JP5582731B2 - 耐熱性シール部材 - Google Patents

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Description

本発明は、600℃を超える高温域でも耐熱性を有しており且つ優れたシール性能を発揮し得る、例えばガスケットとしての使用に適した新素材に関するものである。
シール材として、高温域においては、一般的にはゴムや繊維、クレーを主成分としたガスケットや金属ガスケット、ガラスシール材が使用されている。ゴムや繊維、クレーを主成分としたガスケットは、ゴムの耐熱性によりそれほど高い温度域、例えば500℃以上の温度域では使用ができない。このような高温域では、金属ガスケットやガラスシール材が使用されるが、金属ガスケットは重量が重い、締め付け圧力を高くしなければならない等の問題点を抱えている。一方、ガラスシールは、高温域で溶融し、温度低下により固着し、シール性能を発現するが、長時間の使用でガラス成分であるナトリウムが溶出し、電極や金属、その他部材を腐食させたり性能を劣化させたりする問題点がある。また、完全に固着する為に、メンテナンス等でシール部分を解体する場合、解体することが困難であるという問題点を有する。
ここで、耐熱性を有する新素材として、自立膜として利用可能な機械的強度を有する新規な粘土薄膜が近年提案されている(特許文献1)。この特許文献に記載された方法は、粘土を水あるいは水を主成分とする分散媒である液体に分散させ、例えば、この分散液をトレイに流し込み、水平に静置し、粘土粒子を沈積させると共に、分散媒である液体を固液分離手段により分離し、膜状に成形するという手法である。当該手法で得られた粘土薄膜は、粘土粒子の積層が高度に配向した構造を有する。そして、当該粘土薄膜は、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、しかも、250℃を超える高温でも優れたフレキシビリティーを有し、気体・液体のバリア性にも優れているという特性を持っている。
ここで、特許文献1に係る粘土薄膜は、当該文献に記載されているように250℃を超える高温度条件下で使用することが可能であるが、600℃を超える温度の場合には構造水酸基の脱出による構造変化を起こしてしまうため余り高温過ぎる環境下での使用には適さない(特許文献1の段落番号0001等)。また、当該粘土薄膜をガスケットとして用いることを想定した場合、ガスバリア性は限りなく高いと思われるが、ガスケットがフランジ面の形状に充分変形追従するところまで締め付けないとガスや液体がスカスカに抜けてしまう。この際、特許文献1に係る粘土薄膜を変形追従させたとしても、厚さ方向での弾力性に乏しいので十分なシール性を発揮できないことに加え、粘土膜の場合に前述した600℃を超える温度下では粘土薄膜自体の熱劣化で硬化してしまうのでヒビや割れ等の構造破壊を起こす場合もある。更には、当該粘土薄膜の粘土粒子は、負に帯電した層間にナトリウムイオンを介在させることで電気的中和状態にあるが、水分が存在する環境下では層間のナトリウムイオンが粒子外に溶出してしまう。したがって、600℃を超える高温となり且つ水分が存在する環境となる、例えば固体酸化物型燃料電池用ガスケットとして当該粘土薄膜を用いると、構造変化とナトリウム溶出を起こしてしまうために使用できないと考えられてきた。
更に、特許文献2には、粘土に含まれる水分を加熱処理して蒸発させることで、膜内に空隙を形成させる(膨張させる)手法が開示されている。このようにして得られた多孔質粘土膜は、柔軟性が高いという特性を有している。しかしながら、当該文献に係る粘土薄膜についても、特許文献1に係る粘土薄膜と比べて弾力性はあるものと理解されるものの、特許文献1で述べたことと同様、特許文献1に係る粘土薄膜と比較し強度に劣る分、変形追従の際にヒビや割れ等の構造破壊を起こし易い。更には、特許文献2に係る多孔質粘土膜の製造に際しては、水分含有量及びその蒸発速度の制御が重要であり、加熱前の湿潤環境下での保管や急激な加熱が求められる。そのため、特許文献2に係る多孔質粘土膜に対してガスケットとして好適な弾力性を持たせるには製法上の困難性もある。
そこで、本発明は、耐熱性に優れた粘土膜を600℃超の高温環境下で使用した場合でも、十分なシール性を達成できるとともに、600℃を超える高温となり且つ水分が存在する環境下でも、構造変化による性質劣化を極力防止すると共に、ナトリウム溶出による製品機能低下をも防止する手段を提供することを目的とする。
特許第3855003 特開2006−188418
本発明者らは、上記課題の下、半製品の状態で600℃を超える高温負荷製品に組み込むことで、構造破壊が生じる600℃超の脱水酸基温度以上に配しても性質劣化が極力防止できることに加え、含有量の調整が極めて容易な添加物の熱分解による膨張という作用機序を採用することによりシール性が非常に高まることを見出し、また、このレベルの温度に配すると前述した構造破壊に加えてナトリウムイオンが脱水和してシリケート表面酸素原子と結合することに着目し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明(1)は、粘土粒子を配向させた構造を有し、該粘土粒子間又は/及び粘土粒子層間に、100℃を超え且つ該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下の温度で分解する物質を含有する粘土膜からなる、前記物質の分解温度以上の環境下に配される部材である。
本発明(2)は、前記分解温度以上の温度が、該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上である、前記発明(1)の部材である。
本発明(3)は、前記粘土粒子が、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、クリソタイル、リザーダイド、アメサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチーブンサイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、2八面体型バーミキュライト、3八面体型バーミキュライト、白雲母、パラゴナイト、イライト、セリサイト、金雲母、黒雲母、レピドライト及び層状チタンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の部材である。
本発明(4)は、前記物質が、有機物であることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの部材である。
本発明(5)は、前記有機物が、環状モノマー、炭素多重結合系モノマー、単官能性モノマー、多官能性モノマー、これらの単独重合体及びこれらの共重合体からなる群より選択される一種以上である、前記発明(4)の部材である。
本発明(6)は、前記有機物が、εカプロラクタムであることを特徴とする、前記発明(5)の部材である。
本発明(7)は、前記有機物が、有機オニウムイオンであることを特徴とする、前記発明(4)の部材である。
本発明(8)は、前記有機オニウムイオンが、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、前記発明(7)の部材である。
本発明(9)は、前記物質が、発泡剤であることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの部材である。
本発明(10)は、前記発泡剤が、有機系発泡剤及び無機系発泡剤より選択される一種以上である、前記発明(9)の部材である。
本発明(11)は、前記部材が、前記物質の分解温度以上の加熱により膨張してシール材となる部材である、前記発明(1)〜(10)のいずれか一つの部材である。
本発明(12)は、前記部材が、該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上の加熱によりナトリウム抽出量が100ppm以下となる低ナトリウム溶出性シール材となる部材である、前記発明(1)〜(11)のいずか一つの部材である。
本発明(13)は、前記発明(11)の部材を、凹凸を有する狭固定空間に該物質の分解温度以下で固定配置し、該物質が分解する温度以上の環境下に配することにより形成された、該凹凸を有する狭固定空間の凹凸を埋めるシール材である。
本発明(14)は、前記シール材が、ガスケットである、前記発明(13)のシール材である。
本発明(15)は、前記発明(12)の部材を、ナトリウム溶出が問題となり得る空間に該物質の分解温度以下で固定配置し、該物質が分解する温度以上であり且つ該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上の環境下に配することにより形成された、ナトリウム抽出量が100ppm以下となる低ナトリウム溶出性シール材である。
本発明(16)は、前記低ナトリウム低溶出性シール材が、燃料電池用ガスケットである、前記発明(13)の低ナトリウム低溶出性シール材である。
本発明(17)は、前記発明(1)〜(12)のいずれか一つの部材を製造するための粘土分散液であって、前記粘土粒子及び前記物質を、水、有機溶剤又はこれらの混合溶媒に分散させることにより得られる粘土分散液である。
本発明(18)は、前記発明(17)の前記分散液を基材に塗布し、乾燥し、基材から剥離する工程を含む、前記発明(1)〜(12)のいずれか一つの部材の製造方法である。
図1(A)は、粘土粒子の積層構造を示した概念図であり、図1(B)は、粘土粒子(モンモリノナイト)の電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例1に係る粘土膜を走査型電子顕微鏡で観察した写真(断面写真)である。 図3は、実施例1に係る粘土膜のX線回折チャートである。 図4は、実施例1に係る粘土膜に使用した添加剤であるεカプロラクタムの熱重量測定(TG)結果である。 図5は、実施例1に係る粘土膜についての、未加熱、400、600、800℃の各温度域で加熱処理した膜のIR分析結果である。 図6は、実施例1に係る粘土膜が挟み込まれるフランジの写真である。 図7は、実施例1の割れ・ヒビ発生確認試験及びシール性確認試験の結果を示した写真である。 図8は、実施例1の割れ・ヒビ発生確認試験及びシール性確認試験の結果を示した写真(断面写真)である。
発明を実施するための最良形態
《部材の構成》
(構成成分)
*粘土薄膜
本発明に係る半製品における粘土膜の主要構成成分は、天然粘土及び/又は合成粘土であり、例えば、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、クリソタイル、リザーダイド、アメサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチーブンサイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、2八面体型バーミキュライト、3八面体型バーミキュライト、白雲母、パラゴナイト、イライト、セリサイト、金雲母、黒雲母、レピドライト及び層状チタン酸のうち一種以上である。これらの内、好適には、スメクタイトであるモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトである。ここで、本発明において「粘土」とは、国際土壌学会(ISSS)法にて定める粒度範囲が2μm以下の粒子であり、更に詳しくは含水酸基珪酸塩鉱物及び含水酸基層状酸化物を指す。以下、好適な粘土成分について詳述する。
層状粘土鉱物であるスメクタイトは、ケイ酸塩層のもつ負電荷が、0.3〜0.6である2:1型構造を持つ層状珪酸塩鉱物である。そのため層間結合が弱く、層間陽イオンが交換性を有し、水分子や有機分子を層間に導入しやすい。層間隔は、層間陽イオン及び層間分子の種類によって大きく変化する。スメクタイトには、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライトがあり、本発明の粘土としては、好適に使用することができる。
スメクタイトは、結晶層面にマイナスの永久層電荷を帯び、その電荷を補償するために結晶同士の間である層間には、Na、Kのようなアルカリ金属やCa2+、Mg2+のようなアルカリ土類金属の陽イオンが吸着されている。これらの陽イオンは、水分子を水和した状態で存在し、他の陽イオン、例えば有機陽イオン等と自由にイオン交換することが可能である。Na型モンモリロナイトは、Naイオンの介在によるアルミノシリケート層同士の電気的引力が弱いため、Naイオンに水分子が水和して層間に次々に水分子をインターカレートし、巨視的な体積膨張を示す。このNa+イオンのような層間イオンを溶媒に親和性の高い有機イオンに置き換えることで有機溶媒や溶融樹脂に分散できるように改質した有機化粘土を本発明で用いることもできる。改質に用いる有機物イオンとして代表的なものとして、例えば、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン等の有機オニウムイオンを挙げることができる。
ここで、本発明においてモンモリロナイト等のスメクタイトを主要構成成分とした場合、白雲母、パラゴナイト、イライト、セリサイト、金雲母、黒雲母、レピドライトなどの雲母(マイカ)を併用することが好適である。この場合、部材原料(固形分)の全体質量に対し、マイカを1〜50質量%使用することが好適である。本発明におけるマイカは、好適には水と接触すると結晶の層間に水分子を吸着して膨潤し、ついにはバラバラになって水中に分散する特徴をもった膨潤性マイカが用いられる。また、層間陽イオンを溶媒に親和性の高い有機イオンに置き換えることで有機溶媒や溶融樹脂に分散するように改質した有機化マイカを用いることもできる。マイカは、モンモリロナイト等のスメクタイトに比べて、粒子のアスペクト比が大きく、また膨潤性マイカの層電荷は、スメクタイトの層電荷0.3〜0.6より大きく、0.6〜1.0である。そのため、層間のNaイオンの介在によるアルミノシリケート層同士の電気的引力が強いため溶媒中での膨潤性がスメクタイトより乏しく、粒子の積層構造体は数十〜数百層で層厚みは数十から数百nm程度の大きさを持っており、スメクタイトより溶媒中での粒径が大きい。そのために、モンモリロナイト等のスメクタイトを主要構成成分とした場合にマイカを併用することで、本発明の半製品を得る乾燥時の溶媒除去効率をアップさせることができたり、高温領域での内部水分の除去や発生ガスの放出経路形成により、膜厚方向の発泡膨潤現象を制御することができる。マイカの添加量は乾燥工程の効率、半製品が利用される高温領域温度での発泡現象による最適なシール効果が得られるように適宜調整させる。但し、本発明の半製品全体質量の50質量%より多い場合は、主要構成成分がマイカとなってしまい、モンモリロナイト等のスメクタイトより溶媒中の分散性が乏しいために粘土膜強度の低下、且つ粒子径が大きい為に、加熱時の膜厚方向の発泡膨潤性が乏しく、本発明に好適な狭固定空間の凹凸を埋めるシール性が得られにくいので好ましくない。
*添加物質
本発明に係る部材は、主要構成成分である粘土に加えて、分解温度が100℃超であり且つ粘土粒子間あるいは/及び粘土粒子層間に該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下の温度で分解する物質を必須的に含む。ここで、分解温度が100℃超であり且つ粘土粒子間あるいは/及び粘土粒子層間に該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下の温度で分解する物質としては、有機物あるいは発泡剤を挙げることができる。以下、当該物質について詳述する。
まず、有機物としては、モノマー、ポリマー、有機オニウムイオンを挙げることができる。具体的には、モノマーやポリマーとしては、環状モノマー、炭素多重結合系モノマー、単官能性モノマー、多官能性モノマー、これらの単独重合体及びこれらの共重合体を例示でき、その中でも好適にはεカプロラクタムを挙げることができるが特に限定されるものではない。また、有機オニウムイオンとしては、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオンを例示することができる。これらの物質は通常有機オニウム塩の形で存在しており、粘土に添加される際の溶媒中でイオンとして存在するものである。
また、発泡剤としては、有機発泡剤、無機発泡剤を挙げることができる。発泡剤は、使用する温度域において、十分に分解し、発泡が可能なものであれば特に制限はなく、具体的には、有機発泡剤としては、ジニトロペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)等のアゾ系有機発泡剤、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)やヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等のヒドラジン誘導体等の有機発泡剤を挙げることができる。無機発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、水素化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記物質を添加する場合には、本発明の部材原料(固形分)の全体質量に対し、1〜30質量%の割合で使用することが好適である。添加剤の添加量が1質量%より少ない場合には、ガスケットのような用途で使用した際に十分なシール効果が得られない。すなわち、粘土粒子間あるいは/及び粘土粒子層間に存在する添加物が分解しガス化して該部材より除去される際に、粘土粒子が高度に配向しガスバリア性能が高いために、前記ガス成分の抜け道があまりなく、粘土粒子間あるいは/及び粘土層間を押し広げ、それにより配置された狭固定空間内で本発明の部材は膜厚方向に膨張して、隙間を埋めてシール効果を高めるという現象が生じにくく、本発明の効果が得られない。30質量%より多い場合には、加熱により分解するものが多くなり、本発明の部材の耐熱性が低下し、且つ密度が非常に小さくなり所望のシール効果が得られなくなる。
*他の任意成分
本発明の部材は、主要構成要素である粘土の他、他の材料(例えば、グラファイトや金属繊維)を含んでいてもよい。このような粘土と他の材料との複合化により、機械強度等の物性を適宜コントロールすることが可能となる。
(構造・形状等)
本発明に係る部材は、粘土粒子の積層を配向させた構造を有する。ここで、粘土粒子の積層を配向させるとは、粘土粒子の単位構造層(厚さ約1ナノメートル)を、層面の向きを一にして積み重ね、層面に垂直な方向に高い周期性を持たせることを意味する。図1(A)は、粘土粒子の積層構造を示した概念図であり、図1(B)は、粘土粒子(モンモリノナイト)の電子顕微鏡写真である。尚、粘土粒子のサイズとして50〜300nm、原子比としてNa=0.33が記載されているがあくまで例示である。図1から分かるように、粘土粒子は複数の層から構成されており、各層はマイナスに帯電している。そして、層間には陽イオン(ナトリウムイオン)が存在しており、全体として電気的に中和された状態にある。
また、本発明に係る部材の形状・大きさ・厚さは、用途に応じて決定されるべきものであり、特に限定されない。例えば、形状に関しては、円、楕円、リング、正方形や長方形等の方形、多角形等が挙げられる。厚さに関しては、例えば、膜厚が10μm〜1mm、好適には10〜200μmであるものが挙げられる。また、所望の厚みあるいは厚さ1mm以上の部材を得る為に、分散液の複数回塗工による積層や、接着剤や粘着剤等を用いての部材同士の張り合わせを行うこともできる。
(性質)
本発明に係る部材は、粘土粒子間又は/及び粘土粒子層間に、100℃を超え且つ該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下の温度で分解する物質を含有する粘土膜からなり、前記物質の分解温度以上でシール性能を高める効果を有する。上記温度域では、平面方向の線膨張係数が非常に小さく、耐熱性に優れている。具体的には上記温度範囲において15ppm/℃以下の平面方向の線膨張係数を有する。線膨張係数の値は、一般的な熱機械分析装置であるTMA(Thermo Mechanical Analysis)を用いて測定されたものである。具体的には、荷重49mN、昇温5.0℃/min、大気雰囲気中で測定した線膨張係数が15ppm/℃以下の値を有する。
(製造方法)
本発明に係る部材は、希薄で均一な粘土分散液を調製し、該分散液を基材上に膜状に成形した後、分散媒である液体を種々の固液分離方法、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、又は加熱蒸発法で分離し、膜状に成形した後、これを基材から剥離すること、その際に、均一な厚さで自立膜として用いるに十分な強度を得るための製造条件を採用することにより製造可能である。以下、より詳細に説明する。
まず、粘土として、天然粘土又は合成粘土あるいはそれらの混合物を用い、さらに添加物を加え、これらを水又は有機溶剤、あるいはこれらの混合溶媒に加え、希薄で均一な粘土分散液を調製する。
ここで、添加物質として、有機オニウムイオンを用いる場合、粘土層間の陽イオンとイオン交換して、粘土層間に存在させる処理である、有機化処理を行う。まず、粘土として、天然粘土又は合成粘土あるいはそれらの混合物を、水、あるいは水と有機溶媒の混合溶媒に加え均一に分散させる。そこに所定の有機オニウム塩を加えて、さらに攪拌する。この時、粘土層間中の陽イオンと有機オニウムイオンがイオン交換し、粘土層間に有機オニウムイオンが存在することにより、粘土が陽イオンによる親水性から有機オニウムイオンによる疎水性へとかわり、水あるいは有機溶媒との混合溶媒中で沈殿する。固液分離により溶媒を除去して有機化処理粘土を得て、水あるいは有機溶媒、それらの混合溶媒に前記有機化処理粘土を加えて、攪拌し、希薄で均一な粘土分散液を調製する。
粘土分散液の濃度は、好適には、液の全質量に対して0.5〜20質量パーセント、より好ましくは3〜10質量パーセントである。このとき、粘土分散液の濃度が薄すぎる場合、乾燥に時間がかかりすぎるという問題点がある。また、粘土分散液の濃度が濃すぎる場合、よく粘土が分散しないため、均一な膜ができないという問題がある。
次に、この粘土分散液を基材上に膜状に成形する。基材としては、表面が平滑なシート状基材や球形等の立体形状や窪み等の複雑形状でも良く、その材質や厚さは限定されるものではない。具体的には、各種フィルムや金属箔、金属板、その他様々なものを用いることができる。さらに、具体的には、厚さ50μm〜1mmのプラスチックシート基材を好適に用いることができる。材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等を例示することができる。また、粘土膜との剥離性向上の為に、これらのプラスチックシート表面に離けい剤処理をしたり、粘土膜との密着性や濡れ性改善の為に、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理や易接着処理を施すこともできる。
膜状に成形する方法としては、均一に塗布することができれば特に限定するものではないが、例えば、アプリケーターコーティング、バーコーティング、エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフコーティング、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スロットオリフィスコーティング、カレンダーコーティング、電着コーティング、ディップコーティング、ダイコーティング等のコーティングやフレキソ印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷手法を用いることができる。あるいは、ヘラや刷毛その他の道具を用いて気泡が入らないように、手作業で塗布し、膜状に成形することもできる。
次に、粘土分散液から溶媒を分離し、膜状に成形する。この場合、分散液である溶媒を分離することができる手段であれば特に限定されるものではないが、好適には、例えば、種々の固液分離方法、好適には、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥、加熱蒸発法の何れかあるいはこれらの方法を組み合わせて本発明の部材を得る。
これらの方法のうち、例えば、加熱蒸発法を用いる場合、真空引きあるいは脱泡処理により事前に脱気した分散液を支持フィルム上に、好ましくはPETフィルム上に、塗工による膜状に形成し、例えば60〜170℃の温度条件下で乾燥し粘土膜を得る。これらの乾燥条件は、種々の液体分を蒸発によって取り除くに十分であるように設定される。このとき、温度が低すぎると乾燥に時間がかかるという問題点がある。また、温度が高すぎると対流が起こり、粘土粒子の配向度が低下するという問題点がある為に、使用する溶媒の種類は量により適宜調整される。乾燥後は、PETフィルムより剥離して本発明の部材を得ることができる。また、PETフィルムより剥離した本発明の部材を更に加熱して溶媒を完全に除去したり、加圧して密度の調整や表面の平坦化処理としてプレスやカレンダーロール処理を施してもよい。
本発明に係る部材である粘土膜自体は、層状珪酸塩を主原料として用い、基本構成として、例えば、層厚約1nm、粒子径〜2μm、アスペクト比〜1000程度の天然又は合成の含水酸基層状珪酸塩が90重量%と、天然又は合成の低分子・高分子の添加物が10重量%の構成、が例示される。この粘土膜は、例えば、厚さ約1nmの層状結晶を同じ向きに配向させて重ねて緻密に積層することで作製される。
《部材の使用方法》
次に、本発明に係る部材の使用方法を説明する。本発明に係る部材は、添加物の分解温度以下の温度で凹凸を有する狭固定空間に固定配置され、凹凸から液体やガスの漏れを防止するためのシール材として使用される。凹凸を有する狭固定空間の例として配管のフランジ面や燃料電池の電極面などが挙げられる。本発明に係る部材は、当該粘土粒子間あるいは/及び粘土粒子層間に含有する物質の分解温度以上、場合により更には当該自立粘土膜中の構造水酸基が水として放出される温度以上の環境下に配される。ここで、「物質の分解温度」とは、温度を徐々に上げていった際に物質の質量減少が始まる温度のことであり、気化、蒸発、昇華によるガス化のことを指す。一般的な熱分析方法である熱重量測定(TG)によって測定された値を指す。但し、上記測定において100℃付近の温度までの重量減少は物質に含有や吸着する水分の蒸発による重量減少であるために、熱重量測定(TG)により得られた熱重量曲線で100℃以上の範囲における減少温度を本発明でいう熱分解温度とする。詳細には、温度に対する質量の変化割合をプロットした微分熱重量曲線(DTG曲線)のピーク温度を本発明の熱分解温度とする。また、「自立粘土薄膜中の構造水酸基が水として放出される温度」とは、一般的な分析方法である赤外分光法(IR)を用いて測定することができる。すなわち、IRより粘土中の構造水酸基に起因するピーク、具体的には構造水の伸縮振動による吸収を表す3710〜3620cm−1のピークが消失する温度を指す。以下、使用方法{部材を製品(例えばシール材)に変換する方法}を詳述する。
まず、本発明に係る部材は、粘土粒子間あるいは/及び粘土層間に含有する物質の分解温度以上の環境下に配される。ここで、含有する物質の種類により当該分解温度は異なる。本発明の部材が使用される環境及び用途により、含有する物質は適宜選択され、分解温度もかわってくる。このような環境下に本発明に係る部材が配された場合、粘土膜内部に含有する物質の分解ガスによる粘土粒子間あるいは/及び粘土層間をおし広げる機構が出現して膜厚方向に体積が膨張し、フランジ間の凹凸を埋める。そのため、耐熱性の他、高いシール性が要求される分野のガスケット用あるいはシール部材の半製品として有用である。
更には、本発明に係る部材は、当該自立粘土膜中の構造水酸基が水として放出される温度以上の環境下に配されてもよい。ここで、このような「自立粘土薄膜中の構造水酸基が水として放出される温度以上」の環境下に本発明に係る自立粘土膜が配された場合、自立粘土膜の構造破壊が生じることが知られている。しかしながら、予め部材の形態で製品に組み込み、このような環境に配された場合(例えばフランジ間に挟む形態)、自立粘土膜の構造破壊に伴う耐熱性やシール性の低下を極力防止することが可能となる。更には、当該レベルの高温に晒した場合、シリケート表面酸素原子にナトリウムイオンが結合する層間固着現象の結果、下記で詳述するようなナトリウム低溶出性能を奏するようになる。そのため、ナトリウム溶出が問題となる用途、例えば、燃料電池用のガスケットとして有用である。ここで、本発明に係る部材を使用するに際しては、製品に取り付ける前に本部材を前記温度以上に加熱し、ナトリウム低溶出性の部材とし、当該部材を製品に取り付ける手法でもよい。但し、製品に取り付ける前に部材を加熱するこの手法の場合、部材を加熱することにより得られる当該部材が硬くなってしまう結果、割れやヒビが生じ易くなる。そのため、製品に当該部材を取り付けた際にシール性が悪くなる等の、期待していた性質を満足させることが通常困難である。そこで、本部材の理想的な使用態様は、対象となる製品に本発明に係る部材を取り付けた後、当該製品を作動させる等して前記温度以上に加熱することである。これにより、当該部材の割れやヒビを効果的に防止することができ、凹凸を有する狭固定空間の凹凸を粘土膜の膨張により埋めることでシール性を担保することが可能となる。
《使用時のナトリウム低放出性部材の物性》
次に、本発明に係る部材を加熱(自立粘土膜中の構造水酸基が水として放出される温度以上)することにより形成されるナトリウム低放出性部材は、ナトリウムイオン抽出量が100ppm以下(好適には50ppm以下)である。ここで、本発明での「ナトリウムイオン抽出量」は、抽出容器に測定部材5.0g及び純水50mlを入れ密封し、121℃の乾燥機に抽出容器ごと入れて20時間放置し、その後、室温まで放冷した後、10倍希釈したものを原子吸光光度計によってナトリウムイオン量を定量した値を指す。
(実施例1)
1.部材である粘土膜の製造
粘土として、15gの天然モンモリロナイトである「クニピアG」(クニミネ工業株式会社製)と4g合成マイカである「ソマシフME−100」(コープケミカル株式会社製)、添加物として1gのεカプロラクタム(和光純薬工業社製)を330gの蒸留水に加え、エースホモジナイザー「AM−001」(株式会社日本精機製作所製)を用い5,000rpmの回転数で60分間攪拌し、均一な濃度約6%の粘土分散液を得た。この粘土分散液を、真空乾燥機内で真空に引くことで泡を除去し、PET「エンブレットS50」(ユニチカ社製)上にアプリケーターを用いて膜状に塗工し、強制送風式オーブン中で100℃の温度条件下で1時間乾燥し、PETより剥離して厚さ約40マイクロメートルの自立粘土膜を得た。
2.部材である粘土膜の物性
この粘土膜の走査型電子顕微鏡で観察した写真を図2に示す。図2より、粘土粒子が高度に配向している様子が伺える。この粘土薄膜のX線回折チャートを図3に示す。シャープな一連の底面反射ピーク(001),(002),(003),(004),(005)が観察され、粘土膜の粒子の配向がよく揃っていることが示された。
3.εカプロラクタムの分解温度の測定
次に、当該膜中に含まれるεカプロラクタムの分解温度を決定するため、TG/DTA6200,EXSTAR6000ステーション(セイコーインスツメント(株)社製)を用い、室温から800℃の温度範囲、300ml/minの空気雰囲気下、昇温5℃/minでεカプロラクタムの熱重量測定(TG)を行った(図4)。その結果、182℃で当該物質が分解することを確認した。
4.部材である粘土膜の「自立粘土膜中の構造水酸基が水として放出される温度」の決定
次に、当該膜の構造水酸基が水として放出される温度を決定するため、当該膜について未加熱(一番下の線)、400℃(下から二番目の線)、600℃(上から二番目の線)、800℃(一番上の線)の各温度域で加熱処理した膜のIR分析をおこなった(図5)。IR分析より構造水の伸縮振動による吸収を表す3622cm−1のピークを確認し、ピークが消失した加熱処理膜の加熱温度を当該膜の構造水酸基が水として放出される温度とした。その結果、600℃〜800℃の温度範囲で当該薄膜の構造水が放出されること、即ち、当該膜の粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下で当該物質が分解することを確認した。
5.部材である粘土膜の加熱後におけるナトリウム溶出量測定試験
次に、3及び4の試験結果から、当該粘土膜における「物質の分解温度」が182℃であり且つ「自立粘土薄膜中の構造水酸基が水として放出される温度」が600℃〜800℃であることを確認したので、これら温度範囲の上限である800℃で当該粘土膜を加熱した。尚、加熱条件は、昇温1時間→1時間保持→自然冷却とした。その後、抽出容器に測定部材5.0g及び純水50mlを入れ密封し、121℃の乾燥機に抽出容器ごと入れて20時間放置し、その後、室温まで放冷した後、10倍希釈したものを原子吸光光度計によってナトリウムイオン溶出量を測定した。また、比較のため、当該範囲の下限値よりも低い400℃、600℃で加熱した場合におけるナトリウム溶出量も測定した。その結果を表1に示す。この表から分かるように、加熱後におけるナトリウムイオン抽出量は、加熱前の1/10未満となり、100ppm以下であることが確認された。
6.部材である粘土膜を製品に取り付けた後に加熱することによる割れ・ヒビ発生確認試験及びシール性確認試験
半製品である粘土膜を適当な形状に切断した後、図6に示すフランジ間に挟み、面圧4MPaで締めつけ、5と同一条件で加熱した。その結果を図7に示す。図7から分かるように、加熱した後の部材(半製品の加熱により形成された部材)には、割れやヒビが発生していないことが確認できた。更には、加熱により内部に空隙が発生することで膜が膨張した結果、フランジ面の凹凸が埋まり、よりシール性が高まることも確認された。図8(A)は、低温加熱時(400℃)の膜断面構造の様子を示したものであり、図8(B)は、高温加熱時(800℃)の膜断面構造の様子を示したものである。図8(A)のように、使用した添加物であるεカプロラクタムの分解温度を超える温度で加熱した場合、粘土膜内部に含有するεカプロラクタムの分解に起因した分解ガスによる粘土粒子間あるいは/及び粘土層間をおし広げる構造が出現して膜厚方向に体積が膨張する構造が膜内に構築されることが確認された。更に、図8(B)のように、自立粘土膜中の構造水酸基が水として放出される温度で加熱した場合、構造水酸基が水として放出されることで粘土粒子間あるいは/及び粘土層間を更におし広げる構造が出現して膜厚方向に体積が膨張する構造が膜内に構築されることが確認された。
(実施例2〜3)
粘土として、天然モンモリロナイトである「クニピアG」(クニミネ工業株式会社製)、合成マイカとして「ソマシフME−100」(コープケミカル株式会社製)、添加物としてεカプロラクタム(和光純薬工業社製)の配合量を以下の表に示す割合にした以外は、実施例1と同様の方法により厚さ約40マイクロメートルの自立粘土膜を得た。
(実施例4)
粘土として、40gの天然モンモリロナイトである「クニピアG」(クニミネ工業株式会社製)を蒸留水2000gに加え、スターラーにて攪拌し分散させた後、1−エチル−3-メチルイミダゾリウム−ブロミド(EMI−Br)(日本合成化学工業社製)10g投入した。天然モンモリロナイト内のナトリウムイオンとイミダゾリウムイオンのイオン交換反応により、層間に1−エチル−2-ブチルイミダゾリウムイオンを含むモンモリロナイトが液中に析出した。この溶液を遠心分離機で固液分離し、含水率85%の層間に1−エチル−2-ブチルイミダゾリウムイオンを含むモンモリロナイト粘土ケーキを得た。この粘土ケーキ120gに分散有機溶剤であるジメチルホルムアミド(DMF)を40g添加し、エースホモジナイザー「AM−001」(株式会社日本精機製作所製)を用い5,000rpmの回転数で60分間攪拌し、蒸留水とDMFの混合溶媒中に膨潤した濃度約11%の1−エチル−2-ブチルイミダゾリウム含有モンモリロナイト分散液を得た。この粘土分散液を、真空乾燥機に内で真空に引くことで泡を除去し、PET「エンブレットS50」(ユニチカ社製)上にアプリケーターを用いて膜状に塗工し、強制送風式オーブン中で100℃の温度条件下で1時間乾燥し、PETより剥離して、更に170℃の温度条件下で1時間乾燥して、厚さ約40マイクロメートルの自立粘土膜を得た。天然モンモリロナイトである「クニピアG」と1−エチル−3-メチルイミダゾリウム(EMI)の膜中の配合比率は、元素分析計EA1108型(カルロ・エルバ社製)により炭素の元素分析を行い、その分析値より計算により配合比率を求めた結果、クニピアGとEMIの配合比率は約91:9wt%であった。
(実施例5)
添加物として「ポリビニルアルコール(ゴーセノールNH−18)」(日本合成化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により厚さ約40マイクロメーターの自立粘土膜を得た。
(実施例6)
添加物として無機発泡剤である「炭酸水素ナトリウム」(和光純薬工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、厚さ約40マイクロメーターの自立粘土膜を得た。
(実施例7)
合成マイカとして「NTS−5(固形分6%)」(トピー工業株式会社製)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、厚さ約40マイクロメーターの自立粘土膜を得た。
(比較例1)
粘土として、天然モンモリロナイトである「クニピアG」(クニミネ工業株式会社製)のみを用いて実施例1と同様の方法により厚さ約40マイクロメートルの自立粘土膜を得た。
7.部材である粘土膜を製品に取り付けた後に加熱することによるシール性確認試験(体積膨張による厚み変化)
部材である粘土膜を適当な形状に切断した後、図6に示すフランジ間に挟み、5と同一条件で加熱した(いずれの実施例についても、「3」と同様の手法により、分解温度が600℃未満であることは確認済み)。その後、その粘土膜の厚さをDIGITAL MICROMETER μ-mate(SONY社製)で厚さを測定し、フランジ間に挟む前の厚さを基準に膜厚方向に体積膨張していることを確認した。結果を表3に示す。比較例1で得た粘土だけで作製した膜は、フランジ間に挟み加熱した後、ワレやヒビが発生し、シール性能を得ることができなかった。
8.部材である粘土膜を製品に取り付けた後に加熱することによるシール性確認試験(フランジ面の凹凸シール性)
部材である粘土膜を適当な形状に切断した後、図6に示すフランジ間に挟み、5と同一条件で加熱した。その後、粘土膜表面の粗さを接触式表面粗さ計サーフコーダーSE1700α(小坂研究所社製)を用いて測定し、使用したフランジ表面の凹凸部分の表面粗さと比較し、フランジ表面の凹凸部分との表面粗さの差によって、フランジ表面の凹凸部分のシール性を確認した。結果を表4に示す。

表3及び表4より明らかなとおり、添加物が分解し、ガス化して粘土膜の厚さ方向に膨張し、フランジのすき間を埋めてシール性能を発揮していることが確認できた。更に、粘土の構造水酸基が水として放出される800℃では、更に厚さ方向の膨張が大きく、フランジ間のすき間を埋めてシールする効果が更に増していることが確認できた。

Claims (14)

  1. 粘土粒子を配向させた構造を有し、該粘土粒子間又は/及び粘土粒子層間に、100℃を超え且つ該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以下の温度で分解する物質を含有する粘土膜からなる、前記物質の分解温度以上の環境下に配される部材であって、
    前記部材が、前記物質の分解温度以上の加熱により膨張してガスケットとなるガスケット用部材。
  2. 前記分解温度以上の温度が、該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上である、請求項1記載の部材。
  3. 前記粘土粒子が、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、クリソタイル、リザーダイド、アメサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、スチーブンサイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、2八面体型バーミキュライト、3八面体型バーミキュライト、白雲母、パラゴナイト、イライト、セリサイト、金雲母、黒雲母、レピドライト及び層状チタン酸からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1又は2記載の部材。
  4. 前記物質が、有機物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の部材。
  5. 前記有機物が、環状モノマー、炭素多重結合系モノマー、単官能性モノマー、多官能性モノマー、これらの単独重合体及びこれらの共重合体からなる群より選択される一種以上である、請求項4記載の部材。
  6. 前記有機物が、εカプロラクタムであることを特徴とする、請求項5記載の部材。
  7. 前記有機物が、有機オニウムイオンであることを特徴とする、請求項4記載の部材。
  8. 前記有機オニウムイオンが、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ピリジニウムイオン及びイミダゾリウムイオンからなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項7記載の部材。
  9. 前記物質が、発泡剤であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の部材。
  10. 前記発泡剤が、有機系発泡剤及び無機系発泡剤より選択される一種以上である、請求項9記載の部材。
  11. 前記部材が、該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上の加熱によりナトリウム抽出量が100ppm以下となる低ナトリウム溶出性ガスケットとなる部材である、請求項1〜10のいずれか一項記載の部材。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項記載の部材を、凹凸を有する狭固定空間に該物質の分解温度以下で固定配置し、該物質が分解する温度以上の環境下に配することにより形成された、該凹凸を有する狭固定空間の凹凸を埋めるガスケット。
  13. 請求項11記載の部材を、ナトリウム溶出が問題となり得る空間に該物質の分解温度以下で固定配置し、該物質が分解する温度以上であり且つ該粘土粒子の構造水酸基が水として放出される温度以上の環境下に配することにより形成された、ナトリウム抽出量が100ppm以下となる低ナトリウム溶出性ガスケット。
  14. 前記低ナトリウム溶出性ガスケットが、燃料電池用ガスケットである、請求項13記載の低ナトリウム溶出性ガスケット。
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