JP2007273036A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】なし
Description
コンピューター用途の磁気記録媒体において、記録密度の増加が急速に進んでおり、これを達成するには電磁変換特性の向上が不可欠である。この要求に対して、強磁性粉末の微粒子化および高分散化、磁性層の厚みの薄層化および均一化、媒体表面の超平滑化などが重要となる。また、媒体とヘッドとを直接接触させて、記録信号の記録再生を行なうため、走行耐久性を確保すること、記録した情報は長期間アーカイブされるため、保存性に優れることが必要である。
この原因として、用いられる結合剤の分子量が適切でないことが挙げられる。分散性や塗料の流動性を高めるため、これまでの技術では結合剤の質量平均分子量が1,000〜100,000程度に規定されている(特許文献1〜4参照)。
また、低分子成分は、(1)塗膜強度が弱く走行耐久性が劣化する、(2)長期保存により磁性層表面に析出して、ヘッドの目詰まりを起こしエラーレートを増加させる保存性の劣化といった問題を引き起こす。
しかし、このような手法では、解決されない問題がある。
高分子量の結合剤は、(1)2つ以上の粒子間に跨って吸着する、(2)巨大な自由体積をもつので粒子間に進入することが困難なため、凝集した粒子の外側に吸着して、凝集を形成するという特徴を有するため、高分子量の結合剤を用いて非常に微粒子の強磁性粉末や非磁性粉末を分散させると、強磁性粉末や非磁性粉末の凝集を形成しやすく、媒体表面に突起を形成させ、媒体中に特異的な欠陥を生んでしまう。これが原因で、平均S/N比の向上が得られても、欠陥によるドロップアウトが増加し、エラーレートが増えて、記録情報の読み出しが困難になる問題がある。また、単に結合剤の分子量を増加させるだけでは、エラーレートが増加するという問題があった。
1)非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、
該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
2)前記磁性層の表面粗さが、Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下の範囲である上記1)に記載の磁気記録媒体。
ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さである。
3)前記磁性層と非磁性層との界面の変動率が20%以下である上記1)または2)に記載の磁気記録媒体。
4)前記強磁性粉末が、平均長軸長25〜50nmの針状強磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
5)前記強磁性粉末が、平均板径10〜50nmの平板状磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
6)前記強磁性粉末が、平均直径10〜50nmの球状または楕円状磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
7)前記非磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下である上記1)〜6)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
8)前記PU1が、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有する上記1)〜7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
9)前記PU1が、環状構造を有するジオールを構成成分として有するポリエーテルポリウレタンである上記1)〜7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
1.結合剤
本発明では、磁性層または非磁性層における強磁性粉末または非磁性粉末を分散させるための結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を使用し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴としている。
分子量の比較的低いPU2が、強磁性粉末もしくは非磁性粉末の粒子間に進入し、粒子間距離を広くさせ、PU1の吸着を高める働きをする。
その上で、分子量の高いPU1を粒子に吸着させることで、凝集物の少ない高度に分散された均一な強磁性粉末もしくは非磁性粉末の分散液ができる。また、高分子量の結合剤を用いるため、膜強度が向上した塗膜が形成され、走行耐久性に優れた媒体が作成できる。
PU2の分子量が1万未満であると、低分子量成分が増加するため、膜強度が弱く走行耐久性が劣化したり、保存性が劣化するため、好ましくない。一方、PU2の分子量が10万を超えると、粒子間に進入しにくいなど、前記に示した低分子量の結合剤の効果が発現できないため、好ましくない。
PU2の好ましい質量平均分子量は、2万以上9万以下であり、さらに好ましくは、3万以上8万以下であり、とくに、4万以上7万以下である。
全結合剤中のPU1の好ましい割合は、15質量%以上65質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上55質量%以下であり、とくに好ましくは20質量%以上45質量%以下である。
ポリウレタン樹脂(PU)の質量平均分子量を上記範囲に制御する方法としては以下のものが挙げられる。
ポリオール由来のOH基とジイソシアネート由来のNCO基のモル比の微調整や反応触媒の使用により、質量平均分子量を調整することができる。
ここで、反応触媒としてはジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩が例示できる。これらの中で、好ましくはジブチルスズジラウレートが挙げられる。
また、その他の方法としては、反応時の固形分濃度、反応温度、反応溶媒、反応時間等を調整することで、質量平均分子量を制御する方法が挙げられる。
ウレタン基濃度が上記範囲内であると、十分な塗膜のガラス転移温度(Tg)が得られ、良好な耐久性が得られるので好ましい。さらに、良好な溶剤溶解性が得られ、分散性が低下することがないので好ましい。さらに、ウレタン基濃度が4.5mmol以下であると、ポリオールの含有量を多くすることができ、分子量の制御が容易であり、合成上有利であるので好ましい。
(ポリオール)
本発明において、ポリウレタン樹脂(PU)は、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有することが好ましい。また、環状構造を有するジオールを構成成分として有することも好ましい。
本発明において、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ダイマージオール等、公知のものを必要に応じて用いることができる。ポリオールは、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を使用することもできる。本発明においては、2種以上のポリオールを使用することが好ましい。
これらの中でも好ましいものとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが例示できる。
ポリエステルポリオールに用いることができる二塩基酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸、Naスルホイソフタル酸等が好ましい。ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール等が例示できるが、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール等の分岐側鎖を有するものが好ましい。
また、ポリエーテルポリオールはビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物やビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等の環状構造を有するものが好ましい。
炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールとしては以下のものが例示できる。
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等。
これらの中でも好ましいものとして、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが例示できる。
本発明において、ポリイソシアネートとしてジイソシアネートを使用することが好ましい。ジイソシアネートとしては、公知のものが使用できる。
TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが好ましい。
極性基の含有量は、ポリウレタン樹脂(PU)中に1×10-5eq/g〜2×10-4eq/g含有することが好ましい。極性基の含有量が上記範囲であると磁性体への吸着や溶剤への溶解性が良好であり、分散性が良好となるので好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、吸着する官能基(極性基)を有することが好ましい。
好ましい重合度は200〜600、更に好ましくは240〜450である。上記範囲内であると良好な力学強度が得られると共に、溶液粘度が好適で、分散性が良好であるので好ましい。
併用する樹脂が塩化ビニル系樹脂の場合、これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合しても良いし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入しても良い。
本発明の磁気記録媒体には、強磁性粉末として、平均長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、平均板径10〜50nmの平板状磁性体、または平均粉体サイズ10〜50nmの球状または楕円状磁性体を使用することが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
(1)針状強磁性体
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末として、平均長軸長が20〜50nmである針状強磁性体を使用することができる。針状強磁性体としては、針状であるコバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末等の強磁性金属粉末が例示でき、BET比表面積(SBET)が好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。平均長軸長は20〜50nmが好ましく、20〜40nmが更に好ましい。
第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。
このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましい。その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1,500〜3,000G)であり、さらに好ましくは160〜290mT(1,600〜2,900G)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは90〜170A・m2/kg(90〜170emu/g)であり、さらに好ましくは100〜160A・m2/kg(100〜160emu/g)である。
本発明で用いることのできる平均板径が10〜50nmである平板状磁性体としては六方晶フェライト粉末が好ましい。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、並びにそれらのCo置換体等の置換体がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Znなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、平均板径は40nm以下が好ましい。板径が上記範囲であると、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。
平均板状比は1〜15が好ましく、2〜7がより好ましい。上記範囲であると配向性が十分であり、粒子間のスタッキングが起こりにくくノイズが小さくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。結晶子サイズは50〜450Å、好ましくは100〜350Åである。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均粉体サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m2/kg(40〜80emu/g)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
球状または楕円状磁性体としては、Fe16N2を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄は球状または楕円状が好ましく、平均針状比は1〜2が好ましい。BET比表面積(SBET)が30〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは12〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13〜22nmである。
飽和磁化σsは50〜200A・m2/kg(emu/g)が好ましい。更に好ましくは70〜150A・m2/kg(emu/g)である。
球状または楕円状磁性体の平均粉体サイズ(平均直径または平均長軸長)は、好ましくは10〜50nmであり、さらに好ましくは10〜40nmであり、とくに好ましくは15〜35nmである。
また、該粉体の平均粉体サイズは、上記粉体サイズの算術平均であり、約350個の一次粒子について上記の如く測定を実施して求めたものである。一次粒子とは、凝集のない独立した粉体をいう。
また、該粉体の平均針状比は、上記測定において粉体の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粉体の(長軸長/短軸長)の値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粉体サイズの定義で(1)の場合は、粉体を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚さ乃至高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粉体の形状が特定の場合、例えば、上記粉体サイズの定義(1)の場合は、平均粉体サイズを平均長軸長と言い、同定義(2)の場合は平均粉体サイズを平均板径と言い、(最大長径/厚さ乃至高さ)の算術平均を平均板状比という。同定義(3)の場合は平均粉体サイズを平均直径という。粉体サイズ測定において、標準偏差/平均値をパーセント表示したものを変動係数と定義する。
さらに、磁性体の平均粉体サイズを上記の好ましい範囲にすることにより、磁性体の分散性が向上し、熱ゆらぎによる減磁が抑制され、電磁変換特性が優れたものとなる。なお、平均粉体サイズが好ましい範囲の上限を超えると、表面性が粗くなり出力が小さくなったり、粒子性ノイズが大きくなる傾向にあり、電磁変換特性が劣化する恐れがある。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下。
このRa1およびRa2の範囲を同時に満たすことで、走行性に優れ、かつ電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られる。
ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、微小突起成分を表している。Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、うねり成分を表している。なおRa2は、たとえばWYKO社製、商品名HD2000によって測定することができる。
なお、Ra1が2.0nm未満であると、媒体とドライブヘッドとの摩擦力が増加し、走行が不安定になるので好ましくない。一方、Ra1が3.5nmを超えると、媒体とヘッドとの距離が広くなりすぎて、出力が低下するため好ましくない。
Ra1は、(1)PU1とPU2の分子量および投入量、磁性体の平均粉体サイズを調整し、分散性を向上させること、(2)カレンダ条件を調整することで制御できる。
また、Ra2が1.5nm未満であると、媒体とドライブヘッドとの摩擦力が増加し、走行が不安定になるので好ましくない。一方、Ra2が3.0nmを超えると、媒体とヘッドとの距離が大きく変動するため出力の変動が大きくなるため、エラーレートが増加し好ましくない。
Ra2は、(1)PU1とPU2の分子量および投入量、磁性体の平均粉体サイズを調整し、分散性を向上させること、(2)支持体上に非磁性層を塗布し乾燥した後、磁性層を塗布する、いわゆるwet on dryの塗布方式にすること、(3)カレンダ条件を調整することで制御できる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を分散させた少なくとも一層の非磁性層を有する。磁性層に使用する結合剤と同じ結合剤を非磁性層にも使用することができる。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
非磁性層には、非磁性層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。タップ密度は好ましくは0.05〜2g/ml、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。
100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心線平均表面粗さRa3〜10nmが好ましい。
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層および磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に下塗層を設けた場合、下塗層の厚さは0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。また、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液および非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
変動率は、低いほど出力の変動が少ないため、理想的には0%である。
界面の変動率は、(1)非磁性層の塗布方式をwet on dryにすること、(2)非磁性層を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、そのカレンダー条件を調整することで制御できる。
なお界面の変動率は、エポキシ樹脂に媒体を包埋し、硬化した後、ダイヤモンドカッターで媒体長手方向に厚み約800Åの切片を作成し、断面をTEMにて10万倍で観察し、断面写真の界面を長さ10μmにわたってトレースし、画像解析装置で磁性層の平均厚みdとその標準偏差σを求め、100×σ/d(%)で求められる。
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は、100〜300mT(1,000〜3,000G)である。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1,800〜4,000Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2,000〜3,500Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であり、1.5T以上であることが好ましい。
表1に示した組成のジオール成分及び反応触媒を還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノン50%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。更に表1に示したジイソシアネート成分を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂(PU1)溶液を得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)及び重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)を表1に示す。
(ポリウレタン樹脂(PU2)の合成)
表2に示した組成のジオール成分及び反応触媒を還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノン50%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。更に表1に示したジイソシアネート成分を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂(PU2)溶液を得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)及び重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)を表2に示す。
なおポリウレタンの質量平均分子量はDMF溶媒を用いて標準ポリスチレン換算で求めた。
(1)磁性層
強磁性金属微粉末 100部
組成(at%) Fe/Co=100/25
Hc 2700 Oe(213kA/m)
BET法による比表面積 70m2/g
表面処理層 Al2O3、SiO2、Y2O3
平均長軸長 45nm
平均針状比 4
σs 110 emu/g(110A・m2/kg)
塩化ビニル系樹脂 10部
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂(PU1) 5部
ポリウレタン樹脂(PU2) 5部
α−Al2O3(モース硬度9、平均粒径0.1μm) 0.5部
カ−ボンブラック(平均粒径0.08μm) 0.3部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
得られた分散液に、下記の成分を加え、撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調整した。
ポリイソシアネート:日本ポリウレタン社製コロネートL
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 200部
シクロヘキサノン 200部
非磁性粉体 α−Fe2O3 ヘマタイト 80部
長軸長 0.10μm
BET法による比表面積 52m2/g
pH 9
タップ密度 0.8
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層 Al2O3、SiO2
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径 16μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH 8.0
BET法による比表面積 250m2/g
揮発分 1.5%
塩化ビニル系樹脂 12部
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂 Tg:90℃ 7.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
得られた下層分散液に、下記の成分を加え、撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調整した。
ポリイソシアネート:日本ポリウレタン社製コロネートL
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 60部
シクロヘキサノン 60部
カーボンブラックA 100部
平均一次粒子径 40nm
カーボンブラックB 5部
平均一次粒子径 100nm
α−Fe2O3 20部
平均粒径 0.11μm、モース硬度 5、pH 9.0
α−Al2O3 1部
平均粒径0.2μm
ニトロセルロース(旭化成社製 セルノバBTH1/2) 60部
ポリウレタン樹脂 Tg:50℃ 45部
分散剤 フタロシアニン系分散剤 5部
オレイン酸銅 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 15部
表3のように磁性層中に含まれる強磁性粉末または結合剤(表1および表2のように作製したPU1およびPU2)の種類および配合割合を変更し、表4のようにカレンダの条件を変更し、実施例1と同様にデジタル記録用テープを作成した。
ポリエステルA:アジピン酸/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール=1/2モル反応物(分子量318)
ポリエステルB:スルホイソフタル酸ナトリウム/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールー=1/2モル反応物(分子量440)
ポリエーテルA:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド6モル付加物(分子量577)
DMH:2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール(分子量160)
HBpA:水素化ビスフェノールA(分子量240)
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量250)
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
また、質量部とあるのは強磁性粉末100質量部当りの質量部である。塩ビとは塩化ビニル系樹脂である。
また、板状の強磁性粉末としては、バリウムフェライトを用い、球状の強磁性粉末としてはFe16N2を主相とする窒化鉄系の球状強磁性粉末を用いた。
表2において、塗布方式のwet on dryとは、非磁性層を塗布・乾燥させた後、その上に磁性層を塗布する塗布方式である。
<テープの平均表面粗さ>
Ra1
原子間力顕微鏡(AFM:DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE III)を用い、コンタクトモードで磁性層面について40μm×40μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra1)を測定した。
Ra2
光干渉式表面粗さ計(WYKO社製、HD2000)を用い、磁性層面について250μm×250μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra2)を測定した。
エポキシ樹脂にテープを包埋し、硬化した後、ダイヤモンドカッターでテープ長手方向に厚み約800Åの切片を作成し、TEMにて10万倍で観察、断面写真の界面を長さ10μmにわたってトレース、画像解析装置で磁性層の平均厚みdとその標準偏差σを求め、100×σ/d(%)で界面変動率を求めた。
Standard ECMA-319 Annex Bに記載の方法で測定したBBSNRをSN比とした。レファレンスには富士写真フイルム製LTO-Gen1テープを用い、0dBとした。
磁気テープに、線記録密度144kbpiの信号を8-10変換PRI等化方式で記録した後、その磁気テープを、23℃50%RHの環境下でLTO-Gen1(IBM製)ドライブに供して記録信号を読み取り、エラーレートを測定した。
LTO-Gen1ドライブ(IBM製)を用いて、40℃80%RH環境下で再生;巻き戻しを行い、同左環境で1ヶ月保存した。
保存後の磁気テープを、23℃50%RHの環境下に1時間保存した後、エラーレートを上記と同様に測定した。
Al2O3/TiC製の7mmφの円柱バーに磁性層面を接触させるように180度の角度でテープを渡し、荷重65.3g、秒速0.5mmの条件で40mmの長さを10パス摺動させて、オイラーの式に基づいて磁性層の摩擦係数を摺動1パス目および10パス目について求めた。
μ=(1/π)ln(T2/T1) T2:摺動抵抗値(g)、T1:荷重
測定は、23℃50%RHの環境下で行った。
μ<0.3をもって、走行耐久性に優れると判断した。
40℃10%RHの環境下でAl2O3/TiC製の7mmφの円柱バーに磁性層面を接触させるように150度の角度でテープを渡し、荷重100g、秒速25mmの条件で25mmの長さを5万往復摺動させて、テープの折り返し部分および走行部分を顕微鏡にて観察し、傷、デブリの状態を評価した。評価は官能評価とし、5段階評価した。5は傷、デブリが少なく、1は最も傷、デブリが多いとし、4以上を走行耐久性に優れると判断した。
結果を表5に示す。
Claims (9)
- 非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、
該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 前記磁性層の表面粗さが、Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下の範囲である請求項1に記載の磁気記録媒体。
ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さである。 - 前記磁性層と非磁性層との界面の変動率が20%以下である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
- 前記強磁性粉末が、平均長軸長25〜50nmの針状強磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記強磁性粉末が、平均板径10〜50nmの平板状磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記強磁性粉末が、平均粉体サイズ10〜50nmの球状または楕円状磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記非磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記PU1が、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有する請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記PU1が、環状構造を有するジオールを構成成分として有するポリエーテルポリウレタンである請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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