JP4203574B2 - ヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なヒノキチオールを含む熱可塑性樹脂成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒノキチオール、すなわち4‐イソプロピル‐2‐ヒドロキシ‐2,4,6‐シクロヘプタトリエン‐1‐オンは、台湾ヒノキ油、青森産ヒバ油及びウエスタン・レッド・セダー・オイル(western red ceder oil)などの中に存在する結晶性物質であるが、現在は合成品として入手でき、化粧品、養毛剤、歯磨きなどの添加剤として用いられている。また、このヒノキチオールは、ヒノキ特有の木香を有することから香料としても注目されているほか、腸チフス菌、大腸菌、赤痢菌、ブドウ状球菌、真菌、虫歯菌などの細菌に対し、抗菌作用を有し、またガンや白血病の治療に対しても有効であることが報告されている(「フレグランス・ジャーナル」,第17巻,第2号,第74〜79ページ、「バイオロジカル・アンド・ファーマシューティカル・ビュレタン(Biol.Pharm.Bull)」,第16巻(5),第521〜523ページ)。
【0003】
しかしながら、このものは、融点が52〜53℃と低く、昇華性がある上に、各種プラスチックとの混和性を欠くため、熱可塑性樹脂中に配合して溶融成形することが困難であり、したがって所望の形状の成形品や合成繊維としてヒノキチオールのもつ望ましい性質を利用することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このように熱可塑性樹脂に配合して成形することが困難であったヒノキチオールを粘土と複合し、これを熱可塑性樹脂に任意の割合で配合し、溶融成形してヒノキチオール特有の性質が付与された成形品を製造することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ヒノキチオールを熱可塑性樹脂に配合し、加熱成形によりヒノキチオール特有の性質をそこなうことなく、ヒノキチオールの性質が付与された成形品を得る方法について鋭意研究を重ねた結果、ヒノキチオールをテトラアルキルアンモニウムイオンからなる層間支柱を有する層状粘土の層間空隙中にゲストとして導入した粉末を調製し、これを熱可塑性樹脂粉末に配合して、溶融成形することによりヒノキチオールの好ましい性質をそこなわずに、熱可塑性成形品中に含有させ得ることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、テトラアルキルアンモニウムイオンからなる層間支柱を有する層状粘土成分の層間空隙中にゲストとしてヒノキチオールを導入したのち、このようにして得たヒノキチオール−粘土複合体を、熱可塑性樹脂に対し質量比1000:1ないし1:1の割合で配合し、溶融成形することを特徴とするヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明方法で用いるヒノキチオール−粘土複合体は、層間支柱を有する層状粘土にヒノキチオールを導入したものであるが、この際の層状粘土としては、例えばモンモリロナイト、スメクタイト、ヘクトライト、サポナイト、バーミキュライト、タルク、パイロフィライト、ハイデライト、雲母などの層状構造を有する公知の粘土の中から任意に選択して用いることができる。
【0008】
このような層状粘土の層間陽イオンをテトラアルキルアンモニウムイオンと交換して、層間支柱とした状態でヒノキチオールを導入することが必要である。このテトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱とした層状粘土は、例えばテトラメチルアンモニウム塩の水溶液に原料の粘土を浸せきし、必要に応じ50〜90℃の温度に加温しながら1〜10時間かきまぜたのち、十分に水洗し、乾燥することによって調製される。このようにして、粘土1g当り0.01〜0.5gのテトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱として有する層状粘土が得られる。
【0009】
次にこのようにして得たテトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱として有する層状粘土にヒノキチオールをゲストとして導入するには2通りの方法がある。
第1の方法は、テトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱として有する層状粘土とヒノキチオールとを超臨界状態にある二酸化炭素を媒質として接触させる方法である。
【0010】
この二酸化炭素の超臨界状態は、二酸化炭素を温度35〜50℃、圧力10〜20MPa、好ましくは温度40〜45℃、圧力13〜17MPaに維持することによりもたらされる。例えば耐圧密閉容器中に二酸化炭素を導入し、いったん冷却して二酸化炭素を液化したのち、温度を徐々に上げて温度40℃、圧力14.5MPaに維持すると超臨界状態になる。このようにして得られる超臨界状態の二酸化炭素は気体のような流動性と液体に近い密度、溶解性を有している。
【0011】
超臨界状態の二酸化炭素がヒノキチオールと接触すると、ヒノキチオールは、超臨界二酸化炭素に溶解する。そして、超臨界二酸化炭素が、その低い粘性、小さい表面張力、高い拡散性により、層間支柱を有する層状粘土の微細な空隙のすみずみまで浸透するに伴い、ヒノキチオール分子もそれらの空隙に運ばれる。ヒノキチオール分子が空隙のすみずみにまで行き渡った後に、圧力を低下させると、超臨界二酸化炭素の密度が低下し、それに伴いヒノキチオールの溶解度が低下し、ヒノキチオールは空隙の各部に一様に析出し、吸着される。このようにして吸着されたヒノキチオール分子は層間に強く保持される。
【0012】
次に第2の方法は、テトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱として有する層状粘土を、貧溶媒中のヒノキチオールと接触させる方法である。
一般に溶質の溶剤に対する溶解性は、両者の溶解度パラメータの差に依存し、両者の溶解度パラメータの差が小さいほど溶質は溶剤に溶解しやすく、逆に溶解度パラメータの差が大きいほど溶解しにくくなる。
【0013】
そして、ヒノキチオールの溶解度パラメータは22.1であるので、ヒノキチオールを層状粘土中に導入するための貧溶媒としては、溶解度パラメータが15.0以下のものが好ましい。このような溶剤としては、n‐ヘキサン(溶解度パラメータ15.0)、n‐ペンタン(溶解度パラメータ14.7)、2,2‐ジメチルプロパン(溶解度パラメータ12.8)、パーフルオロシクロヘキサン(溶解度パラメータ12.5)、パーフルオロ‐n‐ヘキサン(溶解度パラメータ12.1)などが好ましい。
【0014】
これらの貧溶媒を媒質として層状粘土の層間にヒノキチオールを導入するには、例えば貧溶媒にヒノキチオールを飽和濃度まで溶解した溶液中に層状粘土を加え、1〜100時間かきまぜたのち、固形分をろ別し、減圧乾燥する。
【0015】
以上の方法により、テトラアルキルアンモニウムイオンを層間支柱とする層状粘土100質量部当り1〜15質量部のヒノキチオールを導入することができる。この導入しうる量は処理温度にあまり影響されず、10〜40℃の範囲でほとんど差異は認められない。
【0016】
このようにして得られるヒノキチオール−粘土複合体は、300℃以上の温度においても安定な状態を維持する。純粋なヒノキチオールは55℃で融解し、220℃まで熱すると、すべて蒸散するため、熱可塑性樹脂に配合したものを融解して成形することはできないが、本発明方法のようにヒノキチオール−粘土複合体を用いると、通常の圧縮成形、流し込み成形、押出成形、射出成形、発泡成形などの方法でヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品とすることができる。
【0017】
この際に用いる熱可塑性樹脂としては、特に制限はなく、汎用されている熱可塑性樹脂の中から任意に選ぶことができる。このような熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリブテン‐1、ポリメチルペンテン‐1、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、アイオノマーなどのほか、ポリイソプレン、ポリブタジエンのような熱可塑性エラストマーを挙げることができる。
【0018】
このヒノキチオール−粘土複合体は、粉末として得ることができるので、通常の無機充てん剤と同様にして熱可塑性樹脂に配合し、成形することができる。この際の配合割合としては、熱可塑性樹脂1000質量部当り1質量部ないし1000質量部、すなわち質量比で1000:1ないし1:1の範囲内で選ぶのが好ましい。これよりもヒノキチオール−粘土複合体の割合が少ないと、ヒノキチオールの特性が十分に発揮されなくなるし、またこれよりもヒノキチオール−粘土複合体の割合が多くなると、得られる成形品の機械的強度が低下し、実用性を失う。なお、ヒノキチオールの性能を十分に発揮させるためには、得られる熱可塑性樹脂成形品中のヒノキチオール含有量が0.1ないし5質量%の範囲になるように調整するのが好ましい。
【0019】
本発明方法により得られる成形品を製造する際に用いる成形用組成物には、熱可塑性樹脂とヒノキチオール−粘土複合体のほかに、所望に応じ熱可塑性樹脂に慣用されている添加剤、例えば可塑剤、安定剤、充てん剤、補強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤、高分子系改質剤などを適宜配合することができる。
本発明方法により得られる成形品は、板状、ブロック状、ロッド状、球状、細粒状、繊維状、フイルム状など任意の形状に形成することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明方法によると、従来熱可塑性樹脂に対して配合できなかったヒノキチオールを耐熱性複合体とすることにより、熱可塑性樹脂に配合してヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品とすることができ、ヒノキ臭を有し、かつ殺菌性を有するプラスチック製品を提供することができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0022】
参考例1
モンモリロナイト(クニミネ工業株式会社製,商品名「クニピア−F」)5gとテトラメチルアンモニウムクロリドとを、温度70℃のイオン交換水中に加え、24時間かきまぜたのち、遠心分離してテトラメチルアンモニウムを層間支柱としたモンモリロナイト(以下TMA−Mntと略記する)を得た。この際の遠心分離は、分離した溶液中に、硝酸銀試験によるクロリドイオンの反応が認められなくなるまで繰り返した。
次いで、回収したTMA−Mntを風乾した。乾燥後、粉砕分級して100〜150μmの範囲の画分を捕集し、さらに減圧下150℃で2時間乾燥した。
【0023】
次にヒノキチオールを所定量のn‐ヘキサンに溶解し、濃度100〜150mg/リットル(6.08×10-3M)の溶液を調製した。このようにして得たヒノキチオール溶液30mlと前記TMA−Mnt300mgをフッ素樹脂製50ml体積遠心管に入れ、密封し、25℃又は40℃において撹拌速度200rpmでかきまぜ、経時的に形成されたヒノキチオール−粘土複合体の試料を採取して、可視紫外分光光度計を用いて吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線と対比することにより、導入されたヒノキチオールの濃度を求めところ、ヒノキチオールの濃度は85mg/gであった。
【0024】
次に、前記の試料の中、25℃で24時間処理したもの及び比較のためのヒノキチオールを導入しない試料について、昇温速度10℃/分で500℃まで昇温させて示差熱分析(DTA)及び熱質量分析(TG)を行ったところ、ヒノキチオールを導入しないTMA−MntのDTA曲線上には、80℃付近に吸熱ピークが、また316〜417℃に発熱ピークが認められ、TG曲線上にも対応した温度に質量減少が認められる。吸熱変化は、100℃付近で終了していたことから、前者の吸熱は脱水に起因するものであり、また後者の発熱変化は、テトラメチルアンモニウムイオンの熱分解によるものであることが分る。
【0025】
他方、ヒノキチオール−粘土複合体のDTA曲線においては同じ2個のピークのほかに、さらに358℃に新たなピークが出現している。このピークは、ヒノキチオール−粘土複合体中のヒノキチオールの熱分解による発熱に起因するものであるが、純粋のヒノキチオールが55℃で融解し、220℃までにすべてが蒸散することからみて、このヒノキチオール−粘土複合体においては高温においても安定化していることが分る。
【0026】
次に、参考例1の中の25℃においてヒノキチオールを24時間吸着させて得たヒノキチオール−粘土複合体を、150℃で2時間減圧乾燥し、窒素吸着測定によるミクロ孔へのヒノキチオールの吸着状態を調べた。
【0027】
なお、比較のためにヒノキチオールを吸着させる前のTMA−Mntを150℃で2時間減圧乾燥したものについても同じ実験を行った。その結果、TMA−Mntの窒素吸着曲線は、相対圧0.05以下において急激な窒素吸着量の増加を示したが、これはミクロ孔への窒素の吸着に起因する。一方、ヒノキチオール−粘土複合体の窒素吸着曲線では、TMA−Mntの吸着量よりも低く、またBET表面積も187m2/gから36m2/gに低下していた。このことから、ヒノキチオールの吸着によりミクロ孔の窒素吸着が阻害されていることが分る。
【0028】
なお、X線回折法により、TMA−Mntのヒノキチオール吸着前後における層間距離に対応する001反射のd値を求めたところ、ほとんど差が認められなかった。
このことから、ヒノキチオールの吸着によってTMA−Mntの層間距離は変化しないことが分る。
【0029】
参考例2
参考例1と同様にしてTMA−Mntを調製したのち、分級処理を施し、粒径100〜150μmのフラクションと粒径100μm以下のフラクションとに分別した。
上記の100〜150μmのフラクションを用いて、初濃度3、5、8、10、15及び20mg/mlのものについてのヒノキチオールの吸着量を測定し、平衡吸着後の濃度に対してプロットした吸着等温線を作成したところ、吸着量は、対数表示に対してほぼ直線的に上昇し、平衡濃度に対して指数的な増加を示した。
【0030】
次に、上記の試料についてDTA−TG測定から得たヒノキチオールとテトラメチルアンモニウムイオンとの分解温度の変化及び脱水時及びヒノキチオールとテトラメチルアンモニウムイオンの分解時の質量変化を調べたところ、テトラメチルアンモニウムの分解温度は、ヒノキチオールの吸着量の増加によりほとんど変化しないが、ヒノキチオールの分解温度は吸着量の増加とともに若干増加することが分った。また、脱水時の質量変化は、吸着量の増加に従い、わずかに減少したが、これは有機化合物のヒノキチオールの吸着量の増加によって、水が吸着しにくくなったためである。他方、ヒノキチオールとテトラメチルアンモニウムイオンの分解による重量減少は、吸着量の増加とともに大きくなるが、この減少分はヒノキチオールの吸着量とほぼ対応している。
以上の事実により、ヒノキチオールがTMA−Mntに吸着すること及びヒノキチオールの吸着量の増加によりヒノキチオールの分解温度が上昇することが分った。
【0031】
実施例1
参考例1で得たヒノキチオール−粘土複合体(ヒノキチオール含有量1質量%)50gをポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、商品名「NEH2070」)450gに配合し、ヒノキチオール−粘土複合体含有量0.1質量%の成形用組成物を調製した。
次いで、これを260℃に加熱溶融し、卓上2軸押出機(栗本鉄工所製,「S−1ニーダー」)とTダイ(創研社製,ダイス幅250mm、口径30mm)を用い、シリンダー温度240〜270℃、アダプター温度280℃、ダイス温度280℃、回転数30rpm、樹脂圧力2.0〜2.4MPa、引取適度2.5m/分、チルロール温度40〜70℃においてTダイ成形することにより、厚さ200μm、幅130mmのフィルムを製造した。
この際の成形温度がヒノキチオールの沸点以上となるため、成形時にヒノキチオールが揮散することが懸念されたが、実際にはこのようなトラブルは全くなく、良好な成形性を示した。
このようにして得たヒノキチオール−粘土複合体含有フィルムの紫外可視吸収スペクトルを測定し、そのパターンを図1に示す。また比較のためにヒノキチオール−粘土複合体を加えないポリエチレンテレフタレートのフィルムについての紫外可視吸収スペクトルを測定し、そのパターンを図2に示す。
両者を比較すれば明らかなように、図1には図2では認められない360nm付近のヒノキチオールに由来するピークが存在する。
【0032】
実施例2
ポリエチレン粉末(融点125℃)各100gに、参考例1で得たヒノキチオール含有量0.3質量%のヒノキチオール−粘土複合体粉末100mg、200mg及び300mgずつを加え、混合したのち、200℃に加熱溶融し、シート状(10×30×1mm)にプレス成形した。
これらのシートについて、ヒノキチオールの含有割合を分析したところ、シート形成の前後において全く変化は認められなかった。他方、比較のために、純粋のヒノキチオールを用いて同様の実験を行ったところヒノキチオールの含有割合は1質量%以下に低下した。
【0033】
参考例3
直径60mmのシャーレ4個に感性ディスク用培地(日水社製「N」)を入れ、それぞれに大腸菌(Escherichia coli ATCC 25922)をスポットし、その中央に実施例2で得たポリエチレンシート及び対照用のヒノキチオール−粘土複合体を含まないポリエチレンシートを直径10mmに裁断した片を載置し、35℃で24時間培養し、それぞれの抗菌力を阻止円の直径として求めた。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
この表から分るように、複合体含有量300mgのものは、ほぼ完全に菌の発育を阻止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たヒノキチオール−粘土複合体含有フィルムの紫外可視吸収スペクトルパターン図。
【図2】 実施例1で得たヒノキチオール−粘土複合体を加えないポリエチレンテレフタレートフィルムの紫外可視吸収スペクトルパターン図。
Claims (3)
- テトラアルキルアンモニウムイオンからなる層間支柱を有する層状粘土成分の層間空隙中にゲストとしてヒノキチオールを導入したのち、このようにして得たヒノキチオール−粘土複合体を、熱可塑性樹脂に対し質量比1000:1ないし1:1の割合で配合し、溶融成形することを特徴とするヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
- テトラアルキルアンモニウムイオンがテトラメチルアンモニウムイオンである請求項1記載のヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
- 200℃以上に加熱溶融して行う請求項1又は2記載のヒノキチオール含有熱可塑性樹脂成形品の製造方法。
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