JP2009161553A - 新規なピラジン誘導体またはその塩、それらを含有する医薬組成物並びにそれらの製造中間体 - Google Patents

新規なピラジン誘導体またはその塩、それらを含有する医薬組成物並びにそれらの製造中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた抗ウイルス活性を有し、ウイルス感染の治療剤として有用である、ピラジン誘導体またはその塩の製造中間体の提供。
【解決手段】一般式
Figure 2009161553

「式中、R21は、カルバモイル基、カルボキシル基等を;R22は、保護されていてもよいヒドロキシル、アミノ基等を示す。」で表されるフルオロピラジン誘導体またはその塩。該化合物は、また、抗ウイルス作用を持つ6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミドに代表されるフルオロピラジンカルボキサミド誘導体を工業的に製造する際の中間体としても有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なピラジン誘導体またはその塩、それらを有効成分とする医薬組成物並びにそれらの製造中間体に関する。
現在、臨床上で使用されている抗ウイルス剤としては、ヘルペスウイルスに対しては、アシクロビルおよびビダラビン;サイトメガロウイルスに対しては、ガンシクロビルおよびホスカルネット;肝炎ウイルスに対しては、インターフェロンなどがある。また、インフルエンザウイルスに対しては、ワクチンによる予防が広く行われており、低分子化合物としては塩酸アマンタジンおよびリバビリンなどが用いられている。最近ではザナミビルも使用されている。
一方、これまで、塩基としてピラジン環を有するヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体の抗ウイルス活性に関する報告例としては、たとえば、一般式
Figure 2009161553

「式中、Rは、水素原子、メチル基およびC1021を示す。」が知られているが、この公知化合物は、抗ウイルス活性[抗ビスナウイルス(Visna virus)活性]を示さない[ヌクレオシズ・アンド・ヌクレオチズ(Nucleosides & Nucleotides)、第15巻、第11、12号、第1849〜1861(1996年)]。また、カルバモイル基で置換されたピラジン環を有するヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体は、知られていない。
アマンタジンは、その作用機序からA型インフルエンザには有効であるが、B型インフルエンザには無効である点、耐性ウイルスが出現する点、神経障害を引き起こす点などが問題点として挙げられている。また、リバビリンは、ウイルス性RNAポリメラーゼ阻害活性を示し、A型およびB型インフルエンザに有効であるが、内服による臨床効果は十分でない。
そのため、各種のウイルス、特にインフルエンザウイルスに対して感染予防効果を示し、かつ治療効果を発揮する抗ウイルス剤が求められていた。
また、国際出願番号PCT/JP99/04429号(国際公開WO00/10569号)には、抗ウイルス剤として有用な一般式[22]
Figure 2009161553

「式中、A環は、置換または無置換のピラジン、ピリミジン、ピリダジンもしくはトリアジン環を;R23は、OまたはOHを;R24は、水素原子、アシル基またはカルバモイルアルキル基を;破線は、単結合または二重結合を示す。」で表される含窒素複素環カルバモイル誘導体またはその塩が記載されている。該出願には、一般式[22]で表わされる化合物の製造法および製造に用いる中間体に関する記載はあるが、本願のフルオロピラジン誘導体が一般式[22]で表わされる化合物の製造中間体として有用であることは、記載されていない。
一般式[22]の化合物の中で、ピラジン環の置換基がフッ素原子である一般式[23]
Figure 2009161553

「式中、A’環は、ピラジン環;R23、R24および破線は、上記と同じ意味を有する。」
で表わされる化合物は、抗インフルエンザウイルス活性が強く、抗ウイルス剤として優れていることが記載されている。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として鋭意研究を行った結果、下記の一般式[1]
Figure 2009161553

「式中、Rは、水素原子またはハロゲン原子を;Rは、水素原子または保護されてもよい一リン酸、二リン酸もしくは三リン酸基を;R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アジド基、置換もしくは保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基またはRおよびRが一緒になって結合手を;Aは、酸素原子またはメチレン基を;nは、0または1を;Yは、酸素原子、硫黄原子またはNH基を示す。」
で表わされるピラジン誘導体またはその塩が優れた抗ウイルス活性を有することを見い出し、本発明を完成するに至った。
さらに一般式[21]
Figure 2009161553

「式中、R21は、水素原子、メチル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ホルミル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基を;R22は、水素原子、ハロゲン原子、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基、ニトロ基、アジド基または置換されていてもよいフェニルスルファニル、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニル基をそれぞれ示す。ただし、R21が、カルバモイル基またはアシル基で置換されているカルバモイル基であり、かつ、R22が、ヒドロキシル基である化合物およびR21が水素原子であり、かつ、R22が、水素原子である化合物を除く。」で表されるフルオロピラジン誘導体またはその塩が、一般式[1]で表される化合物のRがフッ素原子である化合物の製造中間体であるフルオロピラジンカルボキサミド誘導体を工業的に製造する際の優れた中間体であることを見出し、本発明を完成した。
また、本願発明の一般式[21]で表されるフルオロピラジン誘導体またはその塩は、抗ウイルス作用を有する一般式[23]で表されるフルオロピラジンカルボキサミド誘導体を工業的に製造する際の優れた中間体であることも合わせて見出し、本発明を完成した。
以下、本発明化合物について詳述する。
本明細書において、特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を;ハロゲン化メチル基とは、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチルおよびトリクロロメチルなどのモノ、ジまたはトリ置換ハロゲン化メチル基を;ハロゲン化カルボニル基とは、フルオロカルボニル、クロロカルボニル、ブロモカルボニルおよびヨードカルボニル基を;低級アルキル基とは、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルおよびペンチルなどのC1-5アルキル基を;低級アルコキシ基とは、たとえば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシおよびペンチルオキシなどのC1-5アルコキシ基を;低級アルコキシカルボニル基とは、たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルおよびペンチルオキシカルボニルなどのC1-5アルコキシカルボニル基を;低級アルキルアミノ基とは、たとえば、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよびメチルエチルアミノなどのモノまたはジ−C1-5アルキルアミノ基を;ハロゲノ−低級アルキル基とは、たとえば、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、トリクロロエチルおよびクロロプロピルなどのハロゲノ−C1-5アルキル基を;低級アルケニル基とは、たとえば、ビニルおよびアリルなどのC2-5アルケニル基を;シクロアルキル基とは、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのC3-6シクロアルキル基を;アリール基とは、たとえば、フェニルおよびナフチルなどの基を;複素環式基とは、たとえば、アゼチジニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、チアトリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラニル、モルホリニル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、クロメニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、フテリジニル、イソクロマニル、クロマニル、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾオキサゾリル、トリアゾロピリジル、テトラゾロピリダジニル、テトラゾロピリミジニル、チアゾロピリダジニル、チアジアゾロピリダジニル、トリアゾロピリダジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、イミダゾ「1,2−b][1,2,4]トリアジニルおよびキヌクリジニルなどのような酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1つの異項原子を含有する4〜6員または縮合複素環式基をそれぞれ意味する。
本発明化合物およびその製造中間体がヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルバモイル基またはカルボキシル基を有する場合、これらの置換基は、公知の保護基で保護されていてもよい。
一リン酸基、二リン酸基および三リン酸基は、一般式
Figure 2009161553

において、それぞれ、kが、1、2および3である基を意味する。
一リン酸、二リン酸および三リン酸基の保護基としては、通常のリン酸基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、メチル、シクロプロピルメチル、tert−ブチルおよびエタン−1,2−ジイルなどの低級アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリクロロ−1,1−ジメチルエチルおよび2,2,2−トリブロモエチルなどのハロゲノ低級アルキル基;1−アセチルエチルなどのアシル低級アルキル基;2−シアノエチルなどのシアノ低級アルキル基;2−メチルスルホニルエチルなどの低級アルキルスルホニル低級アルキル基;2−フェニルスルホニルエチルなどアリールスルホニル低級アルキル基;アリルなどのアルケニル基;フェニル、o-ヒドロキシフェニル、o-クロロフェニル、p-クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、p-ニトロフェニル、2−ジメチルアミノ−4−ニトロフェニル、2−tert−ブチルフェニル、2−クロロメチル−4−ニトロフェニルおよびo-フェニレンなどのアリール基;ベンジル、o-ニトロベンジルおよびp-ニトロフェニルエチルなどのアル低級アルキル基;並びに8−キノリルおよび5−クロロ−8−キノリルなどの複素環式基などが挙げられ、これら一種または二種以上の保護基で保護されていてもよい。
カルボキシル基の保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、1,1−ジメチルプロピル、n−ブチルおよびtert−ブチルなどの低級アルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p-ニトロベンジル、p-メトキシベンジルおよびビス(p-メトキシフェニル)メチルなどのアル−低級アルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-ブロモベンゾイルメチルおよびp-メタンスルホニルベンゾイルメチルなどのアシル−低級アルキル基;2−テトラヒドロピラニルおよび2−テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2−トリクロロエチルなどのハロゲノ−低級アルキル基;2−(トリメチルシリル)エチルなどの低級アルキルシリルアルキル基;アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式−低級アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、メトキシエトキシメチルおよび2−(トリメチルシリル)エトキシメチルなどの低級アルコキシ−低級アルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル−低級アルコキシ−低級アルキル基;メチルチオメチルおよび2−メチルチオエチルなどの低級アルキルチオ−低級アルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ−低級アルキル基;1,1−ジメチル−2−プロペニル、3−メチル−3−ブチニルおよびアリールなどの低級アルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの低級アルキル置換シリル基などが挙げられる。
アミノおよび低級アルキルアミノの保護基としては、通常のアミノ保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、トリクロロエトキシカルボニル、トリブロモエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、o-ブロモベンジルオキシカルボニル、(モノ−、ジ−、トリ−)クロロアセチル、トリフルオロアセチル、フェニルアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert−アミルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、アラニル、ロイシル、1−アダマンチルオキシカルボニルおよび8−キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アルキル基;2−ニトロフェニルチオおよび2,4−ジニトロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルカン−もしくはアレーン−スルホニル基;N,N−ジメチルアミノメチレンなどのジ−低級アルキルアミノ−低級アルキリデン基;ベンジリデン、2−ヒドロキシベンジリデン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンジリデンおよび2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチレンなどのアル−低級アルキリデン基;3−ヒドロキシ−4−ピリジルメチレンなどの含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロヘキシリデン、2−エトキシカルボニルシクロペンチリデン、2−アセチルシクロヘキシリデンおよび3,3−ジメチル−5−オキシシクロヘキシリデンなどシクロアルキリデン基;ジフェニルホスホリルおよびジベンジルホスホリルなどのジアリール−もしくはジアル−低級アルキルホスホリル基;5−メチル−2−オキソ−2H−1,3−ジオキソール−4−イル−メチルなどの含酸素複素環式アルキル基;並びにトリメチルシリルなどの低級アルキル置換シリル基などが挙げられる。
また、ヒドロキシル基およびメルカプト基の保護基としては、通常のヒドロキシル保護基として使用しうるすべての基を含み、たとえば、ベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、1,1−ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2,2,2−トリブロモエトキシカルボニル、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、2−(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル、2−フルフリルオキシカルボニル、1−アダマンチルオキシカルボニル、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、S−ベンジルチオカルボニル、4−エトキシ−1−ナフチルオキシカルボニル、8−キノリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル、メトキシアセチル、フェノキシアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert−ブチル、2,2,2−トリクロロエチルおよび2−トリメチルシリルエチルなどの低級アルキル基;アリルなどの低級アルケニル基;ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアル−低級アルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、メチルチオメチル、ベンジルオキシメチル、2−メトキシエトキシメチル、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチルおよび1−エトキシエチルなどの低級アルコキシ−および低級アルキルチオ−低級アルキル基;メタンスルホニルおよびp−トルエンスルホニルなどのアルカン−もしくはアレーン−スルホニル基;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジエチルイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルおよびtert−ブチルメトキシフェニルシリルなどの置換シリル基;ヒドロキノン、パラメトキシフェノールなどの置換アリール基;(2−メチル−3−オキソ−1−シクロペンテン−1−イル)などのエノールエーテル基などが挙げられる。
また、カルバモイル基の保護基としては、通常のカルバモイル保護基として使用しうるすべての基を含み、たとえば、ベンジル、4−メトキシベンジル、2,4−ジメトキシベンジルなどのアル低級アルキル基;メトキシメチルなどの低級アルコキシアルキル基;ベンジルオキシメチルなどのアル低級アルコキシ基;tert−ブチルジメチルシロキシメチルなどの置換シリル低級アルコキシ低級アルキル基;メトキシなどの低級アルコキシ基;ベンジルオキシなどのアル低級アルコキシ基;メチルチオ、トリフェニルメチオなどの低級アルキルチオ基;ベンジルチオなどのアル低級アルキルチオ基;tert−ブチルジメチルシリル基などの置換シリル基;4−メトキシフェニル、4−メトキシメチルフェニルおよび2−メトキシ−1−ナフチルなどのアリール基;並びにトリクロロエトキカルボニル、トリフルオロアセチルおよびtert−ブトキシカルボニルなどのアシル基などが挙げられる。
、R、R、R、Z、Z、ZおよびZにおける置換されていてもよいヒドロキシル基の置換基としては、保護されていてもよいカルボキシル基、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、アリール基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、ハロゲノ−低級アルキル基および複素環式基が挙げられ、これら一種または二種以上の置換基で置換されていてもよい。
、R、R、R、Z、Z、ZおよびZにおける置換されていてもよいアミノ基の置換基としては、保護されていてもよいカルボキシル、ヒドロキシル、アミノおよび低級アルキルアミノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、アリール基、シクロアルキル基、低級アルケニル基、ハロゲノ−低級アルキル基並びに複素環式基が挙げられ、これら一種または二種以上の置換基で置換されていてもよい。
22におけるフェニルスルファニル基、フェニルスルフィニル基およびフェニルスルホニル基の置換基としては、メチルおよびエチルなどの低級アルキル基などが挙げられる。
一般式[1]および[21]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシル、ホスホリルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩を、また、酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属塩との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などを挙げることができる。
上記の塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
また、一般式[1]および[21]の化合物またはその塩において、たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体などの異性体が存在する場合、本発明は、それらの異性体を包含し、また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶を包含するものである。
本発明の医薬組成物のうち、好ましい医薬組成物としては、抗ウイルス剤が挙げられ、さらに好ましい抗ウイルス剤としては、インフルエンザウイルス、RSウイルス、エイズウイルス、パピローマウイルス、アデノウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ポリオウイルス、エコーウイルス、コックサッキーウイルス、エンテロウイルス、ライノウイルス、ロタウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ムンプスウイルス、水疱性口内炎ウイルスおよび日本脳炎ウイルスに対する抗ウイルス剤が挙げられ、よりさらに好ましい抗ウイルス剤としては、ロタウイルス、RSウイルスおよびインフルエンザウイルスに対するウイルス剤が挙げられる。より一層さらに好ましい抗ウイルス剤としては、インフルエンザウイルスに対する抗ウイルス剤が挙げられる。
本発明化合物のうち、好ましい化合物としては、R、R、RおよびRが、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子または置換もしくは保護されていてもよいヒドロキシル基またはRおよびRが一緒になって結合手である化合物またはその塩が挙げられる。さらに好ましい化合物としては、Rが、水素原子または保護されてもよい一リン酸基もしくは三リン酸基;よりさらに好ましい化合物としては、Rが、水素原子または保護されてもよい一リン酸基;R、R、RおよびRが、同一または異なって、水素原子または保護されていてもよいヒドロキシル基;Aが、酸素原子;nが、0である化合物またはその塩が挙げられる。よりさらに一層好ましい化合物としては、Rが、水素原子である化合物またはその塩が挙げられる。
さらに好ましい化合物としては、Rが、水素原子、塩素原子またはフッ素原子である化合物またはその塩が挙げられ、さらに、好ましい化合物としては、Rが、水素原子またはフッ素原子である化合物またはその塩が挙げられる。
また、本発明中間体の化合物中、好ましい化合物としては、R21が、水素原子、メチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基である化合物またはその塩が挙げられ、より好ましくは、R22が、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはアジド基である化合物またはその塩が挙げられる。さらに好ましい化合物としては、R21が、メチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチルもしくはカルボキシル基である化合物またはその塩が挙げられ、よりさらに好ましい化合物としては、R21が、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチルもしくはカルボキシル基である化合物またはその塩が挙げられる。より一層さらに好ましくは、R21が、カルバモイル基、保護されていてもよいカルボキシル基、ニトリル基またはハロゲン化カルボニル基である化合物またはその塩が挙げられる。但し、上記化合物中、R21が、カルバモイル基またはアシル基で置換されているカルバモイル基であり、かつ、R22が、ヒドロキシル基である化合物およびR21が水素原子であり、かつ、R22が、水素原子である化合物を除く。
本発明化合物中、代表的化合物としては、たとえば、表I−1に示す化合物が挙げられる。表中、Bnは、ベンジル基を;−は、結合手を表す。
Figure 2009161553

Figure 2009161553
また、本発明化合物の代表的中間体としては、たとえば、以下の表II−1〜5に記載の化合物が挙げられる。表中、Etは、エチル基を;Acは、アセチル基を;Phは、フェニル基を;Bzは、ベンゾイル基を;tBuは、tert-ブチル基を;OPh(p−OH)は、パラヒドロキシフェニルオキシ基を;COは、2−メチル−3−オキソ−1−シクロペンテン−1−イル基を示す。
Figure 2009161553

Figure 2009161553

Figure 2009161553

Figure 2009161553

Figure 2009161553
つぎに、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、たとえば、つぎに示す製造法I−1〜4のルートにしたがって合成することができる。
[製造法I−1]
Figure 2009161553

「式中、R、R、R、R、R、A、Yおよびnは、前記と同様の意味を;R8は低級アルキル基を;Z1は、水素原子もしくはヒドロキシル基の保護基を;Z、Z、ZおよびZは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、アジド基、保護されているヒドロキシル基もしくはアミノ基またはZおよびZが一緒になって結合手を示す。」
(a)一般式[1a]の化合物またはその塩は、一般式[2a]の化合物またはその塩を脱保護反応に付すことにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる脱保護剤は、ヒドロキシル基、アミノ基およびリン酸基の脱保護に一般的に用いられる試薬を使用すればよいが、好ましくは、ナトリウムメトキシド、水素ガス、アンモニアガス、アンモニア水、ブチルアミンなどの塩基類、ギ酸、酢酸水溶液、トリフルオロ酢酸水溶液および塩酸などの酸類、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)などのパラジウム触媒およびトリフェニルホスフィンなどのホスフィン類が挙げられ、これらは組合せて使用しても、反応系内で製造してもよい。脱保護剤の使用量は、一般式[2a]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01倍モル以上であればよいが、溶媒として使用してもよい。
この脱保護反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、−20〜100℃で、1分〜100時間、好ましくは、5分〜50時間実施すればよい
(b)一般式[1a]においてYが酸素原子である化合物は、化合物またはその塩は、一般式[2b]の化合物またはその塩を触媒の存在下あるいは不存在下、カルボン酸エステルのアンモノリシス反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応は、芳香族カルボン酸エステルのアンモノリシス反応に通常、使用される試薬および条件で実施すればよいが、好ましくは、アンモニアガス、液体アンモニアまたはアンモニア水を使用すればよく、これらの使用量は、一般式[2b]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.5倍モル以上であればよい。また、これらの試薬は、溶媒として使用してもよい。この反応に必要に応じて使用される触媒としては、塩化アンモニウムなどの酸アンモニウム塩;ナトリウムメトキシドおよびブチルリチウムなどの塩基;並びにナトリウムアミドなどのアルカリ金属アミドが挙げられ、触媒の使用量は、一般式[2b]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モル、好ましくは、0.01〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−100〜250℃、好ましくは、−78〜100℃で、1分〜72時間、好ましくは、30分〜50時間実施すればよい。
[製造法I−2]
Figure 2009161553

「式中、R、R、R、R、R、R、Z、Z、Z、Z、A、nおよびYは、前記と同様の意味を;R9は、保護されてもよい一リン酸基および一リン酸塩化物を;R12は、保護されてもよい二リン酸または三リン酸基を示す。」
(a)一般式[2c]の化合物またはその塩は、一般式[2b]の化合物またはその塩を酸触媒または塩基の存在下あるいは不存在下、試薬を用いて保護することにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;アセトンなどのケトン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる試薬は、ヒドロキシル基およびアミノ基の保護に一般的に用いられる試薬を使用すればよいが、好ましくは、2,2−ジメトキシプロパン、塩化アセチルまたは塩化ベンゾイルが挙げられ、これらは反応系内で製造してもよい。その使用量は、一般式[2b]の化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0〜10倍モルであればよい。
この反応で用いられる酸触媒または塩基としては、たとえば、パラトルエンスルホン酸およびトリエチルアミンなどが挙げられ、その使用量は、一般式[2b]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.05〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、0〜150℃で、1分〜24時間、好ましくは、5分〜10時間実施すればよい。
(b)一般式[2d]の化合物またはその塩は、一般式[2c]の化合物またはその塩を、たとえば、第4版実験化学講座、第22巻、第313〜438頁(社団法人 日本化学会編 1992年)に記載の方法に準じて、(1)添加剤の存在下あるいは不存在下、リン酸化剤と反応させることにより、または、(2)添加剤の存在下あるいは不存在下、亜リン酸化剤と反応した後に、酸化剤と反応することにより得ることができる。
(1)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びにピリジンなどが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられるリン酸化剤は、ヒドロキシル基のリン酸化に一般的に用いられる試薬を使用すればよいが、たとえば、リン酸ジベンジルなどのリン酸ジエステル類;S,S'−ジフェニルホスホロジチオエート・モノシクロヘキシルアンモニウムなどのリン酸ジチオエステル類;塩化ホスホリルやクロロホスホン酸ジアリルなどのリン酸塩化物などが挙げられる。リン酸化剤の使用量は、一般式[2c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。添加剤としては、たとえば、アゾジカルボン酸ジエチルまたはアゾジカルボン酸ジイソプロピルなどのアゾ化合物、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸クロリドなどのアレンスルホン酸塩化物およびピリジンやtert−ブチルマグネシウムクロリドなどの塩基類などが挙げられ、これらは組み合せて使用してもよい。添加剤の使用量は、一般式[2c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、0〜100℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
(2)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びにピリジンなどが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる亜リン酸化剤は、ヒドロキシル基の亜リン酸化に一般的に用いられる試薬を使用すればよいが、たとえば、ジアリルジイソプロピルホスホロアミダイトなどのホスホロアミダイト類およびジアリルホスホロクロリダイトなどの亜リン酸塩化物が挙げられる。亜リン酸化剤の使用量は、一般式[2c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0〜3.0倍モルであればよい。添加剤としては、たとえば、1H−テトラゾールなどのテトラゾール系化合物およびピリジンやコリジンなどの塩基類などが挙げられ、これらは組み合せて使用してもよい。添加剤の使用量は、一般式[2c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
この反応で用いられる酸化剤としては、たとえば、メタクロロ過安息香酸、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸化物およびヨウ素などのハロゲン化合物が挙げられる。酸化剤の使用量は、一般式[2c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−78〜100℃、好ましくは、−50〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは、5分〜6時間実施すればよい。
(c)一般式[1b]の化合物またはその塩は、一般式[2d]の化合物またはその塩を用いて、製造法I−1(b)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
(d)一般式[1c]の化合物またはその塩は、一般式[1b]の化合物またはその塩を用いて、製造法I−1(a)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
(e)一般式[1b]の化合物またはその塩は、一般式[1d]の化合物またはその塩を用いて、製造法I−2(b)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
(f)一般式[1e]の化合物またはその塩は、一般式[1c]の化合物またはその塩を、たとえば、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)、第100巻、第2047〜2059頁(2000年)の方法に準じて、縮合剤の存在下あるいは不存在下、リン酸化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びにピリジンなどが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられるリン酸化剤は、一リン酸基のリン酸化に一般的に用いられる試薬を使用すればよいが、たとえば、トリn−ブチルアンモニウムホスフェートやトリn−ブチルアンモニウムピロホスフェートなどのリン酸塩類が挙げられ、これらは系内で合成してもよい。リン酸化剤の使用量は、一般式[1c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0〜10倍モルであればよい。縮合剤としては、たとえば、N,N―カルボニルジイミダゾール、N−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、モルホリン、ジイソプロピルアミンなどのアミン類が挙げられ、これらは組み合せて使用してもよい。縮合剤の使用量は、一般式[1c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜100℃、好ましくは、0〜50℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
[製造法I−3]
Figure 2009161553

「式中、R、R8、A、n、Z1、Z、Z、ZおよびZは、前記と同様の意味を;Yは、酸素原子またはNH基を;R10は、ハロゲン原子、カルボニルオキシ基またはスルホニルオキシ基を示す。」
(a)一般式[2a]の化合物またはその塩は、一般式[3a]の化合物またはその塩を(1)通常、利用されるシリル化法により、添加剤の存在下あるいは非存在下、一般式[3b]の化合物またはその塩に誘導した後、(2)一般式[4a]の化合物またはその塩と、ルイス酸の存在下あるいは不存在下、反応を行うことにより得ることができる。
これらの反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
(1)の反応において反応に用いられるシリル化剤は、カルボニル基のシリルエノールエーテル化に一般的に使用されるシリル化剤であればよく、たとえば、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドおよび塩化トリメチルシリルなどが挙げられる。その使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜10.0倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤は、たとえば、硫酸アンモニウムなどが挙げられる。その使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01〜10.0倍モルであればよく、好ましくは、0.05〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜200℃、好ましくは、0〜150℃で、5分〜24時間、好ましくは、5分〜12時間実施すればよい。
(2)の反応において使用される一般式[4a]の化合物またはその塩の使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、0.5〜10倍モルであればよく、好ましくは、0.5〜5倍モルである。
この反応で必要に応じて使用されるルイス酸としては、たとえば、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸、塩化スズ(IV)、塩化チタン(IV)および塩化亜鉛などが挙げられ、その使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.5モル以上であればよく、好ましくは、0.5〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、0〜50℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
(b)一般式[2a]の化合物またはその塩は、一般式[3a]の化合物またはその塩を添加剤の存在下あるいは非存在下、脱酸剤として塩基を用いて、一般式[4b]の化合物またはその塩と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、カリウム-tert-ブトキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムおよび水素化ナトリウムなどの、無機または有機塩基が挙げられる。この反応で使用される一般式[4b]の化合物またはその塩の使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して0.1〜5倍モルであればよく、好ましくは、0.2〜2倍モルであればよい。この反応で使用される塩基の使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、0.1〜10倍モルであればよく、好ましくは、0.2〜10倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤としては、たとえば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウムなどのパラジウム触媒;並びにトリフェニルホスフィンなどのホスフィン類および18−クラウン−6−エーテルなどのポリエーテル類などが挙げられる。添加剤の使用量は、一般式[3a]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.03〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、0〜120℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
[製造法I−4]
Figure 2009161553

「式中、R、A、n、Z1、Z、Z、ZおよびZは、前記と同様の意味を示す。」
一般式[2g]の化合物またはその塩は、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1819〜1831頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、一般式[2f]の化合物またはその塩を塩基の存在下あるいは非存在下、チオン化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるチオン化剤としては、酸アミドのチオン化に一般的に用いられる試薬を用いればよいが、たとえば、硫化水素ガス、五硫化二りん、ローソン試薬などが挙げられる。この反応で使用されるチオン化剤の使用量は、一般式[2f]の化合物またはその塩に対して、0.1〜10倍モルであればよく、好ましくは、0.2〜5.0倍モルであればよい。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどの塩基が挙げられる。この反応で使用される塩基の使用量は、一般式[2f]の化合物またはその塩に対して、0.01倍モル以上であればよいが、溶媒として用いてもよい。
この反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、0〜120℃で、1分〜24時間、好ましくは、5分〜6時間実施すればよい。
つぎに、本発明化合物を製造するための原料の一般式[2a]、[2b]、[3a’]および[3j]の化合物またはその塩の製造法について説明する。
一般式[2a]、[2b]、[3a’]および[3j]の化合物は、自体公知の方法またはそれらを適宜組み合わせることによって、例えば、以下に示す製造法I−Aによって製造できる。
[製造法I−A]
Figure 2009161553

「式中、R、R、R、R、R、R8、A、n、Z1、Z、Z、Z、ZおよびR10は、前記と同様の意味を示す。」
(a)一般式[2e]の化合物またはその塩は、一般式[3c]の化合物またはその塩を製造法I−3(a)の方法に従って、一般式[4a]の化合物またはその塩と反応させることにより得ることができる。
(b)一般式[2e]の化合物またはその塩は、一般式[3c]の化合物またはその塩を製造法I−3(b)の方法に従って一般式[4b]の化合物またはその塩と反応させることにより得ることができる。
(c)一般式[2b]の化合物またはその塩は、一般式[2e]の化合物またはその塩を製造法I−1(a)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
また、上記の反応の原料である一般式[3c]の化合物またはその塩は、たとえば、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Heterocyclic Chem.)第34巻、第1号、第27〜32頁(1997年)またはジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第12巻、第2号、第285〜287頁(1969年);一般式[4a]の化合物またはその塩は、たとえば、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第28巻、第7号、第904〜910頁(1985年);一般式[4b]の化合物またはその塩は、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ・パーキン・トランジション・1(J.Chem.Soc.PERKIN TRANS.1)第2419〜2425頁(1992年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第36巻、第14号、第2033〜2040頁(1993年)またはバイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bio.Med.Chem.Lett.)第6巻、第13号、第1457〜1460頁(1996年)に記載の方法にしたがって、製造することができる。
[製造法I−B]
Figure 2009161553

「式中、Rは、前記と同様の意味を;R1aは、ハロゲン原子を;R11は、ヒドロキシル基の保護基を;Xは、フッ素原子を除くハロゲン原子を示す。」
(a)一般式[3f]の化合物またはその塩は、一般式[3e]の化合物またはその塩をジアゾ化剤およびアルコールを用いて反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、硫酸、塩酸および硝酸などの無機酸;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類;メタノールおよびエタノールなどのアルコール類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。この反応で使用されるジアゾ化剤は、通常、芳香族アミノ化合物のジアゾ化反応に使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類などが挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[3e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル使用すればよい。
この反応で使用されるアルコールとしては、たとえば、メタノールなどが挙げられる。アルコールの使用量は、一般式[3e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよいが、溶媒として使用することもできる。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜100℃で1分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間実施すればよい。
(b)一般式[3g]の化合物またはその塩は、一般式[3f]の化合物またはその塩を、たとえば、文献記載の方法[テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)第38巻、第36号、第6367〜6370項(1997年)]に準じて、(1)触媒の存在下、塩基を脱酸剤として用いて、イミン類と反応させた後、(2)添加剤の存在下、加水分解することにより、得ることができる。
(1)の反応において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる触媒は、たとえば、酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムなどのパラジウム触媒およびビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)などのニッケル触媒並びに1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンおよび(s)−(−)−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルなどのホスフィン配位子を組み合せて用いればよく、その使用量は、一般式[3f]の化合物またはその塩に対して、0.001〜1.0倍モル、好ましくは、0.002〜0.5倍モルであればよい。
この反応で用いられる塩基としては、たとえば、ナトリウムtert−ブトキシドおよび炭酸セシウムなどのアルカリ金属塩が挙げられ、その使用量は、一般式[3f]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜3.0倍モルであればよい。
この反応で用いられるイミン類としては、たとえば、ベンゾフェノンイミンなどが挙げられ、その使用量は、一般式[3f]の化合物またはその塩に対して、等モル以上、好ましくは、1.0〜3.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜120℃、好ましくは、5〜100℃で、1分〜48時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
(2)の反応において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノールおよびエタノールなどのアルコール類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる添加剤としては、たとえば、酢酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン塩酸塩およびギ酸アンモニウムなどの有機および無機酸塩;塩酸などの無機酸;並びにパラジウム−炭素などのパラジウム触媒などが挙げられ、これらは組み合せて用いてもよい。添加剤の使用量は、一般式[3f]の化合物またはその塩に対して、0.01〜50倍モル、好ましくは、0.1〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜120℃、好ましくは、5〜100℃で、1分〜48時間、好ましくは、3分〜24時間実施すればよい。
(c)一般式[3h]の化合物またはその塩は、一般式[3g]の化合物またはその塩を製造法I−1(b)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
(d)一般式[3i]の化合物またはその塩は、一般式[3h]の化合物またはその塩を、たとえば、フッ素化学入門、第219〜230頁(日本学術振興会・フッ素化学第155委員会編 1997年)に記載の方法に準じて、酸の存在下、添加剤の存在下あるいは不存在下、アミノ基をジアゾ化剤を用いて脱アミノ化し、その後、フッ素化反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類、並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、芳香族アミノ化合物のジアゾ化反応に通常使用される試薬であればよく、好ましくは、たとえば、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類が挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[3h]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜1.5倍モルであればよい。
また、この反応で使用される酸としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、塩酸、ホウフッ化水素酸およびフッ化水素などの酸類;並びにフッ化水素のピリジン溶液などのフッ化水素の塩基溶液類などが挙げられ、これらの酸は、混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸の使用量は、一般式[3h]の化合物またはその塩に対し、対重量容量比(mL/g)で1倍以上、好ましくは、1〜50倍であればよい。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、ホウフッ化水素酸、四フッ化ナトリウムおよびホウフッ化水素酸アンモニウムなどが挙げられ、その使用量は、一般式[3h]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜20.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜100℃、好ましくは、−60〜30℃で50分〜24時間、さらに、好ましくは、1時間〜10時間実施すればよい。
(e)一般式[3i]の化合物またはその塩は、一般式[3f]の化合物またはその塩を製造法I−1(b)の方法に従って反応させることにより得ることができる。
(f)一般式[3a’]の化合物またはその塩は、一般式[3i]の化合物またはその塩を脱保護剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、水;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;エタンチオールおよびチオフェノールなどのチオアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジメチルスルフィドなどのチオエーテル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;硫酸および塩酸などの無機酸;酢酸およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸類;ピリジンおよびトリエチルアミンなどの有機塩基および水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で用いられる脱保護剤は、保護された芳香族アルコールの脱保護に一般的に用いられる試薬を使用すればよく、好ましくは、ヨウ化トリメチルシリルなどが挙げられ、それらは、反応系内で発生させてもよい。脱保護剤の使用量は、一般式[3i]の化合物またはその塩に対して0.01〜50倍モル、好ましくは、0.1〜30倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜200℃、好ましくは、0〜160℃で、1分〜48時間、好ましくは、5分〜20時間実施すればよい。
また、上記の反応の原料である一般式[3e]の化合物またはその塩は、たとえば、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)第71巻、第2798〜2800頁(1949年)に記載の方法に準じて、製造することができる。
[製造法I−C]
Figure 2009161553

「式中、Rは、前記と同様の意味を;R13は、低級アルコキシ基もしくはアリールオキシ基をそれぞれ示す。」
(a)一般式[3k]の化合物またはその塩は、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1599〜1602頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、一般式[3l]の化合物またはその塩を酸触媒もしくは塩基の存在下あるいは非存在下、アルコール類と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアルコール類としては、たとえば、メタノール、エタノール、フェノールなどが挙げられる。この反応で使用されるアルコール類の使用量は、一般式[3l]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、また、溶媒として用いてもよい。
この反応で使用される酸触媒としては、ニトリルのイミダート化に一般的に用いられる試薬を用いればよいが、たとえば、塩化水素などが挙げられる。この反応で使用される酸触媒の使用量は、一般式[3l]の化合物またはその塩に対して、0.1倍モル以上であればよい。
この反応で使用される塩基としては、たとえば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシドなどの金属アルコキシド類が挙げられ、これらは系内で製造してもよい。この反応で使用される塩基の使用量は、一般式[3l]の化合物またはその塩に対して、0.01倍モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−78〜170℃、好ましくは、−40〜120℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
(b)一般式[3j]の化合物またはその塩は、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1614〜1617頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、一般式[3k]の化合物またはその塩を試薬と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される試薬としては、イミダートのアミジン化に一般的に用いられる試薬を用いればよいが、たとえば、アンモニアガス、アンモニア性アルコール溶液、アンモニア水、塩化アンモニウムなどの酸アンモニウム塩が挙げられる。この反応で使用される試薬の使用量は、一般式[3k]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、また、溶媒として用いてもよい。
この反応は、通常、−78〜170℃、好ましくは、0〜120℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜24時間実施すればよい。
[製造法I−D]
Figure 2009161553

「式中、R1aは、上記と同じ意味を示す。」
(a)一般式[3m]の化合物またはその塩は、一般式[3n]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第537〜538頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、ジアゾ化剤およびヒドロキシル化剤を用いて反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、硫酸、塩酸および硝酸などの無機酸;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、通常、芳香族アミノ化合物の脱アミノヒドロキシル化反応に使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類などが挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[3n]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜2.0倍モル使用すればよい。
この反応で使用されるヒドロキシル化剤としては、たとえば、水などが挙げられる。ヒドロキシル剤の使用量は、一般式[3n]の化合物に対して、等モル以上であればよいが、溶媒として使用することもできる。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、硫酸銅などの銅塩類;並びに水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどの無機塩基類などが挙げられ、その使用量は、一般式[3n]の化合物に対して、0.01〜100倍モルであればよく、好ましくは、0.1〜50倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜100℃で1分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間実施すればよい。
(b)一般式[3n]の化合物またはその塩は、一般式[3o]の化合物またはその塩を、具体的には、たとえば、(1)フッ素の化学、第28〜37頁(講談社サエンティフィック編 1993年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、求電子的フッ素化剤と反応させる方法、または、(2)たとえば、新実験化学講座、第14巻、第354〜360頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下ハロゲン化剤と反応させることにより得ることができる。
(1)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、フルオロトリクロロメタンおよび1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;酢酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸;フッ化水素酸および硫酸などの無機酸並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される求電子的フッ素化剤は、炭素−炭素多重結合へのフッ素原子の付加反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、フッ素ガス、トリフルオロメチルハイポフルオライト、アセチルハイポフルオライト、二フッ化キセノン、フッ化過クロリル、硫酸セシウムフルオライト、N−フルオロピリジニウムトリフラート、N−フルオロ−N−アルキルアレーンスルホンアミド、N−フルオロサッカリンスルタム、N−フルオロビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、N−フルオロビス(ベンゼンスルホン)イミドおよびN−フルオロ−O−ベンゼンジスルホンイミドが挙げられ、さらに好ましくは、フッ素ガスが挙げられる。求電子的フッ素化剤の使用量は、一般式[3o]の化合物またはその塩に対して、0.05〜50倍モル、好ましくは、0.1〜20倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤は、求電子的フッ素化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、三フッ化ホウ素およびフッ化水素酸などの酸触媒;トリエチルアミンおよびフッ化ナトリウムなどの有機および無機塩基;塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲンが挙げられ、これらを一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応で用いられる添加剤の使用量は、一般式[3o]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.1〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜170℃、好ましくは、−80〜100℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜48時間実施すればよい。
(2)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、フルオロトリクロロメタンおよび1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;酢酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸;硫酸などの無機酸並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるハロゲン化化剤は、芳香族化合物のハロゲン化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、臭素、塩素、塩化スルフリル、N−ブロモスクシミド、N−クロルスクシミドなどが挙げられる。ハロゲン化剤の使用量は、一般式[3o]の化合物またはその塩に対して、0.05〜50倍モル、好ましくは、0.1〜20倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤は、芳香族化合物のハロゲン化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、臭化ナトリウム、四酢酸鉛、塩化チタン(IV)、塩化アルミニウム、硫酸銀などが挙げられ、これらを一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応で用いられる添加剤の使用量は、一般式[3o]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.1〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜170℃、好ましくは、−80〜100℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜48時間実施すればよい。
上記に説明した製造法において、各化合物は、それらの塩を使用することができ、それらの塩としては、一般式[1]の化合物の塩として説明したと同様のものが挙げられる。これらの反応は、必要に応じ、たとえば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で実施すればよい。このようにして得られた一般式[1]の化合物はまたはそれらの塩は、たとえば、酸化、還元、転位、置換、ハロゲン化、脱水もしくは加水分解などの自体公知の反応に付すことによって、または、それらの反応を適宜組合わせることによって他の一般式[1]の化合物またはその塩に誘導することができる。
また、上記した製造法における化合物において、たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体などの異性体が存在する場合、これらの異性体も使用することができ、また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶も使用することができる。また、反応終了後、反応目的物は単離せずに、そのまま、つぎの反応に用いてもよい。
また、上記した製造法における化合物において、アミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を有する化合物は、予めこれらの基を通常の保護基で保護しておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することもできる。
一般式[1]の化合物またはその塩は、抽出、晶出および/またはカラムクロマトグラフィーなどの常法に従って単離精製すまたは再結晶することができる。
本発明化合物は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、坐剤、外用剤(軟膏剤、貼付剤など)、エアゾール剤などの医薬組成物とすることができる。
上記各種薬剤は、通常の方法により製剤化される。
錠剤、散剤、顆粒剤などの経口用固形製剤は、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、無水第二リン酸カルシウム、部分アルファ化デンプン、コーンスターチおよびアルギン酸などの賦形剤;単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水およびエタノールなどの結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸、かんてん末、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、カカオバターおよび水素添加油などの崩壊抑制剤;ケイ酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、無水ケイ酸などの固結防止・付着防止剤;カルナバロウ、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、硬化油、硬化植物油誘導体、胡麻油、サラシミツロウ、酸化チタン、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、リン酸水素カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールなどの滑沢剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、尿素および酵素などの吸収促進剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびコロイド状ケイ酸などの吸収・吸着担体などの固形製剤化用医薬用添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、胃溶性被覆錠、腸溶性被覆錠および水溶性フィルムコーティング錠とすることができる。
カプセル剤は、上記で例示した各種の医薬品と混合し、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質カプセルなどに充填して調製される。
また、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤などの上記した各種の液体製剤化用添加物を用い、常法に従い調製して、水性または油性の懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシル剤とすることもできる。
坐剤は、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、ラノリン、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライドおよびウィテップゾールなどに適当な吸収促進剤を添加し調製すればよい。
注射剤は、例えば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸および水酸化ナトリウムなどの希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムなどのpH調整剤および緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸およびチオ乳酸などの安定化剤;食塩、ブドウ糖、マンニトールまたはグリセリンなどの等張化剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、ウレタン、エタノールアミン、グリセリンなどの溶解補助剤;グルコン酸カルシウム、クロロブタノール、ブドウ糖、ベンジルアルコールなどの無痛化剤;および局所麻酔剤などの液体製剤化用の医薬品添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
ペースト、クリームおよびゲル形態の軟膏剤は、例えば、白色ワセリン、ポリエチレン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコンおよびベントナイトなどの基剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどの保存剤;安定剤;湿潤剤などの医薬品添加物を用い、常法により混合、製剤化すればよい。
貼付剤を製造する場合には、通常の支持体に上記軟膏、クリーム、ゲルまたはペーストなどを常法により塗布すればよい。支持体としては、綿、スフおよび化学繊維からなる織布または不織布;軟質塩化ビニル、ポリエチレンおよびポリウレタンなどのフィルムまたは発泡体シートが使用できる。
上記医薬組成物の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。
本発明医薬組成物の有効成分の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して1日0.1〜100mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。
次に、本発明の中間体であるフルオロピラジン誘導体またはその塩の製造方法について説明する。
[製造法II−1]
Figure 2009161553

「式中、R21は、上記と同じ意味を;R22aは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、保護されたアミノ基または保護されたヒドロキシル基または置換されていてもよいフェニルスルファニル、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニル基を;Xは、フッ素原子を除くハロゲン原子をそれぞれ示す。ただし、R21が水素原子であり、かつ、R22aが、水素原子である化合物を除く。」
一般式[24]の化合物またはその塩は、一般式[25]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第321〜322頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、フッ素化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;アセトニトリルおよびベンゾニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類:スルホランおよびジメチルスルホンなどのスルホン類;コリジンなどの含窒素複素環類などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるフッ素化剤としては、たとえば、フッ化セシウム、フッ化ルビジウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムおよびフッ化リチウムなどのフッ化アルカリ金属類;フッ化カルシウムなどのフッ化アルカリ土類金属;フッ化亜鉛およびフッ化銀などのその他のフッ化金属類;フッ化水素;フッ化テトラブチルアンモニウムフロリドなどのアンモニウム塩、ホスホニウム塩およびそれらのフッ化水素錯体類などが挙げられ、これらの試薬は混合して使用してもよい。この反応で使用されるフッ素化剤の使用量は、フッ素化剤の種類により異なるが、一般式[25]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0倍モル〜20倍モルであればよく、さらに好ましくは、1.0〜10倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤としては、たとえば、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムフロリドなどの第四級アンモニウム塩類;テトラフェニルホスホニウムブロミドなどの第四級ホスホニウム塩類;18−クラウン−6−エーテル、ポリエチレングリコールなどのポリエーテル類などが挙げられ、これらの添加剤は混合して使用してもよい。添加剤の使用量は、添加剤の種類により異なるが、一般式[25]の化合物またはその塩に対して0.01〜2.0倍モルであればよく、好ましくは、0.1〜1.0倍モルであればよい。
この反応は、必要に応じ、窒素雰囲気下で実施すればよい。この反応は、通常、0〜300℃、好ましくは、20〜200℃で、10分〜24時間実施すればよい。
また、上記の反応の原料である一般式[25]の化合物またはその塩は、自体公知の方法、たとえば、文献記載の方法[ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第27巻、第1634〜1639頁(1984年)]または[アクタ・ポローニア・ファルマシューティカ(Acta Poloniae Pharmaceutica)、第33巻、第153〜161頁(1976年)]にしたがって、製造することができる。
[製造法II−2]
Figure 2009161553

「式中、R21aは、水素原子、メチル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基またはニトリル基を;R22bは、保護されているヒドロキシルもしくはアミノ基またはハロゲン原子をそれぞれ示す。」
一般式[26]の化合物またはその塩は、一般式[27]の化合物またはその塩を、たとえば、フッ素化学入門、第219〜230頁(日本学術振興会・フッ素化学第155委員会編 1997年)に記載の方法に準じて、酸の存在下、添加剤の存在下あるいは不存在下、アミノ基をジアゾ化剤を用いて脱アミノ化し、その後、フッ素化反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類、並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、芳香族アミノ化合物のジアゾ化反応に通常使用される試薬であればよく、好ましくは、たとえば、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類が挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[27]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜1.5倍モルであればよい。
また、この反応で使用される酸としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、塩酸、ホウフッ化水素酸およびフッ化水素などの酸類;並びにフッ化水素のピリジン溶液などのフッ化水素の塩基性物質との混合溶液などが挙げられ、これらの酸および溶液は、混合して使用してもよい。また、これらの酸は、そのまま溶媒として使用してもよい。
この反応で使用される酸の使用量は、一般式[27]の化合物またはその塩に対し、対重量容量比(mL/g)で1倍以上、好ましくは、1〜50倍であればよい。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、ホウフッ化水素酸、四フッ化ナトリウムおよびホウフッ化水素酸アンモニウムなどが挙げられ、その使用量は、一般式[27]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜20.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜100℃、好ましくは、−60〜30℃で30分〜24時間、さらに、好ましくは、1時間〜10時間実施すればよい。
[製造法II−3]
Figure 2009161553

「式中、R21eは、水素原子、メチル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、ニトリル基またはハロゲン化カルボニル基を;R22eは、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはアジド基をそれぞれ示す。」
一般式[21]の化合物またはその塩は、一般式[28]の化合物またはその塩を、具体的には、たとえば、フッ素の化学、第28〜37頁(講談社サエンティフィック編1993年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、求電子的フッ素化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、塩化メチレン、クロロホルム、フルオロトリクロロメタンおよび1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノールなどのアルコール類;アセトニトリルなどのニトリル類;酢酸、ギ酸およびトリフルオロ酢酸などの有機酸;フッ化水素酸および硫酸などの無機酸並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される求電子的フッ素化剤は、炭素−炭素多重結合へのフッ素原子の付加反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、フッ素ガス、トリフルオロメチルハイポフルオライト、アセチルハイポフルオライト、二フッ化キセノン、フッ化過クロリル、硫酸セシウムフルオライト、N−フルオロピリジニウムトリフラート、N−フルオロ−N−アルキルアレーンスルホンアミド、N−フルオロサッカリンスルタム、N−フルオロビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド、N−フルオロビス(ベンゼンスルホン)イミドおよびN−フルオロ−O−ベンゼンジスルホンイミドが挙げられ、さらに好ましくは、フッ素ガスが挙げられる。求電子的フッ素化剤の使用量は、一般式[28]の化合物またはその塩に対して、0.05〜50倍モル、好ましくは、0.1〜20倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤は、求電子的フッ素化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、三フッ化ホウ素およびフッ化水素酸などの酸触媒;トリエチルアミンおよびフッ化ナトリウムなどの有機および無機塩基;塩素、臭素およびヨウ素などのハロゲンが挙げられ、これらを一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応で用いられる添加剤の使用量は、一般式[28]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.1〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜170℃、好ましくは、−80〜100℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜48時間実施すればよい。
また、上記の反応の原料である一般式[28]の化合物またはその塩は、自体公知の方法、たとえば、特開昭53−119882号記載の方法にしたがって、製造することができる。
[製造法II−4]
Figure 2009161553

「式中、R21は、上記と同じ意味を;R22cは、ハロゲン原子を;R22fは保護されたアミノ基をそれぞれ示す。」
(4−1)
一般式[21d]の化合物またはその塩は、一般式[21a]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1333〜1335頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、還元剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;酢酸などの有機酸;ヒドラジンなどのアミン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される還元剤は、芳香族ニトロ化合物のニトロ基の還元に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、ナトリウムアミド、リチウムアミド、亜鉛、アルミニウム−ニッケル、スズ、塩化スズ(II)、鉄、水素化ホウ素ナトリウム、シクロヘキセン、水素ガスなどが挙げられる。還元剤の使用量は、一般式[21a]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍、好ましくは、0.01〜30倍モルであればよい。
また、この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、塩酸および硫酸などの無機酸;塩化ニッケル(II)および塩化スズ(II)などのルイス酸並びにビス(アセチルアセトナト)銅(II)などの金属塩;パラジウム−炭素および鉛被毒化パラジウム−炭酸カルシウムなどのパラジウム触媒;ロジウム;ラネーニッケル並びに酸化白金(IV)などが挙げられる。パラジウム触媒およびラネーニッケルの使用量は、重量比で、一般式[21a]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍、好ましくは、0.1〜10倍であればよい。パラジウム触媒およびラネーニッケルを除く触媒の使用量は、一般式[21a]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.01〜5.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−78〜250℃、好ましくは、−50〜150℃で、1分〜72時間、好ましくは、30分〜24時間実施すればよい。
(4−2)
一般式[21d]の化合物またはその塩は、一般式[21b]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1336頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、還元剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;酢酸などの有機酸;ヒドラジンなどのアミン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される還元剤は、芳香族アジド化合物のアジド基の還元に通常使用される試薬でれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、亜鉛、塩化クロム(II)、トリブチルチンヒドリド、リチウムアルミニウムヒドリドおよび水素ガスなどが挙げられる。還元剤の使用量は、一般式[21b]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モル、好ましくは、0.01〜30倍モル使用すればよい。
また、この反応で使用される触媒としては、たとえば、塩酸および硫酸などの無機酸;パラジウム−炭素、鉛被毒化パラジウム−炭酸カルシウムおよび酸化白金(IV)などが挙げられ、その使用量は、一般式[21b]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.01〜5.0倍モルであればよい。たとえば、パラジウム触媒およびラネーニッケルを利用する場合、重量比で、一般式[21a]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍、好ましくは、0.1〜5.0倍であればよい。
この反応は、通常、−78〜250℃、好ましくは、−50〜150℃で、1分〜72時間、好ましくは、30分〜24時間実施すればよい。
(4−3)
一般式[21d]の化合物またはその塩は、一般式[21c]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1342〜1351頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、銅触媒の存在下あるいは不存在下、アミノ化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアミノ化剤は、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応によるアミノ化で通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、アンモニアガス;アンモニア水;ナトリウムアミドなどのアルカリ金属アミド;並びに炭酸アンモニウムなどの酸アンモニウム塩が挙げられる。アミノ化剤の使用量は、一般式[21c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、2.0〜30倍モルであればよい。
この反応で使用される銅触媒としては、たとえば、銅粉および塩化第一銅などが挙げられる。銅触媒の使用量は、一般式[21c]の化合物またはその塩に対して、0.01〜30倍モル、好ましくは、0.05〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜250℃、好ましくは、0〜40℃で、1分〜96時間、好ましくは、30分〜7時間実施すればよい。
(4−4)
一般式[21b]の化合物またはその塩は、一般式[21c]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1659〜1666頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、アジド化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアジド化剤は、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応によるアジド化で通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。アジド化剤の使用量は、一般式[21c]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜30倍モルであればよい。さらに好ましくは、1.0〜1.5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜250℃、好ましくは、0〜40℃で、1分〜96時間、好ましくは5分〜6時間実施すればよい。
(4−5)
一般式[21d]の化合物またはその塩は、一般式[21t]の化合物またはその塩を、常法、たとえば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Third Edition)、セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodora W. Greene)著、第494〜653頁(ジョン・ウィーレイ・アンド・サンズ,インク.(John Wiley & Sons, Inc)編 1999年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、脱保護剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、水;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;エタンチオールおよびチオフェノールなどのチオアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジメチルスルフィドなどのチオエーテル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;硫酸および塩酸などの無機酸;酢酸およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸類;ニトロメタンなどのニトロアルカン類;ピリジンおよびトリエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される脱保護剤は、保護されたアミノ基の脱保護に通常使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、水素ガス;ギ酸アンモニウム;亜鉛;ナトリウム;ビニルクロロホルメートおよび塩化アセチルなどの酸クロリド類;トリエチルシランおよびトリメチルシリルヨージドなどの有機シラン類;トリブチルチンヒドリド;カリウムtert-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド;ナトリウムチオメトキシドなどのアルカリ金属チオアルコキシド;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン;水素化ホウ素ナトリウム;フッ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムなどのアルカリ金属塩;三臭化ホウ素、塩化アルミニウム、塩化ルテニウムおよび塩化亜鉛などのルイス酸;塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸;トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸などの有機酸;炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水酸化ナトリウムなどの無機塩基;ピペリジンなどの有機塩基;アンモニアおよびヒドラジンなどのアミン類;メチルリチウムなどの有機リチウム;硝酸二アンモニウムセリウム;過酸化水素、オゾンおよび過マンガン酸などの過酸化物などが挙げられる。脱保護剤の使用量は、一般式[21t]の化合物またはその塩に対して0.01〜1000倍モル、好ましくは、0.1〜100倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒は、保護されたアミノ基の脱保護に通常使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、パラジウム−炭素などのパラジウム触媒;ロジウム;ラネーニッケル並びに酸化白金(IV)などが挙げられる。たとえば、パラジウム−炭素およびラネーニッケルの使用量は、重量比で一般式[21t]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍、好ましくは、0.01〜5倍であればよい。パラジウム−炭素およびラネーニッケルを除く触媒の使用量は、一般式[21t]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.01〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜200℃、好ましくは、0〜160℃で、1分〜48時間、好ましくは、5分〜12時間実施すればよい。
[製造法II−5]
Figure 2009161553

「式中、R22cは、上記と同じ意味を;R21bは、水素原子、メチル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチルもしくはカルボキシル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、保護されているカルバモイル基、ニトリル基またはハロゲン化カルボニル基を;R25は、ヒドロキシル基の保護基をそれぞれ示す。ただし、R21bが、アシル基で保護されているカルバモイル基を除く。」
(5−1)
一般式[21h]の化合物またはその塩は、一般式[21e]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第537〜538頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、ジアゾ化剤およびヒドロキシル化剤を用いて反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、硫酸、塩酸および硝酸などの無機酸;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、通常、芳香族アミノ化合物の脱アミノヒドロキシル化反応に使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類などが挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜2.0倍モル使用すればよい。
この反応で使用されるヒドロキシル化剤としては、たとえば、水などが挙げられる。ヒドロキシル剤の使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよいが、溶媒として使用することもできる。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、硫酸銅などの銅塩類;並びに水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウムなどの無機塩基類などが挙げられ、その使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モルであればよく、好ましくは、0.1〜50倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜100℃で1分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間実施すればよい。
(5−2)
一般式[21h]の化合物またはその塩は、一般式[21f]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第535〜536頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、ヒドロキシル化することにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるヒドロキシル化剤は、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応によるヒドロキシル化で通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび酢酸ナトリウムなどの無機または有機塩基;並びに塩酸、リン酸およびギ酸水溶液などの無機または有機酸が挙げられる。ヒドロキシル化剤の使用量は、一般式[21f]の化合物またはその塩に対して、0.01モル以上であればよく、好ましくは、0.05〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−78〜180℃、好ましくは、−20〜100℃で、1分〜96時間、好ましくは10分〜72時間実施すればよい。
(5−3)
一般式[21g]の化合物またはその塩は、(1)一般式[21f]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第570〜571頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、銅触媒の存在下あるいは不存在下、求核置換剤との反応に付す方法(2)一般式[21f]の化合物またはその塩を塩基の存在下、求核置換剤との反応に付す方法により得ることができる。
(1)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される求核置換剤は、芳香族ハロゲン化合物との求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属−C1-6低級アルコキシド;カリウムベンジルオキシドなどのアルカリ金属−アル−C1-6低級アルコキシド;および酢酸ナトリウムなどの有機カルボン酸アルカリ金属塩が挙げれられる。またこれらは、反応系内で合成することもできる。求核置換剤の使用量は、一般式[21f]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。必要に応じて使用される銅触媒は、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、銅粉およびヨウ化第一銅などの銅触媒であればよい。銅触媒の使用量は、一般式[21f]の化合物またはその塩に対して、0.01〜30倍モル、好ましくは、0.05〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−20〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜6時間実施すればよい。
(2)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される求核置換剤は、芳香族ハロゲン化合物との求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコールなどのC1-6低級アルコール類;ベンジルアルコールなどのアル−C1-6低級アルコール類;ヒドロキノン、パラメトキシフェノールなどの置換フェノール類;3−メチル−1,2−シクロペンタンジオンなどのαジケトン類;2−メチル−1,3−シクロペンタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げれられる。求核置換剤の使用量は、一般式[21f]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。本反応で用いられる塩基としては、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基であればよい。塩基の使用量は、一般式[21f]の化合物またはその塩に対して、0.01〜30倍モル、好ましくは、0.5〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−20〜100℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜6時間実施すればよい。
(5−4)
一般式[21h]の化合物またはその塩は、一般式[21g]の化合物またはその塩を、たとえば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Third Edition)、セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodora W. Greene)著、第75頁および第249〜287頁(John Wiley & Sons, Inc.編 1999年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、脱保護剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、水;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;エタンチオールおよびチオフェノールなどのチオアルコール類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジメチルスルフィドなどのチオエーテル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;硫酸および塩酸などの無機酸;酢酸およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸類;トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸類;ピリジンおよびトリエチルアミンなどの有機塩基および水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される脱保護剤は、保護された芳香族アルコールの脱保護に通常使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、水素ガス;塩化アルミニウム、三臭化ホウ素およびヨウ素−マグネシウム錯体などのルイス酸;臭化水素酸などの無機酸;ピリジン塩酸塩などの酸性塩;炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび水酸化ナトリウムなどの無機塩基;硝酸二アンモニウムセリウム、塩化鉄(III)および2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンなどの酸化剤などが挙げられる。脱保護剤の使用量は、一般式[21g]の化合物またはその塩に対して0.01〜50倍モル、好ましくは、0.1〜30倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒は、保護された芳香族アルコールの脱保護に通常使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、パラジウム−炭素などのパラジウム触媒;ロジウム;ラネーニッケル並びに酸化白金(IV)などが挙げられる。パラジウム−炭素およびラネーニッケルの使用量は、重量比で、一般式[21g]の化合物またはその塩に対して、0.001〜10倍、好ましくは、0.01〜5倍であればよい。パラジウム−炭素およびラネーニッケルを除く触媒の使用量は、一般式[21g]の化合物またはその塩に対して、0.001〜10倍モル、好ましくは、0.01〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、−80〜200℃、好ましくは、0〜160℃で、1分〜48時間、好ましくは、5分〜12時間実施すればよい。
(5−5)
一般式[21g]の化合物またはその塩は、一般式[21e]の化合物またはその塩をジアゾ化剤およびアルコールもしくはスルホン酸類を用いて反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、硫酸、塩酸および硝酸などの無機酸;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類;メタノールおよびエタノールなどのアルコール類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、通常、芳香族アミノ化合物のジアゾ化反応に使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類などが挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル使用すればよい。
この反応で使用されるアルコールとしては、たとえば、メタノールなどが挙げられる。アルコールの使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよいが、溶媒として使用することもできる。
この反応で使用されるスルホン酸類としては、たとえば、メタンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸などが挙げられる。スルホン酸類の使用量は、一般式[21e]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル使用すればよいが、溶媒として使用することもできる。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜100℃で1分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間実施すればよい。
[製造法II−6]
Figure 2009161553

「式中、R22は、上記と同じ意味を;R21cは、メチル基、保護されていてもよいヒドロキシメチルもしくはアミノメチル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ハロゲン化メチル基またはホルミル基を;R26は、カルボキシル保護基を;R27は、ハロゲン原子をそれぞれ示す。」
(6−1)
一般式[21j]の化合物またはその塩は、一般式[21i]の化合物またはその塩を、新実験化学講座、第15巻、第922〜926頁(社団法人 日本化学会編 1977年)または第14巻、第1051〜1053頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、酸化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;アセトンなどのケトン類;ピリジンなどの有機塩基類;酢酸などの有機酸類;硝酸および硫酸などの無機酸類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸化剤は、芳香族カルボン酸への酸化剤として通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、過マンガン酸カリウム、酸化クロム(VI)、重クロム酸ナトリウム、二酸化セレン、酸化銀および酸化モリブデン(VI)などが挙げられる。酸化剤の使用量は、一般式[21i]の化合物またはその塩に対して、0.1〜20倍モル、好ましくは、0.5〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜170℃、好ましくは、0〜150℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜24時間実施すればよい。
(6−2)
一般式[21m]の化合物またはその塩は、一般式[21j]の化合物またはその塩を、新実験化学講座、第14巻、第1002〜1016、1106〜1119頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、エステル化させることにより得ることができる。
具体的には、(1)触媒または脱水剤の存在下あるいは不存在下、アルコールと脱水縮合反応させる方法(2)アルキル化剤を反応させる方法(3)一般式[21j]のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を硫酸ジアルキルまたはハロゲン化アルキルと反応させる方法(4)触媒の存在下あるいは不存在下、ハロゲン化剤などを反応させ、酸ハロゲン化合物[21l]などの活性中間体に導いた後、塩基の存在下あるいは不存在下、アルコールと反応させる方法などが挙げられる。
(1)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、塩酸および硫酸などの無機酸;芳香族スルホン酸などの有機酸;並びに三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸などが挙げられる。触媒の使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、0.01〜20倍モル、好ましくは、0.01〜10倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される脱水剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類が挙げられる。脱水剤の使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、0〜180℃で、5分〜10日間、好ましくは、30分〜6日間実施すればよい。
(2)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ジエチルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフランなどのエーテル類;ベンゼンおよびトルエンなどの芳香族炭化水素類;オルトぎ酸トリエチルなどのオルトエステル類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアルキル化剤としては、たとえば、ジアゾメタンなどのジアゾ化合物またはオルトぎ酸トリエチルなどのオルトエステル類などが挙げられる。アルキル化剤の使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、0〜180℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜48時間実施すればよい。
(3)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアルカリ金属塩としては、たとえば、ナトリウム塩およびカリウム塩などが挙げられ、アンモニウム塩としては、たとえば、テトラメチルアンモニウム塩などの有機塩基塩が挙げられる。また、これらの塩は、反応系内で発生させてもよい。
この反応で使用される硫酸ジアルキルとしては、たとえば、硫酸ジメチルおよび硫酸ジエチルなどの硫酸ジアルキルが挙げられる。この反応で使用されるハロゲン化アルキルとしては、たとえば、ヨウ化メチルおよびヨウ化エチルなどのハロゲン化アルキルが挙げられる。硫酸ジアルキルおよびハロゲン化アルキルの使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜250℃、好ましくは、0〜180℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜48時間実施すればよい。
(4)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応で使用されるハロゲン化剤としては、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リンおよび塩化ホスホリルなどの無機ハロゲン化物;塩化オキサリルおよび臭化オキサリルなどのシュウ酸ハロゲン化物などが挙げられ、その使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1倍〜10倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基;塩化亜鉛などのルイス酸;ヨウ素;並びにN,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。触媒の使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、0.001〜10倍モル、好ましくは、0.001〜0.5倍モルであればよい。
また、この反応で使用される塩基としては、ピリジン、ジメチルアニリン、並びに金属マグネシウムなどの有機および無機塩基が挙げられ、その使用量は、一般式[21j]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1倍〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、−10〜120℃で、1分〜72時間、好ましくは、10分〜24時間実施すればよい。
(6−3)
一般式[21m]の化合物またはその塩は、一般式[21k]の化合物またはその塩を、たとえば、コレクション・オブ・チェコスロバク・ケミカル・コミュニケーションズ(Collect.Czech.Chem.Commun.)、第54巻、第5号、第1306〜1310頁(1989年)の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、エステル類と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、硫酸および水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるエステル類としては、たとえば、ピルビン酸メチルおよびピルビン酸エチルなどのエステル類が挙げられる。エステル類の使用量は、一般式[21k]の化合物またはその塩に対して、0.1〜10モル、好ましくは、0.2〜5倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、硫酸銅および過酸化水素水などが挙げられ、その使用量は、一般式[21k]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜150℃、好ましくは、−20〜100℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜24時間実施すればよい。
[製造法II−7]
Figure 2009161553

「式中、R26およびR27は、上記と同じ意味を;R22dは、保護されていているヒドロキシル基、保護されていてもよいアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはアジド基をそれぞれ示す。」
(7−1)
一般式[21q]の化合物またはその塩は、一般式[21n]の化合物またはその塩を新実験化学講座、第14巻、第1106〜1119頁、第1136〜1147頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、アミド化させることにより得ることができる。
具体的には、(1)触媒または脱水剤の存在下あるいは不存在下、アンモニアと脱水させる反応(2)アミド化剤を反応させる方法(3)ハロゲン化合物を反応させ、酸ハロゲン化合物[21o]などの活性中間体に導いた後、アンモニアと反応させる方法などが挙げられる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。(1)の反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、活性アルミナおよび芳香族スルホン酸などの有機酸などが挙げられ、その使用量は、一般式[21n]の化合物またはその塩に対して、0.01〜20倍モル、好ましくは、0.1〜10倍モルであればよい。(1)の反応で使用される脱水剤としては、たとえば、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびジイソプロピルカルボジイミドなどのカルボジイミド類が挙げられる。(2)の反応で使用されるアミド化剤としては、たとえば、尿素などのアミド化剤が挙げられる。(3)の反応で使用されるハロゲン化合物としては、たとえば、塩化オキサリルおよび塩化チオニルなどのハロゲン化剤があげられる。これらの反応で使用される脱水剤、アミド化剤およびハロゲン化合物の使用量は、一般式[21n]の化合物またはその塩に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜20倍モルであればよい。
これらの反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、0〜180℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜48時間実施すればよい。
(7−2)
一般式[21q]の化合物またはその塩は、一般式[21p]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1147〜1151頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、カルボン酸エステルのアンモノリシス反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。この反応は、芳香族カルボン酸エステルのアンモノリシスに通常使用される条件を使用すればよいが、好ましくは、アンモニアガス、液体アンモニアおよびアンモニア水を用いる方法が挙げられる。この反応に必要に応じて使用される触媒としては、塩化アンモニウムなどの酸アンモニウム塩;ナトリウムメトキシドおよびブチルリチウムなどの塩基;並びにナトリウムアミドなどのアルカリ金属アミドが挙げられ、触媒の使用量は、一般式[21p]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モル、好ましくは、0.01〜20倍モルであればよい。
この反応は、通常、−100〜250℃、好ましくは、−78〜100℃で、1分〜72時間好ましくは、30分〜50時間実施すればよい。
(7−3)
一般式[21q]の化合物またはその塩は、一般式[21r]の化合物またはその塩を、新実験化学講座、第14巻、第1151〜1154頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、(1)酸性条件下、(2)過酸の存在下あるいは不存在下、塩基性条件または(3)中性条件下、アミド化することにより得ることができる。
(1)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;塩酸、硫酸およびポリリン酸などの無機酸;酢酸およびギ酸などの有機酸並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸としては、たとえば、塩酸、硫酸およびポリリン酸などの無機酸;塩化水素、臭化水素または三フッ化ホウ素などのルイス酸を飽和させた有機酸などの酸が挙げられる。酸の使用量は、一般式[21r]の化合物またはその塩に対し、対重量容量比(mL/g)で0.1〜100倍、好ましくは、0.5〜50倍であればよい。また、これらの酸を溶媒として使用することもできる。
この反応は、通常、0〜200℃、好ましくは、0〜160℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜48時間実施すればよい。
(2)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;酢酸エチルなどのエステル類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される塩基としては芳香族ニトリルのカルバモイル化反応で通常使用される塩基であれば特に限定されないが、好ましくは、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属塩基およびアンモニア水などのアミン水溶液などが挙げられる。塩基の使用量は、一般式[21r]の化合物またはその塩に対して、0.1〜20倍モル、好ましくは、0.5〜10倍モルであればよい。
また、この反応で使用される過酸としては、過酸化水素などが挙げられる。過酸の使用量は、一般式[21r]の化合物またはその塩に対して、0.1〜20倍モル、好ましくは、0.5〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜170℃、好ましくは、0〜160℃で、1分〜72時間、好ましくは、5分〜48時間実施すればよい。
(3)の方法において、この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される試薬としては芳香族ニトリルのカルバモイル化反応で通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、二酸化マンガンなどが挙げられる。その使用量は、一般式[21r]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜100倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜170℃、好ましくは、0〜160℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜48時間実施すればよい。
(7−4)
一般式[21q]の化合物またはその塩は、一般式[21s]の化合物またはその塩を、たとえば、コレクション・オブ・チェコスロバク・ケミカル・コミュニケーションズ(Collect.Czech.Chem.Commun.)、第54巻、第5号、第1306〜1310頁(1989年)の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下にアミド類と反応させることにより、得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、硫酸および水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるアミド類としては、たとえば、ホルムアミドなどが挙げられる。アミド類の使用量は、一般式[21s]の化合物またはその塩に対して、0.1〜100倍モル、好ましくは、0.2〜50倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、硫酸銅および過酸化水素水などが挙げられ、その使用量は、一般式[21s]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、0.1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、−50〜150℃、好ましくは、−20〜100℃で、5分〜72時間、好ましくは、30分〜24時間実施すればよい。
[製造法II−8]
Figure 2009161553

「式中、R22cは、上記と同じ意味を;R21dは、メチル基、保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、ニトリル基またはハロゲン化カルボニル基をそれぞれ示す。」
(8−1)
一般式[21v]の化合物またはその塩は、一般式[21u]の化合物またはその塩を、たとえば、第四版実験化学講座、第23巻(社団法人 日本化学会編 1991年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、酸化剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;アセトニトリルやベンゾニトリルなどのニトリル類;酢酸やトリフルオロ酢酸などの有機酸類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸化剤は、三級アミン類の酸化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、過酸化水素などの無機過酸類;メタクロロ過安息香酸、過酢酸、過トリフルオロ酢酸などの有機過酸類;ジメチルジオキシランなどのジオキシラン類;ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソほう酸ナトリウムなどの過酸化物;オゾン、酸素ガスなどが挙げられ、これらは系内で合成してもよい。これらの酸化剤の使用量は、一般式[21u]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。
また、この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、酸化モリブデンや酸化鉄(III)などが挙げられる。これらの触媒の使用量は、重量比で、一般式[21u]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍、好ましくは、0.1〜10倍であればよい。
この反応は、通常、−78〜200℃、好ましくは、0〜150℃で、1分〜24時間、好ましくは、30分〜8時間実施すればよい。
(8−2)
一般式[21w]の化合物またはその塩は、一般式の化合物またはその塩をヘテロ環化合物の化学、第177〜201頁(講談社サイエンティフィク編 1988年)に記載の方法に準じて、ハロゲン化剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される試薬は、ハロゲン化剤であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、オキシ塩化リンや塩化チオニルなどが挙げられる。これらのハロゲン化剤の使用量は、一般式[21v]の化合物またはその塩に対して、0.3〜100倍、好ましくは、1〜30倍モルであればよい。また、これらのハロゲン化剤を溶媒として使用することもできる。
この反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、0〜120℃で、1分〜24時間、好ましくは、30分〜6時間実施すればよい。
[製造法II−9]
Figure 2009161553

「式中、R21cは、上記と同じ意味を;R26は、置換されていてもよいフェニル基を;nは、1または2をそれぞれ示す。」
一般式[21y]の化合物またはその塩は、一般式[21x]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1749〜1756頁、第1759〜1763頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、酸化剤を用いて反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;アセトンなどのケトン類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;アセトニトリルやベンゾニトリルなどのニトリル類;酢酸やトリフルオロ酢酸などの有機酸類;ピリジンやキノリンなどの有機塩基類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される酸化剤は、スルフィド類の酸化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸などの過酸類、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、ヒドロぺルオキシド、オゾン、二酸化セレン、クロム酸、四酸化二窒素、硝酸アシル、ヨウ素、臭素、N−ブロモスクシンイミド、ヨードシルベンゼン、塩化スルフリルと含水シリカゲル、次亜塩素酸ターシャルブチル、酸化ルテニウム、酸化オスミウム(VIII)などが挙げられ、これらは系内で合成してもよい。これらの酸化剤の使用量は、一般式[21x]の化合物またはその塩に対して、0.01〜10倍モル、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。この反応は、通常、−78〜200℃、好ましくは、0〜150℃で、1分〜24時間、好ましくは、30分〜8時間実施すればよい。
次に、製造法II−1および2で使用される、一般式[25]および[27]の化合物またはその塩の合成法について説明する。
[製造法II−A]
Figure 2009161553

「式中、R21、R22a、R22cおよびXは、上記と同じ意味を有する。」
(A−1)
一般式[25]の化合物またはその塩は、(1)一般式[29]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第383〜387頁(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下、アミノ基にジアゾ化剤を用いて脱アミノ化し、その後、ハロゲン化反応に付す方法(2)一般式[29]の化合物またはその塩を、たとえば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS Third Edition)、セオドラ・ダブリュー・グリーン(Theodora W. Greene)著、第503〜615頁(1999年)に記載の方法に準じて、添加剤の存在下あるいは不存在下、保護剤を用いて反応させる方法によって得ることができる。
(1)の方法においてこの反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、硫酸、塩酸、臭化水素酸および硝酸などの無機酸;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン−N−オキシドなどのアミン類およびそのオキシド類;アセトンなどのケトン類並びに水などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるジアゾ化剤は、芳香族アミノ化合物のジアゾ化反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、亜硝酸ナトリウムなどの亜硝酸アルカリ金属塩類などが挙げられる。ジアゾ化剤の使用量は、一般式[29]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜2.0倍モルであればよい。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、塩化第一銅および臭化第一銅などの銅塩類;並びに塩化鉄および臭化鉄などの鉄塩類などが挙げられ、その使用量は、一般式[29]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モル、好ましくは、1〜50倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜100℃で1分〜24時間、好ましくは、30分〜10時間実施すればよい。
(2)の方法においてこの反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、たとえば、水;メタノール、エタノールおよびプロパノールなどのアルコール類;n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルムおよびジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;ジメチルスルフィドなどのチオエーテル類;アセトンおよびメチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールなどのアセタール類;硫酸および塩酸などの無機酸;酢酸およびトリフルオロ酢酸などのカルボン酸類;ピリジンおよびトリエチルアミンなどの有機塩基および水などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される保護剤は、芳香族アミノ化合物の保護反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、塩化ベンゾイル、ベンジルクロロホルメートおよび塩化トリチルなどの有機ハロゲン化物、無水酢酸および二炭酸ジ−tert-ブチルなどの有機酸無水物、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールなどのアセタール類などが挙げられる。保護剤の使用量は、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールなどのように溶媒として用いる場合を除き、一般式[29]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モル、さらに好ましくは、1.0〜3.0倍モルであればよい。
この反応で使用される添加剤としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、水素化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムなどの無機塩基類;酢酸ナトリウムなどのカルボン酸塩類;ピリジンおよびトリエチルアミンなどの有機塩基類;n−ブチルリチウムなどの有機リチウム類;塩化トリメチルシランなどの有機ケイ素類;硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属塩類;オルトギ酸エチルなどのオルト酸類;酢酸、パラトルエンスルホン酸およびN−ヒドロキシコハク酸イミドなどの有機酸類;塩酸およびテトラフルオロホウ酸などの無機酸類;ナトリウムなどのアルカリ金属類;N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミド類;N,N'−カルボニルジイミダゾール;18−クラウン−6などのクラウンエーテル類;テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージドなどのアンモニウム塩類;塩化銅などの銅塩類;塩化パラジウムなどのパラジウム塩類などが挙げられ、その使用量は、一般式[29]の化合物またはその塩に対して、0.01〜100倍モル、好ましくは、1〜50倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−50〜160℃で1分〜24時間、好ましくは、10分〜10時間実施すればよい。
また、上記の反応の原料である一般式[29]の化合物またはその塩は、たとえば、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第8巻、第638〜642(1965年)に記載の方法にしたがって、製造することができる。
(A−2)
一般式[25]の化合物またはその塩は、一般式[30]の化合物を添加剤の存在下あるいは不存在下、ハロゲン化反応に付すことによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、トルエンなどの芳香族炭化水素類;テトラヒドロフランなどのエーテル類などが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるハロゲン化剤としては、通常利用されるハロゲン化剤であれば特に限定されないが、たとえば、オキシ塩化リン、オキシ臭化リン、五塩化リンおよびジクロロトリフェニルホスホランなどのハロゲン化リン類;並びにホスゲン、チオニルクロライドおよびベンゼンスルホニルクロライドなどのハロゲン化物イオンを有する化合物などが挙げられ、これらの試薬は、混合して使用してもよい。ハロゲン化剤の使用量は、ハロゲン化剤の種類により異なるが、一般式[30]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、溶媒として使用してもよい。たとえば、オキシ塩化リンを使用する場合は、溶媒として使用すればよく、一般式[30]の化合物またはその塩に対して、2.0倍〜100倍モル、好ましくは、2.0〜30倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される添加剤としては、たとえば、ピリジン、N,N−ジエチルアニリンなどの塩基などが挙げられる。添加剤の使用量は、添加剤の種類により異なるが、一般式[30]の化合物またはその塩に対して、0.1〜30倍モル、好ましくは、1.0〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜300℃、好ましくは、20〜120℃で30分〜48時間、好ましくは、1時間〜24時間実施すればよい。
一般式[30]の化合物またはその塩は、一般式[31]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14(III)巻、第1266〜1277頁(社団法人 日本化学会編 1978年)に記載の方法に準じて、ニトロ化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであればよく、特に限定されないが、たとえば、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸類;酢酸などの脂肪族カルボン酸類および酸無水物類;ジエチルエーテルなどのエーテル類;塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素類並びに水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。この反応で使用されるニトロ化剤としては、たとえば、硝酸などの無機酸;硝酸カリウムなどの硝酸アルカリ金属塩類;並びにニトロニウムテトラフルオロボレート、ニトロニウムトリフルオロメタンスルホネートなどのニトロニウム塩類などが挙げられ、これらの試薬は混合して使用してもよい。
この反応で使用されるニトロ化剤の使用量は、ニトロ化剤の種類により異なるが、一般式[31]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜10倍モル、より好ましくは、1.0〜3.0倍モルであればよい。
この反応は、通常、−60〜200℃、好ましくは、0〜100℃で、10分〜48時間、好ましくは、1時間〜24時間実施すればよい。
(A−3)
一般式[25]の化合物またはその塩は、一般式[34]の化合物またはその塩を、たとえば、新実験化学講座、第14巻、第1106項〜第1119項(社団法人 日本化学会編 1977年)に記載の方法に準じて、触媒の存在下あるいは不存在下、ハロゲン化剤と反応させることによって得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレンおよびクロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトンなどのケトン類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用されるハロゲン化剤としては、通常使用されるハロゲン化剤であれば特に限定されないが、たとえば、塩化チオニル、五塩化リン、三塩化リンおよび塩化ホスホリルなどの無機ハロゲン化物;塩化オキサリルおよび臭化オキサリルなどのシュウ酸ハロゲン化物などが挙げられる。ハロゲン化剤の使用量は、一般式[34]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応で必要に応じて使用される触媒としては、たとえば、トリエチルアミンおよびピリジンなどの有機塩基;塩化亜鉛などのルイス酸;ヨウ素並びにN,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、その使用量は、一般式[34]の化合物またはその塩に対して、0.001〜10倍モル、好ましくは、0.001〜0.5倍モルであればよい。
この反応は、通常、−20〜200℃、好ましくは、−10〜120℃で、1分〜72時間、好ましくは、10分〜24時間実施すればよい。
(A−4)
一般式[25]の化合物またはその塩は、一般式[35]の化合物またはその塩を塩基の存在下、求核置換剤との反応に付すことにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、これらの溶媒を一種または二種以上混合して使用してもよい。
この反応で使用される求核置換剤は、芳香族ハロゲン化合物との求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、ヒドロキノン、パラメトキシフェノールなどの置換フェノール類;チオフェノールなどのアリールメルカプタン類などが挙げれられる。求核置換剤の使用量は、一般式[35]の化合物またはその塩に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1.0〜5.0倍モルであればよい。本反応で用いられる塩基としては、芳香族ハロゲン化合物の求核置換反応に通常使用される試薬であれば特に限定されないが、好ましくは、たとえば、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩基であればよい。塩基の使用量は、一般式[35]の化合物またはその塩に対して、0.01〜30倍モル、好ましくは、0.5〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、−70〜200℃、好ましくは、−20〜50℃で、1分〜24時間、好ましくは5分〜6時間実施すればよい。
[製造法II−B]
Figure 2009161553

「式中、R21aおよびR22bは、上記と同じ意味を有する。」
(B−1)
一般式[27]の化合物またはその塩は、一般式[32]の化合物またはその塩を製造法II−4−1に記載の方法と同様の反応に付すことによって得ることができる。
(B−2)
一般式[32]の化合物またはその塩は、一般式[33]の化合物またはその塩を製造法II−A−2に記載の方法と同様の反応に付すことによって得ることができる。
次に、一般式[21]の化合物またはその塩を原料とした一般式[23]の化合物またはその塩の製造法について説明する。
Figure 2009161553

「式中、A’、R21、R22、R23、R24および破線は上記と同じ意味を有する。ただし、R21が、カルバモイル基またはアシル基で置換されているカルバモイル基であり、かつ、R22が、ヒドロキシル基である化合物を除く。」
一般式[23]の化合物またはその塩は、一般式[21]の化合物またはその塩をヒドロキシル化反応および/またはカルバモイル化反応に付すことによって製造することができる。
この反応におけるヒドロキシル化は、たとえば、製造法II−4−1、II−4−2、II−4−3、II−4−4、II−5−1、II−5−1、II−5−3、II−5−4などに記載されている様な還元反応、置換反応、ザンドマイヤー反応、加水分解反応および/または脱保護反応などの自体公知の方法に付すことによって、または、それらを適宜組み合わせることによって行うことができる。
この反応におけるカルバモイル化は、たとえば、製造法II−6−1、II−6−2、II−6−3、II−7−1、II−7−2、II−7−3、II−7−4などに記載された酸化反応、還元反応、置換反応、付加反応、ハロゲン化反応、脱水反応および/または加水分解反応などの自体公知の反応に付すことによって、またはそれらを適宜組み合わせることによって行うことができる。
これらの反応において、ヒドロキシル化およびカルバモイル化反応を行う場合、どちらの反応を先に実施してもよい。
上で述べた中間体の製造法における一般式[21]〜[35]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩などが挙げられる。塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの無機酸との塩;酒石酸、ギ酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;並びにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩が挙げられる。酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などが挙げられる。
また、上で述べた製造法において、一般式[21]〜[35]の化合物は、それらの塩を用いることができ、それらの塩としては、上で説明したと同様の塩が挙げられる。
また、一般式[21]〜[35]の化合物およびそれらの塩に互変異性体、光学活性体および位置異性体などの各種の異性体並びに溶媒和物が存在する場合、それらのいずれも使用することができる。また、反応終了後、反応目的物は単離せずに、そのまま次の反応に用いてもよい。
とりわけ、一般式[21]で表わされる化合物でR22がOHである場合は、下記のようなケト形およびエノール形の互変異性体が存在し、これらは実質的に同じ化合物である。
Figure 2009161553

さらに、上で述べた製造法において、一般式[21]〜[35]の化合物またはそれらの塩が、アミノ基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、メルカプト基またはカルボキシル基を有する場合は、あらかじめこれらの基を通常の保護基で保護しておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することができる。
つぎに、本発明の一般式[1]で表されるピラジン誘導体またはその塩の抗ウイルス作用および細胞毒性作用について説明する。
試料:一般式[1]で表されるピラジン誘導体またはその塩をジメチルスルホキシドで10mg/mLに溶解し、使用時に培養液で所定の濃度に希釈して用いた。
培養液:MDCK(イヌ腎臓由来)、MA-104(サル腎臓由来)、HEp-2(ヒト喉頭癌由来)細胞を増殖する際および細胞毒性試験行う際には、10%牛胎児血清添加E'-MEMを用いた。
インフルエンザウイルスの宿主細胞および細胞毒性試験には、MDCK細胞を用い、ロタウイルスの宿主細胞にはMA-104細胞を、RSウイルスの宿主細胞にはHEp-2細胞を用いた。
試験例1[抗インフルエンザウイルス作用]
6穴プレート(コーニング(CORNING)製)にMDCK細胞を5×105個/穴で蒔き込み、35℃、5%炭酸ガスの条件下で一晩培養した。インフルエンザウイルスA/PR/8/34株を血清非添加の培養液で200個/mLに希釈し、0.5mL/穴で1時間感染・吸着させた。感染・吸着終了後、所定の濃度に試験化合物を含有させた0.6%アガーノーブル、1%牛血清アルブミンおよび3μg/mLアセチルトリプシンを含むE'-MEM培養液を添加し、十分に凝固後、倒置して3日間培養した。培養終了後、1%ニュートラルレッドにて生細胞染色し、10%ホルマリンにて細胞を固定後、流水にて寒天培地を除き、プラーク数を数えた。プラーク抑制率は、試験化合物非添加の対照と比較して百分率で表した。
結果を表I−2に示す。なお、試験化合物の番号は、実施例の化合物の番号と同じである。
Figure 2009161553

また、本発明化合物より導かれる一般式[23]で表される含窒素複素環カルバモイル誘導体またはその塩の抗インフルエンザウイルス作用についても試験例1と同様に確認した。試験化合物は、6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミドをジメチルスルホキシドで10mg/mLに溶解し、使用時に培養液で所定の濃度に希釈して用いた。抗インフルエンザウイルス活性は、試験化合物添加濃度1μg/mLでプラーク抑制率100%であり、抗ウイルス剤として優れていた。
試験例2[抗ロタウイルス作用]
6穴プレート(コーニング(CORNING)製)にMA-104細胞を5×105個/穴で蒔き込み、37℃、5%炭酸ガスの条件下で一晩培養した。10μg/mlアセチルトリプシンで30分間活性化したロタウイルス、Ku株を血清非添加の培養液で140個/mLに希釈し、0.5mL/穴で1時間感染・吸着させた。感染・吸着終了後、感染液を除去し、30μg/mlの化合物、5μg/mlトリプシンおよび1.4%アガロースを含むE’MEM培養液を加えた。ロタウイルスで感染したMA-104細胞は、37°C、5%炭酸ガスの条件下で3日間培養後、0.005%ニュートラルレッドを含有する0.7%アガロースを重層し、同条件で更に1日間培養した。培養終了後、試験プレートを3%ホルムアルデヒド溶液で固定し、寒天で固化した試験培養液を除去し、ついで、プラークを計数した。ロタウイルスに対する抑制率は、化合物処理群および非処理対照群のプラーク数から計算した。
実施例I−1の化合物は、抗ロタウイルス作用を示した。
試験例3[抗RSウイルス(respiratory syncytial virus)作用]
6穴プレート(コーニング(CORNING)製)にHEp-2細胞を5×105個/穴で蒔き込み、37℃、5%炭酸ガスの条件下で一晩培養した。RSウイルスA−2株を血清非添加の培養液で140個/mLに希釈し、0.5mL/穴で1時間感染・吸着させた。感染・吸着終了後、感染液を除去し、30μg/mlの化合物、0.12%グルタミン、2%ウシ胎児血清および1%メチルセルロースを含むE'MEM培養液を加えた。RSウイルスで感染したHEp-2細胞は、35°C、5%炭酸ガスの条件下で3日間培養した。培養終了後、試験プレートを3%ホルムアルデヒド溶液で固定し、メチルセルロース入り試験培養液を除去した。ついで、5%ギムザ溶液で染色し、プラークを計数した。RSウイルスに対する抑制率は、化合物処理群および非処理対照群のプラーク数から計算した。
実施例I−14の化合物は、抗RSV作用を示した。
試験例4[細胞毒性作用]
96穴プレート(コーニング(CORNING)社製)に所定の濃度に化合物を含有させた培養液を100μL/穴で添加した。ついで、MDCK細胞を2×104個/mLに培養液で調製し、100μL/穴で蒔き込み、37℃、5%炭酸ガスの条件下で3日間培養した。培養終了時にXTT法[たとえば、キャンサー・リサーチ(CANCER RESEARCH)、第48巻、第4827〜4833頁(1988年)など]により、生細胞数を測定した。
その結果、表I−2に記載の化合物の50%細胞増殖抑制濃度(IC50)は、すべて100μg/mL以上であった。
つぎに本発明化合物および本発明製造中間体を参考例および実施例で説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下における参考例および実施例において、溶離液における混合比は、すべて容量比である。また、カラムクロマトグラフィーにおける担体は、シリカゲルBW-127ZH(富士シリシア化学社製);逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおける担体は、YMC・GEL ODS−AM 120−S50(YMC CO.,LTD.);イオン交換カラムクロマトグラフィーにおける担体は、DEAEセルロース(和光純薬工業)を用いた。
なお、参考例および実施例中で用いられる記号は、次の意味を有する。
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
参考例I−1
メチル 3−アミノ−6−ブロモ−2−ピラジンカルボキシレート17.0gを濃硫酸100mLに溶解させ、氷冷下で亜硝酸ナトリウム10.1gを加え、30分間攪拌した。反応混合物をメタノール920mLに加え、5時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、減圧下に濃縮し、得られた残留物を氷水500mLおよびクロロホルム600mLの混合液に加え、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、淡黄色油状物のメチル 6−ブロモ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート6.30gを得た。
IR(KBr)cm-1:1735
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.97(3H,s), 4.06(3H,s), 8.37(1H,s)
参考例I−2
窒素雰囲気下、メチル 6−ブロモ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート11.4gをトルエン227mLに溶解させ、ベンゾフェノンイミン10.3g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.42g、(s)−(−)−2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル0.86gおよびナトリウムtert−ブトキシド6.20gを順次加え、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を冷却した後、濾過した。濾液をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=20:1]で精製し、得られた油状物をテトラヒドロフラン140mLに溶解させ、2mol/L塩酸7mLを加え、室温で15分間攪拌した。反応混合物にクロロホルム200mLおよび水50mLの混合液を加え、さらに1mol/L水酸化ナトリウムを加え、アルカリ性とした後、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=1:1]で精製し、黄色油状物のメチル 6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート3.64gを得た。
IR(KBr)cm-1: 1716, 1670
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.80(3H,s), 3.82(3H,s), 7.20(2H,brs), 7.77(1H,s)
参考例I−3
メチル 6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート3.5gをメタノール70mLに溶解させ、アンモニアガスを導入し、飽和溶液とした後、室温で14時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を留去し、固形物の6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキサミド3.1gを得た。
IR(KBr)cm-1: 1684
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.79(3H,s), 5.87(2H,brs), 7.30-7.75(3H,m)
参考例I−4
窒素雰囲気下、氷冷下で6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキサミド1.50gを70%フッ化水素ピリジン12mLに溶解させ、ついで、−50℃で亜硝酸ナトリウム0.71gを加え、10℃で1時間攪拌した。反応混合物をさらに室温で1時間攪拌した後、氷水50mLおよびクロロホルム100mLの混合液を加え、分液した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、固形物の6−フルオロ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキサミド1.29gを得た。
IR(KBr)cm-1: 1707
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.95(3H,s), 7.55-8.15(2H,m), 8.39(1H,d,J=8.3Hz)
参考例I−5
窒素雰囲気下、ヨウ化ナトリウム1.51gをアセトニトリル22mLに溶解させ、塩化トリメチルシリル1.10gを加え、室温で20分間攪拌した。ついで、6−フルオロ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキサミド0.43gを加え、同温度で18時間攪拌した。反応混合物に水10mLおよびクロロホルム200mLの混合液を加え、分液した。得られた有機層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、白色固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド0.06gを得た。
IR(KBr)cm-1: 1685, 1658
1H-NMR(CDCl3)δ値: 5.40-7.80(2H,m), 8.31(1H,d,J=7.8Hz), 12.33(1H,s)
参考例I−6
メチル 6−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート1.0gをジクロロエタン40mLに溶解させ、窒素雰囲気下、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン1.0mLおよびクロロトリメチルシラン0.54mLを順次添加し、90℃で2時間加熱した。放冷後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をジクロロエタン30mL溶解させ、β−D−リボフラノース−1−アセテート−2,3,5−トリベンゾエート2.68gおよび塩化スズ(IV)1.24mLを順次添加し、室温でさらに16時間攪拌した。反応混合物に氷水30mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、分液した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=4:1]で精製し、黄色油状物のメチル 4−{(2R,3S,4S,5S)−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)−5−[(ベンゾイロキシ)メチル]テトラヒドロ−2−フラニル}−6−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート1.76gを得た。
IR(neat)cm-1:1728
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.94(3H,s), 4.5-4.9(3H,m), 5.6-6.0(2H,m), 6.3-6.5(1H,m), 7.1-8.2(16H,m)
参考例I−7
メチル 4−{(2R,3S,4S,5S)−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)−5−[(ベンゾイロキシ)メチル]テトラヒドロ−2−フラニル}−6−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.80gをメタノール16mLに懸濁させ、氷冷下、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.73gを添加し、同温度で1時間撹拌した。室温でさらに3時間攪拌した後、反応混合物を6mol/L塩酸でpH7に調整し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、黄色油状物のメチル 6−クロロ−4−[(2R,3S,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.29gを得た。
IR(neat)cm-1:1728
1H-NMR(CDCl3+DMSO-d6)δ値: 3.6-5.6(11H,m), 5.99(1H,s), 8.67(1H,s)
参考例I−8
メチル 3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.39gをN,N−ジメチルホルムアミド4.0mLに溶解させ、窒素雰囲気下、水素化ナトリウム90mgを添加し、室温にて2時間撹拌した。ついで、4−[(トリチルオキシ)メチル]−2−シクロペンテン−1−イルアセテート0.50g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.62gおよびトリフェニルホスフィン50mgのテトラヒドロフラン4mL懸濁液を添加し、室温にて1時間撹拌した後、さらに60℃で4時間加熱した。放冷後、反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水20mLで希釈し、1mol/L塩酸でpH4に調整し、分液した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水および飽和食塩水で、順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=1:1]で精製し、淡黄色油状物のメチル 3−オキソ−4−{4−[(トリチルオキシ)メチル]−2−シクロペンテン−1−イル}−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.23gを得た。
IR(neat)cm-1:1735
1H-NMR(CDCl3)δ値: 1.2-1.6(2H,m), 2.8-3.4(3H,m), 3.98(3H,s), 5.6-5.8(1H,m), 5.8-6.1(1H,m), 6.2-6.4(1H,m), 7.0-7.6(17H,m)
参考例I−9
メチル 3−オキソ−4−{4−[(トリチルオキシ)メチル]−2−シクロペンテン−1−イル}−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.20gを80%酢酸水溶液2.0mLに溶解させ、80℃で1時間加熱した。放冷後、反応混合物に水10mLを加え、析出した沈殿物を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;酢酸エチル]で精製し、淡黄色油状物のメチル 4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート77mgを得た。
IR(neat)cm-1:1738
1H-NMR(CDCl3)δ値: 1.4-1.7(1H,m), 2.2-3.2(3H,m), 3.5-3.9(2H,m), 3.96(3H,s), 5.6-5.8(1H,m), 5.8-6.1(1H,m), 6.2-6.5(1H,m), 7.43(1H,d,J=4.2Hz), 7.70(1H,d,J=4.2Hz)
参考例I−10
メチル 3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.24gをN,N−ジメチルホルムアミド6.0mLに溶解させ、18−クラウン−6−エーテル82mgおよび水素化ナトリウム62mgを添加し、80℃で1時間加熱した。次いで、(4aR,7S,8aR)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル 4−メチルベンゼンスルホネート0.30gのN,N−ジメチルホルムアミド3.0mL溶液を滴下し、100℃でさらに4時間加熱した。放冷後、反応混合物を酢酸エチル50mLおよび水25mLで希釈し、分液した。さらに水層を酢酸エチル25mLで3回抽出した。得られたすべての有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で、順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=3:1]で精製した後、イソプロピルエーテルおよびジエチルエーテルを加え、固形物を濾取し、白色固形物のメチル 4−[(4aR,7R,8aR)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート84mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1732
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 1.97-2.37(2H,m), 3.22-4.36(6H,m), 3.95(3H,s), 5.4-5.6(1H,m), 5.67(1H,s), 7.3-7.5(5H,m), 8.35(1H,d,J=10Hz), 8.37(1H,d,J=10Hz)
参考例I−11
メチル 3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.38gをN,N−ジメチルホルムアミド5.7mLに溶解させ、水素化ナトリウム0.10gを添加し、80℃で30分間加熱した。次いで、(4aR,7R,8S,8aR)−8−ヒドロキシ−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル 4−メチルベンゼンスルホネート0.19gを加え、100℃でさらに4.5時間加熱した。放冷後、反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水20mLで希釈し、分液した。さらに水層を酢酸エチル30mLで抽出した。得られたすべての有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=2:1]で精製した後、イソプロピルエーテルおよびジエチルエーテルを加え、固形物を濾取すれば、黄色固形物のメチル 4−[(4aR,7S,8R,8aR)−8−ヒドロキシ−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート65mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3447, 1740
1H-NMR(CDCl3)δ値: 2.69(1H,d,J=2.2Hz), 3.98(3H,s), 3.52-4.62(7H,m), 4.6-5.0(1H,m), 5.59(1H,s), 7.2-7.6(5H,m), 7.52(1H,d,J=4.0Hz), 8.17(1H,d,J=4.0Hz)
参考例I−12
メチル 3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート1.52gを1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン12.2mLに懸濁させ、1時間加熱還流した。放冷後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を窒素雰囲気下、ジクロロエタン30mLに溶解させ、β−D−リボフラノース−1−アセテート−2,3,5−トリベンゾエート4.98gおよび塩化スズ(IV)1.73mLを順次添加し、室温でさらに14時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム30mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mLで希釈し、沈殿物を濾去し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1]で精製し、白色固形物のメチル 4−{(2R,3S,4S,5S)−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)−5−[(ベンゾイロキシ)メチル]テトラヒドロ−2−フラニル}−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート3.4gを得た。
IR(KBr)cm-1:1728
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.95(3H,s), 4.55-5.00(3H,m), 5.75-6.00(2H,m), 6.42(1H,d,J=3.0Hz), 7.20-8.20(17H,m)
参考例I−13
メチル 4−{(2R,3S,4S,5S)−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)−5−[(ベンゾイロキシ)メチル]テトラヒドロ−2−フラニル}−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレートから参考例I−7と同様にして、メチル 4−[(2R,3S,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレートを得た。
IR(KBr)cm-1:1740
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.60-4.20(5H,m), 3.83(3H,s), 5.00-5.40(2H,m), 5.61(1H,d,J=4.6Hz), 5.91(1H,s), 7.47(1H,d,J=4.4Hz), 8.29(1H,d,J=4.4Hz)
参考例I−14
メチル 4−[(2R,3S,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.50gをアセトン5mLに懸濁させ、オルトギ酸トリメチル1mLおよびパラトルエンスルホン酸一水和物33mgを順次添加し、1時間加熱還流した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;酢酸エチル]で精製し、白色固形物のメチル 4−[(3aS,4R,6R,6aS)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.49gを得た。
IR(KBr)cm-1:1728
1H-NMR(CDCl3)δ値: 1.34(3H,s), 1.59(3H,s), 3.10(1H,brs), 3.65-4.25(2H,m), 3.95(3H,s), 4.49(1H,s), 4.92(2H,s), 5.91(1H,s), 7.48(1H,d,J=4.3Hz), 7.89(1H,d,J=4.3Hz)
参考例I−15
メチル 4−[(3aS,4R,6R,6aS)−6−(ヒドロキシメチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.22gをピリジン4mLに溶解させ、リン酸ジベンジル0.17g、トリフェニルホスフィン0.40gおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピル0.30mLを順次添加し、室温で15時間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;酢酸エチル]で精製し、橙色固形物のメチル 4−[(3aS,4R,6R,6aS)−6−({[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.37gを得た。
IR(KBr)cm-1:1734
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.31(3H,s), 1.56(3H,s), 3.96(3H,s), 4.10-4.30(2H,m), 4.30-4.55(1H,m), 4.55-4.70(2H,m), 4.90-5.15(4H,m), 5.85-5.95(1H,m), 7.10-7.85(12H,m)
参考例I−16
ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Heterocycl.Chem.)第19巻、第1397〜1402頁(1982年)に記載の方法に準じて合成した3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル1.1gをメタノール33mLに溶解させ、氷冷下、塩化水素ガスを導入し、飽和溶液とした後、同温度で8時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を氷冷下、アンモニアのメタノール溶液(7mol/L)55mLに溶解させ、同温度で5分間撹拌した。得られた固形物を濾取し、淡黄色固形物の3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミダミド1.1gを得た。
IR(KBr)cm-1:3379, 3000, 1698
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 7.50(1H,d,J=2.0Hz), 8.33(1H,brs), 8.18(1H,d,J=2.0Hz), 8.33(2H,brs)
参考例I−17
6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル0.30gをエタノール0.5mLおよびジエチルエーテル1.9mLの混合液に溶解させ、氷冷下、塩化水素ガスを導入し、飽和溶液とした後、5時間撹拌した。反応混合物にジエチルエーテル5.0mLを加え、析出した固形物を濾取後、ジエチルエーテル10mL、エタノール2.5mLおよびジエチルエーテル2.5mLの混合液並びにジエチルエーテル5mLで順次洗浄し、黄色固形物のエチル 6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミドエート0.28gを得た。
IR(KBr)cm-1:3041, 1670
1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ値: 1.43(3H,t,J=7.0Hz), 4.50(2H,q,J=7.0Hz), 8.49(1H,d, J=8.0Hz)
参考例I−18
エタノール2.0mLに氷冷下、アンモニアガスを導入し、飽和溶液とした後、6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミドエート0.10gおよびエタノール2.0mLを加え、室温まで昇温し、17時間静置した。析出した固形物を濾取し、エタノールで洗浄した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、エタノールを加えた後、固形物を濾取し、6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミダミド20mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3445, 3030, 1684
1H-NMR(DMSO-d6+D2O)δ値: 8.26(1H,d, J=8.5Hz)
実施例I−1
3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド1.0gを1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン5.0mLに懸濁させ、30分間加熱還流し、放冷後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を窒素雰囲気下、ジクロロエタン5.0mLに溶解させ、β−D−リボフラノース−1−アセテート−2,3,5−トリベンゾエート3.11gおよび塩化スズ(IV)0.50mLを順次添加し、室温でさらに22時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水20mLで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、沈殿物を濾去し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で、順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;酢酸エチル:メタノール=10:1]で精製した後、イソプロピルエーテルを加え、固形物を濾取し、白色固形物の[(2R,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)テトラヒドロ−2−フラニル]メチルベンゾエート0.41gを得た。
IR(KBr)cm-1:1734, 1685
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.6-5.1(3H,m), 5.8-6.2(3H,m), 6.39(1H,d,J=2.5Hz), 7.2-8.2(17H,m), 8.95(1H,brs)
実施例I−2
[(2R,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)テトラヒドロ−2−フラニル]メチル ベンゾエート0.37gをメタノール4mLに溶解させ、氷冷下、アンモニアガスを導入し、飽和させた。反応混合物を室温で15時間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にメタノールを加え、沈殿物を濾取し、淡褐色固形物の4−[(2R,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド0.12gを得た。
IR(KBr)cm-1:1654
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.73(2H,dd,J=5.4,5.4Hz), 3.8-4.2(3H,m), 5.08(1H,brs), 5.24(1H,t,J=5.4Hz), 5.61(1H,brs), 5.92(1H,s), 7.54(1H,d,J=4.2Hz), 7.71(1H,brs), 8.27(1H,d,J=4.2Hz), 8.30(1H,brs)
実施例I−3
3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド0.62gを1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン5.0mLに懸濁させ、1時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物を窒素雰囲気下、ジクロロエタン2.0mLに溶解させ、室温にて別途、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)第28巻、第7号、第904〜910頁(1985年)に記載の方法に準じて調製した(2R,3R)−5−(アセチロキシ)−2−[(アセチロキシ)メチル]テトラヒドロ−3−フラニルアセテートおよび(3S,4R)−4,6−ビス(アセチロキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルアセテートの混合物1.0gのジクロロエタン3.0mL溶液および塩化チタン(IV)0.32mLを添加し、さらに、ジクロロエタン5.0mLを加えた後、17時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム100mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液25mLで希釈し、沈殿物を濾去し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で、順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;酢酸エチル:メタノール=10:1]で精製し、淡褐色油状物の{(2R,3R)−3−(アセチロキシ)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]テトラヒドロ−2−フラニル}メチルアセテート0.43gを得た。
IR(KBr)cm-1:1735, 1685
1H-NMR(CDCl3)δ値: 2.07(3H,s), 2.14(3H,s), 1.8-2.6(2H,m), 4.0-4.6(2H,m), 5.0-5.4(2H,m), 6.33(1H,d,J=5.9Hz), 6.64(1H,brs), 7.76(1H,d,J=4.2Hz), 7.83(1H,d,J=4.2Hz), 9.06(1H,brs)
実施例I−4
{(2R,3R)−3−(アセチロキシ)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]テトラヒドロ−2−フラニル}メチルアセテート0.20gをメタノール2mLに溶解させ、氷冷下、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.23gを添加し、20分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸1.2mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、黄色油状物の4−[(4R,5R)−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド90mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1684
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 1.8-2.2(2H,m), 3.0-4.4(4H,m), 4.50-5.20(2H,m), 6.13(1H,d,J=5.9Hz), 7.59(1H,d,J=4.2Hz), 7.70(1H,brs), 7.92(1H,d,J=4.2Hz), 8.45(1H,brs)
実施例I−5
6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミドから実施例I−1と同様にして[(2S,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)テトラヒドロ−2−フラニル]メチル ベンゾエートを得た。
IR(KBr)cm-1:1726, 1690
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 4.6-5.0(3H,m), 5.9-6.1(2H,m), 6.33(1H,s), 7.3-8.2(17H,m), 8.53(1H,brs)
実施例I−6
[(2S,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ビス(ベンゾイロキシ)テトラヒドロ−2−フラニル]メチル ベンゾエート0.15gをメタノール2.0mLに溶解させ、氷冷下、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.14gを添加し、20分間、室温で30分間撹拌した。反応混合物に1mol/L塩酸0.75mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=5:1]で精製後、イソプロパノールおよびジエチルエーテルを加え、濾取し、4−[(2R,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド40mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1686
実施例I−7
メチル 6−クロロ−4−[(2R,3S,4R,5S)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.26gをメタノール4mLに溶解させ、氷冷下、アンモニアガスを導入し、飽和させた。反応混合物を氷冷下1時間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=7:1]で精製し、淡黄色固形物の6−クロロ−4−[(2R,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド0.06gを得た。
IR(KBr)cm-1:1693
実施例I−8
メチル 4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート75mgをメタノール1mLに溶解させ、室温にて25%アンモニア水を添加し、13時間撹拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にイソプロパノールを加え、固形物を濾取し、白色固形物の4−[4−(ヒドロキシメチル)−2−シクロペンテン−1−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド20mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1668
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 1.2-3.8(5H,m), 4.92(1H,brs), 5.8-6.1(2H,m), 6.2-6.4(1H,m), 7.4-8.1(3H,m), 8.20(1H,brs)
実施例I−9
メチル 4−[(4aR,7R,8aR)−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート80mgを80%酢酸水溶液5.0mLに溶解させ、80℃で2時間加熱した。放冷後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を水20mLで希釈し、ジエチルエーテルで洗浄後、水層を減圧下に水を留去した。得られた残留物をメタノール4.0mLに溶解させ、氷冷下、アンモニアガスを導入し、飽和させた。反応混合物を室温で2時間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=10:1]で精製し、固形物の4−[(3R,5R,6R)−5−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド24mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3451, 1676
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 1.45-1.85(1H,m), 2.10-2.30(1H,m), 2.95-4.05(6H,m), 4.47(1H,t,J=5.6Hz), 4.83(1H,d,J=5.4Hz), 5.20-5.30(1H,m), 7.68(1H,brs), 7.80(1H,brs), 8.24(1H,d,J=7.0Hz), 8.27(1H,d,J=7.0Hz)
実施例I−10
メチル 4−[(4aR,7S,8R,8aR)−8−ヒドロキシ−2−フェニルヘキサヒドロピラノ[3,2−d][1,3]ジオキサン−7−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレートから実施例I−9と同様にして、4−[(3S,4R,5R,6R)−4,5−ジヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミドを得た。
IR(KBr)cm-1:3404, 1670
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.42-3.67(4H,m), 3.95(1H,dd,J=3.1, 13Hz), 3.90-3.95(1H,m), 4.02(1H,dd,J=3.7, 13Hz), 4.56(1H,t,J=6.1Hz), 4.68(1H,q,J=4.8Hz), 4.75(1H,d,J=6.1Hz), 5.37(1H,d,J=4.5Hz), 7.49(1H,d,J=4.3Hz), 7.66(1H,brs), 8.21(1H,d,J=4.3Hz), 8.34(1H,brs)
実施例I−11
メチル 4−[(3aS,4R,6R,6aS)−6−({[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレートから実施例I−7と同様にして、{(3aS,4S,6R,6aS)−6−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル}メチルジベンジルホスフェートを得た。
IR(KBr)cm-1:1685, 1654
1H-NMR(CDCl3)δ値: 1.35(3H,s), 1.59(3H,s), 4.00-4.65(5H,m), 4.80-5.40(4H,m), 5.93(1H,d,J=2.2Hz), 6.15(1H,brs), 7.10-7.80(10H,m), 7.59(1H,d,J=4.3Hz), 7.67(1H,d,J=4.3Hz), 9.15(1H,brs)
実施例I−12
{(3aS,4S,6R,6aS)−6−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル}メチルジベンジルホスフェート60mgを氷冷下、90%トリフルオロ酢酸水溶液3mLに溶解させ、同温度で30分、さらに室温で2時間攪拌した後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にジエチルエーテルを加え、固形物を濾取した後、メタノールで洗浄し、淡赤色固形物の{(2R,3R,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチルジヒドロゲンホスフェート15mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1654
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 2.80-4.80(9H,m), 5.90-6.00(1H,m), 7.47(1H,d,J=4.5Hz), 7.68(1H,brs), 7.97(1H,d,J=4.5Hz), 8.30(1H,brs)
実施例I−13
{(3aS,4S,6R,6aS)−6−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−2,2−ジメチルテトラヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソル−4−イル}メチルジベンジルホスフェート100mgをテトラヒドロフラン2mLおよび水1mLの混合液に溶解させ、6mol/L塩酸を用いてpH0.5に調整した後、室温にて2日間静置した。析出した固形物を濾取した後、エタノールで洗浄し、固形物の{(2S,3R,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチルジベンジルホスフェート40mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1676, 1660
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:3.70-4.60(5H,m), 5.04(2H,s), 5.12(2H,s), 5.30-5.45(1H,m), 5.71(1H,d,J=4.6Hz), 5.85-6.00(1H,m), 7.10-7.60(11H,m), 7.76(1H,brs), 7.78(1H,d,J=3.9Hz), 8.30(1H,brs)
実施例I−14
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミダミド0.20gおよび硫酸アンモニウム10mgを1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン2.0mLに懸濁させ、窒素気流下、10分間加熱還流した。硫酸アンモニウム9.0mgを加え、さらに2時間加熱還流した。反応混合物を放冷後、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をアセトニトリル4.0mLに溶解させ、β−D−リボフラノース−1,2,3,5−テトラアセテート0.46gおよび塩化スズ(IV)0.34mLを順次添加し、室温で3時間撹拌した。反応混合物にトリフルオロ酢酸10μL、水1.0mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシミダミド0.05gを用いて同様の反応を繰り返して得た反応混合物と合わせ、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;アセトニトリル:水=1:4]で精製し、淡黄色固形物の(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[(アセチロキシ)メチル]−5−[3−[アミノ(イミノ)メチル]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]テトラヒドロ−3−フラニル アセテート0.34gを得た。
IR(KBr)cm-1:3392, 1750, 1685
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.11(3H,s), 2.16(6H,s), 4.4-4.7(3H,m), 5.31(1H,t,J=5.0Hz), 5.5-5.6(1H,m), 6.22(1H,d,J=3.0Hz), 7.8-8.0(1H,m), 8.1-8.3(1H,m), 8.67(1H,brs), 10.45(2H,brs)
実施例I−15
(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[(アセチロキシ)メチル]−5−[3−[アミノ(イミノ)メチル]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]テトラヒドロ−3−フラニル アセテート0.10gを氷冷下、25%アンモニア水5.0mLを加え、同温度で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸4.9mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[(アセチロキシ)メチル]−5−[3−[アミノ(イミノ)メチル]−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]テトラヒドロ−3−フラニル アセテート20mgを用いて同様に反応を行ったものと合わせ、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;水]で精製した。得られた固形物に1mol/L塩酸5.0mLを加え、減圧下に溶媒を留去し、さらに1mol/L塩酸5.0mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にエタノールを加え、固形物を濾取し、淡黄色固形物の4−[(2R,3R,4S,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシイミダミドの塩酸塩30mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3374, 3281, 1690
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.7-3.9(2H,m), 3.9-4.2(3H,m), 5.1-5.3(1H,m), 5.3-5.6(1H,m), 5.6-5.8(1H,m), 5.90(1H,s), 7.86(1H,d,J=4.0Hz), 8.76(1H,d,J=4.0Hz), 9.44(3H,brs)
実施例I−16
4−[(2R,3S,4R,5R)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミド0.11gをリン酸トリメチル2.0mLに懸濁させ、氷冷下、オキシ塩化リン0.11mLを加え、同温度で2時間撹拌した。反応混合物にトリブチルアミン1.2mLおよびトリブチルアンモニウムホスフェート0.56gのジメチルホルムアミド6.0mL溶液を加え、同温度で1時間撹拌した。反応混合物に0.1mol/mL炭酸水素トリエチルアンモニウム溶液を加え、室温で12時間放置した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をイオン交換カラムクロマトグラフィー[溶離液;0.07mol/mL炭酸水素トリエチルアンモニウム溶液]で精製し、{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン ジホスフェートのトリエチルアミン塩を含む分画および{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン トリホスフェートのトリエチルアミン塩を含む分画をそれぞれ集め、固形物143mgおよび113mgを得た。得られた{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン ジホスフェートのトリエチルアミン塩143mgの内、110mgをメタノール3.0mLに溶解させ、過塩素酸ナトリウム0.28gのアセトン7.5mL溶液を添加した。固形物を遠心分離後、アセトンで洗浄し、白色固形物の{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン ジホスフェートのナトリウム塩64mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3418, 1682, 1236, 983, 905
1H-NMR(D2O)δ値: 4.2-4.5(5H,m), 6.12(1H,s), 7.83(1H,d,J=3.7Hz), 8.35(1H,d,J=3.7Hz)
実施例I−17
実施例I−16で得られた{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン トリホスフェートのトリエチルアミン塩113mgの内、46mgを用い、メタノール1.0mLに溶解させ、過塩素酸ナトリウム92mgのアセトン5.0mL溶液を添加した。固形物を遠心分離後、アセトンで洗浄し、白色固形物の{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン トリホスフェートのナトリウム塩21mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3436, 1692, 1284, 1103, 997
1H-NMR(D2O)δ値: 4.2-4.5(5H,m), 6.14(1H,s), 7.85(1H,d,J=3.0Hz), 8.36(1H,d,J=3.0Hz)
実施例I−18
6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド5.3gを窒素気流下アセトニトリル53mLに懸濁させ、氷冷下、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセタミド8.4mLを加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に氷冷下にて別途、カルボヒドレートリサーチ(Carbohydr.Res.)第203巻、第9号、第324〜329頁(1990年)に記載の方法に準じて調製した(2R,3R,4R)−4,5−ビス(アセチロキシ)−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート9.4gのアセトニトリル53mL溶液、塩化スズ(IV)7.2mLを順次添加し、室温で20分撹拌した。反応混合物を酢酸エチル100mLおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mLの混合液に注ぎ、有機層を分取し、水層を酢酸エチル700mLで抽出した。すべての有機層を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をメタノール200mLに溶解させ、80%酢酸水溶液100mLを加え、室温で2時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=40:1]で精製後、クロロホルムおよびイソプロピルエーテルを加え、濾取し、淡黄色固形物の(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[3−(アミノカルボニル]−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート9.3gを得た。
IR(KBr)cm-1:3411, 1752, 1686
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 2.04(3H,s), 2.10(3H,s), 3.64(1H,ddd,J=2.5,5.0,13Hz), 3.86(1H,ddd,J=2.5,5.0,13Hz), 4.29(1H,d,J=6.0Hz), 5.35(1H,t,J=6.0Hz), 5.49(1H,dd,J=3.0,5.0Hz), 5.65(1H,t,J=5.0Hz), 6.11(1H,d,J=3.0Hz), 7.96(1H,brs), 8.42(1H,d,J=5.0Hz), 8.49(1H,brs)
実施例I−19
(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[3−(アミノカルボニル]−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート1.5gおよび1H−テトラゾール0.84gを窒素気流下、アセトニトリル30mLに溶解させ、氷冷下、ジアリルジイソプロピルホスホルアミダイト1.4mLのアセトニトリル20mL溶液を添加し、20分間撹拌した。反応混合物にm−クロロ過安息香酸1.4gのアセトニトリル10mL溶液を添加し、10分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル60mLを加え、水60mLに注ぎ、有機層を分取し、水層を酢酸エチル90mLで抽出した。すべての有機層を集め、水30mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整し、水層を分離した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=40:1]で精製し、黄色固形物の(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−5−({[ビス(ビニロキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート1.3gを得た。
IR(KBr)cm-1:3403, 1753, 1694, 1244, 1024
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.11(3H,s), 2.15(3H,s), 4.32-4.35(1H,m), 4.47-4.52(2H,m), 4.58-4.64(4H,m), 5.27(2H,dt,J=1.0,10.5Hz), 5.37-5.44(4H,m), 5.90-6.00(2H,m), 6.28(1H,d,J=4.0Hz), 6.32(1H,brs), 7.99(1H,d,J=6.0Hz), 9.02(1H,brs)
実施例I−20
(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−5−({[ビス(ビニロキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート0.23gをメタノール4.0mLに溶解させ、氷冷下、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.17gを添加し、5分間撹拌した。酢酸0.15mLを加え、減圧下に溶媒を留去した。(2R,3R,4R,5R)−4−(アセチロキシ)−2−[3−(アミノカルボニル]−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−5−({[ビス(ビニロキシ)ホスホリル]オキシ}メチル)テトラヒドロ−3−フラニル アセテート1.0gを用い、同様に反応を行ったものと合わせ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=40:1]で精製し、黄色固形物の{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジビニル ホスフェート0.35gを得た。
IR(KBr)cm-1:3417, 1684,, 1264, 1025, 1000
1H-NMR(DMSO-d6,D2O)δ値: 3.1-4.7(10H,m), 5.1-5.5(4H,m), 5.7-6.2(2H,m), 7.94(1H,d,J=6.0Hz)
実施例I−21
{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジビニル ホスフェート0.82gを窒素気流下、メタノール8.2mLおよびテトラヒドロフラン8.2mLの混合液に溶解させ、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.11gおよびトリフェニルホスフィン0.28gを順次加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に、水冷下、ギ酸0.68mLのテトラヒドロフラン1.9mL溶液とn−ブチルアミン0.25mLのテトラヒドロフラン8.2mL溶液を順次加え、30〜35℃で1時間、40〜45℃で2時間撹拌した。反応混合物を水10mLで希釈し、減圧下に有機溶媒を留去した。得られた水溶液をクロロホルム20mLで洗浄し、洗浄液を水30mLで抽出した。すべての水層を合わせ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;水]で精製し、黄色固形物の{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン ホスフェートのn−ブチルアミン塩0.29gを得た。
IR(KBr)cm-1:3382, 1685, 1183, 1110
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 0.75-0.90(3H,m), 1.25-1.40(2H,m), 1.45-1.70(2H,m), 2.70-2.80(2H,m), 3.3-4.7(9H,m), 5.33(1H,d,J=10Hz), 5.42(1H,d,J=17Hz), 5.90(2H,brs), 7.95(1H,brs), 8.34(1H,d,J=5.0Hz), 8.63(1H,brs)
実施例I−22
{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン ホスフェートのn−ブチルアミン塩0.21gをアセトニトリル4.2mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド8.4mLの混合液に懸濁させ、N,N−カルボニルジイミダゾール0.15gを加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に、メタノール19μLを加え、30分間撹拌した。反応混合物にトリn−ブチルアンモニウムピロホスフェート0.86gのN,N−ジメチルホルムアミド2.0mL溶液を加え、さらに14時間撹拌した。減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をイオン交換カラムクロマトグラフィー[溶離液;0.10mol/L炭酸水素トリエチルアンモニウム溶液]、逆相カラムクロマトグラフィー[溶離液;水]で順次精製した。得られた固形物にメタノール0.90mLを加え、過塩素酸ナトリウム0.17gのアセトン4.5mL溶液を添加した。沈殿物を遠心分離後、アセトンで洗浄し、淡黄色固形物の{(2R,3S,4R,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−5−フルオロ−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]−3,4−ジヒドロキシテトラヒドロ−2−フラニル}メチル ジヒドロゲン トリホスフェートのナトリウム塩60mgを得た。
IR(KBr)cm-1:3422, 1686, 1252, 1108
1H-NMR(D2O)δ値: 4.3-4.5(5H,m), 6.09(1H,s), 8.41(1H,d,J=5.1Hz)
実施例I−23
実施例I−1と同様にしてWO93/10137号に準じて調製した(2R,3S,4S)−5−(アセチロキシ)−2−[(ベンゾイロキシ)メチル]―4―フルオロテトラヒドロ−3−フラニル ベンゾエートから(2R,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]4−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−フルオロテトラヒドロ−3−フラニル ベンゾエートを得た。
IR(KBr)cm-1:3422, 1718, 1685
1H-NMR(CDCl3)δ値:4.1-6.2(6H,m), 7.3-8.2(12H,m), 8.1-8.3(1H,m), 8.8-9.1(2H,m)
実施例I−24
実施例I−6と同様にして(2R,3S,4S,5R)−5−[3−(アミノカルボニル)−2−オキソ−1(2H)−ピラジニル]4−2−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−フルオロテトラヒドロ−3−フラニル ベンゾエートから4−[(2R,3S,4S,5R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2−フラニル]−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキサミドを得た。
IR(KBr)cm-1:3376, 1684, 1654
1H-NMR(CDCl3,CD3OD)δ値: 3.7-4.4(4H,m), 4.96(1H,dd,J=4.0,52Hz), 6.22(1H,d,J=16Hz), 7.76(1H,d,J=4.0Hz), 8.42(1H,d,J=4.0Hz),
参考例II−1
メチル 3−アミノ−6−クロロ−2−ピラジンカルボキシレート8.0gを12mol/L塩酸14mLおよびテトラヒドロフラン14mLに懸濁させ、5〜12℃で亜硝酸ナトリウム5.9gを加えた後、氷冷下で50分間撹拌した。ついで、塩化銅(I)8.4gの6mol/L塩酸懸濁液を加え、同温度で10分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル100mLおよび水100mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水50mLおよび飽和食塩水50mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=6:1]で精製し、無色油状物のメチル 3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボキシレート6.0gを得た。
IR(neat)cm-1:1747
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.04(3H,s), 8.54(1H,s)
参考例II−2
メチル 3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボキシレート2.0gをメタノール10mL溶液に溶解させ、氷冷下で1mol/L水酸化ナトリウム水溶液10.2mLを加えて室温で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル200mLおよび水200mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水50mLおよび飽和食塩水50mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をへキサンで洗浄し、白色固形物の3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボン酸1.6gを得た。
IR(KBr)cm-1:1718
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 2.50(1H,s), 8.84(1H,s)
参考例II−3
97%硫酸1.2Lに氷冷下で溶液を10℃〜25℃に保ちながら、3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド208.0gを加えて溶解させた。得られた溶液に30℃〜35℃で硝酸カリウム185.0gを加え、室温で15時間、さらに40℃で2時間撹拌した。反応混合物を20℃まで冷却した後、氷水6L中に注ぎ、室温で1時間撹拌した後、析出物を濾取し、水500mLで2回洗浄した。得られた固形物を水1Lに懸濁させ、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH1.5に調整した後、濾取した。水500mLおよびアセトン500mLで順次洗浄後、固形物の3−ヒドロキシ−6−ニトロ−2−ピラジンカルボキサミド180.0gを得た。
IR(KBr)cm-1:1707, 1685, 1654
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 5.60(1H,brs), 8.10(1H,brs), 8.35(1H,brs), 8.96(1H,s)
参考例II−4
3−ヒドロキシ−6−ニトロ−2−ピラジンカルボキサミド88.7gをオキシ塩化リン400mLに55〜60℃で加えた。15分間、同温度で反応後、40〜60℃でピリジン150mLを滴下した。反応混合物を60℃で1時間、80℃で1時間、さらに100℃で4時間攪拌した後、トルエン600mLを加え、室温に戻した。析出した残渣を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮乾固した。得られた残留物にトルエン500mLおよび水1Lを順次加え、40℃で30分間攪拌した後、有機層を分取した。得られた有機層を水500mLで2回、飽和食塩水200mLで1回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:トルエン=1:1]で精製し、固形物の3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル64.5gを得た。
IR(KBr)cm-1:2236, 2252
1H-NMR(CDCl3)δ値: 8.60(1H,s)
参考例II−5
3−ヒドロキシ−6−ニトロ−2−ピラジンカルボキサミド80.0gおよび水酸化ナトリウム47.5gを水1.19Lに溶解させ、1.5時間加熱還流した。ついで、40℃でエタノール400mLを加えて30分間撹拌し、さらに30℃でエタノール400mLを加えて30分間撹拌した。20℃でさらにエタノール400mLを加えた後、10℃まで冷却し、析出物を濾取した。得られた析出物をエタノール160mLで洗浄した後、40℃で15時間乾燥させ、固形物78.8gを得た。この固形物78.5gのメタノール1.5L懸濁液に、乾燥塩化水素ガスを1時間導入し、飽和させた後、1時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、析出した塩を濾去した後、反応混合物を減圧下で濃縮乾固した。得られた残留物にエタノール500mLを加え、減圧下で濃縮乾固した後、さらにイソプロピルアルコール250mLで洗浄し、固形物のメチル 6−ニトロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート48.8gを得た。
IR(KBr)cm-1:1736
1H-NMR(CDCl3)δ値: 2.45(1H,brs), 3.87(3H,s), 8.98(1H,s)
参考例II−6
メチル 6−ニトロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート48.7gをジオキサン2.0Lに懸濁させ、N−エチルジイソプロピルアミン42.4mLおよびメタノール9.9mLを順次加えた。ついで、2.0mol/Lトリメチルシリルジアゾメタンのヘキサン溶液122mLを室温で加え、同温度で15時間撹拌し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチル500mLおよび水250mLの混合液を加え、6mol/L塩酸を用いてpH1.5に調整し、有機層を分取した。残った水層を酢酸エチル200mLで2回抽出した。得られた有機層を合わせて水200mLおよび飽和食塩水200mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、固形物のメチル 3−メトキシ−6−ニトロ−2−ピラジンカルボキシレート24.3gを得た。
IR(KBr)cm-1:1729
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 4.03(3H,s), 4.22(3H,s), 9.25(1H,s)
参考例II−7
メチル 3−メトキシ−6−ニトロ−2−ピラジンカルボキシレート24.3g、酢酸480mLおよび鉛被毒化パラジウム−炭酸カルシウム1.2gを混合させ、この混合物に吸収しなくなるまで室温、1気圧で水素ガスを導入した。反応混合物から不溶物を濾去した後、減圧下に溶媒を留去し、得られた固形物を酢酸エチルおよびジエチルエーテルで洗浄し、固形物のメチル 6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート15.0g、さらに濾液を減圧下で留去して得られる固形物を酢酸エチルで洗浄し、固形物のメチル 6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート2.3gを得た。
IR(KBr)cm-1:1717
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.97(3H,s), 3.99(3H,s), 4.38(2H,brs), 7.79(1H,s)
参考例II−8
米国特許第3341540号に記載の方法に準じて合成した3−アミノ−6−ブロモ−2−ピラジンカルボニトリル4.0gをテトラヒドロフラン80mLに溶解させ、氷冷下60%水素化ナトリウム1.2g、ついで塩化ベンゾイル2.8mLを加え、さらに60%水素化ナトリウム0.8gを加えた後、氷冷下で1時間、ついで、室温で30分間撹拌した。60%水素化ナトリウム0.4gを追加し、室温で30分間撹拌後、氷冷した反応混合物を酢酸エチル50mLおよび水100mLの混合液に加え、6mol/L塩酸でpH5に調整した。析出物を濾取し、得られた残留物を酢酸エチル50mLおよびテトラヒドロフラン100mLの混合液に溶解させ、活性炭処理後、ろ過し、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、淡黄色固形物のN−(5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニル)ベンズアミド1.7gを得た。また、先の濾液の有機層を分取し、水および飽和食塩水で順次洗浄後、活性炭処理を行い、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、黄色固形物のN−(5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニル)ベンズアミド2.9gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2238, 1667
1H-NMR(CDCl3)δ値: 7.41-7.64(3H,m), 8.04-8.15(2H,m), 8.76(1H,s), 11.31(1H,brs)
参考例II−9
3−アミノ−6−ブロモ−2−ピラジンカルボニトリル0.50gをテトラヒドロフラン10mLに溶解させ、60%水素化ナトリウム0.15gを加え、室温で15分間撹拌した。二炭酸ジ−t−ブチル0.7mL、60%水素化ナトリウム0.10gを順次加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水60mLの混合液に加え、2mol/L塩酸でpH5に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、白色固形物のt−ブチル 5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニルカルバメート0.30gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2239, 1708
1H-NMR(CDCl3+DMSO-d6)δ値: 1.57(9H,s), 7.41(1H,brs), 8.62(1H,s)
参考例II−10
3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをジメチルホルムアミド10mLに溶解させ、ハイドロキノン0.7gおよび炭酸カリウム1.74gを加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル10mLおよび水30mLの混合液に加え、2mol/L塩酸でpH7に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、黄色固形物の6−クロロ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル1.0gを得た。
IR(KBr)cm-1: 3384, 2250
1H-NMR(CDCl3)δ値: 6.82-7.05(4H,m), 8.27(1H,s), 8.88(1H,s)
参考例II−11
3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル1.5gをジメチルホルムアミド15mLに溶解させ、4−メトキシフェノール1.2gおよび炭酸カリウム1.8gを加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル20mLおよび水60mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、黄色固形物の6−クロロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル2.1gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2236
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.83(3H,s), 6.95(2H,d,J=9.2Hz), 7.11(2H,d,J=9.2Hz), 8.26(1H,s)
参考例II−12
3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル2.5gをジメチルホルムアミド25mLに溶解させ、4−(ベンジルオキシ)フェノール3.2gおよび炭酸カリウム3.0gを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル25mLおよび水100mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加え、不溶物を濾去後、濾液を濃縮した。得られた残留物をn−ヘキサンで洗浄し、淡褐色固形物の3−[(4−(ベンジルオキシ)フェノキシ)]−6−クロロ−2−ピラジンカルボニトリル3.84gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2238
1H-NMR(CDCl3)δ値: 5.12(2H,s), 7.03-7.48(9H,m), 8.65(1H,s)
参考例II−13
6−クロロ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル0.4gをジメチルホルムアミド8mLに溶解させ、ヨードメタン0.5mLおよび炭酸カリウム0.89gを加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル10mLおよび水30mLの混合液に加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄褐色固形物の6−クロロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル0.43gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2236
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.83(3H,s), 6.95(2H,d,J=9.2Hz), 7.11(2H,d,J=9.2Hz), 8.26(1H,s)
参考例II−14
3−アミノ−6−ブロモ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをジメチルホルムアミドジメチルアセタール5mLに溶解させ、3時間加熱還流した。反応混合物を室温に戻し、n−ヘキサン5mLおよびジイソプロピルエーテル5mLの混合液を加え、室温で10分間撹拌した。析出物を濾取し、n−ヘキサン5mLおよびジイソプロピルエーテル5mLの混合液で洗浄し、黄褐色固形物のN'−(5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニル)−N,N−ジメチルイミノホルムアミド1.0gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2234
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.21(6H,s), 8.32(1H,s), 8.60(1H,s)
参考例II−15
3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル10.0gをN,N−ジメチルホルムアミド50mLに溶解させ、チオフェノール6.49mLおよび炭酸カリウム11.91gを順次加え、40℃で3時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル100mLおよび水100mLの混合液に注ぎ、6mol/L塩酸でpH2に調整した。有機層を分取し、得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:n−へキサン=1:3]で精製し、淡黄色油状物の6−クロロ−3−(フェニルスルファニル)−2−ピラジンカルボニトリル3.80gを得た。
IR(neat)cm-1:2238
1H-NMR(CDCl3)δ値:7.00-7.70(5H,m), 8.39(1H,s).
実施例II−1
(a)メチル 3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボキシレート2.0gをアセトニトリル20mL溶液に溶解させ、フッ化カリウム2.8gおよび18−クラウン−6−エーテル0.51gを加え、窒素雰囲気下で9.5時間加熱還流した。冷却後、減圧下に溶媒を留去し、得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=15:1]で精製し、無色油状物のメチル 3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキシレート1.1gを得た。
IR(neat)cm-1:1743
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.05(3H,s), 8.28(1H,dd,J=1.6Hz,8.4Hz)
(b)3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボン酸0.2gを塩化メチレン2.0mLに懸濁させ、氷冷下でN,N−ジメチルホルムアミド0.001mLおよび塩化オキサリル0.14mLを順次加え、室温で40分間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、アセトニトリル3.0mLに溶解させ、フッ化カリウム0.3gおよび18−クラウン−6−エーテル0.056gを加え、窒素雰囲気下、60℃で2.5時間攪拌した。反応混合物をメタノール3.0mL中に注ぎ、不溶物を濾去した後、減圧下で濃縮乾固した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=9:1]で精製し、無色油状物のメチル 3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキシレート0.15gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−1(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−2
メチル 3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキシレート0.3gをN,N−ジメチルホルムアミド3.0mLに溶解させ、氷冷下で酢酸ナトリウム0.16gを加えた後、50℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル50mLおよび水30mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。残った水層を酢酸エチル25mLで3回抽出した。有機層を合わせ、水15mLおよび飽和食塩水15mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=1:2]で精製し、無色固形物のメチル 6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.03gを得た。
IR(KBr)cm-1:1677
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.09(3H,s), 8.35(1H,d,J=8.3Hz), 11.1(1H,brs)
実施例II−3
(a)3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル90.1gをジメチルスルホキシド1.1Lに懸濁させ、フッ化カリウム180.5gおよびテトラn−ブチルアンモニウムブロマイド66.8gを加え、50〜55℃で6時間攪拌した。反応混合物を室温に戻した後、酢酸エチル1.1Lおよび水2.2Lの混合液に加え、有機層を分取した。得られた有機層に水1Lを加え、1mol/L塩酸でpH2.5に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、無色固形物の3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル58.3gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2250
1H-NMR(CDCl3)δ値: 8.34(1H,dd,J=1.3,7.9Hz)
(b)6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−2−ピラジンカルボニトリル0.40gをジメチルスルホキシド4mLに溶解させ、フッ化カリウム0.44gおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.10gを順次加え、60℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル20mLおよび水20mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=20:1]で精製し、無色固形物の3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.06gを得た。
実施例II−4
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル57.3gを12mol/L塩酸570mLおよびテトラヒドロフラン57mLに懸濁させ、30〜35℃で6.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、エタノール100mLを加え、減圧下に溶媒および塩酸を留去した。得られた残留物をエタノールとジイソプロピルエーテルで洗浄し、無色固形物の3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキサミド53.7gを得た。
IR(KBr)cm-1:1708, 1692
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:8.00(1H,brs), 8.25(1H,brs), 8.57(1H,dd,J=1.7,8.1Hz)
実施例II−5
(a)3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをN,N−ジメチルホルムアミド10mLに溶解させ、氷冷下で酢酸ナトリウム0.64gを加え、6時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル20mLおよび水20mLの混合液に加えた後、6mol/L塩酸でpH1.5に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1]で精製し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル0.45gを得た。
IR(KBr)cm-1:2238, 1655
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 8.52(1H,d,J=7.6Hz), 12.70(1H,brs)
(b)3−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをトルエン10mLに溶解させ、氷冷下で塩化アルミニウム0.64gを加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物に水10mLを加え、水層を分取し、有機層を水2mLで2回抽出した。合わせた水層を酢酸エチル5mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル0.51gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−5(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(c)3−(アリルオキシ)−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをトルエン5mLに溶解させ、塩化アルミニウム0.82gを加え、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物に水5mLを加え、水層を分取し、有機層を水3mLおよび2mLで抽出した。合わせた水層をトルエン5mLで洗浄後、酢酸エチル15mLで抽出した。得られた有機層を水3mLで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル0.45gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−5(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(d)6−フルオロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをアセトニトリル30mLおよび水20mLの混合物に溶解させ、硝酸二アンモニウムセリウム11.2gを加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温に戻した後、トルエン50mL、水50mLおよび5%チオ硫酸ナトリウム水溶液10mLの混合液を加え、水層を分取した。得られた水層に酢酸エチル50mLを加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、活性炭処理、ついで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリルを得た。
(e)3−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gをアセトニトリル30mLおよび水15mLの混合物に溶解させ、硝酸二アンモニウムセリウム8.5gを加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温に戻した後、酢酸エチル50mL、水5mLおよび5%チオ硫酸ナトリウム水溶液5mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、活性炭処理、ついで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリルを得た。
(f)6−フルオロ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル0.45gをアセトニトリル7.5mLおよび水3mLの混合物に溶解させ、室温で硝酸二アンモニウムセリウム1.17gを加え、同温で15分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル10mLおよび5%チオ硫酸ナトリウム水溶液5mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、活性炭処理、ついで、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリルを得た。
(g)6−フルオロ−3−[(2−メチル−3−オキソ−1−シクロペンテン−1−イル)オキシ]−2−ピラジンカルボニトリル0.5gを6mol/L塩酸5mLおよびジオキサン1mLの混合液に懸濁させ、50℃で15分間撹拌した。酢酸エチル10mLを室温に戻した反応混合物に加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル0.25gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−5(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−6
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.20gをN,N−ジメチルホルムアミド2.0mLに溶解させ、5℃でアジ化ナトリウム0.11gを添加し、同温度で10分間攪拌した。反応混合物をエーテル20mLおよび水20mLの混合液に加え、有機層を分取した。得られた有機層を水20mLおよび飽和食塩水20mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去し、黄色油状物の3−アジド−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.25gを得た。
IR(neat)cm-1:2140
1H-NMR(CDCl3)δ値: 8.40(1H,d,J=8.2Hz)
実施例II−7
(a)3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.0gを25%アンモニア水1.5mLおよびジオキサン500mLに溶解させ、室温で6時間攪拌した。ついで、反応混合物に水20mLを加え、氷冷下で20分間撹拌した。析出物を濾取し、冷水5mLおよびエタノール5mLで順次洗浄し、淡黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.84gを得た。
IR(KBr)cm-1:3405, 2230
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 7.34(2H,brs), 8.42(1H,d,J=7.8Hz)
(b)3−アジド−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.24gをメタノール5.0mLに溶解させ、室温で鉛被毒化パラジウム−炭酸カルシウム0.075gを加えた後、吸収しなくなるまで室温、1気圧で水素ガスを導入した。反応混合物から不溶物を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム]で精製し、黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.078gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−7(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(c)t−ブチル 5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニルカルバメート0.35gをジメチルスルホキシド10.5mLに溶解させ、フッ化カリウム0.17gを加え、70℃で30分間、90℃で30分間撹拌し、反応系内でt−ブチル 3−シアノ−5−フルオロ−2−ピラジニルカルバメートとした後、フッ化カリウム0.17gを加え、90℃で40分間撹拌した。反応混合物を室温に戻し、酢酸エチル30mLおよび水60mLの混合液に加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル20mgを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−7(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(d)N'−(3−シアノ−5−フルオロ−2−ピラジニル)−N,N−ジメチルイミノホルムアミド60mgを6mol/L塩酸2mLに懸濁させ、80〜90℃で5.5時間撹拌した。反応混合物を室温に戻し、水5mLを加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整した。酢酸エチル5mLを加え、有機層を分取し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル20mgを得た。
(e)3−アミノ−2−ピラジンカルボニトリル0.3gをアセトニトリル15mLに溶解させ、氷冷下で10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで20分間導入した。ついで、氷冷から室温に昇温させながら、窒素を1時間導入した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.01gを得た。
実施例II−8
(a)メチル 6−アミノ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート17.3gを氷冷下で70%フッ化水素ピリジン140mLに溶解させ、亜硝酸ナトリウム7.8gを−50℃で3回に分割して添加した。発泡が収まった後、徐々に昇温し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を氷300mLおよびクロロホルム200mLの混合液に注ぎ、析出物を濾去した後、有機層を分取した。残った水層をクロロホルムで10回抽出した(総液量500mL)。得られた有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpH7に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1]で精製し、固形物のメチル 6−フルオロ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート14.3gを得た。
IR(KBr)cm-1:1734
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.98(3H,s), 4.08(3H,s), 8.17(1H,d,J=8.5Hz)
(b)メチル 3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキシレート0.2gをメタノール4mLに溶解させ、−25℃で28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液を添加し、0℃で10分間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水30mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水15mLおよび飽和食塩水15mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、無色固形物のメチル 6−フルオロ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボキシレート0.09gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−8(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−9
メチル 6−クロロ−3−ニトロ−2−ピラジンカルボキシレート0.1gをアセトニトリル2.0mLに溶解させ、フッ化カリウム40mgおよび18−クラウン−6−エーテル61mgを順次加え、室温で1.5時間撹拌した。ついで、酢酸エチル10mLおよび水10mLの混合液を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=7:1]で精製し、淡黄色油状物のメチル 6−フルオロ−3−ニトロ−2−ピラジンカルボキシレート0.03gを得た。
IR(KBr)cm-1:1752, 1560
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.06(3H,s), 8.50(1H,d,J=8.3Hz)
実施例II−10
(a)メチル 6−フルオロ−3−ニトロ−2−ピラジンカルボキシレート20mgを酢酸1.0mLに溶解させ、鉛被毒化パラジウム−炭酸カルシウム6mgを加えた後、吸収しなくなるまで室温、1気圧で水素ガスを導入した。反応混合物から不溶物を濾去した後、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、淡黄色固形物のメチル 3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキシレート2mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1700
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.98(3H,s), 6.29(2H,brs), 8.15(1H,d,J=8.3Hz)
(b)メチル 3−アミノ−2−ピラジンカルボキシレート0.5gを酢酸10mLに溶解させ、室温にて10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分23mLで32分間導入した。さらに室温にて30分間撹拌した後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLおよび酢酸エチル50mLの混合液に添加し、有機層を分取した。得られた有機層を水10mLおよび飽和食塩水10mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、淡黄色固形物のメチル 3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキシレート0.01gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−10(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−11
(a)メチル 3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキシレート10mgをメタノール1mLに溶解させ、室温で25%アンモニア水1mLを添加し、4.5時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去した後、得られた残留物にジエチルエーテルを加え、沈殿物を濾取し、淡黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド4mgを得た。
IR(KBr)cm-1:1685
1H-NMR(CDCl3+CD3OD)δ値: 3.85(4H,brs), 8.10(1H,d,J=7.3Hz)
(b)3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボン酸0.2gを塩化メチレン2.0mLに懸濁させ、氷冷下でN,N−ジメチルホルムアミド0.001mLおよび塩化オキサリル0.14mLを順次加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、アセトニトリル3.0mLに溶解させ、フッ化カリウム0.35gおよび18−クラウン−6−エーテル0.054gを加え、60℃で3時間攪拌した。ついで、反応混合物に室温で25%アンモニア水3.0mLを加え、50℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル30mLおよび水30mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水15mLおよび飽和食塩水15mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。析出物をジエチルエーテルで洗浄し、黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド0.12gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−11(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(c)3−アミノ−2−ピラジンカルボキサミド0.3gをトリフルオロ酢酸9mLに溶解させ、氷冷下で10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで22分間導入した。さらに氷冷下で17分間撹拌した後、室温まで昇温させた。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mLおよび酢酸エチル30mLの混合液に添加し、有機層を分取した。残った水層は、6mol/L塩酸で酸性にした後、酢酸エチル20mLで抽出した。得られた有機層を合わせ、水10mLおよび飽和食塩水10mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、淡黄色固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド0.015gを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−11(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
(d)3−アミノ−2−ピラジンカルボキサミド100mgをトリフルオロ酢酸5mLに溶解させ、氷冷下で10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで36分間導入した。ついで、氷冷から室温に昇温させながら、窒素を1時間導入した。反応混合物を減圧下で濃縮し、油状物305mgを得た。得られた油状物のうち251mgを水9.3mLに溶解させ、4時間加熱還流した。反応液を室温に冷却した後、析出した沈殿物を濾別した。濾液を減圧下で濃縮後、得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、固形物の3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド9mgを得た。
本化合物の物性値は、実施例II−11(a)で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−12
3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド1.0gを水200mLに懸濁させ、室温にて10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで25分間導入した。ついで、窒素を45分間導入した後、反応液を炭酸カルシウムで中和し、析出した沈殿物を濾別した。濾液を減圧下で濃縮後、得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、白色固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド0.008gを得た。
本化合物の物性値は、製造例1で得られた化合物の物性値と一致した。
実施例II−13
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.5gをトルエン5mLに溶解させ、ベンジルアルコール0.41mLおよびトリエチルアミン0.74mLを順次加え、80℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、白色固形物の3−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.58gを得た。
IR(KBr)cm-1:2236
1H-NMR(CDCl3)δ値:5.53(2H,s), 7.3-7.6(5H,m), 8.20(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−14
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル10.0gをジメチルスルホキシド30mLに溶解させ、アリルアルコール50mLおよびトリエチルアミン14.8mLを順次加え、60℃で40分間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、トルエン50mLおよび水50mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水50mLで10回および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、淡黄色油状物の3−(アリルオキシ)−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル11.5gを得た。
IR(neat)cm-1:2238
1H-NMR(CDCl3)δ値:4.98(2H,d,J=5.6Hz), 5.33(1H,dd,J=1.5,7.1Hz), 5.48(1H,dd,J=1.5,13.9Hz), 5.9-6.2(1H,m), 8.20(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−15
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル2.5gをメタノール25mLに溶解させ、5℃〜15℃で28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液2.4gを滴下し、氷冷下で2時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル50mLおよび水50mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、無色油状物の6−フルオロ−3−メトキシ−2−ピラジンカルボニトリル0.45gを得た。
IR(neat)cm-1:2237
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.12(3H,s), 8.22(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−16
フッ化カリウム(スプレードライ)58gおよび18−クラウン−6−エーテル8.7gをアセトニトリル140mLおよびトルエン280mLの混合液に懸濁させ、窒素雰囲気下で1時間加熱還流後、アセトニトリルおよびトルエンを常圧留去した。得られた残留物をアセトニトリル280mLに懸濁させ、アクタ・ポローニア・ファルマシューティカ(Acta Poloniae Pharmaceutica)、第33巻、第153〜161頁(1976年)に記載の方法に準じて合成した6−クロロ−2−ピラジンカルボニトリル23gを加え、窒素雰囲気下で1時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル280mLおよび水280mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、白色固形物の6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル10gを得た。
IR(KBr)cm-1:2244
1H-NMR(CDCl3)δ値:8.72(1H,d,J=8.1Hz), 8.88(1H,d,J=3.7Hz)
実施例II−17
6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.6gを濃塩酸10mLに溶解させ、40℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却後、酢酸エチル25mLおよび水10mLの混合液を加え、有機層を分取した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=1:1]で精製し、淡褐色固形物の6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド0.75gを得た。
IR(KBr)cm-1:1713
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 7.90(1H,brs), 8.22(1H,brs), 8.92(1H,d,J=8.0), 9.14(1H,d,J=4.4)
実施例II−18
(a)6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド0.50gをトリフルオロ酢酸1.5mLに溶解させ、30%過酸化水素0.40mLを加え、50℃〜60℃で1時間攪拌した。反応混合物を5℃まで冷却した後、イソプロピルアルコール5mLを加えた。析出物を濾取後、イソプロピルアルコール5mLおよびジエチルエーテル5mLで洗浄し、白色固形物の3−(アミノカルボニル)−5−フルオロピラジン−1−イウム−1−オレート0.35gを得た。
IR(KBr)cm-1:1708
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 8.03(1H,brs), 8.25(1H,brs), 8.53(1H,brs), 8.70(1H,dd,J=1.2,3.9Hz)
(b)3−(アミノカルボニル)−5−フルオロピラジン−1−イウム−1−オレート0.39gをオキシ塩化リン1.95mLに懸濁させ、100℃で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮乾固した後、酢酸エチル20mLに懸濁させ、氷水20mLに注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層に水20mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調整し、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:n−へキサン=3:1]で精製し、油状物の3−クロロ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリルを得た。
(c)3−クロロ−2−ピラジンカルボニトリル0.3gをアセトニトリル15mLに溶解させ、氷冷下で10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで20分間導入した。ついで、氷冷から室温に昇温させながら、窒素を1時間導入した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、無色油状物の3−クロロ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.12gを得た。
IR(KBr)cm-1:2232
1H-NMR(CDCl3)δ値: 8.50(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−19
N'−(5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニル)−N,N−ジメチルイミノホルムアミド1.30gをジメチルスルホキシド26mLに溶解させ、フッ化カリウム2.97gを加え、145〜150℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温した後、酢酸エチル30mLおよび水100mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=5:1]で精製し、黄色固形物のN'−(3−シアノ−5−フルオロ−2−ピラジニル)−N,N−ジメチルイミノホルムアミド0.75gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2230
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.19(6H,s), 8.18(1H,d,J=8.1Hz), 8.54(1H,s)
実施例II−20
N−(5−ブロモ−3−シアノ−2−ピラジニル)ベンズアミド4.3gをジメチルスルホキシド86mLに溶解させ、フッ化カリウム8.3gを加え、110〜115℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に戻した後、酢酸エチル100mLおよび水200mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、活性炭処理後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=5:1]で精製し、白色固形物のN−(3−シアノ−5−フルオロ−2−ピラジニル)ベンズアミド0.47gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2238, 1670
1H-NMR(CDCl3)δ値: 7.48-7.80(3H,m), 8.03-8.21(2H,m), 9.01(1H,d,J=8.1Hz), 11.67(1H,s)
実施例II−21
6−クロロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル1.95gをジメチルスルホキシド39mLに溶解させ、フッ化カリウム2.16gを加え、100〜110℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に戻した後、酢酸エチル40mLおよび水200mLの混合液を加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1]で精製し、黄色固形物の6−フルオロ−3−(4−メトキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル1.45gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2238
1H-NMR(CDCl3)δ値: 3.83(3H,s), 6.95(2H,d,J=9.2Hz), 7.12(2H,d,J=9.2Hz), 8.15(1H,d,J=8.4Hz)
実施例II−22
3−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−6−クロロ−2−ピラジンカルボニトリル3.50gをジメチルスルホキシド70mLに溶解させ、フッ化カリウム3.01gを加え、100〜110℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温にした後、酢酸エチル70mLおよび水350mLの混合液に加え、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:酢酸エチル=5:1]で精製し、白色固形物の3−[4−(ベンジルオキシ)フェノキシ]−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル1.88gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2237
1H-NMR(CDCl3)δ値: 5.07(2H,s), 6.95-7.40(9H,m), 8.13(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−23
メチル 3−クロロ−2−ピラジンカルボキシレート0.3gをアセトニトリル15mLに溶解させ、氷冷下で10%フッ素ガス(窒素希釈品)を毎分45mLで18分間導入した。ついで、氷冷から室温に昇温させながら、窒素を1時間導入し、反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1]で精製し、無色油状物のメチル 3−クロロ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキシレート0.03gを得た。
IR(neat)cm-1:1736
1H-NMR(CDCl3)δ値: 4.04(3H,s), 8.43(1H,d,J=8.3Hz)
実施例II−24
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボニトリル3.0gをジメチルホルムアミド30mLに溶解させ、氷冷下でヒドロキノン2.6gついで炭酸カリウム6.5gを加え、室温で15分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチル30mLおよび水60mLの混合液を加え、6mol/L塩酸でpH5に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1]で精製し、黄色固形物の6−フルオロ−3−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2−ピラジンカルボニトリル0.75gを得た。
IR(KBr)cm-1: 3398, 2237
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 6.82(2H,d,J=9.2Hz), 7.05(2H,d,J=9.2Hz), 7.40(1H,s), 8.68(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−25
6−クロロ−3−(フェニルスルファニル)−2−ピラジンカルボニトリル0.20gをジメチルスルホキシド3.6mLに溶解させ、フッ化カリウム0.42gおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.16gを順次加え、50〜60℃で2.5時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル20mLおよび水20mLの混合液に注ぎ、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;トルエン:n−へキサン=1:2]で精製し、淡黄色油状物の6−フルオロ−3−(フェニルスルファニル)−2−ピラジンカルボニトリル0.10gを得た。
IR(neat)cm-1:2233
1H-NMR(CDCl3)δ値:7.10-7.70(5H,m), 8.34(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−26
6−フルオロ−3−(フェニルスルファニル)−2−ピラジンカルボニトリル1.00gを塩化メチレン10mLに溶解させ、氷冷下でm−クロロ過安息香酸1.00gを加え、室温で2時間攪拌した。反応混合物をクロロホルム20mLおよび水20mLの混合液に注ぎ、炭酸カリウムを加えてpH10に調整した。有機層を分取し、得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−へキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、淡黄色油状物の6−フルオロ−3−(フェニルスルフィニル)−2−ピラジンカルボニトリル0.42gを得た。
IR(neat)cm-1:2237
1H-NMR(CDCl3)δ値:7.35-7.75(3H,m), 7.75-8.10(2H,m), 8.68(1H,d,J=8.1Hz)
実施例II−27
6−フルオロ−3−(フェニルスルファニル)−2−ピラジンカルボニトリル1.00gを塩化メチレン20mLに溶解させ、氷冷下でm−クロロ過安息香酸3.70gを加え、室温で4時間攪拌した。反応混合物の不溶物を濾過し、得られた濾液を塩化メチレン50mLおよび水50mLの混合液に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.5に調整した。有機層を分取し、得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた後、濾取し、無色固形物の6−フルオロ−3−(フェニルスルホニル)−2−ピラジンカルボニトリル0.66gを得た。
IR(KBr)cm-1:2243
1H-NMR(CDCl3)δ値: 7.40-7.90(3H,m), 7.95-8.30(2H,m), 8.65(1H,d,J=8.3Hz)
実施例II−28
3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボニトリル0.50gをメタンスルホン酸5.0mLに溶解させ、7〜9℃で亜硝酸ナトリウム0.30gを加えた後、氷冷下で2.0時間撹拌した。10℃以下に保ちながら反応混合物を氷水15mLおよび酢酸エチル15mLの混合液に滴下した後、酢酸エチル10mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をn−ヘキサン100mLおよび酢酸エチル50mLの混合液に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去し、無色油状物の3−シアノ−5−フルオロ−2−ピラジニルメタンスルホネート0.12gを得た。
IR(neat)cm-1:2246
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 3.40(3H, s), 8.95(1H,d,J=7.8Hz)
実施例II−29
3,6−ジクロロ−2−ピラジンカルボニトリル3.0gをジメチルスルホキシド60mLに溶解させ、フッ化カリウム3.0gを加え、90〜100℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に戻し、2−メチル−1,3−シクロペンタンジオン2.1gついでトリエチルアミン7.2mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル50mLおよび水200mLの混合液に加え、有機層を分取した。得られた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1]で精製し、黄色固形物の6−フルオロ−3−[(2−メチル−3−オキソ−1−シクロペンテン−1−イル)オキシ]−2−ピラジンカルボニトリル1.7gを得た。
IR(KBr)cm-1: 2238, 1707, 1676
1H-NMR(CDCl3)δ値: 1.72(3H,t,J=1.8Hz), 2.58-2.68(2H,m), 2.76-2.91(2H,m), 8.29(1H,d,J=8.1Hz)
製造例1
メチル 6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボキシレート0.12gをメタノール3.0mLに溶解させ、氷冷下でアンモニアガスを10分間導入した後、室温で2日間放置した。減圧下に溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチル30mLおよび水30mLの混合液を加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH7.5に調整し、有機層を分取した。残った水層に酢酸エチル30mLを加えた後、1mol/L塩酸を用いてpH1.0に調整し、酢酸エチル15mLで2回抽出し、有機層を得た。得られた有機層を合わせ、水15mLおよび飽和食塩水15mLで順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた固形物をジイソプロピルエーテルで洗浄し、黄色固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド0.015gを得た。
IR(KBr)cm-1:1685, 1671, 1655
1H-NMR(DMSO-d6)δ値: 8.46(1H,brs), 8.50(1H,d,J=7.8Hz), 8.70(1H,brs), 13.39(1H,s)
製造例2
3,6−ジフルオロ−2−ピラジンカルボキサミド0.17gを水3.44mLおよびジオキサン0.5mLに懸濁させ、炭酸水素ナトリウム0.45gを加え、50℃で8.5時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸0.95mLを加え、pH1.0に調整後、析出物を濾取し、固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド89mgを得た。
本化合物の物性値は、製造例1で得られた化合物の物性値と一致した。
製造例3
97%硫酸285mLに氷冷下で5〜12℃を保ちながら3−アミノ−6−フルオロ−2−ピラジンカルボキサミド28.5gを加え、溶解させた。得られた溶液に5〜12℃で亜硝酸ナトリウム18.9gを加えた後、氷冷下で1.5時間撹拌した。10℃以下に保ちながら反応混合物を氷水1.4Lに滴下した後、酢酸エチル850mLで1回、200mLで2回抽出した。得られた有機層を合わせ、水400mLを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液160mLを加え、pH3.0に調整し、有機層を分取した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルの混合液を用いて洗浄し、固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド22.4gを得た。
本化合物の物性値は、製造例1で得られた化合物の物性値と一致した。
製造例4
水冷下、6−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−ピラジンカルボニトリル2.2gを水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム1.27gおよび水24.2mLより調製)に溶解させ、同温度で30%過酸化水素2.75mLを加え、40℃で1.5時間攪拌した。氷冷下で反応混合物に濃硫酸2.77mLを滴下後、10℃まで冷却した。析出晶を濾取後、冷水2mLで洗浄し、淡黄色固形物の6−フルオロ−3−ヒドロキシ−2−ピラジンカルボキサミド2.2gを得た。
本化合物の物性値は、製造例1で得られた化合物の物性値と一致した。
産業上の利用可能性
本発明化合物のピラジン誘導体またはその塩は、優れた抗ウイルス活性を有し、医薬品として有用である。また、一般式[21]の化合物の本発明中間体は、本発明化合物のピラジン誘導体またはその塩の製造中間体として、また、ウイルス感染症、特に、インフルエンザウイルス感染症の予防・治療剤として有用な既知の化合物の製造中間体としても有用である。

Claims (6)

  1. 一般式
    Figure 2009161553

    「式中、R21は、水素原子、メチル基、ハロゲン化メチル基、保護されていてもよいメルカプト基で置換されているメチル基、ホルミル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチル、アミノメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基を;R22は、水素原子、ハロゲン原子、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基、ニトロ基、アジド基または置換されていてもよいフェニルスルファニル、フェニルスルフィニルもしくはフェニルスルホニル基をそれぞれ示す。ただし、R21が、カルバモイル基またはアシル基で置換されているカルバモイル基であり、かつ、R22が、ヒドロキシル基である化合物およびR21が水素原子であり、かつ、R22が、水素原子である化合物を除く。」で表されるフルオロピラジン誘導体またはその塩。
  2. 21が、水素原子、メチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチル、カルバモイルもしくはカルボキシル基である請求項1に記載のフルオロピラジン誘導体またはその塩。
  3. 22が、保護されていてもよいヒドロキシルもしくはアミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基またはアジド基である請求項1または2に記載のフルオロピラジン誘導体またはその塩。
  4. 21が、メチル基、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチルもしくはカルボキシル基である請求項1〜3のいずれか一項に記載のフルオロピラジン誘導体またはその塩。
  5. 21が、ハロゲン化メチル基、ホルミル基、カルバモイル基、ニトリル基、ハロゲン化カルボニル基または保護されていてもよいヒドロキシメチルもしくはカルボキシル基である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフルオロピラジン誘導体またはその塩。
  6. 21が、カルバモイル基、保護されていてもよいカルボキシル基、ニトリル基またはハロゲン化カルボニル基である請求項1〜5のいずれか一項に記載のフルオロピラジン誘導体またはその塩。
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