遷移することができず、減衰域において十分な抑圧が得られない、もしくは通過域において損失が大きくなるといった問題が発生する。さらに温度係数を考慮すると、フィルタ特性に許される通過域から減衰域への遷移領域は、送信帯域と受信帯域の間の周波数ギャップから温度によるドリフト周波数幅を差し引いた値以下である必要がある。したがって、図6と図7を考慮すると、電気機械結合係数kが約5%以上で、温度特性の絶対値が約30ppm/°K以下となるSiO膜の膜厚が好ましい。
以上の結果から発明者らは、保護膜としてSiOを用い、基板表面から前記保護膜の凹部までの高さで定義される保護膜の厚さtが0.09≦t/(2×P)≦0.3の条件を満たしている場合に良好な温度特性および電気的特性が得られることを確認した。また、機械結合係数kが約6%以上で、温度特性の絶対値が約25ppm/°K以下となるようにするために、0.12≦t/(2×P)≦0.2の条件を満たすことがより好ましい。
本実施の形態においては、基板としてLT基板、保護膜としてSiOを用いたが、本発明はこれに制限されるものでなく、異なった基板や保護膜に対しても、本発明の考え方を適用することは可能である。その場合、それぞれの基板や保護膜の材料特性により最適条件があることは言うまでもない。
(実施の形態2)
以下に本発明の、実施の形態2におけるデバイスについて図面を参照しながら説明する。
本実施の形態2においてSAWデバイスは、実施の形態1とほぼ同様のSAWデバイスを用いた。本実施の形態2におけるSAWデバイスの製造方法は、実施の形態1で説明した方法とほぼ同等であるが、基板と、この基板の上面に設けた櫛型電極と、この櫛型電極を覆うとともに、上面に凹凸形状を有する保護膜とを備え、保護膜の最表面は、櫛型電極を構成する電極指の延伸方向に垂直な面から見た断面形状において、電極指の上方で頂部を有しかつ、隣り合う頂部間が、下に凸な曲線で結ばれた形状を得る方法として、製造方法を示した図2(e)のSiO膜形成において基板側にバイアスを印加しながらスパッタリングで成膜を行う、いわゆるバイアススパッタリング法を用いた。
SiOターゲットをスパッタリングすることにより基板21上にSiOを堆積させると同時に、バイアスにより基板21上のSiOの一部をスパッタリングする。つまりSiOを堆積させながら一部を削ることにより、SiO膜の形状をコントロールしたものである。その際、SiO膜の形状をコントロールする手段としては、SiOを堆積させる途中で基板に印加するバイアスとスパッタリング電力の比を変化させたり、成膜の初期は基板にバイアスをかけずに成膜し、途中から成膜と同時にバイアスを印加したりすればよい。この際、基板の温度についても管理を行う。
例えば、スパッタガスとしてアルゴンと酸素の混合ガスを用い、そのガス圧力を0.5Paに設定する。そして、SiOを約15nm/分で成膜する際に、RFパワーを3000Wの一定値に設定しておくとともに、バイアスパワーを所定値から徐々に大きくなるように変化させる。あるいは、最初はバイアスを印加せずにSiOを成膜し、途中からバイアスパワーを150Wに設定する。
以上のように、バイアススパッタリング法を用い、適当な成膜条件下でSiOを成膜することで後加工なしに、成膜工程のみで、所望の形状を得ることができることを発明者らは確認した。あわせて、このように作成されたSAWデバイスが良好な電気的特性と温度特性を有する事も確認している。
本発明は、基板上に形成された電極を覆うように保護膜を形成し、かつその保護膜を所定の形状とすることによって温度特性および電気的特性が優れた電子部品を実現するものであり、産業上有用である。
1 基板
2 櫛型電極
2a 電極指
3 反射電極
4 保護膜
4a 凸部
5 パッド
6 頂部
21 LT基板
22 電極膜
23 レジスト膜
24 保護膜
25 レジスト膜
26 パッド

Claims (8)

  1. 基板と、互いに平行に並ぶ複数の電極指を有し、前記基板の上面に設けられる櫛型電極と、この櫛型電極を覆うように前記基板の上面に形成される保護膜とを備え、前記保護膜は、前記電極指の延伸方向と直交する方向における断面において各電極指に対応する位置で上方に凸となるとともに、それらの上方に凸となる部分の各頂部同士の間が下に凸な曲線となる凹凸形状を有し、前記曲線の最下点から前記頂部までの高さをX、前記櫛型電極の電極指が並ぶピッチをP、櫛形電極の膜厚をhとしたときに、0.01<X/(2×P)<h/(2×P)を満足することを特徴とする電子部品。
  2. 前記頂部の中心位置は、前記電極指の中心位置に略一致していることを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 前記櫛型電極の電極指が並ぶピッチをP、櫛形電極の膜厚をhとしたときに、0.05<h/(2×P)<0.15を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品。
  4. 前記基板の上面から前記頂部までの高さをt、前記櫛型電極の電極指が並ぶピッチをPとしたときに、0.09≦t/(2×P)≦0.3を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品。
  5. 前記基板の上面から前記頂部までの高さをt、前記櫛型電極の電極指が並ぶピッチをPとしたときに、0.12≦t/(2×P)≦0.2を満足することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子部品。
  6. 前記電子部品は、弾性表面波デバイスであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子部品。
  7. 基板の上面に、互いに平行に並ぶ複数の電極指を有した櫛型電極と、この櫛型電極を覆う保護膜とを形成して電子部品を製造する製造方法において、前記電極指の延伸方向と直交する方向における前記保護膜の断面形状が、各電極指に対応する位置で上方に凸となるとともに、それらの上方に凸となる部分の各頂部同士の間で下に凸な曲線となるように、櫛型電極が形成された基板の上面にバイアススパッタにより前記保護膜を堆積させると同時に前記保護膜を堆積させる途中で前記基板に印加するバイアスとスパッタリング電力の比を変化させることで前記保護膜の形状を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  8. 基板の上面に、互いに平行に並ぶ複数の電極指を有した櫛型電極と、この櫛型電極を覆う保護膜とを形成して電子部品を製造する製造方法において、前記電極指の延伸方向と直交する方向における前記保護膜の断面形状が、各電極指に対応する位置で上方に凸となるとともに、それらの上方に凸となる部分の各頂部同士の間で下に凸な曲線となるように、前記櫛型電極が形成された前記基板の上面にバイアススパッタにより前記保護膜を堆積させると同時に前記保護膜の形状を形成させるものであり、前記バイアススパッタでは、保護膜を堆積させる途中から前記基板にバイアスを印加することで前記保護膜の形状を整形することを特徴とする電子部品の製造方法。
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