JP2016191468A - 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能な真空断熱材用外包材を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層された真空断熱材用外包材であって、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であること特徴とする真空断熱材用外包材を提供することにより、上記目的を達成する。【選択図】図1
Description
本発明は、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能な真空断熱材用外包材に関するものである。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、電気製品や車両、設備機器ならびに建物等の省エネルギー化が求められている。なかでも、消費電力量低減の観点から、電気製品等への真空断熱材の採用が進められている。電気製品等のように本体内部に発熱部を有する機器や、外部からの熱を利用した保温機能を有する機器においては、真空断熱材を備えることにより機器全体としての断熱性能を向上させることが可能となる。このため、真空断熱材の使用により、電気製品等の機器のエネルギー削減の取り組みがなされている。
真空断熱材とは、外包材により形成された袋体に芯材を配置し上記芯材が配置された袋体の内部を減圧して真空状態とし上記袋体の端部を熱溶着して密封することで形成された、上記芯材が上記外包材により封入されているものである。断熱材内部を真空状態とすることにより、気体の対流が遮断されるため、真空断熱材は高い断熱性能を発揮することができる。
また、真空断熱材の断熱性能を長期間維持するためには、外包材を用いて形成された袋体の内部を長期にわたり高い真空状態に保持する必要がある。そのため、外包材には、外部からガスが透過することを防止するためのガスバリア性、芯材を覆って密着封止するための熱接着性等の種々の機能が要求される。
したがって、上記外包材は、これらの各機能特性を有する複数のフィルムを有する積層体として構成されるものとなる。一般的な外包材の態様としては、熱溶着層、ガスバリア層および保護層が積層されてなるものであり、各層間は接着剤等を介して貼り合されている(特許文献1および2参照)。
また、特許文献1では、串刺し等によるガスバリア層へのピンホールの発生による真空状態の低下防止を目的として、上記外包材として、2層のナイロンフィルムを用いていることが記載されている。
また、真空断熱材の断熱性能を長期間維持するためには、外包材を用いて形成された袋体の内部を長期にわたり高い真空状態に保持する必要がある。そのため、外包材には、外部からガスが透過することを防止するためのガスバリア性、芯材を覆って密着封止するための熱接着性等の種々の機能が要求される。
したがって、上記外包材は、これらの各機能特性を有する複数のフィルムを有する積層体として構成されるものとなる。一般的な外包材の態様としては、熱溶着層、ガスバリア層および保護層が積層されてなるものであり、各層間は接着剤等を介して貼り合されている(特許文献1および2参照)。
また、特許文献1では、串刺し等によるガスバリア層へのピンホールの発生による真空状態の低下防止を目的として、上記外包材として、2層のナイロンフィルムを用いていることが記載されている。
また、特許文献2では、上記外包材を用いて真空断熱材を形成した際の、上記外包材同士を貼り合わせた端部においてガスバリア層に屈曲の影響が直接及ばないものとすることを目的として、ガスバリア層の両面に引張弾性率の高い保護層を配置することが記載されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2の外包材では、上記外包材単体では十分なガスバリア性を発揮することが確認できている場合であっても、上記外包材を用いて真空断熱材を形成した場合に十分に真空状態を保てず、長期間の断熱性能を維持することができないといった問題がある。
特に、上記外包材を用いて形成された真空断熱材を使用する際に上記外包材同士を貼り合わせた端部を折り曲げることにより形成される屈曲部、上記真空断熱材を曲面を有する機器の表面に沿わせて曲げた際に形成される屈曲部等において、上記ガスバリア層にクラックが生じ、真空状態が低下するといった問題がある。
特に、上記外包材を用いて形成された真空断熱材を使用する際に上記外包材同士を貼り合わせた端部を折り曲げることにより形成される屈曲部、上記真空断熱材を曲面を有する機器の表面に沿わせて曲げた際に形成される屈曲部等において、上記ガスバリア層にクラックが生じ、真空状態が低下するといった問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能な真空断熱材用外包材を提供することを主目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、上記外包材の引張弾性率と上記外包材の厚みの3乗との積(以下、関数Mと称する場合がある。)の値が所定の範囲以下である場合、上記屈曲部での上記ガスバリア層のクラックの発生を顕著に抑制でき、さらに上記関数Mの値が所定の範囲より大きい外包材の屈曲部と比較して上記屈曲部に上記屈曲部の形成方向に沿った方向と略平行に形成されるしわの数が多くなることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
すなわち、本発明は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層された真空断熱材用外包材であって、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であること特徴とする真空断熱材用外包材を提供する。
本発明によれば、上記真空断熱材用外包材の上記関数Mの値が所定の値以下であることにより、本発明の真空断熱材用外包材を用いて形成された真空断熱材を使用する際に、上記真空断熱材用外包材同士を貼り合わせた端部を折り曲げることにより形成される屈曲部等における上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制することができる。
したがって、上記真空断熱材用外包材を、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
したがって、上記真空断熱材用外包材を、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
本発明においては、上記熱溶着層の引張弾性率が1.0GPa以上であることが好ましい。上記真空断熱材を用いる際に、上記真空断熱材用外包材同士を貼り合わせた端部を折り曲げることにより形成される屈曲部等における上記ガスバリア層へのクラックの発生をより抑制することができるからである。また、上記真空断熱材に用いられる芯材からの突き刺しによるピンホールの発生を抑制できるからである。また、上記真空断熱材用外包材を層構成の少ないものとすることができるからである。
本発明は、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有する真空断熱材であって、上記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とする真空断熱材を提供する。
本発明によれば、上記真空断熱材用外包材が、上述の本発明の真空断熱材用外包材であることにより、上記真空断熱材を長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
本発明は、本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、上記真空断熱材が、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであり、上記真空断熱材用外包材が、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とする真空断熱材付き機器を提供する。
本発明によれば、上記真空断熱材が、上述の本発明の真空断熱材であり、長期間断熱性能を維持することができるため、熱源部を有する機器においては、上記真空断熱材により熱源部からの熱を断熱し、機器全体の温度が高温となることを防止し、一方、被保温部を有する機器においては、上記真空断熱材により上記被保温部の温度状態を保つことができる。これにより、消費電力を抑えた高い省エネルギー特性を有する機器とすることができる。
本発明においては、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能な真空断熱材用外包材を提供できるといった作用効果を奏する。
本発明は、真空断熱材用外包材、ならびにそれを用いた真空断熱材および真空断熱材付き機器に関するものである。
以下、本発明の真空断熱材用外包材、真空断熱材および真空断熱材付き機器について説明する。
なお、以下の説明において、「真空断熱材用外包材」を「外包材」と略する場合がある。
以下、本発明の真空断熱材用外包材、真空断熱材および真空断熱材付き機器について説明する。
なお、以下の説明において、「真空断熱材用外包材」を「外包材」と略する場合がある。
A.真空断熱材用外包材
まず、本発明の真空断熱材用外包材について説明する。
本発明の真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層された真空断熱材用外包材であって、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
まず、本発明の真空断熱材用外包材について説明する。
本発明の真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層された真空断熱材用外包材であって、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材用外包材について、図を例示して説明する。図1は、本発明の真空断熱材用外包材の一例を示す概略断面図である。
図1で例示されるように、本発明の真空断熱材用外包材10は、熱溶着層1、ガスバリア層2および保護層3がこの順で積層されたものであり、上記関数Mの値が、3.0MPa・mm3以下であるものである。
また、図1は、熱溶着層1およびガスバリア層2と、ガスバリア層2および保護層3とが、層間接着剤4を介して接着される例を示すものである。
図1で例示されるように、本発明の真空断熱材用外包材10は、熱溶着層1、ガスバリア層2および保護層3がこの順で積層されたものであり、上記関数Mの値が、3.0MPa・mm3以下であるものである。
また、図1は、熱溶着層1およびガスバリア層2と、ガスバリア層2および保護層3とが、層間接着剤4を介して接着される例を示すものである。
また、図2は、本発明の真空断熱材用外包材を用いた真空断熱材の一例を示す概略断面図である。図2に例示するように、上記真空断熱材20は、芯材11と、上記芯材11を封入する真空断熱材用外包材10とを有するものであって、上記真空断熱材用外包材10が、上述の本発明の真空断熱材料外包材であり、2枚の上記真空断熱材用外包材10をそれぞれの熱溶着層1が上記芯材11側に向き合うように対向させ、その間に上記芯材11を配置し、その後、上記芯材11の外周の一方を開口部とし、残り三方の上記真空断熱材用外包材10同士の端部を熱溶着することで、2枚の上記真空断熱材料外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材11が上記真空断熱材料外包材に封入されているものである。
なお、図2中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
なお、図2中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
さらに、図3は、本発明の外包材を用いた真空断熱材の使用状態の一例を示す説明図であり、2枚の真空断熱材を並べて使用する例を示す断面図である。図3では、2枚の上記真空断熱材20は、上記外包材10の上記外包材10同士を貼り合わせた端部12を折り曲げることにより屈曲部13が形成された状態で並べられ、上記外包材10の上記外包材10同士を貼り合わせた端部12を折り曲げないで並べられた場合と比較して、2枚の上記真空断熱材20を平面視した際の上記外包材10の上記外包材10同士を貼り合わせた端部12の占める面積割合が少なくされているものである。
本発明によれば、上記真空断熱材用外包材が上記関数Mの値が所定の値以下であることにより、上記外包材を用いて形成された真空断熱材を使用する際に上記外包材同士を貼り合わせた端部を折り曲げることにより形成される屈曲部、上記真空断熱材を、例えば、90°等の角部を有する機器の形状に合わせて折り曲げて用いた際や曲面を有する機器の表面に沿わせて曲げた際に形成される屈曲部等における上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制することができる。
したがって、上記外包材を、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
ここで、上記関数Mの値が所定の値以下であることにより、上記屈曲部等における上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制できる理由については明らかではないが、以下のように推察される。
したがって、上記外包材を、長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
ここで、上記関数Mの値が所定の値以下であることにより、上記屈曲部等における上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制できる理由については明らかではないが、以下のように推察される。
すなわち、物体に対して応力を加えた場合の変形量については、物体が引張弾性率Eの特性を有し、その形状が幅b、厚みhの直方体であり、応力Fが加えられる位置が直方体形状の物体を支持する端部から距離Lの位置である場合、その変形量vは、一般的にv=4FL3/(bEh3)で表わされる。
一方、上記外包材の引張弾性率Eと上記外包材の厚みhの3乗との積である上記関数Mは、M=Eh3で表わされ、上記変形量vとの間で、反比例の関係にある。このため、上記関数Mの値は、その値が小さいほど、同じ応力が加わった際の変形量が大きくなる関係になり、上記外包材の柔らかさの指標となる。
したがって、上記関数Mの値が所定の値以下であるとは、上記外包材が所定の柔軟性を有していることを示すものである。
また、上述のように、上記関数Mの値が所定の値以下である場合、上記関数Mの値が所定の値より大きいものと比較して、上記外包材を屈曲させた際に上記屈曲部に上記屈曲部の形成方向に沿った方向と略平行に形成されるしわの数が多くなる。
このようなことから、上記関数Mの値が所定の値より大きく、上記外包材が硬い材料である場合には、強い応力を加えないと上記外包材を屈曲させることができず、上記ガスバリア層に強度の弱い箇所が1点でもあると、その1点で屈曲しようと応力が集中してクラックが発生するのに対して、上記関数Mの値が所定の値以下であり、上記外包材が柔らかい材料である場合には、上記外包材は小さい応力で屈曲できることから、上記ガスバリア層に強度の弱い箇所があるとしても、その強度の弱い箇所に応力が集中することなくその他の箇所でも屈曲が可能となり、応力の集中を分散させることができると考えられる。そして、上記関数Mの値が所定の値より小さいものは、複数箇所に応力が分散され、多くの箇所で屈曲が生じる結果、上記屈曲部に形成されるしわの数が、上記関数Mの値が所定の値より大きいものと比較して多くなるのである。
また、図4に例示するように、上記屈曲部13における屈曲箇所(しわ)13aが少ない場合(図4(a))と比較して、上記屈曲部13における屈曲箇所(しわ)13aが多い場合(図4(b))には、それぞれの屈曲箇所(しわ)13aでの屈曲の角度αが小さいものとなる結果、それぞれの屈曲箇所(しわ)においてガスバリア層に加わる応力を小さいものとすることができる。このような観点からも、上記屈曲部等での上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制できるのである。
一方、上記外包材の引張弾性率Eと上記外包材の厚みhの3乗との積である上記関数Mは、M=Eh3で表わされ、上記変形量vとの間で、反比例の関係にある。このため、上記関数Mの値は、その値が小さいほど、同じ応力が加わった際の変形量が大きくなる関係になり、上記外包材の柔らかさの指標となる。
したがって、上記関数Mの値が所定の値以下であるとは、上記外包材が所定の柔軟性を有していることを示すものである。
また、上述のように、上記関数Mの値が所定の値以下である場合、上記関数Mの値が所定の値より大きいものと比較して、上記外包材を屈曲させた際に上記屈曲部に上記屈曲部の形成方向に沿った方向と略平行に形成されるしわの数が多くなる。
このようなことから、上記関数Mの値が所定の値より大きく、上記外包材が硬い材料である場合には、強い応力を加えないと上記外包材を屈曲させることができず、上記ガスバリア層に強度の弱い箇所が1点でもあると、その1点で屈曲しようと応力が集中してクラックが発生するのに対して、上記関数Mの値が所定の値以下であり、上記外包材が柔らかい材料である場合には、上記外包材は小さい応力で屈曲できることから、上記ガスバリア層に強度の弱い箇所があるとしても、その強度の弱い箇所に応力が集中することなくその他の箇所でも屈曲が可能となり、応力の集中を分散させることができると考えられる。そして、上記関数Mの値が所定の値より小さいものは、複数箇所に応力が分散され、多くの箇所で屈曲が生じる結果、上記屈曲部に形成されるしわの数が、上記関数Mの値が所定の値より大きいものと比較して多くなるのである。
また、図4に例示するように、上記屈曲部13における屈曲箇所(しわ)13aが少ない場合(図4(a))と比較して、上記屈曲部13における屈曲箇所(しわ)13aが多い場合(図4(b))には、それぞれの屈曲箇所(しわ)13aでの屈曲の角度αが小さいものとなる結果、それぞれの屈曲箇所(しわ)においてガスバリア層に加わる応力を小さいものとすることができる。このような観点からも、上記屈曲部等での上記ガスバリア層へのクラックの発生を抑制できるのである。
本発明の真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層を少なくとも有するものである。以下、本発明の真空断熱材用外包材の各構成について説明する。
1.真空断熱材用外包材の特性について
本発明の真空断熱材用外包材は、上記関数Mの値が3.0MPa・mm3以下であるものである。
上記関数Mの値、すなわち、上記外包材の引張弾性率と上記外包材の厚みの3乗との積は、3.0MPa・mm3以下であれば特に限定されるものではないが、0.5MPa・mm3〜2.5MPa・mm3の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.5MPa・mm3〜2.0MPa・mm3の範囲内であることが好ましく、特に、0.5MPa・mm3〜1.0MPa・mm3の範囲内であることが好ましい。上記関数Mの値が上述の範囲内であることにより、上記ガスバリア層へのクラックの発生をより効果的に抑制できるからである。
本発明の真空断熱材用外包材は、上記関数Mの値が3.0MPa・mm3以下であるものである。
上記関数Mの値、すなわち、上記外包材の引張弾性率と上記外包材の厚みの3乗との積は、3.0MPa・mm3以下であれば特に限定されるものではないが、0.5MPa・mm3〜2.5MPa・mm3の範囲内であることが好ましく、なかでも、0.5MPa・mm3〜2.0MPa・mm3の範囲内であることが好ましく、特に、0.5MPa・mm3〜1.0MPa・mm3の範囲内であることが好ましい。上記関数Mの値が上述の範囲内であることにより、上記ガスバリア層へのクラックの発生をより効果的に抑制できるからである。
上記外包材の引張弾性率は、上記関数Mの値を所定の値以下とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、1500MPa〜5000MPaの範囲内であることが好ましく、なかでも、2000MPa〜4000MPaの範囲内であることが好ましく、特に、2500MPa〜3500MPaの範囲内であることが好ましい。上記関数Mの値を所定の値以下とすることが容易だからである。
なお、上記引張弾性率の測定方法は、JIS K7161に準拠し、上記外包材を幅15mm、長さ120mmに短冊状にカットした後、引張試験機を用いてチャック間距離100mm、引張速度100mm/minで引張弾性率を測定する方法を用いることができる。上記引張弾性率の測定条件は23℃、湿度55%の条件とすることができる。上記引張試験機としては、例えば、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いることができる。
また、上記引張弾性率は、最低5個の試験片を用いて行い、得られた5個以上の引張弾性率の平均値を用いることができる。
また、上記引張弾性率は、上記外包材が長尺状である場合には、長手方向(巻きだし方向)および長手方向に直交する短手方向(幅方向)のそれぞれの引張弾性率の平均値を用いることができる。
なお、上記引張弾性率の測定方法は、JIS K7161に準拠し、上記外包材を幅15mm、長さ120mmに短冊状にカットした後、引張試験機を用いてチャック間距離100mm、引張速度100mm/minで引張弾性率を測定する方法を用いることができる。上記引張弾性率の測定条件は23℃、湿度55%の条件とすることができる。上記引張試験機としては、例えば、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いることができる。
また、上記引張弾性率は、最低5個の試験片を用いて行い、得られた5個以上の引張弾性率の平均値を用いることができる。
また、上記引張弾性率は、上記外包材が長尺状である場合には、長手方向(巻きだし方向)および長手方向に直交する短手方向(幅方向)のそれぞれの引張弾性率の平均値を用いることができる。
上記関数Mにおける上記外包材の厚みは、1枚当たりの上記外包材の厚みをいうものであり、例えば、2枚の上記外包材を用いて形成された上記真空断熱材における上記外包材の関数Mの計算に用いる厚みは、1枚の上記外包材の厚みをいうものである。
2.熱溶着層
本発明における熱溶着層は、上記真空断熱材において芯材と接する部位である。
また、対向する外包材同士の端部を熱溶着する熱溶着面を形成する部位である。
本発明における熱溶着層は、上記真空断熱材において芯材と接する部位である。
また、対向する外包材同士の端部を熱溶着する熱溶着面を形成する部位である。
上記熱溶着層の材料としては、加熱によって溶融し、融着することが可能であることから熱可塑性樹脂が好ましく、例えば直鎖状短鎖分岐ポリエチレン等のポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明においては、なかでも、上記材料が、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、未延伸ポリプロピレンまたはポリブチレンテレフタレートであることが好ましく、特に、ポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。上記材料が上述の樹脂であることにより、上記真空断熱材を形成した際に、上記外包材同士を貼り合わせた端部において上記ガスバリア層へのクラックの発生をより抑制することができるからである。
本発明においては、なかでも、上記材料が、直鎖状短鎖分岐ポリエチレン、未延伸ポリプロピレンまたはポリブチレンテレフタレートであることが好ましく、特に、ポリブチレンテレフタレートであることが好ましい。上記材料が上述の樹脂であることにより、上記真空断熱材を形成した際に、上記外包材同士を貼り合わせた端部において上記ガスバリア層へのクラックの発生をより抑制することができるからである。
また、上記熱溶着層は、上述した樹脂の他に、アンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含んでいてもよい。
上記熱溶着層の融点としては、例えば80℃〜300℃の範囲内であることが好ましく、なかでも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。熱溶着層の融点を上記範囲内とすることにより、本発明の外包材を用いて形成された真空断熱材の使用環境下において、外包材の封止面の剥離を抑制することができる。
上記熱溶着層の引張弾性率としては、上記関数Mの値を所定の値以下とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、1.0GPa以上であることが好ましく、なかでも、1.0GPa〜5.0GPaの範囲内であることが好ましく、特に、1.5GPa〜4.0 GPaの範囲内であることが好ましい。上記熱溶着層の引張弾性率が上述の範囲内であることにより、上記真空断熱材を形成した際に、上記外包材同士を貼り合わせた端部において上記ガスバリア層へのクラックの発生をより抑制することができるからである。また、上記真空断熱材に用いられる芯材からの突き刺しによるピンホールの発生を抑制できるからである。
また、後述するように、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の引張弾性率が所定の範囲内であることが好ましいとの観点から、上記熱溶着層の引張弾性率が上述の範囲内であることにより、上記熱溶着層を、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の一方として用いることが可能となる。したがって、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の一方として所定の引張弾性率の内面側保護層等を上記ガスバリア層および上記熱溶着層の間に配置すること等を不要とすることができ、上記外包材を層構成の少ないものとすることができるからである。また、その結果、上記関数Mの値を所定の値以下とすることが容易になるからである。
また、後述するように、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の引張弾性率が所定の範囲内であることが好ましいとの観点から、上記熱溶着層の引張弾性率が上述の範囲内であることにより、上記熱溶着層を、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の一方として用いることが可能となる。したがって、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の一方として所定の引張弾性率の内面側保護層等を上記ガスバリア層および上記熱溶着層の間に配置すること等を不要とすることができ、上記外包材を層構成の少ないものとすることができるからである。また、その結果、上記関数Mの値を所定の値以下とすることが容易になるからである。
上記熱溶着層の厚さとしては、例えば20μm〜100μmの範囲内が好ましく、なかでも25μm〜90μmの範囲内が好ましく、特に30μm〜80μmの範囲内が好ましい。熱溶着層の厚さが上記範囲よりも大きいと、外包材のガスバリア性が低下する場合等があり、一方、上記範囲よりも小さいと、接着力が得られない場合がある。
3.ガスバリア層
本発明におけるガスバリア層は、通常、熱溶着層と保護層との間に形成される部位である。
本発明におけるガスバリア層は、通常、熱溶着層と保護層との間に形成される部位である。
上記ガスバリア層としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等の金属箔、金属、金属酸化物、酸化珪素等の無機物等を樹脂フィルムの片面に蒸着した蒸着フィルム、蒸着フィルムにポリビニルアルコール系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の少なくともいずれかを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたもの等、一般にガスバリア層として使用されるものを用いることもできる。
本発明においては、上記ガスバリア層が、金属箔であることが好ましく、なかでも、アルミニウム箔であることが好ましい。クラックの発生を抑制できるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明においては、上記ガスバリア層が、金属箔であることが好ましく、なかでも、アルミニウム箔であることが好ましい。クラックの発生を抑制できるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させた多層体であってもよい。
また、上記ガスバリア層は、ガスバリア性能および他の層との密着性の向上が図れるという点から、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、上記ガスバリア層は、ガスバリア性能および他の層との密着性の向上が図れるという点から、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記ガスバリア層の厚さとしては、例えば、2μm〜50μmの範囲内、なかでも5μm〜12μmの範囲内であることが好ましい。上記ガスバリア層の厚さが上記範囲よりも小さいと、屈曲部でピンホール等が生じやすくなり、ガスバリア性が低下する場合があり、一方、上記範囲よりも大きいと、本発明の外包材を用いて形成された真空断熱材においてヒートブリッジが生じやすくなり、断熱性能が低下する場合があるからである。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下であることが好ましく、なかでも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下であることが好ましく、なかでも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。上記ガスバリア層の酸素および水蒸気透過度が上述の範囲内であることにより、外部より浸透した水分やガス等を内部の芯材まで浸透しにくくすることができる。
なお、上記酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度60%RHの条件下において酸素透過度測定装置を用いて測定した値とすることができる。上記酸素透過度測定装置としては、米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN)を挙げることができる。 また、上記水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置を用いて測定することができる。上記水蒸気透過度測定装置としては、米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN)を用いることができる。
なお、上記酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度60%RHの条件下において酸素透過度測定装置を用いて測定した値とすることができる。上記酸素透過度測定装置としては、米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN)を挙げることができる。 また、上記水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置を用いて測定することができる。上記水蒸気透過度測定装置としては、米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN)を用いることができる。
4.保護層
上記保護層は、本発明の外包材において最外層(最表層)となる部位である。上記保護層は、本発明の外包材を用いて真空断熱材を形成した際に、真空断熱材の内部を保護するのに十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
上記保護層は、本発明の外包材において最外層(最表層)となる部位である。上記保護層は、本発明の外包材を用いて真空断熱材を形成した際に、真空断熱材の内部を保護するのに十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
上記保護層としては、熱溶着層よりも高融点の樹脂を用いたものであればよく、シート状でもフィルム状でもよい。このような保護層として、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のシートまたはフィルム等が挙げられる。
上記保護層は、単層であってもよく、同一材料から成る層または異なる材料から成る層を積層させて多層としたものであってもよい。
また上記保護層は、他の層との密着性の向上が図れるという点から、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
また上記保護層は、他の層との密着性の向上が図れるという点から、コロナ放電処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚さとしては、熱溶着層およびガスバリア層を保護することができる厚さであれば特に限定されるものではないが、一般的に5μm〜80μmの範囲内程度である。
5.真空断熱材用外包材
本発明の外包材は、上記外包材を構成する各層が、直接接触して積層されていてもよく、層間接着剤を介して積層されていてもよい。層間接着剤については、一般に真空断熱材用の外包材に使用される接着剤を用いることができる。
本発明の外包材は、上記外包材を構成する各層が、直接接触して積層されていてもよく、層間接着剤を介して積層されていてもよい。層間接着剤については、一般に真空断熱材用の外包材に使用される接着剤を用いることができる。
上記外包材は、保護層またはガスバリア層を複数有するものであってもよい。上記外包材は、例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、熱溶着層およびガスバリア層の上に、第1保護層および第2保護層のように保護層を2層以上設けてもよい。また、上記外包材は、熱溶着層とガスバリア層との間に内面側保護層が設けられてもよい。
また、上記外包材は、アンカーコート層、耐ピンホール層等の任意の層を有していても良い。
本発明においては、上記外包材は、上記熱溶着層と上記ガスバリア層との間に上記内面側保護層を含まないことが好ましい。上記外包材の層構成を少ないものとすることができ、さらに、上記関数Mの値を所定の値以下とすることが容易になるからである。
また、上記外包材は、アンカーコート層、耐ピンホール層等の任意の層を有していても良い。
本発明においては、上記外包材は、上記熱溶着層と上記ガスバリア層との間に上記内面側保護層を含まないことが好ましい。上記外包材の層構成を少ないものとすることができ、さらに、上記関数Mの値を所定の値以下とすることが容易になるからである。
上記外包材の上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の引張弾性率は、上記関数Mの値を所定の値以下とするものであれば特に限定されるものではないが、1.0GPa〜5.0GPaの範囲内であることが好ましく、なかでも、1.5GPa〜5.0GPaの範囲内であることが好ましく、特に2.0GPa〜4.5GPaの範囲内であることが好ましい。上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層の引張弾性率が上述の範囲内であることにより、上記ガスバリア層とそれを隣接して挟持する2つの層との引張弾性率の差を小さくすることができる結果、上記ガスバリア層へのクラックの発生をより効果的に抑制できるからである。
なお、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層は、具体的には、上記外包材が熱溶着層/ガスバリア層/保護層の層構成である場合には、熱溶着層および保護層をいうものであり、上記外包材が熱溶着層/ガスバリア層/第1保護層/第2保護層の層構成である場合には、熱溶着層および第1保護層をいうものであり、上記外包材が熱溶着層/内面保護層/ガスバリア層/保護層の層構成である場合には、内面保護層および保護層をいうものである。
また、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層には、ガスバリア層と各層との間を接着する層間接着剤は含まないものである。
なお、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層は、具体的には、上記外包材が熱溶着層/ガスバリア層/保護層の層構成である場合には、熱溶着層および保護層をいうものであり、上記外包材が熱溶着層/ガスバリア層/第1保護層/第2保護層の層構成である場合には、熱溶着層および第1保護層をいうものであり、上記外包材が熱溶着層/内面保護層/ガスバリア層/保護層の層構成である場合には、内面保護層および保護層をいうものである。
また、上記ガスバリア層を隣接して挟持する2つの層には、ガスバリア層と各層との間を接着する層間接着剤は含まないものである。
上記外包材の膜厚としては、上記関数Mの値を所定の値以下とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、30μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜150μmの範囲内であることが好ましい。
上記外包材の引張強度としては、50N以上であることが好ましく、なかでも80N以上であることが好ましい。本発明の外包材を用いて形成された真空断熱材を屈曲させる際に破断等が生じにくくなるためである。なお、上記引張強度は、JIS−Z−1707に基づいて測定した値である。
上記外包材の積層方法としては、特に限定されるものではなく、一方の最表層に保護層を有し、他方の最表層に熱溶着層を有するように各層を積層できる方法であればよく、公知の方法を用いることができる。
上記積層方法としては、予め成膜した各層を上述した層間接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション法や、熱溶融させた保護層およびガスバリア層の各材料をTダイ等を用いて押出しして貼り合せ、得られた積層体に層間接着剤を介して熱溶着層を貼り合せる方法等が挙げられる。
上記積層方法としては、予め成膜した各層を上述した層間接着剤を使用して貼り合せるドライラミネーション法や、熱溶融させた保護層およびガスバリア層の各材料をTダイ等を用いて押出しして貼り合せ、得られた積層体に層間接着剤を介して熱溶着層を貼り合せる方法等が挙げられる。
B.真空断熱材
次に、本発明の真空断熱材について説明する。本発明の真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであって、上記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
次に、本発明の真空断熱材について説明する。本発明の真空断熱材は、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであって、上記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
本発明の真空断熱材については、既に説明した図2に例示するものと同様とすることができる。
本発明によれば、上記真空断熱材用外包材が上述の本発明の真空断熱材用外包材であることにより、上記真空断熱材を長期間断熱性能を維持することができる真空断熱材を形成可能なものとすることができる。
本発明の真空断熱材は、真空断熱材用外包材および芯材を少なくとも有するものである。
以下、本発明の真空断熱材について、構成ごとに説明する。
以下、本発明の真空断熱材について、構成ごとに説明する。
1.真空断熱材用外包材
本発明の真空断熱材用外包材は、上記芯材を封入するものである。また、上記真空断熱材用外包材は、上述の本発明の真空断熱材用外包材である。このような真空断熱材用外包材については、「A.真空断熱材用外包材」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、封入するとは、上記外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。
本発明の真空断熱材用外包材は、上記芯材を封入するものである。また、上記真空断熱材用外包材は、上述の本発明の真空断熱材用外包材である。このような真空断熱材用外包材については、「A.真空断熱材用外包材」の項に記載した内容と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、封入するとは、上記外包材を用いて形成された袋体の内部に密封されることをいうものである。
2.芯材
本発明における芯材は、上記真空断熱材用外包材により封入されるものである。
上記芯材としては、熱伝導度の低いものであることが好ましい。上記芯材は、その空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材であることが好ましい。
本発明における芯材は、上記真空断熱材用外包材により封入されるものである。
上記芯材としては、熱伝導度の低いものであることが好ましい。上記芯材は、その空隙率が50%以上、特に90%以上の多孔質材であることが好ましい。
上記芯材を構成する材料としては、粉体、発泡体、繊維体等を用いることができる。
上記粉体としては、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。なかでも乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の劣化が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。さらに、上述の材料に酸化チタンや酸化アルミニウムやインジウムドープ酸化錫等の赤外線吸収率が小さい物質を輻射抑制材として添加すると、芯材の赤外線吸収率を小さくすることができる。
上記粉体としては、無機系、有機系のいずれでもよく、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ、凝集シリカ粉末、導電性粉体、炭酸カルシウム粉末、パーライト、クレー、タルク等を用いることができる。なかでも乾式シリカと導電性粉体との混合物は、真空断熱材の内圧上昇に伴う断熱性能の劣化が小さいため、内圧上昇が生じる温度範囲で使用する際に有利である。さらに、上述の材料に酸化チタンや酸化アルミニウムやインジウムドープ酸化錫等の赤外線吸収率が小さい物質を輻射抑制材として添加すると、芯材の赤外線吸収率を小さくすることができる。
また、上記発泡体としては、ウレタンフォーム、スチレンフォーム、フェノールフォーム等があり、これらのなかでも連続気泡を形成する発泡体が好ましい。
また、上記繊維体としては、無機繊維でもよく有機繊維でもよいが、断熱性能の観点から無機繊維を用いることが好ましい。このような無機繊維としては、グラスウールやグラスファイバー等のガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、ロックウール等を挙げることができる。これらの無機繊維は、熱伝導率が低く、粉体よりも取り扱いが容易である点で好ましい。
上記芯材は、上述した材料を単独で使用してもよく、2種以上の材料を混合した複合材であってもよい。
3.真空断熱材
本発明の真空断熱材は、上記真空断熱材用外包材で封入された内部を減圧密封し、真空状態としたものである。上記真空断熱材内部の真空度としては、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の真空度を上記範囲内とすることにより、内部に残存する空気の対流による熱伝導を小さいものとすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となる。
本発明の真空断熱材は、上記真空断熱材用外包材で封入された内部を減圧密封し、真空状態としたものである。上記真空断熱材内部の真空度としては、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の真空度を上記範囲内とすることにより、内部に残存する空気の対流による熱伝導を小さいものとすることができ、優れた断熱性を発揮することが可能となる。
また、上記真空断熱材の熱伝導率は低いことが好ましく、例えば、上記真空断熱材の25℃における熱伝導率(初期熱伝導率)は、15mW/m・K以下であることが好ましく、なかでも10mW/m・K以下であることが好ましく、特に5mW/m・K以下であることが好ましい。真空断熱材の熱伝導率を上記範囲とすることにより、上記真空断熱材は熱を外部に伝導しにくくなることから、高い断熱効果を奏することができるからである。
また、上記真空断熱材の初期熱伝導率に対し、130℃、1000時間劣化後の上記真空断熱材の熱伝導率の低下率は、20%以下であることが好ましく、なかでも10%以下であることが好ましい。
なお、上記熱伝導率は、JIS−A−1412−3に従い、熱伝導率測定装置を用いて熱流計法により測定された値とすることができる。上記熱伝導率測定装置としては、熱伝導率測定装置オートラムダ(製品名 HC−074、英弘精機製)を挙げることができる。
また、上記真空断熱材の初期熱伝導率に対し、130℃、1000時間劣化後の上記真空断熱材の熱伝導率の低下率は、20%以下であることが好ましく、なかでも10%以下であることが好ましい。
なお、上記熱伝導率は、JIS−A−1412−3に従い、熱伝導率測定装置を用いて熱流計法により測定された値とすることができる。上記熱伝導率測定装置としては、熱伝導率測定装置オートラムダ(製品名 HC−074、英弘精機製)を挙げることができる。
上記真空断熱材はガスバリア性が高いことが好ましい。外部からの水分や酸素等の侵入による真空度の低下を防止することができるからである。
上記真空断熱材のガスバリア性については、上述した「A.真空断熱材用外包材 3.ガスバリア層」の項で説明した酸素透過度および水蒸気透過度と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記真空断熱材のガスバリア性については、上述した「A.真空断熱材用外包材 3.ガスバリア層」の項で説明した酸素透過度および水蒸気透過度と同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.製造方法
本発明の真空断熱材の製造方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば、予め上述の本発明の外包材を準備し、2枚の上記外包材をそれぞれの熱溶着層が内側に向き合う様に対向させ、その間に上記芯材を配置し、製袋機等によって上記芯材の外周の一方を開口部とし、残り三方の外包材同士の端部を熱溶着することで、2枚の上記外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体を真空封止機に装着し、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材が上記外包材により封入された真空断熱材が得られる。
また、上記製造方法は、1枚の上記外包材を熱溶着層が内側に向き合う様に対向させ、その間に上記芯材を配置し、製袋機等によって上記芯材の外周の一方を開口部とし、残り二方の上記外包材同士の端部を熱溶着することで、1枚の上記外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体を真空封止機に装着し、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材が上記外包材により封入された真空断熱材を得る方法であっても良い。
本発明の真空断熱材の製造方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば、予め上述の本発明の外包材を準備し、2枚の上記外包材をそれぞれの熱溶着層が内側に向き合う様に対向させ、その間に上記芯材を配置し、製袋機等によって上記芯材の外周の一方を開口部とし、残り三方の外包材同士の端部を熱溶着することで、2枚の上記外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体を真空封止機に装着し、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材が上記外包材により封入された真空断熱材が得られる。
また、上記製造方法は、1枚の上記外包材を熱溶着層が内側に向き合う様に対向させ、その間に上記芯材を配置し、製袋機等によって上記芯材の外周の一方を開口部とし、残り二方の上記外包材同士の端部を熱溶着することで、1枚の上記外包材により形成され、内部に上記芯材が配置された袋体を準備し、次いで、上記袋体を真空封止機に装着し、上記袋体の内部圧力を減圧した状態で上記開口部を密封することにより、上記芯材が上記外包材により封入された真空断熱材を得る方法であっても良い。
5.用途
本発明の真空断熱材は、熱伝導率が低く、高温下においても断熱性および耐久性に優れるものである。従って、上記真空断熱材は、熱源を有し発熱する部位や、外部から加熱されることにより高温となる部位に用いることができる。本発明の用途としては、例えば、「C.真空断熱材付き機器」で説明する機器、クーラーボックス、輸送用コンテナ、水素等の燃料タンク、システムバス、温水タンク、保温庫、住宅壁、自動車、飛行機、船舶、列車等が挙げられる。
本発明の真空断熱材は、熱伝導率が低く、高温下においても断熱性および耐久性に優れるものである。従って、上記真空断熱材は、熱源を有し発熱する部位や、外部から加熱されることにより高温となる部位に用いることができる。本発明の用途としては、例えば、「C.真空断熱材付き機器」で説明する機器、クーラーボックス、輸送用コンテナ、水素等の燃料タンク、システムバス、温水タンク、保温庫、住宅壁、自動車、飛行機、船舶、列車等が挙げられる。
C.真空断熱材付き機器
次に、本発明の真空断熱材付き機器について説明する。本発明の真空断熱材付き機器は、本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、上記真空断熱材が、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであり、上記真空断熱材用外包材が、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
次に、本発明の真空断熱材付き機器について説明する。本発明の真空断熱材付き機器は、本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、上記真空断熱材が、芯材と、上記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであり、上記真空断熱材用外包材が、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、上記真空断熱材用外包材の引張弾性率と上記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とするものである。
ここで、「熱源部」とは、機器自体が駆動することにより、当該機器本体または機器内部において発熱する部位をいうものであり、例えば電源やモーター等をいう。また、「被保温部」とは、機器本体または内部に熱源部を有さないが、上記機器が外部の熱源から熱を受けて、高温になる部位をいうものである。
本発明によれば、上記真空断熱材が上述の本発明の真空断熱材であり、長期間断熱性能を維持することができるため、熱源部を有する機器においては、上記真空断熱材により熱源部からの熱を断熱し、機器全体の温度が高温となることを防止し、一方、被保温部を有する機器においては、上記真空断熱材により上記被保温部の温度状態を保つことができる。これにより、消費電力を抑えた高い省エネルギー特性を有する機器とすることができる。
本発明における真空断熱材については、上述した「B.真空断熱材」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における機器とは、本体又は本体の内部に熱源部もしくは被保温部を有するものであるが、なかでも、100℃〜150℃の範囲内程度の高温に達する熱源部または被保温部を少なくとも有するものが好ましい。本発明における機器としては、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(登録商標「エコキュート」)、冷蔵庫、自動販売機、炊飯ジャー、ポット、電子レンジ、業務用オーブン、IHクッキングヒーター、OA機器等の電化機器、自動車等が挙げられる。なかでも本発明においては、上記機器が、自然冷媒ヒートポンプ給湯機、業務用オーブン、電子レンジ、自動車に上述の本発明の真空断熱材を用いることが好ましい。
上記真空断熱材を機器に装着する態様としては、当該機器の熱源部もしくは被保温部に直接真空断熱材を貼り付けてもよく、被保温部と熱源部または外部熱源との間に真空断熱材を挟みこむようにして装着してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[比較例1]
1.層間接着剤の調製
ポリエステルを主成分とする主剤と脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤、および酢酸エチルを、重量配合比が主剤:硬化剤:酢酸エチル=10:1:14となるように混合し、2液硬化型接着剤(以下、層間接着剤と称する。)を調製した。
1.層間接着剤の調製
ポリエステルを主成分とする主剤と脂肪族系ポリイソシアネートを含む硬化剤、および酢酸エチルを、重量配合比が主剤:硬化剤:酢酸エチル=10:1:14となるように混合し、2液硬化型接着剤(以下、層間接着剤と称する。)を調製した。
2.外包材の作製
第2保護層として両面に易接着処理が施された膜厚35μmのナイロンフィルム(ON35、ユニチカ株式会社製 製品名:エンブレム ONBC)の易接着面に、上述の配合比で調製した層間接着剤を塗布量3.5g/m2となるようにダイコーターを用いて塗布し乾燥させた。その後、第1保護層として両面を易接着処理された膜厚12μmのPETフィルム(PET12、ユニチカ株式会社製 製品名:エンブレット PTMB)を、層間接着剤が塗布された第2保護層の表面にラミネートした。
次に、得られた2層フィルムのPET12(第1保護層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。ガスバリア層として膜厚6μmのAl箔(AL6、住軽アルミ箔株式会社製 製品名:1N30)を、層間接着剤が塗布された第1保護層の表面にラミネートした。
続いて、得られた3層フィルムのAL6(ガスバリア層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。内面側保護層としてPET12を、層間接着剤が塗布されたAL6(ガスバリア層)の表面にラミネートした。
次に得られた、4層フィルムのPET12(内面側保護層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。熱溶着層として膜厚50μmの未延伸ポリプロピレン(CPP50、三井化学東セロ株式会社製 製品名:CPP−SC)を、層間接着剤が塗布されたPET12(内面保護層)の表面にラミネートし、外包材を得た。
第2保護層として両面に易接着処理が施された膜厚35μmのナイロンフィルム(ON35、ユニチカ株式会社製 製品名:エンブレム ONBC)の易接着面に、上述の配合比で調製した層間接着剤を塗布量3.5g/m2となるようにダイコーターを用いて塗布し乾燥させた。その後、第1保護層として両面を易接着処理された膜厚12μmのPETフィルム(PET12、ユニチカ株式会社製 製品名:エンブレット PTMB)を、層間接着剤が塗布された第2保護層の表面にラミネートした。
次に、得られた2層フィルムのPET12(第1保護層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。ガスバリア層として膜厚6μmのAl箔(AL6、住軽アルミ箔株式会社製 製品名:1N30)を、層間接着剤が塗布された第1保護層の表面にラミネートした。
続いて、得られた3層フィルムのAL6(ガスバリア層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。内面側保護層としてPET12を、層間接着剤が塗布されたAL6(ガスバリア層)の表面にラミネートした。
次に得られた、4層フィルムのPET12(内面側保護層)面に、同様に層間接着剤を塗布量3.5g/m2で塗布し乾燥させた。熱溶着層として膜厚50μmの未延伸ポリプロピレン(CPP50、三井化学東セロ株式会社製 製品名:CPP−SC)を、層間接着剤が塗布されたPET12(内面保護層)の表面にラミネートし、外包材を得た。
[実施例1]
第2保護層として、両面に易接着処理が施された膜厚25μmのナイロンフィルム(ON25、ユニチカ株式会社製 製品名:ONM)を用いた以外は、比較例1と同様にして外包材を得た。
第2保護層として、両面に易接着処理が施された膜厚25μmのナイロンフィルム(ON25、ユニチカ株式会社製 製品名:ONM)を用いた以外は、比較例1と同様にして外包材を得た。
[実施例2]
第2保護層を形成せず、熱溶着層として、膜厚30μmの未延伸ポリプロピレン(CPP30、三井化学東セロ株式会社製 製品名:CPP)を用いた以外は、比較例1と同様にして外包材を得た。
第2保護層を形成せず、熱溶着層として、膜厚30μmの未延伸ポリプロピレン(CPP30、三井化学東セロ株式会社製 製品名:CPP)を用いた以外は、比較例1と同様にして外包材を得た。
[実施例3]
熱溶着層として、膜厚25μmのポリブチレンテレフタレート(PBT25、ユニチカ株式会社製 製品名: エンブレット P782)を用いた以外は、実施例2と同様にして外包材を得た。
熱溶着層として、膜厚25μmのポリブチレンテレフタレート(PBT25、ユニチカ株式会社製 製品名: エンブレット P782)を用いた以外は、実施例2と同様にして外包材を得た。
[実施例4]
第1保護層および内面側保護層として両面に易接着処理が施された膜厚15μmのナイロンフィルム(ON15、ユニチカ株式会社製 製品名:ONM)を用いた以外は実施例3と同様にして外包材を得た。
第1保護層および内面側保護層として両面に易接着処理が施された膜厚15μmのナイロンフィルム(ON15、ユニチカ株式会社製 製品名:ONM)を用いた以外は実施例3と同様にして外包材を得た。
[実施例5]
第1保護層として両面を易接着処理された膜厚16μmのPETフィルム(PET16、ユニチカ株式会社製 製品名:PET)を用い、内面側保護層を形成しなかった以外は実施例3と同様にして外包材を得た。
第1保護層として両面を易接着処理された膜厚16μmのPETフィルム(PET16、ユニチカ株式会社製 製品名:PET)を用い、内面側保護層を形成しなかった以外は実施例3と同様にして外包材を得た。
[実施例6]
第1保護層としてON25を用いた以外は実施例5と同様にして外包材を得た。
第1保護層としてON25を用いた以外は実施例5と同様にして外包材を得た。
[実施例7]
熱溶着層として、膜厚30μmの直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE30、三井化学東セロ社製 製品名:TUX−HCE)を用いた以外は、実施例4と同様にして外包材を得た。
熱溶着層として、膜厚30μmの直鎖状短鎖分岐ポリエチレン(LLDPE30、三井化学東セロ社製 製品名:TUX−HCE)を用いた以外は、実施例4と同様にして外包材を得た。
[実施例8]
第1保護層および内面側保護層としてON25を用いた以外は、実施例8と同様にして外包材を得た。
第1保護層および内面側保護層としてON25を用いた以外は、実施例8と同様にして外包材を得た。
[実施例9]
第1保護層および内面側保護層としてPET12を用いた以外は、実施例8と同様にして外包材を得た。
第1保護層および内面側保護層としてPET12を用いた以外は、実施例8と同様にして外包材を得た。
[評価]
実施例および比較例で得られた外包材についての関数Mの計算およびバリア性の評価、ならびに、上記外包材の形成に用いられた各材料の引張弾性率の測定を行った。
実施例および比較例で得られた外包材についての関数Mの計算およびバリア性の評価、ならびに、上記外包材の形成に用いられた各材料の引張弾性率の測定を行った。
1.外包材の関数Mの計算
実施例および比較例で得られた外包材について、厚みおよび引張弾性率を測定し、関数Mの値を計算した。結果を下記表1に示す。
また、外包材の関数Mの値と、後述する「2.バリア性評価」で得られた酸素バリア性の結果との関係を示すグラフを図5に示す。
なお、外包材の引張弾性率の測定方法は、JIS K7161に準拠し、上記外包材を幅15mm、長さ120mmに短冊状にカットした後、23℃、湿度55%の条件で、引張試験機としてテンシロン万能試験機RTC−1250Aを用いてチャック間距離100mm、引張速度100mm/minで引張弾性率を測定した。また、上記引張弾性率は、上記外包材の長手方向および短手方向のそれぞれの引張弾性率の平均値とした。
実施例および比較例で得られた外包材について、厚みおよび引張弾性率を測定し、関数Mの値を計算した。結果を下記表1に示す。
また、外包材の関数Mの値と、後述する「2.バリア性評価」で得られた酸素バリア性の結果との関係を示すグラフを図5に示す。
なお、外包材の引張弾性率の測定方法は、JIS K7161に準拠し、上記外包材を幅15mm、長さ120mmに短冊状にカットした後、23℃、湿度55%の条件で、引張試験機としてテンシロン万能試験機RTC−1250Aを用いてチャック間距離100mm、引張速度100mm/minで引張弾性率を測定した。また、上記引張弾性率は、上記外包材の長手方向および短手方向のそれぞれの引張弾性率の平均値とした。
2.バリア性評価
実施例および比較例で得られた外包材について、ゲルボフレックステスタ− により3回屈曲処理を実施後に、温度23℃、湿度60%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN)〕にて酸素透過度を測定して評価した。結果を下記表1に示す。
実施例および比較例で得られた外包材について、ゲルボフレックステスタ− により3回屈曲処理を実施後に、温度23℃、湿度60%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OX−TRAN)〕にて酸素透過度を測定して評価した。結果を下記表1に示す。
3.外包材の構成材料の引張弾性率測定
実施例および比較例で外包材の形成に用いた、ON35、PET12、CPP30およびPBT25、LLDPE30について上記「1.外包材の関数Mの計算」の項に記載の外包材の引張弾性率の測定方法と同様の方法を用いて引張弾性率を測定した。結果を下記表2に示す。
実施例および比較例で外包材の形成に用いた、ON35、PET12、CPP30およびPBT25、LLDPE30について上記「1.外包材の関数Mの計算」の項に記載の外包材の引張弾性率の測定方法と同様の方法を用いて引張弾性率を測定した。結果を下記表2に示す。
4.まとめ
表1より、関数Mの値が3.0MPa・mm3以下である実施例1〜10では、酸素バリア性に優れたものとすることが確認できた。
また、実施例3および実施例5の比較等から、引張弾性率が1.0GPa以上の熱溶着層を用いることにより、クラックの発生を抑制した状態で、上記外包材の層構成を少ないものとすることができることが確認できた。
表1より、関数Mの値が3.0MPa・mm3以下である実施例1〜10では、酸素バリア性に優れたものとすることが確認できた。
また、実施例3および実施例5の比較等から、引張弾性率が1.0GPa以上の熱溶着層を用いることにより、クラックの発生を抑制した状態で、上記外包材の層構成を少ないものとすることができることが確認できた。
1 … 熱溶着層
2 … ガスバリア層
3 … 保護層
4 … 層間接着剤
10 … 真空断熱材用外包材
11 … 芯材
20 … 真空断熱材
2 … ガスバリア層
3 … 保護層
4 … 層間接着剤
10 … 真空断熱材用外包材
11 … 芯材
20 … 真空断熱材
Claims (4)
- 熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層された真空断熱材用外包材であって、
前記真空断熱材用外包材の引張弾性率と前記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であること特徴とする真空断熱材用外包材。 - 前記熱溶着層の引張弾性率が1.0GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱用外包材。
- 芯材と、前記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有する真空断熱材であって、
前記真空断熱材用外包材は、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、
前記真空断熱材用外包材の引張弾性率と前記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とする真空断熱材。 - 本体又は内部に熱源部もしくは被保温部を有する機器、および真空断熱材を少なくとも備える真空断熱材付き機器であって、
前記真空断熱材が、芯材と、前記芯材を封入する真空断熱材用外包材とを有するものであり、
前記真空断熱材用外包材が、熱溶着層、ガスバリア層および保護層がこの順で積層されたものであり、
前記真空断熱材用外包材の引張弾性率と前記真空断熱材用外包材の厚みの3乗との積が、3.0MPa・mm3以下であることを特徴とする真空断熱材付き機器。
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