JP2009137833A - 粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土薄膜 - Google Patents

粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土薄膜 Download PDF

Info

Publication number
JP2009137833A
JP2009137833A JP2008288675A JP2008288675A JP2009137833A JP 2009137833 A JP2009137833 A JP 2009137833A JP 2008288675 A JP2008288675 A JP 2008288675A JP 2008288675 A JP2008288675 A JP 2008288675A JP 2009137833 A JP2009137833 A JP 2009137833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clay
thin film
dispersion
ion
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008288675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5436841B2 (ja
Inventor
Tomohito Inoue
智仁 井上
Katsumi Mogi
克己 茂木
Osamu Tsuda
統 津田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP2008288675A priority Critical patent/JP5436841B2/ja
Publication of JP2009137833A publication Critical patent/JP2009137833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5436841B2 publication Critical patent/JP5436841B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/20Silicates
    • C01B33/36Silicates having base-exchange properties but not having molecular sieve properties
    • C01B33/38Layered base-exchange silicates, e.g. clays, micas or alkali metal silicates of kenyaite or magadiite type
    • C01B33/44Products obtained from layered base-exchange silicates by ion-exchange with organic compounds such as ammonium, phosphonium or sulfonium compounds or by intercalation of organic compounds, e.g. organoclay material
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D1/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on inorganic substances
    • C09D1/02Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on inorganic substances alkali metal silicates
    • C09D1/04Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on inorganic substances alkali metal silicates with organic additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B14/00Use of inorganic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of inorganic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B14/02Granular materials, e.g. microballoons
    • C04B14/04Silica-rich materials; Silicates
    • C04B14/10Clay

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性と耐水性を両立させた粘土薄膜を得ることが可能である粘土分散液、及びその製法、並びに該粘土分散液による粘土薄膜を目的とする。
【解決手段】本発明の粘土分散液は、膨潤性粘土を分散させた水を主成分とする液体に、有機オニウムイオンを投入して該膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、交換された親水性陽イオンを除去し、その水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加することで、有機修飾粘土が分散していることを特徴とする。また、本発明の粘土薄膜は該有機修飾粘土より形成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土薄膜に関する。
スメクタイトに代表される膨潤性粘土は、水中に分散後、静置乾燥させることで、りん片状粒子が層状に配列した粘土薄膜を形成する。フレキシビリティーを有したこの粘土薄膜は、無機物で形成される為、高い耐熱特性を有する。また層状の配列の為、迷路効果を発揮し、高いガスバリア性を持ち、更に基材から剥離してもそれ自身のみで膜として存在できる自立膜として形成されることも可能である。
そこで近年、粘土薄膜は、その耐熱特性やガスバリア性をいかし、ディスプレイや太陽電池のフレキシブルな基板としての利用が注目されている(特許文献1参照)。
しかしながら、膨潤性粘土の表面には、ナトリウムのような親水性の強いイオンが存在する。この為、膨潤性粘土による粘土薄膜は水の浸透が容易であり、耐水性を有していなかった。従って、水に浸漬した場合に溶解し形状を保てない等の理由により、基板材料として用いるのが困難であった。
そこで、膨潤性粘土から得られた粘土薄膜における水の浸透を防ぐために、膨潤性粘土の表面に存在する親水性イオンを有機イオンと交換した有機修飾粘土を用いることが有用であると知られている(特許文献2参照)。
特許第3855003号公報 特開2007−84386号公報
この有機修飾粘土は一般的に、膨潤性粘土の表面にある親水性イオンと有機イオンのイオン交換を行った後、洗浄、乾燥、及び粉砕の工程を経て粉末状粘土を得る方法で製造されている。更に、この有機修飾粘土を用いて粘土薄膜を形成するには、有機修飾粘土を有機溶剤に分散させる必要がある。得られた有機修飾粘土の有機溶剤への分散度合いは、親水性イオンとイオン交換する有機イオンに含まれる炭素量に従って異なり、炭素量が少ないと有機溶剤中での分散が困難となる。しかしながら、有機イオンの炭素量が多いと、膨潤性粘土が持つ耐熱性という特徴を犠牲にせざるを得ないという問題がある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、耐熱性と耐水性を両立させた粘土薄膜を得ることが可能である粘土分散液、及びその製法、並びに該粘土分散液による粘土薄膜を目的とする。
本発明の粘土分散液は、膨潤性粘土を分散させた水を主成分とする液体に、有機オニウムイオンを投入して該膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、交換された親水性陽イオンを除去し、その水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加することで、有機修飾粘土が分散していることを特徴とする。
本発明の粘土分散液は、前記膨潤性粘土が、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、及びスメクタイトからなる群から選ばれた少なくとも1種であると好ましい。
本発明の粘土分散液は、前記極性有機溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリドンの少なくとも1つを含むと好ましい。
本発明の粘土分散液は、前記有機オニウムイオンが四級アンモニウム、四級ホスホニウム、及びイミダゾリウムの少なくとも1つを含むと好ましい。
本発明の粘土分散液は、膜補強機能を付加することが可能な繊維、及び膜柔軟性機能を付加することが可能な流動性物質のうち少なくとも1つを含むと好ましい。
本発明の粘土分散液製造方法は、水を主成分とする液体に膨潤性粘土を分散させる第1工程と、有機オニウムイオンを、膨潤性粘土を分散させた液体に投入し、膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、イオン交換された親水性陽イオンを除去する第2工程と、第2工程で得られた水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加し、水と極性有機溶媒の混合溶媒中に有機修飾粘土を分散する第3の工程を有することを特徴とする。
本発明の粘土薄膜は、前記粘土分散液を、基材へ塗工した後、もしくは容器へ流しこんだ後に、乾燥により該粘土分散液中の極性有機溶媒を揮発させた粘土からなるものである。
本発明の製法によれば、耐熱性と耐水性を両立させた粘土薄膜を得ることが可能である粘土分散液が得られ、更に該粘土分散液による粘土薄膜を得ることができる。
以下、本発明の好ましい例を詳細に説明する。
〔粘土分散液〕
本発明の粘土分散液は以下のようにして得られる。膨潤性粘土を分散させた、水を主成分とする液体に、有機オニウムイオンを投入して該膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得る。この後、交換された親水性陽イオンを除去し、その水分を含んだ状態の有機修飾粘土を、今度は極性有機溶媒に添加することで、有機修飾粘土が分散した分散液を得る事ができる。
本発明の粘土分散液で用いる膨潤性粘土は特に限定されず必要に応じて選択できる。例えば天然または合成物からなる粘土鉱物を挙げることができる。具体的には、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、及びスメクタイト等から選ばれた少なくとも1種であると好ましい。中でも、膨潤性が高く粒子径がナノオーダーで偏平状の形態を示すため自己組織化(self organization)による配向が起こりやすく、また比較的入手が安易である為、ヘクトライト、スチーブンサイト、及びモンモリロナイトを使用するのが特に好ましい。単独で使用しても組み合わせて使用しても良い。
(有機オニウムイオン)
本発明の粘土分散液で用いる有機オニウムイオンは特に限定されず必要に応じて選択できる。例えば、テトラメチルアンモニウム塩やテトラメチルホスホニウム塩、メチル・エチルホスホニウム塩、メチル・エチルイミダゾリウムなどの、比較的分子量が小さく、炭素量の少ない、第4級アンモニウム塩や、第4級ホスホニウム塩やイミダゾリウム塩からなる、イオンを用いると好ましい。
なお、本発明において、有機オニウムイオンの炭素量が少ないとは、プラス電荷を有する原子に、隣接して存在する置換基の炭素量(炭素原子数)が10以下のものをいう。置換基の炭素量は8以下のものがより好ましく、炭素量が6以下のものがさらに好ましく、炭素量が5以下のものが特に好ましい。炭素量は少ない程好ましい。具体的には、置換基として、炭素量が2のエチル基や炭素量が1のメチル基を使用することが好ましい。置換基の炭素量が10以下のものであれば、分子量を小さくすることができる。
ここで、プラス電荷を有する原子に隣接して存在する置換基、を具体的に説明する。
第4級アンモニウム塩の場合、下記式(1)に示すR〜Rにおいて、最も炭素数の多い置換基が、プラス電荷を有する原子に隣接して存在する置換基となる。
第4級ホスホニウム塩の場合、下記式(2)に示すR〜Rにおいて、最も炭素数の多い置換基が、プラス電荷を有する原子に隣接して存在する置換基となる。
イミダゾリウム塩の場合、下記式(3)に示すRおよびR10において、いずれか最も炭素数の多い置換基が、プラス電荷を有する原子に隣接して存在する置換基となる。
なお、下記式(3)はイミダゾリウム塩を表した一例であって、他の化学式によって表すこともできる。
Figure 2009137833
式(1)〜(3)中、R〜R10はアルキル基またはフェニル基を示し、Xはハロゲン元素を示す。
(極性有機溶媒)
本発明で使用する極性有機溶媒は特に限定されず、必要に応じて選択できる。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリドンの少なくとも一つを含む極性有機溶媒であると好ましい。その他、極性溶媒としては、質量比で水と1:1で混合することができるものが好ましい。例えば、アルコール類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどを使用することも好ましい。
〔製法〕
本発明の粘土分散液製造方法は、水を主成分とする液体に膨潤性粘土を分散させる第1工程と、有機オニウムイオンを、膨潤性粘土を分散させた液体に投入し、膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、イオン交換された親水性陽イオンを除去する第2工程と、水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加し、水と極性有機溶媒の混合溶媒中に分散する第3の工程を有することを特徴とする。
(第1工程)
第1工程は、水を主成分とする液体に膨潤性粘土を分散させることを特徴とする。
尚、水を主成分とする液体とは、イオン交換水、蒸留水等の水を、70質量%以上含有する液体である。前記液体は全て水であっても良い。前記液体は水の他に、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、及び/又はアルコール等を必要に応じて含有して良い。上記水の量は、膨潤性粘土100質量部に対して500〜200000質量部であることが好ましく、1000〜100000質量部であることがより好ましい。上記水以外の液体の量は、膨潤性粘土100質量部に対して0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
また、これらの液体に膨潤性粘土を分散させるには、回転式攪拌機、及び振とう式攪拌機等を用いると好ましい。
(第2工程)
第2工程は、有機オニウムイオンを、膨潤性粘土を分散させた液体に投入し、膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、イオン交換された親水性陽イオンを除去することを特徴とする。
本発明で用いる膨潤性粘土は、リン片状の無機化合物粒子が層状に配向する事ができる粘土である。その粒子の表面にはナトリウムに代表される親水性陽イオンが存在する。この陽イオンは、他の陽イオンとイオン交換が可能である。そこで、有機オニウムイオンを用いてイオン交換を行い、有機溶媒への分散が可能な有機修飾粘土とする。
イオン交換の方法は、第1工程で膨潤性粘土を液体に充分に分散させた後、この分散液に有機オニウムイオンを添加し、回転式攪拌機等で分散液が均一となるまで攪拌して有機修飾粘土とする。この時、添加する有機オニウムイオンは、膨潤性粘土イオン交換量の1〜10倍相当量程度であると好ましく、1〜5倍程度であるとより好ましく、1.1〜2倍程度であると特に好ましい。用いる有機オニウムイオンが膨潤性粘土イオン交換量の10倍相当量を越えた場合は、有機物が過剰に粘土薄膜に取り込まれ、形成した粘土薄膜の熱分解特性が悪化しやすい。一方、膨潤性粘土イオン交換量が1倍相当量未満の場合では十分なイオン交換ができずナトリウムイオンが粘土層間に残留し粘土薄膜として加工した際十分な疎水性を得ることができにくい。ここで言うイオン交換量とは乾燥粘土100g中に保持されているすべての交換性陽イオンのミリグラム当量(meq)で表すことができ、硝酸アンモニウム溶液浸出法やメチレンブルー吸着法を用いて測定することができる。なおmeq/100gを、cmol(+)/kgで表すこともできる。
攪拌により生成した有機修飾粘土を自然沈降させ、その後、親水性イオンを含有する上澄み液を除去する。上澄み液を取り除く方法の例としては、遠心分離や吸引濾過等の方法が挙げられる。
上澄み液除去後の有機修飾粘土に、更に、有機修飾粘土100質量部に対して、水を1000〜10000質量部添加し、攪拌し、再び有機修飾粘土を沈降させて上澄み液を取り除く。これを何度か繰り返し、上澄み液中の親水性イオン濃度が100ppm以下、好ましくは1ppm以下となるまで有機修飾粘土の洗浄を行う。洗浄を問題なく行う事ができれば、その他の方法を用いてもよい。このようなデカンテーションの繰返しという方法のほかにも、例えば、吸引濾過もしくは遠心分離を行いながら連続的に洗浄水を注入する連続式洗浄なども可能である。ここで、親水性イオン濃度が100ppmを越えた場合は粘土薄膜として加工した際に、疎水性を得難い。
(第3工程)
第3工程では、第2工程で得られた水分を含んだ状態の有機修飾粘土を、極性有機溶媒に添加し、水と極性有機溶媒の混合溶媒中に有機修飾粘土を分散して、本発明の粘土分散液を得る。
一般的には粘土分散液は以下のような方法で得られている。すなわち、得られた有機修飾粘土の水分を乾燥により完全に除去して固形分とし、該固形分を粉砕して粘土粉末を得る。そして、得られた粘土粉末を有機溶剤に添加し、膨張、すなわち膨潤させ、粘土分散液を得ていた。
このような従来の方法の場合、粘土粉末を有機溶剤中で膨張可能であるものとする為に、イオン交換の際の有機オニウムイオンとして、炭素量の多いイオン、例えばジメリルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩を用いていた。これは、有機オニウムイオンの炭素量を減少させると、溶剤への膨潤が劣り、充分な分散液を得ることができない為である。従って、従来の粘土分散液では耐熱性の低い粘土薄膜しか得られていなかった。
本発明では、上記に示した従来技術で必要とされる乾燥工程を経ずに、粘土分散液を得ることを特徴としている。具体的には本発明では、第2工程で得られた水分を含んだ有機修飾粘土はそのまま極性有機溶媒に添加される。そして、水と極性有機溶媒の混合液中で、有機修飾粘土を膨潤させ、分散して、本発明の粘土分散液を得る。このとき、有機修飾粘土100質量部に対し、極性有機溶媒が50〜10000質量部であると好ましく、500〜1000質量部であると更に好ましい。極性有機溶媒が10000質量部を越えた場合は固形分が少なくなり分散液に粘性が得られず塗膜が困難となりやすい。一方、50質量部未満の場合では有機修飾粘土が十分に分散されず、非常に高粘度となり均一な粘土薄膜の形成が困難となりやすい。
更に、本発明の粘土分散液には、水と極性溶剤の混合溶液中で有機修飾粘土を膨潤させる際に、膜補強機能を付加することが可能な繊維、及び、膜柔軟性機能を付加させることが可能な流動性物質を添加させることが可能である。
膜補強機能とは、粘土分散液によって成形される粘土薄膜に、機械的強度、例えば引張り強度のような性質を付与するものである。好ましい繊維の例を挙げれば、粘土分散液に、炭素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カリ繊維等の無機繊維、及びアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、及びセルロース繊維等の繊維である。これらを粘土の量に対して0.1〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、含有させて分散液を得ると好ましい。繊維は単独で使用しても組み合わせて使用しても良い。
一方、膜柔軟性機能とは、粘土分散液によって成形される粘土薄膜を、フレキシブル性を要求される基材として用いるために、柔軟性を付与するものである。好ましい流動性物質の例を挙げれば、エポキシ系樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、燐酸エステル等の樹脂および流動性物質等である。これらを0.1〜10質量%、好ましくは1〜8質量%、含有させて分散液を得ると好ましい。
これらの補強材、柔軟剤は本発明においては、特に限定されるものではない。
〔粘土薄膜〕
本発明の粘土薄膜は、粘土を主成分とするものであり、粘土分散液を、基材へ塗工した後、もしくは容器へ流しこんだ後に、乾燥により該粘土分散液中の極性有機溶媒を揮発させて得ることが好ましい。
このとき、薄膜形成に用いる基材は、表面が平坦で粘土乾燥温度での変形が無く、乾燥後の粘土薄膜の剥離が容易であれば、特に限定はなく必要に応じて選択できる。中でも、比較的安価で利用しやすい、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として使用すると好ましい。一方、容器としては、フッ素樹脂をコーティングしたものを用いると好ましい。
具体的な形成方法の例を以下に述べる。まず、得られた粘土分散液を、アプリケータ等によって基材に塗布する、又は、容器に流し込む。次に、これら分散液を、熱風循環電気温乾燥機等を用いて乾燥させて、粘土薄膜を得るのが好ましい。なお、塗布する(又は流し込む)粘土分散液の厚さは100〜5000μmであることが好ましい。塗料の固形分濃度により好ましい範囲は異なるが、乾燥後の膜厚が10〜200μmとなる厚さが好適である。乾燥後の厚さが10μm以上のものでは、乾燥後自立膜として使用することが可能であり、10μm未満の場合では機械的強度が低くなり、膜の破損がおこりやすくなる。厚さ上限は求められる特性に応じて選択すればよい。
また、得られた粘土薄膜における有機修飾粘土成分は、70質量%以上であると好ましく、80質量%以上であると更に好ましい。100質量%であってもよい。粘土成分が70質量%未満の場合では耐熱性や低線膨張性、ガスバリア性など粘土本来の持つ特性を損なう可能性がある。
得られた粘土薄膜は、基材から剥離して自立膜とし、液晶や有機ELディスプレイ用のフィルム基板、電子ペーパー用基板、電子デバイス用封止フィルム、レンズフィルム、導光板用フィルム、プリズムフィルム、位相差板・偏光板用フィルム、視野角補正フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、光通信用部材、タッチパネル用フィルム、各種機能性フィルムの基板、内部が透けて見える構造の電子機器用フィルム、ビデオディスク・CD/CD−R/CD−RW/DVD/MO/MD・相変化ディスク・光カードを含む光記録メディア用フィルム、燃料電池用封止フィルム、太陽電池用フィルム等に使用することができる。また透明性を有さない粘土薄膜は、シール材、パッキン材、電子回路用基板、難燃シート、放熱部材等の産業用機器部材に利用することができる。
本発明の粘土薄膜は、基材から剥離して、単独でも自立膜として利用可能である。しかしながら、より高いガスバリア性、耐薬品性、及び表面平滑性などを得るために、粘土薄膜の片面または両面に、無機薄膜または有機薄膜のうち少なくとも一方を、単層または複数層で形成することが好ましい。
粘土薄膜に積層する膜種は特に限定されず、用途により最適なものを選択できる。例えば無機薄膜として酸化珪素(SiO)もしくは酸化窒化珪素をスパッタ法もしくはプラズマCVD法により粘土薄膜に製膜させることにより高いガスバリア性及び耐薬品性を付与することができる。
更には有機薄膜として有機ポリマーを粘土薄膜に塗布することにより表面に平坦性を持たせることができる。またハードコート層を積層して、ハードコート性を付与することもできる。これらの無機及び有機の薄膜を粘土薄膜の表面に積層することにより、粘土薄膜単独では持ち得ない特性を付与することができる。
また、本発明の粘土薄膜を作製する際に、硬化助剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料、レベリング剤等の一般的な添加剤を、粘土分散液中に種々含有させることができる。
本発明では、有機修飾粘土を膨潤し有機溶媒に分散させるにあたり、一般的な製法における乾燥工程を省き、更に有機溶媒として極性有機溶媒を使用したことで、炭素量が少ない有機修飾粘土を、膨潤及び分散させることが可能となった。また、有機修飾粘土を生成するにあたって炭素量が少ない有機オニウムイオンを用いたため、粘土分散液、及びこれによって形成される粘土薄膜の耐水性と耐熱性を両立させることを可能とした。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
各実施例及び比較例の各物性の測定は以下の方法で行った。
〔示差熱熱重量同時分析(DTA−TG分析)〕
商品名:EXSTAR6000ステーション(セイコーインスツメント社製、型番:TG/DTA6200)を用い空気中で、室温から600℃の温度範囲を1分あたり5℃の昇温で、重量変化を測定した。重量変化の変化率(DTG)を温度毎にプロットしその変曲点を分解温度とした。
〔実施例1〕
まず、膨潤性粘土として合成ヘクトライト(コープケミカル社製、商品名:ルーセンタイトSWF、陽イオン交換量(CEC):95meq/100g)5gをイオン交換水500g中に加え、マグネチックスターラーで分散及び膨潤させて分散液とした。
次に、分散液中にメチル・エチルイミダゾリウムブロミド1.25g(有機オニウムイオン量は、上記分散液中の膨潤性粘土の陽イオン交換量の1.5倍であり、炭素量は2である。)を添加し1時間攪拌し、その後、攪拌を停止させ生成した凝集物を沈降させた。沈降後の凝集物の体積は約200ccであり、その上澄み液は透明性を示した。
次に、上澄み液を排水し、凝集物を250ccのポリ容器に移し、遠心分離機(遠心分離条件3000回転10分)により、更に水分を分離させた。
分離された上澄み液を除去した後、全体量が250ccとなるようにイオン交換水を加え、凝集物とイオン交換水を攪拌した。攪拌後に再び遠心分離機により同条件で固液分離を行い、水分を分離させ、分離された上澄み液を再び除去した。以上の攪拌と遠心分離を、上澄み液のナトリウムイオン濃度が1ppm以下になるまで繰返し行った。
以上の操作で得られた凝集物は、固形分10%のゲル状の含水物であった。このゲル状の含水物50gにジメチルホルムアミド60gを加え7000rpm30分の条件でホモジナイザ分散を行ったところ、無色透明な粘土分散溶液が得られた。
更に、得られた粘土分散液をアプリケータで、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製、商品名:エンブレット 38μm厚;以下、PETフィルムという)の上に塗布した。その後、粘土分散液が塗布されたPETフィルムを100℃の乾燥機に投入し、溶媒分を除去し、PETフィルムから剥がして自立膜である粘土薄膜を得た。その後、得られた粘土薄膜に含まれる溶媒をさらに除去するために、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、透明で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この粘土薄膜を、DTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
また、この粘土薄膜を5cm角に切り出し200ccのイオン交換水1時間に浸した後、ピンセットでイオン交換水から取り出したところ、粘土薄膜は浸水前の形状を維持した。
〔実施例2〕
実施例1で使用した膨潤性粘土を天然の精製モンモリロナイト(クニミネ工業社製、商品名:クニピアG、陽イオン交換量(CEC):115meq/100g)にし、メチル・エチルイミダゾリウムブロミドの添加量を1.5g(有機オニウムイオン量は、上記分散液中の膨潤性粘土の陽イオン交換量の1.5倍である。)とした以外は同様にして、無色透明な粘土分散液を得た。
更に、得られた粘土分散液を実施例1と同様に用いて、自立膜である粘土薄膜を得て、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、透明で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この粘土薄膜を、DTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
また、この粘土薄膜を5cm角に切り出し200ccのイオン交換水1時間に浸した後、ピンセットでイオン交換水から取り出したところ、粘土薄膜は浸水前の形状を維持した。
〔実施例3〕
実施例2で使用したメチル・エチルイミダゾリウムブロミドの代わりにテトラメチルアンモニウムブロミド(添加量0.8g、有機オニウムイオン量は分散液中の膨潤性粘土の陽イオン交換量の1.5倍であり、炭素量は1である。)を用いた以外は同様にして、無色透明な粘土分散液を得た。
更に、得られた粘土分散液を実施例1と同様に用いて、自立膜である粘土薄膜を得た後、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、透明で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この粘土薄膜を、DTA−TG分析したところ、約220℃で熱分解が開始することが確認された。
また、この粘土薄膜を5cm角に切り出し200ccのイオン交換水1時間に浸した後、ピンセットでイオン交換水から取り出したところ、粘土薄膜は浸水前の形状を維持した。
〔実施例4〕
実施例1でジメチルホルムアミドを添加する際、同時に繊維径が100nmのガラス繊維を0.1g加えた以外は同様にして、無色透明な粘土分散液を得た。
更に、得られた粘土分散液を実施例1と同様に用いて、自立膜である粘土薄膜を得た後、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、透明で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この粘土薄膜を、DTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
また、この粘土薄膜を5cm角に切り出し200ccのイオン交換水1時間に浸した後、ピンセットでイオン交換水から取り出したところ、粘土薄膜は浸水前の形状を維持した。
〔比較例1〕
実施例1において、攪拌と遠心分離を繰り返して得られたゲル状の含水物を120℃で、含水率0.1%になるまで乾燥させた後、カッターミルで乾燥物を50μm程度に粉砕し、粘土固形物を得た。得られた粘土固形物5gをジメチルホルムアミド100gに添加して、7000rpm30分の条件でホモジナイザ分散を行ったところ、得られた溶液は白濁し、一部の固形分は沈降していた。
この溶液をアプリケータでPETフィルム上に塗布した。その後、溶液が塗布されたPETフィルムを100℃の乾燥機に投入し、溶媒分を除去したが、白色粉末がPETフィルム上に散在しており、粘土薄膜は得られなかった。白色粉末を回収し、溶媒をさらに除去するために170℃で1時間の乾燥処理を行い、粘土固形物を得た。
また、粘土固形物をDTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
〔比較例2〕
比較例1で使用したジメチルホルムアミド100gのかわりに、イオン交換水45gとジメチルホルムアミド60gの混合溶液を用いた以外は同様にしたところ、得られた溶液は白濁し、一部の固形分は沈降していた。
この溶液を比較例1と同様にして粘土薄膜の形成を行ったが、白色粉末がPETフィルム上に散在しており、粘土薄膜は得られなかった。白色粉末を回収し、溶媒をさらに除去するために170℃で1時間の乾燥処理を行い、粘土固形物を得た。
また、粘土固形物をDTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
〔比較例3〕
比較例1で使用した膨潤性粘土を、天然の精製モンモリロナイトとした以外は同様にしたところ、得られた溶液は白濁し、一部の固形分は褐色の沈降物となっていた。
この溶液を比較例1と同様にして粘土薄膜の形成を行ったが、粉末がPETフィルム上に散在しており、粘土薄膜は得られなかった。粉末を回収し、溶媒をさらに除去するために170℃で1時間の乾燥処理を行い、粘土固形物を得た。
また、粘土固形物をDTA−TG分析したところ、約300℃で熱分解が開始することが確認された。
〔比較例4〕
比較例3で使用したメチル・エチルイミダゾリウムブロミドの代わりにテトラメチルアンモニウムブロミドを用いた以外は同様したところ、得られた溶液は白濁し、一部の固形分は褐色の沈降物となっていた。
この溶液を比較例3と同様にして粘土薄膜の形成を行ったが、粉末がPETフィルム上に散在しており、粘土薄膜は得られなかった。粉末を回収し、溶媒をさらに除去するために170℃で1時間の乾燥処理を行い、粘土固形物を得た。
また、粘土固形物をDTA−TG分析したところ、約220℃で熱分解が開始することが確認された。
〔比較例5〕
比較例1で使用したメチル・エチルイミダゾリウムブロミドの代わりにトリブチルドデシルアンモニウムブロミド(添加量2.8g、有機オニウムイオン量は、分散液中の膨潤性粘土の陽イオン交換量の1.5倍であり、炭素量は12である。)を用いた以外は同様にしたところ、無色透明な粘土分散溶液が得られた。
更に、得られた粘土分散液を比較例1と同様に用いて、自立膜である粘土薄膜を得た後、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、透明で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この粘土薄膜を、DTA−TG分析したところ、約160℃で熱分解が開始することが確認された。
〔比較例6〕
天然の精製モンモリロナイト(クニミネ工業社製、商品名:クニピアG、陽イオン交換量(CEC):115meq/100g)5gをイオン交換水100g中に加え7000rpm30分の条件でホモジナイザ分散を行ったところ、褐色の透明な均一溶液となった。得られた粘土分散液を比較例1と同様に用いて、自立膜である粘土薄膜を得た後、170℃で1時間乾燥処理を行った。乾燥処理後の粘土薄膜は、褐色で柔軟性のある厚さ30μmの薄状物であった。
この薄膜を5cm角に切り出し200ccのイオン交換水1時間に浸した後、ピンセットでイオン交換水から取り出したところ、粘土薄膜はバラバラになり浸水前の形状を維持することができなかった。
以上の実施例1〜4では、有機修飾粘土を乾燥せずに分散させたので、従来の手法では粘土薄膜を形成できなかったような、炭素量の少ない有機オニウムイオンによる有機修飾粘土においても、粘土薄膜の形成が可能となり、耐熱性、耐水性共に優れた粘土薄膜を得ることができた。
対して、比較例1〜4では、炭素量の少ない有機オニウムイオンによる有機修飾粘土を乾燥させた後、有機溶媒に分散させた粘土分散液を用いたので、有機修飾粘土の耐熱性は得られたが、粘土薄膜を形成することができなかった。比較例5では、炭素量の多い有機オニウムイオンによる有機修飾粘土を乾燥させた後、有機溶媒に分散させた粘土分散液を用いたので、粘土薄膜を形成することはできたが、耐熱性は得られなかった。比較例6では、膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンを有機オニウムイオンとイオン交換せずに得た粘土分散液を用いたため、粘土薄膜を形成することはできたが、耐水性が得られなかった。
本発明の粘土分散液及び粘土薄膜は粘土の持つ特性より、多くの製品に利用することができる。例えば液晶や有機ELディスプレイ用のフィルム基板、電子ペーパー用基板、電子デバイス用封止フィルム、レンズフィルム、導光板用フィルム、プリズムフィルム、位相差板・偏光板用フィルム、視野角補正フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、光通信用部材、タッチパネル用フィルム、各種機能性フィルムの基板、内部が透けて見える構造の電子機器用フィルム、ビデオディスク・CD/CD−R/CD−RW/DVD/MO/MD・相変化ディスク・光カードを含む光記録メディア用フィルム、燃料電池用封止フィルム、太陽電池用フィルム等に使用することができる。

Claims (7)

  1. 膨潤性粘土を分散させた水を主成分とする液体に、有機オニウムイオンを投入して該膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、交換された親水性陽イオンを除去し、その水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加することで、有機修飾粘土が分散した粘土分散液。
  2. 前記膨潤性粘土が、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ノントロナイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、層状チタン酸、及びスメクタイトからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の粘土分散液。
  3. 前記極性有機溶媒がジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及び1−メチル−2−ピロリドンの少なくとも1つを含む請求項1乃至2のいずれかに記載の粘土分散液。
  4. 前記有機オニウムイオンが四級アンモニウム、四級ホスホニウム、及びイミダゾリウムの少なくとも1つを含む請求項1乃至3のいずれかに記載の粘土分散液。
  5. 膜補強機能を付加することが可能な繊維、及び膜柔軟性機能を付加することが可能な流動性物質のうち少なくとも1つを含む請求項1乃至4のいずれかに記載の粘土分散液。
  6. 水を主成分とする液体に膨潤性粘土を分散させる第1工程と、
    有機オニウムイオンを、膨潤性粘土を分散させた液体に投入し、膨潤性粘土の表面に存在する親水性陽イオンとイオン交換させて有機修飾粘土を得た後、イオン交換された親水性陽イオンを除去する第2工程と、
    第2工程で得られた水分を含んだ状態の有機修飾粘土を極性有機溶媒に添加し、水と極性有機溶媒の混合溶媒中に有機修飾粘土を分散する第3の工程を有する粘土分散液の製造方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の粘土分散液を、基材へ塗工した後、もしくは容器へ流しこんだ後に、乾燥により該粘土分散液中の極性有機溶媒を揮発させた粘土からなる粘土薄膜。
JP2008288675A 2007-11-13 2008-11-11 粘土分散液の製造方法 Active JP5436841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008288675A JP5436841B2 (ja) 2007-11-13 2008-11-11 粘土分散液の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007294404 2007-11-13
JP2007294404 2007-11-13
JP2008288675A JP5436841B2 (ja) 2007-11-13 2008-11-11 粘土分散液の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013255454A Division JP5716080B2 (ja) 2007-11-13 2013-12-10 粘土薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009137833A true JP2009137833A (ja) 2009-06-25
JP5436841B2 JP5436841B2 (ja) 2014-03-05

Family

ID=40344644

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008288675A Active JP5436841B2 (ja) 2007-11-13 2008-11-11 粘土分散液の製造方法
JP2013255454A Active JP5716080B2 (ja) 2007-11-13 2013-12-10 粘土薄膜の製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013255454A Active JP5716080B2 (ja) 2007-11-13 2013-12-10 粘土薄膜の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20090120326A1 (ja)
EP (1) EP2060538B1 (ja)
JP (2) JP5436841B2 (ja)
KR (1) KR20090049553A (ja)
CN (1) CN101434481B (ja)
TW (1) TWI447180B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024782A1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-03 株式会社巴川製紙所 粘土分散液、及びその製造方法、粘土膜、及びその製造方法、並びに透明材
JP2011046552A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 透明材、その製造方法及び部材
JP2011046553A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土膜
JP2011236065A (ja) * 2010-05-06 2011-11-24 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土膜、粘土分散液および粘土分散液の製造方法
JP2012177102A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 無機層状化合物分散液および多層構造体の製造方法
CN104030309A (zh) * 2014-06-26 2014-09-10 淮阴工学院 基于多巴胺修饰的纤维型黏土有机化改性方法

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5213206B2 (ja) * 2005-09-22 2013-06-19 株式会社巴川製紙所 粘土薄膜の製造方法及び粘土薄膜
TWI447180B (zh) * 2007-11-13 2014-08-01 Tomoegawa Co Ltd 黏土分散液及其製造方法,以及黏土薄膜
JP5582731B2 (ja) * 2009-06-19 2014-09-03 株式会社巴川製紙所 耐熱性シール部材
TWI427034B (zh) 2010-12-22 2014-02-21 Ind Tech Res Inst 無機奈米片材之有機分散液及其製造方法
US9221691B1 (en) * 2014-07-02 2015-12-29 Sumitomo Chemical Company, Limited Inorganic film and multilayer structure
JP6535540B2 (ja) * 2015-08-03 2019-06-26 クニミネ工業株式会社 リチウム固定型有機修飾モンモリロナイトの製造方法
US11499136B2 (en) 2016-12-22 2022-11-15 Dic Corporation Cell culture substrate
CN107758678A (zh) * 2017-11-16 2018-03-06 上海雅运纺织助剂有限公司 一种超稳定粘土分散液及其制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05163014A (ja) * 1991-12-10 1993-06-29 Agency Of Ind Science & Technol 粘土有機複合体
JPH0624732A (ja) * 1991-07-11 1994-02-01 Agency Of Ind Science & Technol 粘土−有機複合体
JP2002097014A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機化合物−粘土複合体の製造方法
JP3855003B2 (ja) * 2003-09-08 2006-12-06 独立行政法人産業技術総合研究所 粘土配向膜及びその製造方法
JP2007084386A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土薄膜の製造方法及び粘土薄膜
JP2007277078A (ja) * 2006-03-11 2007-10-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 変性粘土を用いた膜
JP2009023874A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Hojun:Kk 耐熱性易分散性有機粘土およびその製造方法
JP2009046316A (ja) * 2007-08-13 2009-03-05 Canon Inc 有機化層状ケイ酸塩及び該有機化層状ケイ酸塩を含有する樹脂組成物

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3974125A (en) * 1974-09-27 1976-08-10 Exxon Research And Engineering Company Higher dialkyl dimethyl ammonium clay gelling agents for unsaturated polyester compositions
US4216135A (en) * 1978-03-27 1980-08-05 Nl Industries, Inc. Organophilic clays and thixotropic polyester compositions containing the same
US4425244A (en) * 1981-08-13 1984-01-10 Venture Innovations, Inc. Organophilic clay gellants
US4469639A (en) * 1982-04-28 1984-09-04 Georgia Kaolin Company, Inc. Preparation of organically modified smectites by treatment with methyl benzyl dialkyl ammonium halide
JPS62106839A (ja) * 1985-11-04 1987-05-18 ア−ムストロング・ワ−ルド・インダストリ−ス・インコ−ポレ−テツド シ−ト・ケイ酸塩の水性懸濁液の調製方法
US5137568A (en) * 1989-05-02 1992-08-11 J.M. Huber Corporation Organokaolin pigments in ink formulations
EP0441996B1 (en) * 1990-02-12 1994-04-13 Hercules Incorporated Composite sheet made from mechanically delaminated vermiculite
US5376604A (en) * 1991-07-11 1994-12-27 Co-Op Chemical Co., Ltd. Organophilic clay
JP3393362B2 (ja) * 1997-09-22 2003-04-07 独立行政法人産業技術総合研究所 有機化合物−粘土複合体の製造方法
JP2003095640A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Teijin Ltd 粘土有機複合体
JP4257501B2 (ja) * 2002-03-29 2009-04-22 株式会社ホージュン 耐熱性易分散性有機粘土の製造方法
JP4203574B2 (ja) * 2002-06-14 2009-01-07 独立行政法人産業技術総合研究所 ヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法
JP2004059672A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 自律振動性材料及びその製造方法
AU2003266507A1 (en) * 2002-09-11 2004-04-30 Teijin Limited Thermoplastic film, thermoplastic resin composition, and phyllosilicate
US6893492B2 (en) * 2003-09-08 2005-05-17 The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture Nanocomposites of cellulose and clay
JP4206482B2 (ja) * 2003-09-18 2009-01-14 株式会社ホージュン 有機粘土の製造方法
JPWO2006006716A1 (ja) * 2004-07-14 2008-05-01 宇部興産株式会社 有機化層状珪酸塩固形物及び熱可塑性樹脂組成物
JP4784914B2 (ja) * 2005-03-31 2011-10-05 独立行政法人産業技術総合研究所 カプセル膜
JP5110552B2 (ja) * 2005-03-31 2012-12-26 独立行政法人産業技術総合研究所 微空間集積無機膜とその製造方法
JP4654207B2 (ja) 2006-03-30 2011-03-16 キヤノン株式会社 表示装置
JP4763496B2 (ja) * 2006-03-30 2011-08-31 株式会社巴川製紙所 薄膜およびそれを用いた薄膜積層体
JP5183261B2 (ja) * 2007-03-29 2013-04-17 株式会社巴川製紙所 粘土薄膜及び薄膜積層体
TWI447180B (zh) * 2007-11-13 2014-08-01 Tomoegawa Co Ltd 黏土分散液及其製造方法,以及黏土薄膜

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0624732A (ja) * 1991-07-11 1994-02-01 Agency Of Ind Science & Technol 粘土−有機複合体
JPH05163014A (ja) * 1991-12-10 1993-06-29 Agency Of Ind Science & Technol 粘土有機複合体
JP2002097014A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機化合物−粘土複合体の製造方法
JP3855003B2 (ja) * 2003-09-08 2006-12-06 独立行政法人産業技術総合研究所 粘土配向膜及びその製造方法
JP2007084386A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土薄膜の製造方法及び粘土薄膜
JP2007277078A (ja) * 2006-03-11 2007-10-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 変性粘土を用いた膜
JP2009023874A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Hojun:Kk 耐熱性易分散性有機粘土およびその製造方法
JP2009046316A (ja) * 2007-08-13 2009-03-05 Canon Inc 有機化層状ケイ酸塩及び該有機化層状ケイ酸塩を含有する樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011024782A1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-03 株式会社巴川製紙所 粘土分散液、及びその製造方法、粘土膜、及びその製造方法、並びに透明材
JP2011046552A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 透明材、その製造方法及び部材
JP2011046553A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土膜
JP2011236065A (ja) * 2010-05-06 2011-11-24 Tomoegawa Paper Co Ltd 粘土膜、粘土分散液および粘土分散液の製造方法
JP2012177102A (ja) * 2011-01-31 2012-09-13 Sumitomo Chemical Co Ltd 無機層状化合物分散液および多層構造体の製造方法
CN104030309A (zh) * 2014-06-26 2014-09-10 淮阴工学院 基于多巴胺修饰的纤维型黏土有机化改性方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2060538B1 (en) 2011-08-31
EP2060538A2 (en) 2009-05-20
CN101434481A (zh) 2009-05-20
CN101434481B (zh) 2013-08-14
US20090120326A1 (en) 2009-05-14
JP5716080B2 (ja) 2015-05-13
JP5436841B2 (ja) 2014-03-05
JP2014111531A (ja) 2014-06-19
TW200934832A (en) 2009-08-16
KR20090049553A (ko) 2009-05-18
EP2060538A3 (en) 2009-06-17
US20130253214A1 (en) 2013-09-26
TWI447180B (zh) 2014-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5716080B2 (ja) 粘土薄膜の製造方法
JP6019518B2 (ja) 水蒸気バリアフィルム、水蒸気バリアフィルム用分散液、水蒸気バリアフィルムの製造方法、太陽電池バックシート、及び、太陽電池
WO2011024782A1 (ja) 粘土分散液、及びその製造方法、粘土膜、及びその製造方法、並びに透明材
JP5437751B2 (ja) 層状無機化合物を含有する分散体及びその製造方法
WO2007114289A1 (ja) 薄膜およびそれを用いた薄膜積層体
JP4973856B2 (ja) 粘土フィルム及びその製造方法
JPWO2007088815A1 (ja) 粘土膜及びその製造方法
JP4763496B2 (ja) 薄膜およびそれを用いた薄膜積層体
JP5462482B2 (ja) 層状無機化合物を含有する固体材料の製造方法、固体材料及びこれを用いて形成された形成体
JP5659371B2 (ja) 薄片状酸化チタンを配合した有機溶媒分散体及びその製造方法並びにそれを用いた酸化チタン膜及びその製造方法
JP2011051845A (ja) 粘土の層間イオンをリチウムイオンと交換したリチウム交換粘土の製造方法
JP5400825B2 (ja) 層状無機化合物を含有するガスバリアシート
JP2008050235A (ja) 粘土薄膜フィルム、その製造方法および粘土薄膜積層体
JP5614524B2 (ja) 粘土分散液及びその製造方法、ならびに粘土膜
JP5706096B2 (ja) ナノシートを含有するガスバリアシート
JP4763552B2 (ja) 粘土薄膜及びその積層体
JP5183261B2 (ja) 粘土薄膜及び薄膜積層体
JP2009013015A (ja) 粘土薄膜及びそれを用いた粘土薄膜積層体
JP5271501B2 (ja) 粘土薄膜、その積層体及び粘土薄膜の製造方法
JP2008137828A (ja) 粘土膜の製造方法、この方法で得られた粘土膜
JP7148853B1 (ja) ガスバリア膜形成組成物、ガスバリア膜、及びその製造方法
JP5534303B2 (ja) 透明材、その製造方法及び部材
JP5156248B2 (ja) 粘土薄膜及びその積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5436841

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250