JP2009087467A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行時の安定性と優れた保存性を兼ね備えた磁気記録媒体に関する磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体。前記磁性層表面の原子間力顕微鏡で測定した高さ10nm以上の突起数が1600μm2あたり50〜500個であり、前記結合剤は、10万以上20万以下の質量平均分子量を有するポリウレタン樹脂を含み、かつ、前記磁性層は、360以上460以下の分子量を有する炭酸エステルを更に含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体に関するものであり、詳しくは、高速走行時の安定性と優れた保存性を兼ね備えた高密度記録用磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体として、いわゆる塗布型の磁気記録媒体が知られている。塗布型の磁気記録媒体は強磁性粉末や結合剤、各種添加剤を有機溶媒とともに混練し分散させて調製された磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布し、乾燥させることで磁性層が形成される。磁気記録媒体の高密度記録化の目的から、強磁性粉末としては微粒子の強磁性金属粉末、六方晶フェライト粉末等が用いられるようになっている。このような微粒子強磁性粉末を用いた塗布型の磁気記録媒体は、コンピュータバックアップ用データカートリッジ等のコンピュータ用記録媒体として利用されており、特性の向上も目覚しい。
塗布型の磁気記録媒体において電磁変換特性の向上を実現するためには、記録再生装置に最適な磁気特性を有する強磁性粉末を用いるとともに、媒体表面を平滑化してスペーシングロスを最小限に抑え、且つ記録減磁による出力ロスを低減することが重要である。例えば特許文献1には、表面のスペーシングロス抑制のために、表面の微小突起を一定値以下に抑制することが提案されている。
しかし、磁性層表面の平滑性を高めた場合、摩擦係数の増大により走行性が低下するという問題がある。そこで、磁性層や非磁性層に潤滑剤を添加することにより、摩擦係数の低減を図ることが広く行われている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−71537号公報 特開平8−77547号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、高度な表面平滑性を有する磁気記録媒体では、潤滑剤の添加により走行性を確保できたとしても、走行後にテープをヘッドと接触させたまま放置すると、テープがヘッドに張り付き、再走行時に走行が困難となることが明らかになった。本現象は、高速走行による表面突起の減少と表面に存在する流体潤滑剤のメニスカスフォースの寄与によって発現すると考えられる。すなわち、テープ表面の突起が減少し流体潤滑剤の膜厚以下になると、テープと磁気ヘッドの間に作用する流体潤滑剤による表面張力が著しく増大し、これによりテープがヘッドに貼りつくと考えられる。対策として、テープ表面の流体潤滑剤を少なくすることによって表面張力の低減を図ることが可能であるが、流体潤滑剤の減少により高速走行時の摩擦力上昇が加速され、繰り返しの走行安定性を得ることが困難になる。
そこで本発明の目的は、高速走行時の安定性と優れた保存性を兼ね備えた磁気記録媒体に関する磁気記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
保存中のテープとヘッドとの張り付きは、表面の存在量が比較的少なくても潤滑性が確保できる炭酸エステル系潤滑剤を使用することで抑制することができる。更に、高分子量のウレタン結合剤を磁性層に使用することによって表面への結合剤低分子成分のマイグレーションを抑制して、繰り返し走行によるバインダー流動を抑制し、高速走行時の摩擦力の上昇を抑えることができる。これにより、スペーシングロス低減のために磁性層の表面突起数を制御した磁気記録媒体において、高速走行時の摩擦力上昇を抑制し安定性を確保するとともに、保存中のテープとヘッドとの張り付きを抑制することができる。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
前記磁性層表面の原子間力顕微鏡で測定した高さ10nm以上の突起数が1600μm2あたり50〜500個であり、
前記結合剤は、10万以上20万以下の質量平均分子量を有するポリウレタン樹脂を含み、かつ、
前記磁性層は、360以上460以下の分子量を有する炭酸エステルを更に含有する磁気記録媒体。
[2]前記炭酸エステルは、下記一般式(1)で表される炭酸エステルである[1]に記載の磁気記録媒体。
Figure 2009087467
[一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表す。]
[3]一般式(1)中、R1およびR2のいずれか一方は、β位にて分岐構造を有する飽和炭化水素基である[2]に記載の磁気記録媒体。
[4]一般式(1)中、R1およびR2のいずれか一方は、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基または2−エチルヘキシル基である[3]に記載の磁気記録媒体。
[5]前記ポリウレタン樹脂は、下記ポリウレタン樹脂(A)および/または下記ポリウレタン樹脂(B)を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気記録媒体。
ポリウレタン樹脂(A):ポリエーテルポリオールと、下記(a)で表される有橋炭化水素構造および/または下記(b)で表される有橋炭化水素構造を有する短鎖ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
Figure 2009087467
ポリウレタン樹脂(B):質量平均分子量が10万以上20万以下であり、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含むポリエステルポリオールと、炭素数の合計が3以上のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
本発明によれば、優れた表面平滑性を有する磁気記録媒体であって、良好な走行安定性を有するとともに、走行後に媒体をヘッドと接触させた状態で放置した後でも張り付きによる走行不良を起こすことなく再走行可能な磁気記録媒体を得ることができる。
本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体に関する。本発明の磁気記録媒体は、前記磁性層表面の原子間力顕微鏡で測定した高さ10nm以上の突起数が1600μm2あたり50〜500個であり、前記結合剤は、10万以上20万以下の質量平均分子量を有するポリウレタン樹脂を含み、かつ、360以上460以下の分子量を有する炭酸エステルを磁性層に含有する。
以下に、本発明の磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
磁性層表面突起数
本発明の磁気記録媒体において、磁性層表面の原子間力顕微鏡(AFM)で測定した高さ10nm以上の突起数は1600μm2あたり50〜500個の範囲である。磁性層表面が過度に平滑であると、媒体が部材と張り付きやすくなり、走行性がきわめて不安定となる。これに対し、高さ10nm以上の突起が磁性層表面に所定数存在することで媒体とヘッドとを安定に接触させ、優れたヘッドあたりを確保することができる。但し、高さ10nmの突起が過度に存在すると媒体とヘッドとスペースが大きくなり、出力が大幅に低下してしまう。本発明では、磁性層表面のAFMで測定した高さ10nm以上の突起数を上記範囲とすることにより、安定走行を可能にするとともに、スペーシングロスによる出力低下を低減することができる。前記突起数は、好ましくは55〜360個、より好ましくは65〜300個である。
磁性層表面の高さ10nm以上の突起数を上記範囲内とするためには、種々の手段を取り得る。例えば、突起となり得る磁性体の凝集物の数を、結合樹脂の極性官能基量や結合樹脂の量、および/または分散機の分散時間により調整することにより、磁性層表面の突起数を制御することができる。また、突起となり得る磁性層中のカーボンブラックや研磨剤の使用量や分散方法を調整することでも、磁性層表面の突起数を制御することができる。更には、カレンダー条件(温度、圧力、カレンダーロールの硬度等)を変化させる方法、金属製カレンダーロールを導入する方法等によって、カレンダーを比較的強力に行うことにより、磁性層表面の突起数を調整することができる。
炭酸エステル
本発明の磁気記録媒体は、360以上460以下の分子量を有する炭酸エステルを磁性層に含有する。本発明の磁気記録媒体の磁性層表面突起数は上記の通りである。このような高い表面平滑性を有する磁性層では、磁性層表面における潤滑剤存在量が多いと、媒体と磁気ヘッドとを接触させた状態で保存する場合、媒体表面とヘッドとの間に作用する液体潤滑剤による表面張力が著しく増大し、媒体表面がヘッドに張り付き、再走行時に走行困難となる。これに対し、炭酸エステルは、一般に使用されている脂肪酸エステル系潤滑剤と比べて表面の存在量が比較的少なくても潤滑性を確保することができるため、上記張り付きを回避することができる。但し、分子量が360未満の炭酸エステルでは、走行後に媒体とヘッドを長時間放置した際、前記炭酸エステルが媒体表面に染み出し易いために、表面張力により媒体がヘッドに張り付いてしまう。一方、分子量が460を超えると、走行中および保存中、媒体表面上で析出物が発生しやすくなってしまう。前記分子量は、好ましくは370〜430、より好ましくは400〜430である。
潤滑剤としては、良好な走行耐久性を得るためには、耐加水分解性に優れた潤滑剤を使用することが好ましい。この観点から、前記炭酸エステルとしては、下記一般式(1)で表される炭酸エステルを使用することが好ましい。
Figure 2009087467
一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表す。優れた耐加水分解性を得るためには、R1およびR2のいずれか一方は、分岐構造を有する飽和炭化水素基を表すことが好ましい。上記分岐構造は、α位、β位のいずれに位置してもよいが、良好な走行耐久性を得る観点から、β位にて分岐構造を有することが好ましい。分岐構造を有する飽和炭化水素の炭素数は、例えば4〜8、好ましくは5〜8である。前記分岐構造を有する飽和炭化水素基の好ましい具体例としては、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基を挙げることができる。
一般式(1)中、R1およびR2のいずれか一方が分岐構造を有する飽和炭化水素基である場合、他方は直鎖構造を有する飽和炭化水素基であることが好ましい。直鎖構造を有する飽和炭化水素基の炭素数は、好ましくは14〜20、より好ましくは16〜18である。前記直鎖構造を有する飽和炭化水素基の好ましい具体例としては、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基等が挙げられる。
前記炭酸エステルは、公知の方法で合成することができる。合成方法としては、クロロギ酸エステルと前記炭化水素基を有するアルコールとを反応させる方法を挙げることができる。かかる合成反応の出発原料であるクロロギ酸エステルの具体例としては、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。また、前記炭酸エステルとしては、市販品として入手可能なものもある。
前記炭酸エステルの磁性層中の含有量は、例えば0.5〜5質量%であり、好ましくは1〜2.5質量%、より好ましくは1〜1.5質量%である。なお、前記炭酸エステルは一種のみ用いてもよく、二種以上を混合して用いることもできる。
前記炭酸エステルは、非磁性層に含有させることもできる。前記炭酸エステルを非磁性層に含有させることで、走行中および保存中に非磁性層中の前記炭酸エステルが磁性層側へ徐々に移行し表面へのにじみ出し量を制御することができる。この点は、良好な走行耐久性および保存性を維持する上で有利である。この場合、例えば、非磁性層、磁性層で、前記炭酸エステルとして融点の異なるものを用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、前記炭酸エステルの添加量を非磁性層で多くする、等により走行中および保存中の磁性層表面に存在する前記炭酸エステル量を制御することができる。前記炭酸エステルの非磁性層中の含有量は、例えば0.5〜5質量%であり、好ましくは1〜2.5質量%、より好ましくは1〜1.5質量%である。
ポリウレタン樹脂
本発明の磁気記録媒体は、質量平均分子量10万以上20万以下のポリウレタン樹脂を磁性層に含む。質量平均分子量が10万未満のポリウレタン樹脂では、磁性層表面への結合剤低分子成分のマイグレーションが多く、繰り返し走行によってバインダー流動が生じ、高速走行時に摩擦力が上昇し走行耐久性が低下する。一方、質量平均分子量が20万を超えるポリウレタン樹脂では磁性層塗布液の粘度が高くなり、平滑な磁性層を得ることが困難となる。本発明では、上記範囲の質量平均分子量を有するポリウレタン樹脂を磁性層結合剤として使用することにより、走行耐久性と磁性層平滑性を両立することができる。前記質量平均分子量は、好ましくは10万〜15万、より好ましくは10万〜14万である。
前記ポリウレタン樹脂としては、磁性層表面性を良好に維持する観点からは、適度な粘性を有し得る下記ポリウレタン樹脂(A)および下記ポリウレタン樹脂(B)が好ましい。
ポリウレタン樹脂(A):ポリエーテルポリオールと、下記(a)で表される有橋炭化水素構造および/または下記(b)で表される有橋炭化水素構造を有する短鎖ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
Figure 2009087467
ポリウレタン樹脂(B):質量平均分子量が10万以上20万以下であり、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含むポリエステルポリオールと、炭素数の合計が3以上のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
以下、ポリウレタン樹脂(A)、(B)について説明する。
(i)ポリウレタン樹脂(A)
ポリウレタン樹脂(A)を構成するポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリテトラメチレングリコール、などの脂肪族ポリエーテル、ビスフェノールAなどの芳香族グリコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどを付加して得られる芳香族を含むポリエーテルなどを、単独または組み合わせて用いることができる。ポリエーテルポリオールの分子量の好ましい範囲は500〜3,000である。この範囲内であれば分散性が良好である。
ポリウレタン樹脂(A)を構成する短鎖ジオールは、下記(a)で表される有橋炭化水素構造および/または下記(b)で表される有橋炭化水素構造を有する。なお、本発明における「短鎖ジオール」とは、例えば、質量平均分子量が500以下のジオールである。なお、前記短鎖ジオールの質量平均分子量の下限値は、例えば50である。
Figure 2009087467
ポリウレタン樹脂(A)は、前記各成分を一般的なポリウレタン樹脂の合成方法に従って反応させることにより得ることができる。ポリウレタン樹脂(A)としては、10〜50質量%の前記ポリエーテルポリオールと、15〜40質量%の前記短鎖ジオールとを、所定量の有機ジイソシアネートを重合させて得られるポリウレタン樹脂が好ましい。
(ii)ポリウレタン樹脂(B)
ポリウレタン樹脂(B)を構成するポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含む。
脂肪族二塩基酸は、溶剤溶解性の低い環状構造をもたないので、溶剤中へ均一に溶解することができるため好ましい。ポリエステルポリオールに用いることができる脂肪族二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸などを挙げることができる。これらのなかでも好ましいものは、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸である。ポリエステルポリオールの全二塩基酸成分のうち、脂肪族二塩基酸の含量が70モル%〜100モル%であることが、良好な溶解性を得るために好ましい。
上記ポリエステルポリオールに含まれるジオール成分は、アルキル分岐側鎖を有し、かつ環状構造をもたない脂肪族ジオールである。ポリエステルポリオール中のジオール成分にアルキル分岐側鎖を有することにより、ウレタン結合やエステル結合同士の会合を立体障害的に防止されるため、分子間相互作用が低減され結合剤の溶解性を向上することができる。また、芳香環やシクロヘキサン環などの溶解性の低い環状構造を持たないことによっても結合剤の溶解性を高めることができる。これにより、結合剤が溶剤中へ均一に溶解され、磁性体や非磁性粉末を高度に分散することが可能になる。
前記ポリウレタン樹脂の極性基は極性基を有することができる。極性基としては、−SO3M、−OSO3M、−P032、−COOM(但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムから選ばれる)が好ましく、さらに好ましくは−SO3M、−OS03Mである。極性基の含有量は、1×10-5〜5×10-4eq/gであることが好ましい。1×10-5eq/g以上であると、磁性体や非磁性粉体への吸着性が高く分散性が良好であり、5×10-4eq/g以下であることで高い溶剤溶解性を得ることができる。
ポリウレタン樹脂中のOH基含有量は、1分子当たり2〜20個であることが好ましく、さらに好ましくは1分子当たり3〜15個である。1分子当たり2個以上のOH基を含むことにより、磁性体や非磁性粉体への吸着性が高く分散性が良好となり、1分子当たりのOH基含有量が20個以下であることで高い溶剤溶解性を得ることができる。
その他の結合剤成分
磁性層には、前記ポリウレタン樹脂以外に、その他の結合剤成分として、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましい結合剤成分は、塩化ビニル系樹脂およびアクリル系樹脂である。
上記結合剤成分は、磁性体、非磁性粉体の分散性を向上させるため、これらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2 、−COOM、>NSO3M、>NRSO3M、−NR12 、−N+123- などがある。ここでMは水素またはNa、Kなどのアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基またはヒドロキシアルキル基または水素、XはCl、Brなどのハロゲンである。結合剤中の官能基の量は10μeq/g〜200μeq/gが好ましく、さらに好ましくは30μeq/g〜120μeq/gである。この範囲内であると、分散性が良好である。またこのほかに、OH基などの活性水素を持つ官能基を含んでいてもかまわない。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものを用いることができる。共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、 メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類、その他スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミドを用いることができ、更に官能基をもつ共重合モノマーであるビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、およびこれらのNa塩、K塩などを用いることができる。塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は60〜95質量%であることが好ましい。この範囲内であれば、力学強度が高く、さらに溶剤溶解性が高いため塗布液粘度が低く、分散性が良好である。
吸着官能基(極性基)の導入方法は、上記の官能基含有モノマーを共重合してもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入してもよい。好ましい重合度は200〜600であり、さらに好ましくは240〜450である。この範囲内であれば力学強度が高く、また、溶液粘度が低いため分散性が良好である。
上記ポリウレタン樹脂以外のその他の結合剤成分の分子量は、質量平均分子量で20,000〜200,000であることが好ましく、さらに好ましくは20,000〜80,000である。この範囲内であれば、塗膜強度および塗布液粘度が良好である。
磁性層中の結合剤成分の含有量は、合計量として、強磁性粉末100質量部あたり10〜30であることが好ましく、15〜25質量部であることが好ましい。質量平均分子量10万以上20万以下のポリウレタン樹脂と他の結合剤成分を併用する場合、結合剤成分全量に占める前記ポリウレタン樹脂の割合(結合剤添加質量を100%としたときの比率)は、10質量%以上とすることが好ましく、15〜70質量%とすることが更に好ましい。また、非磁性層の結合剤成分としては、質量平均分子量10万以上20万以下のポリウレタン樹脂を使用することもでき、他の結合剤を使用することもでき、それらを組み合わせて使用することもできる。非磁性層中の結合剤成分の使用量については、非磁性粉末100質量部に対し10〜30質量部とすることが好ましい。
磁性層
次に、本発明の磁気記録媒体における磁性層について説明する。
磁性層中の強磁性粉末としては、強磁性金属粉末および六方晶フェライト粉末を使用することができる。以下に、それらの詳細を説明する。但し、本発明において使用される強磁性粉末は、強磁性金属粉末および六方晶フェライト粉末に限定されるものではなく、例えば窒化鉄粉末等も使用可能である。
(i)強磁性金属粉末
磁性層に使用する強磁性金属粉末は、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末を用いることが好ましい。これらの強磁性金属粉末には、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは15原子%以上35原子%以下、より好ましくは20原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、特に好ましくは4原子%以上9原子%以下である。Alは1.5原子%以上12原子%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子%以下である。
これらの強磁性金属粉末には、あとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号公報、特公昭45−18372号公報、特公昭47−22062号公報、特公昭47−22513号公報、特公昭46−28466号公報、特公昭46−38755号公報、特公昭47−4286号公報、特公昭47−12422号公報、特公昭47−17284号公報、特公昭47−18509号公報、特公昭47−18573号公報、特公昭39−10307号公報、特公昭46−39639号公報、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
強磁性金属粉末には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末には、公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施すこともできる。
磁性層に使用される強磁性金属粉末のBET法による比表面積は、45〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜80m2/gである。45m2/g以上であれば低ノイズであり、100m2/g以下であれば良好な表面性を得ることができる。強磁性金属粉末の結晶子サイズは80〜180Åであることが好ましく、より好ましくは100〜180Å、更に好ましくは110〜175Åである。強磁性金属粉末の長軸長は10nm〜150nmであることが好ましく、より好ましくは20nm〜150nmであり、さらに好ましくは30nm〜120nmである。強磁性金属粉末の針状比は3以上15以下であることが好ましく、さらには5以上12以下であることが好ましい。強磁性金属粉末のσsは100〜180A・m2/kgであることが好ましく、より好ましくは110〜170A・m2/kg、更に好ましくは125〜160A・m2/kgである。強磁性金属粉末の抗磁力は2000〜3500Oe(160〜280kA/m)であることが好ましく、更に好ましくは2200〜3000Oe(176〜240kA/m)である。
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とすることが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化することが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12とすることができ、好ましくは6〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%とすることができ、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着量が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性金属粉末は可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特性に影響を与えることは少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性金属粉末自体のSFDは小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。強磁性金属粉末のHcの分布を小さくすることが好ましい。尚、SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲ−タイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するなどの方法がある。
(ii)六方晶フェライト粉末
六方晶フェライト粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、それらのCo等の置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加したものを使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
信号を記録する領域の長さが、磁性層に含まれる磁性体の大きさと近い大きさになると明瞭な磁化遷移状態を作り出すことができないため、実質的に記録することが不可能となる。このため記録波長が短波長化するほど磁性体サイズは小さくすべきである。本発明では、短波長領域において良好な記録を行うため、六方晶フェライト粉末として、平均板径10〜40nmのものを使用することが好ましい。より好ましくは15〜30nm、更に好ましくは20〜25nmの範囲である。
六方晶フェライトの平均板状比[(板径/板厚)の算術平均]は1〜15であることが好ましく、1〜7であることが更に好ましい。平均板状比が1〜15であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによるノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積(SBET)は、40m2/g以上が好ましく、40〜200m2/gであることがさらに好ましく、60〜100m2/gであることが最も好ましい。
六方晶フェライト粉末の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚は、粒子TEM写真より、例えば500粒子を無作為に測定することで測定できる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜1.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、一般に、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
一般に、抗磁力(Hc)は、143.3〜318.5kA/m(1800〜4000Oe)程度の六方晶フェライト粉末は作製可能である。六方晶フェライト粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.9kA/m(2000〜3000Oe)、更に好ましくは191.0〜214.9kA/m(2200〜2800Oe)である。
抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
六方晶フェライト粉末の飽和磁化(σs)は30〜80A・m2/kg(emu/g)であることが好ましい。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理してもよい。表面処理剤としては、無機化合物および有機化合物を使用することができる。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して、例えば0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度を選択することができる。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライト粉末の製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト粉末は、必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し、例えば0.1〜10質量%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
磁性層、および後述する非磁性層、バックコート層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他の公知技術は、それらを互いに適宜適用することができる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関する公知技術が適用できる。
磁性層および後述する非磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。潤滑剤については、磁性層、非磁性層の潤滑剤成分としては、前記炭酸エステルとともに、例えば以下に示す潤滑剤成分を使用することもできる。中でも、低速時の摩擦低減のためにはステアリン酸等の脂肪酸を併用することが好ましい。併用する脂肪酸量については、強磁性粉末または非磁性粉末100質量部あたり0.5〜3質量部とすることが好ましく、0.5〜1.5質量部とすることが更に好ましい。
添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と、炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
また、磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
カーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#55、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用したりしてもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層および非磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料を単独または組合せて使用することができる。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
有機溶剤としては、公知のものが使用できる。有機溶媒としては、具体的には、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50質量%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層、さらに後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じて使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着または結合する性質を有しており、磁性層では主に強磁性金属粉末の表面に、また非磁性層では主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着または結合し、例えば、一度吸着した有機リン化合物は、金属または金属化合物等の表面から脱着し難いと推察される。したがって、強磁性金属粉末表面または非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、該強磁性金属粉末または非磁性粉末の結合剤成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性金属粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性を改善することができる。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い、表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層または非磁性層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
非磁性層
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体は、磁性層と非磁性支持体との間に、非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有することができる。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどを単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。好ましいものは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜500nmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜500nmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜500nmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜500nmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、例えば1〜150m2/gであり、好ましくは20〜120m2/gであり、さらに好ましくは50〜100m2/gである。比表面積が1〜150m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、例えば5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。比重は、例えば1〜12、好ましくは3〜6である。タップ密度は、例えば0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましく、6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下または脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることを防ぐことができる。非磁性粉末の含水率は、例えば0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉体である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、例えば1〜20μmol/m2であり、さらに好ましくは2〜15μmol/m2である。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、200〜600erg/cm2(200〜600mJ/m2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面には表面処理が施されることによりAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいものはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であり、さらに好ましいものはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOPおよびそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のマイクロビッカース硬度は、通常25〜60kg/mm2(245〜588MPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm2(294〜490MPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。詳細は「薄膜の力学的特性評価技術」リアライズ社を参考にできる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は、例えば100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は、例えば20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、例えば5〜80nm、好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗布液に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
非磁性支持体
本発明において、非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ガラス転移温度が100℃以上の支持体を用いることが好ましく、ポリエチレンナフタレート、アラミドなどの高強度支持体を用いることが特に好ましい。また必要に応じ、磁性面とベース面の表面粗さを変えるため、特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などを行ってもよい。
非磁性支持体としては、WYKO社製光干渉式表面粗さ計HD−2000で測定した中心面平均表面粗さ(Ra)が8.0nm以下、好ましくは4.0nm以下、さらに好ましくは2.0nm以下のものを使用することが好ましい。これらの支持体は単に中心面平均表面粗さ(Ra)が小さいだけではなく、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由にコントロールされるものである。これらのフィラーとしては一例としてはCa、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末が挙げられる。支持体の最大高さRmaxは1μm以下、十点平均粗さRzは0.5μm以下、中心面山高さはRpは0.5μm以下、中心面谷深さRvは0.5μm以下、中心面面積率Srは10%以上、90%以下、平均波長λaは5μm以上、300μm以下であることがそれぞれ好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任意にコントロールすることができ、0.01μmから1μmの大きさのものを各々を0.1mm2あたり0個から2000個の範囲でコントロ−ルすることができる。
本発明に用いられる支持体のF−5値は好ましくは5〜50kg/mm2(49〜490MPa)である。また、支持体の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は5〜100kg/mm2(49〜980MPa)、弾性率は100〜2000kg/mm2(0.98〜19.6GPa)であることがそれぞれ好ましい。温度膨張係数は10-4〜10-8/℃であることが好ましく、より好ましくは10-5〜10-6/℃である。湿度膨張係数は10-4/RH%以下であることが好ましく、より好ましくは10-5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼ等しいことが好ましい。
また、本発明の磁気記録媒体は、下塗り層を設けてもよい。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層または非磁性層との接着力を向上させることができる。密着性向上のための下塗り層としては、溶剤への可溶性のポリエステル樹脂を使用することができる。また後述するように、下塗り層として平滑化層を設けることもできる
層構成
本発明の磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体の厚みが、好ましくは3〜80μm、より好ましくは3〜50μm、特に好ましくは3〜10μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に下塗り層を設ける場合、下塗り層の厚みは、例えば0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。
また支持体と非磁性層または磁性層との間、支持体とバックコート層との間に平滑化を目的とした中間層を設けることができ、例えば非磁性支持体の表面に、ポリマーを含有した塗布液を塗布、乾燥して形成するか、分子中に放射線硬化官能基を有する化合物(放射線硬化型化合物)を含有した塗布液を塗布し、その後、放射線を照射し、塗布液を硬化させて形成することができる。
放射線硬化型化合物の数平均分子量は、200〜2000の範囲であることが好ましい。分子量がこの範囲であると、比較的低分子量であるので、カレンダー工程において塗膜が流動し易く成形性が高く、平滑な塗膜を形成することができる。
放射線硬化型化合物として好ましいものは、分子量200〜2000の2官能のアクリレート化合物であり、更に好ましいものはビスフェノールA、ビスフェノールF、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールFやこれらのアルキレンオキサイド付加物にアクリル酸、メタクリル酸を付加させたものである。
上記放射線硬化型化合物は、ポリマー型の結合剤と併用されてもよい。併用される結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができる。放射線として紫外線を用いる場合は、重合開始剤を併用することが好ましい。重合開始剤としては、公知の光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤および光アミン発生剤等を用いることができる。
また、放射線硬化型化合物は、非磁性層に用いることもできる。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には10〜150nmであり、好ましくは20〜120nmであり、さらに好ましくは30〜100nmである。また、磁性層の厚み変動率(σ/δ)は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±30%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.3〜2.0μmであることが好ましく、0.5〜1.5μmであることが更に好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
バックコート層
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面にバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。結合剤、各種添加剤は、磁性層や非磁性層の処方を適用することができる。特に前記非磁性層の処方を適用することが好適である。バックコート層の厚みは、0.9μm以下が好ましく、0.1〜0.7μmが更に好ましい。
製造方法
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料、非磁性層用塗料またはバック層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。塗布液の製造工程では、分散条件(分散に使用するビーズ種、ビーズ量、周速、分散時間)によって分散を強化することが好ましい。
重層構成の磁気記録媒体を塗布する場合には、非磁性層塗布液が湿潤状態にあるうちに、その上に磁性層形成用塗布液を塗布、乾燥させる方法(Wet on wet)を用いてもよく、非磁性層形成用塗布液を塗布、乾燥させた後、その上に磁性層形成用塗布液を塗布、乾燥させる方法(Wet on dry)を用いてもよい。
非磁性層塗布液が湿潤状態にあるうちに、その上に磁性層形成用塗布液を塗布、乾燥させる方法(Wet on wet)を用いる場合には、以下のような方式を用いることが好ましい。第一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず非磁性層を塗布し、非磁性層がウェット状態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により磁性層を塗布する方法;第二に特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法;第三に特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報や特開平1−236968号公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471号公報に開示されている数値範囲を満足することが好ましい。
各層用塗布液の塗布には、磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等を用いることができる。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて磁場配向処理してもかまわない。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向することもできる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20m/分〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
このようにして得られた塗布原反は、一旦巻き取りロールにより巻き取られ、しかる後、この巻き取りロールから巻き出され、カレンダー処理を施すことができる。
カレンダー処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。カレンダー処理によって、表面平滑性が向上するとともに、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理する工程は、塗布原反の表面の平滑性に応じて、カレンダー処理条件を変化させながら行うことが好ましい。
塗布原反は、概ね、巻き取りロールの芯側から外側に向かって光沢値が低下し、長手方向において品質にばらつきがあることがある。なお光沢値は、表面粗さRaと相関(比例関係)があることが知られている。したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させず一定に保持すると、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違について何ら対策が講じられていないことになり、最終製品も長手方向に品質のばらつきが生じる。
したがって、カレンダー処理工程で、カレンダー処理条件、例えばカレンダーロール圧力を変化させ、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違を相殺することが好ましい。具体的には、巻き取りロールから巻き出された塗布原反の芯側から外側に向かってカレンダーロールの圧力を低下させていくことが好ましい。本発明者らの検討によれば、カレンダーロールの圧力を下げると光沢値は低下する(平滑性が低下する)ことが見出されている。これにより、塗布原反の巻き取りによって生じた長手方向における平滑性の相違が相殺され、長手方向において品質にばらつきのない最終製品を得ることができる。
なお、前記ではカレンダーロールの圧力を変化させる例について説明したが、これ以外にも、カレンダーロール温度、カレンダーロール速度、カレンダーロールテンションを制御することによって行うことができる。塗布型媒体の特性を考慮すると、カレンダーロール圧力、カレンダーロール温度を制御することが好ましい。カレンダーロール圧力を低くする、あるいはカレンダーロール温度を低くすることにより、最終製品の表面平滑性は低下する。逆に、カレンダーロール圧力を高くする、あるいはカレンダーロール温度を高くすることにより、最終製品の表面平滑性は高まる。
カレンダーロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用することができる。また金属ロールで処理することもできる。
カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度は、例えば60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は、例えば100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲であり、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲である。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。裁断機としては、特に制限はないが、回転する上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の組が複数設けられたものが好ましく、適宜、スリット速度、噛み合い深さ、上刃(雄刃)と下刃(雌刃)の周速比(上刃周速/下刃周速)、スリット刃の連続使用時間等が選定される。
物理特性
本発明の磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜400mTが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.2〜318.3kA/m(1800〜4000Oe)が好ましく、159.2〜278.5kA/m(2000〜3500Oe)が更に好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは、好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.3以下である。
本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において、例えば0.50以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面104〜108Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(動的粘弾性測定装置(例えばレオバイブロン等)により、110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは40容量%以下、さらに好ましくは30容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
本発明の磁気記録媒体は、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当たりを良くすることができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
磁性層塗布液A(強磁性金属粉末)
強磁性針状金属粉末 100部
Hc:191kA/m(≒2400Oe)
平均長軸長:45nm、BET比表面積:65m2/g
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン社製MR−110) 3部
ポリウレタン樹脂(表参照) 19部
フェニルホスホン酸 4部
α−Al23(平均粒子径:0.15μm) 12部
カーボンブラック(平均粒子径:20nm) 1部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
潤滑剤(表1参照) 表1参照
ステアリン酸 1部
磁性層塗布液B(強磁性金属粉末)
強磁性針状金属粉末 100部
Hc:183kA/m(≒2300Oe)
平均長軸長:50nm、BET比表面積:68m2/g
ポリウレタン樹脂 15部
ポリオールとしてダイマージオール含有
質量平均分子量4.2万
α−Al23(粒子サイズ0.11μm) 7部
カーボンブラック(粒子サイズ 100nm) 5部
シクロヘキサノン 30部
メチルエチルケトン 90部
トルエン 60部
潤滑剤 表1参照
ステアリン酸 0.5部
磁性層塗布液C(六方晶フェライト粉末)
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
表面処理剤:Al23、SiO2
Hc:199(≒2500Oe)、板径:25nm
板状比:3、σs:50A・m2/kg(50emu/g)
ポリウレタン樹脂(表1参照) 15部
フェニルホスホン酸 5部
α−Al23(平均粒子径:0.15μm) 10部
カーボンブラック(粒子サイズ 20nm) 1部
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
潤滑剤(表1参照) 表1参照
ステアリン酸 1部
非磁性層塗布液
非磁性無機質粉体 80部
α−酸化鉄、表面処理剤:Al23、SiO2
長軸径:0.15μm、針状比:7
カーボンブラック 20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8
BET比表面積:250m2/g、揮発分:1.5%
塩化ビニル樹脂 13部
ポリウレタン樹脂B 7部
フェニルホスホン酸 3部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
潤滑剤(表1参照) 表1参照
ステアリン酸 1部
バックコート層塗布液
混練物(1)
カーボンブラックA(粒径 40nm) 100部
ニトロセルロース 旭化成社製 セルノバBTH1/2 50部
ポリウレタン樹脂(ガラス転移温度: 50℃) 40部
分散剤
オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
混練物(2)
カーボンブラックB(粒径 100nm) 100部
ニトロセルロース 旭化成社製 セルノバBTH1/2 40部
ポリウレタン樹脂 10部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
上記(1)をロールミルで予備混練した後、上記(2)とサンドグラインダーで分散し、完成後、以下を添加しバックコート層塗布液を調製した。
ポリエステル樹脂 5部
ポリイソシアネート 5部
表1に示す磁性層塗布液および非磁性層塗布液のそれぞれについて、各成分を連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られたそれぞれの分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL)を非磁性層塗布液には3部、磁性層塗布液には1部加え、更にそれぞれにメチルエチルケトンとシクロヘキサノン混合溶媒40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液と非磁性層塗布液をそれぞれ調製した。
[実施例1]
得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の非磁性層層の厚さが1.2μmになるように、厚さ5μmで中心面平均表面粗さが3.8nmの支持体上に塗布し、さらにその直後にその上に磁性層の厚さが0.1μmになるように磁性層塗布液Aを塗布(同時重層塗布)した。両層がまだ湿潤状態にあるうちに0.3Tの磁力を持つ磁石で配向させた。その後、厚み0.5μmのバックコート層を塗布し、乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度90℃で表面平滑化処理を行った。その後、12.65mm幅にスリットしてテープを製造した。
[実施例2]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[実施例3]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更し、カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例1]
磁性層塗布液として磁性層塗布液Bを使用し、非磁性層塗布液に含まれる潤滑剤を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例2]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例3]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例4]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例5]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例6]
カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例2と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例7]
カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例8]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例9]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例10]
磁性層塗布液中の強磁性金属粉末として表1に示す平均長軸長のものを使用し、磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例11]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更した以外は比較例10と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例15]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[実施例4]
得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の非磁性層の厚さが1.2μmになるように厚さ5μmで中心面平均表面粗さが3.8nmの支持体上に塗布し乾燥させた後、その上に磁性層の厚さが0.1μmになるように磁性層塗布液Cを塗布し乾燥させた。その後、厚み0.5μmのバックコート層を塗布し、乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度90℃で表面平滑化処理を行なった。その後、12.65mm幅にスリットしてテープを製造した。
[実施例5]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤を表1に示すように変更した以外は実施例4と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例13]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更した以外は実施例4と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例14]
磁性層塗布液および非磁性層中の潤滑剤およびその添加量を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様の方法で磁気テープを得た。
[比較例15]
磁性層塗布液中のポリウレタン樹脂を表1に示すものに変更し、カレンダー温度を表1に示す温度に変更した以外は実施例4と同様の方法で磁気テープを得た。
評価方法
1.電磁変換特性
電磁変換特性の測定は、リールtoリールテスタを用い、MRヘッドを搭載して下記の条件で実施した。
相対速度:2m/sec
記録トラック幅:10μm
再生トラック幅、5μm
シールド間距離0.27μm
記録用信号発生器:HP社製 8118A
再生信号処理:スペクトラムアナライザ
線記録密度:160KFCI
比較例3のSNRを0dBとした。これ以上であれば良好と判断することができる。
2.高速走行耐久性評価(摩擦力上昇)
評価には、リールtoリールテスタを用い、HP社製 LTO−G3ドライブより取り外したMRヘッドを搭載して下記の条件で走行させた。
相対速度:6.2m/sec
ラップ角:8.5°
テンション:100g
走行回数:2000往復
走行長:40m
走行環境:40℃80%RH
2000パス走行時のテンションが45g以下であれば高速走行性が良好と判断することができる。
3.走行後の静止摩擦力の測定
上記2.で走行させたテープをサンプリングし、IEC式摩擦試験機にHP社製 LTO−G3ドライブより取り外したヘッドを取り付け以下の条件で計測した。
相対速度:14mm/sec
ラップ角:5°
荷重:100g
テープ取り付け後1時間放置した後に測定し、1パス目の最初のテンションを読み取った(走行環境:40℃80%RH)。テンションが160g以下であれば、ヘッドとテープとの張り付きによる走行不良を起こすことなく再走行可能であったと判断することができる。
4.磁性層突起数の測定
セイコーインスツルメンツ社製SPA500型原子間力顕微鏡(AFM)を使用して、磁性層面40μm×40μmの面積をコンタクトモードで走査し、高さ10nm以上の突起数を求めた。
以上の結果を表1、2に示す。
Figure 2009087467
Figure 2009087467
Figure 2009087467
[使用ポリウレタン]
A:40質量%のポリエーテルポリオール、40質量%の短鎖ジオール、および有機ジイソシアネートを重合させて得られたポリウレタンであり、短鎖ジオールは有橋炭化水素構造(下記)を有する。質量平均分子量は12.4万。
Figure 2009087467
B:40質量%のポリエーテルポリオール、40質量%の環状構造をもつ短鎖ジオール、および有機ジイソシアネートを重合させて得られたポリウレタン。質量平均分子量は5.9万。
C:ポリエステルポリオールと鎖延長剤と有機ジイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂で、ポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含み、鎖延長剤が炭素数が3のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオール。質量平均分子量は13.0万。
D:ポリエステルポリオールと鎖延長剤と有機ジイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂で、ポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含み、鎖延長剤が炭素数が4のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオール。質量平均分子量は6.4万。
E:ポリエステルポリオールと鎖延長剤と有機ジイソシアネートを反応させたポリウレタン樹脂で、ポリエステルポリオールは、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含み、鎖延長剤が炭素数が3のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオール。質量平均分子量は22.6万。
上記質量平均分子量は、DMF溶媒を用いて標準ポリスチレン換算で求めた値である。
評価結果
実施例1〜5では、良好な電磁変換特性が得られ繰り返し走行性、再走行性とも良好であった。
これに対し、潤滑剤としてブチルステアレートを使用した比較例1、4、5、11、14では、再走行時の摩擦係数が大きく増加した。これはテープとヘッドとを接触させて保存した際、テープとヘッドとの張り付きが生じたことに起因すると考えられる。
結合剤として質量平均分子量が10万未満のポリウレタン樹脂を使用した比較例2、3、13では、繰り返し走行性が低下した。これは磁性層表面への結合剤低分子成分のマイグレーションが多いことに起因すると考えられる。
磁性層表面の高さ10nm以上の突起数が47個/1600μm2に満たない比較例6、10では、磁性層の平滑性が高すぎるため繰り返し走行性が劣化した。特に比較例10では走行中に張り付きが生じ摩擦係数を測定することができなかった。
比較例7では、磁性層表面が過度に粗いため電磁変換特性が大きく低下した。
比較例8では低分子量の炭酸エステルを使用したため保存中に炭酸エステルが磁性層表面に多量にしみ出し再走行性が低下した。一方、比較例9では高分子量の炭酸エステルを使用したため走行中、保存中とも析出物が多く発生し繰り返し走行性、再走行性とも低下した。また、高分子量の炭酸エステル(ジオレイルカーボネート)を使用した比較例12でも繰り返し走行性が低下した。
比較例10では、質量平均分子量が20万を超えるポリウレタン樹脂を使用したため磁性層の表面平滑性が低下し電磁変換特性が劣化した。
本発明の磁気記録媒体は、バックアップテープ等の長期にわたり安定な走行性および保存性が求められる高密度記録用磁気記録媒体として好適である。

Claims (5)

  1. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記磁性層表面の原子間力顕微鏡で測定した高さ10nm以上の突起数が1600μm2あたり50〜500個であり、
    前記結合剤は、10万以上20万以下の質量平均分子量を有するポリウレタン樹脂を含み、かつ、
    前記磁性層は、360以上460以下の分子量を有する炭酸エステルを更に含有する磁気記録媒体。
  2. 前記炭酸エステルは、下記一般式(1)で表される炭酸エステルである請求項1に記載の磁気記録媒体。
    Figure 2009087467
    [一般式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表す。]
  3. 一般式(1)中、R1およびR2のいずれか一方は、β位にて分岐構造を有する飽和炭化水素基である請求項2に記載の磁気記録媒体。
  4. 一般式(1)中、R1およびR2のいずれか一方は、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基または2−エチルヘキシル基である請求項3に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記ポリウレタン樹脂は、下記ポリウレタン樹脂(A)および/または下記ポリウレタン樹脂(B)を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
    ポリウレタン樹脂(A):ポリエーテルポリオールと、下記(a)で表される有橋炭化水素構造および/または下記(b)で表される有橋炭化水素構造を有する短鎖ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
    Figure 2009087467
    ポリウレタン樹脂(B):質量平均分子量が10万以上20万以下であり、脂肪族二塩基酸およびアルキル分岐側鎖を有する環状構造を持たない脂肪族ジオールを含むポリエステルポリオールと、炭素数の合計が3以上のアルキル分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールと、有機ジイソシアネートとの反応生成物である質量平均分子量が10万以上20万以下のポリウレタン樹脂。
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