JP5145855B2 - 多層構造体の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)第1の無機微粒子および第1の液体媒体を含む第1の塗工液を基材層上に塗工して第1の塗工膜を形成し、次いで該第1の塗工膜から第1の液体媒体を除去して、第1の層を形成する工程
(2)第2の金属アルコキシドおよび第2の水系媒体を含む第2の塗工液を、前記第1の層上に直接塗工して第2の塗工膜を形成し、次いで該第2の塗工膜から第2の水系媒体を除去して、以下の要件(i)を満たす第2の層を形成する工程
(i)前記第2の金属アルコキシドの金属を全て金属酸化物に換算した場合、第2の層に含まれる前記金属酸化物の割合が70〜100vol%である(ただし第2の層の体積を100%とする)
(1)第1の無機微粒子および第1の液体媒体を含む第1の塗工液を基材層上に塗工して第1の塗工膜を形成し、次いで該第1の塗工膜から第1の液体媒体を除去して、第1の層を形成する工程
(2)第2の金属アルコキシドおよび第2の水系媒体を含む第2の塗工液を、前記第1の層上に直接塗工して第2の塗工膜を形成し、次いで該第2の塗工膜から第2の水系媒体を除去して、以下の要件(i)を満たす第2の層を形成する工程
(i)前記第2の金属アルコキシドの金属を全て金属酸化物に換算した場合、第2の層に含まれる前記金属酸化物の割合が70〜100vol%である(ただし第2の層の体積を100%とする)
R’m−M(−OR)n (I)
(式中、Mは金属元素を表し、R’は、同一または異なっていてもよく、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、メルカプト基に代表される反応性有機官能基あるいはアルキル基に代表される非反応性有機官能基を表し、Rは、同一または異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、mは0または正の整数、nは1以上の整数であり、かつm+nは金属元素Mの原子価と一致する。)
第2の塗工液に含まれ得る成分としては、水酸基およびカルボキシル基を有する樹脂や水酸基を有する樹脂、イソシアネート基を含む化合物が挙げられる。水酸基を有する樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。その中でもポリビニルアルコールを用いることが、ガスバリア性の観点から好ましい。イソシアネートを含む化合物とは、該化合物中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有する化合物であって、代表的にはトリレンジイソシアネート,トリフェニルメタントリイソシアネート,イソホロンジイソシアネ−ト,テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類、これらの重合体や誘導体などである。
本発明の無機層状化合物とは、原料の状態で、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成している物をいう。層状構造とは、原子が共有結合等によって強く結合して密に配列した面が、ファン・デル・ワールス等の弱い結合力によってほぼ平行に積み重なった構造をいう。
無機層状化合物の中でも特に溶媒への膨潤性を持つ粘土鉱物が好ましく用いられる。
100mlメスシリンダーに液体媒体100mlを入れ、これに無機層状化合物2gを徐々に加える。23℃にて24時間静置後、上記メスシリンダー内における無機層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(膨潤値)が大きい程、膨潤性が高いことを示す。
無機層状化合物30gを液体媒体1,500ml中に徐々に加え、分散機(浅田鉄工株式会社製、デスパMH−L、羽根径52mm、回転数3,100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28mm)にて、周速8.5m/分、23℃で90分間分散させた後、この分散液100mlをメスシリンダーに採取する。60分静置後、上記メスシリンダー内における層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状化合物分散層の体積(ml)を読む。この数値(劈開値)が大きい程、劈開性が高いことを示す。
第2の樹脂が、水酸基を有する樹脂と、水酸基と反応し得る第2の官能基を有する樹脂との混合物である場合には、水酸基を有する樹脂がポリビニルアルコールであり、水酸基と反応し得る第2の官能基を有する樹脂がポリアクリル酸および/またはポリメタアクリル酸であることが好ましい。
また本発明におけるポリビニルアルコールは、ビニルアルコール単位と、エチレン、プロピレン等のα−オレフィン単位とを含む共重合体であってもよい。ポリビニルアルコールが一分子中にビニルアルコール単位とα−オレフィン単位とを含む場合、本発明では、α−オレフィン単位の含有量が20モル%以下である樹脂をPVAと称する。ここでα−オレフィン単位とは、α−オレフィン由来の構成単位を意味する。
中和度=(A/B)×100
A:ポリアクリル酸1g中に含まれる中和されたカルボキシル基のモル数
B:ポリアクリル酸1g中に含まれる中和前のカルボキシル基のモル数
また、ポリメタアクリル酸中和物についても同様である。
架橋剤にキレート化合物を用いる場合には、架橋剤を混合した後の第3の塗工液の安定性の観点から、該塗工液が酸性であることが好ましい。
第3の塗工液のpHを調製する方法としては、公知の方法を用いることができるが、塩酸や水酸化ナトリウム等の強酸性あるいは強塩基性添加剤を添加する方法、イオン交換樹脂を用いる方法が好ましい。
(1)第1の無機微粒子および第1の液体媒体を含む第1の塗工液を基材層上に塗工して第1の塗工膜を形成し、次いで該第1の塗工膜から第1の液体媒体を除去して、第1の層を形成する工程
(2)第2の金属アルコキシドおよび第2の水系媒体を含む第2の塗工液を、前記第1の層上に直接塗工して第2の塗工膜を形成し、次いで該第2の塗工膜から第2の水系媒体を除去して、以下の要件(i)を満たす第2の層を形成する工程
(i)前記第2の金属アルコキシドの金属を全て金属酸化物に換算した場合、第2の層に含まれる前記金属酸化物の割合が70〜100vol%である(ただし第2の層の体積を100%とする)
(3)第3の無機層状化合物、第3の樹脂および第3の液体媒体を含む第3の塗工液を、前記第2の層上に直接塗工して第3の塗工膜を形成し、次いで該第3の塗工膜から第3の液体媒体を除去して、第3の層を前記第2の層上に形成する工程
該方法により得られる多層構造体は、基材層、第1の層、第2の層および第3の層を有し、第1の層、第2の層および第3の層が隣接して積層されてなり、かつ第2の層と基材層との間に第1の層が配されてなる構造体である。
基材/第1の層/第2の層(構成1)、
基材/第1の層/第2の層/追加層A(構成2)、
基材/第1の層/第2の層/追加層B/追加層C(構成3)、
基材/第1の層/第2の層/追加層D/追加層E/追加層F(構成4)、
基材/第1の層/第2の層/樹脂層(構成5)、
基材/第1の層/第2の層/追加層B/追加層C/樹脂層(構成6)、
基材/第1の層/第2の層/追加層D/追加層E/追加層F/樹脂層(構成7)
基材/追加層G/第1の層/第2の層(構成8)
基材/追加層G/第1の層/第2の層/追加層A(構成9)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/追加層B/追加層C(構成10)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/追加層D/追加層E/追加層F(構成11)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/樹脂層(構成12)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/追加層B/追加層C/樹脂層(構成13)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/追加層D/追加層E/追加層F/樹脂層(構成14)
が挙げられる。
また同様に第3の層を有する場合、本発明の多層構造体の構成としては、例えば、
基材/第1の層/第2の層/第3の層(構成1)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/追加層A(構成2)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/追加層B/追加層C(構成3)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/追加層D/追加層E/追加層F(構成4)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/樹脂層(構成5)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/追加層B/追加層C/樹脂層(構成6)、
基材/第1の層/第2の層/第3の層/追加層D/追加層E/追加層F/樹脂層(構成7)
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層(構成8)
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/追加層A(構成9)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/追加層B/追加層C(構成10)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/追加層D/追加層E/追加層F(構成11)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/樹脂層(構成12)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/追加層B/追加層C/樹脂層(構成13)、
基材/追加層G/第1の層/第2の層/第3の層/追加層D/追加層E/追加層F/樹脂層(構成14)
が挙げられる。
ここで追加層A、B、C、D、E、F、Gは、それぞれ第1の層または第2の層と同じ組成であってもよい。例えば構成2あるいは構成9において追加層Aが第1の層と同じ組成であってもよく、構成3、構成6、構成10あるいは構成13において追加層Bが第1の層と、追加層Cが第2の層と同じ組成であってもよい。また構成4、構成7、構成11あるいは構成14において追加層DおよびFが第1の層と同じ組成であり、追加層Eが第2の層と同じ組成であってもよい。また構成8〜構成14の追加層Gについても同様に、第2の層と同じ組成であってもよい。
また本発明で得られる多層構造体を包装材料として用いることにより、該包装材料で包装された内容物の酸素劣化を防ぐことができる。本発明で得られる多層構造体を包装材料として用いる場合、その形状としては、フィルム、袋、パウチ、ボトル、ボトルキャップ、カートン容器、カップ、皿、トレー、タンク、チューブ等が挙げられる。本発明で得られる多層構造体は、レトルト後バリア性に優れることから、特にレトルト用包装材料として好ましく用いられる。本発明で得られる多層構造体により包装される内容物としては、ケーキ、カステラ等の洋菓子、大福、もち等の和菓子、ポテトチップス等のスナック菓子等の菓子類、竹輪や蒲鉾等の水産加工品、味噌、漬物、蒟蒻、ミートボール、ハンバーグ、ハム・ソーセージ等の食品、コーヒー、茶、ジュース等の飲料品、牛乳、ヨーグルト等の乳製品、米飯、カレー等が例示される。また食料品以外に、洗剤、入浴剤、化粧品といったトイレタリー製品、ガソリン、水素ガス等の燃料、粉末剤、錠剤、点眼薬、輸液バック等の医薬品および医療機器、ハードディスク、シリコンウエハ等の電子部品および電子機器等の包装材料としても用いることができる。
0.5μm以上の厚みは、市販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名:超高精度デシマイクロヘッド MH−15M、日本光学社製)を用いて測定した。0.5μm未満の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)の断面観察より求めた。
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)を用いて測定した。塗工液(1)、塗工液(4)、塗工液(5)、塗工液(6)をそれぞれ希釈し、該希釈液中の無機層状化合物の平均粒径を、フローセルにて光路長4mmで測定し、得られた平均粒径を無機層状化合物の平均粒径Lとみなした。
なお、塗工液(1)、塗工液(4)、塗工液(5)、塗工液(6)を希釈せずに、各塗工液中の無機層状化合物の平均粒径をペーストセルにて光路長50μmで測定し、この平均粒径と、希釈液で求めた平均粒径Lの値とがほぼ一致したとき、該塗工液中で無機層状化合物が充分に膨潤し劈開していると認定した。
また塗工液(2)についても、その希釈液をレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(LA910、堀場製作所(株)製)によりフローセルにて光路長4mmで測定し、該希釈液中の無機微粒子の平均粒径を求めた。
X線回折装置(XD−5A、(株)島津製作所製)を用い、無機層状化合物そのものについて粉末法による回折測定を行った。これにより無機層状化合物の単位厚さaを求め、上述の方法で求めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、Z=L/aの式により算出した。なお塗工液(1)、塗工液(1)、塗工液(4)、塗工液(5)、塗工液(6)を乾燥したものについてもX線回折測定を行ない、無機層状化合物の面間隔が広がっていることを確認した。
また無機微粒子についても、同様にしてアスペクト比を求めた。
JIS K7126に基づき、超高感度酸素透過度測定装置(OX−TRANML、MOCON社製)にて、23℃90%RHの条件下で測定を行った。
塗工液(1)の作製
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1300gと、ポリビニルアルコール(AQ2117;(株)クラレ製,ケン化度;99.6%、重合度1,700)130gとを混合し、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で95℃に昇温した。該混合系を同温度で30分間攪拌してポリビニルアルコールを溶解させたのち、60℃に冷却し、ポリビニルアルコール水溶液を得た。該ポリビニルアルコール水溶液(60℃)を前記同様の条件で攪拌しながら、1−ブタノール122g、イソプロピルアルコール122gおよびイオン交換水520gを混合してなるアルコール水溶液を5分間かけて滴下した。滴下終了後、高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)に切り替え、該攪拌系に高純度モンモリロナイト(商品名:クニピアG;クニミネ工業(株)製)65gを徐々に加え、添加終了後、60℃で60分間攪拌を続けた。その後、さらにイソプロパノール243gを15分間かけて加え、次いで該混合系を室温まで冷却し、さらに非イオン性界面活性剤(ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレン共重合体、商品名:SH3746、東レ・ダウコーニング(株)製)0.1重量%(前記含有液の重量を基準とする)を添加し、無機層状化合物分散液(A)を得た。さらにこの無機層状化合物分散液(A)を高圧分散装置(商品名:超高圧ホモジナイザーM110−E/H、Microfluidics Corporation 製)を用いて、1100kgf/cm2の条件で処理し、無機層状化合物分散液(B)を得た。無機層状化合物分散液(B)中の劈開したモンモリロナイト平均粒径は560nm、粉末X線回折から得られるa値は1.2156nmであり、アスペクト比は460であった。また、無機層状化合物分散液(B)のpHは8であった。
上記の無機層状化合物分散液(B)を、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)において、系のpHが8となるように水酸化ナトリウムで調整しながら徐々に添加することにより、塗工液(1)を調製した。塗工液(1)中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたとき、無機層状化合物の割合は20vol%であった。
攪拌機にて、室温下、コロイダルシリカ(商品名:コロイダルシリカST−XS、日産化学工業(株)製)80gを高速攪拌(3,000rpm、周速度=8.2m/分)のもと、該攪拌系に水760g、イソプロパノール760gを徐々に加え、添加終了後、室温下にて60分間攪拌を続け、塗工液(2)を調製した。粒径測定を行ったところ、平均粒径は0.005μm以下、アスペクト比は1、すなわち球状であった。
分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)970gおよびイソプロパノール970gとを混合し、塩酸にてPH=2とし、テトラエトキシシラン(和光純薬工業(株)製)208gを加えた。低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で80℃に昇温し、該混合系を同温度で60分間攪拌した後室温に戻し、金属アルコキシド溶液を作製した。該金属アルコキシド溶液は、使用したテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の濃度が3wt%の混合液である。さらに該分散釜にて、前記金属アルコキシド溶液200gにイオン交換水300gおよびイソプロピルアルコール300gを加え、低速攪拌下、室温にて10分間攪拌し、塗工液(3)を作製した。
高純度モンモリロナイト82gとしたこと以外は無機層状化合物分散液(A)と同様にして、無機層状化合物分散液(C)を作製した。
またさらに別の分散釜(商品名:デスパMH−L、浅田鉄工(株)製)に、イオン交換水(比電気伝導率0.7μs/cm以下)1067gと、ポリアクリル酸(和光純薬工業(株)製、平均分子量100,0000)33gとを混合し、常温にて低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で樹脂成分溶液を作製した。
無機層状化合物分散液(C)2519gと樹脂成分溶液1100gを、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)において徐々に混合して混合液とし、さらに該混合液を高圧分散装置を用いて、1100kgf/cm2の条件で処理することにより、無機層状化合物分散液(D)を得た。該無機層状化合物分散液(D)のpHは6であった。
その後該無機層状化合物分散液(D)をpHが8となるようにイオン交換樹脂で調整し、塗工液(5)を得た。塗工液(5)中のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸と無機層状化合物の合計体積を100%としたとき、無機層状化合物の割合は20vol%であった。
塗工液(1)にコロイダルシリカ203gを徐々に加え、添加終了後、室温下にて60分間攪拌を続け、塗工液(5’)を調製した。その後、低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で60℃に昇温し、該塗工液(5’)にテトラエトキシシラン(和光純薬工業(株)製)140gを徐々に加え、同温度で60分間攪拌した後室温に戻し、塗工液(5)を作製した。該塗工液(5)は、使用した樹脂(ポリビニルアルコール)と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比が、64/16/10/10となる塗工液である。
塗工液(4)と同様にして塗工液(6’)を作製した。その後低速撹拌下(1500rpm、周速度4.1m/分)で80℃に昇温し、該塗工液(6’)にコロイダルシリカ256g、テトラエトキシシラン(和光純薬工業(株)製)177gを徐々に加え、同温度で60分間攪拌した後室温に戻し、塗工液(6)を作製した。該塗工液(6)は、使用した樹脂(ポリビニルアルコールとポリアクリル酸)と無機層状化合物とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比が、64/26/10となる塗工液である。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:PTM;ユニチカ(株)製)の片面をコロナ処理したものを基材層とし、該基材層のコロナ処理面に、前述の塗工液(1)をテストコーター(康井精機製)を用いてマイクログラビア塗工法(グラビアロールの線数 300)により、塗工速度3m/分でグラビア塗工して乾燥温度100℃で乾燥し、下塗り層を形成した。下塗り層の厚みは0.04μmであった。該第1の層をA1層とする。次にA1層上に、塗工液(2)を塗工液(1)と同様の方法で塗工して乾燥し、第1の層を形成した。該第1の層をB1層とする。さらに上記B1層上に塗工液(3)を先と同様の方法で塗工して乾燥して第2の層を形成した。該第2の層をC1層をとする。さらに上記C1層上に塗工液(1)を先と同様の方法で塗工して乾燥して第3の層を形成した。該第3の層をA2層をとする。このようにして基材層を含めて5層(基材層/A1層/B1層/C1層/A2層)の多層構造体を得た。該多層構造体における乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちA1層/B1層/C1層/A2層の厚みは0.11μmであった。A1層の厚みが0.04μmであったことから、同様にA2層の厚みも0.04μmであり、B1層、C1層の厚みはそれぞれ0.01μmであった。
なおA1層、A2層の各層に含まれる無機層状化合物の割合は、用いた塗工液(1)中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の割合に等しいとみなすことができ、20vol%である。またB1層に含まれる無機微粒子の割合は100vol%であり、C1層に含まれるテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合の割合は100vol%であった。また全ての塗工層(すなわちA1層、B1層、C1層およびA2層)の合計体積(「全塗工層」と称する)を100%とするとき、該全塗工層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体について乾熱処理を行い、次いで乾燥処理を行い、その後酸素透過度測定を行った。結果を表1に示した。
下塗り層および第3の層を形成する塗工液(1)のかわりに、塗工液(4)を用いたこと以外は実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/D1層/B1層/C1層/D2層であり、乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちD1層/B1層/C1層/D2層の厚みは0.1μmであった。
なおD1層、D2層の各層に含まれる無機層状化合物の割合は、用いた塗工液(4)中のポリビニルアルコールとポリアクリル酸と無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の割合に等しいとみなすことができ、20vol%である。またB1層に含まれる無機微粒子の割合は100vol%であり、C1層に含まれるテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の割合は100vol%であった。また全ての塗工層(すなわちD1層、B1層、C1層およびD2層)の合計体積(「全塗工層」と称する)を100%とするとき、該全塗工層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体を乾熱処理した後、23℃50%RH雰囲気下で24時間エージングした。次いで前記多層構造体に60分間湿熱処理を行い、さらに乾燥処理を行った。その後該多層構造体の酸素透過度を測定した。結果を表2に示した。
塗工液(2)のかわりに塗工液(3)を、塗工液(3)のかわりに塗工液(2)を用いたこと以外は実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/A1層/C1層/B1層/A2層であり、乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちA1層/C1層/B1層/A2層の厚みは0.1μmであり、A1層、A2層の厚みはそれぞれ0.04μmであり、B1層、C1層の厚みはそれぞれ0.01μmであった。
なおA1層、A2層の各層に含まれる無機層状化合物の割合は、用いた塗工液(1)中のポリビニルアルコールと無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の割合に等しいとみなすことができ、20vol%である。またB1層に含まれる無機微粒子の割合は100vol%であり、C1層に含まれるテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の割合は100vol%であった。また全ての塗工層(すなわちA1層、C1層、B1層およびA2層)の合計体積(「全塗工層」と称する)を100%とするとき、該全塗工層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体について乾熱処理を行い、次いで乾燥処理を行い、その後酸素透過度測定を行った。結果を表1に示した。
塗工液(2)のかわりに塗工液(3)を、塗工液(3)のかわりに塗工液(2)を用いたこと以外は実施例2と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/D1層/C1層/B1層/D2層であり、乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちD1層/C1層/B1層/D2層の厚みは0.1μmであり、D1層、D2層の厚みはそれぞれ0.04μmであり、B1層、C1層の厚みはそれぞれ0.01μmであった。
なおD1層、D2層の各層に含まれる無機層状化合物の割合は、用いた塗工液(4)中のポリビニルアルコールとポリアクリル酸と無機層状化合物の合計体積を100%としたときの無機層状化合物の割合と等しいとみなすことができ、20vol%である。またB1層に含まれる無機微粒子の割合は100vol%であり、C1層に含まれるテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の割合は100vol%であった。また全ての塗工層(すなわちD1層、C1層、B1層およびD2層)の合計体積(「全塗工層」と称する)を100%とするとき、該全塗工層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体を乾熱処理した後、23℃50%RH雰囲気下で24時間エージングした。次いで前記多層構造体に60分間湿熱処理を行い、さらに乾燥処理を行った。その後該多層構造体の酸素透過度を測定した。結果を表2に示した。
塗工液(1)、塗工液(2)、塗工液(3)のかわりに塗工液(5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/E1層であり、乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちE1層の厚みは0.16μmであった。
E1層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、用いた塗工液(5)中の樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比と等しいと見なすことができ、塗工層における樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体について熱処理を行い、次いで乾燥処理を行い、その後酸素透過度測定を行った。結果を表1に示した。
塗工液(1)、塗工液(2)、塗工液(3)のかわりに塗工液(6)を用いたこと以外は実施例1と同様にして多層構造体を得た。得られた多層構造体の構成は、基材層/F1層であり、乾燥後の塗工層の総厚み、すなわちF1層の厚みは0.16μmであった。
F1層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、用いた塗工液(6)中の樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比と等しいと見なすことができ、塗工層に含まれる樹脂と無機層状化合物と無機微粒子とテトラエトキシシランをSiO2に換算した場合のSiO2の体積比は、64/16/10/10となる。
得られた多層構造体を乾熱処理した後、23℃50%RH雰囲気下で24時間エージングした。次いで前記多層構造体に60分間湿熱処理を行い、さらに乾燥処理を行った。その後該多層構造体の酸素透過度を測定した。結果を表2に示した。
Claims (5)
- 基材層と、第1の層と、該第1の層上に隣接する第2の層とを有する多層構造体の製造方法であって、以下の工程(1)、(2)を順に含む多層構造体の製造方法。
(1)第1の無機微粒子および第1の液体媒体を含む第1の塗工液を基材層上に塗工して第1の塗工膜を形成し、次いで該第1の塗工膜から第1の液体媒体を除去して、以下の要件(ii)を満たす第1の層を形成する工程
(ii)前記第1の層に含まれる前記第1の無機微粒子の割合が80〜100vol%である(ただし第1の層の体積を100%とする)
(2)第2の金属アルコキシドおよび第2の水系媒体を含む第2の塗工液を、前記第1の層上に直接塗工して第2の塗工膜を形成し、次いで該第2の塗工膜から第2の水系媒体を除去して、以下の要件(i)を満たす第2の層を形成する工程
(i)前記第2の金属アルコキシドの金属を全て金属酸化物に換算した場合、第2の層に含まれる前記金属酸化物の割合が70〜100vol%である(ただし第2の層の体積を100%とする) - 前記第1の無機微粒子の平均粒径が1μm以下である請求項1に記載の多層構造体の製造方法。
- 前記第1の無機微粒子に含まれる金属元素と前記第2の金属アルコキシドに含まれる金属元素が同一である請求項1または2に記載の多層構造体の製造方法。
- 前記第2の金属アルコキシドに含まれる金属元素がSiおよび/またはAlである請求項1〜3いずれかに記載の多層構造体の製造方法。
- さらに以下の工程(3)を含む請求項1〜4いずれかに記載の多層構造体の製造方法。
(3)第3の無機層状化合物、第3の樹脂および第3の液体媒体を含む第3の塗工液を、前記第2の層上に直接塗工して第3の塗工膜を形成し、次いで該第3の塗工膜から第3の液体媒体を除去して、第3の層を前記第2の層上に形成する工程
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