JP2020125793A - 真空断熱材 - Google Patents

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幸子 菅谷
花奈子 後藤
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花奈子 後藤
宏太朗 雨河
Kotaro Amekawa
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Abstract

【課題】外被材の全面に亘り熱がかかる方法で真空断熱材を製造する場合や高温環境に置かれる用途においても、従来の真空断熱材のガスバリア性と同等もしくはそれ以上のガスバリア性を安定して保持することが可能な真空断熱材を提供すること。【解決手段】片面に熱溶着層を備えた2枚の外被材7、7´の熱溶着層9を向い合わせにした内側に芯材8を配置し、減圧下で、外被材と芯材を全面で熱溶着した真空断熱材であって、少なくとも一方の外被材は、融点が200℃以上の樹脂からなる基材フィルム12と、ポリカルボン酸系樹脂層11と、を備えていることを特徴とする真空断熱材6。【選択図】図1

Description

本発明は真空断熱材に関する。更に詳しくは、高温プロセスを経て製造される真空断熱材や、給湯器などの高温となる物体に接する環境下で使用可能な真空断熱材に関する。
従来、真空断熱材において、ガスバリア性の確保とヒートブリッジ抑制という2つの観点から、蒸着層を有するガスバリア性の高いフィルムを含むラミネートフィルムを外装材として使用する場合があった。中でも、蒸着層を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(以後、EVOHとも記す。)フィルムはガスバリア性に優れているため、真空断熱材の外装材のラミネート構成材として使用されてきた(例えば、特許文献1参照)。
図3に、特許文献1に開示されている真空断熱材の層構成を示す。その層構成は、ONY(二軸延伸ナイロン)41/VMPET(蒸着膜付きポリエチレンテレフタレート)50/VMEVOH(蒸着膜付きエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂)60/シーラント層48からなるガスバリア性積層材料(図3(a))と、ONY41/AL(アルミニウム)49/シーラント層48からなるガスバリア性積層材料(図3(b))と、を使用して、それらのシーラント層48側を向い合わせにした間に芯材を配置し、それらの周縁部のみを減圧下で熱溶着する事によって製造された真空断熱材である。
図3に示す様に、ONY41とVMPET50およびVMPET50とVMEVOH60は、それぞれ接着剤層42を介して接着されている。
VMPET50は、例えばPETフィルムの様な延伸フィルム43上に無機酸化物蒸着薄膜層44が成膜され、その上にガスバリア性被膜層45が形成されたものである。VMEVOH60は、EVOHフィルム47の上にアルミ蒸着薄膜層46が成膜されたものである。
シーラント層48としては無延伸ポリプロピレン(以下、CPPと略す。)などの熱可塑性樹脂が使用されている。
一般に、EVOHは樹脂の中でも分子鎖の結び付きが強いため、特に優れたガスバリア性を有する一方で、水分によって分子鎖の結び付きが破壊され易く、高湿下ではガスバリア性が低下する事が知られている。
そのEVOHの欠点を補うため、特許文献1に記載の外被材の構成は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとも記す。)と蒸着層によりEVOHを保護することによって、EVOHが水分の影響を受け難くなり、非常に優れたガスバリア性を発現することとなった。
従って、上記の外被材の構成の組合せで真空断熱材を作製する場合は、その優れたガスバリア性により、長期に亘って高い断熱性能を維持することが可能になった。
しかしながら、この様な層構成の外被材を使用して、芯材の周縁部だけでなく、2枚の外被材の間に芯材がある部分を含めて熱圧着する事によって、外被材を全面に亘り熱溶着して、真空断熱材を作製する場合や、給湯器等常に100℃近い熱水に隣接する用途では、EVOHが加熱時に劣化してしまうため、外被材面からのガス侵入量が従来の製造方法に比べて数倍に増加してしまい、真空断熱材としての機能が低下してしまうという問題があった。
特許第4835014号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためのものであり、外被材の全面に亘り熱がかかる方法で真空断熱材を製造する場合や高温環境に置かれる用途においても、従来の真空断熱材のガスバリア性と同等もしくはそれ以上のガスバリア性を安定して保持することが可能な真空断熱材を提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、片面に熱溶着層を備えた2枚の外被材の熱溶着層を向い合わせにした内側に芯材を配置し、外被材と芯材を全面で熱溶着してなる真空断熱材であって、
少なくとも一方の外被材は、融点が200℃以上の樹脂からなる基材フィルムと、ポリカルボン酸系樹脂層と、を備えていることを特徴とする真空断熱材である。
基材フィルムの、融点が高いほど、また熱溶着層の樹脂との融点の差が大きい程、基材フィルムが熱溶着時に劣化し難くなる。またポリカルボン酸系樹脂を蒸着層の上に設ける際の熱処理は120〜240℃で行われるため、ポリカルボン酸系樹脂は240℃までの温度で劣化する事は無い。ゆえに、この構成のフィルムは、真空断熱材全面に熱がかかる様な作製方法においても劣化せず、ガスバリア性が確保できる。
また、請求項2に記載の発明は、前記基材フィルムが、金属化合物を0.1〜10.0質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材である。
また、請求項3に記載の発明は、前記金属化合物の金属が、マグネシウムまたは亜鉛であることを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材である。
また、請求項4に記載の発明は、前記基材フィルムが、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのいずれかにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材である。
また、請求項5に記載の発明は、前記ポリカルボン酸系樹脂層が、前記基材フィルムよりも前記芯材側にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材である。
また、請求項6に記載の発明は、少なくともいずれか一方の前記外被材が金属箔を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材である。
また、請求項7に記載の発明は、前記熱溶着層が、無延伸ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の真空断熱材である。
本発明の真空断熱材によれば、片面に熱溶着層を備えた2枚の外被材の熱溶着層を向い合わせにした内側に芯材を配置し、減圧下で、外被材と芯材を全面で熱溶着した真空断熱材であって、少なくとも一方の外被材は、融点が200℃以上の樹脂からなる基材フィルムと、ポリカルボン酸系樹脂層と、を備えている。そのため、全面に熱がかかる方法で作製された場合においても、また高温環境下におかれる用途においても、真空断熱材フィルム面のガスバリア性を保持することができ、長期に亘って断熱性能を維持できる。
本発明の真空断熱材の外被材の層構成を例示する断面図。 本発明の真空断熱材の製造工程における真空ラミネート装置を使用したラミネート工程を例示する概念図。 従来の真空断熱材の外被材の層構成を例示する断面図。
<真空断熱材>
本発明の真空断熱材について説明する。
本発明の真空断熱材は、片面に熱溶着層を備えた2枚の外被材の熱溶着層を向い合わせにした内側に芯材を配置し、減圧下で、外被材と芯材を全面で熱溶着した真空断熱材である。
本発明の真空断熱材は、少なくとも一方の外被材が、融点が200℃以上の樹脂からなる基材フィルムと、ポリカルボン酸系樹脂層と、を備えていることが特徴である。
本発明の真空断熱材は、基材フィルムが、金属化合物を0.1〜10.0質量%含有していることが好ましい。その金属化合物の金属が、マグネシウムまたは亜鉛であっても良い。
また、基材フィルムが、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのいずれかにより構成されていても良い。
また、ポリカルボン酸系樹脂層が、基材フィルムよりも芯材側にあっても良いし、その逆であっても良い。
また、熱溶着層が、無延伸ポリプロピレンであっても良い。
本発明の真空断熱材6について、図1を用いて更に詳しく説明する。
図1は、本発明の真空断熱材6の層構成の一例を示す断面図である。
上側(表側)の外被材7と下側(裏側)の外被材7´の熱溶着層9間に芯材8がサンドイッチされた状態で、芯材8の全面とその周辺部に亘って外被材7、7´の熱溶着層9同士が、減圧された状態で熱溶着部18で溶着されている。その為、芯材8と外被材7、7´は密着した状態となっている。
(外被材)
図1に示す様に、外被材7、7´として、真空断熱材6の表側と裏側で異なる構成の外被材7と外被材7´を使用した場合を例示しているが、同じ構成の外被材を使用しても良い。
表側の外被材7は、例えば、熱溶着層9と、その外側に、アルミ蒸着層19付のEVOHフィルム10(VMEVOHフィルムとも称する。)、バリア層としてポリカルボン酸系樹脂層11、基材フィルム12、および最外層にナイロンフィルム13を設けた構成であっても良い。
ここで、ポリカルボン酸系樹脂層11のポリカルボン酸としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリマレイン酸、エチレン−マレイン酸共重合体などのオレフィン−マレイン酸共重合体、アルギン酸のように側鎖にカルボキシル基を有する多糖類、カルボキシル基含有のポリアミド、ポリエステルなどを例示することができる。
また、裏側の外被材7´は、例えば、ナイロンフィルム13、2枚を接着したフィルムに金属箔14をラミネートし、更にその上に、CPPフィルムからなる熱溶着層9を備えた構成であっても良い。
ここで、外被材7、7´の層構成は特に指定するものではないが、外被材7´にバリア性が非常に高いアルミニウム、ステンレス、チタン、銅などの金属箔14を使用し、更に2層のナイロンフィルム13を備えているため、外部からの傷を受け難い構成となっている。
また、外被材7´が、金属箔14を有する事によって、金属箔14面からのガス侵入を抑制できるために、真空断熱材6の断熱性能を維持し易くなる。
(基材フィルム)
基材フィルム12は、融点が200℃以上の樹脂であれば良く、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどが使用可能である。
また、基材フィルム12に金属化合物が含まれている事により、加熱時、金属化合物がポリアミド系樹脂層であるナイロンフィルム13に移行し、錯体構造を形成することにより、更なるバリア性向上、加熱・屈曲耐性を付与することができる。金属化合物としては、特に限定されることはなく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の金属や、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、亜鉛、銅、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム等の2価以上の金属を使用する事ができる。
中でも、カルボン酸と化合しやすいという観点から、イオン化傾向の高い金属が好ましく、ガスバリア性の観点から、1価または2価の金属である事が好ましい。具体的には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であることがより好ましく、金属の種類は1種に限定されず、2種以上でも良い。
金属化合物は粉末状である事が好ましく、その平均粒径は、特に限定されないが、0.001〜10.000μmである事が好ましく、0.005〜5.000μmである事がより好ましく、0.010〜2.000μmであることが更に好ましく、0.050μm〜1.000μmが特に好ましい。基材フィルムのヘイズを小さくする事ができるので、金属化合物は、平均粒径が小さい方が好ましい。しかし、平均粒径が0.001μm未満の金属化合物は、表面積が大きいため凝集し易く、粗大凝集物がフィルム中に散在し、基材フィルムの機械物性を低下させることがある。一方、平均粒径が10.000μmを超える金属化合物を含有する基材フィルムは、製膜する時に破断する頻度が高くなり、生産性が低下する傾向がある。ここで、平均粒径は、レーザー散乱・回折法による体積基準の平均粒径である。
また、基材フィルム12が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのいずれかであることにより、高温下での寸法安定性に優れているため加熱時に劣化し難く、またポリカルボン酸系樹脂との親和性に特に優れているために、優れたガスバリア性を発現する。また、吸湿性が低いために、真空断熱材6の作製前の外被材7の保管条件を厳しく定める必要がなく、また、真空断熱材6の作製後、外被材7からのアウトガスが非常に少なくなるという利点がある。さらに、非常に安価であるというメリットもある。
(バリア層)
バリア層を構成する層として、ポリカルボン酸系樹脂層11を設けることにより、芯材8のコーナーや稜線部においても、屈曲性や柔軟性に優れるために、バリア性を保持する事ができる。
ポリカルボン酸系樹脂層11はそれ自体が高いガスバリア性を有するが、金属化合物を含有する基材フィルム12上に積層した後、加熱工程を経ることによりガスバリア性が向上する。
なぜなら、加熱時に基材フィルム12から金属化合物がポリカルボン酸樹系脂層11に移行し、金属イオンを中心に置き、カルボン酸を周囲に配した錯体を形成した構造をとる。これにより、更なるバリア性の向上の他、加熱・屈曲時のバリア保持性も発現する。
ポリカルボン酸系樹脂層11が基材フィルム12よりも内側にある場合は、基材フィルム12の含有水分の真空断熱材6の内部への浸入をポリカルボン酸系樹脂層11が阻害するため、基材フィルム12に吸湿し易い樹脂を使用してもアウトガスの影響を受け難くなる。
(熱溶着層)
熱溶着層9には、ポリエチレン(PE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、無延伸ポリエチレンテレフタレート、無延伸ナイロンなどが使用可能である。
熱溶着層9が無延伸ポリプロピレンである場合、熱溶着層9として使用される樹脂の中でも融点が高く、他のポリオレフィン系樹脂を熱溶着層9に使用した場合よりも高温での使用が可能であり、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂を熱溶着層9に使用した場合よりも安価である。
(芯材)
芯材8は、繊維、粉末、発泡樹脂、多孔質体、薄膜積層体などを使用可能であるが、特に指定するものではない。例えば繊維系では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカ、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維などが使用可能であり、粉末ではシリカ、パーライト、カーボンブラックなどが使用可能である。また上記の混合体を使用することも可能である。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図1に例示した層構成の外被材7、7´を使用して、真空断熱材6を作製し、その熱伝導率を測定し、評価した。
まず、外被材7は、熱溶着層9としてCPP(厚さ30μm)と、アルミ蒸着層19を有するEVOHフィルム10(厚さ15μm)と、ポリカルボン酸層11を形成した基材フィルム12と、最外層にポリアミドフィルム(ナイロン、NYとも記す。)13(厚さ15μm)をこの順に積層した。
基材フィルム12としては、厚さ15μmのポリアミドフィルムを用いた。このフィルムには酸化マグネシウムが0.1質量%含有したものを使用した。更に、ポリアミドフィルム13の上にポリカルボン酸系樹脂層11を塗工した。更にその上にポリアミドフィルム13をラミネートした。基材フィルム12のもう一方の面に、CPPからなる熱溶着層9を形成した。
また、もう一方の外被材7´は、厚さ15μmのNYフィルムを2枚貼り合せたものを
使用し、その片面に金属箔14として厚さ9μmのアルミ箔を貼り合せ、更にアルミ箔の上に厚さ30μmのCPPからなる熱溶着層9を形成する事によって得た。
それぞれのフィルムなどの層間は、ウレタン2液系ドライラミネート接着剤を介してラミネートしているが、最内層間のアルミ蒸着層を有するEVOHフィルムとCPPからなる熱溶着層9の間には、溶融押出ラミネーション法により無水マレイン酸変性PP(ポリプロピレン)樹脂を15μm押出した後、180℃のヒートロールを通してサーマルラミネーションを行った。
次に、真空断熱材の作製方法を以下に説明する。図2に真空断熱材を熱圧着して製造する真空ラミネート装置18と、その中に装填される積層体の概念断面図を示した。真空ラミネート装置18は、真空チャンバー15と、真空ポンプ16と、熱板17を備えている。真空チャンバー15は、真空断熱材を減圧状態で作製するための装置である。その真空チャンバー15の中に、真空断熱材となるシート状の材料を積層したものを、載置し、加熱した状態で圧着(熱圧着)する事が可能な熱板17を有する手段を備えている。また図示を省略したが、熱段17を加熱する手段と、一対の熱板17間に力を加え圧着する手段と、を備えている。
まず、下側にある加熱前のシリコンゴム製の熱板17の上に熱溶着層9を上へ向けた状態で外被材7´を置き、その上に芯材8を置き、その心材8の上からもう1枚の外被材7を、熱溶着層9同士が向き合うように積層したものをチャンバー15内に設置し、上側の熱板17を下げて、外被材7を押さえた状態にした。
次に、チャンバー15内を真空ポンプ16により排気し、所定内圧に減圧した後、上下の熱板17で外被材7、7´の全面を熱圧着することにより熱溶着を行った後、熱溶着した部分の樹脂が固化した状態で、減圧状態を破り、真空ラミネート装置18から取り出すことにより、図1に例示した様な真空断熱材6を得た。
<実施例2>
外被材7の基材フィルム12として、厚さ16μmのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す。)フィルムを用いた。このPETフィルムには酸化マグネシウムの含有量が1.0質量%含有したものを使用した。その他は実施例1と同等とした。
<実施例3>
外被材7の基材フィルム12として、厚さ15μmのポリエチレンナフタレート(以下、PENと略す。)を用いた。このPENフィルムには酸化マグネシウムの含有量が10.0質量%含有したものを使用した。その他は実施例1と同等とした。
<実施例4>
外被材7の基材フィルム12として、厚さ9μmのアルミ箔を使用した。その他は、実施例1と同等とした。
<比較例1>
基材フィルム12として、厚さ16μmのアルミ蒸着PET(VMPET)フィルムを使用した以外は、実施例1と同等とした。
以上の様にして5種類の真空断熱材を得た。表1にこれらの材料等を示す。
この様にして得た5種類の真空断熱材を100℃で2週間と1ヶ月保存後の熱伝導率を測定した。その測定結果をまとめて表2に示す。
実施例1では、熱伝導率が、初期において0.0018(W/m/K)、2週間後において0.0023(W/m/K)、4週間後において0.0036(W/m/K)であった。いずれも良好な結果だった。
実施例2では、熱伝導率が、初期において0.0018(W/m/K)、2週間後において0.0025(W/m/K)、4週間後において0.0030(W/m/K)であった。いずれも良好な結果だった。
実施例3では、熱伝導率が、初期において0.0016(W/m/K)、2週間後において0.0020(W/m/K)、4週間後において0.0028(W/m/K)であった。いずれも良好な結果だった。
実施例4では、熱伝導率が、初期において0.0016(W/m/K)、2週間後において0.0018(W/m/K)、4週間後において0.0023(W/m/K)であった。いずれも良好な結果だった。
比較例1では、熱伝導率が、初期において0.0038(W/m/K)、2週間後において0.0082(W/m/K)、4週間後において0.0163(W/m/K)であった。いずれも良好な結果ではなかった。初期の熱伝導率が、4週間後の熱伝導率が一番悪かった実施例1より悪い値だった。
以上、実施例1〜4は、比較例1に比較して、初期の酸素バリア性および加熱環境下でのバリア保持性が優れているため、長期に亘って断熱性能を維持できることが確認できた。そのため、省エネルギー化が要求される保温保冷機器への広い適用が可能である。特に、先行する技術では使用困難な給湯器分野への活用も可能となった。
6・・・真空断熱材
7、7´・・・外被材
8・・・芯材
9・・・熱溶着層
10・・・エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)フィルム
11・・・ポリカルボン酸系樹脂層
12・・・基材フィルム
13・・・ポリアミドフィルム
14・・・金属箔
15・・・真空チャンバー
16・・・真空ポンプ
17・・・熱板
18・・・真空ラミネート装置
19・・・アルミ蒸着層
41・・・ONy(二軸延伸ナイロン)フィルム
42・・・接着剤層
43・・・延伸フィルム(PET)
44・・・無機酸化物蒸着薄膜層
45・・・ガスバリア性被膜層
46・・・アルミ蒸着薄膜層
47・・・EVOHフィルム
48・・・シーラント(CCPなど)層
50・・・VMPET
60・・・VMEVOH

Claims (7)

  1. 片面に熱溶着層を備えた2枚の外被材の熱溶着層を向い合わせにした内側に芯材を配置し、外被材と芯材を全面で熱溶着してなる真空断熱材であって、
    少なくとも一方の外被材は、融点が200℃以上の樹脂からなる基材フィルムと、ポリカルボン酸系樹脂層と、を備えていることを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記基材フィルムが、金属化合物を0.1〜10.0質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記金属化合物の金属が、マグネシウムまたは亜鉛であることを特徴とする請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 前記基材フィルムが、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのいずれかにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材。
  5. 前記ポリカルボン酸系樹脂層が、前記基材フィルムよりも前記芯材側にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の真空断熱材。
  6. 少なくともいずれか一方の前記外被材が金属箔を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材。
  7. 前記熱溶着層が、無延伸ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の真空断熱材。
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