JP4427719B2 - 積層フィルム - Google Patents
積層フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP4427719B2 JP4427719B2 JP2003379484A JP2003379484A JP4427719B2 JP 4427719 B2 JP4427719 B2 JP 4427719B2 JP 2003379484 A JP2003379484 A JP 2003379484A JP 2003379484 A JP2003379484 A JP 2003379484A JP 4427719 B2 JP4427719 B2 JP 4427719B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas barrier
- film
- coating
- hydroxyl
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Description
そのため、従来からポリビニルアルコール(以下、PVAとする)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、或いはポリ塩化ビニリデン樹脂(以下、PVDCとする)など一般にガスバリア性が比較的高いと言われる高分子樹脂組成物を積層したフィルムが包装材料として使用されてきた。また、適当な高分子樹脂組成物(単独では、高いガスバリア性を有していない樹脂であっても)のフィルムにAlなどの金属を蒸着したものやアルミナ、シリカなどの無機酸化物を蒸着したものも包装材料として一般的に使用され始めている。
[基材層]
本発明で用いる基材層は、例えば、有機高分子を溶融押し出しして、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、ナイロン4・6、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などで代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートなどで代表される、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどで代表されるポリオレフィンの他、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリ乳酸などを挙げることができる。
本発明における基材層は、機械強度、透明性等、所望の目的に応じて任意の膜厚のものを使用することができる。特に限定されないが、通常は5〜250μmであることが推奨され、包装材料として用いる場合は10〜60μmであることが望ましい。
この様な基材層の少なくとも一方の面に、特定の被覆層が積層される。被覆層としては、2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物と水酸基を含有する有機樹脂を必須成分とする。水酸基反応性官能基を含有する有機化合物は、水酸基を含有する有機樹脂を架橋反応させるために、2個以上の水酸基反応性官能基を含有することが必要である。これにより、無機薄膜層との密着性が高まり、ガスバリア性を向上させることができる。
その様な2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物としては、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどのジアルデヒド化合物、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、メチロール尿素、メチロールメラミンなどメチロール化合物などが挙げられる。
メチロール基の一部あるいは全てがアルキルエーテル化されているメチロールメラミンはトリアジン環に結合している3個のアミノ基の水素原子の少なくとも一部がメチロール基で置換されており、該メチロール基の数は一般に3〜6個であり、該メチロール基の一部または全部がアルキルエーテル化されているものである。アルキルエーテル化メチロールメラミンのアルキル部分は炭素数1〜6個、好ましくは1〜3個有する直鎖状または分岐鎖である。例えばメチル、エチル、n−またはiso−プロピル、n−、iso−、またはtert−ブチル等である。具体的に本発明に用いられるメチロールメラミンを例示すれば、ヘキサキスメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ヘキサメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンタメチロールメラミンペンタメチルエーテル、ペンタメチロールメラミンテトラメチルエーテル、ペンタメチロールメラミントリメチルエーテル、テトラメチロールメラミンテトラメチルエーテル、テトラメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテル等が挙げられるが、ポリビニルアルコール系重合体との相溶性の点から、トリメチロールメラミントリメチルエーテル、トリメチロールメラミンジメチルエーテルが好ましく用いられる。なお該メチロールメラミンは2量体などの縮合体を一部含んでも良い。
本発明においては、2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物と水酸基を含有する有機樹脂の重量比は任意に選択できるが、ガスバリア性の点から、2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物と水酸基を含有する有機樹脂の重量比は、好ましくは25/75〜90/10、更に好ましくは30/70〜90/10であり、特に好ましくは、50/50〜70/30である。この比が25/75より小さかったり、90/10より大きかったりすると、目的の酸素バリア性、水蒸気バリア性が十分に発現しなくなってしまう。
本発明に用いられる2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物と水酸基を含有する有機樹脂を必須成分とした被覆層は、通常溶媒を用いてコーティングすることで形成される。コーティング液の溶媒としては、溶解性の点から、水100%または水/低級アルコール混合溶媒を用いることが好ましい。低級アルコールとは炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖の脂肪族基を有するアルコール性化合物であり、具体例で示せばメタノール、エタノール、エチレングリコール、n−またはiso−プロピルアルコールが挙げられる。特にiso−プロピルアルコールが好ましい。また、本発明のコーティング液の全固形分濃度は2〜35%、通常5〜30%が好ましい。さらに、コーティング液中には、生産性を高めるため、硬化反応を促進する触媒が含まれていてもよい。
このような被覆層を積層したものに、さらにその上に無機薄膜層を積層することが必要である。アルミニウム、チタンなどの金属、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウムなどの酸化物、窒化物、弗化物の単体、或いはそれらの複合物を、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法(CVD法)などの真空プロセス、ゾルゲル法などのウェットプロセスにより形成される。中でも、本発明の目的とするガスバリア性、経済性の点から、アルミナ、シリカの複合物を真空蒸着させる方法が好ましい。
本発明のガスバリア性積層フィルムは、通常包装材料として使用するため、無機薄膜層上にシーラントと呼ばれるヒートシール性樹脂層が形成される。ヒートシール性樹脂層の形成は、通常押出しラミネート法あるいはドライラミネート法によりなされる。ヒートシール性樹脂層を形成する熱可塑性重合体としては、シーラント接着性が十分に発現できるものであればよく、HDPE、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂類、PP樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィンランダム共重合体、アイオノマー樹脂などを使用できる。
作製したフィルムの酸素透過度につき、85%RHの条件で、酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製OX−TRAN100)を用いて測定した。
作製したフィルムの水蒸気透過度につき、40℃、90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機(PARMATRAN−W)を用いて測定した。
可撓性の評価として、ゲルボフレックステスター(理学工業社製)を用いて評価した。20℃、65%RH、50回ひねり/1分間の条件で、50回ひねり処理を行った。
作製したフィルムのラミ強度については、15mm幅ラミネートフィルムを常温、90°で剥離して測定した。
[塗布液の調製]
水920gを攪拌しながら、無変性、鹸化度98.5mol%のポリビニルアルコール樹脂80gを徐々に投入した。90℃まで加熱、完全にポリビニルアルコール樹脂を溶解し、ポリビニルアルコール樹脂の8%水溶液を調製した。次にこのポリビニルアルコール樹脂水溶液 1000g、メチル化メラミンM−30W(住友化学製104g、水756g、イソプロピルアルコール140gを混合し、固形分濃度 8%の塗布液を調製した。
[フィルムへのコーティング評価]
極限粘度0.62(30℃、フェノール/テトラクロロエタン=60/40)のPETを予備結晶化後,本乾燥し,Tダイを有する押出し機を用いて280℃で押出し,表面温度40℃のドラム上で急冷固化して無定形シートを得た。次に得られたシートを加熱ロールと冷却ロールの間で縦方向に100℃で4.0倍延伸を行った。そして、得られた一軸延伸フィルムの片面に,上記塗布液をファウンテンバーコート法により延伸後の固形分厚み(被覆層厚み)が0.10μmとなる様に塗布した。乾燥しつつテンターに導き、100℃で予熱、120℃で4.0倍横方向に延伸し、6%の横方向の弛緩を行いながら225℃で熱処理を行い,厚さ12μmのニ軸延伸ポリエステルフィルムを得た.
次にこの塗布面へ蒸着するために、蒸着源として、3mm〜5mm程度の粒子状SiO2(純度99.9%)とAl2O3(純度99.9%)を用いて、電子ビーム蒸着法で、得られた塗布フィルム上に酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の混合ガスバリア層の形成を行った。真空層内には、巻き出し部、コーティング部、巻取り部が入っており、連続でフィルムに蒸着が可能である。蒸着時の圧力を1.0×10-4Torrになるように調整した。SiO2とAl2O3は、混合せずに2つに区切って入れた。加熱源として、電子銃(以下EB銃)を用い、2種類の原料をそれぞれ時分割で加熱した。その時のEB銃のエミッション電流を1.2Aとし、SiO2とAl2O3の加熱比を1:2で加熱した。フィルムの送り速度は、130m/minとし、150Å(オングストローム)厚の膜を作った。また、蒸着時のフィルムを冷却する為のロールの温度を−10℃に調整した。
次に、フィルムの蒸着面にポリウレタン系接着剤(東洋モートン株式会社製,TM−590/CAT56)を約3μm塗布し、80℃で熱処理した後、低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績製 L6102 厚み40μm)を80℃に加熱した金属ロール上で490kPaのニップ圧力でドライラミネートし、ラミネートフィルムを得た。
このフィルムにつき、85%RH酸素透過度、水蒸気透過度およびゲルボ処理後の85%RH酸素透過度、ラミ強度を測定した。結果を表1に示す。
コーティング液、被覆層の厚みを表1に示したように変更した以外は、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。結果を表1に示す。
コーティングせずに、実施例1と同様の手順でサンプル作製、評価を行なった。結果を表1に示す。
Claims (1)
- 高分子樹脂組成物からなる基材上に、2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物と水酸基を含有する有機樹脂を必須成分とし、2個以上の水酸基反応性官能基を含有する有機化合物/水酸基を含有する有機樹脂の重量比が25/75〜90/10であり、厚みが0.10〜0.50μである被覆層を積層し、かつ被覆層の上に無機薄膜層を積層してなることを特徴とするガスバリア性積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003379484A JP4427719B2 (ja) | 2003-11-10 | 2003-11-10 | 積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003379484A JP4427719B2 (ja) | 2003-11-10 | 2003-11-10 | 積層フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005138534A JP2005138534A (ja) | 2005-06-02 |
JP4427719B2 true JP4427719B2 (ja) | 2010-03-10 |
Family
ID=34689529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003379484A Expired - Fee Related JP4427719B2 (ja) | 2003-11-10 | 2003-11-10 | 積層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4427719B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100221560A1 (en) * | 2006-08-14 | 2010-09-02 | Frito-Lay North America, Inc. | Bio-Based In-Line High Barrier Metalized Film and Process for its Production |
JP6816569B2 (ja) * | 2017-03-07 | 2021-01-20 | 大日本印刷株式会社 | ガスバリア積層体、及びガスバリア積層体の製造方法 |
JP7339870B2 (ja) * | 2019-12-06 | 2023-09-06 | 株式会社クラレ | 多層構造体およびその製造方法、それを用いた包装材および製品、ならびに電子デバイスの保護シート |
-
2003
- 2003-11-10 JP JP2003379484A patent/JP4427719B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005138534A (ja) | 2005-06-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4868706B2 (ja) | 酸素ガスバリア性塗布および塗布フィルム | |
CA2766816C (en) | Biaxially oriented metallized polylactic acid film with high metal adhesion and high barrier properties | |
US7141307B2 (en) | Extrusion-coatable polyester film comprising poly(m-xyleneadipamide) | |
JP3992055B2 (ja) | 蒸着フィルム | |
JP5228284B2 (ja) | 透明バリア性積層フィルム及びその製造方法 | |
EP2955022B1 (en) | Gas barrier film | |
JP4427719B2 (ja) | 積層フィルム | |
KR20150114991A (ko) | 적층 필름 | |
JP2006321194A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2006326865A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2008307757A (ja) | 被覆フィルムおよび蒸着フィルム | |
JP2006321198A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2005138536A (ja) | 積層フィルム | |
JP2005144978A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP3992056B2 (ja) | 被覆フィルムロール、蒸着フィルムロールおよび被覆フィルムロールの製造方法 | |
JP2005138535A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2005138533A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2002321301A (ja) | 透明ガスバリア性フイルム | |
JP4691963B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2006321192A (ja) | ガスバリア性積層フイルム | |
JP7073882B2 (ja) | 積層フィルム | |
JP2006321196A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2005178312A (ja) | ガスバリア性積層ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
JP2005138537A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP2009126118A (ja) | 被覆ポリアミド系樹脂フィルムおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061110 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090507 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090611 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090917 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091023 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091119 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225 Year of fee payment: 3 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 4427719 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |