JP6816569B2 - ガスバリア積層体、及びガスバリア積層体の製造方法 - Google Patents

ガスバリア積層体、及びガスバリア積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガスバリア性に優れた、ガスバリア用の積層体及び該積層体の製造方法に関する。
本発明による積層体は、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができる。例えば、包装製品や、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができる。
本発明による積層体は、包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
基材フィルム上に酸化アルミニウムや酸化ケイ素のような無機酸化物を蒸着させて、酸素及び水蒸気に対するガスバリア性を有するガスバリア性積層体を得ることが知られている。また、このような無機酸化物蒸着膜は、印刷やラミネート等の後処理工程においてダメージを受けて剥離し易く、これを防ぐために、無機酸化物蒸着層の表面に透明プライマー層を設けることが知られている。
しかしながら、真空蒸着による製膜であるために、特殊な製膜設備が必要であり、更に、樹脂成分等を該層中に含有することは不可能であることで、ピンホール欠陥が生じ易いものである。(特許文献1、特許文献2)。
基材上に原子層堆積方式等で形成されたAlに代表されるバリア層と、該バリア層を保護するための、シリカナノ粒子と硬化性バインダーとを含む保護層とを有する積層体が知られているが、ガスバリア性の主体はAl層であって、Alに層を必須とし、Al層を形成するために複雑な工程を必要とするものである。(特許文献3)。
基材上に金属または金属酸化物の層、具体的にはAl原子を真空蒸着させた層と、平均粒径15nm未満のシリカコロイドとを含むコーティング層を有する積層体が知られているが、該金属または金属酸化物の層を必須とするものであり、該金属または金属酸化物の層を形成するために複雑な工程を必要とするものである。(特許文献4)。
基材フィルムにシリカナノ粒子と非水溶性樹脂微粒子と水溶性高分子とを含有する樹脂組成物から形成されるバリア層が知られているが、長時間の乾燥が必要であり、また、良好な製膜性を有しクラックを生じないためには非水溶性樹脂微粒子が有る程度以上含有される必要がある。(特許文献5)。
基材フィルム塗布されたポリアクリル酸を、架橋性の有機樹脂または有機モノマー或いは金属錯体を用いて架橋して、更にポリアクリル酸のカルボキシル基をアルカリで中和することでバリア性を向上させる手法が知られているが、架橋を進行させるために高温を要するものである(特許文献6)。
基材上に、加水分解性の官能基を有する化合物のSi含有加水分解縮合物と、カルボン酸系化合物の中和物とを含む組成物を積層した積層体が知られている(特許文献7)。
特開平5−269914号 特開平7−242760号公報 特表2016−504214 特開2016−163994 特開2009−269218 特開2001−310425 国際公開WO2009/125800
本発明は、分散性や塗工性に優れた樹脂組成物を用い、簡易な設備による簡便な工程と低温で形成可能なガスバリア積層体等を提供すること、すなわち、フィルム全面にわたって均一であり且つ優れたガスバリア性を有する、簡易な設備とマイルドな条件下で作製可能な、ガスバリア積層体、及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究し、本発明における樹脂組成物を塗布して得られる層を基材等上に形成することにより、得られた積層体全面にわたって均一なガスバリア性を提供することができるガスバリア積層体を見出した。
具体的には、プラスチック材料からなる基材フィルムの一方の面に、必要に応じて接着層を介して、本願発明における樹脂組成物を塗布し、低温短時間で乾燥し、必要に応じて低温エージングすることで、上記目的のガスバリア積層体が得られた。
本発明は、以下の点を特徴とする。
1.基材層(X)と、樹脂組成物を用いて形成された層(Y)とを有する、ガスバリア積層体であって、前記樹脂組成物は、少なくとも、擬ベーマイト構造を有する化合物と、多価カルボン酸系化合物と、水溶性有機高分子化合物と、溶剤とを含有する混合物が、脱水縮合または配位結合した成分を含み、層(Y)中の未反応の前記多価カルボン酸系化合物の含有量はゼロまたは10質量%以下である、ガスバリア積層体。
2.前記多価カルボン酸系化合物から生成し得るカルボキシル基と前記擬ベーマイト構造を有する化合物のAl原子とのモル比 カルボキシル基類/Al原子が、0.1〜6である、上記1に記載の、ガスバリア積層体。
3.前記多価カルボン酸系化合物は、融点又は軟化点が150℃以下のものを含むものである、上記1または2に記載の、ガスバリア積層体。
4.前記多価カルボン酸系化合物の水中でのpKa1が、3.3以下である、上記1〜3の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
5.前記多価カルボン酸系化合物が、ジカルボン酸類である、上記1〜4の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
6.前記多価カルボン酸系化合物が、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、それらの水和物、及びそれらの無水物なる群から選ばれる1種または2種以上である、上記1〜5の何れかに記載のガスバリア積層体。
7.前記水溶性有機高分子化合物の、層(Y)中の含有率が、0.1質量%以上、7質量%以下である、上記1〜6の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
8.前記水溶性有機高分子化合物の、前記樹脂組成物の脱水縮合または配位結合前の全非溶剤成分中の含有率が、0.1質量%以上、7質量%以下である、上記1〜7の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
9.前記水溶性有機高分子化合物が、水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、上記1〜8の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
10.前記水溶性有機高分子化合物が、アルコール性水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、上記1〜9の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
11.前記水溶性有機高分子化合物が、脂肪族主骨格からなる水溶性有機高分子化合物である、上記1〜10の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
12.前記水溶性有機高分子化合物が、ポリビニルアルコールである、上記1〜11の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
13.前記層(Y)の厚みが、0.05μm以上、2μm以下である、上記1〜12の何れかに記載の、ガスバリア積層体。
14.上記1〜13の何れかに記載のガスバリア積層体を用いて作製した、ガスバリア包装材料。
15.上記1〜13の何れか1項に記載のガスバリア積層体を製造するための製造方法であって、少なくとも、下記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)の工程を含む、ガスバリア積層体の製造方法。
a)前記擬ベーマイト構造を有する化合物を含む溶液Aを調製する工程。
b)前記多価カルボン酸系化合物と含む溶液Bを調製する工程。
c)溶液Aと溶液Bとを混合して、溶液Cを調製する工程。
d)溶液Cを加熱して反応を進行させて、溶液Dを調製する工程であって、該加熱の温度と時間とは、予めXRD測定によって未反応の前記多価カルボン酸系化合物が消失することが確認されたものである、工程。
e)前記水溶性有機高分子化合物を含む溶液Eを調製する工程。
f)溶液Dと溶液Eとを混合して、溶液Fを調製する工程。
g)溶液Fを基材層(X)に塗布して、塗工物Gを得る工程。
h)塗工物Gを、40℃以上、120℃以下の温度で加熱して、層(Y)を形成する工程。
本発明のガスバリア積層体は、基材層(X)と、擬ベーマイト構造を有する化合物と多価カルボン酸系化合物と水溶性有機高分子化合物と溶剤とを含有する混合物が脱水縮合や配位結合した成分を含む樹脂組成物を用いて形成された、ガスバリア層である層(Y)とを含むものである。
ここで、層(Y)は真空蒸着のような特別な装置や複雑な工程や、高温や長時間の乾燥を必要とせず、塗布及び低温短時間加熱して得られるものである。
層(Y)中の未反応の前記多価カルボン酸系化合物の含有量はゼロまたは10質量%以下である、ことによって優れたガスバリア性と安定した製膜状態を発揮する積層体である。
また、積層体を低温短時間加熱で得られることから、基材層(X)に低耐熱材を適用することも可能である。
さらにまた、本発明による積層体は、高度なバリア性を要求される様々な分野の製品に適用することができる。例えば、包装製品や、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができ、包装製品の包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
本発明に係るガスバリア積層体の層構成の一態様を示す概略的断面図である。 本発明に係るガスバリア積層体の層構成の一態様を示す概略的断面図である。 本発明に係るガスバリア積層体の層構成の一態様を示す概略的断面図である。
本発明について、以下に図面等を用いてさらに詳しく説明する。以下、本明細書において使用される樹脂名は、業界において慣用されるものが用いられる。また、本発明は、記載された具体例に限定されるものでもない。
<本発明のガスバリア積層体の層構成>
図1は、本発明のガスバリア積層体の層構成について、その態様を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明のガスバリア積層体は、1の基材層(X)と、2のガスバリア層(Y)とを、場合により接着層を介して積層してなるものであってよい。
図2は、本発明のガスバリア積層体の層構成について、その態様を示す概略的断面図である。図2に示されるように、本発明のガスバリア積層体は、1の基材層(X)と、2aのガスバリア層(Y)aと、2bのガスバリア層(Y)bとを、場合により接着層を介して積層してなるものであってよい。
あるいは、図3に示されるように、2のガスバリア層(Y)の、1の基材層(X)との反対面に、さらなる3のシーラント層を有するものであってもよい。
<ガスバリア性を有する層(Y)>
本発明において、ガスバリア性を有する層(Y)は、樹脂組成物から形成されるものである。該樹脂組成物は、少なくとも、擬ベーマイト構造を有する化合物と、多価カルボン酸系化合物と、水溶性有機高分子化合物と、溶剤とを含有する混合物が、脱水縮合または配位結合した成分を含むものであり、未反応多価カルボン酸系化合物、擬ベーマイト構造を有する化合物の未縮合物、縮合生成物、多価カルボン酸系化合物が脱水縮合性や配位結合性物の場合の脱水縮合物や配位結合物、等の未反応物や反応の途中段階のものも含まれている。以降、未反応の原料がある場合も含めて、反応は脱水縮合または配位結合、生成物は脱水縮合物または配位結合物と記す。
また、該樹脂組成物は、必要に応じて、各種の、粘度調整剤やレベリング剤、無機物や無機酸化物、反応促進剤、柔軟剤、有機及び無機のゴム微粒子、密着性向上剤等を更に含有することも可能である。
[擬ベーマイト構造を有する化合物]
本発明における擬ベーマイト構造を有する化合物とは、ベーマイト(AlO(OH))の一部が水酸化アルミニウム(酸化アルミニウム三水和物)となってアモルファス化した化学構造を有するものであり、一般的には、下記式で表される。
Al・mH
(mは平均で1〜3の数であり、モル比OH基/Al原子は平均で1〜3である。)
擬ベーマイト構造を有する化合物は、他の成分とともに脱水縮合物または配位結合物を生成してガスバリア層である層(Y)を形成する。
擬ベーマイト構造を有する化合物は、針状結晶の物は、粉砕して、真球状、楕円球状、破砕状、フレーク状等、何れの形状にして用いることもできる。
擬ベーマイト構造を有する化合物の平均一次粒径は一般的な各種方法で測定可能であるが、透過型電子顕微鏡(TEM)の撮影画像の擬ベーマイト構造を有する化合物の一次粒子の粒径を測定することが好ましい。
本発明においては、その一次粒子の最長径をその一次粒子の長径、その一次粒子の最短径をその一次粒子の短径、その一次粒子の最長径と最短径との平均値をその一次粒子の粒径、その一次粒子の最長径と最短径との比率である最長径/最短径をその一次粒子のアスペクト比であると定義する。
更には、ランダムに選択した例えば100個の一次粒子の、長径の平均値を平均一次長径、短径の平均値を平均一次短径、粒径の平均値を平均一次粒径、平均一次長径と平均一次短径の比率である平均一次長径/平均一次短径を平均一次アスペクト比、と定義する。なお、真球状の粒子の場合は、直径を長径及び短径として扱って適用し、不定形の粒子の場合は粒径のみを適用する。
本発明において、擬ベーマイト構造を有する化合物の粒子は、平均一次粒径が、7nm以上、50nm以下であり、8nm以上、40nm以下がより好ましく、9nm以上、35nm以下が更に好ましく、10nm以上、30nm以下が最も好ましい。平均一次粒径が上記の範囲よりも小さい場合には、樹脂組成物のチクソ性が高くなりすぎて塗布性が低下する傾向になり、上記の範囲よりも大きい場合には、塗工液の分散性が悪く、塗工性が低下し、層(Y)の平滑性が低下する傾向にある。
平均一次長径は7nm以上、100nm以下、が好ましく、10nm以上、80nm以下が更に好ましく、15nm以上、70nm以下が特に好ましい。平均一次長径が上記の範囲よりも小さい場合には、樹脂組成物のチクソ性が高くなりすぎて塗布性が低下する傾向になり、上記の範囲よりも大きい場合には、塗工液の分散性が悪く、塗工性が低下し、層(Y)の平滑性が低下する傾向にある。
平均一次アスペクト比は、1以上、25以下のものが好ましく、1以上、15以下が更に好ましく、1以上、10以下が特に好ましい。平均一次アスペクト比が上記の範囲よりも大きい場合には、樹脂組成物の均質性や塗工性が低下したり、得られた膜の耐屈曲性が低下する傾向にある。
本発明において、擬ベーマイト構造を有する化合物の粒子は、目的に応じて、上記の範囲の任意の粒度分布のものを適宜選択することができ、上記の範囲内であれば、層(Y)でのクラック発生を抑制できる。
擬ベーマイト構造を有する化合物の表面には、反応性の水酸基が多数存在しており、化学反応させることによって、多種の化学修飾や架橋が可能である。
また、擬ベーマイト構造を有する化合物の上記粒度の粒子は二次凝集を生じ易いため、溶液中に分散させて用いることが好ましい。
[多価カルボン酸系化合物]
本発明において、多価カルボンとは、1分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物であり、一旦水溶液化して用いるため、カルボキシル基は酸無水物の形態をとっていてもよく、水和物であってもよく、モノマーでもオリゴマーでもよい。更には、2種または3種以上を併用することもできる。
本発明における多価カルボン酸系化合物としては、脂肪族多価カルボン酸、環状脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸、複素環多価カルボン酸等、及び、それらの水和物や無水物が挙げられる。
脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、クエン酸、エイコサン二酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等のモノマーや、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、両末端カルボキシル基変性ブタジエンニトリルゴムオリゴマー、両末端カルボキシル基変性アクリロニトリルブタジエンゴムオリゴマー等のポリマーが挙げられる。
環状脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、1,3−アダマンタン二酢酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、2,3−ノルボルネンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4,6−シクロヘキサンテトラカルボン酸等が挙げられる。
芳香族多価カルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸)、テレフタル酸)、1,2−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、3,3’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビナフチルジカルボン酸、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、3,3’4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、4,4’−オキシジフタル酸、3,3’4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、アントラセンテトラカルボン酸等が挙げられる。
複素環多価カルボン酸としては、例えば、トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−カルボキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
これらの多価カルボン酸系化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよく、また、2種以上が混合されて無水物や水和物を形成していてもよい。
樹脂組成物に配合される、多価カルボン酸系化合物から生成し得るカルボキシル基と前記擬ベーマイト構造を有する化合物のAl原子とのモル比 カルボキシル基類/Al原子は、0.1〜6が好ましく、0.3〜5が更に好ましく、0.5〜4.5が最も好ましい。該モル比が該範囲にあることによって、反応性が安定し易く、優れた酸素バリア性を発揮する層(Y)を得易くなる。
本発明における多価カルボン酸系化合物は、後述の、XRDによる層(Y)中の未反応の前記多価カルボン酸系化合物の含有量測定で、該含有量がゼロまたは10質量%以下であることが確認されるものである。
該含有量に影響を与える要因としては、樹脂組成物中の多価カルボン酸系化合物の反応性や、前記多価カルボン酸系化合物から生成し得るカルボキシル基と前記擬ベーマイト構造を有する化合物のAl原子とのモル比 カルボキシル基類/Al原子が挙げられ、更には、
融点又は軟化点やPkaが該反応性の要因として挙げられ、また更には、樹脂組成物や層(Y)形成工程の加熱温度と加熱時間等が挙げられるが、これらは複合的に影響し合うものであり、優れたガスバリア性を得るためには、結果として、該含有量が上記の範囲であることが必要である。
本発明における多価カルボン酸系化合物は、反応性が非常に高い多価カルボン酸系化合物や、溶性有機高分子化合物への溶解性が高い多価カルボン酸系化合物が好ましく、または、2種以上の多価カルボン酸系化合物を併用する場合に、相互に結晶化を阻害する組み合わせや、融点又は軟化点が150℃以下のものを含有していることが好ましく、140℃以下のものを含有していることが更に好ましい。
上記に該当する多価カルボン酸系化合物の1種または2種以上の組み合わせであれば、層(Y)の形成工程の乾燥中に未反応多価カルボン酸系化合物が析出し難く、低温短時間で反応を進行させ易くなる。
多価カルボン酸系化合物の水中でのpKa1は、3.3以下が好ましく、3.0以下が更に好ましい。pKa1が上記の値以下であれば、層(Y)の形成工程の乾燥中に低温短時間で反応を進行させ易くなる。
多価カルボン酸系化合物は、ジカルボン酸類が好ましい。ジカルボン酸類とは、ジカルボン酸及びその水和物または無水物を指す。ジカルボン酸類は反応性が高く、融点又は軟化点が十分に低い物が多く、特に、シュウ酸、マロン酸、マレイン、それらの水和物、及びそれらの無水物が好ましい。
多価カルボン酸系化合物のカルボキシル基は、擬ベーマイト構造を有する化合物粒子表面の水酸基との縮合反応を進行することによって、擬ベーマイト構造を有する化合物粒子と多価カルボン酸系化合物とが結合し、多価カルボン酸系化合物が2個以上のカルボキシル基を有していることによって、擬ベーマイト構造を有する化合物粒子間を多価カルボン酸系化合物が架橋した形で連続したマトリックスを生成する。
樹脂組成物に含有されている多価カルボン酸系化合物は、カルボキシル基を2個以上有していることによって、他の成分とともに、連続的な、脱水縮合物や配位結合物を生成してガスバリア層である層(Y)を形成でき、また、樹脂組成物の組成の相違によってガスバリア性に違いを生じる。
擬ベーマイト構造を有する化合物と多価カルボン酸系化合物との層(Y)を形成するための樹脂組成物の脱水縮合や配位結合前の全非溶剤成分中の含有率は、92質量%以上、99.9質量%以下であることが好ましく、94質量%以上、99.85質量%以下が更に好ましく、96質量%以上、99.8質量%以下が最も好ましい。含有量が99.9質量%よりも大きい場合には、層(Y)を塗工する際の塗工性が劣ったり、得られた層(Y)が脆い傾向にあり、含有量が92質量%よりも小さい場合には、ガスバリア性が低下する傾向にある。
擬ベーマイト構造を有する化合物と多価カルボン酸系化合物との脱水縮合物や配位結合物の層(Y)中の含有量は、93質量%以上、99.9質量%以下であることが好ましく、94質量%以上、99.85質量%以下が更に好ましく、95質量%以上、99.8質量%以下が最も好ましい。含有量が99.9質量%よりも大きい場合には、層(Y)を塗工する際の塗工性が劣ったり、得られた層(Y)が脆くなる傾向にあり、含有量が95質量%よりも小さい場合には、ガスバリア性が低下する傾向にある。
[水溶性有機高分子化合物]
本発明における水溶性有機高分子化合物は、層(Y)に優れた塗工性を与えるものであり、また、層(Y)にクラックを生じにくくし、安定したガスバリア性を与えるものである。
水溶性有機高分子化合物は、水酸基を有しているものが好ましく、水酸基を有していることによって、水溶性に優れ、多価カルボン酸系化合物、更には擬ベーマイト構造を有する化合物との親和性が良く、場合によっては架橋マトリクスの一部になり、製膜性に優れ、均質な層(Y)を得ることができる。
水溶性有機高分子化合物の水酸基は、フェノール性水酸基とアルコール性水酸基のどちらでもよいが、アルコール性水酸基が好ましい。分子骨格の主鎖の構造は、芳香族主鎖または脂肪族主鎖のどちらでもよいが、柔軟性に優れるため、脂肪族主鎖が好ましい。
水溶性有機高分子化合物の、層(Y)を形成するための樹脂組成物の脱水縮合や配位結合前の全非溶剤成分中の含有率は、0.1質量%以上、7質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上、5質量%以下が特に好ましく、0.2質量%以上、3.5質量%以下が最も好ましい。
含有量が0.05質量%よりも小さい場合には、層(Y)を塗工する際の塗工性が劣ったり、得られた層(Y)が脆い傾向にあり、含有量が5質量%よりも大きい場合には、ガスバリア性が低下する傾向にある。
水溶性有機高分子化合物の層(Y)中の含有量は、0.1質量%以上、7質量%以下が好ましく、0.15質量%以上、6質量%以下が更に好ましく、0.3質量%以上、5質量%以下が最も好ましい。
含有量が0.1質量%よりも小さい場合には、層(Y)を塗工する際の塗工性が劣ったり、得られた層(Y)が脆くなる傾向にあり、含有量が7質量%よりも大きい場合には、ガスバリア性が低下する傾向にある。
水溶性有機高分子化合物の重合度は、良好な樹脂組成物の塗工性及び柔軟な層(Y)を得る為には、500〜5000であることが好ましく、1000〜4000であることが更に好ましく、1500〜3000であることが特に好ましい。
水溶性有機高分子化合物の分子量は、良好な樹脂組成物の塗工性及び柔軟な層(Y)を得る為には、1万〜20万であることが好ましく、5万〜15万であることが更に好ましく、7万〜12万であることが特に好ましい。
水溶性有機高分子化合物の1分子中の水酸基の平均個数は、2個以上であることが好ましく、3個以上であることが更に好ましい。
水溶性有機高分子化合物の具体的な化合物としては、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリ2−ハイドロキシメチルメタクリレート、ポリ2−ハイドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコール等が挙げられる。ここで、これらは単一モノマーの重合体の名称であるが、改質の為に、他のモノマーを併用された共重合体であってもよい。
更には、2官能フェノール化合物と2官能エポキシ化合物との重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の、2成分以上が重合した線状ポリマーが挙げられ、これらの中で、柔軟性と親和性に優れることから、ポリビニルアルコールが好ましく、特に、ケン化度が95%以上であることが好ましく、97%以上が更に好ましく、98%以上が最も好ましい。
[溶剤]
本発明における溶剤は、水溶性であり、擬ベーマイト構造を有する化合物と、多価カルボン酸系化合物、脱水縮合物や配位結合物、及び水溶性有機高分子化合物とを、均一に溶解または分散させ得るものであればよく、水または有機溶剤でもよく、オクタノール/水分配係数Log Powが、0.5以下であることが好ましく、1種でも、または2種以上を混合して使用してもよい。
具体的な溶剤としては、水、メタノール(Log Pow:−0.77)、エタノール(Log Pow:−0.30)、1−プロパノール(Log Pow:0.25)、2−プロパノール(Log Pow:0.05)、及びこれらの混合物等が挙げられる。
[層(Y)の形成]
層(Y)は、前記樹脂組成物を基材層(X)等に塗布し、40〜120℃の、加熱による乾燥、更には必要に応じて、加熱によるエージングによって形成される。
加熱温度が40℃よりも低いと乾燥やエージングが進み難く、加熱温度が120℃よりも高いと、ガスバリア性が低下する傾向にあり、好ましくない。
本発明において、乾燥とは、塗工液中の水溶媒の除去を主目的とするものであり、本発明の積層体は、低温かつ短時間での乾燥が可能である。乾燥温度は、水が蒸発する温度を必要とするため、70℃以上、120℃以下が好ましく、80℃以上、110℃以下が更に好ましい。乾燥時間は、樹脂組成物の組成によるが、上記の温度範囲において、5秒以上、30分以下が好ましく、10秒以上、10分以下が更に好ましい。
本発明において、エージング(焼成)とは、脱水縮合反応を進めることを目的とするものである。本発明の積層体は、エージング条件に特に制約はないが、60℃以下でのエージングが可能であり、高温化すれば反応はより早く進行するために短時間化が可能である。
エージング温度は40〜80℃が好ましく、50〜70℃が更に好ましい。エージング時間は1〜70日が好ましい。また、エージング時には副生成物として水が生成するが、生成量は少量なので問題は無い。
よって、層(Y)は40〜120℃という低温での加熱によって形成可能であり、低耐熱基材を適用した積層体を、一般的な塗工機及び簡易な加熱設備を用いて得ることができる。
層(Y)の厚みは、0.01〜2μmが好ましく、0.1〜1.5μmが更に好ましく、0.2〜1μmが特に好ましい。0.01μmよりも小さいと、ガスバリア性が十分に発揮されない傾向にあり、2μmよりも大きいと、柔軟性に劣る傾向にある。
また、層(Y)は、同一または異なる組成の、2層以上の層からなることも可能であり、目的とする作用を分担することによって、多種のガスへのバリア性や、諸特性とのバランスをとることが可能になる。
<基材層(X)>
本発明において、基材層は、包装される内容物の種類や、物流において要求される機械的強度、耐薬品性、耐溶剤性、製造性等に応じて、種々の材料が適用され得る。
例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等の各種の樹脂を含むフィルムを使用することができるが、これらの樹脂に限定されない。
特に本発明においては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、または、ポリアミド系樹脂からなるフィルムが好ましく、特に、ポリエステル系樹脂が好ましい。
本発明において、上記基材層は、押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜化法を用いて単層、又は多層製膜したものを用いることができる。また、基材層の厚みは、包装用途に応じて、当業者が適宜に決定することができるが、好ましくは6〜100μm、より好ましくは9〜50μmである。
また、本発明の積層体における基材層には、積層体の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができる。
この場合、これら添加剤を基材層に、極微量〜数10質量%まで、その目的に応じて任意に含有させればよい。本発明においては、一般的な添加剤としては、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸着剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、染料、顔料等の着色剤等を任意に含有させることができる。
また、改質用樹脂等を添加することもできる。
またさらには、基材層は、高伸縮性、耐ピンホール性を付与するために、種々の材料の樹脂層を有することもできる。例えば、6ナイロン、66ナイロン、6/66ナイロン共重合体、低密度ポリエチレン、EVOH等の層を有することができ、特に6/66ナイロン共重合体の層を有することが好ましい。
また、本発明において、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)
とは、旧JIS K6748:1995やJIS K6899−1:2000にて定義されたものを指す。
<積層体>
本発明の積層体は、基材層(X)と、樹脂組成物を用いて形成された、ガスバリア性を有する層(Y)とを有する積層体であるが、用途に応じて、シール層や接着層等の種々の層を有することができる。
また、本発明の積層体は、層(Y)以外の、公知又は市販のガスバリア層や遮光層等の各種バリア層を有することもできる。
具体的には、PET、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の樹脂及びそれらの混合物の樹脂フィルム、上述のガスバリア性フィルムの少なくともいずれか一方の面上にシリカ蒸着膜や酸化アルミニウム蒸着膜等の蒸着フィルム、アルミニウム箔等の金属箔、等を使用すること、及び2種以上を組み合わせて使用することができるが、これらに限定されない。
上記フィルムの中でも、シリカ蒸着フィルム、酸化アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム箔を使用することが、ガスバリア性に優れている点から好ましい。また特に、アルミニウム箔を使用することによって遮光性を付与して、光照射による積層体と充填物の劣化を抑えることができ、好適に用いることができる。また、高強度を有するフィルムを適用した場合は、積層体を目的に応じて適度な突き刺し強度を有するように調整可能とすることができる。
本発明において、これらの層の積層方法は特に限定されず、公知または慣用の製膜方法を適用することができ、エクストルージョンコーティングやインフレーション法やキャスト法により共押出しにより形成することができる。
エクストルージョンコーティングにおいては、まず、該層を形成する樹脂組成物を加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押出し、該溶融樹脂を被積層面上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、被積層面への接着と積層を同時に行う。
エクストルージョンコーティングにより積層する場合、樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜50g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30g/10分である。MFRが0.2g/分未満、又は50g/分以上では加工適正の面で有効ではない。
例えば、インフレーション法を用いる場合、樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、0.2〜4.0g/10minであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.0g/10minである。MFRが0.2g/10min未満、又は4.0g/10min以上では加工適正の面で劣る傾向にある。
なお、本明細書において、MFRとはJIS K7210、JIS K 6922−2に準拠した手法から測定された値である。 または、予め製膜されたフィルムを、ドライラミネーション、ノンソルベントラミネーション、サンドラミネーション等により、接着層を介してラミネートしてもよい。
<接着層>
本発明では、基材層(X)内の層間、層(Y)内の層間、他の層間、及び、基材層(X)、層(Y)、他の層との各層間に、接着層を設けて積層することも可能である。
本発明の一態様において、接着層は、エクストリュージョンコート層(ECコート層)、ドライラミネート用接着剤、ノンソルベントラミネート用接着剤等からなる層であってよい。
接着層としてエクストリュージョンコート層(ECコート層)を用いる場合は、接着剤を加熱し溶融させて、Tダイスで必要な幅方向に拡大伸張させてカーテン状に押出し、該溶融接着剤を接着対象のフィルム上へ流下させて、ゴムロールと冷却した金属ロールとで挟持することで、接着層の形成と接着と積層を同時に行う。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
ノンソルベントラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身をフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
これらの接着剤は、熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型等であってよい。
このような接着剤としては、ポリ酢酸ビニルや酢酸ビニル−エチレン共重合体等のポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸とポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル等との共重合体からなるポリアクリル酸系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、尿素樹脂又はメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるエラストマー系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケート、低融点ガラス等からなる無機系接着剤等が挙げられる。
また、上記接着剤は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの形態でもよく、また、その性状は、フィルム/シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよい。
接着層は、上記接着剤を、例えばロールコート、グラビアロールコート、キスコート等で施すことにより形成され、そのコーティング量としては、0.05〜10g/m(乾燥状態)位が望ましい。接着剤のコーティング量を上記範囲とすることで、良好な接着性が得られる。
本発明の別の態様において、上記の基材層(X)内の層間、層(Y)内の層間、他の層間、及び、基材層(X)、層(Y)、他の層との各層間を、サンドラミネーションにより積層してもよい。この場合、接着層は、加熱溶融させて押出機で適用可能な任意の樹脂を用いることができる。具体的には、上記のヒートシール性を有する熱可塑性樹脂として挙げた樹脂を好ましく使用できる。
本発明のさらに別の態様において、シール層は、積層体上にエクストルージョンコーティングすることにより積層される。この場合、積層体‐シール層間に設けられる接着層は、任意のアンカーコート剤からなってよく、例えば、有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、酸変性ポリエチレン系、ポリブタジエン系等のアンカーコート剤を使用することができる。
<包装材料>
本発明による積層体は、包装材料として特に好適に用いることができる。例えば、医薬品、化粧品、化学品、飲食品等の用途に用いることができる。
<包装体>
本発明の包装体は、本発明の包装材料を製袋してなるものであり、ヒートシール面が対向するように、積層フィルムを折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより作製することができる。
本発明においては、ヒートシールの方法としては、例えばバーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知方法を適用することができる。
<その他用途製品>
本発明による積層体は、包装製品以外の高度なバリア性を要求される様々な分野の製品にも適用することができる。例えば、太陽電池、有機発光ダイオード、波長変換シート、および表示装置等の電気・電子製品に用いることができる。
<各種原料の詳細>
実施例及び比較例に用いた主な原材料の詳細は下記のとおりである。
4質量%ポリビニルアルコール水溶液:けん化度98.5%、重合度約2500のポリビニルアルコールと蒸留水との混合物。
PETフィルムA:ユニチカ(株)社製、エンブレット。厚み12μm、片面コロナ処理済み。
アルミゾル10A:川研ファインケミカル(株)社製擬ベーマイト構造を有する化合物の分散液。Al換算濃度10質量%。平均一次長径50nm、平均一次短径10nm、平均一次粒径30nm。
シュウ酸二水和物:和光純薬工業(株)社製、融点101.5℃、pKa1 1.27。マロン酸:東京化成工業(株)社製、融点135℃、pKa1 2.83。
マレイン酸:東京化成工業(株)社製、融点131℃、pKa1 1.92。
1,2,3−プロパントリカルボン酸:東京化成工業(株)社製、融点159℃、pKa1 3.49。
コハク酸:東京化成工業(株)社製、融点187℃、pKa1 4.2。
[実施例1]
下記原料を混合し、均一になるように撹拌して、擬ベーマイト構造を有する化合物分散液Aを調製した。
アルミナゾル10A 3.36質量部
蒸留水 12.01質量部
次に、下記を混合して、多価カルボン酸系化合物水溶液Bを調製した。
シュウ酸二水和物 0.41質量部
蒸留水 2.46質量部
得られた多価カルボン酸系化合物水溶液Bを、前記擬ベーマイト構造を有する化合物分散液Aに添加して溶液Cを調製し、60℃で1時間加熱撹拌し、次いで25℃まで冷却して、溶液Dを調製した。
そして、溶液D中の多価カルボン酸系化合物の有無について、XRD測定を用いて解析し、未反応の多価カルボン酸が無いことを確認した。
次いで、下記を混合して調整して得られた水溶性有機高分子化合物溶液Eを溶液Dに添加し、20分間撹拌して、コーティング液を得た。
メタノール 3.8 質量部
4質量%ポリビニルアルコール水溶液 0.12質量部
次いで、得られたコーティング液を、層(X)である基材PETフィルムのコロナ処理面に塗工し、下記3種類の塗工膜作製条件で、それぞれ層厚0.5μmの層(Y)を形成し、積層体を得た。
得られた積層体の層(Y)表面のクラック有無を観察し、酸素透過度を測定した。表1に結果を記す。
塗工膜作製条件1
乾燥条件:110℃5分間+200℃1分間
エージング条件:無し
塗工膜作製条件2
乾燥条件:110℃5分間+200℃1分間
エージング条件:60℃10日間
塗工膜作製条件3
乾燥条件:110℃5分間
エージング条件:60℃10日間
また、脱水縮合や配位結合前の樹脂組成物中の水溶性有機高分子化合物の含有率を、配合比から算出した。更に、層(Y)中の水溶性有機高分子化合物の含有率を、多価カルボン酸系化合物のカルボキシル基のOHが全て脱離及び縮合して縮合が完結したものと仮定して、算出した。
[実施例2〜7]
表1の配合に従って各原料を用い、実施例1と同様に操作して、コーティング液を得て、塗工を実施し、上記塗工膜作製条件1のみで、それぞれ層厚0.5μmまたは0.2μmの層(Y)を形成し、積層体を得て、実施例1と同様に評価した。表1に結果を記す。
[比較例1〜3]
表1の配合に従って各原料を用い、実施例1と同様に操作して、コーティング液を得て、塗工を実施し、上記塗工膜作製条件1のみで、それぞれ層厚0.5μmの層(Y)を形成し、積層体を得て、実施例1と同様に評価した。表1に結果を記す。各比較例の内容は下記の通り。
比較例1、2:層(Y)中の未反応の前記多価カルボン酸系化合物の含有量が10質量%を超えている。
比較例3:水溶性有機高分子化合物を含有していない。
Figure 0006816569
<各種評価方法>
[多価カルボン酸系化合物の有無]
XRD測定装置としては、ブルカー・エイエックスエス社製の粉末X線回折装置 D2
PHASERを用い、X線源の測定条件は、30kV、10mAにて実施した。
XRD測定を行った結果、回折ピークの中に配合した多価カルボン酸系化合物類単体由来のピークが見えないもの、及び未反応の該多価カルボン酸系化合物類は10%以下であると見なされる小さなピークのものについては、未反応の該多価カルボン酸系化合物類は無いと判断し、配合した多価カルボン酸系化合物単体由来のピークが見られて未反応の該多価カルボン酸系化合物は10%より多いと見なされる大きなピークのものについては、未反応の該多価カルボン酸系化合物類は有ると判断した。
[分散性]
コーティング液の分散性は、外観を目視確認により判断した。
○:均一に分散した。
×:分散せず。
[塗工性]
コーティング液を基材層(X)に塗工した際の塗工物の外観を目視により判断した。
○:良好。
×:不良。
[クラック有無]
エージング処理して得られた積層体の層(Y)の表面を、走査電子顕微鏡(SEM。日立ハイテク(株)社製 S−4800)を用いて、一つの試験片について、ランダムに20箇所を5,000倍の倍率で観察し、クラックの有無を検出した。結果は下記の要領で記載した。
有り:クラック有り
無し:クラック無し
[酸素透過度]
酸素透過度測定装置(MOCON社製 OX−TRAN 2/22)を用いて、JIS K−7126−2に準拠して、得られた積層体の酸素透過度を測定した。測定条件は下記の通り。
温度:23℃
相対湿度:0%
[擬ベーマイト構造を有する化合物の粒径の測定]
擬ベーマイト構造を有する化合物粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を撮影し、各々の一次粒子の最長径と最短径、及びそれらの平均値を、各々の一次粒子の長径、短径、粒径とし、更に、ランダムに選択した100個の一次粒子の長径、短径、粒径の平均値を、各々、平均一次長径、平均一次短径、平均一次粒径とした。
<結果まとめ>
未反応多価カルボン酸系化合物が無かった実施例1〜7のコーティング液は良好な分散性と塗工性を示し、積層体は良好な層(Y)の表面状態と酸素バリア性を示した。
実施例1においては、乾燥温度を低くしたところ、更に良好な酸素バリア性を示した。コーティング液中に未反応多価カルボン酸系化合物が1質量%より多く存在した比較例1と2は、十分な酸素バリア性を示さなかった。水溶性有機高分子化合物を含有しない比較例3は塗工性が悪く、評価を中断した。
1. 基材層(X)
2、2a、2b. ガスバリア層(Y)
3. シール層

Claims (15)

  1. 基材層(X)と、樹脂組成物を用いて形成された層(Y)とを有する、ガスバリア積層体であって、
    前記樹脂組成物は、少なくとも、擬ベーマイト構造を有する化合物と、多価カルボン酸系化合物と、水溶性有機高分子化合物と、溶剤とを含有する混合物が、脱水縮合または配位結合した成分を含み、
    層(Y)中の未反応の前記多価カルボン酸系化合物の含有量はゼロまたは10質量%以下である、ガスバリア積層体。
  2. 前記多価カルボン酸系化合物から生成し得るカルボキシル基と前記擬ベーマイト構造を有する化合物のAl原子とのモル比 カルボキシル基類/Al原子が、0.1〜6である、
    請求項1に記載の、ガスバリア積層体。
  3. 前記多価カルボン酸系化合物は、融点又は軟化点が150℃以下のものを含むものである、請求項1または2に記載の、ガスバリア積層体。
  4. 前記多価カルボン酸系化合物の水中でのpKa1が、3.3以下である、請求項1〜3の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  5. 前記多価カルボン酸系化合物が、ジカルボン酸類である、請求項1〜4の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  6. 前記多価カルボン酸系化合物が、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、それらの水和物、及びそれらの無水物なる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1〜5の何れか1項に記載のガスバリア積層体。
  7. 前記水溶性有機高分子化合物の、層(Y)中の含有率が、0.1質量%以上、7質量%以下である、請求項1〜6の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  8. 前記水溶性有機高分子化合物の、前記樹脂組成物の脱水縮合または配位結合前の全非溶剤成分中の含有率が、0.1質量%以上、7質量%以下である、請求項1〜7の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  9. 前記水溶性有機高分子化合物が、水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜8の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  10. 前記水溶性有機高分子化合物が、アルコール性水酸基を有する水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜9の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  11. 前記水溶性有機高分子化合物が、脂肪族主骨格からなる水溶性有機高分子化合物である、請求項1〜10の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  12. 前記水溶性有機高分子化合物が、ポリビニルアルコールである、請求項1〜11の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  13. 前記層(Y)の厚みが、0.05μm以上、2μm以下である、請求項1〜12の何れか1項に記載の、ガスバリア積層体。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア積層体を用いて作製した、ガスバリア包装材料。
  15. 請求項1〜13の何れか1項に記載のガスバリア積層体を製造するための製造方法であって、少なくとも、下記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)の工程を含む、ガスバリア積層体の製造方法。
    a)前記擬ベーマイト構造を有する化合物を含む溶液Aを調製する工程。
    b)前記多価カルボン酸系化合物と含む溶液Bを調製する工程。
    c)溶液Aと溶液Bとを混合して、溶液Cを調製する工程。
    d)溶液Cを加熱して反応を進行させて、溶液Dを調製する工程であって、該加熱の温度と時間とは、予めXRD測定によって未反応の前記多価カルボン酸系化合物が消失することが確認されたものである、工程。
    e)前記水溶性有機高分子化合物を含む溶液Eを調製する工程。
    f)溶液Dと溶液Eとを混合して、溶液Fを調製する工程。
    g)溶液Fを基材層(X)に塗布して、塗工物Gを得る工程。
    h)塗工物Gを、40℃以上、120℃以下の温度で加熱して、層(Y)を形成する工程。
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