JP5704521B2 - 金属−トロポロン錯体を無機層間に担持した抗菌防カビ材料 - Google Patents

金属−トロポロン錯体を無機層間に担持した抗菌防カビ材料 Download PDF

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Description

本発明は、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料に関するものであり、更に詳しくは、無機層状化合物を主原料とし、その層間に植物生長調節機能、病害虫防除機能、雑草防除機能、抗微生物機能等の生理活性作用を有する金属−トロポロン錯体を層間に挿入、担持した新規な生理活性機能を有する抗菌防カビ材料、その製造方法及び該抗菌防カビ材料を含有する加工製品に関するものである。
本発明は、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料を提供するものであり、特に、優れた生理活性機能の持続性や保水性、耐候性及び環境親和性を有し、生活環境や医療福祉環境、植物の組織培養、農業、植林をはじめとする林業全般、植物栽培などに応用可能な新規抗菌防カビ材料を提供するものである。
ヒノキチオールをはじめとするトロポロン類化合物は、台湾檜油、青森産檜葉油及びウェスタンレッドセダーオイル等に含有する結晶性物質である。この天然由来の化合物は、現在では、合成品としても入手可能であり、例えば、抗菌防カビ剤や養毛育毛剤、アロマテラピー用芳香剤、歯磨や食品添加物等の様々な分野で広く利用されている。
しかし、このトロポロン類化合物は、融点が52−53℃と低いことと、昇華性や光分解性が高いために、上記効果を長期間持続させることが困難であった。そのため、こうした生理活性物質あるいは薬剤が徐々に供給されるように、それらを徐放性にした内服又は外用の製剤が、徐放薬、徐放錠、徐放製剤、持効性製剤等と称されて、盛んに用いられている。
これまでに、薬剤を無機層状物質と組み合わせて、徐放性、耐熱性あるいは分散性を改善する製薬に関する幾つかの手段が報告されている。トロポロン類化合物であるヒノキチオールを含む製品として、先行技術文献には、例えば、ヒノキチオール−粘土複合体を含む成形品、ヒノキチオールを含む粘土複合物、ヒノキチオールを含む殺菌剤組成物、ヒノキチオールを混合した品質保存剤(特許文献1〜4参照)や、セラミックス中の金属イオンにヒノキチオールを配位させることにより得られるセラミックス系組成物(特許文献5〜6参照)等が報告されている。
そこで、これらの手段について詳しくみてみると、例えば、層状粘土成分の層間空隙中に、ヒノキチオールをゲストとして導入させる手段(特許文献1参照)、が提案されている。しかし、これは、熱可塑性樹脂に配合して成形することが困難であったヒノキチオールを粘土と複合し、成形品としたものに過ぎない。
また、例えば、ヒノキチオールを油溶性抗菌防黴剤として含む粘土複合物(特許文献2参照)、ヒノキチオールを含む殺菌剤組成物(特許文献3参照)、ヒノキチオールとニンニク成分や唐辛子成分を含む品質保存剤(特許文献4参照)、が提案されている。しかし、これらは、上記生理活性物質を混合するのみであり、徐放性について考慮されておらず、これらの成分を無機層状化合物の層間に導入するものではない。
また、セラミックス中に含まれるカルシウムイオン又はマグネシウムイオンにヒノキチオールを配位させて得られるセラミックス系組成物(特許文献5参照)、が提案されている。しかし、得られたヒノキチオール包接セラミックスは、セラミックスであるトバモライト、ゾノトライト等の層間にヒノキチオールを取り込んだという相互関係が明らかとされておらず、また、組成物のヒノキチオール含有率が数%程度と極めて低い。
更に、セラミックス中のカルシウムイオン又はマグネシウムイオンを他の金属イオンと交換し、導入された金属イオンにヒノキチオールを配位させて得られるヒノキチオール包接セラミックス(特許文献6参照)、が提案されている。しかし、これも、同様に、セラミックスである粘土鉱物の層間にヒノキチオールが挿入されたことを示す明確な実証はなされておらず、導入されたとされる金属イオン及びヒノキチオールの含有率も数%程度であり、積極的に粘土鉱物層間に生理活性物質を挿入するものではない。
また、金属イオンと粘土鉱物を複合化させることにより得られる抗菌性消臭剤(特許文献7参照)、が提案されているが、これは、金属イオン溶液を粘土鉱物に噴霧して添着させるのみであり、層間担持や徐放性については特に考慮されていない。更に、粘土鉱物と有機系塩基性物質の複合体にヒノキチオールやフラボノイド類を担持させて得られる抗菌防カビ剤(特許文献8参照)、が提案されているが、これは、油溶性であるヒノキチオールやフラボノイド類を、塩基性物質で複合化して親油性を賦与した粘土鉱物複合体に混練する手段を採用しており、抗菌防カビ剤の積極的な粘土層間への固定化を行うものではない。
特開2004−18661号公報 特開2003−104719号公報 特開平10−265408号公報 特開平10−210958号公報 特開平11−21201号公報 特開平11−71215号公報 特開2005−176673号公報 特開2003−104719号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、有効成分の長期持続性、徐放性、耐熱性及び耐候性を兼備した機能性材料を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、層状粘土鉱物の層間に、生理活性機能を有するトロポロン化合物と、抗菌防カビ機能を有する金属イオンからなる有機金属錯体を層間挿入し、その層間からの有機金属錯体の放出量を制御することで、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、低コストでかつ安全に、目的に応じた機能を賦与させることを可能とする、生理活性機能を有する抗菌防カビ材料の製造方法、該方法で製造される、生理活性機能の優れた持続性あるいは生理活性物質の徐放性とともに、耐熱性、耐候性、保水性、環境親和性を有する新規抗菌防カビ材料、及びそれを用いた加工製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)トロポロン化合物と抗菌性金属カチオンを錯体化した金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に担持してその生理活性機能の徐放性を向上させた抗菌防カビ材料であって、
上記金属−トロポロン錯体が、金属カチオンに有機配位子のトロポロン化合物を配位させた、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体からなり、かつ、上記有機配位子のトロポロン化合物がヒノキチオールであり、上記無機層状化合物が、層間に交換性陽イオンを有するスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性雲母のいずれか1種からなり、その陽イオン交換容量(CEC)はCEC=30〜400ミリ等量/100gの範囲であり、かつ脱イオン水あるいは有機溶媒により膨潤させたものであり、
この無機層状化合物の層間に上記トロポロン化合物が該層間に存在する交換性陽イオンとの交換反応により金属−トロポロン錯体の形で挿入、担持されていて、粉末X線回折による(001)回折線から計算される基底面間隔値が反応前の無機層状化合物の基底面間隔値より拡大し、かつ層構造に起因する(003)回折線を示し、温度250℃までの熱処理(空気中、昇温速度10℃/分、保持1時間)で抗菌効果を示すことを特徴とする、金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
(2)生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を形成する金属カチオンが、Cu、Zn、Ni及びAlあるいは遷移金属群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンである、前記(1)に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
)スメクタイト族粘土鉱物が、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、あるいはスティーブンサイトであり、膨潤性雲母が、雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母である、前記(1)に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
)前記(1)から()のいずれかに記載の金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に担持させてその生理活性機能の徐放性を向上させた抗菌防カビ材料を製造する方法であって、
記無機層状化合物として、層間に交換性陽イオンを有するスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性雲母のいずれか1種であり、その陽イオン交換容量(CEC)がCEC=30〜400ミリ等量/100gの範囲のものを使用し、かつ脱イオン水あるいは有機溶媒により膨潤させ、
上記金属−トロポロン錯体として、金属カチオンに有機配位子のトロポロン化合物を配位させた金属−トロポロン錯体を使用し、かつ、上記有機配位子のトロポロン化合物として、ヒノキチオールを用いて、
上記無機層状化合物と、上記金属−トロポロン錯体を、有機溶媒の存在下で混合撹拌し、かつ5〜90℃に加熱して、上記無機層状化合物の層間に存在する交換性陽イオンと、上記金属−トロポロン錯体との交換反応を進行させることにより、の無機層状化合物の層間に上記トロポロン化合物を金属−トロポロン錯体の形で挿入、担持させ、粉末X線回折による(001)回折線から計算される基底面間隔値が反応前の無機層状化合物の基底面間隔値より拡大し、かつ層構造に起因する(003)回折線を示し、温度250℃までの熱処理(空気中、昇温速度10℃/分、保持1時間)で抗菌効果を示す抗菌防カビ材料を合成することを特徴とする、金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
()生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を形成する金属カチオンが、Cu、Zn、Ni及びAlあるいは遷移金属群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンである、前記()に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
)スメクタイト族粘土鉱物が、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、あるいはスティーブンサイトであり、膨潤性雲母が、雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母である、前記()に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
)前記(1)から()のいずれかに記載の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料を有効成分として含有し、製剤加工されていることを特徴とする加工製品。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明の生理活性機能を有する抗菌防カビ材料は、特に、主原料として、無機層状化合物、特に、層状粘土鉱物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、又は天然もしくは合成の膨潤性雲母である雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母等を用いている。本発明は、この無機層状化合物の層間に、Cu、Zn、Ni及びAl等あるいは遷移金属群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンと、トロポロン化合物で形成された金属−トロポロン錯体を層間に挿入、担持したことを特徴としている。
本発明は、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に挿入、担持することにより、その層間からの金属−トロポロン錯体の放出量を制御することを可能とし、本発明は、無機層状化合物の層間と金属−トロポロン錯体の静電的な相互作用により、抗菌防カビ機能の優れた持続性あるいは抗菌防カビ物質の徐放性を有するとともに、耐熱性、耐候性、保水性、環境親和性を有する新規抗菌防カビ材料、及びそれを用いた加工製品を製造し、提供することを可能とするものである。
本発明の主原料の無機層状化合物について詳しく説明する。粘土鉱物は、無機結晶物質であり、組成や構造によって様々な種類が存在するが、その基本構造は、どれも類似している。ここでは、これらの粘土鉱物の構造について説明する。粘土鉱物は、一部の例外を除いて全て層状構造を有している。層状構造とは、無機結晶層が多数積み重なった積層構造である。
例えば、ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトを代表例として説明すると、モンモリロナイトは、層状ケイ酸塩鉱物の1種であるスメクタイト族に分類される粘土鉱物である。ケイ酸塩鉱物の結晶構造は、イオン半径の大きい酸素原子の数と配置により決まる。ケイ酸塩鉱物の基本構造は、1個のケイ酸原子を中心とした四面体の各頂点に酸素原子を有する正四面体である。大部分のケイ酸塩鉱物は、この正四面体の3個の原子を隣接した各々の四面体と共有することにより、1次元的な六角網目状の層を形成している。
この四面体層の他に、O2−やOHなどの陰イオンが八面体の各頂点に各々1個ずつ位置し、その中心にAl3+、Mg2+などの陽イオンが存在し、各頂点の陰イオンが隣接した八面体同士を結びつけ、二次元的な網状をなす八面体層がある。これは、Mg、Alなどの原子を中心とし、酸素原子が六配位している八面体と、その八面体が稜共有(酸素原子と酸素原子を結んだ辺を共有している)によって二次元的な網目状を形成している八面体層である。
これらの四面体層と八面体層との結びつきは、各層が1枚ずつの二層構造(1:1型)、二枚の四面体層の間に八面体層が挟まった構造(2:1型)、2:1型の層間域に八面体層が位置する構造(2:1:1型)、等があり、四面体層と八面体層の様々な組み合わせ方で、一組の単位層を形成している。
モンモリロナイトの結晶構造は、ケイ酸四面体層−アルミナ八面体層−ケイ酸四面体層の3層が積み重なっており(2:1型)、その単位層は、厚さ約10Å(1nm)、広がり0.1〜1μmという極めて薄い板状になっている。アルミナ八面体層の中心原子であるAl3+の1部がMg2+に置換されることで陽電荷不足となり、各結晶層自体は負に帯電しているが、結晶層間にNa、K、Ca2+、Mg2+等の陽イオンを挟むことで電荷不足を中和し、モンモリロナイトは安定状態となる。
そのため、モンモリロナイトは、結晶層が何層も重なり合った状態で存在しており、層と層の間には、陽イオンと空隙が存在している。層表面の負電荷及び層間陽イオンが様々な作用を起こすことによって、モンモリロナイトの特異的性質は発揮される。モンモリロナイト単位層表面の負電荷と層間陽イオンとの結合力は弱いため、他のイオンを含む溶液と接触すると、層間陽イオンと液中の陽イオンは瞬間的に交換反応を起こし、陽イオン交換反応が生じる。
水中に放出された陽イオンの量を測定すれば、モンモリロナイトの反応関与電荷量(陽イオン交換容量:CEC)を知ることができる。陽イオン交換容量は、溶液のpHや濃度によって変わり、モンモリロナイトは、pH6以上になると陽イオン交換容量が増加することが知られている。モンモリロナイトは、層状構造を成しているため、極めて大きな表面積を有している。その表面上において、層表面の酸素原子や水酸基との水素結合、層間において、層間負電荷や層間陽イオンとの静電気的結合等が生じ、吸着能を発揮し、それは、特に極性分子に対して作用しやすい。
本発明において、無機層状化合物とは、層間に交換性陽イオンを有する層状ケイ酸塩鉱物を意味する。層状ケイ酸塩としては、特に限定されないが、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スティーブンサイト等のスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、又は膨潤性雲母である雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母等が挙げられる。層状ケイ酸塩及び膨潤性雲母は、天然物でも合成物であっても良く、これらの1種又は2種以上を併用して用いることも適宜可能である。
このような層状ケイ酸塩の中でも、スメクタイト族のモンモリロナイト及び膨潤性雲母が好ましい。上記層状ケイ酸塩及び膨潤性雲母は、水と接触すると、水を吸着して膨らむ(膨潤する)作用があり、これは、層間陽イオンと水分子との相互作用によって生じる。上記層状ケイ酸塩及び膨潤性雲母の単位層表面の負電荷と層間陽イオンとの結合力は、層間陽イオンと水分子の相互作用エネルギーより弱いため、層間陽イオンが水分子を引き寄せる力により層間が押し広げられる。この層間陽イオンと水分子の相互作用により層間挿入反応が容易に進行しやすくなる。
三次元結晶層が負電荷を帯びているモンモリロナイトに代表されるスメクタイト族粘土鉱物や膨潤性雲母等は、イオン交換性、膨潤性、有機あるいは無機複合体形成能等の化学的活性が顕著であり、これらの交換反応が自然界の物質循環に果たす役割は大きく、また、粘土鉱物や膨潤性雲母の工業的利用面でもイオン交換能は直接的間接的に用いられている。粘土鉱物や膨潤性雲母と様々な物質との複合体の形成は、極性分子の吸着や、イオン交換能等を含めた粘土層内表面による吸着現象である。代表的な複合体は粘土と各種の有機化合物との複合体であり、スメクタイト族粘土鉱物や膨潤性雲母等の利用をはじめ、自然現象の解釈等にも広く利用されている。すなわち、モンモリロナイト以外の、イオン交換能を有するスメクタイト族粘土鉱物や、イオン交換能を有する膨潤性雲母等を本発明に用いた場合でも、本発明による金属−トロポロン錯体を無機層間に担持した抗菌防カビ材料を、イオン交換反応を用いて形成し得ることは可能であり、それらは同様に実施が可能である。
層状ケイ酸塩の層間に存在する交換性陽イオンとは、結晶表面上のナトリウム、カルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カチオン性物質に対してイオン交換性を有するので、カチオン性を有する種々の物質を層状ケイ酸塩の層間に挿入することができる。層状ケイ酸塩の陽イオン交換容量(CEC)は、特に限定されないが、CEC=30〜400ミリ等量/100gであることが好ましい。
30ミリ等量/100g未満であると、陽イオン交換によって結晶層間に挿入できる生理活性物質の量が少なくなるので、生理活性機能の発現と持続性が充分に発揮できない可能性がある。一方、400ミリ等量/100gを超えると、層状ケイ酸塩の層間の結合力が強固となり、抗菌防カビ物質の層間挿入が困難になることがある。
無機層状化合物は、市販されているものを使用することができ、市販されているスメクタイト系層状ケイ酸塩としては、例えば、「クニピアシリーズ」、「スメクトンシリーズ」(クニミネ工業株式会社)や、市販されている膨潤性マイカやスメクタイト系層状ケイ酸塩としては、例えば、「TNシリーズ」、「TSシリーズ」、「NHTシリーズ」(トピー工業株式会社)、「ルーセンタイトシリーズ」「ミクロマイカシリーズ」「ソマシフシリーズ」(コープケミカル株式会社)等を挙げることができる。いずれの市販品も、結晶構造、陽イオン交換容量や比表面積等その性質に応じて種々のグレードがあるが、本発明では、いずれも用いることができる。
本発明において、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体については、錯体を形成する有機配位子であるトロポロン系化合物として、例えば、ヒノキチオール、β−ドラブリン、α−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン及び4−アセチルトロポロン等が例示される。錯体を形成する中心金属としては、Cu、Zn、Ni及びAl等あるいは遷移金属の群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンが例示される。
本発明において、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体は、無機層状化合物の層間に物理的あるいは静電的に保持されている。すなわち、無機層状化合物の層間は、一般には、陽イオンが静電的に保持されているが、本発明においては、層間に生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体が保持されている。
本発明の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間に取り込んだ抗菌防カビ材料を製造するには、例えば、次のような方法によることができる。先ず、無機層状化合物を任意の重量分計量する。これに脱イオン水を適量添加し、充分に撹拌を行い、無機層状化合物の重量濃度が0.1〜10wt%程度となる無機層状化合物懸濁液を調製する。次に、使用する無機層状化合物の陽イオン交換容量に対し、0.1〜3倍量分の脱イオン水あるいは有機溶媒の金属塩溶液を調製する。
一方で、この陽イオン交換容量当量に対し、0.3〜9倍量分のトロポロン化合物を秤量し、脱イオン水あるいは有機溶媒に溶解し、トロポロン化合物溶液を得る。この時使用する有機溶媒は、金属塩あるいはトロポロン化合物が溶解すれば良く、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びアセトン等が使用できる。次に、金属塩溶液とトロポロン化合物溶液を充分に混合撹拌し、金属−トロポロン錯体を得る。必要であれば、加熱により、錯体形成反応を促進しても良い。
合成された金属−トロポロン錯体は、使用する金属溶液や溶媒の種類により、溶液状態あるいは懸濁液状態として得ることができる。この金属−トロポロン錯体をあらかじめ分散させておいた無機層状化合物懸濁液中に投入し、撹拌しながら陽イオン交換反応を行うことで、金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に挿入する。交換反応速度は、混合した上記懸濁液を加熱することで、早めることができる。反応は、懸濁液温度が5℃付近からでも進行するが、5〜90℃付近までの加熱を行い、交換反応を円滑に進行させることが望ましい。反応時間は、設定した温度条件によって変化するが、0.5〜72時間程度が適当である。
使用する中心金属イオンや有機配位子の種類によって、最適反応温度や反応時間は勿論異なる。加熱反応中には、反応系の水分が蒸発しないように、反応容器上部に水冷の冷却管を装備するのが好ましい。反応終了後、固液を分離洗浄して金属−トロポロン錯体を層間に取り込んだ抗菌防カビ材料を得ることができる。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、凍結乾燥、噴霧乾燥あるいは加熱乾燥等が挙げられる。更に、金属−トロポロン錯体を層間に取り込んだ抗菌防カビ材料懸濁液を平面に展開・乾燥し、キャスト膜として得ることもできる。
本発明の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間に担持した抗菌防カビ材料は、そのままでの使用も勿論可能であるが、軟膏剤、クリーム剤、乳剤、ペレット等の、散布又は塗布に適した形態に製剤加工することができる。これらの加工製品を製造する方法は、特に限定されず、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間に担持した抗菌防カビ材料を油性基剤中に混合溶解する方法や、一般に用いられる方法により適宜製造することができる。
本発明の生理活性機能を有する抗菌防カビ材料は、無機層間に生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体がイオン化して存在している。そのため、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体の系外への徐放速度を制御できるため、抗菌防カビ効果の持続性が極めて高い。目的や使用環境に応じて、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間に担持した抗菌防カビ材料と、他の有機あるいは無機材料と混合して成形体を形成して使用することも可能である。
本発明の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間に担持した抗菌防カビ材料は、無機層間に金属−トロポロン錯体が、静電的に固定化されて存在している。そのため、本発明の抗菌防カビ材料の合成に使用する無機層状化合物を、陽イオン交換容量や結晶構造、比表面積等から適宜選択して、層の荷電量と電荷分布割合を考慮することにより、層間内における生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体の保有量や、層間内における生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体の保持力を制御することができる。
すなわち、上記因子を選択、制御することで、生理活性作用を有する金属−トロポロン錯体が徐々に放たれて行く徐放速度を制御することが可能であるから、生理活性効果の程度及び持続性を制御することができ、また、持続性を極めて長くすることもできる。目的や使用環境に応じて、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料と、他の有機あるいは無機材料と混合して成形体を形成して使用することも可能である。
従来、層間支柱を有する層状粘土成分と、その層間空隙中にゲストとしてヒノキチオールを導入したヒノキチオール−粘土複合体や、塩基交換能を有する膨潤性粘土に抗菌防黴剤及び塩基性物質を含有させた粘土複合物、ヒノキチオール等の殺菌剤と水膨潤性粘土鉱物との複合体、セラミックス中に含まれるカルシウムイオン又はマグネシウムイオンにヒノキチオールを配位、包接させたセラミックス系組成物等が提案されている。しかし、それらは、ヒノキチオール単体を粘土ないしセラミックスに混合又は配位させたものであり、その徐放効果は限られたものであり、高い徐放性を付与することは困難であった。
これに対して、本発明は、主原料として、層間に交換性陽イオンを有し、所定の陽イオン交換容量(CEC)を有する無機層状化合物を用いること、無機層状化合物の層間に生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を挿入して、そのカチオン交換性を利用してこの無機層状化合物の層間に存在する交換性陽イオンと、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を交換すること、それにより、トロポロン化合物を金属−トロポロン錯体の形で層間に担持させること、が重要であり、それにより、金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に安定に担持させて、著しく徐放性を向上させた有機無機複合材料を合成することを実現可能としたものである。
本発明は、天然由来成分のトロポロン化合物と抗菌性金属イオンを錯体化し、静電的に粘土層間に固定化する技術と、高効率の生理活性効果確認技術を確立した点において新規である。これまでのトロポロン化合物に関する既報特許のほとんどは、当該化合物の無機多孔質担体表面への物理的な吸着あるいは単純な混練手段を採用するに留まり、化学的手法による層間担持や徐放性制御について考慮されていない。生理活性物質は、この陽イオン交換反応を利用することで粘土層間に固定化されるため、生理活性機能の制御された持続性(生理活性物質の徐放性)と共に、耐熱・耐候・環境親和性の向上や、他構造部材との複合化による加工製品への展開等が達成される。
この粘土鉱物の層間内に金属−トロポロン錯体を担持した試剤は、トロポロン化合物の生理活性機能のみならず、金属イオン由来の生理活性機能をも同時に発現させることができるため、トロポロン化合物と結合させる金属イオンを適宜選択することで、抗菌能力や防カビ能力を自在に制御することが可能となる。更に、粘土鉱物層間内に陽イオン交換反応により担持できる金属錯体含有量を変化させることが可能であるため、使用目的に応じた試剤の材料設計が可能となる。すなわち、使用環境中において問題視されていた生理活性成分の残効性、徐放性を改善し、必要とされる活性成分の施用量を制御し、かつ天候や利用形態等の外因性の環境変化に対して安定な活性を実現可能となるため、生活、環境、農業及び医療福祉等の広範囲の分野での応用が期待される。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した新規抗菌防カビ材料、及びそれを用いた加工製品を提供することができる。
(2)本発明の抗菌防カビ材料は、優れた生理活性機能、例えば、病害虫防除機能、雑草防除機能、抗微生物機能等の持続性や保水性、耐候性及び環境親和性を有し、生活環境や医療福祉環境、植物の組織培養、農業、植林をはじめとする林業全般、植物栽培などに応用可能である。
(3)本発明の抗菌防カビ材料の層間では、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体が、ナノメートルオーダーで均一に分散しているため、抗菌防カビ材料を培地表面あるいは田畑などに使用する場合でも、均一に散布又は塗布し、培地あるいは土などと均一に混合できるので、植物生長調節機能、病害虫防除機能、雑草防除機能、抗微生物機能等の生理活性作用を有効に及ぼすことができる。
(4)本発明の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料は、そのままでの使用も勿論可能であるが、活性機能を有する有機物や金属イオン、有機金属錯体の徐放速度を制御できるため、抗菌防カビ効果の持続性が極めて高く、例えば、任意の形態に製剤加工した加工製品とすることもできる。
(5)低コストでかつ安全に、目的に応じた機能を賦与させた加工製品とすることができる。
(6)加工製品を製造する方法は、特に限定されず、生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を油性基剤中に混合溶解する方法や、一般に用いられている方法により製造することができる。
(7)加工製品は、使用環境に応じた合目的な設計が可能であるため、広範な産業分野での利用が可能となる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の製造
モンモリロナイト粉末((株)クニミネ工業製、クニピアF)を丸底フラスコ中に所定量秤量し、脱イオン水を適量添加した後、充分に撹拌して、1〜2wt%のモンモリロナイトゾルを調製した。一方、陽イオン交換容量(CEC)当量の塩化銅2水和物水溶液と、CECに対して2倍量のヒノキチオール(C1012)エタノール溶液を混合撹拌して、黄緑色の銅−ヒノキチオール錯体を得た。
この錯体を、あらかじめ調製しておいたモンモリロナイトゾルに添加し、40℃で撹拌しながら48時間保持して交換反応を行った。反応終了後、得られた生成物を脱イオン水により洗浄した後、40℃電気乾燥機中で乾燥させ、粉末状の銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を得た。
(2)銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の確認試験
得られた銅−ヒノキチオール/粘土複合体は、原料モンモリロナイトよりも疎水性が高く、有機金属錯体の層間挿入が行われたことが示唆された。図1に、得られた銅−ヒノキチオール錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の粉末X線回折の結果を示す。この抗菌防カビ材料の粉末X線回折の結果より、低角度側に2.28nmの(001)回折線が確認された。この時の層間内間隔は1.32nm程度であり、この層間距離は、銅−ヒノキチオール錯体が、銅を中心としてその周囲を包囲する配位子である2分子のヒノキチオールの七員環が、層平面に対して縦に直立している距離にほぼ相当する。
更にまた、低角度側に1.31nmの回折線が確認されるが、これは、銅−ヒノキチオール錯体が層間内で平行に配列している距離にほぼ等しい。この系においては、銅−ヒノキチオール錯体は、2種類の立体配置でモンモリロナイトの層間に存在していることが判る。また、この防菌防カビ材料の炭素含有率を測定した結果、銅−ヒノキチオール錯体は、陽イオン交換容量に対して80%以上の含有率で層間内に存在していることが明らかとなった。これらのことより、銅−ヒノキチオール錯体は、モンモリロナイトの層間に確実に担持されたことが判明した。
比較のために、対照試料として図1に示した、無機層間にNaのみを担持した原料モンモリロナイトの粉末X線回折の結果より、モンモリロナイトの回折図形からは、粘土鉱物特有の回折ピークが多数確認された。基底面間隔とそれに起因する(00l)の回折線と(0kl)回折線が確認され、(001)回折線から計算された基底面間隔値は水一分子層を含む1.24nmであった。層間内の水分子のサイズを考慮すると、粘土層一層の厚さは0.96nm程度となることが判った。
(アルミニウム−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の製造)
モンモリロナイト粉末((株)クニミネ工業製、クニピアF)を丸底フラスコ中に所定量秤量し、脱イオン水を適量添加した後、充分に撹拌して、1〜2wt%のモンモリロナイトゾルを調製した。一方、陽イオン交換容量(CEC)当量の塩化アルミニウム6水和物水溶液と、CECに対して3倍量のヒノキチオール(C1012)エタノール溶液を混合撹拌して、白色のアルミニウム−ヒノキチオール錯体を得た。
この錯体を、あらかじめ調製しておいたモンモリロナイトゾルに添加し、40℃で撹拌しながら48時間保持して交換反応を行った。反応終了後、得られた生成物を脱イオン水により洗浄した後、40℃電気乾燥機中で乾燥させ、粉末状のアルミニウム−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を得た。
(亜鉛−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の製造)
モンモリロナイト粉末((株)クニミネ工業製、クニピアF)を丸底フラスコ中に所定量秤量し、脱イオン水を適量添加した後、充分に撹拌して、1〜2wt%のモンモリロナイトゾルを調製した。一方、陽イオン交換容量(CEC)当量の硝酸亜鉛6水和物水溶液と、CECに対して2倍量のヒノキチオール(C1012)エタノール溶液を混合撹拌して、亜鉛−ヒノキチオール錯体を得た。
この錯体を、あらかじめ調製しておいたモンモリロナイトゾルに添加し、40℃で撹拌しながら48時間保持して交換反応を行った。反応終了後、得られた生成物を脱イオン水により洗浄した後、40℃電気乾燥機中で乾燥させ、粉末状の亜鉛−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を得た。
(1)ニッケル−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の製造
モンモリロナイト粉末((株)クニミネ工業製、クニピアF)を丸底フラスコ中に所定量秤量し、脱イオン水を適量添加した後、充分に撹拌して、1〜2wt%のモンモリロナイトゾルを調製した。一方、陽イオン交換容量(CEC)当量の硝酸ニッケル6水和物水溶液と、CECに対して3倍量のヒノキチオール(C1012)エタノール溶液を混合撹拌して、黄色のニッケル−ヒノキチオール錯体を得た。
この錯体を、あらかじめ調製しておいたモンモリロナイトゾルに添加し、40℃で撹拌しながら48時間保持して交換反応を行った。反応終了後、得られた生成物を脱イオン水により洗浄した後、40℃電気乾燥機中で乾燥させ、粉末状のニッケル−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を得た。
(2)実施例2、3及び4のアルミニウム、亜鉛及びニッケル−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の確認試験
上記実施例2、3及び4のアルミニウム、亜鉛及びニッケル−ヒノキチオール錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の粉末X線回折を行った。図2に、その結果を示す。粉末X線回折の結果より、モンモリロナイトの基底面間隔値は、層間のナトリウムイオンに水分子が配位した水分子1層分にほぼ相当する1.24nmであり、(00l)と(hk0)回折線が確認された。
上記金属−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイト懸濁液に投入すると、凝集塩効果による相分離が観察されたことにより、層間挿入反応が生じたことが示唆された。アルミニウム−ヒノキチオール錯体を挿入した試料は、層間距離が1.59nmにまで拡大した。この時の層間内距離は0.63nmであり、ヒノキチオールの7員環が層内に対して平行に2層配列した距離にほぼ等しい。また、長周期構造に起因する(003)回折線と原料モンモリロナイトの(hk0)回折線も確認された。
亜鉛−ヒノキチオール錯体を挿入した試料についても、同様の挙動が確認され、基底面間隔値は1.52nmであった。ニッケル−ヒノキチオール錯体を反応させた系では、基底面間隔値が1.51nmとなり、層構造に起因する(003)と(005)回折線も確認された。
合成された複合体の基底面間隔値は、いずれも1.5nm程度であり、使用した遷移金属イオンの水和半径は、およそ水2分子に相当することを考えると、配位子が層間に対して(屈曲しながら)平行に配列した距離とほぼ等しい。この基底面間隔値は、金属錯体との反応前のモンモリロナイトの基底面間隔値である0.96nmと比較して、明らかに拡大しているため、これらの金属錯体が、モンモリロナイトの層間に挿入されたことが判明した。
[銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の抗菌試験(その1)]
抗菌試験は、供試菌として、Escherichia coli NBRC3972(大腸菌)、Staphylococcus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)を用いて、最小発育阻止濃度試験を行った。その概略は、以下の通りである。供試菌株としては、10wt%スキムミルク培地に−80℃で凍結保存していた原菌株を融解して、普通寒天平板に復元した後、2代継代移植したものを供試した。培地には、ミューラーヒントンブイヨン培地に、塩化カルシウム(終濃度10mg/mL)と塩化マグネシウム(終濃度10mg/ml)を添加した、カチオン添加ミューラーヒントンブイヨン培地(CSMHB培地)を使用した。
10mlのL字型試験管を用いて、CSMHB培地9mlに対して、滅菌蒸留水を用いて測定試料の最終濃度が1600〜25ppmとなるように試験用希釈系列を作成した。これらの試験用希釈系列に、1.0〜5.0×10CFU/mlに調製した接種用菌液0.1mlをそれぞれ接種し、振盪数100〜200rpmで水平振盪を行いながら、35〜37℃で24時間程度の培養を行った。培養後、肉眼観察により試験菌の発育の有無を調べ、発育が認められない試料の最低濃度を最小発育阻止濃度とした。それぞれの結果を表1に示した。
Figure 0005704521
表1から明らかなように、銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料は、大腸菌と黄色ブドウ状球菌に対して、最小発育阻止濃度がそれぞれ400ppmの明確な抗菌効果を示すことが明らかとなった。
[銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の抗菌試験(その2)]
抗菌試験は、供試菌として、Phytophthora nicotianae var. parasitica(イチゴ疫病菌)、Glomerella cingulata(イチゴ炭疽病菌)を用いて、菌糸伸長抑制率測定試験を行い、菌糸伸長に対する影響を検討した。イチゴ疫病菌には、佐賀県農業試験研究センターから分譲されたPY2102を使用した。培地には、V8ジュース寒天培地を用いて、23℃で5〜10日間培養した菌叢を直径5mmのコルクボーラーで打ち抜き、測定試料の希釈系列が1000ppmとなるように平面培地に置床し、23℃で培養した。
培養5日後に菌叢生育の有無及び伸長を測定し、菌糸伸長抑制率を算出した。イチゴ炭疽病菌には、佐賀県農業試験研究センターから分譲された96C−1を使用した。培地にはPDA培地を用いて、28℃で5〜10日間培養した菌叢を直径5mmのコルクボーラーで打ち抜き、測定試料の希釈系列が1000、100ppmとなるように平面培地に置床し、28℃で培養した。培養3〜4日後に菌叢生育の有無及び伸長を測定し、菌糸伸長抑制率を算出した。それぞれの結果を表2及び表3に示した。
Figure 0005704521
Figure 0005704521
表2及び表3から明らかなように、銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料は、1000ppmの濃度でイチゴ疫病菌とイチゴ炭疽病菌の菌糸伸長を91.7%及び92.8%阻止することができ、明確な抗菌効果を示すことが確認された。
(銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の防カビ試験)
防カビ試験は、供試菌として、Aspergillus niger NBRC6341、Penicillium citrinum NBRC6352、Aureobasidium pullulans NBRC6353及びRhizopus oryzae NBRC31005の4種類を用いて、マイクロプレート法による最小発育阻止濃度試験を行った。その概略は、以下の通りである。
PDA斜面培地を用いて、25℃、7〜10日間前培養し、胞子濃度が10cell/mlの胞子懸濁液を作成した。更に、100倍希釈し、胞子濃度を10cell/mlに調整した後、RPMI培地に溶液を置換した。測定試料濃度が1000及び100ppmでのスクリーニング試験を通過した場合のみ、下記の最小発育阻止濃度試験を行った。最小発育阻止濃度試験は、測定試料の最終試験用希釈系列が100〜1.56ppmとなるように測定試料の入れてあるマイクロプレートのウェルに胞子懸濁液接種し、25℃で4日間培養した。培養後、肉眼的に菌糸の発育を認めなかった最小濃度を最小発育阻止濃度とした。それぞれの結果を表4に示した。
Figure 0005704521
表4から明らかなように、銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料は、4種類のカビ類に対して最小発育阻止濃度がそれぞれ100及び50ppmの明確な防カビ効果を示すことが明らかとなった。
(銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の熱処理後の抗菌試験)
銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の耐熱性を検討するために、熱処理後の試料について、抗菌試験を行った。実施例1で得られた銅−ヒノキチオール粘土複合体について、電気炉を用いた熱処理(空気中、昇温速度10℃/分、保持1時間)を行った。処理温度は、それぞれ200、250、300、400及び500℃とした。
各熱処理温度にて得られた試料について、粉末X線回折による分析を行った。図3に、その結果を示す。粉末X線回折の結果より、未処理試料からは2.28nmの基底面間隔値を示す回折線と、それに隣接して層構造に起因すると思われる回折線が確認された。配位子であるヒノキチオールは、銅イオンと2:1型の平面錯体を形成することが知られており、層間に対し直立して配置していると仮定すると、基底面間隔値は2.45nmとなる。(001)回折線は、250℃処理まで2.2nm程度の数値を示していたが、300℃処理で1.46nmまで低下した。これに伴い、(002)と思われる回折線も高角度側にシフトした。400〜500℃処理では、層内有機物の離脱に伴い1.3nmまで減少したが、中心化学種である銅の酸化還元状態は、X線的には確認されなかった。
抗菌試験は、供試菌として、Escherichia coli NBRC3972(大腸菌)、Staphylococcus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)を用いて、最小発育阻止濃度試験を行った。その概略は、以下の通りである。供試菌株としては、10wt%スキムミルク培地に−80℃で凍結保存していた原菌株を融解して、普通寒天平板に復元した後、2代継代移植したものを供試した。培地には、ミューラーヒントンブイヨン培地に、塩化カルシウム(終濃度10mg/mL)と塩化マグネシウム(終濃度10mg/ml)を添加した、カチオン添加ミューラーヒントンブイヨン培地(CSMHB培地)を使用した。
10mlのL字型試験管を用いて、CSMHB培地9mlに対して、滅菌蒸留水を用いて、測定試料の最終濃度が1600〜25ppmとなるように試験用希釈系列を作成した。これらの試験用希釈系列に、1.0〜5.0×10CFU/mlに調製した接種用菌液0.1mlをそれぞれ接種し、振盪数100〜200rpmで水平振盪を行いながら、35〜37℃で24時間程度の培養を行った。培養後、肉眼観察により試験菌の発育の有無を調べ、発育が認められない試料の最低濃度を最小発育阻止濃度とした。それぞれの結果を表5に示した。
Figure 0005704521
表5から明らかなように、銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料は、大腸菌と黄色ブドウ状球菌に対して、熱処理温度が250℃まで、明確な抗菌効果を示すことが明らかとなった。
(銅−ヒノキチオール錯体を無機層状化合物のモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の熱処理後の防カビ試験)
防カビ試験は、供試菌として、Aspergillus niger NBRC6341、Penicillium citrinum NBRC6352、Aureobasidium pullulans NBRC6353及びRhizopus oryzae NBRC31005の4種類を用いて、マイクロプレート法による最小発育阻止濃度試験を行った。その概略は、以下の通りである。
PDA斜面培地を用いて、25℃、7〜10日間前培養し、胞子濃度が10cell/mlの胞子懸濁液を作成した。更に、100倍希釈し、胞子濃度を10cell/mlに調製した後、RPMI培地に溶液を置換した。測定試料濃度が1000及び100ppmでのスクリーニング試験を通過した場合のみ、下記の最小発育阻止濃度試験を行った。最小発育阻止濃度試験は、測定試料の最終試験用希釈系列が100〜1.56ppmとなるように測定試料の入れてあるマイクロプレートのウェルに胞子懸濁液接種し、25℃で4日間培養した。培養後、肉眼的に菌糸の発育を認めなかった最小濃度を最小発育阻止濃度とした。それぞれの結果を表6に示した。
Figure 0005704521
表6から明らかなように、銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料は、4種類のカビ類に対して、熱処理温度が250℃まで、明確な防カビ効果を示すことが明らかとなった。
以上詳述したように、本発明は、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料に係るものであり、本発明により、優れた生理活性機能、例えば、病害虫防除機能、雑草防除機能、抗微生物機能等の持続性や保水性、環境親和性を有し、生活環境や医療福祉環境、植物の組織培養、農業、植林をはじめとする林業全般、植物栽培等に応用可能な抗菌防カビ材料を提供することができる。本発明の抗菌防カビ材料は、無機層状化合物の層間では、生理活性機能を有する有機金属錯体がナノメートルオーダーで均一に分散しているため、培地表面や田畑へ使用された場合でも分散性に優れている。また、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料は、そのままでの使用も勿論可能であるが、活性機能を有する金属−トロポロン錯体の系外への徐放速度を制御できるため、生理活性効果の持続性が極めて高く、任意の形態に製剤加工した加工製品とすることができる。加工製品を製造する方法は、特に限定されず、生理活性機能を有する抗菌防カビ材料を油性基剤中に混合溶解する方法や、一般に用いられる方法により製造することができる。こうした加工製品は、使用環境に応じた合目的な設計が可能であるため、広範な産業分野での利用が可能となる。
本発明の実施例1に係る、生理活性機能を有する銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料と、対照試料である原料モンモリロナイトの粉末X線回折図形である。 本発明の実施例2、3及び4に係る、生理活性機能を有するアルミニウム、亜鉛及びニッケル−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料と、対照試料である原料モンモリロナイトの粉末X線回折図形である。 本発明の実施例8及び9に係る、生理活性機能を有する銅−ヒノキチオール錯体をモンモリロナイトの層間に担持した抗菌防カビ材料の熱処理前後の粉末X線回折図形である。

Claims (7)

  1. トロポロン化合物と抗菌性金属カチオンを錯体化した金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に担持してその生理活性機能の徐放性を向上させた抗菌防カビ材料であって、
    上記金属−トロポロン錯体が、金属カチオンに有機配位子のトロポロン化合物を配位させた、生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体からなり、かつ、上記有機配位子のトロポロン化合物がヒノキチオールであり、上記無機層状化合物が、層間に交換性陽イオンを有するスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性雲母のいずれか1種からなり、その陽イオン交換容量(CEC)はCEC=30〜400ミリ等量/100gの範囲であり、かつ脱イオン水あるいは有機溶媒により膨潤させたものであり、
    この無機層状化合物の層間に上記トロポロン化合物が該層間に存在する交換性陽イオンとの交換反応により金属−トロポロン錯体の形で挿入、担持されていて、粉末X線回折による(001)回折線から計算される基底面間隔値が反応前の無機層状化合物の基底面間隔値より拡大し、かつ層構造に起因する(003)回折線を示し、温度250℃までの熱処理(空気中、昇温速度10℃/分、保持1時間)で抗菌効果を示すことを特徴とする、金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
  2. 生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を形成する金属カチオンが、Cu、Zn、Ni及びAlあるいは遷移金属群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンである、請求項1に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
  3. スメクタイト族粘土鉱物が、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、あるいはスティーブンサイトであり、膨潤性雲母が、雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母である、請求項1に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の金属−トロポロン錯体を無機層状化合物の層間に担持させてその生理活性機能の徐放性を向上させた抗菌防カビ材料を製造する方法であって、
    記無機層状化合物として、層間に交換性陽イオンを有するスメクタイト族粘土鉱物、バーミキュライト、膨潤性雲母のいずれか1種であり、その陽イオン交換容量(CEC)がCEC=30〜400ミリ等量/100gの範囲のものを使用し、かつ脱イオン水あるいは有機溶媒により膨潤させ、
    上記金属−トロポロン錯体として、金属カチオンに有機配位子のトロポロン化合物を配位させた金属−トロポロン錯体を使用し、かつ、上記有機配位子のトロポロン化合物として、ヒノキチオールを用いて、
    上記無機層状化合物と、上記金属−トロポロン錯体を、有機溶媒の存在下で混合撹拌し、かつ5〜90℃に加熱して、上記無機層状化合物の層間に存在する交換性陽イオンと、上記金属−トロポロン錯体との交換反応を進行させることにより、の無機層状化合物の層間に上記トロポロン化合物を金属−トロポロン錯体の形で挿入、担持させ、粉末X線回折による(001)回折線から計算される基底面間隔値が反応前の無機層状化合物の基底面間隔値より拡大し、かつ層構造に起因する(003)回折線を示し、温度250℃までの熱処理(空気中、昇温速度10℃/分、保持1時間)で抗菌効果を示す抗菌防カビ材料を合成することを特徴とする、金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
  5. 生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を形成する金属カチオンが、Cu、Zn、Ni及びAlあるいは遷移金属群の中から選ばれた少なくとも一種以上の金属イオンである、請求項に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
  6. スメクタイト族粘土鉱物が、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、あるいはスティーブンサイトであり、膨潤性雲母が、雲母粘土鉱物あるいはフッ化雲母である、請求項に記載の金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料の製造方法。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の生理活性機能を有する金属−トロポロン錯体を層間担持した抗菌防カビ材料を有効成分として含有し、製剤加工されていることを特徴とする加工製品。
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