JPH1171215A - ヒノキチオールを包接するセラミックスの製造法 - Google Patents

ヒノキチオールを包接するセラミックスの製造法

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JPH1171215A
JPH1171215A JP9352438A JP35243897A JPH1171215A JP H1171215 A JPH1171215 A JP H1171215A JP 9352438 A JP9352438 A JP 9352438A JP 35243897 A JP35243897 A JP 35243897A JP H1171215 A JPH1171215 A JP H1171215A
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ceramic
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hinokitiol
metal
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Takeshi Nagashima
毅 長島
Toshifumi Uma
利文 右馬
Hitoshi Takahashi
斉 高橋
Naoichi Sakota
直一 迫田
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KANAE TORYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗菌性や抗黴性を低下させることなくヒノキチ
オールの耐熱性、耐光性を向上させること。 【解決手段】セラミックス中に含まれているCaイオ
ン、Mgイオン又は(及び)Alイオンを他の金属イオ
ンと交換し、導入された金属イオンにヒノキチオールを
配位させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明はヒノキチオールを包
接するセラミックスの製造法及びこの方法で製造された
セラミックスを含有するセラミックス系組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒノキチオール(以下HTという)が抗
菌性、抗カビ性を示すことはよく知られており、天然物
由来で安全性が高いので、すでに食品関係や化粧品に使
用されている。しかし光や酸化による分解が速いこと、
融点が低く昇華性があること、及び金属腐食性に問題が
あるので使用方法、使用分野に制約が見られる。
【0003】例えばHTの融点は53℃であり、200
℃の加熱を行うと昇華及び空気酸化により1時間当たり
数十%の純度低下が見られるので、熱可塑性樹脂へ練り
込み使用するには問題がある。また、HTの水への溶解
度は0.1〜0.2%であるが、この様な薄い濃度では
特に紫外線による分解が激しく、水溶液での実用化は困
難である。HTを金属塩又は錯塩にすれば融点が高くな
り、耐光性もかなり改善されるが十分ではなく、またH
T錯塩を簡単且つ収率良く得ることが難しい。
【0004】一方、ゼオライトや他のセラミックスに銀
等の金属抗菌剤を担持させて、抗菌持続性及び耐熱性を
高める方法はよく知られている。上記のHTを同様にセ
ラミックスに担持させれば耐熱性等が良くなり、使用方
法の利便や使用分野の広がりを期待することができる。
しかし乍らHTの錯塩は水溶性が低く、薄い溶液では安
定性が悪いために、これまではHTをセラミックスに担
持させることは困難と考えられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、抗菌剤、抗カビ剤として有用なHTの物性
上の難点を解消することであり、更に詳しくは抗菌性や
抗黴性を低下させることなくHTの耐熱性、耐光性を向
上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するため種々検討を行った結果、次のようにして課題
を解決した。
【0007】まず、水にセラミックスを懸濁せしめ、こ
の懸濁液にCa、Mg又はAl以外の金属例えばZn、
Cu、Ni、Ag等の金属の水溶塩を加えて、セラミッ
クス中に含まれるCaイオン、Mgイオン又はAlイオ
ンと、イオン交換反応により、セラミックスの中に金属
イオンが導入された形のセラミックス金属イオン交換体
を得る。
【0008】次に、得られたセラミックスの金属イオン
交換体を水に懸濁し、HT水溶液又は融点以上の温度で
融解状態のHTを反応させると、セラミックス中に導入
された金属イオンにHTが配位する。
【0009】例えばセラミックスとしてトバモライト
(以下TOという)を、また金属としてCuを例にとり
説明すると、トバモライトを水に懸濁せしめ、これにC
uの水溶液を加えてトバモライト中に含まれるCaイオ
ンをCuイオンとイオン交換してCuイオンが導入され
たトバモライト銅イオン交換体(以下TOCuという)
を得る。次いで、該交換体を水に縣濁せしめ、HT水溶
液を反応させると、トバモライト中に導入されたCuイ
オンにHTが配位する。
【0010】このようにして得られたTOCuのHT配
位体のなかには、TOとHTの両者の存在がIR分析に
より確認され、更にメタノール抽出物がHTであること
がUV吸収曲線により確認された。
【0011】このCuHT導入TO(以下TOCuHT
という)は、元のHTと同等の抗菌、抗黴性を示し、且
つ、耐熱性及び耐光性が向上していた。本発明者の研究
によれば、セラミックスとして上記トバモライト以外の
もの、例えば、6CaO・6SiO2・H2Oで表される
ゾノトライト(以下XOという)、CaO・SiO2
表されるウオラストナイト(以下WOという)、非晶質
のゲル状珪酸カルシウム(以下CSGという)、これ等
珪酸カルシウムの加熱脱水物、3CaO・Al23・6
2Oで表されるカルシウムアルミネート水和物(以下
CAHという)並びにその加熱脱水物、3CaO・Al
23・3CaSO4・32H2Oで表されるカルシウムア
ルミネート系複合水和物(エトリンガイト、以下ETと
いう)並びにその加熱脱水物、オートクレーブ処理した
軽量起泡コンクリート(Autoclaved Lightweight Concr
ete)、アルミノ珪酸塩であるゼオライト(以下ZEと
いう)、マグネシウム珪酸塩であるモンモリロナイト
(以下MOという)やタルク(以下TAという)等の粘
土鉱物並びにその加熱脱水物、水酸化アパタイト(以下
HAPという)等の層状リン酸塩並びにその加熱脱水物
についても、同様にCuイオンを導入でき、またHTと
配位できることを見出した。更にこの際、Cuイオンば
かりでなく、Znイオン、NiイオンやAgイオンにつ
いてもCuイオンと同様にイオンをセラミックスに導入
でき、且つHTと配位できることも見出した。加えて、
得られる上記各種のHT配位セラミックスは抗菌性、抗
黴性、耐熱性等についても、Cuイオンの場合と同様に
優れたものであることを確認した。また樹脂に配合して
使用する場合には、Cuイオンをワラストナイトに導入
し、これにHTを配位したものは、他のものに比し抗菌
性が優れること、及びCuイオンをタルクに導入し、こ
れにHTを配位させたものは、上記のワラストナイトの
場合よりも更に著しく抗菌性が優れることを見出した。
本発明はこれ等の新しい知見に基づいて完成されてい
る。
【0012】尚、HTをセラミックスに担持させる方法
としては、銀を担持させたテクト珪酸塩とHTのエタノ
ール溶解液の混合物を蒸発乾固させる方法(特開平3−
120204号)が提案されているが、これは単にHT
を付着させているだけで、製造中及び製造後のHTの安
定性に問題が残されている。
【0013】
【発明の実施の形態】セラミックスに金属イオンを導入
する場合、その導入量はセラミックスの種類と導入する
金属イオンの種類及び反応条件によって異なる。金属イ
オンの交換し易さは金属イオンの種類についてはAg>
Cu>Zn>Niの順であり、セラミックスの種類につ
いては多少差はあるが、少量の金属を導入する場合はあ
まり問題とはならない。反応条件では温度が最も大きく
影響する。例えばXO 5gにZnイオン25mモルを
含有する硝酸亜鉛六水塩の水溶液を反応させるとき、導
入されるZnイオン量は室温では約7重量%であるが、
100℃のときは約20重量%になる。またCuイオン
の場合には室温でも導入量は30重量%を超えてしま
う。これはZnイオンに比べてCuイオンはイオン交換
し易く、XOやTOの結晶格子Caイオンとも交換反応
を行い、構造が破壊されて非晶質化すると思われるの
で、使用目的によって、用いる金属塩の種類、量を選択
する必要がある。
【0014】一方、TO等の金属イオンが導入されたセ
ラミックスにHTを配位させる反応では、HTの導入量
は既に導入されている金属の種類、量に影響されるが、
少量のHTを導入する場合にはあまり問題とはならな
い。
【0015】本発明に於いて使用されるセラミックスに
ついて更に詳しく説明すると以下の通りである。3Ca
O・Al23・6H2Oで表されるカルシウムアルミネ
ート水和物の加熱脱水物及び3CaO・Al23・3C
aSO4・32H2Oで表されるカルシウムアルミネート
系複合水和物の加熱脱水物については、通常加熱により
結晶水が脱水されたものであるが、全ての結晶水が脱水
されているものばかりでなく、その一部が脱水されたも
のも包含される。また珪酸カルシウム系水和物の加熱脱
水物としての珪酸カルシウム水和物としては、トバモラ
イト、ゾノトライト、ウォラストナイト、ゲル状珪酸カ
ルシウムが例示でき、本発明ではこれ等を加熱脱水した
ものが使用される。この際の加熱脱水も上記と同様であ
る。ALCとしては建材の端材から補強鉄筋を除いた物
が使用できる。通常、有効成分としてトバモライト、C
SHゲルを60〜80%含有しており、残成分は大半が
石英で一部にカルサイトが狭雑されている。尚、、ゾノ
トライト加熱脱水物(以下XOHという)は通常850
℃以上で60分間以上加熱して、水分を90%以上除去
したものであり、天然ウォラストナイトとは異なり、比
表面積が5〜50m2/gもあって、ZnPTの担持量
を大きくできる。アルミノ珪酸塩系粘土鉱物としては、
例えばゼオライト、カオリナイト等を、マグネシウム珪
酸塩系粘土鉱物としては、例えばモンモリロナイト、セ
ピオライト、タルク、サポナイト等を、また層状リン酸
塩としては水酸化アパタイト、コバルトアパタイト、鉄
アパタイト、塩素化アパタイト等を例示できる。本発明
に於いて、これ等セラミックスに含有されるCaイオン
又はMgイオンとイオン交換させる金属イオンとして
は、Znイオン、Cuイオン、Niイオンが好ましい。
これ等の金属イオンをイオン交換する際には、水溶性の
金属塩を用いる。この際の水溶液金属塩としては、例え
ば硝酸銀、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化第二銅、硝酸銅、
硝酸ニッケル等を例示できる。
【0016】本発明に於いては、セラミックス中のCa
イオン、Mgイオン又はAlイオンをZn、Ni、C
u、Ag等の金属イオンにイオン交換してから、ヒノキ
チオールをこの金属に配位せしめることを必須としてお
り、このようにいったんCaイオン、Mgイオン又はA
lイオンを他の金属イオンに置き換えて、ヒノキチオー
ルを配位させているので、直接セラミックス中のCaイ
オン、Mgイオン又はAlイオンにヒノキチオールを配
位させる場合に比し、水での溶解速度が遅くなる。即
ち、徐放性が良好となる優れた効果が得られる。
【0017】本発明のヒノキチオールを包接するセラミ
ックスは既に述べた通り、優れた抗菌性、抗黴性を有す
るので、これ等が要求される用途に広く利用される。こ
の利用に際しては、これ等セラミックスを直接使用して
も良く、またいったん他の物質に担持させて使用しても
良い。後者の担持させて使用する方法の一つに、各種樹
脂に練り込んで使用する方法がある。この方法は特に樹
脂をフィルムやシートにしたり、塗料等にして使用する
ことができるので、極めて使用し易いという利点があ
る。この樹脂に練り込む場合には、特にCu置換ワラス
トナイトにHTを配位させたものが優れた抗菌性及び抗
黴性を示し、また特にCu置換タルクにHTを配位させ
たものは、更に一段と優れた抗菌性及び抗黴性を示す。
また本発明のヒノキチオールを包接するセラミックス
は、抗菌性ばかりでなく、抗黴性をも有するので、幅広
い効果が期待できるという利点がある。加えて、耐熱性
及び耐光性に優れているので、熱や光にさらされる場合
でも、優れた抗菌性や抗黴性を発揮することができる。
【0018】<分析法>使用したセラミックスや、反応
で得たTOCu,TOCuHT等に含まれるSiの分析
はJIS−R−5202(ポルトランドセメントの化学
分析方法)中の「二酸化けい素の定量方法」に基づいて
行った。また、このときの瀘液を用いて原子吸光法によ
りAg、Zn、Cu、Ni及びCaの各イオンの定量を
行った。TOCuHTやWOZnHTらに含まれるHT
の量は、試料をメタノールで抽出し、HPLC分析によ
り求めた。この方法で求めたHT量は、未反応HT量か
ら計算される消費HT量とよく一致した。
【0019】また、上記方法を用いて所定時間加熱、ま
たは紫外線照射後のHT含量を測定し、耐熱性及び耐光
性を求めた。
【0020】
【実施例】以下に比較例、参考例及び実施例を示して本
発明を詳しく説明する。
【0021】
【比較例1】矢橋工業(株)製TOを使用した。
【0022】
【比較例2】東京化成工業(株)の試薬HTを使用し
た。
【0023】
【比較例3】硝酸銅及びHTから融点176℃のヒノキ
チオール銅錯塩(以下CuHTという)を常法により調
製した。
【0024】
【比較例4】市販されている銀−ゼオライト系抗菌剤
(以下ZEAgという)を使用した。
【0025】
【参考例1】500ml四つ口フラスコに硝酸銅三水塩
558.7mg(Cu含量2.31mモル)及び水30
0mlを入れて溶解する。この溶液にTO25.0gを
投入し、室温で4時間撹拌した。瀘過後、約300ml
の水で洗浄、100℃で減圧乾燥してCu含量0.6重
量%のTOCu24.9gを得た。
【0026】
【参考例2】硝酸銅三水塩を硝酸亜鉛六水塩687.2
mg(Zn含量2.31mモル)に替え、TOをXOに
替え、反応温度を100℃で行った他は、参考例1と同
様にして、Zn含量0.6重量%のXOZn24.9g
を得た。
【0027】
【参考例3】硝酸銅三水塩を塩化第二銅二水塩393.
9mg(Cu含量2.31mモル)に替え、TOをWO
に替えた他は、参考例1と同様にして、Cu含量0.6
重量%のWOCu24.9gを得た。
【0028】
【参考例4】硝酸銅三水塩を硝酸ニッケル六水塩67
1.8mg(2.31mモル)に代え、TOをCSGに
替えた他は、参考例1と同様にして、Ni含量0.5重
量%のCSGNi24.9gを得た。
【0029】
【参考例5】生石灰24.6g、水酸化アルミニウム2
2.2g、水1134g及び凝集防止剤としてステアリ
ン酸ナトリウム1.0gを90℃で7時間反応させ、瀘
過、洗浄後、50℃で減圧乾燥して得たCAHのうちの
25.0gを、TOの代わりに使用した以外は参考例1
と同様にして、Cu含量0.6重量%のCAHCu2
4.9gを得た。
【0030】
【参考例6】生石灰11.3g及び硫酸アルミニウム1
4水塩20gを温水300gと混合し、更に水を加えて
全容積を1lに調整した後、2時間撹拌した。一夜放置
熟成し、瀘過、洗浄後室温で減圧乾燥して得たETのう
ちの25.0gを、TOの代わりに使用した以外は参考
例1と同様にして、Cu含量0.6重量%のETCu2
4.9gを得た。
【0031】
【参考例7】TOをXOHに替えた他は参考例1と同様
にして、Cu含量0.6重量%のXOHCu24.9g
を得た。
【0032】
【参考例8】TOをALCに替えた他は参考例1と同様
にして、Cu含量0.6重量%ALCCu24.9gを
得た。
【0033】
【参考例9】TOをZEに替えた他は参考例1と同様に
して、Cu含量0.6重量%ZECu24.9gを得
た。
【0034】
【参考例10】XOをMOに替え、水をエタノールに替
えた他は参考例2と同様にして、Zn含量2.5重量%
のMOZn10.21gを得た。
【0035】
【参考例11】XOをHAPに替えた他は参考例2と同
様にして、Zn含量2.1重量%のHAPZn9.72
gを得た。
【0036】
【参考例12】硝酸銅三水塩を硝酸銀868.2mg
(Ag含量5.10mモル)に替え、TOをTAに替え
た他は参考例1と同様にして、Ag含量0.7重量%の
TAAg24.6gを得た。
【0037】
【実施例1】500mlのフラスコに水400ml及び
HT607.2mgを入れて溶解し、参考例1で得たT
OCu20.0gを加えて室温で2時間撹拌した。瀘過
後、約150mlの水で洗浄し、100℃で減圧乾燥し
てHT含量2.5重量%のTOCuHT20.0gを得
た。
【0038】
【実施例2】TOCuの代わりに参考例2で得たXOZ
n20.0gを使用した他は、実施例1と同様にして、
HT含量2.6重量%のXOZnHT20.1gを得
た。
【0039】
【実施例3】TOCuの代わりに参考例3で得たWOC
u20.0gを使用した他は、実施例1と同様にして、
HT含量2.1重量%のWOCuHT19.9gを得
た。
【0040】
【実施例4】TOCuの代わりに参考例4で得たCSG
Ni20.0gを使用した他は、実施例1と同様にし
て、HT含量2.4重量%のCSGNiHT20.0g
を得た。
【0041】
【実施例5】TOCuの代わりに参考例5で得たCAH
Cu20.0gを使用した他は、実施例1と同様にし
て、HT含量2.3重量%のCAHCuHT20.0g
を得た。
【0042】
【実施例6】TOCuの代わりに参考例6で得たETC
u20.0gを使用した他は、実施例1と同様にして、
HT含量2.4重量%のETCuHT20.0gを得
た。
【0043】
【実施例7】TOCuの代わりに参考例7で得たXOH
Cu20.0gを使用した他は、実施例1と同様にし
て、HT含量2.3重量%のALCCuHT19.9g
を得た。
【0044】
【実施例8】TOCuの代わりに参考例8で得たALC
Cu20.0gを使用した他は、実施例1と同様にし
て、HT含量2.4重量%のZECuHT20.1gを
得た。
【0045】
【実施例9】TOCuの代わりに参考例9で得たZEC
u20.0gを使用した他は、実施例1と同様にして、
HT含量2.2重量%のZECuHT19.8gを得
た。
【0046】
【実施例10】TOCuの代わりに参考例10で得たM
OZn20.0gを使用した他は、実施例1と同様にし
て、HT含量2.4重量%のMOZnHT20.1gを
得た。
【0047】
【実施例11】TOCuの代わりに参考例11で得たH
APZn20.0gを使用した他は、実施例1と同様に
して、HT含量2.1重量%のHAPZnHT19.7
gを得た。
【0048】
【実施例12】HT使用量を275.0mgとし、TO
Cuの代わりに参考例12で得たTAAg20.0gを
使用した他は、実施例1と同様にして、HT含量1.0
重量%のTAAgHT19.8gを得た。
【0049】上記比較例及び実施例で得た物質がHTを
導入したセラミックスであることの確認を、IR及びメ
タノール抽出液のUV吸収スペクトルで行った。この結
果を図1〜5に示した。
【0050】但し、図1〜5は以下のものである。 図1は比較例1のIRスペクトル 図2は比較例3のIRスペクトル 図3は実施例1のIRスペクトル 図4は比較例2のメタノール溶液のUV吸収スペクトル 図5は実施例2のメタノール抽出液のUV吸収スペクト
【0051】HTを導入したセラミックスを200℃で
5時間加熱し、HT含量の変化を測定することにより耐
熱性の比較を行った。この結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】HTを導入したセラミックスに15Wの紫
外線を50cmの距離で15時間照射し、照射前後のH
Tの含量を測定して耐光性を比較した。結果を表2に示
した。
【0054】
【表2】 註)*:HT含量が実施例とほぼ同濃度である3%n−プロパノール溶液状態 でUV照射を行った。
【0055】抗菌性試験−1 HTを導入したセラミックスについて振とう培養法によ
るMIC(最小生育阻止濃度)を測定し、抗菌性を比較
した。結果を表3に示した。 <抗菌性試験方法>10倍希釈の乾燥ブイヨン培地10
mlに、試料微粉末を種々の濃度に調整して懸濁させ
た。カビの試験に使用する場合には培地をpH6に調整
した。細菌試験では前培養した細菌懸濁液(細胞数10
6/ml)0.1mlを、カビ試験では分散剤を用いて
当日調整したカビ胞子懸濁液0.1mlを、それぞれの
濃度に調整した試料懸濁培地に加え、30℃で振とう培
養する。細菌の場合は2〜3日後に、カビの場合は5〜
7日後に濁りが生じていない最低濃度(MIC)を確認
した。各菌に体するMIC(ppm)を表3に示す。 <供試菌株> (細菌)大腸菌(Esherichia coli) 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) (カビ)黒麹黴(Aspergillus niger) 青黴(Pencillium citrinum) 黒黴(Cladosporium cladosporioide)
【0056】
【表3】
【0057】抗菌性試験−2 ポリエチレン樹脂に各種抗菌剤を量を変えて添加し、1
80℃で混練、プレスしてフィルムを作製した。これら
の抗菌活性試験を行い、市販の抗菌剤や抗菌フィルムと
比較した。この結果を表4に示す。 <試験方法>フィルム密着法(25℃、24時間) <試験菌種> 大腸菌(0時間の菌数=7.2×106個/ml)
【0058】
【表4】
【0059】<抗菌剤種類の説明> No.1:亜鉛ヒノキチオールを3wt%担持させたウオラ
ストナイト 2■4:銅ヒノキチオールを3wt%担持させたウオラス
トナイト 5■6:銅ヒノキチオールを3wt%担持させたタルク 但し、上記抗菌剤は、全て参考例に準じて製造したもの
である。0時間の菌数7.2×06(個/ml)を基に
して比べると、24時間後の菌数はNo.1、8はいず
れも106オーダーで抗菌効果は見られないが、No.
4、7、9は105オーダーで若干の効果が見られる。
これに対し、銅ヒノキチオール〜ウオラストナイトのN
o.2、3は良好な効果を示しており、銅ヒノキチオー
ル〜タルクのNo.5、6では更に顕著な抗菌効果を示
すこと、またヒノキチオールは細菌のみならず黴菌にも
効果を示すことから、幅広い抗菌効果が安価に得られ
る。
【0058】抗菌性試験−3 ポリエチレン樹脂に各種抗菌剤を添加し、180℃で混
練、プレスしてフィルムを作製した。HTは昇華性を有
しており、蒸散したHTによる抗菌効果もこれまでに知
られているが、HTを無機物にインターカレートし、フ
ィルムに添加した形での蒸散による抗菌効果は、まだ知
られていない。今回、図6及び7に示す非接触法による
抗菌活性試験を行い、フィルムからのHTの蒸散による
抗菌効果を調べた。この結果を表5に示す。
【0059】<試験方法> フィルム非接触法(25℃、24時間) 試験剤が粉体の場合は、図6に示す通り、0.5gの試
験剤を小型のシャーレーに入れ、大型シャーレー(¢9
cm)の中にある菌液滴下瀘紙のそばに置き、フタで密
閉状態にして菌数の変化を調べた。試験剤がフィルムの
場合は、図7に示す通り、大型のシャーレーの上ぶたの
内側にフィルムを貼り付けて試験した。但し、図6及び
図7中1は粉体試験剤、2はフィルム、3は菌液を滴下
した瀘紙を示す。 <試験菌種> 大腸菌
【0060】
【表5】
【0061】<抗菌剤種の説明> No.2〜3:銅ヒノキチオールを3wt%担持させた
タルク No.4:銅ヒノキチオールを3wt%担持させたウオ
ラストナイト フィルムのみの菌数1.0×105(個/ml)を基に
して比べると、CHT−603を1.0部添加したフィ
ルムのNo.2では菌数が1桁減少しており、市販抗菌
フィルムの表面に接触した場合と同程度の抗菌効果を示
したが、添加量を0.1部に下がると抗菌効果は見られ
なかった。CHT−503を1.0部添加した場合も効
果があるが、CHT−603ほどではなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は比較例1のIRスペクトルである。
【図2】図2は比較例3のIRスペクトルである。
【図3】図3は実施例1のIRスペクトルである。
【図4】図4は比較例2のメタノール溶液のUV吸収ス
ペクトルである。
【図5】図5は実施例2のメタノール抽出液のUV吸収
スペクトルである。
【図6】図6は非接触法により粉体試験剤の抗菌性を測
定する手段を説明する説明図である。
【図7】図7は非接触法によりフィルムに練り込んだ試
験剤の抗菌性を測定する手段を説明する説明図である。
【符号の説明】
1.粉体試験剤 2.フィルム 3.瀘紙(菌液滴下)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス中に含まれているCaイオ
    ン、Mgイオン又は(及び)Alイオンを他の金属イオ
    ンと交換し、導入された金属イオンにヒノキチオールを
    配位させることを特徴とするヒノキチオールを包接する
    セラミックスの製造法。
  2. 【請求項2】セラミックスが、5CaO・6SiO2
    5H2Oで表されるトバモライト、6CaO・6SiO2
    ・H2Oで表されるゾノトライト、CaO・SiO2で表
    されるウオラストナイト、非晶質のゲル状珪酸カルシウ
    ム、これ等珪酸カルシウム系水和物の加熱脱水物、3C
    aO・Al23・6H2Oで表されるカルシウムアルミ
    ネート水和物並びにその加熱脱水物、3CaO・Al2
    3・3CaSO4・32H2Oで表されるカルシウムア
    ルミネート系複合水和物(エトリンガイト)並びにその
    加熱脱水物、オートクレーブ処理した軽量起泡コンクリ
    ート(Autoclaved Lightweight Concrete,通称AL
    C)、アルミノ珪酸塩系又はマグネシウム珪酸塩系粘土
    鉱物並びにその加熱脱水物、及び層状リン酸塩並びにそ
    の加熱脱水物、の少なくとも1種である請求項1に記載
    の金属ヒノキチオールを包接するセラミックスの製造
    法。
  3. 【請求項3】他の金属イオンがZnイオン、Cuイオ
    ン、Niイオン及びAgイオンの少なくとも1種である
    請求項1に記載のヒノキチオールを包接するセラミック
    スの製造法。
  4. 【請求項4】金属イオンがCuイオンであり、且つセラ
    ミックスがウオラストナイトである請求項3に記載のヒ
    ノキチオールを包接するセラミックスの製造法。
  5. 【請求項5】セラミックスがタルクである請求項4に記
    載のヒノキチオールを包接するセラミックスの製造法。
  6. 【請求項6】請求項1で製造されたセラミックスを少な
    くとも5重量%含有するセラミックス系組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002080309A (ja) * 2000-09-04 2002-03-19 Topics:Kk ヒノキチオール含有マイクロカプセルの使用方法
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