JP3788593B2 - コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ランスを備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハウジングに樹脂ランスを一体形成したコネクタの一例として特開平5−121116号公報に記載されたものが知られている。このものは、ハウジングに後方から端子金具を挿入可能なキャビティが設けられるとともに、キャビティの下面側からは、挿入される端子金具に押圧されることで一旦下方の撓み空間内に弾性変形され、端子金具が正規深さに達すると復帰して端子金具に弾性的に係止される樹脂ランスが設けられている。この樹脂ランスは、キャビティの下壁に連結された片持ち状のアーム部と、アーム部の先端側からキャビティ内に突出する係止部とにより構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この端子金具には、電線が圧着接続されており、キャビティ内に端子金具を正規深さまで挿入した状態では、電線はハウジングの後方に導出されている。この状態で電線に対して引っ張り力が作用した場合には、端子金具が後方へ変位しようとするものの、ランスが係止していることで抜け止め状態に保たれる。その一方、ランスには、係止した端子金具によって挿入時の撓み方向とは逆の上向きに変位させるような力が作用することになるため、その力がアーム部の強度と比して過大であった場合には、ランスが上方へ変形するおそれがあり、そうなると端子金具の保持状態が不安定になる可能性があった。特に小型のコネクタにおいては、アーム部の厚さ寸法が小さくなって強度が不足し勝ちであるため、上記問題への対応が希求されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の保持状態を安定させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、コネクタハウジングには、端子金具を挿入可能なキャビティと、キャビティ内に突出するとともに挿入される前記端子金具によって押圧されることで端子金具の挿入方向と交差する方向に撓み変形し、前記端子金具が正規深さに達すると復帰して端子金具に係止されるランスとが設けられているものにおいて、前記コネクタハウジングには、前記ランスに対して係合することでランスが前記端子金具の挿入時の撓み方向とは逆方向に変形されるのを規制可能な反転規制部を有する反転規制部材が装着されており、前記反転規制部材は、前記端子金具を抜け止めするためのリテーナとされ、前記ランスが、前記端子金具の挿入方向に沿って延出するとともに撓み変形可能なアーム部と、アーム部から前記キャビティ内に突設されるとともに端子金具に係止可能な係止部とから構成されているのに対し、前記リテーナが、前記コネクタハウジングに対して前記アーム部の長さ方向に沿って装着されるとともに、アーム部の撓み変形を許容する撓み空間内に進入することで前記端子金具に係止した前記ランスが撓み変形するのを規制可能な撓み規制部を有しているものであって、前記反転規制部は、前記撓み規制部に連成されるとともに前記アーム部の長さ方向に沿って延出して形成されることで、アーム部に対して所定長さにわたって係合可能とされており、前記ランスの前方には、前記コネクタハウジングの成形時にランスを型抜きするための型抜き孔が開口して形成されるとともに、この型抜き孔の両側方には、前記端子金具を支持する支持壁が設けられ、前記ランスのアーム部は、前記支持壁よりも前記撓み空間側へ突出して形成され、このアーム部のうち前記支持壁からの突出部分に対して前記反転規制部が係合されるようになっている構成としたところに特徴を有する。
【0005】
請求項の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記反転規制部のうち前記ランスと係合される部分がテーパ状に形成されているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1または請求項に記載のものにおいて、前記反転規制部は、自然状態とされた前記ランスにおける撓み方向についての厚み寸法内に配されているところに特徴を有する。
【0006】
請求項の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記撓み規制部には、前記アーム部の両側面を支持することで前記ランスを幅方向について位置決め可能な位置決め部が連成されているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記反転規制部のうち前記ランスと係合される部分が、ランスの撓み方向に対してほぼ直交する端面を有しているところに特徴を有する。
【0007】
請求項の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記アーム部の側面には、前記反転規制部に対して係合可能な係合部が張り出して形成されているところに特徴を有する。
請求項の発明は、請求項に記載のものにおいて、前記係合部が前記アーム部のほぼ全長にわたって設けられているところに特徴を有する。
【0008】
請求項の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記リテーナが前記コネクタハウジングに対して、前記撓み規制部が前記撓み空間から退避して配されることで前記ランスの撓み変形を許容する仮係止位置と、撓み規制部が撓み空間内に進入することでランスの撓み変形を規制する本係止位置との間を移動可能に保持されているものにおいて、前記反転規制部は、前記撓み規制部よりも前記リテーナの前記コネクタハウジングに対する装着方向に向けて突出して形成されることで、前記リテーナが前記仮係止位置に配されたときに前記アーム部に対して係合可能とされているところに特徴を有する。
【0009】
請求項の発明は、請求項ないし請求項のいずれかに記載のものにおいて、前記リテーナが前記コネクタハウジングに対して、前記撓み規制部が前記撓み空間から退避して配されることで前記ランスの撓み変形を許容する仮係止位置と、撓み規制部が撓み空間内に進入することでランスの撓み変形を規制する本係止位置との間を移動可能に保持されているものにおいて、前記コネクタハウジング及び前記リテーナのうち前記ランスの前方には、ランスを押圧操作して撓み変形させることで端子金具に対する係止状態を解除するための解除治具の挿入を許容する解除治具挿入経路が外部に開口して形成されているところに特徴を有する。
【0010】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
キャビティ内に端子金具を挿入すると、その端子金具によって押圧されることでランスが一旦撓み変形した後、端子金具が正規深さまで挿入されると、ランスが復帰して端子金具に係止されることで、端子金具がキャビティ内に抜け止め状態に保持される。
このようにランスが端子金具に係止された状態において、例えば端子金具に対して挿入方向とは反対向きの引っ張り力が作用した場合には、端子金具に係止したランスを挿入時の撓み方向とは逆方向に変形させるような力が作用する。その場合でも、ランスに反転規制部が係合することでランスが逆方向に変形するのを規制することができ、もって端子金具の保持状態を安定したものとすることができる。
端子金具の抜け止めを図るためのリテーナに反転規制部を設けるようにしたから、仮に両者を別部材とした場合と比較して、部品点数や組付工数の削減することができる。
コネクタハウジングにリテーナを装着すると、撓み規制部がランスの撓み空間内に進入することで端子金具に係止した状態のランスが撓み変形するのを規制することができ、もって端子金具の抜け止めを図ることができる。
撓み規制部に連成した反転規制部がランスのアーム部に対して所定長さにわたって係合されるから、ランスの反転動作をより確実に規制することができる。
【0011】
<請求項の発明>
反転規制部をテーパ状に形成したから、反転規制部とランスとが相対変位しようとする際にランスを所望の位置に誘い込むことができる。
<請求項の発明>
反転規制部をランスの厚み寸法内に配置したから、その分だけランスの撓み方向についてコネクタを小型化することができる。
【0012】
<請求項の発明>
位置決め部がアーム部の両側面を支持することにより、ランスを幅方向について位置決めして遊動を規制することができるから、ランスによる端子金具の保持状態を一層安定したものとすることができる。
<請求項の発明>
反転規制部の端面により、ランスを逆方向へ変位させようとする力をしっかりと受け止めることができるから、ランスの反転動作を確実に規制することができる。
【0013】
<請求項の発明>
アーム部の側面に係合部を張り出して設けるようにしたから、仮にランスに溝部を凹設してこの溝部に反転規制部を係合させた場合と比較して、ランスの強度を高く保つことができる。これにより、端子金具に対する抜け止め力を高く保つことができるとともにランス自身が逆方向に変形し難くすることができる。
<請求項の発明>
ランスを補強してその強度を向上させることができる。
【0014】
<請求項の発明>
リテーナを仮係止位置に配したときに例えば端子金具に対して引っ張り力が作用した場合でも、撓み空間から退避して配される撓み規制部よりもリテーナのコネクタハウジングに対する装着方向に向けて突設された反転規制部がランスのアーム部に係合されるから、ランスの反転動作を確実に規制することができる。
【0015】
<請求項の発明>
端子金具を取り外すには、リテーナをコネクタハウジングに対して仮係止位置に配するとともに、外部から解除治具挿入経路に解除治具を挿入する。挿入した解除治具によりランスを押圧操作して強制的に撓み変形させることで端子金具に対するランスの係止状態を解除しつつ端子金具を引き抜くようにする。
リテーナをコネクタハウジングに仮係止位置に装着した状態のままで端子金具の取り外し作業を行うことができるから、仮に解除治具挿入経路が閉鎖され、リテーナをコネクタハウジングから取り外す必要がある場合と比較して端子金具の取り外し作業性に優れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
<第1参考例
第1参考例を図1ないし図8によって説明する。この第1参考例では、防水機能を備えた雌コネクタについて例示する。この雌コネクタは、雌側の端子金具10と、この端子金具10を収容可能なコネクタハウジング20(以下、単にハウジング20という)と、ハウジング20に装着されて端子金具10を抜け止めするためのフロントリテーナ40とを有している。なお以下では、ハウジング20に対する端子金具10の挿入方向を前方として説明する。
【0017】
端子金具10は、金属板をプレス成形することで、図3に示すような形状に形成されており、相手の雄コネクタに設けられた雄タブ端子(図示せず)と導通接続可能な角筒状の接続部11と、電線Wの端末に圧着接続されるバレル部12とを前後に備えている。接続部11の底壁の前端からは、弾性接触片13が後方へ折り返して形成されており、前方から接続部11内に挿入される雄タブ端子に対して弾性接触可能とされている。底壁のうち弾性接触片13の後方位置には、係止孔14が穿設されており、この係止孔14には、キャビティ25内に設けられたランス26が進入して係止可能とされている。また係止孔14の孔縁両側部には、ランス26の両側面に摺接されることでキャビティ25内への端子金具10の挿入動作を案内可能な一対のスタビライザ15が突設されている。バレル部12は、前後に一対ずつのかしめ片16,17を有しており、前側のかしめ片16が電線Wの芯線をかしめ付け、後側のかしめ片17が電線Wの被覆をそこに嵌着された防水ゴム栓18ごとかしめ付けている。
【0018】
ハウジング20は、合成樹脂製とされており、図1に示すように、正面に見てやや縦長のブロック状をなすタワー部21と、タワー部21の周囲を取り囲むとともに前方に開口するフード部22とを連結した構成となっている。フード部22内には、相手の雄コネクタ(図示せず)が前方から嵌合可能とされており、フード部22の上部には、雄コネクタを嵌合状態に保持するためのロックアーム23が設けられている。タワー部21の後部外周面には、フード部22内に嵌合される雄コネクタとの間でシールをとるためのシールリング24が前方から嵌着されている。
【0019】
タワー部21内には、後方から端子金具10を挿入可能なキャビティ25が8つ形成されており、各キャビティ25は、タワー部21の中心部分を取り囲むようにして横に3つ、縦に3つ整列して配されている。各キャビティ25は、図3に示すように、前部が端子金具10の接続部11の形状に合わせて四角形状に形成され、後部がその内周面に防水ゴム栓18が密着するように前部より拡径した円形状に形成されている。各キャビティ25の前部の下面側には、端子金具10を保持するためのランス26が設けられている。ランス26は、後端側がキャビティ25の下壁に連結されるとともに前後方向(端子金具10の挿入方向)に沿って延出して形成され、且つ高さ方向(端子金具10の挿入方向と交差する方向)に沿って撓み変形可能な片持ち状のアーム部27と、アーム部27の前端よりやや引っ込んだ位置の上面からキャビティ25内に突出する係止部28とを備えている。アーム部27における前端側(自由端側)の図示下方には、アーム部27の下方への撓み変形を許容する撓み空間29が所定高さ寸法分前方に開口する形態で確保されている(図5参照)。係止部28は、キャビティ25内に正規深さまで挿入された端子金具10の係止孔14内に進入されるとともにその孔縁前部に係止可能とされている(図6参照)。係止孔14に対する係止部分である係止部28の前面は、突出端側ほど前方へ突き出るオーバーハング状に形成されることで抜け止め力の増強が図られている。また係止部28の後面は、前方に向かって上り勾配をなすテーパ状に形成されることで、キャビティ25内に挿入される端子金具10の押圧によってアーム部27を下方へ撓ませるよう案内可能とされている。
【0020】
アーム部27の前端部は、係止部28よりも前方に突き出ることにより、端子金具10の取り外し時に前方外部から解除治具(図示せず)により押圧操作が可能な操作部38とされている。この操作部38の前面は、後方へ向かって上り勾配をなすテーパ状に形成されるとともにその傾斜角度が前後で2段階に設定されており、詳細には、前部が所定高さ位置(アーム部の全高の2/3程度)まで比較的急な角度に設定され、後部が比較的緩やかな角度に設定されていて引き続いて係止部28の前面へと繋げられている。またアーム部27における下面基端側(係止部28よりも後側)には、アーム部27を所定長さにわたって支持する支持部39がアーム部27の全幅に設けられており、この支持部39の前端位置がアーム部27の撓み支点となっている。
【0021】
ランス26の前方には、ハウジング20の成形時にランス26を型抜きするための型抜き孔30が開口して形成されている。この型抜き孔30の両側方には、ランス26のアーム部27と共に端子金具10を下支えする支持壁31が所定の幅寸法分ずつ残されている。また、この支持壁31に対してランス26のアーム部27(操作部38)は、上端位置がほぼ揃えられているのに対し、下端位置が所定寸法だけ下方に配されている。キャビティ25の前壁32には、雄タブ端子が前方からキャビティ25内に進入するのを許容するタブ挿通孔33が上記型抜き孔30に連通する形態で開設されている。またタブ挿通孔33の孔縁前部には、雄タブ端子をキャビティ25内に誘い込むためのテーパ状の誘導面が周設されている。
【0022】
タワー部21の前面には、図1に示すように、隣り合う各キャビティ25の周壁同士を分離するような溝部34が所定深さにわたって形成されており、この溝部34は、各撓み空間29に連通して形成されている。このタワー部21には、シールリング24の前方位置にフロントリテーナ40が装着されるようになっており(図4)、このフロントリテーナ40は、図2に示すように、溝部34の形状に合わせて格子状に形成されることで、撓み空間29に対して進入可能とされている。詳細にはフロントリテーナ40には、各キャビティ25の周壁を個別に挿入可能な窓孔41が9つ整列して貫通形成されており、この窓孔41の周縁下部のうちの後半部分が撓み空間29内に進入することでランス26の下方への撓み変形を規制可能な撓み規制部42をなしている。撓み規制部42を有する窓孔41の周縁下部は、図3に示すように、フロントリテーナ40の後端面よりも後方に突出するよう形成されている。またこのフロントリテーナ40の後端外周面には、側方に張り出すと共に後方のシールリング24の前面を押さえ付けて前止まり保持するための押さえ部44が周設されている。またフロントリテーナ40の下部には、支持溝部45が後方に開口して設けられ、ここにタワー部21の下端部から突設された支持板35が嵌合されることで、フロントリテーナ40を支持可能となっている。
【0023】
このフロントリテーナ40は、次述する保持手段により、撓み規制部42が撓み空間29の前方に退避することでランス26の撓み変形、すなわち端子金具10の挿抜動作を許容する仮係止位置(図4)と、撓み規制部42が撓み空間29内に進入することでランス26を撓み規制する本係止位置(図7)との間を前後に移動可能な状態で保持されている。
【0024】
保持手段について説明する。図2に示すように、フロントリテーナ40の窓孔41のうち左右両端、上下中央に位置する2つの窓孔41の側面には、それぞれ仮係止突部46が設けられている一方で、左右両端に位置される6つの窓孔41の側面には、それぞれ本係止突部47が設けられている。仮係止突部46は、窓孔41の両側面のうち内側(フロントリテーナ40における径方向内側)の側面に配設されているのに対し、本係止突部47は、反対の外側の側面に配設されている。一方、タワー部21においては、上記仮係止突部46を備えた窓孔41に対応するキャビティ25の周壁のうち内側の側壁には、図3に示すように、それぞれ仮係止溝部36が後方へ開口して形成されているのに対し、本係止突部47を備えた窓孔41に対応するキャビティ25の周壁のうち外側の側壁には、それぞれ本係止溝部37が後方へ開口して形成されている。仮係止突部46は本係止突部47よりも後寄りの位置に配設され、仮係止溝部36は本係止溝部37よりも前方に至る深さに形成されている。そして、図4に示すように、フロントリテーナ40がハウジング20に装着されるのに伴って、仮係止突部46が仮係止溝部36内に進入してその前面に係止されることで、フロントリテーナ40が仮係止位置に抜け止め状態で保持される。その後、フロントリテーナ40を奥方へ押し込むのに伴って、本係止突部47が本係止溝内に進入してその前面に係止されることで、図7に示すように、フロントリテーナ40が本係止位置に抜け止め状態で保持される。
【0025】
さて、フロントリテーナ40のうち各窓孔41の周縁下部の前半部分(撓み規制部42よりも前側)には、図2及び図3に示すように、ランス26の前方に開口している型抜き孔30に対して嵌合可能な嵌合突部43がそれぞれ上方に突出して設けられている。そして、各嵌合突部43の後端からは、ランス26の前端(自由端)に配された操作部38に対して係合することでランス26が上方へ変位するのを規制可能な反転規制部48がそれぞれ後方へ突出して設けられている。嵌合突部43は、型抜き孔30の周面に沿った形状に形成されており、支持壁31に沿って前後に延出する部分と、その前端部から前壁32に沿って立ち上がる部分とから構成されている。従って、フロントリテーナ40が本係止位置に装着されるのに伴って、嵌合突部43は、型抜き孔30内に嵌合されて前壁32と共に端子金具10を前止まり状態に支持し、且つ支持壁31と共に端子金具10を下支えできるようになっている(図7参照)。また嵌合突部43のうちタブ挿通孔33の孔縁下部を構成する上部前面側には、タブ挿通孔33の誘導面に連続するテーパ面が形成されている。
【0026】
反転規制部48は、嵌合突部43の後部と同じ高さ寸法を有するとともに、上端側ほど後方へ突出するオーバーハング状に形成されている。反転規制部48の後面は、操作部38の前面に整合するように後方に向かって上り勾配をなすテーパ状に形成され、その傾斜角度が前後で2段階に設定されている。すなわち、反転規制部48の後面は、操作部38の前面と同様に、前部が下端から所定高さ位置(反転規制部48の全高の2/3程度)までが比較的急な傾斜角度に設定され、後部が比較的緩やかな傾斜角度に設定されている。そして、フロントリテーナ40が本係止位置に装着されるのに伴って、反転規制部48が自然状態とされたランス26の操作部38に対して上方(端子金具10の挿入時におけるランス26の撓み方向とは逆方向)に近接または当接して配される。これにより、ランス26のアーム部27が自然状態から上方へ変位しようとした場合でも、反転規制部48の後面に対して操作部38の前面のほぼ全域が係合されることで、アーム部27の反転動作を規制できるようになっている(図7参照)。この反転規制部48は、操作部38(アーム部27)における高さ方向の厚み寸法内に配されるようになっている。
【0027】
各窓孔41の周縁下部のうち撓み規制部42の両側方部分には、撓み規制部42の全長にわたって立ち上がる一対の位置決め部49が連成されている。両位置決め部49は、ランス26のアーム部27の幅寸法分の間隔を空けて配設されることで、両位置決め部49間には、アーム部27が嵌合可能とされている。詳細には、両位置決め部49は、支持壁31の下端位置まで突出する高さ寸法を有することで、アーム部27のうち支持壁31よりも下方に突出した部分の両側面に当接または近接して配されるようになっている。このように両位置決め部49によりアーム部27の両側面を支持することができるから、ランス26を幅方向について位置決めしてほぼ遊動不能に保持することができる(図8参照)。
【0028】
参考例は以上のような構造であり、続いてその作用について説明する。ハウジング20のタワー部21に対して前方からフロントリテーナ40を装着するととともに、図4に示すように、仮係止突部46を仮係止溝部36の前面に係止させることでフロントリテーナ40が仮係止位置に保持される。その後、ハウジング20の後方から各キャビティ25内に端子金具10を挿入すると、図5に示すように、端子金具10の前端下部によってランス26の係止部28の後面が押圧されるのに伴い、アーム部27が下方に撓み変形されて撓み空間29内に一旦退避される。そして、キャビティ25に対して端子金具10が正規深さまで挿入されると、係止部28が係止孔14内に進入するとともにアーム部27が弾性復帰することで、図6に示すように、係止部28が係止孔14の孔縁前部に係止される。これにより、端子金具10がキャビティ25内に抜け止め状態に保持される。このとき、防水ゴム栓18がキャビティ25の後部内周面に密着することで、キャビティ25内にシールが図られている。
【0029】
全ての端子金具10をキャビティ25内に収容したら、フロントリテーナ40を後方へ押し込む。フロントリテーナ40の前端面がハウジング20の前端面と面一状をなす深さに達すると、図7に示すように、本係止突部47が本係止溝部37の前面に係止されて、フロントリテーナ40が本係止位置に保持される。これに伴い、各撓み規制部42が各撓み空間29内に進入することで、端子金具10に係止した状態のランス26が下方へ撓み変形するのが規制される。これにより、端子金具10に対するランス26の係止状態が誤って解除されるのを防ぐことができ、端子金具10の保持状態を安定したものとすることができる。フロントリテーナ40が本係止位置に達するのに伴って、反転規制部48が自然状態のランス26の操作部38と上方の端子金具10との間に進入するとともに反転規制部48の後面が操作部38の前面に対して近接または当接して配される。この過程では、互いにテーパ状に形成された反転規制部48の後面と操作部38の前面とによって誘い込まれることで、操作部38に対する反転規制部48の相対変位動作がスムーズに行われる。これと同時に嵌合突部43が型抜き孔30内に嵌合されることで、キャビティ25内の端子金具10が前方及び下方から支持される。またこのとき、図8に示すように、両位置決め部49がアーム部27の両側面に近接または当接する位置に配されることで、アーム部27の両側面を支持して幅方向についてほぼ遊動不能に位置決めすることができる。このようにして組み立てられた雌コネクタは、後に相手の雄コネクタと嵌合接続されるようになっている。
【0030】
ところで、上記のように端子金具10が正規に挿入された状態では、ハウジング20の後面側からは端子金具10に接続された電線Wが外部に導出されている。そして、この電線Wに対して引っ張り力が加えられた場合には、ランス26が端子金具10に係止していることで、キャビティ25から端子金具10が抜け止めされるものの、この引っ張り力は、ランス26に対して挿入時の撓み方向(下方)とは逆の上方へ変位させるような力として作用する。そしてこの引っ張り力が所定以上の大きさだった場合には、ランス26が上方へ変位しようとするものの、操作部38の前面のほぼ全域がその上方に近接または当接して配された反転規制部48の後面に係合することで、ランス26が自然状態から殆ど上方に変位することなくその変形動作が規制され、もってランス26が反転して変形する事態を防ぐことができる。これにより、ランス26による端子金具10の保持状態が不安定となって、端子金具10が前後にがたつくような事態を未然に回避することができる。
【0031】
なお、メンテナンスなどの事情により端子金具10を取り外す場合には、フロントリテーナ40をハウジング20から取り外すとともに、型抜き孔30内に前方から解除治具を挿入してランス26のアーム部27の前端部を下方へ押圧操作することで、ランス26を強制的に変形させてその係止状態を解除しつつ端子金具10を引き抜くようにする。
【0032】
以上説明したように本参考例によれば、フロントリテーナ40に反転規制部48を設けるようにしたから、ランス26に対して端子金具10の挿入時とは逆方向に変形させるような力が作用した場合でも、反転規制部48がランス26の操作部38に係合することで、ランス26が逆方向に変形するのを規制することができ、もって端子金具10の保持状態を安定したものとすることができる。この反転規制部48は、ハウジング20とは別部材であるフロントリテーナ40に設けられるとともに、フロントリテーナ40の装着に伴って自然状態のランス26の操作部38に近接または当接する位置に配されるから、ランス26を自然状態から上方にがたつきなく反転規制状態に保持することができる。しかも、この反転規制部48は、撓み規制部42を有することで端子金具10の抜け止めを図るフロントリテーナ40に設けられているから、仮にフロントリテーナ40とは別部材の反転規制部材をハウジング20に装着する場合と比較して部品点数や組付工数を削減することができる。
【0033】
また、反転規制部48の後面をテーパ状に形成するようにしたから、ランス26に対して反転規制部48が相対変位する際にランス26を所望の位置に誘い込むことができる。また、反転規制部48をランス26の厚み寸法内に配置しているから、その分だけランス26の撓み方向についてコネクタを小型化することができる。
【0034】
また、一対の位置決め部49を撓み規制部42に連成するようにしたから、フロントリテーナ40の装着に伴ってランス26のアーム部27の両側面を両位置決め部49によって支持することでランス26を幅方向について位置決めして遊動を規制することができる。これにより、ランス26による端子金具10の保持状態を安定したものとすることができる。
【0035】
<第2参考例
第2参考例を図9または図10によって説明する。この第2参考例では、反転規制部及び操作部の形状を変更した場合を示す。
【0036】
図9に示すように、操作部38Aは、アーム部27の厚み寸法のほぼ半分程度の厚みを有する略平板状に形成されており、その下面位置がアーム部27の下面位置に揃えられている。操作部38Aの上面は、端子金具10の挿入方向に沿った水平面とされ、言い換えるとランス26の撓み方向に対して直交する面をなしている。また操作部38Aの前面は、後方に向かって上り勾配をなすテーパ状に形成されている。一方、反転規制部48Aは、嵌合突部43の後面上部から後方に突出する略平板状に形成されるとともに、その下方の撓み規制部42との間には操作部38Aの進入を許容する空間が確保されている。反転規制部48Aの厚み寸法は、嵌合突部43の後部の厚み寸法のほぼ半分程度とされており、その下面は、上記操作部38Aの上面と平行な面として設定されるとともにその高さ位置が操作部38Aの上面とほぼ揃えられている。また反転規制部48Aの後面は、操作部38Aの前面と平行なテーパ状に形成されている。
【0037】
フロントリテーナ40を本係止位置に移動させると、図10に示すように、反転規制部48Aが操作部38Aとキャビティ25内に挿入された端子金具10との間に進入するとともに、その下面が操作部38Aの上面に対して近接または当接して配される。この状態で電線Wに対して引っ張り力が作用し、ランス26に対して上向きに変位させるような力が作用したとしても、操作部38Aの上面と反転規制部48Aの下面とが係合することで、ランス26の反転動作が規制される。このように、反転規制部48A及び操作部38Aにおける互いの係合面をランス26の撓み方向と直交する端面としたから、ランス26を逆方向へ変位させようとする力を反転規制部48Aによりしっかりと受け止めることができ、ランス26の反転動作を確実に規制できる。これによりランス26による端子金具10の保持状態を一層安定化させることができる。
なお、その他の構造、作用及び効果は上記した第1参考例と同様であるため重複する説明は省略する。
【0038】
<第実施形態>
本発明の第実施形態を図11ないし図17によって説明する。この第実施形態では、ランスを反転規制する機能をさらに向上させたものを示す。
【0039】
ランス26のアーム部27(操作部38を含む)の下部両側面には、図11及び図13に示すように、一対の係合リブ50が側方に張り出して設けられている。これら係合リブ50は、その外縁が上端から下端にかけて次第に張り出し寸法が大きくなるテーパ状に形成されている。係合リブ50は、その上端が支持壁31の下端位置に揃えられる高さ(アーム部27の厚み寸法の半分程度の高さ)を有するとともに、アーム部27の全長にわたって連結されることでアーム部27の増強に寄与している。一方、フロントリテーナ40における各窓孔41の周縁下部の後端のうち撓み規制部42の両側方部分からは、溝部34のうち撓み空間29の側方に進入可能な延出部51がそれぞれ後方へ延出して設けられている。そして、各窓孔41の周縁下部のうち撓み規制部42の両側方部分には、反転規制レール部52が撓み規制部42の全長にわたって立ち上がるようそれぞれ連成され、さらにこの反転規制レール部52は、撓み規制部42よりも後方(ハウジング20に対するフロントリテーナ40の装着方向)に延長して形成されるとともに延出部51に対してもその全長にわたって連成されている。反転規制レール部52は、支持壁31の下端位置まで突出する高さを有するとともに係合リブ50の側方に進入可能とされており、その内縁は、係合リブ50の外縁と平行になるよう下端から上端にかけて次第に内側に張り出すテーパ状に形成されている(図15及び図17参照)。また反転規制レール部52の前端は、反転規制部48に連結されている。
【0040】
ハウジング20に対してフロントリテーナ40を仮係止位置に装着すると、図14に示すように、撓み規制部42が撓み空間29の前方に退避して配されることでランス26が撓み変形するのが許容されているのに対し、両延出部51の後半部分が溝部34のうち撓み空間29の両側方に進入するとともに両反転規制レール部52の後部が両係合リブ50の前部の側方に進入して、図15に示すように、両反転規制レール部52が両係合リブ50の斜め上方に対向する近接した位置に配される。従って、この仮係止位置において端子金具10をキャビティ25内に挿入してランス26に係止させた後、電線Wに対して引っ張り力が作用した場合にランス26が上方へ変位しようとしたとしても、両係合リブ50の前部外縁が両反転規制レール部52の後部内縁に対してほぼ同時に係合することで、ランス26が上方に変形する動作を規制することができる。またランス26は、両反転規制レール部52により挟まれることで幅方向について位置決めされる。
【0041】
フロントリテーナ40を本係止位置に移動させると、図16に示すように、撓み規制部42が撓み空間29内に進入するとともに、両延出部51が溝部34のうち支持部39の両側方に進入し、さらに両反転規制レール部52がその全長にわたって両係合リブ50の側方に進入する。このとき、反転規制レール部52は、その後端が支持部39の前端位置(アーム部27の撓み支点)よりも後方の位置にまで達しており、係合リブ50のうち前端から全長の約2/3程度の領域(アーム部27のうち撓み変形し得る全領域)にわたって斜め上方に対向する近接した位置に配されている(図17参照)。これと同時に、嵌合突部43が型抜き孔30内に嵌合されるとともに反転規制部48が操作部38と端子金具10との間に進入して反転規制部48の後面が操作部38の前面に対して近接または当接して配される。
【0042】
この状態で電線Wに対して引っ張り力が付与され、ランス26が上方に変位しようとしたとしても、図17に示すように、両反転規制レール部52が全長にわたって両係合リブ50にほぼ同時に係合するとともに反転規制部48が操作部38に係合することで、ランス26が上方に変形する動作を規制することができる。このとき、反転規制部48の外縁と係合リブ50の内縁とがテーパ状に形成されているから、ランス26をキャビティ25における幅方向中央位置へと誘い込むことができる。このようにランス26のうち幅方向両側に配された両係合リブ50と、自由端に配された操作部38とを規制することで、ランス26の反転規制を確実にすることができ、端子金具10の保持状態をより一層安定したものとすることができる。
【0043】
以上説明したように本実施形態によれば、撓み規制部42に反転規制レール部52を連成することで、反転規制レール部52がアーム部27に設けた係合リブ50に対して所定長さにわたって係合されるから、ランス26の反転動作を確実に規制することができる。
【0044】
しかも、係合リブ50をアーム部27の側面から張り出して設けたから、仮にランスに溝を凹設してこの溝に反転規制レール部を係合させた場合と比較してランス26の強度を高く保つことができる。さらには、係合リブ50をアーム部27の全長にわたって延出して設けるようにしたから、ランス26を補強することができる。これにより、端子金具10に対する抜け止め力を高く保つことができるとともにランス26自身が逆方向に変形し難くすることができる。
さらには、反転規制レール部52を延出部51と共に撓み規制部42よりも後方へ延長して設けるようにしたから、フロントリテーナ40を仮係止位置に配した状態でも、ランス26の反転動作を規制することができる。
【0045】
また、反転規制レール部52のうち係合リブ50に係合される部分である内縁をテーパ状に形成するようにしたから、逆方向へ変位しようとするランス25をキャビティ25の幅方向中央位置へと誘い込みつつ確実に反転規制することができる。反転規制レール部52における内側に張り出す内縁をテーパ状に形成しているから、反転規制レール部52に対して係合リブ50から作用するモーメントを緩和することができる。従って、ランス26を受ける反転規制レール部52の支持強度を高めるための格別な配慮が不要となり、コネクタの設計の自由度を高めることができる。
なお、その他の構造、作用及び効果は上記した第1参考例と同様であるため重複する説明は省略する。
【0046】
<第実施形態>
本発明の第実施形態を図18ないし図20によって説明する。この第実施形態では、上記第実施形態のものにおいてフロントリテーナの形状を変更したものを示す。
【0047】
すなわち、このフロントリテーナ40は、図18に示すように、上記第実施形態に示したフロントリテーナ40における窓孔41の周縁下部から嵌合突部43及び反転規制部48(図13参照)を除去した形状となっている。そして、両反転規制レール部52が窓孔41の周縁下部の全域(撓み規制部42及び延出部51を含む)にわたって連成されるとともに、両反転規制レール部52間には、窓孔41に連通するとともに前後に開口する開口部53が設けられている。従って、このフロントリテーナ40をハウジング20に対して装着した状態では、図19及び図20に示すように、型抜き孔30、開口部53及び窓孔41を介して常にランス26が前方に露出されるようになっている。これら型抜き孔30、開口部53及び窓孔41には、前方外部から端子金具10の取り外し時にランス26を強制的に撓み変形させるための解除治具55が挿入可能とされている。つまり、これら型抜き孔30、開口部53及び窓孔41によって解除治具挿入経路が構成されている。開口部53の口縁下部は、ランス26の幅寸法に相当する範囲が後方に行くのに従って上り勾配をなすテーパ状に形成されており、ここが解除治具55を所望の位置へと案内可能な案内面54とされている。また解除治具55は、先細りの棒状をなしている。
【0048】
ハウジング20から端子金具10を取り外す場合には、図20に示すように、フロントリテーナ40を仮係止位置に配した状態とした後に、前方外部から解除治具55を窓孔41及び開口部53内に挿入する。このとき解除治具55の周面を案内面54に摺接させてその軸線を傾けつつ奥方へと挿入することで、解除治具55の先端をランス26の操作部38と端子金具10との間へと誘導することができる。解除治具55の先端部を型抜き孔30を通過させて操作部38と端子金具10との間に挿入した状態で解除治具55の後端側を引き上げてその軸線を傾けることで、その先端部によりランス26の操作部38を下方へ押圧してアーム部27を強制的に撓み変形させる。そして、ランス26が係止部28の係止孔14の孔縁前部に対する係止状態が解除されるまで撓まされたところで、電線Wを後方へ引っ張って端子金具10をキャビティ25から引く抜くようにする。
【0049】
このように、フロントリテーナ40をハウジング20に仮係止位置に装着した状態のままで端子金具10の取り外し作業を行うことができるから、上記した第1,2参考例及び実施形態のようにフロントリテーナ40が嵌合突部43及び反転規制部48(48A)を有することでランス26が前方に露出せず、言い換えると解除治具挿入経路が閉鎖されるためにフロントリテーナ40をハウジング20から取り外す必要がある場合と比較して、端子金具10の取り外し作業性に優れる。
なお、その他の構造、作用及び効果は上記した第実施形態と同様であるため重複する説明は省略する。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる
【0051】
)上記した実施形態では、反転規制レール部とランスの係合リブとの係合部分をテーパ状に形成した場合を示したが、例えば反転規制レール部側のみテーパ状にし、ランスの係合リブを角形状として係合させるものも本発明に含まれる。逆にランスの係合リブのみテーパ状に形成したものも本発明に含まれる。また、ランスの係合リブと反転規制レール部との係合部分を共に角形状としたものも本発明に含まれる。
【0052】
)上記した実施形態では、ランスが片持ち状に形成された場合を示したが、ランスが前後両端で支持される両持ち状のものについても本発明を同様に適用可能である。また、ランスをハウジングに対して装着される別部材に設けるようにしたものにも本発明を同様に適用可能である。
)上記した実施形態では、防水コネクタについて示したが、非防水タイプのコネクタにも本発明は適用可能である。
)上記した実施形態では、雌側のコネクタについて示したが、雄側のコネクタについても本発明を同様に適用することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例に係るハウジングの正面図
【図2】フロントリテーナの正面図
【図3】雌コネクタを分解した状態を示す図1及び図2のA−A線断面図
【図4】ハウジングにフロントリテーナを仮係止位置に装着した状態を示す図1及び図2のA−A線断面図
【図5】キャビティに端子金具を挿入する途中の状態を示す図1及び図2のA−A線断面図
【図6】端子金具が正規深さに達した状態を示す図1及び図2のA−A線断面図
【図7】ハウジングにフロントリテーナを本係止位置に装着した状態を示す図1及び図2のA−A線断面図
【図8】ハウジングに対して本係止位置に装着したフロントリテーナにおける図3のB−B線断面図
【図9】 第2参考例に係るハウジングにフロントリテーナを仮係止位置に装着した状態を示す側断面図
【図10】フロントリテーナを本係止位置に装着した状態を示す側断面図
【図11】 本発明の第実施形態に係るハウジングの正面図
【図12】フロントリテーナの正面図
【図13】雌コネクタを分解した状態を示す図11及び図12のC−C線断面図
【図14】フロントリテーナを仮係止位置に装着した状態を示す図11及び図12のC−C線断面図
【図15】ハウジングに対して仮係止位置に装着したフロントリテーナにおける図13のD−D線断面図
【図16】フロントリテーナを本係止位置に装着した状態を示す図11及び図12のC−C線断面図
【図17】ハウジングに対して本係止位置に装着したフロントリテーナにおける図13のE−E線断面図
【図18】 本発明の第実施形態に係るフロントリテーナの正面図
【図19】ハウジングにフロントリテーナを装着した状態を示す正面図
【図20】フロントリテーナを仮係止位置に装着した状態を示す図19のF−F線断面図
【符号の説明】
10…端子金具
20…ハウジング
25…キャビティ
26…ランス
27…アーム部
28…係止部
29…撓み空間
30…型抜き孔(解除治具挿入経路)
40…フロントリテーナ(リテーナ、反転規制部材)
41…窓孔(解除治具挿入経路)
42…撓み規制部
48,48A…反転規制部
49…位置決め部
50…係合部
52…反転規制レール部(反転規制部)
53…開口部(解除治具挿入経路)
55…解除治具

Claims (9)

  1. コネクタハウジングには、端子金具を挿入可能なキャビティと、キャビティ内に突出するとともに挿入される前記端子金具によって押圧されることで端子金具の挿入方向と交差する方向に撓み変形し、前記端子金具が正規深さに達すると復帰して端子金具に係止されるランスとが設けられているものにおいて、
    前記コネクタハウジングには、前記ランスに対して係合することでランスが前記端子金具の挿入時の撓み方向とは逆方向に変形されるのを規制可能な反転規制部を有する反転規制部材が装着されており、
    前記反転規制部材は、前記端子金具を抜け止めするためのリテーナとされ、
    前記ランスが、前記端子金具の挿入方向に沿って延出するとともに撓み変形可能なアーム部と、アーム部から前記キャビティ内に突設されるとともに端子金具に係止可能な係止部とから構成されているのに対し、前記リテーナが、前記コネクタハウジングに対して前記アーム部の長さ方向に沿って装着されるとともに、アーム部の撓み変形を許容する撓み空間内に進入することで前記端子金具に係止した前記ランスが撓み変形するのを規制可能な撓み規制部を有しているものであって、
    前記反転規制部は、前記撓み規制部に連成されるとともに前記アーム部の長さ方向に沿って延出して形成されることで、アーム部に対して所定長さにわたって係合可能とされており、
    前記ランスの前方には、前記コネクタハウジングの成形時にランスを型抜きするための型抜き孔が開口して形成されるとともに、この型抜き孔の両側方には、前記端子金具を支持する支持壁が設けられ、
    前記ランスのアーム部は、前記支持壁よりも前記撓み空間側へ突出して形成され、このアーム部のうち前記支持壁からの突出部分に対して前記反転規制部が係合されるようになっていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記反転規制部のうち前記ランスと係合される部分がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記反転規制部は、自然状態とされた前記ランスにおける撓み方向についての厚み寸法内に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
  4. 記撓み規制部には、前記アーム部の両側面を支持することで前記ランスを幅方向について位置決め可能な位置決め部が連成されていることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記反転規制部のうち前記ランスと係合される部分が、ランスの撓み方向に対してほぼ直交する端面を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載のコネクタ。
  6. 前記アーム部の側面には、前記反転規制部に対して係合可能な係合部が張り出して形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のコネクタ。
  7. 前記係合部が前記アーム部のほぼ全長にわたって設けられていることを特徴とする請求項記載のコネクタ。
  8. 前記リテーナが前記コネクタハウジングに対して、前記撓み規制部が前記撓み空間から退避して配されることで前記ランスの撓み変形を許容する仮係止位置と、撓み規制部が撓み空間内に進入することでランスの撓み変形を規制する本係止位置との間を移動可能に保持されているものにおいて、
    前記反転規制部は、前記撓み規制部よりも前記リテーナの前記コネクタハウジングに対する装着方向に向けて突出して形成されることで、前記リテーナが前記仮係止位置に配されたときに前記アーム部に対して係合可能とされていることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のコネクタ。
  9. 前記リテーナが前記コネクタハウジングに対して、前記撓み規制部が前記撓み空間から退避して配されることで前記ランスの撓み変形を許容する仮係止位置と、撓み規制部が撓み空間内に進入することでランスの撓み変形を規制する本係止位置との間を移動可能に保持されているものにおいて、
    前記コネクタハウジング及び前記リテーナのうち前記ランスの前方には、ランスを押圧操作して撓み変形させることで端子金具に対する係止状態を解除するための解除治具の挿入を許容する解除治具挿入経路が外部に開口して形成されていることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載のコネクタ。
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