JP6439339B2 - 耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置 - Google Patents

耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置 Download PDF

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本発明は、耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置に係わり、更に詳しくは隣接する支柱間にパネル板を係止した耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置に関するものである。
通常、オフィスビル等は、複数のスラブで各階が形成され、上スラブの下面側には吊り天井構造体が構築され、下スラブの上面側にはフロア構造体が構築され、構造壁で囲まれた空間を間仕切装置で適宜に区画されている。通常、吊り天井構造体は、上スラブから垂下した吊支部材(吊りボルト)によって、縦横に張り巡らした天井支持レールを吊下げ状に保持し、該天井支持レールに天井パネルの周囲を係止する構造である。このような吊り天井構造体を有する室内に天井パネルからフロア構造体にわたって、間仕切パネルやドアパネルを組み合わせた間仕切装置を設置する。ここで、間仕切パネルとして、空間の開放性を高めるために、ガラスパネルを用いることも多い。従来、吊り天井構造体に対する耐震基準はなかったが、東日本大震災によって多くの吊り天井構造体が落下し、破損したことを受けて、天井の耐震性を高める機運が高まり、層間変位角が1/60〜1/40、震度7、天井面加速度が2.2Gに耐えることが要求されている。それに応じてガラスパネルにも同様の高耐震性が要求されるようになった。
従来から、地レールと天レール間に複数の支柱を所定間隔毎に立設し、隣接する支柱間にパネル板の両側縁を支持するために、該支柱の表面側に形成した係止孔とパネル板の両側取付板に形成した取付孔に、共通の係止具を係止する構造の間仕切パネルは各種提供されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、支柱に対して金属板製の係止具を介して壁パネル(パネル板)等を着脱自在に係止する係止装置において、前記係止具を、前記支柱の面板に穿設した縦長の係止孔に挿入して該面板内面に接当する縦長の第1係止爪と、前記支柱の外面に沿って延びる縦長の第2係止爪とを、当該両係止爪の中途高さ部位間を支持部にて繋いで、該両係止爪の間にて上下に開放する上下一対の開口溝が形成されるように構成し、この上向き開口溝に、第2係止爪に係止する壁パネル等における取付板の取付孔を係脱自在に嵌挿する構造が開示されている。
ここで、係止具による壁パネルの係止状態を安定化させるために、特許文献1では、前記支持部の下端から第1係止爪の上端までの高さ寸法を前記係止孔の上下寸法よりも大きくなるように設定し、前記第2係止爪の上端を第1係止爪の上端よりも低くすると共に、該第2係止爪における上部の内角部を切欠き形成する一方、前記下向き開口溝の溝巾寸法を、前記支柱における面板の肉厚寸法よりも大きい寸法に設定し、前記第2係止爪の下端を第1係止爪の下端よりも下方に位置させると共に、該第2係止爪の下端には、前記支柱の外面に接当する突起を一体的に造形したのである。また、特許文献2では、壁パネルの取付板に形成した取付孔の少なくとも上方に、弾性変形可能な突部が設けられ、前記上下両開口溝内に、前記支柱の面板と前記壁パネルの取付板とが重ねた状態で配置されるとき、前記突部が前記第2係止爪により弾性変形可能に押圧されるように構成したのである。
一方、従来から天井に取付けた天レールと床面に敷設した地レールの間に、間隔を置いて複数の支柱を立設し、隣接する支柱間に枠体を介してガラス板を保持した構造のガラスパネル装置は各種提供されている。ここで、前記ガラスパネルは、床面から天井に至る一枚物や上下に複数に分割されたタイプのものがある。ガラス板を保持する構造としては、互いに連結して強度を高めた枠体をガラス板の周囲に密嵌し、あるいは両面粘着テープや接着剤で枠体とガラス板とを粘着、若しくは接着して剛性の高いガラスパネルとし、該ガラスパネルの枠体を両側支柱に係止具で係止する構造がある(特許文献3参照)。
しかし、従来の係止具とパネル板の取付孔は、クリアランスが少ないので、地震時に支柱の揺れが直接パネル板に伝達し、支柱と共にパネル板もロッキングし、その結果、パネル板の一側が支柱に対して競り上がる。例えば、パネル板の面内において支柱が右側に傾斜した場合、パネル板の左側が対応する支柱に対して持ち上がり、係止具の係止爪の位置までパネル板の取付孔が上がると、係止具からパネル板が外れることもある。通常の地震であれば、パネル板が脱落する事態には至らないが、大きな地震振動、特に長周期の地震振動が発生して大きな層間変位が生じた場合には、係止具の第2係止爪からパネル板の取付孔が抜ける可能性がある。
実公平7−40004号公報 特開2005−048377号公報 特開2006−028937号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、地震時の揺れによって支柱が傾斜した場合に、支柱に直接的又は間接的に係止具で保持されたパネル板の変位量を抑制して、より安定にパネル板を保持することが可能な耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、所定間隔で立設した支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表裏両側の上下方向に所定間隔で複数個装着した係止具に、パネル板の両側取付板に形成した取付孔をそれぞれ係合してなる耐震性間仕切装置において、前記係止具は、前記パネル板の取付孔に挿入する上向きの係止片と、該係止片の基部に位置し、前記支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表面から突出し、前記取付孔の上縁部を係止する連結部とを有し、地震時に前記取付孔の上縁部に沿って前記係止具が相対変位し且つ前記パネル板の自重によって前記取付孔の中央部へ前記係止具が自然復帰すべく、前記取付孔の横幅を前記連結部の厚さの2倍以上に設定するとともに、前記取付孔の上縁部は、中央部が最も高く、中央部から両側縁にかけて高さが減少した形状としてなることを特徴とする耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置を構成した(請求項1)。
ここで、前記取付孔の横幅を20mm以上、30mm以下に設定してなることがより好ましい(請求項2)。
そして、前記パネル板の最下段の前記取付孔のみ、横幅を前記係止具の連結部の厚さの2倍以下に設定し、該取付孔の上縁部は前記係止具の連結部を密嵌する形状であることも好ましい(請求項)。
以上にしてなる請求項1に係る発明の耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置は、所定間隔で立設した支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表裏両側の上下方向に所定間隔で複数個装着した係止具に、パネル板の両側取付板に形成した取付孔をそれぞれ係合してなる耐震性間仕切装置において、前記係止具は、前記パネル板の取付孔に挿入する上向きの係止片と、該係止片の基部に位置し、前記支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表面から突出し、前記取付孔の上縁部を係止する連結部とを有し、地震時に前記取付孔の上縁部に沿って前記係止具が相対変位し且つ前記パネル板の自重によって前記取付孔の中央部へ前記係止具が自然復帰すべく、前記取付孔の横幅を前記連結部の厚さの2倍以上に設定するとともに、前記取付孔の上縁部は、中央部が最も高く、中央部から両側縁にかけて高さが減少した形状としてなるので、地震によって支柱が左右に傾斜し、即ちロッキング状態になった際に、前記係止具は支柱の動きに追従して左右に変位するが、前記パネル板の取付孔の横幅が支持具の連結部の厚さより十分に広いので、パネル板は係止具の動きに追従せず、取付孔の側縁に係止片が当たって初めてパネル板が支柱の動きに追従して左右に変位するようになり、地震による影響を小さくすることができる。つまり、取付孔内を係止具の連結部及び係止片が左右に変位する程度の微振動であれば、パネル板は支柱の早いロッキング動作に追従せず、基本姿勢をほぼ維持したままとなるので、パネル板の動作が緩和されて地震の影響を殆ど受けないのである。更に、前記取付孔の上縁部は、中央部が最も高く、中央部から両側縁にかけて高さが減少した形状であるので、地震が収まって支柱が元の垂直状態に戻った際に、係止具の連結部及び係止片がパネル板の取付孔に対して左右に偏っていても、連結部に対して取付孔の上縁部の最も高い中央部が係止されるように、自重によってパネル板の姿勢が自然に復元するのである。また、パネル板が自然に基本姿勢に復帰しない場合にも、人手によってパネル板を左右にずらせば、最も安定な状態である取付孔の上縁部の最も高い中央部が係止具の連結部に係止されるように変位させることができる。
請求項2によれば、前記取付孔の横幅を20mm以上、30mm以下に設定してなるので、支柱の上端部が下端部に対して左右に10mm程度傾斜しても、係止具の変位を吸収することができる。
請求項によれば、前記パネル板の最下段の前記取付孔のみ、横幅を前記係止具の連結部の厚さの2倍以下に設定し、該取付孔の上縁部は前記係止具の連結部を密嵌する形状であるので、パネル板の下端部の位置が支柱若しくは支持部材に装着した係止具の位置で規定され、パネル板の基本姿勢への復帰がスムーズになるとともに、微振動時に不用意にパネル板が左右に平行移動することを防止できる。
本発明に係る耐震性間仕切装置の部分正面図である。 同じく耐震性間仕切装置の縦断平面図である。 同じく要部の分解斜視図である。 係止具と取付孔の関係を示す説明図である。 地震によって起こったロッキング状態における耐震性間仕切装置の部分正面図である。 取付孔の形状の各種パターンを示し、(a)は上縁部を上方に凸の円弧縁とした形状の取付孔、(b)は上縁部を上方に凸の傾斜縁とした形状の取付孔、(c)は上縁部を水平な直線縁とした形状の取付孔、(d)は横幅の狭い従来の形状の取付孔である。 耐震性間仕切装置の基本姿勢を示す部分正面図である。 微振動時における耐震性間仕切装置を示す部分正面図である。 図8の微傾斜姿勢において係止具と取付孔の関係が基本姿勢に近づくように復帰する様子を示す部分正面図である。 大振動時における耐震性間仕切装置を示す部分正面図である。 図10の大傾斜姿勢において係止具と取付孔の関係が基本姿勢に近づくように復帰する様子を示す部分正面図である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図5は本発明に係るパネル板係止装置を採用した耐震性間仕切装置を示し、図6は取付孔の各種形状を示し、図中符号1は吊り天井構造体、2はフロア構造体、3はパネル構造体、4は天レール、5は地レール、6は支柱、7は第1支持部材、8は第2支持部材、9はパネル板、10は係止具をそれぞれ示している。
本発明に係る耐震性間仕切装置は、図1に示すように、上スラブの下面側に構築した耐震性の吊り天井構造体1と、下スラブの上面側に構築したフロア構造体2との間にパネル構造体3を構築したものであり、該パネル構造体3は、吊り天井構造体1の下面に取付けた天レール4と前記フロア構造体2の上面に取付けた地レール5との間に、上端部は前記天レール4、下端部は前記地レール5の変位に追従可能となるように、複数の支柱6,…を所定間隔毎に立設するとともに、該支柱6の一側には第1支持部材7を、他側には第2支持部材8を沿わせて取付けて、該支柱6、第1支持部材7及び第2支持部材8を一体化し、前記第1支持部材7及び第2支持部材8の表裏両側の上下方向に所定間隔で複数個装着した係止具10,…に、パネル板9の両側取付板11に形成した取付孔12をそれぞれ係合して構成する。
ここで、前記パネル板9は、第1支持部材7及び第2支持部材8を用いずに、前記支柱6の係止孔13,…に直接装着した係止具10,…に係合させて支持しても良い。本実施形態では、前記パネル板9としてガラスパネル体を用いている関係上、前記第1支持部材7及び第2支持部材8を用い、該第1支持部材7及び第2支持部材8の表裏両側に上下方向に所定間隔で設けた係止孔14,…に、前記係止具10,…を係止して装着するとともに、該係止具10,…に、ガラスパネル体の縦枠部材15に一体的に設けた取付板11の取付孔12を係合させる構造としている。前記パネル板9(ガラスパネル体)は、ガラス板16の周囲をアルミ押出し型材からなる枠体で保持した構造である。
本発明に係る耐震性間仕切装置は、前記支柱6の上端部は前記天レール4、該支柱6の下端部は前記地レール5の変位に追従可能とし、両側の支柱6,6に取付けた一方の第1支持部材7と他方の第2支持部材8間に前記パネル板9を上方変位可能に複数の係止具10,…で係止し、上下スラブの層間変位に対して面内でロッキング変位可能としたものである。ここで、「ロッキング」とは、複数の支柱6,…が平行を保ってパネル面内で左右に傾斜し、それに応じてパネル板9,…も左右に傾斜する動作を示している。
前記縦枠部材15は、図2及び図3に示すように、アルミニウム製の押出し型材であり、前記ガラス板16の側縁部を嵌合する保持溝17と、前記取付板11と、前記支柱6、第1支持部材7及び第2支持部材8を隠蔽するための内板18とを有している。更に詳しくは、前記縦枠部材15は、前記ガラス板16の背面に接合する裏板19の外側縁に前記保持溝17を形成するとともに、前記裏板19の内側縁から背面側へ延びた前記内板18を形成し、該内板18の外側に前記裏板19と間に空間を形成して前記取付板11を断面略T字状に延設したものである。そして、前記縦枠部材15の前記取付板11には、前記係止具10を用いて前記第1支持部材7又は第2支持部材8へ取付けるための取付孔12,…を上下方向へ所定間隔を隔てて複数形成している。本実施形態では、前記取付孔12は、上下端部とその間に上から50cm毎に形成している。一方、前記支柱6の係止孔13と前記第1支持部材7及び第2支持部材8の係止孔14は、上下方向に5cm毎に形成している。尚、前記係止孔13と係止孔14は、同一形状である。前記ガラス板16の上下縁部を保持する横枠部材は、図示しないが、前記縦枠部材15の保持溝17及び内板18は共通に備えている。
次に、図2及び図3に基づいて、前記パネル板9を両側の支柱6,6に取付ける構造を詳細に説明する。前記パネル板9は、直接前記支柱6に取付けるのではなく、支柱6の側面側に取付けた該支柱6より前後幅が小さい前記第1支持部材7と第2支持部材8とに係止具10,…を用いて取付けるのである。ここで、前記支柱6は、側面板20の前後に前面板21と後面板22とを有する断面略コ字形で、前面板21と後面板22の端縁を内向きに折曲して補強縁23,23を形成したものである。そして、図示しないが、前記支柱6の下端にはアジャスターの支柱部を嵌着し、また上端には天固定具を嵌着している。
また、前記第1支持部材7は、固定板24の表裏両側に支持板25,25を形成した断面略コ字形の部材であり、その凹溝部を側方へ向けて前記支柱6の側面板20の外面に前記固定板24を面接合状態でネジ26にて取付ける。そして、前記第1支持部材7の両支持板25,25には、前記パネル板9の取付孔12,…を係合するための係止孔14,…を上下方向に複数形成している。また、前記第2支持部材8は、横幅寸法が前記第1支持部材7よりも大きくした以外には同じであるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。前記第1支持部材7と異なる点は、前記第2支持部材8の凹溝部を側方へ向けてその約半分を前記支柱6の内部に収容した状態で、前記支柱6の側面板20の内面に前記固定板24を面接合状態で前述と同じネジ26にて取付ける。そして、前記支柱6から側方へ突出した前記第2支持部材8の両支持板25,25の突出部分に係止孔14,…を上下方向に複数形成している。
前記係止具10は、図3及び図4に示すように、前記係止孔14に挿入する第1係止片27と、前記パネル板9の取付孔12に挿入する第2係止片28とを備え、これら第1係止片27と第2係止片28との間に上向き開口溝と下向き開口溝とを形成して連結部29を設けた構造である。更に詳しくは、前記係止具10は、板厚の厚い鋼板を打ち抜き加工して作製し、第1係止片27及び第2係止片28が、前記連結部29の下方よりも上方へ長く延びた形状であり、前記第1係止片27は先端が前記第2係止片28に接近するように円弧状に湾曲し、前記第2係止片28は上端になるにつれて先細となった形状である。前記支持板25の係止孔14に連結部29を係止した状態で、第1係止片27の上端30は支持板25の裏面に当接するとともに、該第1係止片27の下端には支持板25の裏面に当接する当接部31を形成し、また前記第2係止片28の外側縁は垂直縁32、内側縁は傾斜縁33となっており、下端には支持板25の表面に当接する当接部34を形成している。
ここで、前記連結部29の上端から第2係止片28の上端からまでの長さ(L1)は、前記係止孔14の上下寸法(D)の2倍以上に設定している。前記係止孔14に係止した係止具10を用いて、隣接する支柱6,6に取付けた前記第1支持部材7と第2支持部材8の表裏両面にパネル板9,9を係止するのであるが、前記係止具10の第2係止片28は上向きに延びており、この掛かり寸法(L1)を長く設定することにより、前記パネル板9が上方変位しても外れないようにしている。因みに、本実施形態では、係止具10の板厚は3mmであり、前述の掛かり寸法(L1)は47mmに設定している。当然ではあるが、前記パネル板9の取付孔12の上下寸法L2は、前記係止具10の第2係止片28の上下寸法より若干大きく設定している。
そして、前記取付孔12は、図3、図4及び図6(a)に示すように、横幅Wを前記係止具10の連結部29の厚さの2倍以上に設定している。尚、地震による支柱6の傾斜が大きくなると、前記取付孔12の横幅Wをもっと広くして変位を吸収する必要があり、好ましくは前記取付孔12の横幅Wを前記係止具10の連結部29の厚さの5倍以上に設定する。本実施形態では、前記取付孔12の横幅Wを26mmに設定している。前記係止具10の板厚が3mmであるから、左右に11.5mmだけ変位可能である。また、前記取付孔12の上縁部35は、中央部35Aが最も高く、中央部35Aから両側縁36,36にかけて高さが減少した形状である。最も代表的な取付孔12の形状は、上縁部35を上方に凸の円弧縁35Bとした形状である。
前記第1支持部材7と第2支持部材8の表裏両面の前記係止孔14,…に、前記係止具10の第1係止片27を斜め下方から挿入し、前記第2係止片28の垂直縁32が鉛直になるように回転させ、第1係止片27の上端30を支持板25の裏面に当接した状態で、下方へスライドさせて連結部29を係止孔14の下縁に当止するとともに、当接部31と当接部34とで支持板25を内外から挟み込んだ状態で係止する。このように、前記第1支持部材7と第2支持部材8に装着した前記係止具10の第2係止片28は、前記支持板25の表面から突出した状態で上向きに保持されており、表面側及び裏面側でそれぞれ各第2係止片28,…を前記パネル板9の各取付孔12,…に同時に受け入れた後、該パネル板9を下方へスライドさせて、各取付孔12,…の上縁部35を前記係止具10の連結部29に係止する。図2は、表裏両側に前記パネル板9,9を装着した状態であり、それぞれの縦枠部材15,15の内板18,18の先端が突き合わせ接合し、第1支持部材7と第2支持部材8を隠蔽している。また、前記パネル板9の上下端部は、それぞれ天レール4と地レール5の外面に接合し、同様に横枠部材の両内板18,18で天レール4と地レール5を隠蔽している。つまり、ガラス板16を通して第1支持部材7と第2支持部材8及び天レール4と地レール5が見えないように内板18,18で視線を遮っている。
図1は、前記パネル板9が基本姿勢にある状態を示し、この基本姿勢では前記取付孔12の中央部35Aに前記係止具10の連結部29が位置している。前記取付孔12の中央部35Aは、最も高い位置にあるので、該中央部35Aが前記係止具10の連結部29に係止されている状態が最も位置エネルギーが低くなり安定である。図5は、地震によって前記支柱6,…が左側へ傾斜し、それに応じてパネル板9,…も左側へ傾斜した状態を示している。この時、前記係止具10の相対位置は、前記取付孔12の中心からずれた位置に変位する。
図6は、前記取付孔12の形状の各種パターンを示している。図6(a)の取付孔12は、最も基本的な形状であり、前述の如く上縁部35を上方に凸の円弧縁35Bとしたものである。前記円弧縁35Bは半楕円形状であっても良い。尚、前記取付孔12の下縁部37の形状は、本発明では特に限定されず、製造容易性や強度を考慮して決定され、本実施形態では下方に凸のテーパー形状である。図6(b)は、前記取付孔12の他のパターンを示し、上縁部35を上方に凸の傾斜縁35Cとした形状であり、中央部35Aは前記係止具10の板厚に相当する幅の平坦部で形成されている。図6(c)は、前記取付孔12の更に他のパターンを示し、上縁部35を水平な直線縁35Dとした形状であり、その他は図6(a)と同様である。図6(d)の取付孔12は、横幅の狭い従来の形状であり、即ち横幅は前記係止具10の板厚の2倍よりも狭く、上縁部35と下縁部37が端部になるに従い狭まった形状であり、上縁部35に前記係止具10の連結部29が密嵌状態で係止するものである。
図6(b)に示した形状の取付孔12は、上縁部35を上方に凸の傾斜縁35Cとしているので、図6(a)の取付孔12の円弧縁35Bと同様に、パネル板9の自重による係止具10の取付孔12の中央部への自然復帰といった作用を有している。最下段の取付孔12のみ図6(d)に示した従来形状の取付孔12にし、他の位置には図6(a)〜(c)の取付孔12を設けることも可能である。
以上にしてなる本発明の係る耐震性間仕切装置の地震時における挙動を図7〜図11に基づいて説明する。この場合、取付孔12は、図6(a)に示した代表的な形状のものである。図7は、通常の基本姿勢を示し、係止具10の相対位置が取付孔12の中心である。
先ず、図8は、小さな地震によって起きる微振動時における耐震性間仕切装置の基本姿勢からの変位を示している。この場合、支柱6は左側へ小さく傾斜し、それに伴って上部では取付孔12に対して係止具10の相対位置は左側へ変位するが、下端は取付孔12に対して係止具10の相対位置は中心のままである。つまり、支柱6の傾き角度よりパネル板9の傾き角度は小さい。この状態は、上端部において取付孔12の傾斜縁の左端が係止具10に係止され、基本姿勢よりもパネル板9が高い位置になり、位置エネルギーが上昇している不安定な状態である。そこで、図9に示すように、上端部において取付孔12に対して係止具10の相対位置が中央側へ変位するようにパネル板9が移動し、パネル板9はより基本姿勢に近い状態に復帰するのである。
次に、大きな地震によって起きる大振動時における耐震性間仕切装置の基本姿勢からの変位を示している。この場合、支柱6は左側へ大きく傾斜し、それに伴って全ての取付孔12に対して係止具10の相対位置は左側へ変位し、支柱6の傾き角度と同程度にパネル板9も傾き、左側を基準として右側は支柱6(第1支持部材7)に対して持ち上がり、右側の取付孔12の位置は、係止具10に対して上昇する。この状態は、左側において全てお取付孔12の傾斜縁の左端が係止具10に係止され、また右側は傾斜して上昇しているので、基本姿勢よりもパネル板9がかなり高い位置になり、位置エネルギーが大きく上昇している非常に不安定な状態である。そこで、図11に示すように、左側において取付孔12に対して係止具10の相対位置が中央側へ変位するようにパネル板9が移動し、パネル板9は平行移動して下がるので、全体として位置エネルギーが小さくなり、また右側においては取付孔12と係止具10の係合状態が安定な方向に変位するので、パネル板9が脱落し難くなる傾向がある。
1 吊り天井構造体、 2 フロア構造体、
3 パネル構造体、 4 天レール、
5 地レール、 6 支柱、
7 第1支持部材、 8 第2支持部材、
9 パネル板、 10 係止具、
11 取付板、 12 取付孔、
13 係止孔、 14 係止孔、
15 縦枠部材、 16 ガラス板、
17 保持溝、 18 内板、
19 裏板、 20 側面板、
21 前面板、 22 後面板、
23 補強縁、 24 固定板、
25 支持板、 26 ネジ、
27 第1係止片、 28 第2係止片、
29 連結部、 30 上端、
31 当接部、 32 垂直縁、
33 傾斜縁、 34 当接部、
35 上縁部、 35A 中央部、
35B 円弧縁、 35C 斜縁、
35D 直線縁、 36 側縁、
37 下縁部、
L1 第2係止片の掛かり寸法、
L2 取付孔の上下寸法、
W 取付孔の横幅。

Claims (3)

  1. 所定間隔で立設した支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表裏両側の上下方向に所定間隔で複数個装着した係止具に、パネル板の両側取付板に形成した取付孔をそれぞれ係合してなる耐震性間仕切装置において、前記係止具は、前記パネル板の取付孔に挿入する上向きの係止片と、該係止片の基部に位置し、前記支柱、若しくは該支柱に取付けた支持部材の表面から突出し、前記取付孔の上縁部を係止する連結部とを有し、地震時に前記取付孔の上縁部に沿って前記係止具が相対変位し且つ前記パネル板の自重によって前記取付孔の中央部へ前記係止具が自然復帰すべく、前記取付孔の横幅を前記連結部の厚さの2倍以上に設定するとともに、前記取付孔の上縁部は、中央部が最も高く、中央部から両側縁にかけて高さが減少した形状としてなることを特徴とする耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置。
  2. 前記取付孔の横幅を20mm以上、30mm以下に設定してなる請求項1記載の耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置。
  3. 前記パネル板の最下段の前記取付孔のみ、横幅を前記係止具の連結部の厚さの2倍以下に設定し、該取付孔の上縁部は前記係止具の連結部を密嵌する形状である請求項1又は2記載の耐震性間仕切装置におけるパネル板係止装置。
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