JP2009120314A - エレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、建築仕上材の厚さ寸法をほぼ一定とすることができ、建築仕上材の使用量を低減させることができるとともに、壁面形成作業の際に建築仕上材に亀裂が発生することを抑えることができるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を得ることを目的とするものである。
【解決手段】縦枠9及び上枠10の乗場側端面部9c,10cと、乗場側縁部2bとの間には、仕上壁下地部材11が渡されている。仕上壁下地部材11の傾斜下地面部11cは、乗場出入口2aの奥行き方向に対して傾斜して設けられている。仕上壁下地部材11の乗場側の面には、網状の下地金14が貼り付けられて固定されている。仕上壁下地部材11の乗場側の面には、建築仕上材5が塗布されており、その建築仕上材5によって、出入口仕上壁部5bが形成されている。
【選択図】図4

Description

この発明は、乗場壁の乗場側縁部と乗場三方枠との間を繋ぎ、仕上壁を形成する建築仕上材の下地をなすエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置に関するものである。
一般的なエレベータでは、乗場壁の厚さ寸法と、その乗場壁の仕上壁部の厚さ寸法(見込寸法)とに応じて乗場三方枠の厚さ寸法を設定しており、設置環境毎に乗場三方枠の厚さ寸法が異なっていたため、乗場三方枠を作り置きすることが困難であり、また厚さ寸法に応じて乗場三方枠の製造コストが増加していた。
これに対して、従来のエレベータ用三方枠の建物壁への取付装置では、厚さ寸法を一定に量産された乗場三方枠が乗場出入口に設けられて、乗場出入口に隣接する乗場壁の端面に接合された第1面部と、縦枠の乗場側の端面に接合された第2面部とを有する断面L字状の接続金によって、乗場壁と乗場三方枠とが接続される。そして、乗場壁と乗場三方枠との間に例えばモルタル等の建築仕上材が塗布(充填)されて、乗場出入口の仕上壁が形成される(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−345487号公報
上記のような従来のエレベータ用三方枠の建物壁への取付装置では、乗場壁と三方枠とを接続する接続金の両端を繋ぐように、断面直角三角形状に建築仕上材が塗布されて仕上壁が形成されるため、建築仕上材の使用量が乗場数に比例して多くなっていた。また、断面直角三角形状に仕上壁が形成されるため、仕上壁における直角三角形の斜辺の端部と、直角三角形の斜辺の中心部とでは、仕上壁の厚さ寸法が大きく異なり、建築仕上材が乾燥するまでの時間差によって建築仕上材に亀裂が入ることがある。このように建築仕上材に亀裂が入った場合には、壁面形成作業をやり直す必要があり、壁面形成作業の作業効率が低下していた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、建築仕上材の厚さ寸法をほぼ一定とすることができ、建築仕上材の使用量を低減させることができるとともに、壁面形成作業の際に建築仕上材に亀裂が発生することを抑えることができるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置は、乗場出入口が設けられた乗場壁と、乗場出入口及び乗場に隣接する乗場壁の乗場側縁部から乗場出入口の奥行き方向昇降路側に間隔をおいて乗場側の端面部が配置され、乗場出入口に設けられた乗場三方枠とを繋ぎ、仕上壁を形成する建築仕上材の下地をなすものであって、乗場三方枠の乗場側の端面部と乗場側縁部との間を渡すように乗場出入口の奥行き方向に対して傾斜して配置され乗場へ向けられた傾斜下地面を有し、傾斜下地面に建築仕上材が塗布されることによって仕上壁が形成される仕上壁下地部材を備えたものである。
この発明のエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置は、乗場三方枠の乗場側の端面部と乗場側縁部との間を渡すように乗場出入口の奥行き方向に対して傾斜して傾斜下地面が配置されているので、建築仕上材の厚さ寸法をほぼ一定とすることができ、建築仕上材の使用量を低減させることができるとともに、壁面形成作業の際に建築仕上材の亀裂の発生を抑えることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場を示す斜視図である。図2,3は、図1の乗場出入口2aを示す断面図である。
図において、建物には、昇降路1a、複数の乗場1b、昇降路1aと各乗場1bとを仕切る乗場壁2が設けられている。昇降路1aには、ロープ(図示せず)によってかご(図示せず)が吊り下げられている。
各階の乗場1bの乗場壁2には、乗場出入口2aが設けられている。乗場出入口2aは、一対の乗場ドア3によって開閉される。また、乗場壁2は、乗場出入口2aの開口領域と乗場1bとに隣接する乗場側縁部2bを有している。さらに、乗場壁2には、かごの位置を表示する表示部と、利用者によって操作されるボタン部とを有する乗場表示器4が埋め込まれている。さらにまた、乗場壁2の厚さ方向乗場1b側の面(コンクリート面)には、例えばモルタル等の建築仕上材5が塗布されて、乗場仕上壁部5aが形成されている。
乗場床1cにおける乗場出入口2aの開口領域に隣接する箇所には、乗場敷居6が固定されている。乗場敷居6の上面には、敷居溝6aが設けられている。敷居溝6aには、乗場ドア3の脚部が挿入されている。また、乗場敷居6の上面には、乗場三方枠(小枠三方枠)7が立設されている。さらに、乗場敷居6の昇降路1a側の端部には、トーガード8が設けられている。
乗場三方枠7は、乗場側縁部2bから乗場出入口2aの奥行き方向昇降路1a側に位置をずらして、乗場出入口2aに配置されている。また、乗場三方枠7は、乗場出入口2aの側部に沿う一対の縦枠9と、一対の縦枠9の上端同士を繋ぎ乗場出入口2aの間口方向に沿う上枠10とを有している。縦枠9の下端部は、アンカーボルト(図示せず)により螺入されることによって、乗場敷居6に固定されている。
縦枠9及び上枠10の形状は、断面コ字状である。縦枠9は、乗場出入口2aの間口方向に沿い昇降路1a側に配置された昇降路側端面部9aと、昇降路側端面部9aの乗場出入口2a側の端部から乗場1b側に折り曲げられ乗場出入口2aの奥行き方向に沿う中間面部9bと、中間面部9bの昇降路側端面部9aの反対側の端から反乗場出入口2a側に折り曲げられた乗場側端面部9cとを有している。ここで、乗場側端面部9cは、乗場側縁部2bから乗場出入口2aの奥行き方向昇降路1a側に間隔をおいて配置されている。上枠10は、縦枠9と同様に、昇降路側端面部10a、中間面部10b及び乗場側端面部10cとを有している。
縦枠9及び上枠10の乗場側端面部9c,10cと、乗場側縁部2bとの間には、仕上壁下地部材(下地用堰板)11が渡されている。図4は、図2の一部を拡大して示す断面図である。図5は、図4の仕上壁下地部材11を拡大して示す斜視図である。仕上壁下地部材11は、金属板によって構成されている。また、仕上壁下地部材11は、縦枠9の高さ方向、及び上枠10の長手方向に沿ってそれぞれ配置されている。さらに、仕上壁下地部材11は、乗場壁側取付部11a、三方枠側取付部11b及び傾斜下地面部11cを有している。乗場壁側取付部11a及び三方枠側取付部11bには、それぞれ複数の取付孔(又は取付溝)11dが高さ方向に間隔をおいて設けられている。
乗場壁側取付部11aの取付孔11dには、アンカーボルト12が挿入され、そのアンカーボルト12が乗場壁2へ螺入されることにより、乗場壁側取付部11aが乗場側縁部2bに取り付けられている。三方枠側取付部11bの取付孔11dには、ねじ13が挿入され、そのねじ13が縦枠9又は上枠10へそれぞれ螺入されることにより、三方枠側取付部11bが縦枠9又は上枠10にそれぞれ接続されている。
傾斜下地面部11cは、乗場壁側取付部11aと三方枠側取付部11bとの間に配置されている。また、傾斜下地面部11cは、乗場出入口2aの奥行き方向に対して傾斜して設けられている。さらに、傾斜下地面部11cの一方の面は、乗場1bへ向けられており、傾斜下地面を構成している。即ち、傾斜下地面部11cの傾斜下地面は、縦枠9及び上枠10の乗場側端面部9c,10cと乗場側縁部2bとの間を渡すように配置されている。
仕上壁下地部材11の乗場側の面には、網状の下地金(メタルラス、エキスパンドメタル)14が貼り付けられている。仕上壁下地部材11の乗場側の面には、建築仕上材5が塗布されており、その建築仕上材5によって、出入口仕上壁部5bが形成されている。つまり、仕上壁下地部材11は、建築仕上材5の下地をなしている。なお、上枠10に接続された仕上壁下地部材11の構成は、縦枠9に接続された仕上壁下地部材11の構成と同様である。
上記のようなエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置では、乗場側端面部9c,10cと乗場側縁部2bとの間を渡すように乗場出入口2aの奥行き方向に対して傾斜して傾斜下地面が配置されているので、建築仕上材5の厚さ寸法をほぼ一定とすることができ、建築仕上材5の使用量を低減させることができるとともに、出入口仕上壁部5bの壁面形成作業の際に建築仕上材5に亀裂が発生することを抑えることができる。
また、傾斜下地面に網状の下地金14が固定されているので、傾斜下地面における建築仕上材5の塗着性を向上させることができ、出入口仕上壁部5bの形成作業を向上させることができる。
ここで、従来のエレベータ用三方枠の建物壁への取付装置では、建築仕上材を形成する際に、建築仕上材の厚さ寸法の調整を行う必要があるため、ある程度熟練した左官工事担当者が仕上壁の形成作業を行う必要があったが、上記のようなエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置では、建築仕上材5の厚さ寸法が一定となるので、出入口仕上壁部5bの形成作業を容易に行うことができ、左官工事担当者の技量に依らずとも出入口仕上壁部5bの形成を行うことができる。
なお、実施の形態1では、仕上壁下地部材11が金属板によって構成されていたが、仕上壁下地部材は、傾斜下地面を有していればよく、金属板に限定するものではない。例えば、仕上壁下地部材は、断面三角形状の柱状体であってもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。図6は、実施の形態2によるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を示す断面図である。図7は、図6の仕上壁下地部材21の取付状態を示す斜視図である。実施の形態2の仕上壁下地部材21は、乗場壁2に接続された乗場壁側取付部21a、乗場三方枠7に接続された三方枠側取付部21b、及び傾斜下地面を構成する傾斜下地面部21cを有している。
乗場壁側取付部21aは、傾斜下地面部21cに対して鋭角をなすように傾斜下地面部21cから折り曲げられて、乗場出入口2aに隣接する乗場壁2の端面に沿って配置されている。また、乗場壁側取付部21aには、アンカーボルト12挿入用の取付孔が設けられている。
三方枠側取付部21bは、傾斜下地面部21cに対して鋭角をなすように傾斜下地面部21cから折り曲げられて、乗場側端面部9c,10cの両面を挟み込むように断面U字状に折り曲げられている。即ち、三方枠側取付部21bは、縦枠9又は上枠10の乗場側端面部9c,10cを、乗場出入口2aの奥行き方向昇降路1a側及び乗場1b側の両側から挟み込むように配置されている。また、三方枠側取付部21bには、ねじ13挿入用の取付孔が設けられている。
傾斜下地面部21cには、乗場壁側取付部21a及び三方枠側取付部21bの取付孔に対応するように、アンカーボルト12又はねじ13と工具(ドライバ)22とを挿入するための貫通孔21dが設けられている。他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のようなエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置では、乗場側端面部9c,10cの両面を挟み込むように断面U字状に折り曲げられた三方枠側取付部21bによって、仕上壁下地部材21が乗場三方枠7に取り付けられているので、乗場三方枠7に仕上壁下地部材21を取り付ける際に、乗場三方枠7に設けられた取付孔の位置と三方枠側取付部21bの取付孔との位置が互いにずれている場合であっても、乗場側端面部9c,10cに対する三方枠側取付部21bの挟み込み量を調節することによって、それらの取付孔同士の位置合わせを容易に行うことができ、取付作業性を向上させることができる。
また、乗場側端面部9c,10cに対する三方枠側取付部21bの挟み込み量を調節することによって、傾斜下地面部21cの傾斜角の微調整を容易に行うことができる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。図8は、実施の形態3によるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を示す断面図である。図9は、図8の第1下地片32及び第2下地片33を拡大して示す分解斜視図である。実施の形態1,2では、仕上壁下地部材11が1枚の金属板によって構成されていたが、実施の形態3では、仕上壁下地部材31が第1下地片32と第2下地片33とに分割されて構成されている。
第1下地片32には、乗場壁2に接続された乗場壁側取付部32a、及び傾斜下地面の一部を構成する第1傾斜下地面部32bを有している。第2下地片33には、乗場三方枠2に接続された三方枠側取付部33a、及び傾斜下地面の一部を構成する第2傾斜下地面部33bを有している。
乗場壁側取付部32aには、アンカーボルト12挿入用の取付溝32cが設けられている。第1傾斜下地面部32bには、傾斜方向に沿う長孔32dが設けられている。長孔32dには、ねじ34がワッシャ35を介して挿入される。三方枠側取付部33aには、ねじ13挿入用の取付溝33cが設けられている。第2傾斜下地面部33bには、ねじ34螺入用のねじ孔33dが設けられている。
つまり、ねじ34が長孔32dを通してねじ孔33dに螺入されることによって、第1下地片32及び第2下地片33が、互いに重なり合うように組み合わされて接続されている。また、第1下地片32及び第2下地片33は、長孔32dに沿って、第1傾斜下地面部32b及び第2傾斜下地面部33bの傾斜方向へ互いに摺動可能となっている。そして、第1下地片32及び第2下地片33が互いに摺動されることによって、傾斜下地面の面積が調節される。他の構成は実施の形態1と同様である。
上記のようなエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置では、第1下地片32及び第2下地片33が互いに重なり合うように組み合わされて接続されており、第1下地片32及び第2下地片33が互いに摺動されることによって、傾斜下地面の面積を調節可能となっているので、乗場側縁部2bに対して乗場三方枠7に取付誤差が生じている場合に、第1傾斜下地面部32b及び第2傾斜下地面部33bを組み合わせた傾斜下地面の面積を調節することによって、乗場三方枠7の取付誤差を吸収することができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータの乗場を示す斜視図である。 図1の乗場出入口を示す断面図である。 図1の乗場出入口を示す断面図である。 図2の一部を拡大して示す断面図である。 図4の仕上壁下地部材を拡大して示す斜視図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を示す断面図である。 図6の仕上壁下地部材の取付状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置を示す断面図である。 図8の第1下地片及び第2下地片を拡大して示す分解斜視図である。
符号の説明
1a 昇降路、1b 乗場、2 乗場壁、2a 乗場出入口、2b 乗場側縁部、5 建築仕上材、5a 乗場仕上壁部、5b 出入口仕上壁部、7 乗場三方枠、9 縦枠、9c 乗場側端面部、10 上枠、10c 乗場側端面部、11,21,31 仕上壁下地部材、11c,21c 傾斜下地面部、14 下地金、21b 三方枠側取付部、32 第1下地片、32b 第1傾斜下地面部、33 第2下地片、33b 第2傾斜下地面部。

Claims (3)

  1. 乗場出入口が設けられた乗場壁と、上記乗場出入口及び乗場に隣接する上記乗場壁の乗場側縁部から上記乗場出入口の奥行き方向昇降路側に間隔をおいて乗場側の端面部が配置され、上記乗場出入口に設けられた乗場三方枠とを繋ぎ、仕上壁を形成する建築仕上材の下地をなすエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置であって、
    上記乗場三方枠の乗場側の端面部と上記乗場側縁部との間を渡すように上記乗場出入口の奥行き方向に対して傾斜して配置され上記乗場へ向けられた傾斜下地面を有し、上記傾斜下地面に上記建築仕上材が塗布されることによって上記仕上壁が形成される仕上壁下地部材
    を備えていることを特徴とするエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置。
  2. 上記仕上壁下地部材は、金属板によって構成されており、
    上記仕上壁下地部材の乗場三方枠側の端部には、上記乗場三方枠の乗場側の端面部に沿って上記傾斜下地面に対して鋭角をなすように折り曲げられて、上記乗場三方枠の乗場側の端面部の両面を挟み込むように断面U字状に折り曲げられた三方枠側取付部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置。
  3. 上記仕上壁下地部材は、上記乗場壁に取り付けられた第1下地片と、上記乗場三方枠に取り付けられた第2下地片とに分割されて構成されており、
    上記第1下地片及び上記第2下地片は、互いに重なり合うように組み合わされて接続されており、互いに摺動されることによって、上記傾斜下地面の面積を調節可能となっていることを特徴とする請求項1記載のエレベータの乗場出入口の仕上壁下地装置。
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