JPH11171704A - 抗菌抗かび剤 - Google Patents

抗菌抗かび剤

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JPH11171704A
JPH11171704A JP35636797A JP35636797A JPH11171704A JP H11171704 A JPH11171704 A JP H11171704A JP 35636797 A JP35636797 A JP 35636797A JP 35636797 A JP35636797 A JP 35636797A JP H11171704 A JPH11171704 A JP H11171704A
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JP
Japan
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antibacterial
antifungal
layered silicate
antifungal agent
mixture
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JP35636797A
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English (en)
Inventor
Takashi Furusawa
隆資 古沢
Ryosuke Sato
亮介 佐藤
Mariko Fujisaki
真理子 藤崎
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Co Op Chemical Co Ltd
Original Assignee
Co Op Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌及び/又は抗かび性、耐熱性、耐光性等
に優れる無機の抗菌抗かび剤を提供する。 【解決手段】 膨潤性層状ケイ酸塩、ピロリン酸、それ
に抗菌及び/又は抗かび作用を有する無機化合物(例え
ば銀化合物)を水中で混合し、乾燥して得られる生成物
からなる抗菌抗かび剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐光性等に
優れた無機抗菌抗かび剤に関する。なお、本発明で、
“抗菌抗かび”とは、“抗菌及び/又は抗かび”を意味
する。
【0002】
【従来の技術】日常生活における人々の安全や衛生に対
する深い感心、清潔指向の高まりなどを背景に、抗菌抗
かび剤が注目され、順調に需要を伸ばしている。従来、
抗菌抗かび剤としては、有機系のものが広く使用されて
きたが、最近、耐熱性、安全性等に優れている理由で無
機系抗菌抗かび剤が注目されている。無機系抗菌抗かび
剤は、銀、銅、亜鉛などの金属(イオン)が抗菌及び/
又は抗かび作用を有することを利用し、これらの金属
(イオン)を無機物質に担持させたものが多い。無機系
抗菌抗かび剤としては銀系が代表的なものであり、また
無機物質の担体としてはリン酸ジルコニウム、リン酸カ
ルシウム、リン酸塩のアパタイト、ゼオライト、粘土鉱
物、シリカゲルなどのケイ酸塩等々がある。無機系抗菌
抗かび剤は抗菌及び/又は抗かび作用を有する金属(イ
オン)と担体との組合せ、担持の仕方などによりその性
能にも差を生ずるが、共通の特徴として、耐熱性があ
り、性能が比較的長時間持続するという点がある。これ
らの無機系抗菌抗かび剤の国内特許としては例えば下記
のものが開示されている。
【0003】 特公平7−68094号公報には、無
機層状化合物の層間に銀錯塩を担持させた抗菌抗かび性
層間化合物が記載されているが、耐熱性は十分でない。 特公平7−116008号公報には、ナトリウム、
カリウム、リチウム、及びカルシウムを除く金属イオン
の一種または二種以上、又は金属化合物の一種又は二種
以上を層間に有する合成サポナイトまたは合成ヘクトラ
イトからなることを特徴とする抗菌剤が記載されてい
る。しかし、この抗菌剤は代表的な金属イオンである銀
イオンの場合には光或いは熱により黒く変色する欠点を
有し、また水中においては比較的短時間で抗菌作用を喪
失する。
【0004】 特開平8−165213号公報には、
抗菌作用を有するピロリン酸および/またはメタリン酸
の金属塩が記載されており、また、特開平3−8390
5号公報には、リン酸、ジルコニウム又はチタン、銀、
及びアルカリ金属等を含む化合物を有効成分とする抗菌
剤が記載されている。しかし、これらの抗菌剤は抗菌作
用の持続性、或いは光や熱による変色の点から十分満足
すべきものではない。 特開平9−217224号公報には、セルロースア
セテート繊維中に金属含有リン酸化合物と酸化亜鉛とか
らなる抗菌剤を含有させた繊維が記載されている。しか
し、この抗菌剤も抗菌作用の持続性、或いは光や熱によ
る安定性(変色する)の点から十分満足すべきものでは
ない。
【0005】以上のように、従来の無機系抗菌抗かび剤
の中で、抗菌効果、安全性等で最も優れている銀系の抗
菌抗かび剤の共通の欠点として、程度の差はあれ、光や
熱による安定性(変色する)或いは抗菌作用の持続性は
まだ十分に満足すべきものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗菌及び/又
は抗かび性、耐熱性、耐光性等に優れる無機の抗菌抗か
び剤を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意研究を
進めた結果、膨潤性層状ケイ酸塩に抗菌及び/又は抗か
び作用を有する無機化合物とピロリン酸を反応させた生
成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0008】即ち、本発明は以下の発明を包含する。 (1)膨潤性層状ケイ酸塩、ピロリン酸、それに抗菌及
び/又は抗かび作用を有する無機化合物を水中で混合
し、乾燥して得られる生成物からなる抗菌抗かび剤。 (2)膨潤性層状ケイ酸塩が、タルクとケイフッ化ナト
リウム及び/又はケイフッ化リチウムからなる混合物、
或いは場合によりその混合物に更にフッ化ナトリウム及
び/又はフッ化リチウムを加えた混合物を700〜12
00℃に加熱して得られる、ナトリウム及び/又はリチ
ウムから選ばれたアルカリ金属、マグネシウム、ケイ
素、酸素、フッ素を主要構成元素とする膨潤性層状ケイ
酸塩である前記(1)に記載の抗菌抗かび剤。 (3)抗菌及び/又は抗かび作用を有する無機化合物が
銀の化合物である前記(1)又は(2)に記載の抗菌抗
かび剤。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、前記したように、膨潤
性層状ケイ酸塩、ピロリン酸、それに抗菌及び/又は抗
かび作用を有する無機化合物を水中で混合し、乾燥して
得られる生成物からなる抗菌抗かび剤に関するものであ
る。それらの抗菌抗かび剤の原料となる、膨潤性層状ケ
イ酸塩、ピロリン酸、抗菌抗かび作用を有する無機化合
物の詳細は下記に示される。
【0010】 膨潤性層状ケイ酸塩 膨潤性とは、水或いは有機溶媒中で結晶層間に水或いは
有機溶媒が侵入して膨潤する意味であり、主要構成層を
構成する元素と層間物質を構成する元素の種類により膨
潤度に差を生じ、所謂自由膨潤或いは限定膨潤になるも
ので、本発明では何れも使用できるが、自由膨潤の方が
好ましい。それらの膨潤性層状ケイ酸塩は水中で薄片状
の微結晶となって分散する。
【0011】本発明で用いる膨潤性層状ケイ酸塩の結晶
構造は、四面体シート(A)と八面体シート(B)が、
A:B=2:1の割合で組み合わされた主要構成層
(2:1層)と、電荷バランスをとるためにそれらの層
間にある陽イオンよりなる層間物質とよりなるもので、
その陽イオン交換容量(メチレンブルー吸着量)は15
〜150meq(ミリ当量)/100gの範囲のものが
望ましく、50〜150meq(ミリ当量)/100g
のものが更に好ましい。また、本発明で用いる膨潤性層
状ケイ酸塩は、平均粒径が0.1μm〜50μmのもの
が望ましく、粒径が大きい場合は粉砕した方が好まし
い。
【0012】本発明で用いられる膨潤性層状ケイ酸塩の
具体例として、天然または合成の、ヘクトライト、サポ
ナイト、スチブンサイト、バイデライト、モンモリロナ
イト、ノントロナイト又はベントナイト等のスメクタイ
ト属粘土鉱物やNa型テトラシリシックフッ素雲母、L
i型テトラシリシックフッ素雲母、Na型フッ素テニオ
ライト、Li型フッ素テニオライト等の膨潤性雲母族粘
土鉱物及びバーミキュライト、又はこれ等の置換体や誘
導体、或いはこれらの混合物が挙げられる。なお、上記
の置換体には、層間イオンのNa+ 或いはLi+ イオン
の一部がK+ イオンで置換されているもの、四面体シー
トのSi4 + イオンの一部がMg2+ イオンで置換され
ているものが含まれる。
【0013】市販品としては、ラポナイトXLG(英
国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物質)、ラポナ
イトRD(英国、ラポート社製合成ヘクトライト類似物
質)、サーマビス(独国、ヘンケル社製合成ヘクトライ
ト類似物質)、スメクトンSA−1(クニミネ工業
(株)製サポナイト類似物質)、ベンゲル(豊順洋行
(株)販売の天然モンモリロナイト)、クニピアF(ク
ニミネ工業(株)販売の天然モンモリナイト)、ビーガ
ム(米国、バンダービルト社製の天然ヘクトライト)、
ダイモナイト(トピー工業(株)製の合成膨潤性雲
母)、ソマシフ(ME−100、コープケミカル(株)
製の合成膨潤性雲母)、ルーセンタイト(SWN、SW
F、コープケミカル(株)製の合成スメクタイト)等が
挙げられる。
【0014】前記の膨潤性層状ケイ酸塩の中では、タル
クとケイフッ化ナトリウム及び/又はケイフッ化リチウ
ムからなる混合物を700〜1200℃に加熱して得ら
れる、ナトリウム及び/又はリチウムから選ばれたアル
カリ金属、マグネシウム、ケイ素、酸素、フッ素を主要
構成元素とする膨潤性層状ケイ酸塩が望ましい。なお、
タルク(Aとする)とケイフッ化ナトリウム及び/又は
ケイフッ化リチウム(Bとする)の混合比(A:B)
は、生成物が下記一般式(1)を満足し、生成する不純
物ができるだけ少なくなるような比率が望ましい。ま
た、ケイフッ化ナトリウム及び/又はケイフッ化リチウ
ムの1部をフッ化ナトリウム及び/又はフッ化リチウム
に換えてもよいが、その量はケイフッ化ナトリウム及び
/又はケイフッ化リチウムの50%以下(モルベース)
である。各原料は何れも平均粒径0.1μm〜50μm
の粉末が好ましく、また、混合物の加熱は、各原料が十
分に混ざり合った状態のものを加熱するのが望ましい。
この方法で製造される膨潤性層状ケイ酸塩の詳細は、特
公平6−27002号公報にも記載されており、前記の
ソマシフ(ME−100)はこの製法で得られたもの
で、次の一般式で示される。一般式(1):
【0015】
【化1】 (但し、0≦X≦0.5,0≦α<0.50,0.15
≦X+α≦0.5、また、(Na,Li)中のNaとL
iは層間にある配位数12の陽イオン;(Mg3.0-x )
中のMgは八面体シートを形成している配位数6の陽イ
オン;(Si4.0-a Mga )中のSiとMgは四面体シ
ートを形成している配位数4の陽イオンであり、FとO
Hは陰イオンとして、八面体シート中に存在し、(
)中の“,”は及び/又はを示す。)
【0016】 ピロリン酸 ピロリン酸は化学式H4 2 7 で示され、できるだけ
高純度品が望ましい。類似化合物であるオルトリン酸
(H3 PO4 )、次亜リン酸(H3 PO2 )、メタリン
酸(HPO3 )、ピロリン酸のアルカリ金属正塩(例え
ば、ピロリン酸ナトリウム(Na4 2 7 ))等は、
抗菌及び/又は抗かび作用を有する無機化合物が銀化合
物の場合、反応生成物が時間の経過とともに或いは加熱
により変色し好ましくないが、酸性ピロリン酸ナトリウ
ム(Na2 2 2 7 )、酸性ピロリン酸カリウム
(K2 2 2 7 )等のピロリン酸の酸性アルカリ金
属塩は反応生成物の変色の程度が小さく、ピロリン酸の
20%以下(重量ベース)の混合程度ならば本発明の特
性をあまり損なわない。
【0017】 抗菌及び/又は抗かび作用を有する無
機化合物 銀化合物、亜鉛化合物、銅化合物が好ましく、特に銀化
合物が好ましい。これらの化合物は程度の差はあれ水溶
性である必要があり、具体的にはAgNO3 、Zn(N
3 2 、Cu(NO3 2 、ZnCl2 、CuC
2 、ZnSO4 、CuSO4 等が例示される。
【0018】次に、上記原料を用いた本発明の抗菌抗か
び剤の製造法を述べるが、これに限定されるものではな
い。先ず、膨潤性層状ケイ酸塩の水分散液を調製する。
膨潤性層状ケイ酸塩濃度は特に限定されないが、2〜3
0重量%の分散液となるように膨潤性層状ケイ酸塩を水
と混合する。分散をよくするために高速攪拌機又は高速
剪断機を用い、攪拌は充分におこなう。
【0019】次にその膨潤性層状ケイ酸塩を含む分散液
に対しピロリン酸を添加する。ピロリン酸の添加量は、
水分散液中の膨潤性層状ケイ酸塩1モルに対しピロリン
酸が0.1〜1.0モル、好ましくは0.3〜0.8モ
ルとなるような量である。ピロリン酸を添加後十分に混
合するが、好ましくは粉砕混合機(例えば擂潰混合機)
を用い膨潤性層状ケイ酸塩を擦り潰しながら十分に混合
する。なお、混合時の液温は室温或いは室温以下とす
る。液温か高くなるとピロリン酸が分解し、オルトリン
酸に変化するので好ましくない。
【0020】その後、抗菌及び/又は抗かび作用を有す
る無機化合物を水に溶解して水溶液にし、そこへ混合す
る。無機化合物の添加量は、水分散液中の膨潤性層状ケ
イ酸塩1モルに対し0.01〜0.5モル、好ましくは
0.02〜0.2モルとなるような量である。その無機
化合物の水溶液濃度は特に限定されないが、後の乾燥工
程を考慮し、液の粘性が高くて処理作業が困難でなけれ
ば、できるだけ濃い溶液が経済的で望ましい。混合は十
分に行う必要があり、好ましくは攪拌混合機(例えば擂
潰機)で膨潤性層状ケイ酸塩を擦り潰しながら十分にお
こなう。この混合時も液温は室温或いは室温以下とする
のが好ましい。
【0021】最後に、その混合液(分散液)を乾燥して
脱水する。乾燥温度は50〜300℃程度、通常は10
0℃程度でおこなえばよい。乾燥時間は揮散水分が十分
揮散するだけの時間おこなえばよい。乾燥により、混合
液(分散液)は固体となり、本発明の抗菌抗かび剤が得
られる。
【0022】このようにして得られた本発明の抗菌抗か
び剤は優れた抗菌及び/又は抗かび作用を有していると
ともに、光や熱に対する安定性(耐光性、耐熱性)の面
でも優れている。本発明の抗菌抗かび剤は、必要に応じ
粉砕して使用する。また、上記の方法で得られた本発明
の抗菌抗かび剤は、着色具合いの調整、抗菌及び/又は
抗かび効果の調製のため、場合により2種類以上を混合
して使用する。その際、抗菌及び/又は抗かび作用を有
する無機化合物として銀化合物を用いて得られる本発明
の抗菌抗かび剤をベースにし、それに銀以外の抗菌及び
/又は抗かび作用を有する無機化合物を用いて得られる
本発明の抗菌抗かび剤を混合したものが好ましい。
【0023】本発明の抗菌抗かび剤は、原料の混合工程
及び乾燥工程で上記3種類の原料間でなんらかの反応が
おきていると推定され、多分、ピロリン酸と抗菌及び/
又は抗かび作用を有する無機化合物との間の反応、及び
その反応生成物と膨潤性層状ケイ酸塩との間の反応等が
おきていると考えられるが、その詳細は不明である。
【0024】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、本発明は実
施例に限定されるものではない。(なお、原料は試薬グ
レード或いは工業薬品を使用した。なお、原料配合比の
数字は特に断わりがなければ重量ベースである。)
【0025】膨潤性層状ケイ酸塩としてコープケミカル
(株)製のソマシフ(ME−100)を用いた。本発明
で用いたソマシフ(ME−100)は化学組成、X線回
折パターン、赤外線吸収スペクトル等から判断して次式
(式2):
【0026】
【化2】 (但し、ここで、Naは層間にある配位数12の陽イオ
ン、Mgは八面体シートを形成している配位数6の陽イ
オン、Siは四面体シートを形成している配位数4の陽
イオンであり、また、FとOHは陰イオンとして八面体
シート中に存在する。)で示されるものと判断され、ま
た、陽イオン交換容量と平均粒径は以下に示される。 陽イオン交換容量(メチレンブルー吸着量):70ミリ
当量/100g 平均粒径:3μm
【0027】(実施例1〜4)ソマシフ(膨潤性層状ケ
イ酸塩、ME−100)1,000と水9,000を高
速攪拌機(1500回転/分)で10分間混合し、膨潤
性層状ケイ酸塩の分散液を調製した。それを擂潰混合機
(石川工場(株)製の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこ
へピロリン酸を一定量添加し、20分間混合した。次に
そこへ、AgNO3 をAgNO3 の1モル水溶液として
一定量添加し、3時間混合した。その後、その混合物を
100℃で24時間乾燥して固形物にし、本発明の抗菌
抗かび剤を得た。なお、混合時の液温は室温とした。原
料の混合比率を表−1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】得られた本発明の抗菌抗かび剤(実施例1
〜4)は、何れも白色であった。また、本発明の抗菌抗
かび剤(実施例1〜4)は、明るい室内に6カ月間静置
した場合何れも白色のままであり、また、明るい環境で
100℃に一週間静置した場合も何れも白色を保ってい
た。次に本発明の抗菌抗かび剤(実施例1〜4の粉砕
品)について各種の試験をおこなった。
【0030】(1)高温加熱試験 高温で加熱した場合(加熱時間2時間)の変色の程度を
調べ、表−2に示した。
【表−2】上記の如く、850〜1050℃の加熱によ
り、変色しないか、或いは若干褐色を帯びる程度であっ
た。
【0031】(2)水系塗料に混合して加熱試験 実施例1〜4で得られた本発明の抗菌抗かび剤を、市販
の水系エマルジョン塗料(関西ペイント(株)、白色の
アクリル系のもの)に1.0重量%添加混合したもの
を、濾紙に塗り、それを70℃で12時間加熱して乾燥
後、明るい室内で4週間静置して塗料の変色の有無を調
べたが、何れの場合もまったく変色しなかった。
【0032】(3)抗菌性試験 本発明の抗菌抗かび剤(実施例1〜4)について、抗菌
性を調べた。比較のために、本発明の抗菌抗かび剤無添
加のもの、膨潤性層状ケイ酸塩のみのものについても試
験した。
【0033】(試験菌株) 大腸菌:エスケリチャ コーライ(Escheri
chia coli)IFO 3301 黄色ブドウ状球菌:スタフィロコッカス オーレウ
ス(Staphylococcus aureus)
IFO 12732
【0034】(接種用菌液の培養)増菌用培地〔ミュー
ラー ヒントン ブロス(Mueller−Hinto
nBroth) DIFCO社製〕にて、35℃で試験
菌株を一夜培養した。
【0035】(試験方法)抗菌試験用サンプルを滅菌し
た液体培地〔ミューラー ヒントン ブロス(Muel
ler−Hinton Broth) DIFCO社
製〕に一定量(表中の添加量は液体培地100ml当り
の添加量,g)添加し、前記増菌用培地で培養しておい
た細菌を104 〜105 /ml程度となるように添加し
て、24時間後、及び48時間後に菌数を測定する。な
お、液体培地は市販のミューラー ヒントン ブロス
(Mueller−Hinton Broth DIF
CO社製)を水で通常使用する濃度の10倍と100倍
に希釈したものを使用した。試験結果を表−3〜表−6
に示した。
【0036】(試験結果) (a)大腸菌に対する抗菌性試験結果−1(培地:通常
の10倍水稀釈液)
【表−3】
【0037】(b)大腸菌に対する抗菌性試験結果−2
(培地:通常の100倍水稀釈液)
【表−4】
【0038】(c)黄色ブドウ状球菌に対する抗菌性試
験結果−1(培地:通常の10倍水稀釈液)
【表−5】
【0039】(d)黄色ブドウ状球菌に対する抗菌性試
験結果−2(培地:通常の100 倍水稀釈液)
【表−6】
【0040】(4)抗かび性テスト 実施例1で得られた本発明の抗菌抗かび剤25又は15
を、市販の水系エマルジョン塗料1000(関西ペイン
ト(株)、白色のアクリル系のもの)に添加混合したも
のを、一辺4cmの正方形の木板(厚み3mm)の全面に塗
り、それを70℃で12時間加熱して乾燥し、抗かび試
験用サンプルを作製した。
【0041】(抗かび試験方法及び試験結果)上記の試
料について、日本工業規格のカビ抵抗性試験(JIS
Z 2911−1992)のハローテスト法に従って抗
かび試験を行った。用いたかびは、クラドスポリウム
クラドスポリオイデス(Cladosporium c
ladosporioides de Vries I
FO 6348),ケトミウムグロボサム(Chaet
omium globosum Kunze:Frie
s IFO 6347),ペニシリウム フニクロスム
(Penicillium funiculosum
Thom IFO 6345),アスペルギルス テレ
ウス(Aspergilus terreus Tho
m IFO 6346)である。それらの単独胞子懸濁
液、或いはそれら全部を混合した混合胞子懸濁液を調製
し試験に供した。馬鈴薯−ぶどう糖−寒天培地を用いて
作った平板培地の中央に、抗かび試験用サンプルを軽く
加圧しながら置き、そこへ、それらの単独或いは混合胞
子懸濁液をスプレーで撒き、シャーレの蓋をして、30
℃に保ち、7日後及び20日後にハロー(阻止帯)の有
無を調べた。
【0042】テストの結果、いずれの場合も7日後及び
20日後にサンプル(正方形の木板)の周囲にハロー
(阻止帯)の生成が確認された。
【0043】なお、比較のために行った本発明の抗菌抗
かび剤を添加していない市販の水系エマルジョン塗料1
000(関西ペイント(株)、白色のアクリル系のも
の)そのものを、一辺4cmの正方形の木板(厚み3mm)
の全面に塗り、それを70℃で12時間加熱して乾燥し
て得られた比較用サンプルでは、同様な抗かび試験で何
れの場合もサンプル(正方形の木板)の周囲にハロー
(阻止帯)が生成していないことが確認された。
【0044】(比較例1)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへ、AgNO3 20
をAgNO3 の1モル水溶液として添加し、3時間混合
した。その後、その混合物を100℃で24時間乾燥し
て固形物を得た。生成物は乾燥段階で白色から灰褐色に
変色し、明るい室内に2週間静置後に黒褐色となった。
【0045】(比較例2)ピロリン酸200を擂潰混合
機(石川工場(株)製の石川式攪拌擂潰機)にとり、そ
こへ、AgNO3 20をAgNO3 の1モル水溶液とし
て添加し、3時間混合した。その後、その混合物を10
0℃で24時間乾燥した。生成物は白色であったが粘着
性を帯び固化しなかった。この生成物を明るい室内に2
週間静置しておくと、黄色味を帯びてきた。
【0046】(比較例3)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへピロリン酸ナトリ
ウム(Na4 2 7 )68を5%水溶液として添加
し、20分間混合した。次にそこへ、AgNO3 10を
AgNO3 の1モル水溶液として添加し、3時間混合し
た。その後、その混合物を100℃で24時間乾燥し
た。得られた固体生成物はほぼ白色であったが、明るい
室内に2週間静置後に灰色を帯び、また、明るい環境で
90℃に1週間静置後は褐色になった。
【0047】(比較例4)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへ酸性ピロリン酸ナ
トリウム(Na2 2 2 7 )110を10%水溶液
として添加し、20分間混合した。次にそこへ、AgN
2 20をAgNO3 の1モル水溶液として添加し、3
時間混合した。その後、その混合物を100℃で24時
間乾燥した。得られた固体生成物はほぼ白色であったが
明るい室内に2週間静置後に薄褐色となり、また、明る
い環境で90℃に1週間静置後も薄褐色になった。
【0048】(比較例5)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへオルトリン酸(H
3 PO4 )250を添加し、20分間混合した。次にそ
こへ、AgNO3 25をAgNO3 の1モル水溶液とし
て添加し、3時間混合した。その後、その混合物を10
0℃で24時間乾燥した。得られた固体生成物は黄色を
帯びており、明るい室内に2週間静置後に薄褐色を帯び
てきた。
【0049】(比較例6)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへ次亜リン酸(H3
PO2 )240を添加し、20分間混合した。次にそこ
へ、AgNO3 14をAgNO3 の1モル水溶液として
添加し、3時間混合した。その後、その混合物を100
℃で24時間乾燥した。得られた固体生成物は乾燥段階
で白色から黒褐色を帯びた色になり、明るい室内に1週
間静置後黒褐色が強まった。
【0050】(比較例7)ソマシフ(膨潤性層状ケイ酸
塩)1,000と水9,000を高速攪拌機(1500
回転/分)で10分間混合し、膨潤性層状ケイ酸塩の分
散液を調製した。それを擂潰混合機(石川工場(株)製
の石川式攪拌擂潰機)にとり、そこへメタリン酸(HP
3 )240を添加し、20分間混合した。次にそこ
へ、AgNO3 14をAgNO3 の1モル水溶液として
添加し、3時間混合した。その後、その混合物を100
℃で24時間乾燥した。得られた固体生成物は乾燥段階
で白色から褐色を帯びた色になり、明るい室内に1週間
静置後褐色が強まった。
【0051】
【発明の効果】本発明の抗菌抗かび剤は、優れた抗菌及
び/又は抗菌かび作用を有しているとともに、大きな特
徴として耐光性、耐熱性に優れている。このため、プラ
スチック、塗料、顔料等に添加し、その抗菌及び/又は
抗かび作用を付加することができ、有効に利用すること
ができる。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤性層状ケイ酸塩、ピロリン酸、それ
    に抗菌及び/又は抗かび作用を有する無機化合物を水中
    で混合し、乾燥して得られる生成物からなる抗菌抗かび
    剤。
  2. 【請求項2】 膨潤性層状ケイ酸塩が、タルクとケイフ
    ッ化ナトリウム及び/又はケイフッ化リチウムからなる
    混合物、或いは場合によりその混合物に更にフッ化ナト
    リウム及び/又はフッ化リチウムを加えた混合物を70
    0〜1200℃に加熱して得られる、ナトリウム及び/
    又はリチウムから選ばれたアルカリ金属、マグネシウ
    ム、ケイ素、酸素、フッ素を主要構成元素とする膨潤性
    層状ケイ酸塩である請求項1記載の抗菌抗かび剤。
  3. 【請求項3】 抗菌及び/又は抗かび作用を有する無機
    化合物が銀の化合物である請求項1又は2記載の抗菌抗
    かび剤。
JP35636797A 1997-12-10 1997-12-10 抗菌抗かび剤 Pending JPH11171704A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160692A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Masayoshi Mori 抗菌剤の製造法及び抗菌剤
JP2008195709A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 金属−トロポロン錯体を無機層間に担持した抗菌防カビ材料
WO2022025136A1 (ja) * 2020-07-30 2022-02-03 大日本印刷株式会社 抗ウイルス性物品及び抗ウイルス性樹脂組成物
JP2022027514A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 大日本印刷株式会社 抗ウイルス性物品及び抗ウイルス性樹脂組成物

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JP2008195709A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 金属−トロポロン錯体を無機層間に担持した抗菌防カビ材料
WO2022025136A1 (ja) * 2020-07-30 2022-02-03 大日本印刷株式会社 抗ウイルス性物品及び抗ウイルス性樹脂組成物
JP2022027514A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 大日本印刷株式会社 抗ウイルス性物品及び抗ウイルス性樹脂組成物

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