JP4812552B2 - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
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Description
このような無機薄膜を形成してなるガスバリア性プラスチックフィルムに関しては、ガスバリア性の低下防止あるいは更にガスバリア性を高めることを目的として種々の改良が検討されており、例えば、セラミックの蒸着層面に、ポリビニルアルコールと、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液をコーティングする方法(特許文献1参照)、無機材料の蒸着膜上に、ポリビニルアルコールとポリカルボン酸またはその部分中和物を含有する混合物から形成された耐水性フィルムが積層された複合蒸着フィルム(特許文献2参照)、また、金属酸化物蒸着プラスチックフィルムの蒸着面上に、金属酸化物ゾルをコーティングし、更に該コーティング層上にシーラント層を積層した積層構造体(特許文献3参照)、更には、蒸着面上にポリビニルアルコールのコーティング層を設ける方法(特許文献4参照)、蒸着面にエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散体をコーティングする方法(特許文献5参照)等が開示されている。
(1)基材フィルムの少なくとも一方の面に形成した無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、(c)無機粒子、及び(d)架橋剤を含有する水性分散液を塗布してなる樹脂層を有するガスバリア性積層フィルム、
(2)(A)基材フィルムの少なくとも一方の面に、蒸着法により無機薄膜を形成する工程、及び(B)該無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、(c)無機粒子及び(d)架橋剤を混合して得られた水性分散液を塗布する工程、を有する、ガスバリア性積層フィルムの製造方法、及び
(3)上記(1)の積層フィルムにプラスチックフィルム及び/又は紙を積層してなるガスバリア性積層体、
に関する。
本発明のガスバリア性積層フィルムの基材フィルムとしては熱可塑性高分子フィルムが好ましく、その原料としては、通常の包装材料に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂などが挙げられる。これらの中では、フィルム強度、コストなどの点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
基材フィルムの厚さは、本発明のガスバリア性積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択され、厚さが大きいシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
また、基材フィルムへのアンカーコート剤の塗布性、接着性を改良するため、アンカーコート剤の塗布前にフィルムに通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
無機薄膜の形成方法としては、蒸着法、コーティング法などの方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法は、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどのPVD(物理的気相蒸着)、CVD(化学的気相蒸着)等の方法を含むことができる。
無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nmであるが、好ましくは0.5〜40nmである。上記範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、無機薄膜に亀裂や剥離を発生させることなく、透明性にも優れている。
(a)ポリビニルアルコール(PVA)
ポリビニルアルコールは公知の方法で得ることができ、通常は、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得ることができる。ケン化度は80%以上のものが使用でき、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であることがガスバリア性の点から好ましい。
ポリビニルアルコールの水性液は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を常温水中で攪拌しながら供給して昇温し、80〜95℃で30〜60分攪拌することで調製することができる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸との共重合体であり、中でも汎用性の点からエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が好ましい。このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は任意の他の単量体を含んでいてもよい。
中和度=(A/B)×100(%)
A:中和されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中の中和されたカルボキシル基のモル数
B:中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中のカルボキシル基のモル数
水性分散液の場合は、簡便的に、上記Aを(溶媒中の金属イオン数)x(その金属イオンの価数)とし、Bを中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の数として、算出することができる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と上記分散媒から水性分散液を製造するには、例えば、撹拌可能な容器に、所定量の水と上記両原料を供給し、90〜150℃の温度で10分ないし2時間程度攪拌することによって得ることができる。このようにして得られた水性分散液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
本発明においては、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用する無機粒子には特に制限はなく、例えば無機フィラーや無機層状化合物、金属酸化物ゾル等の公知のものをいずれも使用することができる。
無機フィラーの例としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウム、チタン、亜鉛、鉄などの酸化物、水酸化物、水和物、炭酸化物及びこれらの混合物、複合物等が挙げられる。
無機層状化合物の例としては、カオリナイト族、スメクタイト族、マイカ族等に代表される粘土鉱物が挙げられ、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト等を用いることができる。
金属酸化物ゾルの例としては、ケイ素、アンチモン、ジルコニウム、アルミニウム、セリウム、チタン等の金属酸化物またはそれらの混合物が挙げられる。中でも、耐熱水性、ガスバリア性などの点から、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の加水分解縮合可能な反応性官能基を有するものが好ましく、特に反応性官能基中、シラノール基を10〜100モル%、更に20〜100モル%含有するものが好ましく用いられる。
本発明においては、上記無機粒子は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
耐ボイル性、耐レトルト性と易裂性を持たせるには、樹脂との分子レベルの高い混和性、適度な凝集性が必要であり、そのためには、無機成分が粒子形状であり、かつ小粒子径であり、シラノール基を持つことが好ましい。上記観点から、シラノール基を有する、平均粒子径0.5〜200nm、更に1〜200nm、更に1〜100nmの無機粒子が好ましい。
一般に、アルコキシシランの使用については、樹脂にアルコキシシランまたはその加水分解物を混合した塗布液を無機薄膜フィルムに塗布することが知られているが、アルコキシシランやその加水分解物は、凝集応力が大変強いため、むしろ無機薄膜を損傷し、ガスバリア性を低下させてしまう。特に熱水下においてはその傾向は甚だしい。本発明では、アルコキシシランを加水分解縮合し熟成させ部分架橋反応を十分進ませることにより、シリカを粒子形状とし且つ好ましくはシラノール基を含有させたものを用いることにより、塗布層の樹脂成分との相互作用や凝集力を調整することが出来る。
本発明に使用する架橋剤は、前記(a)成分のポリビニルアルコールや(b)成分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基と反応して、これらを架橋し得る化合物であればよく、特に制限されず、上記反応性官能基に対応した様々な基を有する化合物を挙げることができる。
上記ポリビニルアルコールやエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基としては、カルボキシル基や塩型カルボン酸基を始め、所望によりさらに共重合される他の成分によって、その他の活性水素をもつ様々な官能基が挙げられる。当該架橋剤における架橋性官能基としては、上記のポリビニルアルコールやエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の反応性官能基と反応し得る基、例えばカルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基、エポキシ基、メチロール基、アルデヒド基、酸無水物基、アジリジニル基などが挙げられるが、混合した水性分散液の安定性の点から、カルボジイミド基、オキサゾリン基、イソシアネート基又はエポキシ基が好ましい。これらの架橋性官能基は、1分子中に1種導入されていてもよく、2種以上導入されていてもよいが、架橋性の点から、上記架橋性官能基は、1分子中に2個以上導入されていることが肝要である。
前記分子内にオキサゾリン基を2個以上有する水性重合体としては、(イ)オキサゾリン基含有単量体及び必要に応じて用いられる(ロ)エチレン性不飽和単量体を重合してなるものを用いることができる。
ここで、(イ)成分のオキサゾリン基含有単量体としては、例えば2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリンなどを挙げることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、中でも2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが工業的に入手しやすく、好適である。
また、この重合体に水性を付与するために、全単量体中の親水性単量体の割合は50質量%以上であることが好ましく、特に70質量%以上であることが好ましい。該親水性単量体としては、(イ)成分のオキサゾリン基含有単量体及び(ロ)成分のエチレン性不飽和単量体の中の(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル及びその塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明においては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する水性重合体として、ポリマーの後変性でオキサゾリン基を導入したものも使用することができる。オキサゾリン基の導入には、例えばニトリル基とアミノエタノール基との反応、ヒドロキシルアルキルアミド基の脱水反応などが利用可能である。
前記ジイソシアネート化合物としては、例えば1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサンメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応においては、カルボジドイミド化触媒を用いることができる。この触媒としては、例えば1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシドや、これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシド等を使用することができる。
また、ポリオキシエチレンポリオール化合物と酸無水物化合物とを反応させて得られるカルボキシル基含有化合物と、分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを、反応せしめて得られる水溶性エポキシ樹脂や、該水溶性エポキシ樹脂と分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを混合して得られる自己乳化性エポキシ樹脂組成物も挙げられる。
ポリオキシエチレンポリオール化合物としては、例えば一般式R[(OCH2CH2)mOH]n (Rは、n個の活性水素基を有する、多価アルコール残基、多核多価フェノール残基、多価カルボン酸残基)で示されるポリオキシエチレンポリオールがある。
上記酸無水物化合物は特に限定されるべきものではないが、好ましくは、芳香族酸無水物、例えば、無水フタル酸、無水トリメット酸、無水ピロメッリット酸;環状脂肪族酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、アルケニル無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等を挙げることができ、最も好ましくはヘキサヒドロ無水フタル酸である。
また、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び/又はイソホロンジイソシアネートと活性水素基含有化合物との反応によるウレタン基含有ポリイソシアネート、あるいはこれらジイソシアネート化合物のアロファネート化反応、カルボジイミド化反応、ウレトンイミン化反応、ビウレット化反応によるポリイソシアネート(イソシアネート変性体)を挙げることができる。
上記水性分散液を無機薄膜面に塗布し、樹脂層を形成することにより、製造直後から高いガスバリア性を発揮し、且つ印刷、製袋などの二次加工において無機薄膜の保護機能を有し、ボイル、レトルトのような熱水処理においても接着剤や、接着性樹脂層との接着性に優れ、ガスバリア性を保持する積層無機薄膜フィルムを得ることができる。
上記観点から、本発明においては、(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の含有割合[(a)/(b)]は、印刷後及び又は熱水処理後のバリア性や密着性、高速コーティング性の点から、固形分質量比で90/10ないし5/95であることが好ましく、より好ましくは80/20ないし10/90であり、更に好ましくは60/40ないし20/80である。
また、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体に対する(d)架橋剤の含有割合(b)/(d)は、熱水処理後のバリア性、高速コーティング性の点から、固形分質量比で98/2ないし40/60であり、より好ましくは95/5ないし70/30であり、更に好ましくは93/7ないし80/20である。
本発明の積層フィルムにおいて、樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、0.05〜20μmであるが、印刷諧調性、コストなどの点から、0.05〜10μmが好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。この樹脂層には、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。
通常の実施態様としては、上記樹脂層面及び/又は基材フィルム面上にプラスチックフィルムを設けたガスバリア性積層体が各種用途に使用される。上記プラスチックフィルムの厚さは、積層フィルムあるいは積層体の基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で用途に応じて選択される。また、その幅や長さは特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。例えば、樹脂層面又は基材フィルム上にヒートシールが可能な樹脂を使用することにより、ヒートシールが可能となり、種々の容器として使用できる。ヒートシールが可能な樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等の公知の樹脂が例示される。
また、印刷層と、ヒートシール層やプラスチックフィルムとの間に紙又は他のプラスチックフィルムを少なくとも1層積層することが可能である。プラスチックフィルムとしては、本発明のガスバリア性積層フィルムに用いられる基材フィルムとしての熱可塑性高分子フィルムと同様のものが使用できる。中でも、十分な積層体の剛性及び強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール又は生分解性樹脂が好ましい。
また、基材フィルムにポリアミドフィルム又はポリビニルアルコールフィルムを用いた場合は、積層フィルムの樹脂層側に印刷層やポリエステルフィルム、基材フィルム面側にヒートシール層を積層した積層体などが挙げられる。
なお、120℃30分間の熱水処理を行った後の積層体の酸素透過率(cc/m 2 /24hr/atm)は、酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製「OX−TRN100型酸素透過率測定装置」)により、積層体を温度25℃、湿度80%RHの条件下で測定した。
加熱処理は、ガスバリア性積層フィルム又は積層体を構成する要素の種類や厚さなどによりその条件が異なるが、必要な温度、時間を維持できる方法であれば特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱版と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法などが使用できる。また、取り扱いが容易な大きさにフィルムを切断してから加熱処理しても、フィルムロールのままで加熱処理してもよい。更に必要な時間と温度が得られる限りにおいては、コーター、スリッター等のフィルム製造装置の一部分に加熱装置を組み込み、製造過程で加熱を行うこともできる。
(A)基材フィルムの少なくとも一方の面に蒸着法により無機薄膜を形成する工程により、前述のように、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得ることができる。この蒸着法としては、前述の形成方法がいずれも用いられる。
また、B)該無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、(c)無機粒子、及び(d)架橋剤を混合して得られた水性分散液を塗布する工程としては、前述の(a)成分〜(d)成分の各成分を使用することができ、このような水性分散液を前述の方法により調製し、これを上記無機薄膜面上に塗布する。
<ボイル処理>
積層体をオートクレーブにて、熱水95℃、30分間処理し、積層体の周りに付着した水を拭き取り風乾させ、酸素透過率測定及びラミネート強度測定に供した。
<レトルト処理>
積層体をオートクレーブにて、熱水120℃、30分間処理し、積層体の周りに付着した水を拭き取り風乾させ、酸素透過率測定及びラミネート強度測定に供した。
JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各積層フィルム又は積層体を2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。なお、表1には、3日目における水蒸気透過率の値を示す。
水蒸気透過率(g/m2/24h)=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(m2)
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
酸素透過率測定装置(モダンコントロールズ社製「OX−TRN100型酸素透過率測定装置」)により、積層フィルム又は積層体を温度25℃、湿度80%RHの条件下で酸素透過率(cc/m2/24hr/atm)を測定した。
また、前述のように、試料を95℃でボイル処理したもの、及び120℃でレトルト処理したものの酸素透過率も上記と同様に行った。
JIS Z1707に準じ、積層体を幅15mmの短冊状に切り出し、前述のように、試料を95℃でボイル処理したもの、及び120℃でレトルト処理したのものの端部を一部剥離させ、剥離面に水を付着させながら剥離試験機(島津製作所製、製品名EZ−TEST)により100mm/分の速度でT型剥離を行い、ラミネート強度(g/15mm)を測定した。
ガスバリア性積層フィルムの樹脂層面にグラビア印刷において20%諧調印刷を行い、200倍光学顕微鏡観察し、真円度(長径/短径)が1.5未満であり、網点の抜けの無い状態を良好、そうでない場合を不良と判断した。
<無機粒子の平均粒子径>
MALVERN製「Zetasizer Nano」を用いて測定した。
<ポリビニルアルコール(PVA)水性液(a−1)の調製>
ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ゴーセノールNM−14」、ケン化度99モル%以上、重合度1400)をイオン交換水に攪拌しながら入れ、95℃で60分間溶解し、固形分濃度10%のPVA水性液(a−1)を得た。
<ポリビニルアルコール(PVA)水性液(a−2)の調製>
ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ゴーセノールNL−05」、ケン化度98.5モル%、重合度500)をイオン交換水に攪拌しながら入れ、95℃で60分間溶解し、固形分濃度10質量%のPVA水性液(a−2)を得た。
エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)(アクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、アンモニア及びイオン交換水を95℃2時間攪拌混合して、中和度50%、固形分20%水性液(b−1)を調製した。
<エチレン・不飽和カルボン酸共重合体水性液(b−2)の調製>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)(メタクリル酸20重量%、MFR:300g/10分)、水酸化ナトリウム、イオン交換水を95℃で2時間攪拌混合して、中和度60%、固形分20%水性液(b−2)を調製した。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のMFRは、JIS K 7210(プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法)に従い、190℃、2.16kg荷重下で測定した。
特開平6−16414号公報の段落[0012]〜[0031]の記載に準じてシリカ粒子水性液(c−1)を調製した。すなわち、ナトリウム水ガラスJIS3号を硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、珪酸ナトリウム水溶液を作製し、水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、珪酸水溶液を得た。次いで、該珪酸水溶液の20%量を減圧蒸留し蒸発水を除去すると共に、残りの珪酸水溶液を連続的に徐々に供給することにより、減圧蒸留を連続的に行い、コロイダルシリカゾルを作製した。更に、該コロイダルシリカゾルを水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通し、その直後に特級アンモニア水を添加し、pH9、平均粒子径4nm、各種金属酸化物濃度が500ppm未満の水性シリカゾル(c−1)(反応性官能基はシラノール基割合:100モル%)を得た。
上記無機粒子液(c−1)の作製において、珪酸水溶液の5質量%量を減圧蒸留し、残りの珪酸水溶液を連続的に供給しながら減圧蒸留を行うことにより、シリカ粒子径を調節した他は、同様にして水性シリカゾル(c−2)を得た。水性シリカゾル(c−2)は、pH9、平均粒子径20nm、各種金属酸化物濃度500ppm未満(反応性官能基はシラノール基割合:100モル%)であった。
国際公開パンフレットWO95/17349号の第2頁16行〜10頁26行の記載に準じて無機粒子水性液(c−3)を調製した。すなわち、テトラメトキシシラン(TMOS)とメタノールと希塩酸を用い、加水分解縮合反応を行い、次いでメタノールを留去させ、部分加水分解縮合物、重合度10未満のオリゴマーを得た後、イナートガス吹込み法でオリゴマー中のモノマーを除去した。その後、該オリゴマーに、加水分解率113%に相当するエタノールとイオン交換水の混合液と、触媒としてマレイン酸を加え、室温下で攪拌1時間の後、更に水を加え、2週間保持し、反応性官能基のうちシラノール基含有割合40モル%、平均粒子径1nmのシリカ粒子水性液(c−3)を得た。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、ヘキサ
メチレンジイソシアネート130質量部とポリエチレングリコールモノメチルエーテル(
平均分子量400)170質量部とを入れ、120℃で1時間撹拌し、更に4,4'−ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート20質量部とカルボジイミド化触媒である3−メ
チル−1−フェニル−2−フォスフォレン−1−オキシド3質量部を加え、窒素気流下1
85℃で更に5時間撹拌した。反応終了後、60℃まで放冷し、蒸留水を加え、固形分濃
度40質量%のカルボジイミド基含有架橋剤水性液(d−1)を得た。
攪拌機、還流冷却器、窒素導入管、温度計及び滴下ロートを備えたフラスコに、脱イオ
ン水179質量部及び重合開始剤である2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二
塩酸塩1質量部を仕込み、ゆるやかに窒素ガスを流しながら60℃に加熱した。そこへ予
め調製しておいた、アクリル酸エチル2質量部、メタクリル酸メチル2質量部及び2−イ
ソプロペニル−2−オキサゾリン16質量部からなる単量体混合物を滴下ロートより1時
間で滴下した。その後、窒素気流下、60℃で10時間反応を行った。反応後、冷却し、
固形分濃度10質量%の2−オキサゾリン基含有樹脂水性液(d−2)を得た。
エポキシ基含有架橋剤(d−3)として、グリセロールポリグリシジルエーテルを用いた。
<イソシアネート基含有架橋剤(d−4)>
イソシアネート基含有架橋剤(d−4)として、日本ポリウレタン工業製アクアネート100を用いた。
<アンカーコート(A−1)>
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製「コロネートL」)と飽和ポリエステル(東洋紡績製「バイロン300」)とを1:1重量比で配合して用いた。
<アンカーコート(A−2)>
下記アクリル樹脂水性液20重量%、下記ウレタン樹脂水性液20%、オキサゾリン基含有ポリマー(日本触媒製エポクロスWS−500)60重量%を混合して用いた。
アクリル樹脂水性液: アクリル酸エチル40重量部、メタクリル酸メチル30重量部、メタクリル酸20重量部、グリシジルメタクリレート10重量部の混合物をエチルアルコール中で溶液重合し、重合後水を加えつつ加熱しエチルアルコールを除去した。アンモニア水でpH7.5に調節し、アクリル樹脂水性液を得た。
ウレタン樹脂水性液: まず、テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール447部からなるポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321部、ジメチロールプロピオン酸268部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、該ポリエステルポリオールA1880部にヘキサメチレンジイソシアネート160部を加え、ウレタン樹脂水性液を得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学(株)製「ノバペックス」)を溶融押出してシートを形成し、延伸温度95℃、延伸比3.3で長手方向に延伸した後、延伸温度110℃、延伸比3.3で横方向に延伸し、230℃で熱固定処理することにより、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(以下、OPETという)を得た。そのフィルムの片側表面に、アンカーコート液(A−1)を塗布乾燥して厚さ0.1μmのアンカーコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1×10-5Torrの真空下でSiOを高周波加熱方式で蒸発させ、アンカーコート層上に薄膜厚さ約20nmの無機薄膜フィルムを形成した。一方、前記調製した各水性液を(a)〜(d)各成分が表1に示す配合割合となるように混合し、塗布液を調製した。
続いて、得られたガスバリア性フィルムの印刷面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを質量比10:1.5の割合で配合)を塗布、80℃で1分乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネート、40℃3日エージングし、積層体を得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(溶融粘度0.65)を溶融押出してシートを延伸温度95℃、延伸比3.5で長手方向に延伸した後、アンカーコート液<A−2>をインラインコーティング法により塗布し、延伸温度110℃、延伸比3.5で横方向に延伸し、230℃で熱固定処理を行い、厚さ0.1μmのアンカーコート層を有する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た他は、実施例1と同様にしてガスバリア性積層フィルム及び積層体を得た。
実施例10において、ガスバリア性積層フィルムを作製後、60℃で3日間加熱処理を施した他は、同様にしてガスバリア性積層フィルム及び積層体を得た。
実施例10において、ガスバリア性積層フィルムの印刷面に接着樹脂層を形成して厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィルム(三菱樹脂(株)製「SN−15」)をラミネートし、更に該二軸延伸ナイロン6フィルム面に同様に接着樹脂層を形成して厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CTP1146」)をラミネートし40℃で3日間エージングした他は、同様にしてガスバリア性積層フィルム及び積層体を得た。
ナイロン6(三菱化学(株)製「ノバミッド1020CA」)を280℃で押出機より押出し、冷却ドラムで急冷、固定してシートを得た。このシートを縦方向に50℃で3倍、横方向に80℃で3倍に延伸し、215℃で熱固定処理を行い、厚さ15μm の二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONYという)を得た。その後、実施例1と同様にアンカーコート層、無機薄膜層、水性コーティング層(樹脂層)を設けガスバリア性積層フィルムを得た後、同様にしてその上に印刷を施した。
続いて、該ガスバリア性フィルムの印刷面側に、実施例1と同様にして接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製「H100C」)をラミネートし、更に、該ナイロンフィルム面に上記と同様の接着樹脂層を形成し、厚さ60μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネートし、40℃で3日間エージングを行い積層体を得た。
平均重合度2600、ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコール樹脂を水で溶解し48質量%の含水ポリビニルアルコールを得た。この含水ポリビニルアルコールを押出機にて押出し、シートを得た。このシートを縦方向に90℃で3倍、横方向に110℃で3倍に延伸し、200℃で熱固定処理を行い、厚さ12μmの二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(以下、OPVAという)を得た。その後、実施例1と同様にアンカーコート層、無機薄膜層、水性コーティング層(樹脂層)を設けガスバリア性積層フィルムを得た後、同様にしてその上に印刷を施した。
続いて、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製「 H100C」)に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを質量比10:1.5の割合で配合)を塗布、80℃で1分乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、上記ガスバリア性フィルムの印刷面側をラミネートし、更に、該ポリビニルアルコールフィルム面に接着樹脂層を形成し、厚さ50μmのエチレン酢酸ビニル共重合フィルム(タマポリ(株)製「SB−7」)をラミネートし、40℃で3日間エージングを行い積層体を得た。
実施例1の無機薄膜フィルム形成において、アンカーコート層上に酸化珪素(シリカ)を蒸着することに代えて、アルミニウムを蒸発させ、ガス流量制御装置を使用して酸素ガスを供給し、1×10-4Torrで蒸着を行い、厚さ約20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)薄膜を形成させ、また、(a)〜(d)各成分の量比を表1に示すようにした以外は、同様にして積層フィルム及び積層体を得た。
実施例22において、アンカーコート層を形成せずに無機薄膜フィルムを作製した他は、同様にしてガスバリア性積層フィルム及び積層体を得た。
Claims (20)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に形成した無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、(c)動的光散乱法による平均粒子径が1〜100nmであり、シラノール基を有するシリカ粒子、及び(d)架橋剤を含有する水性分散液を塗布してなる樹脂層を有するガスバリア性積層フィルム。
- (b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の中和物を含む、請求項1記載の積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の中和物が、中和度10〜100モル%の部分中和物又は完全中和物である、請求項2記載の積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の中和物が、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアルカリ金属イオンである、請求項3記載の積層フィルム。
- 樹脂層中に、(a)ポリビニルアルコールを5〜70質量%含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層中に、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を10〜70質量%含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層中に、(c)シリカ粒子を20〜70質量%含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
- (d)架橋剤が、オキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層中に、(d)架橋剤を2〜30質量%含む、請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層中において、(i)(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の含有割合[(a)/(b)]が質量比で90/10〜5/95、(ii)(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の合計量に対する(c)シリカ粒子の含有割合[((a)+(b))/(c)]が質量比で25/75〜90/10、及び(iii)(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と(d)架橋剤の含有割合[(b)/(d)]が質量比で98/2〜40/60であり、上記(i)〜(iii)の各含有割合の少なくとも一つを満たす、請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 樹脂層の厚さが0.05〜10μmである、請求項1〜10のいずれかに記載の積層フィルム。
- 基材フィルムと無機薄膜との間にアンカーコート層を有する請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルム。
- アンカーコート層が、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、イソシアネート基含有樹脂、及びこれらの共重合体から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項12記載の積層フィルム。
- 無機薄膜が、酸化珪素、酸化アルミニウム及び炭化水素から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1〜13のいずれかに記載の積層フィルム。
- 基材フィルムが、ポリエステル、ポリアミド及びポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも一種からなる、請求項1〜14のいずれかに記載の積層フィルム。
- (A)基材フィルムの少なくとも一方の面に、蒸着法により無機薄膜を形成する工程、及び(B)該無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコール、(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、(c)動的光散乱法による平均粒子径が1〜100nmであり、シラノール基を有するシリカ粒子及び(d)架橋剤を混合して得られた水性分散液を塗布する工程、を有する、ガスバリア性積層フィルムの製造方法。
- 前記無機薄膜形成後及び/又は樹脂層形成後に、60℃以上の加熱処理を施す、請求項16記載の積層フィルムの製造方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の積層フィルムにプラスチックフィルム及び/又は紙を積層してなるガスバリア性積層体。
- (イ)基材フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであり、(ロ)積層フィルムの樹脂層面に、厚さ30〜200μmの未延伸ポリプロピレンフィルム積層してなるか、又は厚さ5〜100μmの二軸延伸ナイロン6フィルムと厚さ30〜200μmの未延伸ポリプロピレンフィルムとを順次積層してなる、積層体であって、120℃30分間の熱水処理を行った後の酸素透過率が2cc/m2/24hr/atm以下である、請求項18記載の積層体。
- 基材フィルムが二軸延伸ポリアミドフィルムであり、積層フィルムの樹脂層面側に厚さ5〜100μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを積層してなり、かつ基材フィルム面側に厚さ30〜200μmの未延伸ポリプロピレンフィルムを積層してなる、120℃30分間の熱水処理を行った後の酸素透過率が2cc/m2/24hr/atm以下である、請求項18記載の積層体。
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