JP2016203447A - 熱収縮性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】シュリンク包装材料として欠かせない特性である熱収縮性と、生鮮食品用包装材料として重要な特性であるガスバリア性の両者ともに優れた性能を有する熱収縮性フィルムの提供。【解決手段】プラスチック基材(I)にガスバリア層(II)が積層されてなる熱収縮性フィルムであって、プラスチック基材(I)が金属化合物を0.1〜70質量%含有し、ガスバリア層(II)がポリカルボン酸を含有し、80℃熱水中で30分処理した後に下記特性(A)、(B)を同時に満足する熱収縮性フィルム。(A)収縮率が15〜40%(B)温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度が300ml/(m2・day・MPa)以下【選択図】なし

Description

本発明は、高湿度下においても優れたガスバリア性を有し、かつ熱収縮性を有する熱収縮性フィルムに関するものである。
従来、ガスバリア性を有する熱収縮性フィルムとしては、キシリレン系ポリアミド樹脂を用いたフィルムが知られている。キシリレン系ポリアミド樹脂は酸素、水蒸気、芳香成分に対して均衡したバリア性を有するものである。しかしながら、キシリレン系ポリアミド樹脂は、特に高湿度下においてガスバリア性が悪く、食品包装材料として使用するには十分に満足できる性能を有していなかった。
このような問題を解決するためには、高温で熱処理を施して結晶性を上げ、分子配向を付与し、ガスバリア性を向上させるような手法を勘案することが可能である。しかしながら、フィルムの延伸・熱処理工程内において高温で熱処理することは、同時にフィルムの熱固定を促進することにもなる。このため、キシリレン系ポリアミド樹脂でガスバリア性を有する熱収縮性フィルムとして使用する場合、極めて重要な特徴である熱収縮性を十分に確保することができなかった。
特許文献1には、フィルムの製造工程における熱処理工程を工夫することにより、上記のような問題点を解決し、キシリレン系ポリアミド樹脂を用いていながら、熱収縮性とガスバリア性とを有するナイロンフィルムが提案されている。
しかしながら、キシリレン系ポリアミド樹脂を用いてガスバリア性を発現させるものであるため、高湿度下におけるガスバリア性と熱収縮性の両性能を十分に向上させることはできなかった。
特開2001−341201号公報
本発明は、シュリンク包装材料として欠かせない特性である熱収縮性と、生鮮食品用包装材料として重要な特性であるガスバリア性の両者ともに優れた性能を有する熱収縮性フィルムを提供しようとするものである。
本発明者は、金属化合物を特定量含有するプラスチック基材(I)を用い、これにポリカルボン酸を含有するガスバリア層(II)を積層してなるフィルムを、適切な温度で熱処理することにより、熱収縮性を損なうことなく、優れたガスバリア性を有する熱収縮性フィルムを得ることができることを見出し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
プラスチック基材(I)にガスバリア層(II)が積層されてなる熱収縮性フィルムであって、プラスチック基材(I)が金属化合物を0.1〜70質量%含有し、ガスバリア層(II)がポリカルボン酸を含有し、80℃熱水中で30分処理した後に下記特性(A)、(B)を同時に満足することを特徴とする熱収縮性フィルム。
(A)収縮率が15〜40%である
(B)温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度が300ml/(m・day・MPa)以下である
本発明の熱収縮性フィルムは、高湿度下でも優れたガスバリア性を有し、かつ優れた熱収縮性をも有するものであるため、包装用フィルムとして各種用途に用いることができる。中でも、水物食品、食肉加工品をはじめとする重包装用途において好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱収縮性フィルムは、プラスチック基材(I)にガスバリア層(II)が積層されたものであり、プラスチック基材(I)は、金属化合物を含有することが必要である。
金属化合物を構成する金属としては、特に限定されず、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1価の金属や、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、銅、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等の2価以上の金属が挙げられる。中でも、カルボン酸と反応しやすいという観点から、イオン化傾向の高い金属が好ましく、ガスバリア性の観点から、1価や2価の金属であることが好ましい。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であることが好ましく、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であることがより好ましい。金属の種類は1種に限定されず、2種以上でもよい。
本発明において金属化合物は、上記金属を含有する化合物であり、化合物としては、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物や、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩等の無機塩や、酢酸塩、ギ酸塩、ステアリン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩などのカルボン酸塩や、スルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、酸化物、炭酸塩であることが好ましい。また、金属化合物として金属単体を用いてもよい。
上記の金属化合物のうち、好ましい例として、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛などを挙げることができ、ガスバリア性の観点からは、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マグネシウムなどのマグネシウム塩や炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛などの2価金属化合物が好ましく、プラスチック基材(I)の透明性の観点からは、炭酸リチウムや炭酸水素ナトリウムなどの1価の化合物や、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどのマグネシウム塩が好ましい。これらは1種類で用いてもよく、2種類以上を添加してもよい。
金属化合物は粉末状であることが好ましく、その平均粒径は、特に限定されないが、0.001〜10.0μmであることが好ましく、0.005〜5.0μmであることがより好ましく、0.01〜2.0μmがさらに好ましく、0.05〜1.0μmが特に好ましい。プラスチック基材(I)のヘイズを小さくすることができるので、金属化合物は、平均粒径が小さい方が好ましい。しかし、平均粒径が0.001μm未満の金属化合物は、表面積が大きいため凝集しやすく、粗大凝集物がフィルム中に散在し、基材の機械物性を低下させることがある。一方、平均粒径が10.0μmを超える金属化合物を含有するプラスチック基材(I)は、製膜する時に破断する頻度が高くなり、生産性が低下する傾向がある。
金属化合物は、無機処理や有機処理などの表面処理を施すことで、分散性や耐候性、熱可塑性樹脂との濡れ性、耐熱性、透明性等を向上させることができる。無機処理としては、アルミナ処理、シリカ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、酸化錫処理、酸化アンチモン処理、酸化亜鉛処理等が挙げられる。有機処理としては、脂肪酸化合物、ペンタエリトリット、トリメチロールプロパン等のポリオール化合物、トリエタノールアミン、トリメチロールアミン等のアミン化合物、シリコーン樹脂、アルキルクロロシラン等のシリコーン系の化合物を用いた処理が挙げられる。
プラスチック基材(I)中の金属化合物の含有量は、0.1〜70質量%であることが必要であり、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.2〜20質量%であることがより好ましく、0.2〜5質量%であることがさらに好ましい。ヘイズの観点からは5質量%未満であることが好ましい。プラスチック基材(I)中の金属化合物の含有量が、0.1〜70質量%であると、得られるフィルムは、優れたガスバリア性を得ることができる。しかし、プラスチック基材(I)中の金属化合物の含有量が0.1質量%未満であると、ガスバリア層(II)のポリカルボン酸と反応して形成される架橋構造が少なくなり、得られるフィルムは、ガスバリア性が低下する。一方、含有量が70質量%を超えるプラスチック基材(I)は、製膜時の延伸において破断する頻度が高くなり、生産性が低下しやすくなり、機械物性も低下しやすい。
プラスチック基材(I)に金属化合物を含有させる方法は特に限定されず、その製造工程の任意の時点で、配合することができる。例えば、プラスチック基材(I)を構成する熱可塑性樹脂を重合するときに金属化合物を添加する方法や、熱可塑性樹脂と金属化合物とを押出機にて混練する方法や、金属化合物を高濃度に練り込んで配合したマスターバッチを製造し、これを熱可塑性樹脂に添加して希釈する方法(マスターバッチ法)などが挙げられる。本発明においてはマスターバッチ法が好ましく採用される。
本発明において、プラスチック基材(I)を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等のポリオレフィン樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロンMXD6、ナイロン9T等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂、塩化ビニル、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのまたはそれらの混合物が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂のうち、耐熱性と経済性に優れることから、ポリエステル樹脂が好ましく、中でもポリエチレンテレフタレートが好ましい。さらには、ガスバリア性に優れ、包装用袋を構成したときに、突刺し強力や耐衝撃性等に優れることから、ポリアミド樹脂が特に好ましく、中でもナイロン6が好ましい。
熱可塑性樹脂には、必要に応じて、プラスチック基材(I)の性能に悪影響を与えない範囲で、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、防腐剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤等の各種の添加剤を、1種あるいは2種以上添加してもよい。また、熱可塑性樹脂には、プラスチック基材(I)のスリップ性を向上させるなどの目的で、金属化合物以外の無機粒子や有機系滑剤を添加してもよく、中でも、シリカを添加することが好ましい。
プラスチック基材(I)の厚みは、得られる熱収縮性フィルムが必要とする機械強度に応じて、適宜選択できる。機械強度やハンドリングのしやすさの理由から、プラスチック基材(I)の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。プラスチック基材(I)は、厚みが5μm未満であると十分な機械強度が得られず、突刺し強力が悪化する傾向がある。
プラスチック基材(I)は、単層構成のフィルムであっても、複層構成のフィルムであってもよい。金属化合物は、プラスチック基材(I)が単層フィルムである場合、その単層フィルムに、0.1〜70質量%含有することが必要である。複層フィルムである場合、その少なくとも1層に0.1〜70質量%含有することが必要である。
以下、複層フィルムの構成について説明する。なお、複層フィルムにおける金属化合物を含有する層を「金属含有層(M)」とし、それ以外の層を「樹脂層(R)」と称する。プラスチック基材(I)が複層フィルムである場合、得られる熱収縮性フィルムの構成としては、ガスバリア層(II)とプラスチック基材(I)の金属含有層(M)とが接触している、(R)/(M)/(II)や、(M)/(R)/(M)/(II)や、(II)/(M)/(R)/(M)/(II)などが好ましい。これらの構成は、ガスバリア層(II)と金属含有層(M)とが接触し、ガスバリア層(II)中のポリカルボン酸と金属含有層(M)中の金属化合物とが反応しやすいため、効率的にガスバリア性を得ることができる。その中でも、製造するための設備や操業性を考慮すると、(R)/(M)/(II)の構成が好ましい。
複層フィルムを構成する金属含有層(M)と樹脂層(R)の厚み構成比率は、特に制限されず、金属含有層(M)の合計厚み(Mt)と、樹脂層(R)の合計厚み(Rt)の比率((Rt)/(Mt))は、1/1000〜1000/1であることが好ましく、それぞれの層の厚み制御が容易であるため、1/100〜100/1であることがより好ましく、1/10〜10/1であることがさらに好ましい。
樹脂層(R)を構成する熱可塑性樹脂にも、上記添加剤が添加されてもよく、熱収縮性フィルムの最外層となる樹脂層(R)には、スリップ性を向上させる目的で、シリカなどを添加することが好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムを構成するガスバリア層(II)は、ポリカルボン酸を含有することが必要である。ガスバリア層(II)中のポリカルボン酸は、プラスチック基材(I)中の金属化合物と反応することによって、ガスバリア性を発現することができる。
なお、後述するように、本発明の熱収縮性フィルムは、80℃、30分の熱水処理後において特定範囲の酸素透過度を発現するものである。つまり、熱収縮性フィルムを構成するガスバリア層(II)は、80℃、30分の熱水処理後にプラスチック基材(I)中の金属化合物と反応し、ガスバリア性を発現するものである。
本発明におけるポリカルボン酸は、分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物や重合体であり、これらのカルボキシル基は、無水物の構造を形成していてもよい。
ポリカルボン酸の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリマレイン酸、エチレン−マレイン酸共重合体などのオレフィン−マレイン酸共重合体、アルギン酸のように側鎖にカルボキシル基を有する多糖類、カルボキシル基含有のポリアミド、ポリエステルなどを例示することができる。上記ポリカルボン酸は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリカルボン酸が重合体である場合、その重量平均分子量は、1,000〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましくは、15,000〜110,000であることがさらに好ましい。ポリカルボン酸の重量平均分子量が低すぎると、得られるガスバリア層(II)は脆弱になり、一方、分子量が高すぎると、ハンドリング性が損なわれ、場合によっては、後述するガスバリア層(II)を形成するための塗工液中で凝集し、得られるガスバリア層(II)は、ガスバリア性が損なわれる可能性がある。
本発明において、上記ポリカルボン酸のうち、ポリアクリル酸やオレフィン−マレイン酸共重合体、特にエチレン−マレイン酸共重合体(以下、EMAと略記することがある)が、ガスバリア性の点から、好ましく用いられる。EMAは、無水マレイン酸とエチレンとを溶液ラジカル重合などの公知の方法で重合することにより得られる。
オレフィン−マレイン酸共重合体中のマレイン酸単位は、乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した無水マレイン酸構造となりやすく、湿潤時や水溶液中では開環してマレイン酸構造となる。したがって、本発明においては、特記しない限り、マレイン酸単位と無水マレイン単位とを総称してマレイン酸単位という。
EMA中のマレイン酸単位は、5モル%以上であることが好ましく、20モル%以上であることがより好ましく、30モル%以上であることがさらに好ましく、35モル%以上であることが最も好ましい。
また、EMAの重量平均分子量は、1,000〜1,000,000であることが好ましく、3,000〜500,000 であることがより好ましく、7,000〜300,000であることがさらに好ましく、10,000〜200,000であることが特に好ましい。
本発明においてガスバリア層(II)は、ポリアルコールを含有することが好ましい。ポリアルコールを含有することによって、ガスバリア層(II)中のポリカルボン酸は、プラスチック基材(I)中の金属化合物と反応することに加えて、ポリアルコールとも反応するので、ガスバリア性をさらに向上させることができる。
ポリアルコールは、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物であり、低分子化合物としては、グリセリン、ペンタエリスリトールなどの糖アルコール、グルコースなどの単糖類、マルトースなどの二糖類、ガラクトオリゴ糖などのオリゴ糖が挙げられ、高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、でんぷんなどの多糖類が挙げられる。上記ポリアルコールは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体のケン化度は、95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。また、平均重合度は、50〜2,000であることが好ましく、200〜1,000であることがより好ましい。
ガスバリア層(II)における、ポリカルボン酸とポリアルコールとは、OH基とCOOH基のモル比(OH基/COOH基)が、0.01〜20となるように含有することが好ましく、0.01〜10となるように含有することがさらに好ましく、0.02〜5となるように含有することがより好ましく、0.04〜2となるように含有することが最も好ましい。
また、本発明においてガスバリア層(II)は、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリルアミドまたはポリアミンを含有することも好ましい。これらの化合物を含有することによって、ガスバリア層(II)中のポリカルボン酸は、プラスチック基材(I)中の金属化合物と反応することに加えて、これらの化合物とも反応するので、ガスバリア性をより向上することができる。
ポリアミンは、分子中にアミノ基として第一級、第二級から選ばれる少なくとも1種のアミノ基を2個以上有するものであり、その具体例としては、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、分岐状ポリエチレンイミン、線状ポリエチレンイミン、ポリリジン、キトサンのように側鎖にアミノ基を有する多糖類、ポリアルギニンのように側鎖にアミノ基を有するポリアミド類などが挙げられる。
ポリアミンの重量平均分子量は、5,000〜150,000であることが好ましい。ポリアミンの重量平均分子量が低すぎると、得られるガスバリア層(II)は脆弱になり、一方、分子量が高すぎると、ハンドリング性が損なわれ、場合によっては、後述するガスバリア層(II)を形成するための塗工液中で凝集し、得られるガスバリア層(II)は、ガスバリア性が損なわれる可能性がある。
ガスバリア層(II)における、ポリアミンとポリカルボン酸との質量比(ポリアミン/ポリカルボン酸)は、12.5/87.5〜27.5/72.5であることが好ましい。ポリアミンの質量比がこれより低いと、ポリカルボン酸のカルボキシル基の架橋が不十分となり、逆に、ポリアミンの質量比がこれより高いと、ポリアミンのアミノ基の架橋が不十分となり、いずれの場合も、得られる熱収縮性フィルムは、ガスバリア性に劣ることがある。
本発明におけるガスバリア層(II)は、架橋剤を含有してもよい。架橋剤を含有することによって、ガスバリア性を高めることができる。
ガスバリア層(II)における架橋剤の含有量は、ポリカルボン酸100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。
架橋剤としては、自己架橋性を有する化合物や、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物が挙げられ、ガスバリア層(II)がポリアルコールを含有する場合は、水酸基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物でもよい。具体的な架橋剤としては、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどのジルコニウム塩化合物、金属アルコキシド等が好ましく挙げられる。これらの架橋剤は、組み合わせて使用してもよい。
金属アルコキシドとは、アルコキシ基が結合した金属を含む化合物であり、一部のアルコキシ基の代わりにハロゲンやカルボキシル基との反応性を有する官能基で置換されたアルキル基が結合していてもよい。ここで、金属とは、Si、Al、Ti、Zrなどの原子が挙げられ、ハロゲンとは、塩素、ヨウ素、臭素などが挙げられ、カルボキシル基との反応性を有する官能基とは、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ウレイド基などが挙げられ、アルキル基とは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基などが挙げられる。このような化合物の例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタンなどのアルコキシチタン化合物、トリイソプロポキシアルミニウムなどのアルコキシアルミニウム化合物、テトライソプロポキシジルコニウムなどのアルコキシジルコニウム化合物などが挙げられる。
これらの金属アルコキシドは、その一部または全部が加水分解したもの、部分的に加水分解、縮合したもの、完全に加水分解しその一部が縮合したもの、あるいは、これらを組み合わせたものを用いることもできる。
上記の金属アルコキシドとポリカルボン酸とを混合すると、両者が反応して塗工することが困難になる場合があるので、予め、加水分解縮合物を形成させてから混合することが好ましい。加水分解縮合物を形成させる方法としては、公知のゾルゲル法で用いられている手法を適用することができる。
本発明におけるガスバリア層(II)には、ガスバリア性や、プラスチック基材(I)との接着性を大きく損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化材、顔料、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、滑剤、防腐剤、消泡剤、濡れ剤、粘度調整剤などが添加されていてもよい。
熱安定剤、酸化防止剤、劣化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物などが挙げられ、これらを混合して使用してもよい。
強化材としては、例えば、クレー、タルク、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、ゼオライト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、フッ素雲母、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維、フラーレン(C60、C70など)、カーボンナノチューブなどが挙げられる。
本発明においてプラスチック基材(I)上に積層される上記ガスバリア層(II)の厚みは、熱収縮性フィルムのガスバリア性を充分高めるために、0.05μmより厚いことが好ましく、経済性の点から、5.0μmより薄いことが好ましい。
本発明におけるガスバリア層(II)は、プラスチック基材(I)上に、ガスバリア層(II)形成用塗工液を塗布、乾燥することによって、形成することができる。
上記塗工液は、作業性の面から水性であることが好ましいため、塗工液を構成するポリカルボン酸や、ポリアルコールやポリアミンは、水溶性または水分散性であることが好ましく、水溶性であることがより好ましい。
本発明において、ポリカルボン酸とポリアルコールとを混合して水性の塗工液を調製する場合、ポリカルボン酸のカルボキシル基に対して、0.1〜20当量%のアルカリ化合物を加えることが好ましい。ポリカルボン酸は、カルボキシル基の含有量が多いと親水性が高くなるので、アルカリ化合物を添加しなくても水溶液にすることができる。しかし、アルカリ化合物を適正量添加することにより、得られるフィルムのガスバリア性を格段に向上することができる。アルカリ化合物は、ポリカルボン酸のカルボキシル基を中和できるものであればよいが、中でも1価金属のアルカリ化合物とアンモニアが好ましく、1価金属のアルカリ化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムがさらに好ましい。これらの添加量は、ポリカルボン酸のカルボキシル基に対して、0.1〜20モル%であることが好ましい。
上記塗工液の調製は、撹拌機を備えた溶解釜等を用いて、公知の方法で行うことができ、例えば、ポリカルボン酸とポリアルコールとを別々に水溶液とし、塗工前に混合する方法が好ましい。この時、上記アルカリ化合物をポリカルボン酸の水溶液に加えておくと、その水溶液の安定性を向上させることができる。
また本発明において、ポリカルボン酸とポリアミンとを混合して水性の塗工液を調製する場合、ゲル化を抑制するために、ポリカルボン酸に塩基を添加しておくことが好ましい。塩基は、得られる熱収縮性フィルムのガスバリア性を阻害しないものであればよく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の無機物や、アンモニア、メチルアミン、ジエタノールアミン等の有機物が挙げられ、乾燥、熱処理で揮発しやすいことから、アンモニアであることが好ましい。塩基の添加量は、ポリカルボン酸のカルボキシル基に対して、0.6当量以上であることが好ましく、0.7当量以上であることがより好ましくは、0.8当量以上であることがさらに好ましい。塩基の添加量が少ないと、塗工液は塗工中にゲル化し、プラスチック基材(I)上にガスバリア層(II)を形成することが困難となることがある。
ガスバリア層(II)形成用塗工液をプラスチック基材(I)に塗布する方法は特に限定されず、エアーナイフコーター、キスロールコーター、メタリングバーコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、ディップコーター、ダイコーター等、あるいはこれらを組み合わせた方法を用いることができる。
ガスバリア層(II)形成用塗工液をプラスチック基材(I)に塗布後、直ちに加熱処理を行い、乾燥皮膜の形成と加熱処理を同時に行ってもよいし、また塗布後、ドライヤー等による熱風の吹き付けや赤外線照射等により水分等を蒸発させて乾燥皮膜を形成させた後に、加熱処理を行ってもよい。ガスバリア層(II)の状態やガスバリア性等の物性に特に障害が生じない限り、塗布後、直ちに加熱処理を行うことが好ましい。
加熱処理方法としては特に限定されず、オーブン等の乾燥雰囲気下で加熱処理を行う方法が挙げられる。工程の短縮化等を考慮すると、ガスバリア層(II)形成用塗工液を塗布した後でプラスチック基材(I)の延伸を行うのが好ましい。
上記のいずれの場合においても、ガスバリア層(II)を形成したプラスチック基材(I)を、100℃以上の加熱雰囲気中で5分間以下の熱処理を施すことが好ましい。
ガスバリア層(II)が、ポリカルボン酸とポリアルコールとを含有する場合においては、それらの比率や、添加成分の有無やその含有量等によっても影響を受け得るので、塗工液を塗布後の加熱処理温度は、一概には言えないが、100〜300℃であることが好ましく、120〜250℃であることがより好ましく、140〜240℃であることがさらに好ましく、150〜220℃であることが特に好ましい。熱処理温度が低過ぎると、ポリカルボン酸とポリアルコールとの架橋反応を充分に進行させることができず、充分なガスバリア性を有するフィルムを得ることが困難になることがあり、一方、高過ぎると、ガスバリア層(II)などが脆化するおそれなどがある。
また、熱処理時間は、5分間以下であることが好ましく、1秒間〜5分間であることがより好ましく、3秒間〜2分間であることがさらに好ましく、5秒間〜1分間であることが特に好ましい。熱処理時間が短すぎると、上記架橋反応を充分に進行させることができず、ガスバリア性を有するフィルムを得ることが困難になり、一方、長すぎると生産性が低下する。
また、プラスチック基材(I)に塗布されたガスバリア層(II)形成用塗工液は、上記乾燥の前後に、必要に応じて、紫外線、X線、電子線等の高エネルギー線照射が施されてもよい。このような場合には、高エネルギー線照射により架橋または重合する成分が配合されていてもよい。
本発明の熱収縮性フィルムは、上記の構成を有することにより、80℃熱水中で30分処理した後に下記特性(A)、(B)を同時に満足するものとなる。
(A)収縮率が15〜40%である
(B)温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度が300ml/(m・day・MPa)以下である
まず、(A)の特性について説明する。本発明の熱収縮性フィルムを、80℃熱水中に30分間浸漬し、熱水処理前後の寸法変化を測定して、原長からの収縮量の、原長に対する百分率で表したものを収縮率とする。
本発明の熱収縮性フィルムは、80℃熱水中で30分処理した後の収縮率が15〜40%の範囲にある。熱水処理後の収縮率が上記範囲内であると、後述する熱水処理後のガスバリア性に優れたものとなり、さらに、シュリンク包装材料として各種用途に使用することができるものとなる。該収縮率が15%未満の場合、シュリンク包装材料として適当な収縮性を確保することが出来ず、包装内容物との密着が悪くシュリンク包装の特徴を発揮することができない。一方、収縮率が40%を超えると、その過大なフィルム収縮により包装形態が崩れ、内容物の破損や包装材の破袋が発生し、商品外観を損なうことになる。
次に、(B)の特性について説明する。本発明の熱収縮性フィルムは、80℃熱水中で30分処理した後にガスバリア性を発現するものであり、80℃熱水中で30分処理した後のフィルムを、20℃、相対湿度90%の雰囲気下で測定した酸素透過度が、300ml/(m・day・MPa)以下とすることができる。中でも酸素透過度は、1×10−2〜300ml/(m・day・MPa)であることが好ましく、1×10−2〜200ml/(m・day・MPa)であることがより好ましく、1×10−2〜100ml/(m・day・MPa)であることがさらに好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性フィルムは、引張強度が150MPa以上であることが好ましく、180MPa以上であることがより好ましい。引張強度が150MPa未満であると、機械強度が十分ではなく、突刺し強力が低下する傾向がある。また、引張伸度は、引張強度と同様の観点から、60%以上が好ましく、80%以上であることがより好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムの透明性は、ヘイズが70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることがさらに好ましく、15%以下であることが特に好ましく、10%以下であることが最も好ましい。ただし、用途によっては、透明性を必要としない場合があるため、この限りではない。
次に、本発明の熱収縮性フィルム(単層構成のもの)の製造方法について説明する。金属化合物を混合した熱可塑性樹脂を、押出機で加熱溶融してTダイやIダイ等のダイよりフィルム状に押出し、エアーナイフキャスト法、静電印加キャスト法など公知のキャスティング法により回転する冷却ドラム上に密着させて急冷製膜し、未延伸状態のプラスチック基材(I)のフィルムを得る。
次に、得られた未延伸フィルムをフィルムの進行方向(以下MD方向)および巾方向(以下TD方向)に共に2.5倍以上延伸した後、120〜170℃で熱処理して配向結晶化させることが好ましい。フィルムの延伸方法としてはフラット式同時二軸延伸法、フラット式逐次二軸延伸法等の方法を適用することができる。延伸倍率が2.5倍未満の場合、配向結晶化が不十分となり耐衝撃性等の機械的強度が低下する傾向にある。また熱処理温度が120℃未満の場合、得られるフィルムの収縮が過大となりやすく、80℃熱水中で30分処理後の収縮率が40%を超える場合がある。一方、熱処理温度が170℃を超えると、該収縮率が15%未満のものとなりやすい。
フラット式同時二軸延伸法を用いる場合は、未延伸フィルムに、前述の方法でガスバリア層(II)形成用塗工液を塗布してガスバリア層(II)を形成し、テンター式同時二軸延伸機にて、縦方向(MD)および横方向(TD)に同時二軸延伸を施すことで、同時二軸延伸された熱収縮性フィルムを得ることができる。
またフラット式逐次二軸延伸法を用いる場合は、得られた未延伸フィルムを縦方向(MD)に延伸したのち、前述の方法でガスバリア層(II)形成用塗工液を塗布してガスバリア層(II)を形成し、次いで横方向(TD)に延伸を施すことで、逐次二軸延伸された熱収縮性フィルムを得ることができる。
本発明の熱収縮性フィルムには、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤等の各種添加剤を配合することも可能である。
本発明の熱収縮性フィルムは、その表面にコロナ処理をはじめとする表面活性処理を施したり、印刷、各種機能コーティング、ラミネート等を行ったりすることにより諸性能を付加し、その利用価値をさらに向上させることも可能である。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、実施例および比較例に用いた測定法および評価法は次の通りである。
(1)収縮率
得られた二軸延伸フィルムから、巾10mm、長さ100mmのフィルム片を切り取ってサンプルとし、80℃熱水中に30分間浸漬し、熱水処理前後の寸法変化を測定して、原長からの収縮量の、原長に対する百分率で表した。
(2)酸素透過度
得られた二軸延伸フィルムを、80℃熱水中に30分間浸漬して熱水処理した後、23℃、50%RHの環境下に2時間以上放置してから、モコン社製酸素バリア測定器(OX−TRAN 2/20)を用いて、温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度を測定した。単位はml/(m・day・MPa)である。
下記の実施例・比較例において使用した原料は、以下のとおりである。
(1)プラスチック基材(I)構成用の熱可塑性樹脂
・PA6:ナイロン6樹脂(ユニチカ社製 A1030BRF、相対粘度3.09)
・PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(ユニチカ社製 UT−CBR 極限粘度0.62)
(2)プラスチック基材(I)構成用の金属化合物
・酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製 TATEHOMAG #700 平均粒径0.58μm)
(3)プラスチック基材(I)構成用の金属化合物マスターチップ
・マスターチップ1
PA6の85質量部と、MgOの15質量部とを混練して作成した。
・マスターチップ2
PETの85質量部と、MgOの15質量部とを混練して作成した。
(4)ガスバリア層(II)形成用塗工液のポリカルボン酸成分
・EMA水溶液:
EMA(重量平均分子量60,000)と水酸化ナトリウムとを水に加え、加熱溶解後、室温に冷却して調製した、EMAのカルボキシル基の10モル%が水酸化ナトリウムにより中和された、固形分15質量%のEMA水溶液。
・PVA水溶液:
ポリビニルアルコール(クラレ社製 ポバール105、ケン化度98〜99%、平均重合度約500)を水に加え、加熱溶解後、室温に冷却することにより調製した、固形分15質量%のポリビニルアルコール(PVA)水溶液。
実施例1
ナイロン6樹脂とマスターチップ1を配合し、酸化マグネシウムの含有量が0.1質量%となるように混合した。この混合物を押出機に投入し、270℃のシリンダー内で溶融した。溶融物をTダイオリフィスよりシート状に押出し、10℃に冷却した回転ドラムに密着させて急冷することで、厚さ150μmの未延伸プラスチック基材(I)フィルムを得た。続いてこの未延伸フィルムを、50〜70℃に加熱した金属ロール上で長手方向に3.0倍に延伸して一軸延伸フィルムを得た。
次に、PVAとEMAの質量比(固形分)が50/50になるように、PVA水溶液とのEMA水溶液とを混合して、固形分10質量%のガスバリア層(II)形成用塗工液を得た。この塗工液を、一軸延伸フィルムに塗布した後、テンター式横延伸機で巾方向に90℃で3.3倍延伸し、140℃で10秒間熱処理し、冷却後巻取り、二軸延伸フィルム(プラスチック基材(I)の厚み15μm、ガスバリア層(II)の厚み0.3μm)を得た。
実施例2〜6、比較例1〜4
ナイロン6樹脂とマスターチップ1の配合比を変更し、プラスチック基材(I)中の酸化マグネシウムの含有量が表1に示す値となるように混合した。そして、テンター式横延伸機で延伸した後の熱処理温度を表1に示す温度に変更した以外は、実施例1と同様の手順で二軸延伸フィルム(プラスチック基材(I)の厚み15μm、ガスバリア層(II)の厚み0.3μm)を得た。
実施例7、8
熱可塑性樹脂として、ナイロン6樹脂とマスターチップ1に代えて、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)とマスターチップ2を使用し、それぞれの配合比を変更して、プラスチック基材(I)中の酸化マグネシウムの含有量が表1に示す値となるように混合し、シリンダー温度を280℃とした以外は、実施例1と同様の方法で未延伸プラスチック基材(I)フィルムを得た。続いて、この未延伸フィルムを、テンター式横延伸機における熱処理の温度を165℃とした以外は実施例1と同様の手順で二軸延伸フィルム(プラスチック基材(I)の厚み15μm、ガスバリア層(II)の厚み0.3μm)を得た。
Figure 2016203447
表1から明らかなように、実施例1〜8で得られた二軸延伸フィルム(熱収縮性フィルム)は、いずれも熱収縮性とガスバリア性に優れたものであった。中でも実施例1〜6で得られた二軸延伸フィルムは、プラスチック基材(I)を構成する熱可塑性樹脂として、ナイロン6を用いたものであったため、特にガスバリア性に優れたものであった。
一方、比較例1で得られた二軸延伸フィルムは、プラスチック基材(I)に含まれる金属化合物が0.1質量%未満であったため、ガスバリア性に劣るものであった。比較例2では、プラスチック基材(I)に含まれる金属化合物が70質量%を超えていたため、製膜時の延伸において、フィルムの破断が生じ、フィルムを得ることができなかった。比較例3では、延伸後の熱処理温度が低すぎたため、得られた二軸延伸フィルムは、熱水処理後の収縮率が高いものとなり、外観に劣るものであった。比較例4では、延伸後の熱処理温度が高すぎたため、得られた二軸延伸フィルムは、熱水処理後の収縮率が低いものとなり、シュリンク包装材料に適した収縮性を有していないものであった。

Claims (1)

  1. プラスチック基材(I)にガスバリア層(II)が積層されてなる熱収縮性フィルムであって、プラスチック基材(I)が金属化合物を0.1〜70質量%含有し、ガスバリア層(II)がポリカルボン酸を含有し、80℃熱水中で30分処理した後に下記特性(A)、(B)を同時に満足することを特徴とする熱収縮性フィルム。
    (A)収縮率が15〜40%である
    (B)温度20℃、相対湿度90%の雰囲気下における酸素透過度が300ml/(m・day・MPa)以下である
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020125793A (ja) * 2019-02-04 2020-08-20 凸版印刷株式会社 真空断熱材

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