JP6791632B2 - 階段 - Google Patents
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Description
また、階段として、段板部材の踏面に蹴込面を一体に形成した略L字断面状に形成したり、段板部材と段板部材との間に底板部を設けたりして、段板部材と段板部材との間の空間部を塞いだものが知られている(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。
一方、特許文献4,5のように、段板部材と段板部材との間が、完全に閉じられた階段では、階段下からの目線は遮ることができるものの、開放感に乏しく、また、階段の下のスペースが暗くなるという問題を有する。
一対の桁と、
前記一対の桁上に設けられ、踏み板を形成する1以上の段板部材と、
前記桁に固定され、前記段板部材を固定支持する支持部材と、を備え、
前記段板部材は、表面に化粧段板を有し、裏面に化粧段板受金具を有することを特徴とする階段とした。
また、前記化粧段板受金具は、前記段板部材の下方に形成された空間部内に突出した突出部を有する構成とするのが好ましい。
また、前記突出部は、前記段板部材の踏み抜けを防止する踏み抜け防止部としてもよい。あるいは、前記突出部は、前記空間部を通る視線を遮る目隠し部としてもよい。
さらに、前記突出部は、前記化粧段板受金具の段鼻側の端部に設けられているとともに、前記化粧段板受金具の前記段鼻側とは反対側に第2の突出部を有する構成とするのが好ましい。
また、上方の床と下方の床との間に中間踊場を有するとともに、前記中間踊場と下方の床との間に設けられた下部階段と、前記中間踊場と上方の床との間に設けられた上部階段と、を有する構成としてもよい。
さらに、前記支持部材は、前記桁と前記段板部材との間に立設された板状の本体部と、この本体部の下端部から折曲されて前記桁に当接状態で固定された桁固定フランジと、前記本体部の上端部から、前記桁固定フランジとは逆方向に折曲された段板支持フランジと、によりZ型状に形成された構成とするのが好ましい。
よって、開放感を有し、かつ、階段下からの目線を遮りつつ、意匠性を高めることができる階段を提供することができる。
さらに、化粧段板受金具が、突出部を有するものでは、目線を遮る効果を確実に得ることができるとともに、化粧段板受金具および段板部材の剛性を確保することができる。加えて、階段の形状や高さが変わっても、この突出部の突出代を適宜設定することにより、上記の目線を遮る機能および意匠性を高める効果を確実に得ることができる。
また、突出部として踏み抜け防止部を有するものでは、段板部材における踏み抜けを抑制できる。
そして、突出部として目隠し部を有するものでは、目線を遮る効果を確実に得ることができる。
突出部が、化粧段板受金具の段鼻側の端部に設けられ、さらに、化粧段板受金具の段鼻側とは反対側に第2の突出部を有するものでは、化粧段板受金具および段板部材の剛性をさらに向上させることができる。加えて、支持部材を固定する際の化粧段板受金具に対する位置決め作業性を向上させることが可能となる。
中間踊場と下方の床との間に設けられた下部階段と、前記中間踊場と上方の床との間に設けられた上部階段と、を有する廻り階段としたものでは、廻り階段において、上記の効果を得ることができる。
また、支持部材をZ型状に形成したものでは、段板部材への固定時に、良好な作業性を得ることができる。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1の階段Aの構成を説明する。
図1は、実施の形態1の階段Aを建物に設置した状態を示す斜視図である。
この図1に示すように、実施の形態1の階段Aは、建物(図示省略)の1階床F1と2階床F2との間に中間踊場FMを有し、この中間踊場FMで折り返した廻り階段状に設けられたもので、下部階段10と上部階段20とを備える。
まず、図3に示す下部階段10の構成について説明する。
下部階段10は、左右一対の桁11,11と、桁11,11の上に架け渡される複数段(6段)の段板部材30と、段板部材30を桁11,11に固定する一対の支持部材50(図5、図6参照)と、を備える。
また、桁11の上板11bには、後述する支持部材50を固定するのにあたり、ボルト51を挿通するためのボルト挿通穴(図示省略)が、支持部材50の固定位置に対応する位置に貫通して形成されている。
そして、下部階段10の桁11の下端部フランジ11eは、図5に示すように、1階床F1の下側に設けられた桁支持部材60に固定具としてのボルト12およびナット13により固定されている。なお、下端部フランジ11eには、図示は省略するが、ボルト12を挿通する一対のボルト挿通穴が貫通して形成されている。
本体部50aは、台形の板状に形成され、上下方向(矢印UP、DN方向)に沿って設けられている。
桁固定フランジ50bは、本体部50aの下端を略直角に折曲して本体部50aに一体に形成されている。そして、この桁固定フランジ50bは、固定具としてのボルト51により桁11の上板11bに固定されている。なお、桁固定フランジ50bには、図7(c)に示すように、ボルト51を挿通するための2つのボルト挿通穴50dが貫通して形成されている。
上部階段20も、左右一対の桁11,11と、桁11,11の上に架け渡される段板部材30および第2の段板部材40と、両段板部材30,40をそれぞれ支持して桁11に固定する支持部材50を備える。
一方、桁11の上端部は、図9に示すように、2階床F2に設けられた2階下側梁83に、固定具としてのボルト18およびナット19により固定されている。
第2の段板部材40は、図11に示すように、表面側(矢印UP方向側)に第1の段板部材30と共通の化粧段板31を有するとともに、裏面側(矢印DN方向側)に化粧段板受金具42を有する。
図12は、化粧段板31を示す図であり、(a)は化粧段板の正面図、(b)は化粧段板31の底面図、(c)は化粧段板31の断面図((b)のS12−S12線の位置の断面)である。
また、化粧段板31は、プラスチック再生複合材によりハニカム構造などの強度を有した構造に形成された強度保持部材311の表面が、木材製の表面仕上材312により覆われて木材としての意匠が与えられている。
なお、踏板部31aの左右には、それぞれ、支持部材50の段板支持フランジ50cに形成された3つの螺子穴50eと軸心が一致する位置の3箇所に、所定深さの溝孔31dが形成されている。
また、第2の段板部材40にあっても、突出部および第2の突出部としての目隠し部42bとフランジ部42cとの間隔は、両者42b,42cの間に支持部材50の段板支持フランジ50cが収まる寸法に形成されている。
次に、実施の形態1の階段Aの作用を説明する。
下部階段10および上部階段20は、予め工場で組み立てておき、建設現場にて各床F1,F2および中間踊場FMに組み付ける。
各階段10,20を組み立てる際には、予め、第1の段板部材30および第2の段板部材40を組み立てる。
段板部材30は、図10に示すように、化粧段板31を、その踏板部31aの裏面が上を向くように載置し、踏板部31aの裏面の左右方向の全長に亘って接着剤SEを、筋状に複数条塗布する。
このとき、支持部材50の段板支持フランジ50cを、踏み抜け防止部32bとフランジ部32cとの間に配置し、概略の位置合わせをした後、段板支持フランジ50cの3つの螺子穴50eの位置をベース板部32aの3つの螺子穴32dの位置に一致させる。そして、螺子52を各螺子穴50e,32dに挿通しながら、化粧段板31の踏板部31aの溝孔31dにねじ込んで、支持部材50を段板部材30に固定する。
次に、下部階段10および上部階段20の組立手順を、下部階段10を代表して説明する。
下部階段10を組み立てる場合、まず、一対の桁11,11を、左右方向に所定の間隔で離して、平行に配置する。
次に、建設現場において、建物の各床F1、F2および中間踊場FMに、下部階段10および上部階段20を組み付ける作業の手順を説明する。
そして、上端部フランジ11dに開口されたボルト挿通穴11f、11fを、シノなどを用いて踊場下側梁81のボルト挿通穴(図示省略)の位置に一致させて、桁11,11を中間踊場FMに対して位置を合わせ、仮固定する。
以上により、下部階段10を、1階床F1と中間踊場FMとに架け渡して設置を終える。
この場合、上部階段20を、図外のクレーンなどにより吊り下げて、中間踊場FMと2階床F2との間の設置位置に運ぶ。
そして、桁11の上端部フランジ11dに開口されたボルト挿通穴11f(図4参照)を、シノなどを用いて2階床F2の2階下側梁83のボルト挿通穴(図示省略)の位置に一致させるとともに、桁11の下端部フランジ11eに開口されたボルト挿通穴11g(図4参照)を、踊場下側梁81の踊場上側梁82のボルト挿通穴(図示省略)の位置に一致させて、桁11,11を仮固定する。
以上により、下部階段10、上部階段20を設置することにより、階段Aが完成する。
以下に、実施の形態1の階段の効果を列挙する。
1)実施の形態1の階段Aは、
一対の桁11,11と、
一対の桁11,11上に設けられ、踏板(踏板部31a)を形成する1以上の段板部材30,40と、
桁11に固定され、段板部材30,40を固定支持する支持部材50と、を備え、
段板部材30,40は、表面に化粧段板31を有し、裏面に化粧段板受金具32,42を有することを特徴とする。
そして、段板部材30,40の裏面に化粧段板受金具32,42を有することにより、段板部材30,40の下方の空間部70の目線を遮ることが可能である。
よって、実施の形態1の階段Aは、開放感を有し、かつ、階段下からの目線を遮りつつ、意匠性を高めることができる。
化粧段板受金具32,42は、一対の桁11,11の一方の桁11から他方の桁11まで延在され、支持部材50に固定支持されていることを特徴とする。
このように、段板部材30,40の裏面に設けた金属製の化粧段板受金具32,42を、一対の桁11,11の間に架け渡して支持部材50により固定支持するため、段板部材30,40の剛性および強度を確実に確保することができる。
化粧段板受金具32,42は、段板部材30の下方に形成された空間部70に突出した突出部(踏み抜け防止部32b、目隠し部42b)を有することを特徴とする。
このように、化粧段板受金具32,42が下方に突出した突出部を備えるため、目線を遮る効果を確実に得ることができるとともに、突出部を備えないものと比較して、化粧段板受金具32,42および段板部材30,40の剛性を確保することができる。さらに、階段の形状や高さが変わっても、この突出部(踏み抜け防止部32b、目隠し部42b)の突出代を適宜設定することにより、上記1)の目線を遮る機能および意匠性を高める効果を確実に得ることができる。
突出部は、段板部材30の踏み抜けを防止する踏み抜け防止部32bであることを特徴とする。
突出部に踏み抜け防止部としての機能を与えることにより、上記3)の効果に加え、段板部材30における踏み抜けを抑制できる。
突出部は、空間部70を通る視線を遮る目隠し部42bであることを特徴とする。
このように、突出部に目隠し部としての機能を与えることにより、上記3)の効果に加え、目線を遮る効果を確実に得ることができる。
突出部としての踏み抜け防止部32b、目隠し部42bは、化粧段板受金具32,42の段鼻側の端部に設けられているとともに、化粧段板受金具32,42の段鼻側とは反対側に第2の突出部としてのフランジ部32c,42cを有することを特徴とする。
したがって、突出部を1つのみ備えるものと比較して、化粧段板受金具32,42および段板部材30,40の剛性をさらに向上させることができる。
また、支持部材50を固定する際の化粧段板受金具32,42に対する位置決め作業性を向上させることが可能となる。具体的には、本実施の形態1では、図10、図11に示すように、支持部材50の前後方向位置を、踏み抜け防止部32bとフランジ部32cとにより規定することができるとともに、目隠し部42bとフランジ部42cにより規定することができ、単に化粧段板31の溝孔31dと螺子穴32d,42dとを一致させるよう位置決めするものと比較して、作業性に優れる。
上方の床(2階床F2)と下方の床(1階床F1)との間に中間踊場FMを有するとともに、中間踊場FMと下方の床(1階床F1)との間に設けられた下部階段10と、中間踊場FMと上方の床(2階床F2)との間に設けられた上部階段20と、を有することを特徴とする。
したがって、廻り階段状の階段Aを提供できるとともに、この廻り階段状の階段Aにて、上記1)〜6)の効果を奏する。
支持部材50は、桁11と段板部材30,40との間に立設された板状の本体部50aと、この本体部50aの下端部から折曲されて桁11に当接状態で固定された桁固定フランジ50bと、本体部50aの上端部から、桁固定フランジ50bとは逆方向に折曲された段板支持フランジ50cと、によりZ型状に形成されていることを特徴とする。
このように、支持部材50としてZ型状のものを用いることにより、コの字状のものを用いるよりも、段板部材30,40への固定時に、良好な作業性を得ることができる。すなわち、図10、図11に示すように、支持部材50を段板部材30,40に固定するために螺子52を締結する際に桁固定フランジ50bが邪魔すること無く螺子52を締結することができる。
階段の上部の段板部材に、具体的には、上部階段20の最上部の段板部材40に、目隠し部42bを設けたことを特徴とする。
したがって、下部階段10および上部階段20の下部では、第1の段板部材30を用い、空間部70の間隔を拡げることにより、大きな開放感を確保できる。
一方、階段Aでは、上部になるほど、空間部70を通る目線が上向きになるとともに、空間部70を通る視野が広がるため、階段Aの上部(具体的には、上部階段20の最上段)に目隠し部42bを設けることにより、目線を確実に遮ることができる。
また、化粧段板受金具は、実施の形態では、桁と桁との間に架け渡された例を示したが、これに限定されず、桁と桁との間の全長に満たない寸法であっても、所望の効果を得ることができる。
さらに、実施の形態では、突出部として、踏み抜け防止部と目隠し部とを備えたものを示したが、いずれか一方のみを備えた構成としてもよい。
また、実施の形態では、支持部材は、Z型状のものを示したが、その形状は、これに限定されず、例えば、コの字断面形状のものや、箱形断面形状のものを用いることも可能である。
11 桁
20 上部階段
30 (第1の)段板部材
31 化粧段板
31a 踏板部
31b 段鼻フランジ部
31d 溝孔
32 化粧段板受金具
32b 踏み抜け防止部(突出部)
32c フランジ部(第2の突出部)
40 (第2の)段板部材
42 化粧段板受金具
42b 目隠し部(突出部)
42c フランジ部(第2の突出部)
50 支持部材
50a 本体部
50b 桁固定フランジ
50c 段板支持フランジ
70 空間部
A 階段
F1 1階床
F2 2階床
FM 中間踊場
Claims (6)
- 一対の桁と、
前記一対の桁上に設けられ、踏み板を形成する1以上の段板部材と、
前記桁に固定され、前記段板部材を固定支持する支持部材と、を備え、
前記段板部材は、表面に化粧段板を有し、裏面に化粧段板受金具を有し、
前記化粧段板と前記化粧段板受金具と前記支持部材とが、固定具を貫通させて固定され、
前記化粧段板受金具は、前記段板部材同士の間に開放された空間部に向けて下方に突出された突出部を有し、
前記突出部は、前記空間部の略1/2の寸法に形成された前記段板部材の踏み抜けを防止する踏み抜け防止部であることを特徴とする階段。 - 前記化粧段板は、プラスチック再生複合材によるハニカム構造の強度保持部材と、前記強度保持部材の表面を覆う木材製の表面仕上材とにより形成されている請求項1に記載の階段。
- 前記化粧段板受金具は、前記一対の桁の一方の桁から他方の桁まで延在され、前記支持部材に固定支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の階段。
- 前記突出部は、前記化粧段板受金具の段鼻側の端部に設けられているとともに、前記化粧段板受金具の前記段鼻側とは反対側に第2の突出部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の階段。
- 上方の床と下方の床との間に中間踊場を有するとともに、前記中間踊場と下方の床との間に設けられた下部階段と、前記中間踊場と上方の床との間に設けられた上部階段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の階段。
- 前記支持部材は、前記桁と前記段板部材との間に立設された板状の本体部と、この本体部の下端部から折曲されて前記桁に当接状態で固定された桁固定フランジと、前記本体部の上端部から、前記桁固定フランジとは逆方向に折曲された段板支持フランジと、によりZ型状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の階段。
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