JP2009181721A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】雄コネクタ10には、ランス27を有するランスハウジング50がハウジング本体20とは別体として設けられ、さらに、正規組み付け状態においてランス27の撓み空間63に進入する端子係止部78を有するリテーナ70がランスハウジング50とは別体として設けられている。リテーナ70には、突部75が後方に突出して設けられ、ランスハウジング50の前面には、突部75を受ける受孔69が貫通して設けられており、受孔69内に突部75が挿入されることにより、ランスハウジング50がリテーナ70に対して位置決めされる。
【選択図】図4
Description
リテーナに突部が設けられ、ランスハウジングに受孔が設けられており、受孔内に突部が挿入されることにより、ランスハウジングがリテーナに対して位置決めされるから、ランスハウジングとリテーナの双方の位置関係が正確に定まり、リテーナの本来的機能を正しく発揮させることができる。
突部がランスハウジングを貫通し、突部の先端部が挿入孔内に嵌合されるから、ランスハウジング及びハウジング本体と、突部との係合代が増えて、リテーナのがた付きが抑えられる。また、リテーナ、ランスハウジング、ハウジング本体の3点が正規の位置に位置決めされる。
リテーナが本係止状態のみならず仮係止状態でもがた付きなく安定する。そして、リテーナが仮係止状態から本係止状態へ移動するときに、突部が挿入孔の孔縁に引っ掛かりを生じることがなく、突部が挿入孔にスムーズに挿入される。
突部は高さ方向に延びる部分と幅方向に延びる部分とを有し、突部とリテーナの本体部分を挟んで背中合わせとなる位置にはリブが設けられているから、スペースの有効活用を図ることができる。
突部がリテーナの後面の中央部に設けられているから、突部がリテーナの後面の広い範囲に亘って設けられている場合に比べ、リテーナの有効スペースが減少するのを必要最小限にくい止めることができる。また、突部が断面十字形をなすことにより、強度を確保できるとともに、幅方向及び高さ方向のがたを確実に抑えることができ、突部の軸周りにランスハウジングが揺動するのを阻止できる。
本発明の実施形態1を図1ないし図17によって説明する。本実施形態のコネクタは、相手側の雌コネクタ100と嵌合可能な雄コネクタ10として構成され、ハウジング本体20、ランスハウジング50、リテーナ70、及び雄端子金具90を備えて構成される。ハウジング本体20、ランスハウジング50、及びリテーナ70は合成樹脂製であり、雄端子金具90は導電金属製である。なお、以下の説明において前後方向については、相手側の雌コネクタ100との嵌合面側を前方とし、上下方向については、図1を基準とする。
シールタワー部35は、小キャビティ29と対応する小シールタワー部38(内壁部)と、大キャビティ26と対応する大シールタワー部39とからなる。小シールタワー部38は、幅方向中間部に位置するとともに上下方向中央部を挟んだ上下に二段ずつで、かつ幅方向中央部を挟んだ左右に分割して配置され、大シールタワー部39は、幅方向両端部に位置するとともに上下方向に一対ずつ配置されている。小シールタワー部38の一部は、共有の薄壁40を介して幅方向で一体的に融合されている。そして、上側二段の各小シールタワー部38の上下方向中央と上側の大シールタワー部39の円中心は、上下方向についてほぼ同じ位置にある。一方、下側二段の各小シールタワー部38の上下方向中央と下側の大シールタワー部39の円中心は上下方向について互いに位置ずれしており、下側の大シールタワー部39の円中心が下側二段の各小シールタワー部38の上下方向中央より上方に位置している。
外側リブ41は、周壁部36との連結部位では太く、シールタワー部35との連結部位では細く形成されている。詳しくは外側リブ41は、周壁部36との連結位置からシールタワー部35側へ向かって徐々に先細りとなるテーパ部45と、テーパ部45の先端(先細り端)からシールタワー部35にかけて直線状に延びるストレート部46とからなり、テーパ部45の両側面からストレート部46の両側面へと鈍角に交差して屈曲する形態となっている。また、外側リブ41は、周壁部36の上下両壁とこれに対向するシールタワー部35との間に位置して上下方向に延出されるとともに、幅方向に所定間隔をあけてシールタワー部35の径方向外方(接線直交方向)に配置されている。そして、外側リブ41の最大径(周壁部36との連結部位におけるテーパ部45の太さ)は他のリブ42,43,44に比べて太くなっており、外側リブ41の最小径(ストレート部46の太さ)は内側リブ43及び連結リブ44とほぼ同じ太さに設定されている。
ここで、周壁部36の両側外方にはハウジング本体20を成形する際に溶融樹脂が射出されるゲート(図示せず)が設置されているが、上記の幹線リブ42はこのゲートの近くに位置し、ゲートから射出される溶融樹脂をその射出方向に流動可能な形態となっている。
なお、図17に示すように、相手側の雌コネクタ100の雌コネクタハウジング101の後面にも、上記と同様に、シールタワー部35と周壁部36が設けられるとともに、テーパ部45及びストレート部46を有する外側リブ41、連結リブ44が設けられている。
ランスハウジング本体52の幅方向中央部には、上下方向に三つの開口が設けられており、これら開口を挟んだ両側に、キャビティタワー部53、及びランス27が左右に分断して配置されている。各開口はランスハウジング本体52の前面に突出する補強リブ67を前後方向に貫通する形態とされ、このうち、上下に位置する開口はリテーナ70の補助突部74(後述する)が挿通可能な補助受孔68とされ、中央に位置する開口はリテーナ70の突部75(後述する)が挿通可能な受孔69とされる。補助受孔68は縦長方形に開口する形態であり、受孔69は挿入孔31と対応する十字形に開口する形態であってハウジング本体20への組み付けに伴って挿入孔31と整合するようになっている。
ハウジング本体20を成形するにあたり、図示しないゲートから溶融樹脂を射出する。すると、溶融樹脂が周壁部36から外側リブ41を通ってシールタワー部35側へ流動する。外側リブ41ではテーパ部45によって周壁部36側への誘い込みが形成されているため、溶融樹脂はシールタワー部35側へスムーズに流れる。また、溶融樹脂は、別の経路として幹線リブ42を通り内側リブ43を経てシールタワー部35側へスムーズに流れる。本実施形態においては、このようなリブ37の存在によってシールタワー部35の厚さが薄いという事情があっても、成形不良の発生率が小さく抑えられている。
またリテーナ70をランスハウジング50の前面に組み付けると、図4に示すように、リテーナ本体72がランスハウジング本体52の前面を覆うとともにリテーナ本体72の嵌合窓71内にキャビティタワー部53が嵌合し、かつ、突部75が受孔69内に整合状態で嵌合する。リテーナ70の組み付け過程では、突部75と受孔69の形状が十字形であることに起因し、リテーナ70がランスハウジング50に対して軸周りに揺動するのを回避可能とされる。
リテーナ70に突部75が設けられ、ランスハウジング50に受孔69が設けられており、受孔69内に突部75が挿入されることにより、ランスハウジング50がリテーナ70に対して位置決めされるから、ランスハウジング50とリテーナ70の双方の位置関係が正確に定まり、端子係止部78がランス27の撓み空間63内へ進入可能な位置から位置ずれするのを防止できる。その結果、リテーナ70の本来的機能を正しく発揮させることができる。
しかも、リテーナ70が仮係止状態のときにも突部75の先端部が挿入孔31内に嵌合されるから、リテーナ70は常時がた付きなく安定に保持される。そして、リテーナ70が仮係止状態から正規組み付け状態に移動するときに、突部75が挿入孔31の孔縁に引っ掛かりを生じすることがなく、突部75の円滑な挿入動作が担保される。
また、外側リブ41が周壁部36及び小シールタワー部38の前後長さの全長に亘って設けられているから、樹脂流動性がより向上する。
また、シールタワー部35の厚さが外側リブ41の最小径より小さいから、シールタワー部35がひけるのをより確実に回避できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)突部はリテーナの任意位置から複数突出する形態であってもよい。
(2)突部は、ランスハウジングのリテーナへの位置決めが可能な形状であればよく、例えば、断面多角形状であってもよい。
(3)突部は、ランスハウジングの受孔内に嵌合するのみであってハウジング本体とは非係合とされてもよい。
(4)突部は、幅方向に延びる部分と高さ方向に延びる部分とを有し(例えば、十字形、T字形、L字形、また両部分が交差点を有しないものも含む)、この突部がリテーナ本体を挟んで嵌合リブと背中合わせとなる位置に設けられているとよい。スペースの有効活用を図れるからである。
(5)ランスハウジングとハウジング本体は雌端子金具を収容する雌コネクタに設けられていてもよい。
(6)シールタワー部の厚さは外側リブの最小径と同じであってもよい。
(7)外側リブと周壁部の連結部位は、外側リブとシールタワー部の連結部より太くなっていればよく、必ずしも、テーパ状に形成されていなくてもよい。
(8)外側リブとシールタワー部の連結部位は、外側リブと周壁部の連結部位より細くなっていればよく、必ずしも、ストレート状に形成されていなくてもよい。
(9)周壁部、シールタワー部は一部に切れ目を有して断続的に連なる形態であってもよい。
(10)実施形態1では、一本の幹線リブが複数のシールタワー部を高さ方向で二分割するものであったが、幹線リブの形態はこれに限るものではない。例えば、複数本の幹線リブが複数のシールタワー部を高さ方向で複数に分割するものであってもよい。また、一本または複数本の幹線リブが複数のシールタワー部を幅方向で二分割または複数に分割するものであってもよい。また、一本の幹線リブが高さ方向に延び、一本の幹線リブが幅方向に延びることで、複数のシールタワー部を四分割するものであってもよい。さらに、幹線リブが高さ方向及び幅方向に対して傾きをもって延びる形態であってもよい。
20…ハウジング本体
21…キャビティ
27…ランス
31…挿入孔
35…シールタワー部(内壁部)
36…周壁部(外壁部)
41…外側リブ
42…幹線リブ
43…内側リブ
44…連結リブ
50…ランスハウジング
51…端子挿入孔
69…受孔
70…リテーナ
72…リテーナ本体
75…突部
90…雄端子金具
100…雌コネクタ(相手コネクタ)
Claims (5)
- 端子金具を挿入可能なキャビティを有するハウジング本体と、
前記ハウジング本体とは別体に設けられ、前記ハウジング本体の前面に配置されて前記キャビティと連通する端子挿入孔を有するとともに、この端子挿入孔の内面に撓み可能に突出するランスを有し、このランスが前記端子挿入孔内に挿入された前記端子金具を抜け止め係止するようになっているランスハウジングと、
前記ランスハウジングとは別体に設けられ、前記ランスハウジングの前面に配置されて前記端子金具と係止状態にある前記ランスの撓み空間内に進入する端子係止部を有するリテーナとを備え、
前記リテーナには、突部が後方に突出して設けられ、前記ランスハウジングの前面には、前記突部を受ける受孔が設けられており、前記受孔内に前記突部が挿入されることにより、前記ランスハウジングが前記リテーナに対して位置決めされることを特徴とするコネクタ。 - 前記ハウジング本体の前面には前記突部に適合する挿入孔が設けられており、前記リテーナの組み付けに伴い、前記突部が前記ランスハウジングを貫通するとともに、前記突部の先端部が前記挿入孔内に嵌合されることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
- 前記リテーナは、前記ランスの撓み動作を許容して前記端子金具の前記キャビティへの挿抜を許容する仮係止状態と、この仮係止状態から前記ランスハウジング側へ向けて移動され、前記端子係止部によって前記ランスの撓み動作を規制すると共に、前記キャビティ内に挿入された前記端子金具の抜け止めをなす本係止状態とに変位可能とされ、
前記リテーナが仮係止状態と本係止状態のいずれの状態のときにも、前記突部の先端部が前記挿入孔内に嵌合されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。 - 前記突部は高さ方向に延びる部分と幅方向に延びる部分とを有し、前記突部と前記リテーナの本体部分を挟んで背中合わせとなる位置にはリブが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に規制のコネクタ。
- 前記突部は、断面十字形をなし、前記リテーナの後面の中央部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
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