JPH09186542A - 弾性表面波共振子フィルタ - Google Patents

弾性表面波共振子フィルタ

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JPH09186542A
JPH09186542A JP34358495A JP34358495A JPH09186542A JP H09186542 A JPH09186542 A JP H09186542A JP 34358495 A JP34358495 A JP 34358495A JP 34358495 A JP34358495 A JP 34358495A JP H09186542 A JPH09186542 A JP H09186542A
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JP
Japan
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film
resonator filter
electrode
sio
electrodes
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JP34358495A
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Inventor
Yoichi Sawada
曜一 沢田
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉や異物の付着による電極の短絡や損傷
を防止することができ、かつ十分な帯域幅を有するSA
W共振子フィルタを得る。 【解決手段】 36°Y回転カットのLiTaO3 圧電
基板2上に、複数のインターデジタル電極3〜5を形成
し、複数のインターデジタル電極3〜5が設けられてい
る領域の表面波伝搬方向両側に反射器6,7を形成し、
インターデジタル電極3〜5及び反射器6,7の上面に
SiO2 膜8を形成してなり、インターデジタル電極3
〜5及び反射器6,7の膜厚をh1 、SiO2 膜の膜厚
をh2、表面波の波長λとしたときに、 【数1】 の関係を満たすように設定されているSAW共振子フィ
ルタ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電基板上にイン
ターデジタルトランスデューサ(以下、IDT)を構成
するためのインターデジタル電極(ID電極)及び反射
器を形成してなる弾性表面波共振子フィルタに関し、特
に、圧電基板として36°Y回転カットのLiTaO3
基板を用い、かつID電極かつ反射器の形成されている
部分が改良された弾性表面波共振子フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種通信機器において、小型化及
び無調整化をはかるために、帯域フィルタとして弾性表
面波(SAW)共振子フィルタが広く用いられている。
また、通信機器の高周波化等に伴って、上記SAW共振
子フィルタの広帯域化が広く求められてきている。
【0003】そこで、SAW共振子フィルタにおいて広
帯域化を図るために、電気機械結合係数が大きい36°
Y回転カットのLiTaO3 基板を用い、該基板上に3
個のIDTを設け、縦0次モードと縦2次モードとを利
用した縦結合型2重モードSAW共振子フィルタにおい
て、IDTと電気的に並列となる結合容量を設けた構成
が提案されている(特開平4−40705号公報)。こ
の先行技術に記載のSAW共振子フィルタでは、上記I
DT及び反射器の電極の膜厚をh1 、表面波の波長λと
したときに、比h/λ=0.03に設定されており、か
つIDTを構成しているIDT電極の電極指中心間距離
をdとした場合、d/L=0.50に設定することによ
り、広帯域化が図られるとされている。
【0004】しかしながら、上記先行技術に記載のSA
W共振子フィルタにおいても、一応の広帯域化は図り得
るものの、比帯域幅は、高々2%程度にすぎなかった。
そこで、同じく36°Y回転カットのLiTaO3 圧電
基板を用いて構成されたSAW共振子フィルタにおい
て、より一層の広帯域化を図り得る構造が特開平7−5
8581号公報に開示されている。ここでは、36°Y
回転カットのLiTaO3 基板上に3個のID電極が配
置されており、かつID電極が形成されている領域の表
面波伝搬方向両側に反射器が形成されている。また、広
帯域化を図るために、ID電極の同電位側の電極指の周
期をL、電極指交差幅をWとしたときに、
【0005】
【数2】
【0006】を満たすように同電位に接続される電極指
の周期L及び電極指交差幅Wが設定されており、かつI
D電極の電極指中心間ピッチをdとした場合、
【0007】
【数3】
【0008】を満たすように比d/Lが決定されてお
り、さらに、ID電極及び反射器の電極の膜厚をh1
表面波の波長λとしたときに、
【0009】
【数4】
【0010】を満たすように比h/λが設定されてい
る。この構成によれば、比帯域幅は約3.7%、例えば
900MHz帯のフィルタにおいては帯域幅は約30M
Hzとされ、従って、従来のSAW共振子フィルタに比
べて広帯域化が図られるとともに、リップルも1dB以
下に低減することが可能とされている。
【0011】また、この先行技術に記載の方法では、上
記ID電極及び反射器の電極の相対的膜厚(すなわち表
面波の波長に対して規格化された膜厚)h1 /λは、従
来の弾性表面波共振子フィルタの場合に比べて約2倍に
設定されており、それによって上記広帯域化が実現され
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、36°
Y回転カットのLiTaO3 圧電基板を用いたSAW共
振子フィルタにおいて、特開平7−58581号公報に
記載のようにID電極及び反射器を構成すれば、十分な
帯域幅を得ることができる。
【0013】しかしながら、特開平7−58581号公
報に記載のSAW共振子フィルタでは、ID電極や反射
器が露出しているため、金属粉やその他の異物がID電
極や反射器に付着した場合に、短絡が生じたり、IDT
が損傷したりするおそれがあった。
【0014】本発明の目的は、上述した従来技術の問題
点に鑑み、十分な帯域幅を実現し得るだけでなく、金属
粉やその他の異物の付着によるIDTの損傷を効果的に
防止し得るSAW共振子フィルタを提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、36°Y回転
カットのLiTaO3 圧電基板上に、それぞれIDTを
構成するための複数個のID電極が形成されており、か
つ複数のID電極が形成されている領域の表面波伝搬方
向両側に反射器が形成されているSAW共振子フィルタ
において、前記ID電極及び反射器の表面にSiO2
が形成されており、該SiO2 膜の膜厚をh2 、ID電
極及び反射器を形成している導電膜の膜厚をh1 、表面
波の波長λとしたときに、下記の式(1)
【0016】
【数5】
【0017】の関係を満たすように、ID電極、反射器
及びSiO2 膜の厚みが設定されていることを特徴とす
るSAW共振子フィルタである。
【0018】本発明のSAW共振子フィルタでは、圧電
基板として、電気機械結合係数が大きい36°Y回転カ
ットのLiTaO3 圧電基板が用いられる。また、上記
のように、ID電極及び反射器の膜厚をh1 、SiO2
膜の膜厚をh2 及び表面波の波長をλとしたときに、上
記式(1)を満たすようにこれらの値が決定されてお
り、それによって十分な帯域幅を確保するとともに、S
iO2 膜の存在により金属粉やその他の異物からID電
極及び反射器が保護される。
【0019】すなわち、本願発明者は、通過帯域幅を十
分な大きさとし得る特開平7−58581号公報に記載
のSAW共振子フィルタを用い、上記金属粉やその他の
異物による付着によるID電極の損傷が生じる可能性に
つき鋭意検討した結果、ID電極及び反射器の表面に、
保護膜を形成すれば、上記金属粉やその他の異物の付着
によるID電極の損傷を防止し得るのではないかと考
え、種々の材料を用いて実験を繰り返した。もっとも、
上記のように設けた保護膜により、ID電極の損傷が防
止されたとしても、通過帯域幅は十分な大きさに確保さ
れねばならない。従って、このような観点から種々の材
料を用い、かつSAW共振子フィルタの種々のパラメー
タを変更して実験したところ、保護膜としてSiO2
を用い、該SiO2 膜、ID電極及び反射器を上記式
(1)を満たすように設定すれば、ID電極の損傷を防
止し得るだけでなく、通過帯域幅も十分な大きさに確保
されることを見い出し、本発明をなすに至った。
【0020】すなわち、本発明は、特開平7−5858
1号公報に記載の広い帯域幅を得ることができるSAW
共振子フィルタの電極部分に単に保護膜を設けただけで
は、上記課題を達成し得ないことを見い出し、本願発明
者により実験的に確かめられたものである。
【0021】なお、本発明のように、上記式(1)を満
たすようにSiO2 膜の膜厚h2 、ID電極及び反射器
の膜厚h1 及び表面波の波長λを設定して初めて、Si
2膜を保護膜として用いたとしても、十分な帯域幅を
得ることができるのであるが、保護膜としてSiO2
を選択し得たとしても、該保護膜の膜厚、ID電極及び
反射器の膜厚と表面波の波長λとの関係を選択すれば、
保護膜を設けたSAW共振子フィルタにおいてさらに帯
域幅も十分な値に確保し得ることは、従来全く知られて
いなかったことを指摘しておく。
【0022】本発明においては、36°Y回転カットの
LiTaO3 基板が用いられている。36°Y回転カッ
トのLiTaO3 基板は、電気機械結合係数が大きく、
かつ温度による周波数変動が小さい。従って、本発明の
SAW共振子フィルタでは、36°Y回転カットのLi
TaO3 圧電基板を用いているため、後述のように広い
通過帯域幅を得ることができるだけでなく、温度特性に
おいても良好なSAW共振子フィルタを構成し得る。
【0023】本発明では、上記LiTaO3 圧電基板上
に、複数個のID電極が形成されている。すなわち、各
ID電極を圧電基板上に形成することにより、それぞれ
IDTが構成されている。各ID電極は、周知のよう
に、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する一対のく
し型電極により構成されている。
【0024】上記複数のID電極の数は特に限定される
ものではないが、広帯域化を図り得るだけでなく、小型
化を進めるためには、好ましくは、3個のID電極が形
成され、それによって3電極型のSAW共振子フィルタ
が構成される。もっとも、4個以上のID電極が形成さ
れ、それによって多電極型のSAW共振子フィルタとし
てもよい。
【0025】また、ID電極においては、周知の重み付
け法に従って、交差幅重み付けや間引き電極法により重
み付けが施されていてもよい。複数のID電極が形成さ
れている領域の表面波伝搬方向両側には、反射器が形成
されている。両側に設けられた反射器は、該反射器間に
おいて発生した表面波を閉じ込め、定在波とし、縦結合
型2重モードSAW共振子フィルタを構成するために設
けられている。この反射器については、上記表面波を閉
じ込め得る限り、適宜の構造とし得るが、通常、表面波
伝搬方向に直交する方向に延びる複数本の電極指を有す
るグレーティング反射器が用いられる。
【0026】上記ID電極及び反射器は、任意の導電性
材料で構成することができるが、通常、SAW装置にお
いて電極材料として慣用されているアルミニウムやアル
ミニウム合金が用いられる。
【0027】SiO2 膜は、上記ID電極及び反射器の
表面を被覆するように形成される。このSiO2 膜は、
圧電基板上の他の領域に至るように形成されていてもよ
い。もっとも、SAW共振子フィルタを外部と接続する
ための電極パッドは、ワイヤーボンディングを行うため
に露出されている必要がある。従って、好ましくは、上
記電極パッドが設けられている部分の上面にはSiO2
膜は形成されない。SiO2 膜の形成は、蒸着、スパッ
タリング等の適宜の薄膜形成方法を用いて行うことがで
き、特に限定されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態にか
かるSAW共振子フィルタを示す略図的平面図であり、
図2は、SiO2 膜を除去した上記実施形態にかかるS
AW共振子フィルタの略図的平面図である。なお、図1
及び図2においては、ID電極を外部と接続するために
電極パッドについては図示を省略してあることを指摘し
ておく。
【0029】図1に示すSAW共振子フィルタ1は、3
6°Y回転カットのLiTaO3 よりなる圧電基板2を
用いて構成されている。圧電基板2上には、第1〜第3
のID電極3〜5が形成されており、それによって、そ
れぞれ、第1〜第3のIDTが構成されている。
【0030】図2に示すように、ID電極3は、一対の
くし型電極3a,3bを有する。くし型電極3a,3b
は、それぞれ複数本の電極指を有し、くし型電極3aの
電極指とくし型電極3bの電極指は互いに間挿し合って
いる。第2,第3のID電極4,5も、第1のID電極
3と同様に、一対のくし型電極4a,4b,5a,5b
を有する。
【0031】ID電極3〜5が形成されている領域の表
面波伝搬方向両側には、グレーティング反射器6,7が
形成されている。反射器6,7は、それぞれ、表面波伝
搬方向に直交する方向に延びる複数本の電極指6a,7
aを有する。複数本の電極指6a,7aは、両端におい
て相互に電気的に接続されている。
【0032】本実施形態では、ID電極3〜5及び反射
器6,7は、Al薄膜により構成されている。ID電極
3〜5及び反射器6,7の形成は、圧電基板2の上面の
全面にAlよりなる薄膜を形成した後、フォトリソグラ
フィー技術を用いて所定の形状とすることにより行われ
ている。
【0033】また、ID電極3〜5及び反射器6,7が
形成されている部分には、図1に示すSiO2 膜8が形
成されている。図3は、このSiO2 膜8が形成されて
いる部分の一部を示す部分切欠断面図である。図1から
明らかなように、SiO2 膜は、ID電極3〜5及び反
射器6,7の少なくとも電極指が設けられている部分を
被覆するように圧電基板2の上面に形成されている。
【0034】次に、本実施形態のSAW共振子フィルタ
1において、通過帯域幅を広げるとともに、SiO2
8の形成により金属粉やその他の異物によるID電極の
損傷を防止し得る構成及び条件について、具体的な実験
例を参照しつつ説明する。
【0035】SAW共振子フィルタ1では、通過帯域幅
の上限は、反射器6,7のストップバンド幅で制限され
る。従って、SAW共振子フィルタ1において、広帯域
化を図るには、反射器6,7のストップバンド幅を広げ
ればよい。
【0036】800MHz帯のPDC用フィルタとして
SAW共振子フィルタ1を構成する場合を例にとり説明
する。まず、SAW共振子フィルタ1において、通過帯
域、温度変動分、経時変動分及び製造上の公差の全てを
考慮すると、800MHz帯のフィルタでは、必要帯域
幅は26MHz程度となる。また、省電力化のために、
低損失化が求められており、従って、SAW共振子フィ
ルタにおいても、フィルタの挿入損失は2.2dB以下
であることが求められている。
【0037】そこで、挿入損失が2.2dBであり、か
つ通過帯域幅が26MHz(比帯域幅3.2%)となる
フィルタについて、シュミレーションによりストップバ
ンドの比帯域幅を計算すると、ストップバンドの比帯域
幅は約4.7%となった。従って、挿入損失を2.2d
B以下、通過帯域幅を26MHz以上とするには、スト
ップバンドの比帯域幅は4.7%以上であることが必要
である。
【0038】そこで、ストップバンド幅を広げるべく、
ID電極3〜5及び反射器6,7の膜厚のSAWの波長
に対する比h1 /λの変化によるストップバンド幅の変
化を調べたところ、図4に破線Aで示す結果が得られ
た。
【0039】図4の破線Aから明らかなように、ID電
極3〜5及び反射器6,7の膜厚の表面波の波長λに対
する比h1 /λが大きくなるほど、ストップバンドの比
帯域幅が大きくなることがわかる。
【0040】また、本願発明者は、上記SiO2 膜8の
ストップバンドへの影響について初めて着目し、SiO
2 膜8の膜厚h2 の表面波の波長λに対する比h2 /λ
を変化させた場合のストップバンドの変化を測定したと
ころ、図4に実線Bで示す結果が得られた。すなわち、
図4から明らかなように、SiO2 膜の膜厚を変化させ
た場合と、膜厚比h2 /λを大きくするに連れストップ
バンドの比帯域幅が大きくなることがわかる。また、図
4の破線Aと、実線Bとを比較すれば明らかなように、
ストップバンドの比帯域幅を増大させる効果は、h1
λの方が高く、h2 /λを変化させた場合には、h1
λを変化させた場合の約1/2であることがわかる。
【0041】従って、図4に示した結果から、ID電極
3〜5及び反射器6,7の上記膜厚比h1 /λを増大さ
せることによりストップバンド幅を広げる効果は、ID
電極3〜5及び反射器6,7の膜厚比h1 /λの2倍に
相当するh2 /λとなるSiO2 膜8を形成することに
より達成されることがわかる。言い換えれば、h1 /λ
を一定としても、h2 /λを変化させることによりスト
ップバンド幅を広げ得ることがわかる。
【0042】図5は、比h1 /λが0.057の場合
に、他のパラメータを変えることなく、SiO2 膜8の
膜厚比h2 /λだけを変化させて、反射器のストップバ
ンド幅を測定した場合の結果を示す。図5から明らかな
ように、SiO2 膜8の膜厚比h2 /λを増加させるこ
とにより、ストップバンドの比帯域幅が増加しているこ
とがわかる。
【0043】図5から、ストップバンドの比帯域幅が、
4.7%以上となるのは、h2 /λが0.006以上で
あることがわかる。従って、ID電極3〜5及び反射器
6,7の膜厚比h1 /λと、SiO2 膜8の膜厚比h2
/λの2分の1とを加えたものが、次の式(1)
【0044】
【数6】
【0045】を満たすように構成すれば、挿入損失が
2.2dB以下であり、通過帯域幅は26MHz以上の
SAW共振子フィルタ1を実現し得ることがわかる。
【0046】よって、本実施形態のSAW共振子フィル
タ1では、上記第1〜第3のID電極及び反射器6,
7、SiO2 膜及び表面波の波長λの関係が、上記式
(1)を満たすように構成されており、それによって、
挿入損失が小さく、十分な通過帯域幅を有し、さらに、
SiO2 膜がID電極及び反射器を被覆しているため、
金属粉や異物の付着によるIDTの損傷が生じ難いSA
W共振子フィルタとされていることがわかる。
【0047】上記式(1)を満たすように、SAW共振
子フィルタを構成した場合に、実際に広い帯域幅及び小
さな挿入損失を実現し得ることを、具体的な実験例に基
づき確かめた。図6は、SAW共振子フィルタ1の実施
例として、h1 /λ=0.057、h2 /λ=0.01
4として構成したSAW共振子フィルタの周波数特性を
示す。
【0048】図6から明らかなように、挿入損失が2.
2dBの帯域幅は28MHzとなっており、従って、十
分な帯域幅を有することがわかる。よって、式(1)を
満たすように、SAW共振子フィルタ1を構成すること
により、SiO2 膜8によりIDTの損傷を防止し得る
だけでなく、十分な帯域幅を確保し得ることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明のSAW共振子フィルタでは、I
D電極及び反射器表面にSiO2 膜が形成されているた
め、金属粉や異物が付着したとしても、短絡等の事故や
IDTの損傷等が効果的に防止される。加えて、上記S
iO2 膜を形成したとしても、ID電極及び反射器の膜
厚h1 、SiO2 膜の膜厚h2 及び表面波の波長λが、
上述した式(1)を満たすように設定されているため、
通過帯域幅も十分な大きさに確保される。
【0050】よって、広帯域であるだけでなく、信頼性
に優れたSAW共振子フィルタを提供することができ、
かつSAW共振子フィルタの生産に際しての歩留りを高
めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるSAW共振子フィ
ルタを説明するための略図的平面図。
【図2】本発明の一実施形態にかかるSAW共振子フィ
ルタにおいて、SiO2 膜を取り除いた状態を示す略図
的平面図。
【図3】図1に示した実施形態のSAW共振子フィルタ
において、SiO2 膜が形成されている部分を拡大して
示す部分切欠断面斜視図。
【図4】比h1 /λ及びh2 /λとストップバンドの比
帯域幅との関係を示す図。
【図5】比h1 /λを一定とした場合に、比h2 /λを
変化させた場合のストップバンドの比帯域幅の変化を示
す図。
【図6】本発明の一実施例として試作したSAW共振子
フィルタの周波数特性を示す図。
【符号の説明】
1…SAW共振子フィルタ 2…圧電基板 3〜5…ID電極 3a,3b,4a,4b,5a,5b…くし型電極 6,7…反射器 8…SiO2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 36°Y回転カットのLiTaO3 圧電
    基板上に、それぞれインターデジタルトランスデューサ
    を構成するための複数個のインターデジタル電極が形成
    されており、かつ複数のインターデジタル電極が形成さ
    れている領域の表面波伝搬方向両側に反射器が形成され
    ている弾性表面波共振子フィルタにおいて、 前記インターデジタル電極及び反射器の表面にSiO2
    膜が形成されており、該SiO2 膜の膜厚をh2 、イン
    ターデジタル電極及び反射器を形成している導電膜の膜
    厚をh1 、表面波の波長λとしたときに、 【数1】 の関係を満たすように、インターデジタル電極、反射器
    及びSiO2 膜の厚みが設定されていることを特徴とす
    る、弾性表面波共振子フィルタ。
JP34358495A 1995-12-28 1995-12-28 弾性表面波共振子フィルタ Pending JPH09186542A (ja)

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