JP2014078357A - 電極ペーストの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高固形分で、かつ、低粘度の電極ペーストを作製する場合において、電極の材料物質にダメージを与えることなく、効率よく電極ペーストを作製することができる電極ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】電極ペースト5の製造方法は、少なくとも活物質たる天然黒鉛(負極活物質)を含む電極用材料(本実施形態ではCMCおよび天然黒鉛)と溶媒(本実施形態ではイオン交換水)の混合物に圧力を付与して、その混合物を所定の幅のスリット4aに通過させて、混合物において、CMCおよび天然黒鉛を分散させる工程(即ち、(Step−2))を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極ペーストの製造方法の技術に関し、より詳しくは、電極ペーストにおいて材料物質を分散させるための方法に関する。
近年、非水電解質二次電池の製造コストの低減を図るべく、塗工された電池用電極材料たるペースト(以下、電極ペーストと呼ぶ)を乾燥させる工程(乾燥工程)における乾燥負荷の低減を図るための技術が種々検討されている。
そして、乾燥工程における乾燥負荷を低減するためには、電極ペーストの作製段階において、溶媒の使用量を減らして、電極ペーストの固形分率を高めるのが有効であることが判っている。
電極ペーストの製造方法としては、例えば、以下に示す特許文献1に開示されている技術があり、公知となっている。
特許文献1に開示されている従来技術では、混練機を用いて電極ペーストを混練することにより、電極ペースト中に含まれる活物質等にせん断力を付与することによって、電極ペーストにおける活物質の分散を促すことによって、低粘度で、かつ、活物質等の偏りがない電極ペーストを作製する構成としている。
特開2012−40528号公報
特許文献1に開示されている従来技術のように、電極ペースト中の粒子にせん断力を付与して、粒子の分散を促すような構成では、電極ペーストを固練りするときの固形分率が高いときには、電極の材料物質たる粉同士をこすり合わせて混練をすることとなるため、材料物質の割れが生じる。
そして、活物質の割れや、当該活物質におけるコート層の剥がれ等は、二次電池の性能に影響を及ぼし、二次電池の特性低下等を招く要因となっていた。
また、固形分率が高い電極ペーストは、液の流動性が低いため、例えば、超音波分散等の手法では、材料物質を分散させることができなかった。
またこのような混練をし難い状況は、亜麻仁油吸油量の低い負極活物質を用いて電極ペーストを作製する場合や、DBP吸油量の高い正極活物質を用いて電極ペーストを作製する場合に顕著であった。
即ち従来は、亜麻仁油吸油量の低い負極活物質、もしくは、DBP吸油量の高い正極活物質を用いて、高固形分で、かつ、低粘度の電極ペーストを作製する場合に、電極活物質の割れやコート層の剥がれが生じるおそれがあり、二次電池の品質を確保し難いという問題があった。
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、高固形分で、かつ、低粘度の電極ペーストを作製する場合において、電極の材料物質にダメージを与えることなく、効率よく電極ペーストを作製することができる電極用材料の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、活物質を含む電極用材料と溶媒を混合して電極ペーストを製造する方法であって、前記電極用材料と溶媒の混合物に圧力を付与して、前記混合物を所定の幅のスリットに通過させて、前記混合物において前記電極用材料を分散させる工程を備えるものである。
請求項2においては、前記電極ペーストは、固形分率が54重量%以上であって、前記電極用材料は、亜麻仁油吸油量が、47ml/100g以下の負極活物質を含み、前記溶媒において前記電極用材料を分散させる工程において、前記混合物に付与する圧力を、10〜200MPaとし、前記スリットの所定の幅を、50〜300μmとするものである。
請求項3においては、前記電極用材料は、前記負極活物質と増粘剤を含み、前記溶媒は、イオン交換水であって、前記混合物は、前記増粘剤を前記イオン交換水で溶解した水溶液に、前記負極活物質を混合させたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、固練りをしなくても、高固形分かつ低粘度でありながら分散状態のよい電極ペーストを製造することができる。
これにより、乾燥工程における乾燥負荷の低減を図りつつ、活物質や導電助材等の割れや、活物質等に形成しているコート層の剥がれ等を防止することができ、電極体の品質向上を図るとともに、ひいては二次電池の性能向上を図ることができる。
請求項2および請求項3においては、固練りをしなくても、高固形分かつ低粘度でありながら分散状態のよい負極用電極ペーストを製造することができる。
本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の全体的な流れを示すフロー図。 本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法に用いる分散装置の全体構成を示す模式図。 分散装置に備えられるノズルを示す模式図、(a)スリットが1段の場合を示す模式図、(b)スリットが2段の場合を示す模式図。 ノズルにおいて電極ペースト中の粒子が分散する状態を説明する図。 本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の適用効果を示す図、(a)黒色度および処理速度を比較する図、(b)処理速度を一定とした場合の黒色度を比較する図。 本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の適用効果を示す図であり、電極ペースト中の粒子の粒度分布を比較する図。 本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の適用効果を示す図、(a)100サイクル後の容量維持率を比較する図、(b)500サイクル後の容量維持率を比較する図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の流れについて、図1を用いて説明をする。
尚、本実施形態では、電極ペーストとして負極を生成するための負極用の電極ペーストを例示しているが、本発明の一実施形態に係る電極用ペーストの製造方法の適用対象を負極用の電極ペーストに限定するものではなく、正極用の電極ペーストに適用することも可能である。
また以下では、負極用の電極ペーストを負極ペーストと呼ぶ。
図1に示す如く、負極ペーストの製造方法においては、粉状のCMCとイオン交換水を混合してCMC水溶液を作製する工程(Step−1)と、CMC水溶液と負極活物質を混合して一次ペーストを作製する工程(Step−2)と、一次ペーストとSBRを混合して負極ペーストを作製する工程(Step−3)と、を備えている。
CMC水溶液を作製する工程(Step−1)は、例えば、CMC溶解装置と呼ばれる所定の装置を用いて行うことができ、結着材たる粉状のCMCとイオン交換水を混合して、CMC水溶液を作製するものである。
尚、本実施形態では、0.7gのCMCと、84.49gのイオン交換水を混合させて、CMCの固形分率が、0.82重量%である85.19gのCMC水溶液を作製する構成としている。
一次ペーストを作製する工程(Step−2)は、後述する分散装置を用いて、CMC水溶液に対して負極活物質たる天然黒鉛を粗混ぜした状態の混合物を処理して、天然黒鉛が均等に分散された状態の一次ペーストを作製するものである。
尚、本実施形態では、85.19gのCMC水溶液に対して、98.6gの天然黒鉛を混合して、一次ペーストを作製する構成としている。
また、本実施形態で使用する天然黒鉛は、亜麻仁油吸油量が、47ml/100g以下のものを使用する構成としている。
尚、本実施形態でいう「亜麻仁油吸油量」とは、JISK6217−4に規定されるカーボンブラックの吸油量を規定するための手法において、その吸油量の規定に用いる油(DBP(フタル酸ジブチル)あるいはパラフィンオイル)を亜麻仁油に置き換えて測定した値として規定するものである。
負極ペーストを作製する工程(Step−3)は、例えば、アンカーミキサー等の所定の装置を用いて行うことができ、一次ペーストに対して増粘剤たるSBRを添加して撹拌し粘度を調整して、負極ペーストを作製するものである。
尚、本実施形態では、183.79gの一次ペーストに対して、1.45gのSBRを混合して、最終的に185.24gの負極ペーストを作製する構成としている。
そして、このようにして作製した負極ペーストは、固形分率が54重量%となっており、また、その負極ペーストの粘度を、1000〜5000mPa・sの範囲に調整している。
そして、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法は、前記各工程のうち、一次ペーストを生成する工程(Step−2)に特徴を有するものであり、CMC水溶液と負極活物質を粗混ぜした状態の混合物において、負極活物質をCMC水溶液中に分散させる方法に特徴を有するものである。
次に、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法を実現するための装置の全体構成について、図2〜図4を用いて説明をする。
図2に示す如く、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法に用いる装置である分散装置1は、電極ペーストに含まれる粒子を該電極ペースト中において分散させるための装置であり、本体部2、プランジャ3、ノズル4等を備える構成としている。
本体部2は、電極ペースト5を加圧するための空間を形成する役割を果たす部材であり、プランジャ3を内挿する略円柱状の空隙部を形成する部位である加圧部2aと、該加圧部2aに電極ペースト5を導入するための部位である導入部2b等を備えている。
また、導入部2bには、加圧時に加圧部2a内の電極ペースト5が導入部2b側に逆流することを防止するための部材である弁体2cを備える構成としている。
そして、加圧部2aのプランジャ3による加圧方向における端部に形成される開口部2dには、ノズル4を接続する構成としている。
ノズル4は、開口部2dの代表径(直径)に比して十分に小さい幅のスリット4aが形成されている部材であり、前記プランジャ3によって加圧され、ノズル4の内部に導入された電極ペースト5を、スリット4aに通過させることによって、電極ペースト5に含まれる粒子を該電極ペースト5中に均等に分散させる役割を果たすものである。
スリット4aは、そのスリット幅hを、50〜300μmとするものであり、その微小な幅のスリット4aに電極ペースト5を通過させるときに、電極ペースト5に作用する圧力と、スリット4aを通過した後に電極ペースト5に作用する圧力の圧力差によって、電極ペースト5にキャビテーションを生じさせることができる構成としている。
ここで、ノズル4による粒子の分散状況について、説明をする。
図4に示す如く、本実施形態では、スリット4aより手前の電極ペースト5は、プランジャ3によって、10〜200MPaに加圧されており、その圧力で、スリット4aに圧入される。
電極ペースト5は、スリット4aを通過するときにさらに加圧されるが、スリット4aを通過した後には、電極ペースト5に作用する圧力が低下する。
そして、このときに生じる圧力差によって、電極ペースト5にはキャビテーション(微細な気泡)が生じ、そのキャビテーションの作用によって電極ペースト5に含まれる粒子の分散が促進される。
また、図4に示すように、スリット4aを通過した後の電極ペースト5の流れは乱流化するため、キャビテーションによる効果と、乱流化による効果の相乗効果によって、電極ペースト5内に含まれる粒子の分散が促進される。
さらに、このようにキャビテーションおよび乱流化の効果によって、粒子の分散を促進させる場合には、粒子同士の衝突は生じるものの、粒子同士が強力にこすり合わされるような状況が生じないため、粒子自体が壊れたり、あるいは、粒子に施されたコート層等が剥がれたりすることがない。
そして、分散装置1は、図3(b)に示すようなノズル14を備える構成であってもよい。
図3(b)ノズル14は、スリットの幅がh1である第一のスリット14aと、スリットの幅がh2である第二のスリット14bを備える構成としている。
そして、ノズル14における各スリットの幅h1・h2は、50〜300μmとしている。
尚、本実施形態では、ノズル4あるいはノズル14に形成されるスリット(即ち、スリット4aあるいは各スリット14a・14b)が、電極ペースト5の流れ方向が直線状となるように配置される態様(ストレートノズルと呼ぶ)となっているが、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法に用いる分散装置におけるノズルの態様はこれに限定するものではない。
即ち、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法に用いるノズルの態様は、例えば、2系統の電極ペースト5のスリット状の流路を形成するとともに、その流路を途中で屈曲させたり、あるいは、その流路を途中で交差させたりするような態様(クロスノズルと呼ぶ)であってもよい。
また、本実施形態では、ノズルにおけるスリットの個数が1個および2個である場合を例示して説明をしているが、例えば、スリットの個数を3個以上に増段する構成とすることが可能であり、これによって、ノズルによる電極ペースト中における粒子の分散効果をより高める効果が期待できる。
次に、(Step−2)における分散装置1の具体的な使用状況について、説明をする。
図2に示す如く、(Step−1)において作製された(図1参照)CMC水溶液は、分散装置1のホッパー状の導入部2bに供給される。
また、分散装置1の導入部2bには、負極活物質(本実施形態では、天然黒鉛)が供給され、導入部2bにおいて、CMC水溶液と天然黒鉛が粗混ぜされた混合物の状態で貯溜される。あるいは、導入部2bに供給する前に、CMC水溶液と天然黒鉛を予め粗混ぜしておき、その粗混ぜした混合物を導入部2bに供給する構成であってもよい。
尚、このときの混合物の粘度は、10万MPa・s程度となっており、流動性に乏しい状態となっている。
そして、プランジャ3を、加圧部2aに対して最も後退させた位置に変位させておき、この状態で、導入部2bから加圧部2aに混合物(ペースト5)を導入する。
そして次に、プランジャ3を加圧部2a側に変位させることによって、加圧部3a内に満たされたペースト5を加圧することができ、その圧力によって、ペースト5を、ノズル4のスリット4a(図3参照)に通過させる構成としている。
尚、ペースト5を加圧している状態では、弁体2cが導入部2b側に押圧され、導入部2bと加圧部2aを連通する流路を封止して、ペースト5に作用する圧力が逃げることがないようにしている。
そして、ペースト5をノズル4のスリット4aに通過させるときに、その混合物において天然黒鉛を分散させる構成としている。
尚、ペースト5をノズル4のスリット4aに通過させるときには、天然黒鉛のみならずCMCも、混合物中に均等に分散される。
次に、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法の適用効果について、図5〜図7を用いて説明をする。
本実施形態では、「黒色度」を、活物質に施されたコート層の剥がれ具合を評価するための指標として用いている。
例えば、本実施形態では、負極ペーストを、アモルファスコーティングが施された負極活物質たる天然黒鉛を使用して作製する構成としており、負極ペーストの作製過程において、天然黒鉛に対して付与されたせん断応力等による、天然黒鉛自体が受けるダメージの度合を、「黒色度」によって、評価する構成としている。
ここでいう、「黒色度」とは、評価対象たる電極ペーストを、イオン交換水で10倍程度に希釈したものを遠心分離機にかけ、その上澄み液を採取し、その上澄み液について光の透過度を測定した値を「黒色度」として規定している。
「黒色度」が高い場合は、コート層の剥がれたものが電極ペースト中に多く浮遊している状態であると考えられ、活物質の受けたダメージが大きいものと考えられる。
一方、「黒色度」が低い場合は、コート層の剥がれが少ないと考えられ、活物質の受けたダメージも小さいものと考えられる。
そして、本測定では、電極ペーストの「黒色度」を比較することによって、当該電極ペーストを作製するときの電極ペースト中における活物質の分散方法の良否を評価するものとしている。
図5(a)には、従来の方法で作製した複数の電極ペーストと、本発明に係る方法で作製した電極ペーストの黒色度を比較した測定結果を示している。
また図5(a)では、従来の電極ペーストの製造方法と、本発明に係る電極ペーストの製造方法の処理速度についても比較している。
図5(a)の横軸に示す(A)〜(C)は、従来の製造方法で作製した各電極ペーストに対応しており、各電極ペースト(A)〜(C)についての黒色度および処理速度の測定結果を示している。
より詳しくは、図5(a)に示す電極ペースト(A)は、プラネタリミキサーを用いて作製した固形分率54重量%の電極ペーストであり、電極ペースト(B)は、プラネタリミキサーを用いて作製した固形分率60重量%の電極ペーストであり、電極ペースト(C)は、二軸押出混練機を用いて作製した固形分率60重量%の電極ペーストである。
一方、図5(a)の横軸に示す(D)は、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペーストに対応しており、より詳しくは、電極ペースト(D)は、分散装置1(図2参照)を用いて作製した固形分率60重量%の電極ペーストである。
図5(a)によると、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)は、従来の方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)に比して、黒色度が小さくなっている。
また、従来の製造方法で作製した電極ペースト(A)についても、黒色度が比較的低く抑えられており、プラネタリミキサーを用いて固練りをする従来の製造方法でも、固形分率が54重量%の電極ペースト(A)であれば、活物質にダメージを与えずに電極ペーストを作製することが可能であることが判る。
しかしながら、従来の製造方法では、固形分率が60重量%になると、プラネタリミキサーを用いても(即ち、電極ペースト(B))、あるいは、二軸押出混練機を用いても(即ち、電極ペースト(C))、黒色度が増大してしまうことが判る。
即ち、従来の製造方法で、固形分率が60重量%程度の電極ペーストを作製しようとすると、固練り時に、活物質の割れやコート層の剥がれ等を引き起こしてしまい、質のよい、電極ペーストを作製することが困難であることが判る。
一方、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法では、電極ペースト(D)のように固形分率が60重量%程度であっても、固練りをすることなく、黒色度を低く抑えることが可能であることが判る。
また、電極ペースト(D)の黒色度は、固形分率が54重量%である電極ペースト(A)の黒色度よりもさらに低くなっている。
即ち、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法によれば、固形分率が60重量%の電極ペーストであっても、活物質の割れやコート層の剥がれ等を生じさせることなく、質のよい、電極ペーストを作製することが可能であることが判る。
即ち、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)は、従来の製造方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)に比して、活物質が受けるダメージを小さく抑えることができている。
また、図5(a)によると、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で電極ペースト(D)を作製する場合には、従来の方法で各電極ペースト(A)〜(C)を作製する場合に比して、処理速度が速くなっている。
即ち、図5(a)に示す測定結果から、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で電極ペーストを作製することによって、活物質に与えるダメージを従来に比して抑えながら、従来の方法に比して、電極ペーストの作製効率を向上させることが可能であることが判る。
さらに、図5(b)には、各電極ペースト(A)〜(D)における処理速度が異なっていることを考慮して、各電極ペースト(A)〜(D)における処理速度を同一とし、かつ、同一量の電極ペーストを処理した場合における黒色度を比較した結果を示している。
そして、図5(b)に示す測定結果においても、電極ペースト(D)の黒色度が最も低くなっており、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で電極ペーストを作製することによって、活物質に与えるダメージを従来に比して抑えることが可能であることが改めて確認できた。
また、図6には、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペーストと、従来の方法で作製した各電極ペーストにおいて、それぞれの電極ペーストに含まれる粒子(活物質)の粒度分布を比較した結果を示している。
図6によれば、従来の不良品に係る電極ペーストでは、粒度分布が粒子径の小さい側に広がりを見せていることが判る。
これは、電極ペーストを作製する途中(分散の段階)で、活物質がダメージを受けて、活物質の割れやコート層の剥がれ等が生じた結果、粒径の小さい粒子が多く生じたことを表しているものと考えられる。
また、図6によれば、従来の良品に係る電極ペーストでは、粒度分布が粒子径の小さい側に若干の広がりを見せていることが判る。
一方、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した良品である電極ペーストは、従来の良品に係る電極ペーストに比して、粒子径の小さい側への粒度分布の広がりが小さくなっている。
これは、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法による場合には、電極ペーストを作製する途中(分散の段階)で、活物質にダメージを与えることなく、活物質の分散が図られていることを表しているものと考えられる。
即ち、図6に示す測定結果によっても、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で電極ペーストを作製することにより、活物質に与えるダメージを従来に比して抑えることが可能であることが改めて確認できた。
次に、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法により作製した電極ペーストを用いて製造された二次電池の容量維持率について、説明をする。
尚、図7に示す実験結果における二次電池の1サイクルの充放電条件は、SOC0〜100%の間で、定電流により2C充放電をするものとしている。
また、以下で述べる各電極ペースト(A)〜(D)は、先に説明をした各電極ペースト(A)〜(D)に対応している。
図7(a)には、従来の製造方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)と、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)を用いて製造された二次電池における100サイクル後の容量維持率の測定結果を示している。
そして、図7(a)によれば、従来の製造方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)を用いた場合の100サイクル後の容量維持率に比して、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)を用いた場合の100サイクル後の容量維持率が優れていることが判る。
これは、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法による場合には、電極ペーストを作製する途中(分散の段階)で、活物質に与えられたダメージが少ないため、電極体における合材層の剥離や劣化が抑制されているものと考えられる。
さらに、図7(b)には、従来の製造方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)を用いて製造した二次電池と、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)を用いて製造した二次電池の500サイクル後の容量維持率の測定結果を示している。
そして、図7(b)によれば、従来の製造方法で作製した各電極ペースト(A)〜(C)を用いた場合の500サイクル後の容量維持率に比して、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)を用いた場合の500サイクル後の容量維持率が優れていることが判り、またその差がより顕著になっていることが判る。
また、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で作製した電極ペースト(D)は、500サイクル後の容量維持率の民生用電池における一般的な要求水準である80%の容量維持率を大きく上回っており、電極ペースト(D)を用いて製造した二次電池が、優れたサイクル特性を有していることが判る。
即ち、図7(a)(b)に示す測定結果によっても、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法で電極ペーストを作製することにより、活物質に与えるダメージを従来に比して抑えることが可能であり、二次電池におけるサイクル特性の向上に寄与することが確認できた。
即ち、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法は、活物質たる天然黒鉛(負極活物質)を含む電極用材料(本実施形態ではCMCおよび天然黒鉛)と溶媒(本実施形態ではイオン交換水)の混合物に圧力を付与して、その混合物を所定の幅のスリット4aに通過させて、混合物において、CMCおよび天然黒鉛を分散させる工程(即ち、(Step−2))を備えるものである。
このような構成により、固練りをしなくても、高固形分かつ低粘度でありながら分散状態のよい電極ペースト5を製造することができる。
またこれにより、乾燥工程における乾燥負荷の低減を図りつつ、活物質(例えば、天然黒鉛等)や導電助材(例えば、アセチレンブラック等)等の割れや、活物質等に形成しているコート層(例えば、アモルファスコーティング)の剥がれ等を防止することができ、電極体の品質向上を図るとともに、ひいては二次電池の性能向上を図ることができる。
また、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法において、電極ペースト5は固形分率が54重量%以上であって、前記電極用材料は、亜麻仁油吸油量が、47ml/100g以下の負極活物質(本実施形態では、天然黒鉛)を含み、CMCおよび負極活物質をイオン交換水に対して分散させる工程(Step−2)において、混合物に付与する圧力を、10〜200MPaとし、スリット4aの所定の幅を、50〜300μmとするものである。
また、本発明の一実施形態に係る電極ペーストの製造方法において、前記電極用材料は、負極活物質たる天然黒鉛と増粘剤たるCMCを含み、前記溶媒は、イオン交換水であって、前記混合物は、CMCをイオン交換水で溶解したCMC水溶液に、天然黒鉛を混合させたものである。
このような構成により、固練りをしなくても、高固形分かつ低粘度でありながら分散状態のよい負極用の電極ペースト5を製造することができる。
1 分散装置
4 ノズル
4a スリット
5 電極ペースト

Claims (3)

  1. 活物質を含む電極用材料と溶媒を混合して電極ペーストを製造する方法であって、
    前記電極用材料と溶媒の混合物に圧力を付与して、
    前記混合物を所定の幅のスリットに通過させて、
    前記混合物において前記電極用材料を分散させる工程を備える、
    ことを特徴とする電極ペーストの製造方法。
  2. 前記電極ペーストは、固形分率が54重量%以上であって、
    前記電極用材料は、
    亜麻仁油吸油量が、47ml/100g以下の負極活物質を含み、
    前記溶媒において前記電極用材料を分散させる工程において、
    前記混合物に付与する圧力を、10〜200MPaとし、
    前記スリットの所定の幅を、50〜300μmとする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電極ペーストの製造方法。
  3. 前記電極用材料は、前記負極活物質と増粘剤を含み、
    前記溶媒は、イオン交換水であって、
    前記混合物は、
    前記増粘剤を前記イオン交換水で溶解した水溶液に、前記負極活物質を混合させたものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載に電極ペーストの製造方法。
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