JP2007504297A - 非弾性ポリマーのバリアコーティング、及び、液体担体及びコートされた物品における分散された層状充填剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】担体液体に、非弾性ポリマー;酸又は塩基で処理されていてもよく、有機カチオンで機能付与されていない剥離されたシリケート充填剤等の層状小板であって、25を超えるアスペクト比を有する小板;及び、少なくとも1つの添加剤;を含有するバリアコーティング混合物であって、その全固形分が30%未満であり、充填剤の量が全固形分の5〜約60%である混合物を提供する。また、この混合物を用いて製造された、コートされた物品及び容器、フリースタンディングフィルム、及び包装フィルムも提供する。そのようなコートされた製品を製造する方法も提供する。
【選択図】なし
Description
非弾性ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン及びそのコポリマー及びブレンド、ポリエステル含有ポリマー、及びポリエステルから選ばれ、好ましくは、そのポリエステルは70℃未満のTgを有し、好ましくは35℃未満のTgを有する。
さらなる側面では、本発明は:非弾性ポリマー;有機カチオンで機能付与されていない実質的に剥離されたシリケート充填剤材料であって、そのシリケート充填剤が25を超えるアスペクト比を有し、そのシリケートの%が固形分の60%未満であるシリケート充填剤;及び、界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レベリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの添加剤;を含有する水性分散液を支持体に塗布すること:及び、その分散液を乾燥して、分散液におけるものと同じポリマー対充填剤比を有するバリアコーティングとすることを含んでなるバリアコーティングフィルムを製造する方法であって、そのコーティングが、非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングよりも、気体透過性において少なくとも5倍の低減を示す方法を提供する。
非弾性ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン及びそのコポリマー及びブレンド、ポリエステル含有ポリマー、及びポリエステルから選ばれ、好ましくは、そのポリエステルは、70℃未満のTgを有し、好ましくは、35℃未満のTgを有する。
支持体は、防腐性包装フィルム、腐食保護フィルム、ガス置換包装及び真空包装、吹込成形容器、熱成形容器、及び電子ディスプレーフィルムからなる群から選ばれる。
さらなる態様では、本発明は、非弾性ポリマー;有機カチオンで機能付与されていない実質的に剥離されたシリケート充填剤材料であって、そのシリケートが25を超えるアスペクト比を有し、そのシリケートが全固形分の60%未満で存在するシリケート充填剤材料;及び、界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レベリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの添加剤;を含有する水性分散液を支持体に塗布することを含んでなる、バリアコーティングの製造方法を提供する。
好ましい支持体は、防腐性包装フィルム、腐食保護フィルム、真空包装及びガス置換包装、吹込成形容器、熱成形容器及び物品、及び、電子ディスプレーからなる群から選ばれる。
“アスペクト比”という用語は、固体形態のすべての小板材料の特性として定義される。アスペクト比は、小板充填剤粒子、例えば、マイカフレークの、小板の厚さで割った小板の横幅の値である。“高いアスペクト比”は、厚さで割った横幅が25を超える小板充填剤のことをいう。いずれの充填剤のアスペクト比は、選択された充填剤固有の特性である。例えば、MICROLITER 963バーミキュライト水溶液(W. R. Grace、1994年1月15日に刊行された欧州出願番号601,877を参照のこと)は、特徴的な、約10,000のアスペクト比又は10〜30μm x 10の幅を有する。
“メソスコピック領域”は、板が、小板が整列している局所的に配向した領域を形成することを意味する。マクロスコピック領域は、マクロスコピック領域を形成する粒子の懸濁液を直交偏光子を通じて見るときに見られる。これらの領域は、ポリマーが水に分散されるときには見ることが難しくなる。
本発明に従うバリアコーティングには、次の成分:
(a)水分散非弾性ポリマー;
(b)酸又は塩基で前処理されて25を超えるアスペクト比を有していてもよい、分散された剥離層状小板シリケート充填剤;及び、
(c)界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、レべリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる、少なくとも1つの添加剤;
が含まれ、
その全固形分は、望ましくは、30%固形分に等しいかそれ未満であり、処理された充填剤の量は、全固形分の5〜60%までで存在する。これらのバリアコーティング混合液は、5倍〜1500倍の高さまで又は充填されていないポリマーよりも高い程度にまで透過性が低減しているフィルムをもたらす。これらの結果は、他の小板充填バリアコーティングに関する先行技術よりも、実質的に高い。
1.用いられる分散されたポリマーが弾性的でない−(驚くべきことに、分散されたポリマー粒子は、変形してナノコンポジットバリアフィルムを形成することができる);
2.剥離された充填剤は、有機的に機能付与されていない(典型的には、それは、有機カチオンでのイオン交換工程を用いて行われる);
3.分散液における剥離された充填剤の濃度とアスペクト比は、メソスコピック領域を形成するために選択される。これは、最終的なナノコンポジットコーティングにおいて小板の配向を促進し、バリア特性の大きな改善を部分的に与える;
4.充填剤の濃度を高くでき(全重量に対して60%まで)、それも透過性における大きな低減をもたらす。
A.非弾性ポリマー
本発明のコーティング混合物を形成するのに有用な非弾性ポリマーには、多くのクラスの中から一般的に選ばれるポリマーが含まれる。その選ばれるポリマーは、溶媒に溶解性であってもよいが、本発明の目的のためには、水性分散液として用いられるだろう。水性分散液は、乳化重合によっても、溶媒に溶解しているポリマーを水(非溶媒)に分散することによる転相によっても形成される。そのようなポリマーには、ポリエステル、ポリエステル含有ポリマー、ポリアミド、塩素化ポリマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリケトン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ビニル樹脂、及びフルオロポリマーが含まれるがこれらに限定されない。好ましい塩素化ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)とそのコポリマー及びブレンドである。好ましいポリエステルには、Tg値が70℃未満であり、好ましくは35℃未満であるポリエステルが含まれる。
本発明に従って用いられるPVDC含有ポリマーには、PVDCのホモポリマー及びそのコポリマー及びブレンドが含まれる。特に好ましいコポリマーには、ポリ塩化ビニル(PVC)及び塩素化PVC(CPVC)を有するそれらが含まれる。他のコポリマーは、アルケン、ハロアルケン、又はいずれかのモノマー含有アクリル樹脂のような活性二重結合との共重合から誘導されるいずれの部分を含有するものである。適する例には、エチレン及び酢酸ビニルのようなアルケン、及び、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルのようなアクリル樹脂が含まれる。
上記の本発明のコーティング混合物には、約25〜約30,000までもの高い範囲にわたる固有の高いアスペクト比を混合時に有する、分散された層状充填剤が含まれる。現時点で好ましい充填剤はバーミキュライトである。より詳しくは、望ましいバーミキュライトは、7.5重量%水溶液の分散マイカである、MICROLITER 963水ベースバーミキュライト分散液(W. R. Grace)である(1994年1月15日に刊行された欧州出願番号601,877を参照のこと)。本発明の混合物の1つの新規な側面は、乾燥コーティングにおける選択された充填剤のアスペクト比である。本発明に従い、乾燥コーティングにおいて、充填剤は、実質的に分散され、良好な配向を保持している。本発明の乾燥コーティングにおいて、層状充填剤は、乾燥コーティングの最小約5〜最大約60重量%で存在する。本発明の組成物は、乾燥されたとき、良好な分散形態で充填剤を保持し、透過性における大きな低減をもたらす。
1.水性ポリマー分散液と水性分散充填剤との相溶性の改善。これは、ポリマーと充填剤との相溶性を改善することを目的とする他の研究とは大いに異なる。有機基は、いずれの有意な量において、その平らな表面上で充填剤に接していない(なぜならば、それらの基は、逆向きに充填され、その表面に突き出ないだろうからである)
2.コーティング組成物の安定性の改善
が含まれる。
a)充填剤の化学的変更−すなわち、酸又は塩基の基の、充填剤構造における端又は欠陥への付着。加えて、その処理は、充填剤から金属イオンを除去し、さらに、充填された界面活性剤と組成物における他の成分との相互作用を変化させる
b)板構造における物理的変化:酸又は塩基処理が、欠陥及び又は不純物で充填剤を局所的に変更すれば、その板は折曲がる。板が平らでなければ、それらはそれらが接触している領域を有するだろう。一方、それらが平らではないときは、それらは、より大きな充填剤粒子へと完全には凝集できない。充填剤が処理されるとき、これらの物理的変化のタイプは、粘度及び安定性における変化の観察結果と一致する。上記のような物理的変化は、酸処理された充填剤が続いて塩基で処理されるとき、その変化が可逆でないという事実とも一致する。物理的変化が改善される特性に重要であるならば、そのような変化は、酸又は塩基処理以外の方法により達成してもよい。
本発明のコーティング混合物は、少なくとも1又は1を超える適する界面活性剤を含有して、表面張力を低下させることができる。界面活性剤には、湿潤剤、消泡剤、乳化剤、分散剤、レべリング剤等として別なもので知られる物質が含まれる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性であることができ、各々のタイプの多くの界面活性剤は、商業的に入手可能である。これらの組成物に含むのに適する界面活性剤は、残りの界面活性剤により動かされない乾燥コーティングを保証するために、十分に低い臨界ミセル濃度を有する。好ましくは、本方法及び本発明の分散液で有用な界面活性剤は、非イオン性であり、特にバーミキュライトのような高度に装填された充填剤で有用である。ラテックス分散物で存在するアニオン性乳化剤の不利な相互作用の発生においては、あらゆる追加のイオン性添加剤を最小に抑えなければならない。この変動性は、界面活性剤又は乳化剤が非イオン性であれば解消できる。pHを調製するために塩基、例えばKOH,NH4OH、及びNaOHを添加することによるような、バーミキュライトを含有する組成物のイオン濃度の増加は、充填剤の凝集を引き起こし、それは透過性の低減に対し逆方向に影響する。
上記のように凝集を防ぐ注意を行うならば、コーティング混合物の他の任意の成分には、塩基、例えば特に、NH4OH、NaOH、又はKOH、又は酸、例えば特に、酢酸、グリシン、又はクエン酸のようなpHを調節する慣用的な剤が含まれる。
本発明のコーティング混合液は、主に水である適する担体液体で存在する。水と有機的担体との組み合わせも担体液体として用いられる。適する有機的担体の例には、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、エタノール、メタノール、他の炭化水素、及びそれらの組み合わせが含まれる。適する有機溶媒担体の選択は当該分野の技術の範囲内である。
本発明に従う、支持体又は界面への塗布に有用なバリアコーティング混合物の1例は:(a)水分散非弾性ポリマー;(b)酸又は塩基で処理されて25を超えるアスペクト比を有していてもよい剥離層状小板充填剤;及び、(c)少なくとも1つの添加剤を含んでなるバリアコーティング混合物により形成されるコーティングを含んでなり、前記混合物の全固形分は30%未満であり、充填剤は全固形分の5〜60%の量で存在する。これらのバリアコーティング混合物は、5倍〜1500倍までもの高さ又は充填されていないポリマーと比べてさえも高いほどの、透過性における低減を有するフィルムをもたらす。これらの結果は、他の小板充填バリアコーティングに関する先行技術よりもかなり高度である。
コーティング混合物は、以下の実施例3〜9及び12〜20で詳細に記載されるように調製されて、適する支持体に塗布され、支持体を通過する気体の透過率を低減させる。乾燥時、乾燥コーティングには、混合物において、少なくとも約65%の重量割合でポリマーが含まれる。乾燥時、充填剤は、好ましくは、前記混合物において約5重量%よりも大きい濃度で存在する。乾燥コーティングは、乾燥された未充填のポリマー単独のものに対して、5倍を超えて気体透過性を低減させる。実施例3〜9及び12〜20に示されるように、本発明の組成物による透過性の低減は、約5〜約1500倍の範囲であり又は充填されていないポリマー単独のものよりもむしろ高いほどである。
本発明の組成物によりコートされる物品は、その物品の個性及び用途に依存して、前処理されなくても、又はそれらの表面に多様な前処理がされていてもよい。例えば、物品は、少なくとも1つの側面上に熱シール層を有していてもよい。そのような熱シール層は、エチレン−プロピレンコポリマー又はエチレン−プロピレン−ブチレンターポリマーで形成される。かくして、コーティング分散液は、熱シール層の表面上に塗布される。また、支持体又は物品は、擦過耐性等のために、ポリウレタン又はTEFLONRタイプ材料(DuPont)のようなフルオロポリマーのような保護トップコート層を含んでなってもよい。そのようなトップコートは、当業者により選択されることができる。本発明のコーティングは、トップコート層の上にでも下にでも塗布することができる。
バリアコーティングの透過性=X1/[(1/OTR)−(X2/PX2)]
式中X1はバリアコーティングの厚さであり;X2は支持体の厚さであり;そしてPX2は支持体の透過性である。充填されていないポリマーからの透過性の低減は、充填されていないポリマーの透過性を充填されたポリマーの透過性で割ることにより計算される。透過性における低減には単位がなく、比である。
a)酸素透過率試験
フィルム及びコートされた支持体は、Mocon OXTRAN 2/20又は2/60モジュールを用いて、23℃及び0%RHで酸素透過率について試験された。サンプルは、モジュールの上に載せられ、試験前に2時間酸素条件下に置かれる。平衡に達したら、OTR(酸素透過率)がcc/m2日atomの単位で記録される。
厚さの全ての計算は、コーティングの重量と仮定された密度に基づいて行われる。各々のポリマーが異なる密度を有することを認識してはいるが、ポリマー相についての密度は、全ての場合において0.95gm/ccであると仮定される。ナノコンポジットの密度は、混合物とクレーの仮定された密度の2gm/ccとの規則を用いて判断された。これを現実の密度に訂正すると、透過性の値が多少変更するだろうが、表1〜2において報告される何倍もの低減にはほとんど効果を及ぼさないだろう。
透過性が、フィルムの厚さとサンプルのOTRを用いて、次の式で計算される:
コーティング透過性=(コーティング厚さ)/[(1/OTR)−(支持体厚さ/支持体透過性)]。
MICROLITER剥離シリケート(W. R. Grace、7.5%)が酸又は塩基で、次の手順を用いて処理された:
A.充填剤の18重量%酸又は塩基
ふた付きの2リットルプラスチック壷に、600gのMICROLITER 963を量り入れた。この分散されたシリケート充填剤に、303グラムの蒸留水における8.3gの酸又は塩基(100%に濃縮されているもの)を加えた。生じた分散液を、閉じられた容器で、室温で、決められた時間混合した。決められた時間(具体的な時間については実施例を参照のこと)の後、処理された充填剤を迅速に用いた
B.充填剤の2重量%酸又は塩基
ふた付きの2リットルプラスチック壷に、600gのMICROLITER 963を量り入れた。この分散されたシリケート充填剤に、310グラムの蒸留水における0.9gの酸又は塩基(100%に濃縮されているもの)を加えた。生じた分散液を、閉じられた容器で、室温で、決められた時間混合した。決められた時間(具体的な時間については実施例を参照のこと)の後、処理された充填剤を迅速に用いた
C.充填剤の61重量%酸又は塩基
ふた付きの2リットルプラスチック壷に、600gのMICROLITER 963を量り入れた。この分散されたシリケート充填剤に、283.7グラムの蒸留水における27.3gの酸又は塩基(100%に濃縮されているもの)を加えた。生じた分散液を、閉じられた容器で、室温で、決められた時間混合した。決められた時間(具体的な時間については実施例を参照のこと)の後、処理された充填剤を迅速に用いた
D.充填剤の100重量%酸又は塩基
ふた付きの2リットルプラスチック壷に、600gのMICROLITER 963を量り入れた。この分散されたシリケート充填剤に、265.5グラムの蒸留水における45.5gの酸又は塩基(100%に濃縮されているもの)を加えた。生じた分散液を、閉じられた容器で、室温で、決められた時間混合した。決められた時間(具体的な時間については実施例を参照のこと)の後、処理された充填剤を迅速に用いた。
実施例1:充填されていないPVDC
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC)である、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。このフィルムは充填剤を含有しておらず、参考のために作成された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では未処理であり、標準として用いられた。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%酢酸で3日間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%グリシンで1日間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%クエン酸で3日間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%クエン酸で30分間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Bに従って2%クエン酸で3日間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Cに従って61%酢酸で3日間処理された。
母材がポリ塩化ビニリデン(PVDC、SERFENE 2022、50.5%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Dに従って100%酢酸で2日間処理された。
表化されたデータからわかるように、未処理の充填剤を超える、透過性における大きな低減が、これらの3つの酸:酢酸、グリシン、及びクエン酸のいずれかで前処理された充填剤を用いて達成される。さらに、透過性におけるこれらの低減は、2重量%ほどの小量から60重量%を超える範囲にわたる酸を用いた30分〜3日間にわたる期間の充填剤処理で得ることができる。実施例9は、本発明の範囲外である充填剤処理のレベルを証明するために示されている。
実施例10:充填されていないポリエステル
母材がポリエステルである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。このフィルムは充填剤を含有しておらず、参考のために作成された。
母材がポリエステル(WD-30、Easrman、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では未処理であり、標準として用いられた。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%グリシンで3日間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%グリシンで30分間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%水酸化アンモニウムをで3日間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Aに従って18%水酸化アンモニウムで30分間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Bに従って2%グリシンで1日間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Bに従って2%水酸化ナトリウムをで2日間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順B従って2%水酸化カリウムを用いて30分間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。その充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Bに従って2%水酸化カリウムで1日間処理された。
母材がポリエステル(Easrman、WD-30、30%)であり、充填剤がMICROLITER剥離シリケートである、本発明に従う水性バリアコーティング溶液を次のように調製する。充填剤は、この実施例では、処理された充填剤の手順Bに従って2%水酸化カリウムで2日間処理された。
ポリエステルは、酸又は塩基のどちらかで前処理されている充填剤と組み合わせることができる。表2のデータからわかるように、未処理の充填剤を超える、透過性における大きな低減が、酸又は塩基で前処理された充填剤を用いて再び達成されている。この場合では、酸はグリシンにより表され、塩基は、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムから選択される。その上、透過性におけるこれらの低減は、2重量%ほどの小量から18重量%を超える範囲にわたる酸又は塩基を用いて30分〜3日間にわたる期間の充填剤処理で得ることができる。示されたいくつかの場合では、OTRの低減は測定装置の検出限界を下回っている(実施例13〜17及び19〜20を参照のこと)。
第一の代替態様(代替態様No.1)では、非弾性ポリマー;有機カチオンで機能付与されていない実質的に剥離されたシリケート充填剤材料であって、そのシリケートが25を超えるアスペクト比を有し、そのシリケートが全固形分の60%未満で存在するシリケート充填剤;界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レべリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの添加剤;を含有するコーティング分散液であって、全固形分がその分散液の30%未満であり、その分散液が、充填されていない非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングよりも、透過性において少なくとも5倍の低減を有するコーティングを提供する、分散液が提供される。
非弾性ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、塩素化ポリマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリケトン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、及びフルオロポリマーからなる群から選ばれる。好ましくは、非弾性ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン及びそのコポリマー及びブレンド、ポリエステル含有ポリマー、及びポリエステルから選ばれ、好ましくは、そのポリエステルは70℃未満のTgを有し、好ましくは35℃未満のTgを有する。
シリケートは、ベントナイト、バーミキュライト、モントモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ラポナイト、ソーコナイト、マガディアイト、ケニアイト、レディカイト、及び、上記シリケートの混合物及び溶液からなる群から選ばれる。好ましいシリケートはバーミキュライトであり、全固形分の60%未満で存在し、好ましくは、5〜約50%で存在する。
コーティング懸濁液は、水、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、エタノール、メタノール、他の炭化水素、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる成分も含有してよい。
非弾性ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、塩素化ポリマー、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリケトン、アクリル樹脂、ビニル樹脂、及びフルオロポリマーからなる群から選ばれる。好ましくは、非弾性ポリマーは、ポリ塩化ビニリデン及びそのコポリマー及びブレンド、ポリエステル含有ポリマー、及びポリエステルから選ばれ、好ましくは、そのポリエステルは70℃未満のTgを有し、好ましくは35℃未満のTgを有する。
シリケートは、ベントナイト、バーミキュライト、モントモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ラポナイト、ソーコナイト、マガディアイト、ケニアイト、レディカイト、及び混合物、及び上記のシリケートの溶液からなる群から選ばれる。好ましいシリケートはバーミキュライトであり、全固形分の60%未満で存在し、好ましくは、5〜約50%で存在する。
コーティング懸濁液は、水、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、エタノール、メタノール、他の炭化水素、及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれる成分も含有してよい。
Claims (32)
- 非弾性ポリマー;有機カチオンで機能付与されていない実質的に剥離されたシリケート充填剤材料であって、該シリケート充填剤が25を超えるアスペクト比を有し、該シリケート充填剤の%が全固形分の60%未満であるシリケート充填剤;及び、界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レべリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの添加剤;の水性分散液から誘導されるバリアコーティングであって、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングよりも気体透過性において少なくとも5倍の低減を示すコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングと比較して、気体透過性において少なくとも25倍の低減を示すコーティング。
- 請求項2に記載のバリアコーティングであって、前記コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングと比較して、気体透過性において少なくとも50倍の低減を示すコーティング。
- 請求項3に記載のバリアコーティングであって、前記コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングと比較して、気体透過性において少なくとも100倍の低減を示すコーティング。
- 請求項4に記載のバリアコーティングであって、前記コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングと比較して、気体透過性において少なくとも500倍の低減を示すコーティング。
- 請求項5に記載のバリアコーティングであって、前記コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングと比較して、気体透過性において少なくとも1000倍の低減を示すコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記分散液が、分散液、乳濁液、懸濁液、及びラテックスからなる群から選ばれる形態にあるコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記非弾性ポリマーが、ポリ塩化ビニリデン含有ポリマーであるコーティング。
- 請求項8に記載のバリアコーティングであって、前記非弾性ポリマーが、ポリ塩化ビニリデン/ポリ塩化ビニルコポリマーであるコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記非弾性ポリマーが、70℃未満のTgを有するポリエステルであるコーティング。
- 請求項10に記載のバリアコーティングであって、前記非弾性ポリマーが、35℃未満のTgを有するポリエステルであるコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記シリケートが、ベントナイト、バーミキュライト、モントモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ラポナイト、ソーコナイト、マガディアイト、ケニアイト、レディカイト、及び、上記シリケートの混合物及び溶液からなる群から選ばれるコーティング。
- 請求項12に記載のバリアコーティングであって、前記シリケートがバーミキュライトであるコーティング。
- 請求項12に記載のバリアコーティングであって、前記シリケートが、前記非弾性ポリマーとの混合前に、酸又は塩基で処理されるコーティング。
- 請求項14に記載のバリアコーティングであって、前記酸が、酢酸、グリシン、及びクエン酸から選択されるコーティング。
- 請求項14に記載のバリアコーティングであって、前記塩基が、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれるコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記分散されたシリケートが、前記分散液において、分散液の全固形分の10〜約50%で存在するコーティング。
- 請求項1に記載のバリアコーティングであって、前記分散液が、約5〜約25%の全固形分を有するコーティング。
- バリアコーティングフィルムを製造する方法であって:
a)非弾性ポリマー;有機カチオンで機能付与されていない実質的に剥離されたシリケート充填剤材料であって、該シリケート充填剤が25を超えるアスペクト比を有し、該シリケート充填剤の%が全固形分の60%未満であるシリケート充填剤;及び、界面活性剤、乳化剤、消泡剤、分散剤、湿潤剤、レべリング剤、及び増粘剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの添加剤;を含有する水性分散液を、支持体に塗布すること、
b)該分散液を、前記分散液におけるものと同じポリマーの充填剤に対する比率を有するバリアコーティングへと乾燥し、その際、該コーティングが、前記非弾性ポリマー単独から形成されるコーティングよりも、気体透過性において少なくとも5倍の低減を示すものであること
を含んでなる方法。 - 請求項19に記載の方法であって、前記分散液が、分散液、乳濁液、懸濁液、及びラテックスからなる群から選ばれる形態にある方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記非弾性ポリマーが、ポリ塩化ビニリデン含有ポリマーである方法。
- 請求項21に記載の方法であって、前記非弾性ポリマーが、ポリ塩化ビニリデン/ポリ塩化ビニルコポリマーである方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記非弾性ポリマーが、70℃未満のTgを有するポリエステルである方法。
- 請求項23に記載の方法であって、前記非弾性ポリマーが、35℃未満のTgを有するポリエステルである方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記シリケートが、ベントナイト、バーミキュライト、モントモリロナイト、ノントロマイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ラポナイト、ソーコナイト、マガディアイト、ケニアイト、レディカイト、及び、上記シリケートの混合物及び溶液である方法。
- 請求項25に記載の方法であって、前記シリケートがバーミキュライトである方法。
- 請求項25に記載の方法であって、前記シリケートが、前記非弾性ポリマーとの混合前に、酸又は塩基で処理される方法。
- 請求項27に記載の方法であって、前記酸が、酢酸、グリシン、及びクエン酸から選択される方法。
- 請求項27に記載の方法であって、前記塩基が、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記分散されたシリケートが、前記分散液において、全固形分の10〜約50%で存在する方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前記分散液が、約5〜約25%の全固形分を有する方法。
- 請求項19に記載の方法であって、前機支持体が、防腐性包装フィルム、腐食保護フィルム、真空包装及びガス置換包装、吹込成形容器、熱成形容器、及び電子ディスプレーフィルムからなる群から選ばれる方法。
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