<全体構成>
まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、下記遊技盤を前方から覆い、機器の前面を形成する前面枠として、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154を有する扉部材156を有し、この扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。
扉部材156の下方には、球発射手段として、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142を配置している。さらに、扉部材156の下方には、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設するとともに、装飾図柄表示装置110の右方には、装飾図柄表示装置110と協働して後述のような遊技演出を行う可動物として可動部(以下では扉部材ともいう)800を配設している。
本実施例では、演出装置200を構成する装飾図柄表示装置110は、後述の図6以降、特に図7に示す構造によって、図の紙面に沿って上下左右の方向、図の紙面に垂直な方向に移動できるよう、また、図の紙面内で回転できるよう駆動することができる。装飾図柄表示装置110は、例えば液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)により構成することができる。
また、演出装置200を構成する可動部800は、後述の図6以降に示す構造によって図の紙面に沿う上下方向にそれぞれ独立して移動するよう駆動される2枚の可動板800a、800bを含む。可動部800の可動板800a、800bは、扉部材、ないしシャッタ部材として機能し、下記のような駆動機構によりそれぞれ独立して移動させることができ、これによりその下部の部材、特に装飾図柄表示装置110の所定の範囲を遮蔽したり、露出させたりするために用いる。
本実施例では、可動板800a、800bの表面にはそれぞれ2つづつ、それぞれ上、および下方向に向いた矢印が付されている。この矢印は、塗装などにより表現するか、あるいは矢印形状の透明ないし半透明の樹脂部材などを嵌め込むことにより構成する。後者の構造では、透明ないし半透明の樹脂部材の後部にLEDやELなどの発光手段を配置し、遊技制御に応じて点灯ないし点滅、あるいは発光色を変更するなどの演出を行なうことができる。
装飾図柄表示装置110と、可動部800を連動させて行う演出例については後で詳述する。
また、遊技領域104内、本実施例では盤面の右下方には、周囲には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図4(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、ここでは液晶表示装置(LCD)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図4(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図4(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、ここでは遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。ここでは、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、ここでは遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、ここでは遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、ここでは第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、ここでは遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、転動態様に変化を付与する手段として、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
さらに、本実施例では、ほぼ円形の遊技領域104全体を囲むように、リング形状の可動物として、回転体701を配置してある。この回転体701は、円周上を等間隔に24等分して画成された24個の表示部701a...を含む。
回転体701の各表示部701aは、透明ないし半透明の樹脂などの表示板から構成され、各表示部701aの各表示板によって、「1」〜「12」の数字(左半部)、「AM」、「PM」、「大当り」、「ハズレ」、「確変(確率変動)」、「ハズレ」、「?」、「ハズレ」、「リーチ」、「ハズレ」、「スーパーリーチ」などの文字列(右半部)を表示できるものとする。
また、本実施例では、回転体701は、不図示の駆動手段により反時計廻り(後述の図8参照)に回転駆動され、任意の停止位置で停止させることができるものとする。
また、回転体701の各表示部701aの各表示板の背面にはLED、ランプ、ELなどの発光素子を配置し、その各表示板の数字や文字列を強調表示できるようにしてもよい。なお、表示部701aの個数は任意であり、また各表示板の表示すべき文字列は演出内容に応じて任意である。なお、回転体701の内側にカラーフィルタ等を貼り付け、内部の発光素子の発光色に応じて同じ表示板に複数種類の文字や図形などの識別情報を表示するようにしてもよい。
回転体701の回転駆動や、各表示部701aによる表示内容は、後述するように装飾図柄表示装置110の表示内容および移動と、可動部800の移動に連動して制御する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
図3は、パチンコ機100を背面側から見た外観斜視図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154に導くためのタンクレール153とを配設している。
払出装置154は、筒状の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させると共に、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。なお、この払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置154の左側には、後述する主制御部300を構成する主基板161と、後述する副制御部400を構成するサブ基板164とを配設している。また、これら主基板161やサブ基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインターフェース部163とを配設している。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。この例では、特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。この例では、装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。この例の場合、普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、後述するCPU404の制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の表示制御、および後述の駆動部1102を介して装飾図柄表示装置110の移動制御を行うための副制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380を接続している。
副制御部400は、後述するように装飾図柄表示装置110、スピーカ416、各種演出用駆動装置424などを用いた遊技演出の制御(演出制御)を行う。
なお、装飾図柄表示装置110の移動を制御するモータその他の駆動手段(後述)は、駆動部1102に含まれ、副制御部400は副制御部500、さらに駆動部1102を介して装飾図柄表示装置110の移動を制御する。
また、上述の可動物、特に可動部800(可動板800a、800b)を駆動するモータその他の駆動手段(後述)や、回転体701を回転駆動するモータその他の駆動手段は、各種演出用駆動装置424の一部として含まれ、副制御部400は可動部800(可動板800a、800b)の移動を演出用駆動装置制御回路426を介して制御する。
すなわち、本実施例では、遊技台に移動可能な表示手段としての装飾図柄表示装置110、および移動可能な可動物としての可動部800(可動板800a、800b)が設けられ、図5の副制御部400は、後述のように上記表示手段の移動態様と上記可動物の移動態様とが関連した演出を行わせる演出制御手段として機能する。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御すると共に、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<装飾図柄表示装置および可動部の駆動系>
図6および図7に、装飾図柄表示装置110および可動部800の駆動系の構造を示す。図6は主に可動部800の駆動系と、装飾図柄表示装置110の支持構造を、また、図7は装飾図柄表示装置110の駆動部1102の構造をそれぞれ示した斜視図である。
図6に示すように、可動部800は、遊技盤102を支持する樹脂などから一体成型などにより形成されたベース板102aの背面側に装着される。可動部800の可動板800a、800bは、駆動部802により、ベース板102aの背面側において、上下方向にそれぞれ独立して移動するよう駆動される。
駆動部802は、たとえば金属フレームなどの支持部材上に、モータ801、プーリ803、805、806、これらプーリに架装されたベルト804、807などから構成される。これらのうち、モータ801は、プーリ803(下側のプーリは不図示)、ベルト804を介して上側の可動板800aを駆動する。また、下側の可動板800bは、図示のようにベルト807の一部と結合され、ベルト807、プーリ805、806を介して不図示のモータ(駆動部802のフレーム背面などに配置されたモータ801と同様のもの)により駆動される。これら可動板800a、可動板800bを駆動するモータ801(あるいはさらに上記の不図示のモータ)は、図5の各種演出用駆動装置424の一部として含まれ、演出用駆動装置制御回路426を介して副制御部400が制御する。
一方、装飾図柄表示装置110は、円盤状の支持板110e上に配設し、支持板110eと一体をなしている。支持板110eは図示のように装飾図柄表示装置110の表示範囲よりも大きな面積を有し、装飾図柄表示装置110の支持板110eは、それ自体、可動板800a、800bと同様の可動部としての機能を果す。たとえば、後述のように装飾図柄表示装置110を移動させた場合、支持板110eの部分でそれまで装飾図柄表示装置110の表示が占めていた範囲を遮蔽したり、あるいは支持板110eに付した下記の矢印1103を露出させて遊技者に提示したりすることができる。また、支持板110eは、装飾図柄表示装置110と別体に構成し、別の駆動手段で装飾図柄表示装置110とは独立に移動してもよい。
支持板110eの装飾図柄表示装置110の左方には、図の右向きの矢印1103を付してある。この矢印1103は、塗装などにより表現するか、あるいは矢印形状の透明ないし半透明の樹脂部材などを嵌め込むことにより構成する。後者の構造では、透明ないし半透明の樹脂部材の後部にLEDやELなどの発光手段を配置し、遊技制御に応じて点灯ないし点滅、あるいは発光色を変更するなどの演出を行なうことができる。また、装飾図柄表示装置110の外枠は、矢印1103と同じ向きに遊技者に後述のように回転体701の抽選結果を指示する指示部として知覚されるような矢印110fとして構成されている。この矢印110fの部分も矢印1103と同様に構成することができる。
装飾図柄表示装置110の支持板110eの背面には、ラック1104を支持板110eに対して垂直に配設してある。このラック1104は、図7に示した装飾図柄表示装置110の駆動部1102により駆動される。図7の駆動部1102は、ベース板102aの背面に配置される。
図7において、装飾図柄表示装置110の支持板110e背面のラック1104(図7では支持板110eは不図示)は、モータ1107で駆動されるピニオンギヤ1106と噛合する。そして、モータ1107を駆動することにより、図7に矢印Zで示すように装飾図柄表示装置110の支持板110eを遊技盤102に対して浮き上るよう、または沈み込むよう(遊技者に対して近づくよう、または離れるよう)、移動させることができる。
このとき、装飾図柄表示装置110の支持板110eは、モータ1107の駆動により、ベース板102aの遊技盤102の中央〜右上領域に画成された空間内において移動できるよう配置されており、支持板110eは可動部800の可動板800a、800bよりも前、同じ高さ、あるいは後のいずれの位置にも移動できる。
ラック1104は、ピニオンギヤ1106と噛合するとともに、プーリ1108中心部に矢印Zで示す方向に摺動自在に支持されている。モータ1107は、ナイロンバンドあるいは取付金具などによって、プーリ1108に固定する。
プーリ1108は、コの字型のフレーム1105の前面側の板に矢印Rに示すように回動自在に支持されている。そして、フレーム1105の内側には、モータ1111を配設し、このモータ1111でプーリ1109、およびプーリ1108、1109間に架装されたベルト1110を介して支持板110eを回動させることができる。これにより、図6の矢印1103が所定の演出態様に必要な向きを向くように支持板110eの回動位置を決定することができる。
フレーム1105は、その後方の支持板1113に固定されたガイドバー1112に対して上下(矢印Y)方向に摺動自在に支持されている。また、フレーム1105後方の一端はベルト1114と結合してある。ベルト1114は、支持板1113に支持されたプーリ1113、1115間に架装されており、このうちプーリ1115は支持板1113背面に装着したモータ1122により駆動される。これにより、フレーム1105、したがって装飾図柄表示装置110の支持板110eを矢印Y方向、すなわち遊技盤102の上下方向に移動し、また任意の位置で停止させることができる。
さらに、支持板1113の上部は、支持板1120に固定されたガイドバー1123に対して左右(矢印X)方向に摺動自在に支持されている。支持板1113の上端は、ベルト1117と結合してある。ベルト1117は、支持板1120に支持されたプーリ1118、1119間に架装されており、このうちプーリ1119は支持板1120背面に装着したモータ1121により駆動される。これにより、支持板1113〜フレーム1105〜支持板110e〜装飾図柄表示装置110を矢印X方向、すなわち遊技盤102の上下方向に移動し、また任意の位置で停止させることができる。
<演出制御の例>
次に上記構成における動作につき説明する。ここでは、装飾図柄表示装置110の表示内容および移動と、可動部800の移動を連動させて、あるいはさらに回転体701の表示を連動させて行う演出制御の例につき図8〜図10を参照して説明する。
図8は、装飾図柄表示装置110の表示内容および移動、可動部800の移動、さらに回転体701の回転/表示を連動させて行う演出例を示している。また、図9は副制御部400が行なう演出制御の流れを、図10は図9の演出制御手順において、副制御部400が行なうリーチ演出処理の流れを示している。
ここでは、まず図9により、副制御部400のCPU404が実行する演出制御全体の流れを説明する。図9(および後述の図10)の制御手順は副制御部400のROM406に格納しておくことができる。
<副制御部メイン処理>
まず、図9(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路352のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化などを行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して副制御部500にコマンドを出力する。副制御部400は、後述するストローブ処理または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302およびS303の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図9(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
図9(f)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(g)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図9(f)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(g)に示す図柄停止処理などを行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理などである。その他の処理は、ここでは割愛する。
図9(f)ステップS501の変動パターン処理では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、あらかじめROM406などに用意した変動番号選択テーブル、および図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号および仮停止図柄・停止図柄の組合せなど)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
具体的には、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を変動決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている変動決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、大当たりフラグの状態に基づいて、あらかじめ用意した大当たりフラグがオン(大当たり当選)、および大当たりフラグがオフ(大当たり不当選)の場合に用いるいずれか一方の変動番号テーブルを参照すると共に、タイマ番号、確変フラグ、取得した変動決定用乱数値に基づいて、対応する変動番号を選択し、選択した変動番号をRAM408に設けている変動番号記憶領域に記憶する。
次に、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を図柄決定用乱数値として取得し、RAM408に設けている図柄決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、変動番号、取得した図柄決定用乱数値に基づいて仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せをRAM408に設けたそれぞれの図柄記憶領域に記憶して処理を終了する。
図9(g)のステップS601の図柄停止処理では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域の3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図9(c)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図9(d)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路380によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS901では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<副制御部タイマ割り込み処理>
次に、図9(e)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、上記ステップS501で記憶した変動番号、仮停止図柄の組合せ、停止図柄の組合せ、後述する操作演出パターン、および装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、スピーカ416および各種ランプ420による装飾図柄変動表示を制御するための動作制御データの更新を行う。なお、上記変動番号は、変動開始から変動停止までの1回の装飾図柄変動の態様を示す大分類データの識別子であり、この大分類データはさらに詳細な複数の小分類データで構成されている。小分類データは装飾図柄表示装置が表示する動画像の切り替えタイミング、スピーカから出力する音の切り替えタイミング、および各種ランプの点灯態様の切り替えタイミングなどを割り込み処理の開始周期(ここでは2ms)を最小単位とする数値で記憶しているタイムチャートデータで構成している。
例えば、変動時間が10秒である変動番号が変動2で示される装飾図柄変動の場合を例示する。ここで、ステップS501で変動番号=変動2、停止図柄の組合せとして「装飾7-装飾6-装飾7」を選択し、それぞれを記憶領域に記憶したものとする。この場合、変動2で示す大分類データには装飾図柄表示装置を制御するための小分類データA、スピーカを制御するための小分類データB、および各種ランプを制御するための小分類データCが関連付いている。小分類データAにはさらに演出情報A〜演出情報Gという識別子の7つの時系列的な演出情報で構成している。ここでは簡単にするため装飾図柄の変動開始からの経過時間を単に秒数で示し(例えば「装飾図柄の変動開始からの経過時間が5秒〜7秒の期間は」といった文章を「5〜7秒間は」と示し)、装飾図柄表示装置の左、中、右図柄表示領域のそれぞれ、および図柄の種類を単に位置と図柄の名称で示し(例えば「装飾図柄表示装置の左図柄表示領域に装飾図柄「装飾7」を停止する」といった文章を「左に装飾7を停止する」と示す)、また複数の装飾図柄を所定の表示領域に変動表示することを単に変動表示と呼ぶ。
演出情報Aは0〜2秒間は左、中、右に高速度で変動表示することを示している。演出情報Bは2〜3秒間は左に低速度で、中、右には高速で変動表示することを示している。演出情報Cは3〜4秒間は左に装飾7を停止し、中、右には高速で変動表示することを示している。演出情報Dは4〜5秒間は左に装飾7を停止し、中は高速で、右は低速で変動表示することを示している。演出情報Eは5〜7.5秒間は左、右に装飾7を停止し、中は高速で変動表示することを示している。演出情報Fは7.5〜9.5秒間は左、右に装飾7を停止し、中は低速で変動表示することを示している。演出情報Gは9.5〜10秒間は左、右に装飾7を停止し、中に装飾6を停止表示することを示している。小分類データBおよびCも同様に複数の時系列的な演出情報で構成している。
ステップS801では、演出を切り替えるタイミング、例えば演出情報Aによる演出の終了タイミングで演出情報をAからBに切り替える処理を行うと共に、切り替えた演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部500に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンドなど)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納するなど、後述するステップS802、S803によるスピーカ416または各種ランプ420を制御する準備を行う。
また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否かの抽選を行う。ここでは装飾図柄の変動を開始する場合(例えば演出情報Aを選択したタイミング)、リーチ状態、すなわち、左、右に同一種類の装飾図柄を停止することを示す演出情報(例えば演出情報E)に演出情報が切り替わった場合、および大当たり開始後最初の可変入賞口130の開放を演出表示する場合に、あらかじめ用意した操作演出パターン選択用テーブル1、2を用いたチャンスボタン関係の演出をするかどうか、する場合には演出の内容を決定し、決定結果をRAM408に設けた操作演出パターン記憶領域に記憶し、さらに決定結果によっては上記装飾図柄の変動表示に用いる小分類データとは別の小分類データに関連する演出情報に基づく装飾図柄表示装置110、スピーカ416ないし各種ランプ420を制御する準備を行う。また、本実施例では、特に、装飾図柄表示装置110で左、右に同一種類の装飾図柄を停止するリーチ状態においては、図8および図10で説明するようなリーチ演出を行うよう装飾図柄表示装置110、スピーカ416ないし各種ランプ420を制御する準備を行う。これらの処理を行ってからこのステップS801を終了する。
ステップS802では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS801で取得したスピーカ制御用の情報(例えば小分類データB、または演出情報)に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御を音源IC418に行わせる。
ステップS803では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS801で取得した各種ランプ制御用の情報(例えば小分類データC、または演出情報)に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータなどをI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS804では、演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上述のようにして決定された演出内容に応じて、演出用駆動装置制御回路426を介して各種演出用駆動装置424に含まれるソレノイドやモータ(上記の可動部800駆動用の各モータ)を駆動制御する演出用駆動装置制御処理を行う。この演出用駆動装置制御処理では、上記ステップS801で取得した演出用可動体の制御用の情報に含まれる動作タイミングを示すデータ等をI/O410の出力ポートに設定し、演出用の可動物等を駆動する各種演出用駆動装置424の制御を演出用駆動回路426に行わせる。また、本実施例では、特に、装飾図柄表示装置110で左、右に同一種類の装飾図柄を停止するリーチ状態においては、可動部800を用いて図8および図10で説明するようなリーチ演出を行うよう各種演出用駆動装置424に含まれるモータ(上記の可動部800駆動用の各モータ)を駆動制御する。
以上の副制御部タイマ割り込み処理(図9(e))において、本実施例では、リーチ状態においては、副制御部500、および駆動部1102を介して装飾図柄表示装置110の移動を制御するとともに、演出用駆動装置制御回路426、および各種演出用駆動装置424を介して可動部800(可動板800a、800b)の移動を制御して、リーチ演出を行う。
ここで、本実施例のリーチ演出制御処理の一例について説明する。本実施例のリーチ演出制御処理は、装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチ状態であるか否かを判定し、装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチ状態の場合のみ実行する。ここで、リーチとは、例えば、左、右、中央の順で図柄を停止せる場合、左及び右の停止図柄が同一且つ右の図柄が停止してから最後の中央の図柄が変動表示になっている変動態様をいう。このリーチ判定は、例えば、装飾図柄表示装置110でリーチ表示態様を開始するときにRAM408の所定領域にフラグなどを立てておき、そのフラグを判定することなどにより行う。ここで装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチ状態である場合のみ、後述の図10に示すリーチ演出処理を行う。
図8(a)〜(e)は、このリーチ演出制御の様子を示している。また、図10は図8のように装飾図柄表示装置110と、可動部800(可動板800a、800b)を連動させて行うリーチ演出制御の流れを示している。
ここでは、まず図8(a)〜(e)に示した、装飾図柄表示装置110と、可動部800を連動させて行うリーチ演出制御例を説明する。この例は、リーチ後の抽選の様子を射撃に見たてて演出するようになっている。
図8(a)の状態は、抽選が開始された後、リーチ状態に入った直後の状態を示している。左、中、右の図柄表示領域110a、110b、110cは図示のように装飾図柄表示装置110の左下部に縮小状態で表示する。
この例では、左、右、中の順で図柄を停止させていくが、図8(a)の状態はリーチ状態であるから、既に左、右の図柄表示領域110a、110cが同一の図柄(この場合「7」)で停止し、中央の図柄表示領域110bのみを変動させている。このとき、装飾図柄表示装置110は盤面中央の初期位置に停止させ、可動部800は、可動板800a、800bが中央で互いにほぼ接する初期位置に停止させている。また、盤面周囲の回転体701は反時計廻りに回転させる(ただしこの回転方向は任意)。
さらに、装飾図柄表示装置110では、図示のように銃口を盤面の3時方向に向けたピストル(銃)の図柄を中央に大きく表示させる。
図8(b)〜(d)は、その後、抽選が大当たりで終了する場合の演出状態を順に示しており、図8(e)は抽選が大当たりで確定した最終の演出状態を示している。
図8(b)〜(d)に示す通り、この状態では、左、右の図柄表示領域110a、110cが同一の図柄(この場合「7」、「7」)で停止、中央の図柄表示領域110bのみを変動させている。
図8(a)の状態から図8(b)の状態に遷移する間には、たとえば図8(a)で表示しているピストルの発射(銃撃)を表現するために射撃音をスピーカ416で再生したり、あるいはガンスモーク(不図示)を装飾図柄表示装置110で表示させたりする。
その後、図8(b)〜(d)の過程において、回転体701は回転を続け、装飾図柄表示装置110は、除々に右方向に移動させつつ、可動板800a、800bを上、下に除々に移動させる。装飾図柄表示装置110の移動に応じて、装飾図柄表示装置110の左側の矢印1103が除々に視認できるようになる。この段階では、装飾図柄表示装置110には、ピストルから発射されたように見えるよう、右方に向かって飛行中の弾丸の図柄(画像)を表示する。このとき弾丸はアニメーション表示により、たとえば空気の動きや振動などを表現する動線などとともに表示してもよい。
なお、前述のように装飾図柄表示装置110は、可動物としても機能する支持板110eと一体であり、装飾図柄表示装置110を移動させた際、支持板110eによって、装飾図柄表示装置110が占めていた部位を遊技者から遮蔽し、また同時にそれ自体の移動によって、上記の矢印1103を表示することができる。
図8(d)の大当りで抽選を確定させる直前の状態では、装飾図柄表示装置110は、最も右方に移動して、右先端の指示部で盤面の3時の位置を指した状態で停止させる。可動板800a、800bは、装飾図柄表示装置110を遮蔽しないよう、それぞれ最上部、最下部の位置まで移動して装飾図柄表示装置110の表示を遊技者が全て視認できるように開く。また、回転体701は、「大当り」の表示部が3時の位置に来るように回転させる。図8(d)の演出状態によって、発射された弾丸が命中したことが表現される。
そして、その後、直ちに図8(e)の演出状態に移行する。この抽選確定の最終状態では、図示のように、装飾図柄表示装置110で同じ「7」、「7」、「7」の3つの全ての装飾図柄を揃った状態で表示する。また、装飾図柄表示装置110は盤面中央の初期位置に復帰させ、可動板800a、800bも相互に接する初期位置に復帰させる。なお、図8(d)から図8(e)の状態に装飾図柄表示装置110および可動板800a、800bを移動させる時、たとえば図6および図7に示した駆動系の各モータを急速に駆動してもよい。あるいは、不図示のリターンスプリングなどを用いて、図8(d)から図8(e)の状態に装飾図柄表示装置110および可動板800a、800bを急速に移動させるようにしてもよい。
以上のように、図8のような演出例によれば、装飾図柄表示装置110の表示および移動と、可動部800の可動板800a、800bの移動を連動させて行なうことにより、リーチ状態の変動をピストルの射撃を模したスリリングな演出で表現でき、遊技が単調となることを防ぎ、遊技者の遊技への興趣を高めることができる。
図8に示したような演出は、図10に示すようなリーチ演出制御により実現することができる。図10は、副制御部400で行なう演出制御の流れを示している。このリーチ演出制御は、上述のように、装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチ状態である場合のみ実行する。以下、図10の制御手順を説明するが、ここでは必要に応じて図8(a)〜(e)の各演出状態との関連についても示す。
図10のステップS101では、装飾図柄表示装置110(LCD)で、ピストル(銃)の図柄を中央に大きく表示させるとともに、回転体701を所定方向(反時計廻り)に回転開始させる(図8(a))。また、左、中、右の図柄表示領域110a、110b、110cは装飾図柄表示装置110の左下部に縮小状態で表示するが、左、右の図柄表示領域110a、110cは同一の図柄(この場合「7」)で停止し、中央の図柄表示領域110bのみを変動させる(ステップS104まで同様)。
ステップS102では、装飾図柄表示装置110(LCD)で飛行中の弾丸の図柄(画像)を表示する。同時に駆動部1102により装飾図柄表示装置110(LCD)を所定距離右方に移動させる。また、駆動部802により可動部(扉部材)800を開く方向に所定距離右方に移動させる(図8(b))。
ステップS103では、さらに駆動部1102により装飾図柄表示装置110(LCD)を所定距離右方に移動させるとともに、駆動部802により可動部(扉部材)800を開く方向に所定距離右方に移動させる(図8(c))。
ステップS104では、装飾図柄表示装置110を盤面開口部の最も右方まで移動して、右先端の指示部で盤面の3時の位置を指した状態で停止させるとともに、可動部(扉部材)800を装飾図柄表示装置110を遮蔽しない位置まで開く。そして、回転体701を装飾図柄表示装置110の指示部の延長線上(盤面の3時の位置)に抽選結果の回転体701の表示部701aが位置するよう停止させる(図8(d))。図8(d)では「大当り」の表示部701aを装飾図柄表示装置110の指示部が指すように停止させている。
ステップS105では、装飾図柄表示装置110、および可動部(扉部材)800を初期位置に復帰させ、装飾図柄表示装置110で抽選結果に対応した装飾図柄を表示させる(図8(e))。図8(e)は大当りの場合で、装飾図柄表示装置110で「7」、「7」、「7」を表示させている。
なお、以上では、抽選結果が大当りの場合を示したが、ハズレの場合は、装飾図柄表示装置110の中央の装飾図柄を左右と異なる装飾図柄とし、回転体701は「ハズレ」のような表示部701aが盤面3時の位置に来るように停止させれば表現することができる。
図17〜図20に、上述の可動部800とは異なる可動部の構成を用いた演出機構の実施例を示す。本実施例8の演出では回転体701は用いない。
本実施例8では、装飾図柄表示装置110は図17(a)に示すように、矩形形状のもので、この矩形形状は装飾図柄表示装置110のほぼ表示面に相当する大きさを有するものとし、図6に示したような装飾図柄表示装置110が移動した後を隠すような可動遮蔽部として機能する大きな支持板部分を有していない。装飾図柄表示装置110の移動後、装飾図柄表示装置110が占めていた位置の遮蔽は可動板1202、1203によって行う。
ただし、装飾図柄表示装置110の可動機構は図7に示したものと同等であり、図17〜図20に示す構成においては、装飾図柄表示装置110を少なくとも左右方向と、特にこれまで説明してこなかった前後方向(遊技者に近づく、または離れる方向)へ移動できるように構成されているものとする。
図17〜図20に示す構成においては、装飾図柄表示装置110の廻りの遊技盤のほとんどの構成は図示を省略しているが、装飾図柄表示装置110は図2に示したような遊技盤のほぼ中央の開口(図17(b)の110g)に臨む位置を初期位置として配置する。
本実施例でも、特に説明しない部分については、遊技盤の全体構成や制御回路の構成は図1〜図7に示したものと同等であるものとする。
本実施例では、上述の実施例における可動部800とは異なる可動板1202、1203を用いる。可動板1202、1203は、盤面に対して例えば左方向を向いて配置された人形1201の左腕、および右腕にそれぞれ固定されている。人形1201の左腕、および右腕の間隔は、可動板1202、1203の間隔が装飾図柄表示装置110の厚みよりもわずかに広い程度となるように決めてある。
前側の可動板1202には、図示のように「×」印が、また、後側の可動板1203には「◎」印が(後述の図19(b)を参照)付してある。これら「×」、「◎」印は、塗装や可動板1202、1203の主要部と異なる色の樹脂板を嵌め込んだり、さらにこれら部分をLED、EL、ランプなどのバックライトで照明したりすることにより表現する。
人形1201は、例えば抽選結果の審判員のような機能を表現したキャラクタで、可動板1202、1203は旗のように用いて抽選結果を示すよう動作させる。すなわち、人形1201もその動作により特定の演出、特に抽選結果の判定を表現するような可動部として機能させる。可動板1202、1203を持つ人形1201の左腕、および右腕はそれぞれモータ1204、1205でプーリおよびベルト1206、1207を介してそれぞれ独立して上げ下げできるように構成する。人形1201の左腕、および右腕は丁度肩の位置にある支軸で回動自在に支持されており、人形1201の内部において、これらの支軸に結合した不図示のプーリに上記の各ベルト1206、1207が架装される。モータ1204、1205は、図5の制御回路では例えば各種演出用駆動装置424に含まれ、副制御部400の演出用駆動装置制御回路426を介して制御されるものとする。
図17(b)は、盤面に対する装飾図柄表示装置110、人形1201、および可動板1202、1203の配置関係を示している。符号110gは遊技者の視認可能範囲に相当し、たとえば遊技盤の盤面に設けた窓(開口部)として構成するか、あるいは、透明材料から成る遊技盤の裏面に遮蔽板1208を配置することなどによって画成する。なお、遮蔽版1208は、不図示の駆動手段によって横方向に移動することにより、装飾図柄表示装置110の前面を覆うように用いることとしてもよい。
図17(a)、(b)に示すように、人形1201は、可動板1202、1203を下している時に、丁度初期位置にある装飾図柄表示装置110の右半部を隠すような位置に配置する。図17(b)では、装飾図柄表示装置110は最も後方(図の上方)の位置にあるが、後述のように演出の進行に応じて図7の駆動部1102によって装飾図柄表示装置110はもっと前方(図の下方)の位置まで移動できるようになっている。
図17(c)は、図17(b)の装飾図柄表示装置110の位置において人形1201の腕によって可動板1202、1203を下した状態を、また、図17(d)は、人形1201の腕をそれよりも90度、時計廻りに回動させて可動板1202、1203を上げた状態を示している。この装飾図柄表示装置110の位置においては、可動板1202、1203を下した状態(図17(c))では装飾図柄表示装置110の右半部が遮蔽され遊技者には見えなくなり、可動板1202、1203を上げた状態(図17(d))では装飾図柄表示装置110のほぼ全部が視認可能となる。
図18〜図20は上記の演出機構を用いて行う本実施例の演出例を示している。図18(a)〜(c)はリーチ状態の前半部の演出を示している。また、図19(a)〜(c)はリーチ状態の後半部、特に抽選結果が大当りの場合の演出を、図20(a)〜(c)はリーチ状態の後半部、特に抽選結果がハズレの場合の演出をそれぞれ示している。
これら図18、図19および図20では、装飾図柄表示装置110、人形1201、可動板1202、1203の部分を、左側に遊技者の方向から見た正面図示で、また右側に遊技台の上部方向から見た上面図示(一部断面)で示している。本実施例8の演出は、ピストル(銃)による射撃を模したものである。特に左側の正面図示は、上述の視認可能範囲110gを介して遊技者が視認できる状態を示したものである。
図18(a)はリーチ状態に入った時点の演出を示している。ここでは、装飾図柄表示装置110でピストルによる銃弾の発射の様子を表示するとともに、左、中、右の図柄表示領域110a、110b、110cを装飾図柄表示装置110の右下部に縮小状態で表示する。このとき、図柄表示領域110a、110cが既に停止しており、中央の図柄表示領域110bのみが変動状態となっている。この変動状態は、例えば図19(b)、または図20(b)まで続行させる。装飾図柄表示装置110に射手と的(この例では切り株に載置した「当たり」、および「ハズレ」にそれぞれ相当する2つのビール缶)を表示している。
図18(a)の段階では、人形1201には可動板1202および1203を両方とも上げさせており、装飾図柄表示装置110の表示を遊技者に全て視認させる。
続いて図18(b)の演出状態に遷移し、人形1201に可動板1202および1203を両方とも下させ、これにより、装飾図柄表示装置110の右半部の表示を遮蔽し、遊技者に左半部のみを視認させる。遊技者は、可動板1202の「×」印を視認する(この状態は図18(c)まで同様)。これと同時に装飾図柄表示装置110では、左、中、右の図柄表示領域110a、110b、110cを遊技者が視認できる位置、例えば図示のように左下部に移動するとともに、左半部で飛翔中の弾丸を表示する。同時に空気の流れや振動をアニメーション表示は、前述のようにここでも実施できる。
次に図18(c)の演出状態において、駆動部1102によって装飾図柄表示装置110を左方に移動する。この装飾図柄表示装置110の移動演出は、後述の図19または図20で示すように、装飾図柄表示装置110を遊技者の方向に(本実施例では可動板1202および1203の中間に対応する位置まで)前進させるために必要な準備段階を兼ねている。
この装飾図柄表示装置110の移動中、除々に視認可能範囲110gの左端と可動板1202および1203の左端で画成される範囲中に装飾図柄表示装置110の右半部が現れてくることになる。そして、図18(c)に示すように、装飾図柄表示装置110の右端と可動板1202および1203の左端がほぼ一致する位置まで移動したら、装飾図柄表示装置110を停止させる。なお、図18(b)、(c)の図示から明らかなように装飾図柄表示装置110の移動後、装飾図柄表示装置110が占めていた位置の遮蔽は可動板1202、1203によって行われる。
また、この装飾図柄表示装置110の移動中、装飾図柄表示装置110では、図18(b)と(ほぼ)同じ表示状態を遊技者が知覚できるよう、装飾図柄表示装置110の表示を制御する。すなわち、視認可能範囲110gの左端と可動板1202および1203の左端で画成される範囲中に同じ表示画像が位置するように、装飾図柄表示装置110の移動に伴ない、弾丸の画像と左、中、右の図柄表示領域110a、110b、110cの位置を装飾図柄表示装置110の画面中では除々に右方に移動していく。
続いて、抽選結果が当りの場合には図19(a)〜(c)の演出、抽選結果がハズレの場合には図20(a)〜(c)の演出のいずれかを行う。
図19(a)〜(c)の抽選結果が当りの場合では、まず、図19(a)のように装飾図柄表示装置110を前方(遊技者に近づく方向)に移動させる。そして、装飾図柄表示装置110の背面が可動板1203よりも前に出た位置で停止させる。装飾図柄表示装置110の表示状態は直前の図18(c)と同様に右半部で同じ表示(弾丸と図柄表示領域110a、110b、110cの表示)を行うよう制御する。
続いて図19(b)のように、人形1201に「×」印を付した可動板1202を上げさせ、「◎」印を付した可動板1203を視認させる。装飾図柄表示装置110では直前と同じ表示を続ける。この「◎」印を付した可動板1203を視認させることにより、この段階で遊技者に抽選結果が当りであることを認識させる(予告する)ことができる。
続いて、図19(c)のように装飾図柄表示装置110を右方向に移動させる。これにより、装飾図柄表示装置110の右半部で可動板1203がほぼ遮蔽され、「×」印を付した可動板1202が上げられているから、装飾図柄表示装置110の全ての表示が遊技者に視認可能となる。なお、図7に示した装飾図柄表示装置110の駆動機構中のラック1104が可動板1203と当接する位置よりは装飾図柄表示装置110は右方に移動できないから、装飾図柄表示装置110を初期位置まで戻すには、可動板1203の(下された時の)幅を装飾図柄表示装置110の1/2よりもわずかに小さくしておくか、あるいは装飾図柄表示装置110に対するラック1104の固定位置をわずかに左に振っておくとよい。
図19(c)では、装飾図柄表示装置110により図示のように「7」、「7」、「7」の3つが一致した装飾図柄を表示するとともに、当りを示す画像(図示の例では射撃の的である「当たり」の缶に命中した弾丸)を表示し、抽選結果が当りであることを確定表示する。
一方、図20(a)〜(c)の抽選結果が外れの場合では、図18(c)の状態から、まず、図20(a)のように可動板1202、1203を下した状態のまま、装飾図柄表示装置110を前進させ、右方に移動し、さらに、装飾図柄表示装置110の右半部が可動板1202、1203の間に収容されるまで右方に移動する。これは抽選結果が外れであるから、装飾図柄表示装置110の右半部で「◎」印を付した可動板1203を遮蔽するためである。装飾図柄表示装置110では、装飾図柄表示装置110の移動に伴ない、弾丸と図柄表示領域110a、110b、110cの表示が、視認可能範囲110gの左端と可動板1202の左端の間の同じ位置に常に遊技者から見えるよう、装飾図柄表示装置110上の表示位置を除々に変更する。
すなわち、装飾図柄表示装置110を所定方向に所定速度で移動させるとともに、装飾図柄表示装置110の表示領域の表示内容を前記所定方向とは逆方向に前記所定速度で移動させながら表示することにより、例えば上記のように一定の同じ位置に見えるように表示内容を遊技者に提示することができる。
続いて図20(b)のように、人形1201に可動板1202を上げさせる。可動板1203の「◎」印は見えないが、この段階では、例えば装飾図柄表示装置110で「ハズレ」の缶を表示させる。これにより、この段階で遊技者に抽選結果が外れであることを認識させる(予告する)ことができる。
そして、図20(c)のように、人形1201に可動板1203も上げさせ、装飾図柄表示装置110で図示のように「7」、「8」、「7」のように不一致な装飾図柄を表示するとともに、「ハズレ」を示す画像(図示の例では「ハズレ」の缶に命中した弾丸)を表示し、抽選結果が外れであることを確定表示する。
以上のように、図18〜図20のような演出例によれば、装飾図柄表示装置110の表示および移動(前方への移動を含む)と、可動板1202、1203の移動を連動させて行なうことにより、リーチ状態の変動をピストルの射撃を模したスリリングな演出で表現でき、遊技が単調となることを防ぎ、遊技者の遊技への興趣を高めることができる。
以上では、装飾図柄表示装置110の回動は、図7の機構により、遊技盤にほぼ平行な面内で装飾図柄表示装置110を回動させることにより行なっている(演出例はたとえば実施例3)。すなわち、この構成は装飾図柄表示装置110の回動軸は遊技盤にほぼ垂直に配置したものといえるが、装飾図柄表示装置110の回動軸の配置方向はこれに限らず任意であり、たとえば図21(a)〜(c)、および図22(a)、(b)に示すような種々の構成が考えられる。
図21(a)〜(c)の構成は、装飾図柄表示装置110(LCDやELによって構成する)を樹脂などから矩形に形成した支持板110eで保持し、支持板110eに支持板110eを貫通するように回動軸1210(図21(a))、1211(図21(b))、1212(図21(c))を設けたものである。これら回動軸1210、1211、1212は、たとえば支持板110eを樹脂などから構成する場合には、支持板110eと一体成型することができる。
図21(a)〜(c)の構成は、装飾図柄表示装置110の表示面のごく近傍を貫通するように装飾図柄表示装置110の回動軸1210、1211、1212を設けた点に特徴がある。このような構成により、不図示のモータなどの駆動源により回動軸1210、1211、1212を回転駆動することによって、図21(a)〜(c)の左側に示した初期位置から、図21(a)〜(c)の右側に示すように装飾図柄表示装置110、従ってその表示面を回動させることができる。
回動軸1210、1211、1212を駆動するモータなどの駆動源を制御することにより、装飾図柄表示装置110の回動は、急速に、あるいは除々に様々なパターンで行なうことができ、さらに装飾図柄表示装置110の表示内容の制御を組合せることによって、多様な演出を行うことができる。
また、本実施例においても、装飾図柄表示装置110はその表示内容に連動して移動可能な可動部として用いることができる。従って、装飾図柄表示装置110により、抽選時の変動表示を行いつつ、抽選の進行や表示の変動に連動して装飾図柄表示装置110を揺動させ、例えば装飾図柄表示装置110の背面に配置した他の部材、あるいはそれに付した文字、画像や、他の表示器の表示内容などを遊技者から遮蔽したり、あるいは逆に遊技者に視認できるよう露出させたりすることができる。
図21(a)〜(c)では、装飾図柄表示装置110の表示面のごく近傍を貫通するように回動軸1210、1211、1212を配置しているが、回動軸1210、1211、1212と装飾図柄表示装置110ないし支持板110eとの位置関係はこのような構成に限定されるものではない。
例えば、図22(a)に示すように、支持板110eと、回動軸1213の間にブラケット1213aを設けることにより、装飾図柄表示装置110の表示面と回動軸1213を大きく離間させ、互いに重ならないように配置した構成とすることもできる。
これによって、図22(a)左側と右側で揺動状態に示したように、装飾図柄表示装置110およびその表示面の揺動量を図21(a)〜(c)の構成よりも、もっと大きく取ることができ、よりダイナミックな揺動、およびそれによる演出が可能となる。
また、装飾図柄表示装置110の回動(揺動)軸は、1軸に限らず、より多数設けることもできる。たとえば、図22(b)に示す構造では、装飾図柄表示装置110を保持する支持板110eは、アーム1216と一体、または固着されており、アーム1216は、アーム1215に対して軸支され、さらにこのアーム1215は架台1214に対して軸支される。架台1214は、不図示の遊技台のフレーム部分などに軸支する。このようにして、異なる3軸を介して装飾図柄表示装置110を遊技台主要部に対してそれぞれ軸支することができ、各支軸部分の揺動角度を不図示のモータやソレノイドなどの駆動源により制御することによって、演出の進行にしたがって、上述の1軸揺動方式よりも複雑に装飾図柄表示装置110を揺動させることができる。
<変形例について>
以上、装飾図柄表示装置(110)の表示と、可動部(800、1201〜1203)を連動させて行う遊技演出につき、種々の実施例を示した。図8、図11〜図16、図18〜図20に示したように、遊技演出における装飾図柄表示装置の表示と、可動部を連動の態様には種々の可能性がある。
特に、リーチ演出においては、リーチ演出に入る場合には、通常、抽選結果が判明しているから、抽選結果が当りか外れかに応じて、装飾図柄表示装置の表示と、可動部の連動によりそれぞれ異なる演出を行うことができる。
この場合、抽選結果が当りか外れかに応じて、装飾図柄表示装置の表示内容や、表示の変動方向を異ならせる他、例えば、抽選結果が当りか外れかに応じて装飾図柄表示装置の移動量や、移動速度、移動方向などを異ならせた演出制御を行うことができる。例えば、抽選結果が当りである場合は、外れの場合よりも装飾図柄表示装置の移動量や、移動速度を大きくする制御を行うことができる。また、抽選結果が当りである場合は、外れの場合よりも移動角度、例えば装飾図柄表示装置を斜めに移動する場合の仰角を大きくする、といった制御を行うことができる。このように、抽選結果が当りである場合(あるいは大当りの可能性が高いほど)、装飾図柄表示装置の移動量、移動速度、ないし移動角度を大きく制御することにより、遊技者の抽選結果への期待度を高めることができる。
また、以上では、可動部(800、1201〜1203)については、上下方向の移動または揺動のような単純な動きをさせる構成(図6、図17)を示したが、装飾図柄表示装置(110)に関して示したように、前後(遊技者に近づく/離れる)方向の移動や、遊技盤ないしそれに平行な面内での回動などの動きをさせるようその駆動部を構成してもよい。このためには、図7などに示した装飾図柄表示装置(110)の駆動部に準ずる構造を可動部(800、1201〜1203)の駆動部についても適用することが考えられる。
これにより、例えば、図18〜図20に示したように装飾図柄表示装置(110)と可動部(1202、1203)の相対的な前後の位置関係を変更する場合には、前述のように装飾図柄表示装置(110)を移動するだけでなく、可動部(1202、1203)を移動することによってもその目的を達成することができる。また、装飾図柄表示装置(110)と可動部(1202、1203)の両者とも例えば前後方向の動きが可能であるよう構成すれば、両者に同じ前後の位置関係を与える場合でも、例えば抽選結果などに応じて装飾図柄表示装置(110)と可動部(1202、1203)のいずれを移動するか、によって異なる演出内容を表現することができる。
なお、以上に示した装飾図柄表示装置の表示と、可動部を連動させて遊技演出を行う構成は、パチンコ機に限定されることなく、スロットマシン(パチスロ)のような遊技台に適用することができる。
<作用効果>
以上、3つの実施例1〜3により、本発明につき説明したが、本発明の特徴的な構成によって、以下に要約するような効果を期待することができる。
表示手段(装飾図柄表示装置110)の移動態様と可動物(回転体701、可動部800、1201〜1203)の移動態様とが関連した演出が行われるため、今までにない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
可動物(回転体701、可動部800、1201〜1203)の移動態様と関連する表示手段(装飾図柄表示装置110)の移動態様と表示手段の表示とが関連した演出が行われるため、今までにない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
可動物(例えば可動部1201〜1203)と表示手段(装飾図柄表示装置110)のうち、一方が他方を覆うため、従来にない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。例えば、可動物が表示手段を覆う場合には、可動物が表示手段の前方に移動または表示手段が可動物の後方に移動のうち少なくとも何れか1つを行い、表示手段が可動物を覆う場合には、可動物が表示手段の後方に移動または表示手段が可動物の前方に移動のうち少なくとも何れか1つを行う、といった演出制御が可能であり、可動物と表示手段とが移動する構成で複数の演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)と可動物(回転体701、可動部800、1201〜1203)とが同時に移動するため、今までにない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)が移動する前に覆っていた領域の少なくとも一部を可動物(例えば、装飾図柄表示装置110の支持板110e、ないしそれに付した矢印1103など)が覆うため、表示手段後方の領域を覆って見栄えを良くすることができるとともに、表示手段に遊技者の興味を引き付けることができため、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)が移動する前に覆っていた領域を、表示手段の移動に伴って(たとえば除々に)、可動物(例えば、装飾図柄表示装置110の支持板110e、ないしそれに付した矢印1103など)が覆うため、表示手段後方の領域を確実に覆って見栄えを良くすることができるとともに、表示手段に遊技者の興味を引き付けることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)と可動物(例えば、装飾図柄表示装置110の支持板110e、ないしそれに付した矢印1103など)は一体的に形成することができ、この構成によれば、表示手段の移動と表示手段が移動する前に覆っていた領域の遮蔽とを同時に行うため、表示手段後方の領域を確実に覆って見栄えを良くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。また、表示手段と可動物とを共通の駆動手段で同時に駆動することができるため、部品点数を少なくしてコストを削減することができる場合がある。
遊技者に提示される表示手段(装飾図柄表示装置110)の表示領域の大きさは、移動前の第1の位置と移動後の第2の位置とで異なる構成とすることができる。これにより、従来にない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)は、所定の回動軸を中心に回転しながら移動するよう制御することができる。この構成により、従来にない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)の表示面と所定の回動軸とは、互いが重ならない位置に配置されている。このため、従来にない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)の移動と、その表示内容を連動させることができる。例えば、表示手段を所定方向に所定速度で移動させるとともに表示領域の表示内容を前記所定方向とは逆方向に前記所定速度で移動させながら表示することができ、これにより、例えば表示手段が移動しても遊戯者に知覚される表示態様の絶対位置が同じになるような演出制御を行なうことができる。このため、従来にない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
表示手段(装飾図柄表示装置110)の移動に基づいて、表示手段(装飾図柄表示装置110)で表示させる図柄の変動方向が変化するよう制御することができる(例えば図15、図16)。これにより、今までにない斬新な演出を行うことができるようになり、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。
大当りの可能性が高いほど表示手段(装飾図柄表示装置110)が移動するような演出制御、例えば抽選結果が当りである場合(あるいは大当りの可能性が高いほど)、表示手段の移動量、移動速度、ないし移動角度を大きく制御することにより、遊技者の抽選結果への期待度を高めることができる。このような構成により、遊技者は、表示手段がいつどれだけ移動するのかについて興味を抱くことができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めることができる場合がある。