JP2012177102A - 無機層状化合物分散液および多層構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物と、液体媒体とを含む無機層状化合物分散液であって、
上記分散液に含まれるナトリウムイオンの量が、上記分散液に含まれる無機層状化合物1gあたり300μmol以下である無機層状化合物分散液。
【選択図】なし
Description
上記分散液に含まれるナトリウムイオンの量が、上記分散液に含まれる無機層状化合物1gあたり300μmol以下である無機層状化合物分散液である。
また本発明は、他の面において、層間に水素イオンを有する無機層状化合物、層間にリチウムイオンを有する無機層状化合物、及び層間にアンモニウムイオンを有する無機層状化合物からなる群より選ばれる1種以上の無機層状化合物を含む層と、基材層とを含む多層構造体の製造方法であって、以下の工程(1)および工程(2)を含む多層構造体の製造方法である。
工程(1):無機層状化合物分散液を基材層表面に塗布して、塗布膜を形成し、次いで20〜150℃の温度条件下で乾燥処理を行い、該塗布膜から液体媒体を除去して、基材層と無機層状化合物層(I)を含む予備構造体を製造する工程
工程(2):該予備構造体を加熱処理して、無機層状化合物層(I)における無機層状化合物の層間距離を狭くし、多層構造体を得る工程
本発明の無機層状化合物分散液を得るために用いられる無機層状化合物としては、液体媒体への膨潤性、劈開性を有する粘土鉱物が好ましく用いられる。無機層状化合物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している物をいう。層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス等の弱い結合力によってほぼ平行に積み重なった構造をいう。
タルク−パイロフィライト族の具体例としては、タルク、ウィレムサイト、ケロライト、ピメライト、パイロフィライト、フェリパイロフィライト等が挙げられる。
スメクタイト族の具体例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライト、ボルコンスコアイト、スインホルダイト等が挙げられる。
バーミキュライト族の具体例としては、3八面体型バーミキュライト、2八面体型バーミキュライト等が挙げられる。
マイカ族の具体例としては、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、金雲母、黒雲母、鉄雲母、イーストナイト、シデロフィライトテトラフェリ鉄雲母、鱗雲母、ポリリシオナイト、セラドン石、鉄セラドン石、鉄アルミノセラドン石、アルミノセラドン石、砥部雲母、パラゴナイト、レピドライト等が挙げられる。
脆雲母族の具体例としては、ザンソフィライト、クリントナイト、ビテ雲母、アナンダ石、真珠雲母、マーガイラト等が挙げられる。
緑泥石族の具体例としては、クリノクロア、シャモサイト、ペナンタイト、ニマイト、ベイリクロア、ドンバサイト、クッケアイト、スドーアイト等が挙げられる。
また、これら粘土鉱物を有機物でイオン交換等の処理し、分散性等を改良したもの(朝倉書店、「粘土の事典」参照;以下、有機修飾粘土鉱物と称する場合もある)も無機層状化合物として用いることができる。粘土鉱物を処理する上記有機物としては、公知のジメチルジステアリルアンモニウム塩やトリメチルステアリルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩やフォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩等を用いることができる。
2種類以上の無機層状化合物を用いてもよい。
100mlメスシリンダーに液体媒体100mlを入れ、これに無機層状化合物2gを徐々に加える。23℃にて24時間静置後、上記メスシリンダー内における無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(膨潤値)が大きい程、膨潤性が高いことを示す。
無機層状化合物30gを液体媒体1,500ml中に徐々に加え、分散機(浅田鉄工株式会社製、デスパMH−L、羽根径52mm、回転数3,100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて、周速8.5m/分、23℃で90分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリンダーに採取する。60分静置後、上記メスシリンダー内における無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(劈開値)が大きい程、劈開性が高いことを示す。
芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
エーテルとしては、エチルエーテル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、パークロロエチレン等が挙げられる。
層間に水素イオンを有する無機層状化合物、層間にリチウムイオンを有する無機層状化合物、及び層間にアンモニウムイオンを有する無機層状化合物からなる群より選ばれる1種以上の無機層状化合物であることが好ましい。無機層状化合物は通常、層間に陽イオンを有する。該陽イオンが水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンである無機層状化合物について、市販のものが入手できる場合は、それを用いることができるが、該陽イオンは通常、ナトリウムイオンが主成分であるため、後述の方法によりナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンに交換することが好ましい。
モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等が挙げられる。
トリカルボン酸としては、クエン酸等が挙げられる。
また鎖式カルボン酸であっても芳香族カルボン酸であってもよく、また酸無水物であってもよい。
中でも取り扱いの容易さから、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸であることが好ましく、酢酸であることがより好ましい。
また、本発明の無機層状化合物分散液中のリチウムイオンと水素イオンとアンモニウムイオンとの合計の量は、該分散液中の無機層状化合物1gあたり500μmol以上であることが好ましく、600μmol以上であることがより好ましく、700μmol以上であることがさらに好ましい。また、リチウムイオンと水素イオンとアンモニウムイオンとの合計を100%とするとき、水素イオン量が50%以上であることが、より好ましい。
さらに好ましくは、ナトリウムイオン濃度が上記した条件を満たし、かつ、リチウムイオンと水素イオンとアンモニウムイオンとの合計の濃度が、上記した条件を満たすことである。
該無機層状化合物分散液の重量を100重量%とするときに、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物との合計重量の割合は、0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましく、3〜10重量%であることがさらに好ましい。オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と無機層状化合物との合計重量の割合を上記範囲とすることで、後述する多層構造体における無機層状化合物層(I)を形成する際の製膜性に優れる。
無機層状化合物分散液の重量を100重量%とするときに、無機層状化合物の割合は、0.1〜20重量%であることが好ましく、1〜15重量%であることがより好ましく、3〜10重量%であることがさらに好ましい。
層間の陽イオンがナトリウムイオンである無機層状化合物を用いる場合、下記の(i)〜(vi)の方法が挙げられる。
(i)液体媒体と無機層状化合物とを混合した分散液(1)を作製し、該分散液(1)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換した分散液(1’)を作製した後に、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を混合する方法。
(ii)上記分散液(1)にオキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を混合し、分散液(2)を作製した後に、分散液(2)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換する方法。
(iii)オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物とを予め混合し混合物を作製した後、さらに該混合物と液体媒体とを混合して分散液(3)とし、分散液(3)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換する方法。
(iv)オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を液体媒体に溶解した後、無機層状化合物を混合し、分散液(4)を作製した後、分散液(4)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換する方法。
(v)上記分散液(1)と、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を液体媒体に溶解した液とを混合し、分散液(5)を作製した後、分散液(5)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換する方法。
(vi)上記分散液(1)中の無機層状化合物が層間に有するナトリウムイオンを、水素イオン、リチウムイオン、及びアンモニウムイオンからなる群より選ばれる1種以上の陽イオンにイオン交換した分散液(1’)と、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を液体媒体に溶解した液とを混合する方法。
(vii)液体媒体と無機層状化合物とを混合した分散液(6)に、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物を混合する方法。
(viii)オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物とを予め混合し、混合物を作製した後、さらに該混合物と液体媒体とを混合する方法。
(ix)オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、液体媒体とを混合した後、無機層状化合物を混合する方法。
(x)液体媒体と無機層状化合物とを混合して作製した分散液(3)と、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と液体媒体とを混合した液とを混合する方法。
本発明の無機層状化合物分散液は、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物、無機層状化合物、および液体媒体以外の成分として樹脂を含有してもかまわない。本発明の無機層状化合物分散液が樹脂を含む場合、後述する製造方法により得られる多層構造体の無機層状化合物を含む層は柔軟性を有する。
また、重合度は、100以上5000以下、200以上3000以下であることがより好ましい。
水系の液体媒体に容易に溶解させることができ、取り扱いが容易であることや、本発明の製造方法により得られる分散液を用いて得られる膜のガスバリア性の観点から、一分子中に水酸基とカルボキシル基とを含む樹脂であることが好ましく、ビニルアルコール−アクリル酸共重合体、ビニルアルコール−メタアクリル酸共重合体であることが好ましい。
水系の液体媒体に容易に溶解させることができ、取り扱いが容易であることや、本発明の製造方法により得られる分散液を用いて得られる膜のガスバリア性の観点から、水酸基を含む樹脂と、カルボキシル基を含む樹脂を併用することが好ましい。この場合、水酸基を含む樹脂としてポリビニルアルコール、カルボキシル基を含む樹脂としてポリアクリル酸またはポリメタアクリル酸またはポリアクリル酸部分中和物またはポリメタアクリル酸部分中和物であることが好ましい。
中和度=(A/B)×100
A:ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸1g中に含まれる中和されたカルボキシル基の全モル数
B:ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸1g中に含まれる中和前のカルボキシル基の全モル数
(1)上記無機層状化合物分散液を基材層表面に塗布して、塗布膜を形成し、次いで20〜150℃の温度条件下で乾燥処理を行い、該塗布膜から液体媒体を除去して、基材層と無機層状化合物層(I)を含む予備構造体を製造する工程
(2)該予備構造体を加熱処理して、無機層状化合物層(I)における無機層状化合物の層間距離を狭くし、多層構造体を得る工程
金属としては、銅、鉄、銀、アルミニウム等が挙げられ、またこれらの合金も含まれる。
セラミックスとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化チタン等が上げられる。
樹脂としては熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、エチレン系共重合体、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ポリアリレート、アクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン系樹脂、疎水化セルロース系樹脂、塩素系樹脂、フッ素系樹脂、水素結合性樹脂、カーボネート樹脂、サルホン樹脂、エーテルサルホン樹脂、エーテルエーテルケトン樹脂、フェニレンオキシド樹脂、メチレンオキシド樹脂、イミド樹脂等が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等が挙げられる。
エチレン系共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはそのケン化物、エチレン−α・β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α・β不飽和カルボン酸共重合体等が挙げられる。
エステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
アミド系樹脂としては、ナイロン−6(Ny−6)、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6−Ny)等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、AS樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
疎水化セルロース系樹脂としては、トリ酢酸セルロース、ジ酢酸セルロース等が挙げられる。
塩素系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等が挙げられる。
水素結合性樹脂としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、セルロース誘導体等が挙げられ、このうち、樹脂単位重量あたりの水酸基の重量分率が20〜60%の割合を満たす重合体が好ましい。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エチレンイミン樹脂、また後述の熱反応性組成物が反応してなる樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂としては、光重合開始剤を用いて、エポキシ系化合物やアクリル系化合物を重合させてなるエポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
また基材層は、Ny−6層/MXD6−Ny層/Ny−6層やポリプロピレン層/エチレン−ビニルアルコール共重合体層/ポリプロピレン層のような多層フィルムであってもよく、アルミニウム、アルミナ、シリカが蒸着されたフィルムであってもよい。
工程(2)において予備構造体を加熱処理する条件としては、160〜350℃であることが好ましく、170〜320℃であることがより好ましく、200〜300℃であることがさらに好ましい。また該加熱処理は、水蒸気濃度が50g/m3未満の雰囲気下で実施することが好ましい。加熱処理する時間は通常1秒間〜24時間である。該加熱処理に用いる熱源は特に限定されるものではなく、工程(1)における乾燥処理と同様の方法を適用することができる。
このように上記条件で乾燥処理を施した後、加熱処理を施すことで、無機層状化合物層(I)は、気泡等が存在せず、液体媒体をほぼ完全に除去することができ、また層間距離の狭い無機層状化合物とすることが出来る。
基材層/無機層状化合物層/追加層A(構成1)、
基材層/無機層状化合物層/追加層B/追加層C(構成2)、
基材層/無機層状化合物層/追加層D/追加層E/追加層F(構成3)、
基材層/追加層G/無機層状化合物層(構成4)、
基材層/追加層H/無機層状化合物層/追加層I(構成5)、
基材層/追加層J/無機層状化合物層/追加層K/追加層L(構成6)、
が挙げられる。
ここで追加層C、E、Lは無機層状化合物層と同じ組成であってもよく、また追加層A、B、D、F、G、H、I、J、Kは、例えば後述する熱反応性組成物が反応してなる樹脂層であってもよい。
該熱反応性組成物とは、常温では液状、半固形状または固形状等であって常温下または加熱下で流動性を示す比較的低分子量の物質であるが、加熱処理により硬化反応や架橋反応を起こして分子量を増大させながら網目状の三次元構造を形成し得る組成物である。本発明で用いる熱反応性組成物は、前述の加熱処理前では溶剤に可溶であり、加熱処理することによって形成される樹脂層が、溶剤に不溶であるものが好ましい。
熱反応性組成物は、エポキシ系化合物と重合開始剤とを含む組成物か、水酸基を含むモノマーと、カルボキシル基を含むモノマーとを含む組成物であることが好ましい。
具体的には、芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせや、複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸や、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとの組み合わせ、またこれらの芳香族ヒドロキシカルボン酸の一部を芳香族アミノカルボン酸に置き換えたもの、芳香族ジオールの一部を、フェノール性水酸基を有する芳香族アミンおよび/または芳香族ジアミンに置き換えたもの、を用いることができるが、溶剤への溶解性など取り扱いの容易さから、(1)芳香族ヒドロキシカルボン酸と(2)芳香族ジカルボン酸と(3)芳香族ジアミン、水酸基を有する芳香族アミンあるいは芳香族アミノ酸、とを含むことが好ましい。
上記(2)で示される芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられるが、イソフタル酸を含むことが好ましい。またこれらを2種類以上用いても構わない。
上記(3)で示される芳香族ジアミン、水酸基を有する芳香族アミンあるいは芳香族アミノ酸としては、例えば、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、アミノ安息香酸などが挙げられるが、4−アミノフェノールを含むことが好ましい。またこれらを2種類以上用いても構わない。
非プロトン性溶媒しては、例えば、1−クロロブタン、クロロベンゼン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶媒、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン系溶媒、アセトニトリル、サクシノニトリルなどのニトリル系溶媒、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホランなどのスルフィド系溶媒、ヘキサメチルリン酸アミド、トリn−ブチルリン酸などのリン酸系溶媒などが挙げられる。
本発明の多層構造体の製造方法における工程(2)において、加熱処理を施すことによって、無機層状化合物層(I)における無機層状化合物の層間距離を狭くすると同時に、熱反応性組成物層中の成分の反応を進行させて樹脂層を形成することが好ましい。これにより、無機層状化合物層と樹脂層との密着性に優れる多層構造体を得ることができる。
式(1) −O−Ar1−CO−
式(2) −CO−Ar2−CO−
式(3) −X−Ar3−Y−
ここで、Ar1は、1,4−フェニレン、2,6−ナフタレン、または4,4’−ビフェニレンを表わす。Ar2は、1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、または2,6−ナフタレンを表わす。Ar3は、1,4−フェニレンまたは1,3−フェニレンを表わす。Xは−NH−であり、Yは、−O−または−NH−を表わす。
該多層構造体を、例えばディスプレイ用基板として用いた場合、重くて割れやすく大面積化が困難なガラス基板に比べ、軽量化、大型化という要求にこたえることができ、形状の自由度が高く、曲面表示が可能である。さらにはロールツーロール方式が可能であることからガラスよりも生産性が良くコストダウンの点でも有利である。また従来のプラスチック等を用いた基板と比較して、水蒸気や空気のガスバリア性が高く、例えば液晶セル内の液晶を劣化させ、表示欠陥となって表示品位を劣化させてしまうといった問題を解決できる。
またシリコン型あるいは色素増感型太陽電池の基板用途として用いた場合、本発明で得られる多層構造体をバックシートあるいは前面板として用いれば、水蒸気や酸素等のガスが電極や半導体、色素、電解質に作用することで起こる光電変換特性の劣化を抑制することができる。また耐熱性にも優れることから、薄膜でシリコン層等を形成する場合にも好適に用いることができる。また電子部品部材として用いる場合、耐熱性に優れ、またエッチングの際の耐アルカリ性、耐酸性に優れることからプリント配線基板用途として用いる場合にも好適である。
本発明の製造方法で得られる多層構造体を真空断熱材パネル用途として外装に用いた場合、ガスバリア性に優れるため、長期間にわたって内部の真空度を保持できるとともに、アルミ箔等と比較して熱橋が起こりにくいため、断熱性に優れる。
また本発明の製造方法で得られる多層構造体を包装材料として用いることにより、該包装材料で包装された内容物の酸素および水蒸気劣化を防ぐことができる。該多層構造体を包装材料として用いる場合、その形状としては、フィルム、袋、ボトル、ボトルキャップ、箱型、カップ、皿、トレー、タンク、チューブ等が挙げられる。本発明の製造方法で得られる多層構造体により包装される内容物としては、ケーキ、カステラ等の洋菓子、大福、もち等の和菓子、ポテトチップス等のスナック菓子等の菓子類、竹輪や蒲鉾等の水産加工品、味噌、漬物、蒟蒻、ミートボール、ハンバーグ、ハム、ソーセージ等の食品、コーヒー、茶、ジュース等の飲料品、牛乳、ヨーグルト等の乳製品、米飯、カレー等が例示される。また食料品以外に、洗剤、入浴剤、化粧品といったトイレタリー製品、ガソリン、水素ガス等の燃料、粉末剤、錠剤、点眼薬、輸液バック等の医薬品および医療機器、ハードディスク、シリコンウエハ等の電子部品および電子機器等の包装材料としても用いることができる。
0.5μm以上の厚みは、市販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)を用いて測定した。0.5μm未満の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面観察より求めた。
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を用いて測定した。後述の塗布液(1)〜(7)、(9)を希釈し、該希釈液中の無機層状化合物の平均粒径を、フローセルにて光路長4mmで測定し、得られた平均粒径を無機層状化合物の平均粒径Lとみなした。
なお、該塗布液(1)〜(7)、(9)を希釈せずに、該塗布液中の無機層状化合物の平均粒径をペーストセルにて光路長50μmで測定し、この平均粒径と、希釈液で求めた平均粒径Lの値とがほぼ一致したとき、該分散液中で無機層状化合物が充分に膨潤し劈開していると認定した。
X線回折装置(XD−5A、(株)島津製作所製)を用い、無機層状化合物そのものについて粉末法による回折測定を行った。これにより無機層状化合物の単位厚さaを求め、上述の方法で求めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、Z=L/aの式により算出した。
X線回折装置(XD−5A、(株)島津製作所製)を用い、粉末法による回折測定を行い、予備構造体および多層構造体に含まれる無機層状化合物層中の無機層状化合物の層間距離を求めた。
各実施例および比較例で、予備構造体を得るまでに行なった乾燥処理および加熱処理と同じ熱処理を、無機層状化合物を含む塗布液(1)〜(7)、(9)に行い、上記手法により層間距離1を求めた。層間距離1を、予備構造体における無機層状化合物層中の無機層状化合物の層間距離とみなした。
また、各実施例および比較例で、多層構造体を得るまでに行なった乾燥処理および加熱処理と同じ熱処理を、無機層状化合物を含む塗布液(1)〜(7)、(9)に行い、上記手法により層間距離2を求めた。層間距離2を、多層構造体における無機層状化合物層中の無機層状化合物の層間距離とみなした。
後述の塗布液(1)〜(7)、(9)について、誘導結合プラズマ発光分析装置(VISTA−PRO、Agilent Technologies社製)を用いて、ナトリウムイオンおよびリチウムイオン濃度を測定した。試料の調製方法は以下のとおりである。試料0.5gを蒸発皿に採取したあと、電気炉で乾式灰化(500℃)し、有機物を除去した。蒸発皿上の残渣を36%高純度塩酸0.4mLで溶解し、超純水で10mLに希釈したものを測定供試液とし、塗布液(1)〜(7)、(9)中のナトリウムおよびリチウム濃度を測定した。その後、該塗布液(1)〜(7)、(9)に分散している無機層状化合物の固形分濃度から、該無機層状化合物1gあたりのナトリウム濃度およびリチウムイオン濃度を算出し、これをナトリウムイオンおよびリチウムイオン濃度とした。また塗工液(9)について、キャピラリー電気泳動装置(キャピラリー電気泳動システム、Agilent Technologies社製)を用いて、アンモニウムイオン濃度を測定した。試料の調製方法は以下のとおりである。試料1mLをキャピラリー電気泳動用泳動液(20mM イミダゾール/5mM 乳酸/0.5mM 18−クラウンー6−エーテル(pH4.5))1mLで希釈した後、限外ろ過フィルター(Ultrafree−MC30000 NMWL Filter Unit、MILLIPORE社製)を使用して希釈試料をろ過した。該溶液をキャピラリー電気泳動装置に供試し、塗工液(9)中のアンモニウムイオン濃度を測定した。その後、該塗布液(9)に分散している無機層状化合物の固形分濃度から、該無機層状化合物1gあたりのアンモニウムイオン濃度を算出した。また塗工液(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(7)中の無機層状化合物中の水素イオン濃度については、予備分散液(6)における無機層状化合物中のナトリウムイオン濃度から、各塗布液を用いて形成される無機層状化合物中のナトリウムイオン濃度を差し引いた値とした。
50mm×50mmサイズの予備構造体について、塗膜の状態を目視にて確認し、評価した。
○・・・良好。均一に塗布されている。
×・・・不良。不均一に塗布されている。ムラあり。
50mm×50mmサイズの多層構造体を、水中に、23℃で、1時間浸漬した。その後、塗膜の剥れを目視にて確認し、評価した。
○・・・剥離無し
△・・・一部剥離
×・・・全面剥離
JIS K7126に基づき、酸素透過率測定装置(OX−TRANML、MOCON社製)にて23℃、90%RHの条件下で測定を行った。
(1)塗布液(1)の作製
攪拌機にて、室温下、イオン交換水1000gを高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)のもと、該攪拌系にピロリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)0.75gを徐々に加え、さらに高純度モンモリロナイト(商品名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)60gを徐々に加え、添加終了後、室温下にて60分間攪拌を続け、予備分散液(1)を得た。
該予備分散液(1)にH+型イオン交換樹脂(デュオライト C255LFH;ローム&ハース社製)を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(1)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(1)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(1)を得た。該塗布液(1)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(1)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は70μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、水素イオン濃度は730μmol/gであった。
(2)塗布液(2)の作製
予備分散液(1)において、ピロリン酸ナトリウムのかわりにピロリン酸(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は同様にして、予備分散液(2)を得た。該予備分散液(2)にH+型イオン交換樹脂を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(2)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(2)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(2)を得た。該塗布液(2)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(2)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は50μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、水素イオン濃度は750μmol/gであった。
(3)塗布液(3)の作製
予備分散液(1)において、ピロリン酸ナトリウムのかわりに硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は同様にして、予備分散液(3)を得た。該予備分散液(3)にH+型イオン交換樹脂を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(3)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(3)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(3)を得た。該塗布液(3)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(3)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は170μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、水素イオン濃度は630μmol/gであった。
(4)塗布液(4)の作製
予備分散液(1)において、ピロリン酸ナトリウムのかわりに酢酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は同様にして、予備分散液(4)を得た。該予備分散液(4)にH+型イオン交換樹脂を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(4)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(4)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(4)を得た。該塗布液(4)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(4)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は60μmol/g、リチウムイオン濃度は測定限界値以下、水素イオン濃度は740μmol/gであった。
(5)塗布液(5)の作製
イオン交換樹脂(デュオライト C−20LF;ローム&ハース社製)50ccと10%塩化リチウム水溶液500gとを混合し、次いで30分間高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)し、その後、該イオン交換樹脂を回収し、Li+型イオン交換樹脂を作製した。
H+型イオン交換樹脂のかわりに、該Li+型イオン交換樹脂を用いたこと以外は塗布液(1)と同様にして、塗布液(5)を得た。該塗布液(5)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(5)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は80μmol/g、リチウムイオン濃度は740μmol/gであった。
(6)塗布液(6)の作製
予備分散液(1)において、ピロリン酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は同様にして、予備分散液(6)を得た。該予備分散液(6)にH+型イオン交換樹脂を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(6)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(6)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(6)を得た。該塗布液(6)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(6)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は320μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、水素イオン濃度は480μmol/gであった。
(7)塗布液(7)の作製
予備分散液(1)において、ピロリン酸ナトリウムのかわりにエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)を添加したこと以外は同様にして、予備分散液(7)を得た。該予備分散液(7)にH+型イオン交換樹脂を60g添加し、その後30分間攪拌し、混合液(7)を得た。その後、フィルター(フルイ目の開きが297μm)を用いて、該混合液(7)をろ過してイオン交換樹脂の残渣を除去し、塗布液(7)を得た。該塗布液(7)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(7)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は80μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、水素イオン濃度は720μmol/gであった。
(8)塗布液(8)の作製
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、シクロヘキサノン206gと、クレゾールノボラック型エポキシ系化合物(ユニディックV8000C1 DIC(株)製)25.8g、およびポリイミド骨格含有化合物(ユニディックV8000 DIC(株)製)100gを混合し、高速攪拌し(3000rpm、周速度=8.2m/分)、室温下で30分間攪拌して溶解させ、熱反応性組成物層を形成するために用いる塗布液(8)を得た。
(9)塗布液(9)の作製
イオン交換樹脂(デュオライト C−20LF;ローム&ハース社製)50ccと10%塩化アンモニウム水溶液500gとを混合し、次いで30分間高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)し、その後、該イオン交換樹脂を回収し、NH4+型イオン交換樹脂を作製した。
H+型イオン交換樹脂のかわりに、該NH4+型イオン交換樹脂を用いたこと以外は塗布液(1)と同様にして、塗布液(9)を得た。該塗布液(9)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径Lは560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.22nmであり、アスペクト比Zは460であった。該塗布液(9)中に含まれる無機層状化合物1gあたりのナトリウムイオン濃度は150μmol/g、リチウムイオン濃度は測定下限値以下、アンモニウムイオン濃度は500μmol/gであった。
基材層に厚さ50μmのポリイミドフィルム(カプトン200H/V 東レ・デュポン(株)製:PI)を用いた。該基材層についてコロナ処理を行い、該コロナ処理面に前述の塗布液(8)を、バーコーターにて塗布(番手:8)し、乾燥処理(80℃、20分間)し、基材層上に熱反応性組成物層(I)を形成した。その後、該熱反応性組成物層(I)上に、前述の方法と同様に、塗布液(1)をバーコーターにて塗布(番手:28)し、乾燥処理(80℃、20分間)し、無機層状化合物層(I)を形成し、予備構造体(1)を得た。該予備構造体(1)について、空気雰囲気下、200℃、3時間加熱処理を行い、基材層、樹脂層および無機層状化合物層からなる多層構造体(1)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(1)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(2)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(2)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(3)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(3)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(3)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(4)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(4)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(4)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(5)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(5)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(5)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(6)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(6)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(6)について評価を行った。結果を表1に示した。
塗布液(1)のかわりに塗布液(7)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(7)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(7)について評価を行った。結果を表1に示した。
[実施例6]
塗布液(1)のかわりに塗布液(9)を用いた以外は実施例1と同様にして、基材層、無機層状化合物層および樹脂層からなる多層構造体(8)を得た。該樹脂層の厚みは0.5μm、無機層状化合物層の厚みは2μmであった。その後該多層構造体(8)について評価を行った。結果を表1に示した。
Claims (4)
- オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物と、液体媒体とを含む無機層状化合物分散液であって、
上記分散液に含まれるナトリウムイオンの量が、上記分散液に含まれる無機層状化合物1gあたり300μmol以下である無機層状化合物分散液。 - オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物が、オキソ酸とオキソ酸のナトリウム塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物である請求項1に記載の無機層状化合物分散液。
- 分散液に含まれるオキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物と、無機層状化合物との合計重量を100重量%とするときに、オキソ酸とオキソ酸の金属塩からなる群より選ばれる1種以上の化合物の割合が0.01〜10重量%である請求項1または2に記載の無機層状化合物分散液。
- 層間に水素イオンを有する無機層状化合物、層間にリチウムイオンを有する無機層状化合物、及び層間にアンモニウムイオンを有する無機層状化合物からなる群より選ばれる1種以上の無機層状化合物を含む層と、基材層とを含む多層構造体の製造方法であって、以下の工程(1)および工程(2)を含む多層構造体の製造方法。
工程(1):請求項1〜3のいずれかに記載の無機層状化合物分散液を基材層表面に塗布して、塗布膜を形成し、次いで20〜150℃の温度条件下で乾燥処理を行い、該塗布膜から液体媒体を除去して、基材層と無機層状化合物層(I)を含む予備構造体を製造する工程。
工程(2):該予備構造体を加熱処理して、無機層状化合物層(I)における無機層状化合物の層間距離を狭くし、多層構造体を得る工程。
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