JP2007273036A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い電磁変換特性が得られ、かつエラーレートが低く記録再生の精度が高く、かつ走行耐久性および保存性に優れた磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体に関する。
磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く利用されてきた。
コンピューター用途の磁気記録媒体において、記録密度の増加が急速に進んでおり、これを達成するには電磁変換特性の向上が不可欠である。この要求に対して、強磁性粉末の微粒子化および高分散化、磁性層の厚みの薄層化および均一化、媒体表面の超平滑化などが重要となる。また、媒体とヘッドとを直接接触させて、記録信号の記録再生を行なうため、走行耐久性を確保すること、記録した情報は長期間アーカイブされるため、保存性に優れることが必要である。
磁性体の微粒子化においては最近の磁性体では0.1μm以下の強磁性金属粉末や強磁性六方晶フェライト粉末が使用されている。また、支持体表面に非磁性下層を設けてから磁性層を上層として設けた重層構成である場合の非磁性層に用いられる微粒子の非磁性粉体や前記の微粒子磁性体を高度に分散するために、結合剤には親水性極性基である−SO3M(Mは水素又はアルカリ金属あるいはアンモニウム塩を表す。)を導入し、極性基を介して磁性体および非磁性粉体にバインダー鎖を吸着させ、高分散化ならびに媒体表面を平滑化するための分散技術が提案されている(特許文献1〜3参照)。
しかし強磁性粉末や非磁性粉末の微粒子化に伴い、分散が困難になるため、これまでの結合剤では強磁性粉末や非磁性粉末を十分に分散させることができなくなり、十分な電磁変換特性を得られない問題があった。また十分な塗膜強度が得られず、繰り返し走行耐久性を十分に確保できず、かつ長期保存性に優れないという問題点があった。
この原因として、用いられる結合剤の分子量が適切でないことが挙げられる。分散性や塗料の流動性を高めるため、これまでの技術では結合剤の質量平均分子量が1,000〜100,000程度に規定されている(特許文献1〜4参照)。
一般的に、磁性体に結合剤を吸着させるための吸着官能基であるカルボン酸、スルホン酸やこれらの金属塩等をポリウレタン樹脂に導入するには、これらの吸着官能基を有するグリコールやポリオールを用いることが知られている。このような方法では、前記の分子量範囲であると、確率的に吸着官能基が導入されていない分子が多く存在する。この結果、実質的に分散に必要な吸着官能基をもった分子が少なくなり、十分な分散性を得ることができなかった。
また、強磁性粉末や非磁性粉末の微粒子化に伴い、分散が困難になる原因は、表面積の増加により表面自由エネルギーが増加し、凝集力が高まることが一般的に知られている。そこで、高分子結合剤を強磁性粉末や非磁性粉末の表面に被着させて分子ループを形成させ、粒子間に距離をとることで凝集を抑制させるわけであるが、前記の分子量範囲であるとこれまでの粒子サイズの強磁性粉末や非磁性粉末を分散させるには十分であったが、本発明で用いられるような非常に微粒子の強磁性粉末や非磁性粉末を使用する場合は、これらの凝集力を抑制しうる分子ループを形成できず、分散性が劣化する問題があった。
また、低分子成分は、(1)塗膜強度が弱く走行耐久性が劣化する、(2)長期保存により磁性層表面に析出して、ヘッドの目詰まりを起こしエラーレートを増加させる保存性の劣化といった問題を引き起こす。
そこで、結合剤の質量平均分子量をさらに高め、分散性を向上させ、かつ走行耐久性および保存性を向上させる手法が考えられる。
しかし、このような手法では、解決されない問題がある。
高分子量の結合剤は、(1)2つ以上の粒子間に跨って吸着する、(2)巨大な自由体積をもつので粒子間に進入することが困難なため、凝集した粒子の外側に吸着して、凝集を形成するという特徴を有するため、高分子量の結合剤を用いて非常に微粒子の強磁性粉末や非磁性粉末を分散させると、強磁性粉末や非磁性粉末の凝集を形成しやすく、媒体表面に突起を形成させ、媒体中に特異的な欠陥を生んでしまう。これが原因で、平均S/N比の向上が得られても、欠陥によるドロップアウトが増加し、エラーレートが増えて、記録情報の読み出しが困難になる問題がある。また、単に結合剤の分子量を増加させるだけでは、エラーレートが増加するという問題があった。
また、異なる分子量のポリウレタンを併用し、磁性塗料の分散性と耐久走行性を両立させる技術が知られているが(特許文献5等参照)、磁性体の大きさが50nmを下回る超微粒子の粉末の分散が難しく、記録密度の高いコンピューター用途の磁気記録媒体に要求される電磁変換特性が得られない問題がある。
特開平5−250652号公報 特開平6−162487号公報 特開平9−305955号公報 特開平8−235564号公報 特開平8−17036号公報
本発明の目的は、高い電磁変換特性が得られ、かつエラーレートが低く記録再生の精度が高く、かつ走行耐久性および保存性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
1)非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、
該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
2)前記磁性層の表面粗さが、Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下の範囲である上記1)に記載の磁気記録媒体。
ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さである。
3)前記磁性層と非磁性層との界面の変動率が20%以下である上記1)または2)に記載の磁気記録媒体。
4)前記強磁性粉末が、平均長軸長25〜50nmの針状強磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
5)前記強磁性粉末が、平均板径10〜50nmの平板状磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
6)前記強磁性粉末が、平均直径10〜50nmの球状または楕円状磁性体である上記1)〜3)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
7)前記非磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下である上記1)〜6)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
8)前記PU1が、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有する上記1)〜7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
9)前記PU1が、環状構造を有するジオールを構成成分として有するポリエーテルポリウレタンである上記1)〜7)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、高い電磁変換特性が得られ、かつエラーレートが低く記録再生の精度が高く、かつ走行耐久性および保存性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
1.結合剤
本発明では、磁性層または非磁性層における強磁性粉末または非磁性粉末を分散させるための結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を使用し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴としている。
分子量の比較的低いPU2が、強磁性粉末もしくは非磁性粉末の粒子間に進入し、粒子間距離を広くさせ、PU1の吸着を高める働きをする。
その上で、分子量の高いPU1を粒子に吸着させることで、凝集物の少ない高度に分散された均一な強磁性粉末もしくは非磁性粉末の分散液ができる。また、高分子量の結合剤を用いるため、膜強度が向上した塗膜が形成され、走行耐久性に優れた媒体が作成できる。
PU1の分子量が12万未満であると、吸着官能基である、例えば−SO3M(Mは水素又はアルカリ金属あるいはアンモニウム塩を表す。)の1分子当たりの存在確率が低下したり、粒子に吸着したときの分子ループが小さすぎるため分散性が低下する、また媒体の膜強度が低下するため好ましくない。一方、PU1の分子量が30万を超えると、分散液粘度が高すぎて製造工程のハンドリングが悪化し、分散性が低下し凝集物を形成してしまうため、好ましくない。
PU2の分子量が1万未満であると、低分子量成分が増加するため、膜強度が弱く走行耐久性が劣化したり、保存性が劣化するため、好ましくない。一方、PU2の分子量が10万を超えると、粒子間に進入しにくいなど、前記に示した低分子量の結合剤の効果が発現できないため、好ましくない。
全結合剤中のPU1の割合が15質量%未満であると、前記に示した高分子量の結合剤(PU1)の効果が発現できないため、好ましくない。また、低分子量成分が増加し、保存性が劣化するため、好ましくない。一方、全結合剤中のPU1の割合が75質量%を超えると、前記に示した低分子量の結合剤(PU2)の効果が発現できないため、好ましくない。
PU1の好ましい質量平均分子量は、12万上27万以下であり、さらに好ましくは、12万以上25万以下であり、とくに、13万以上24万以下である。
PU2の好ましい質量平均分子量は、2万以上9万以下であり、さらに好ましくは、3万以上8万以下であり、とくに、4万以上7万以下である。
全結合剤中のPU1の好ましい割合は、15質量%以上65質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以上55質量%以下であり、とくに好ましくは20質量%以上45質量%以下である。
本願明細書において、ポリウレタン樹脂(PU1)及びポリウレタン樹脂(PU2)を総称する場合は、ポリウレタン樹脂(PU)と称す。
ポリウレタン樹脂(PU)の質量平均分子量を上記範囲に制御する方法としては以下のものが挙げられる。
ポリオール由来のOH基とジイソシアネート由来のNCO基のモル比の微調整や反応触媒の使用により、質量平均分子量を調整することができる。
ここで、反応触媒としてはジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩が例示できる。これらの中で、好ましくはジブチルスズジラウレートが挙げられる。
また、その他の方法としては、反応時の固形分濃度、反応温度、反応溶媒、反応時間等を調整することで、質量平均分子量を制御する方法が挙げられる。
本発明において、ポリウレタン樹脂(PU)の質量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比Mw/Mn(分子量分布)は1.0〜2.5が好ましい。更に好ましくは1.5〜2.0である。Mw/Mnが上記範囲内であると、組成分布が生じにくく、良好な分散性が得られるので好ましい。
ウレタン基濃度は、2.5mmol/g〜4.5mmol/gであることが好ましく、3.0mmol/g〜4.0mmol/gであることがより好ましい。
ウレタン基濃度が上記範囲内であると、十分な塗膜のガラス転移温度(Tg)が得られ、良好な耐久性が得られるので好ましい。さらに、良好な溶剤溶解性が得られ、分散性が低下することがないので好ましい。さらに、ウレタン基濃度が4.5mmol以下であると、ポリオールの含有量を多くすることができ、分子量の制御が容易であり、合成上有利であるので好ましい。
ポリウレタン樹脂(PU)は、ポリオールとポリイソシアネートとの反応により得られるポリマーである。以下、ポリオール及びポリイソシアネートについて詳述する。
(ポリオール)
本発明において、ポリウレタン樹脂(PU)は、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有することが好ましい。また、環状構造を有するジオールを構成成分として有することも好ましい。
本発明において、ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ダイマージオール等、公知のものを必要に応じて用いることができる。ポリオールは、1種を単独で使用することもできるが、2種以上を使用することもできる。本発明においては、2種以上のポリオールを使用することが好ましい。
これらの中でも好ましいものとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールが例示できる。
ポリエステルポリオールに用いることができる二塩基酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸、Naスルホイソフタル酸等が好ましい。ジオールとしては、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール等が例示できるが、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール等の分岐側鎖を有するものが好ましい。
また、ポリエーテルポリオールはビスフェノールAのポリプロピレンオキサイド付加物やビスフェノールAのポリエチレンオキサイド付加物等の環状構造を有するものが好ましい。
前記のポリオールのほかに必要に応じて分子量200〜500程度の公知の短鎖ジオールを鎖延長剤として用いてもよい。中でも炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールや環構造を有するジオール(例えば、エーテル化合物)が好ましい。
炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールとしては以下のものが例示できる。
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等。
これらの中でも好ましいものとして、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが例示できる。
環構造を有するジオールとしてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、スピログリコールが例示できる。これらの中でも好ましいものとして、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が例示できる。
(ポリイソシアネート)
本発明において、ポリイソシアネートとしてジイソシアネートを使用することが好ましい。ジイソシアネートとしては、公知のものが使用できる。
TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが好ましい。
本発明に使用するポリウレタン樹脂(PU)は極性基を含んでいてもよい。極性基としては、−SO3M、−OSO3M、−PO32、−COOMが好ましい。この中でも、−SO3M、−OSO3Mがさらに好ましい。Mは、水素原子、アルカリ金属、またはアンモニウムを表す。
極性基の含有量は、ポリウレタン樹脂(PU)中に1×10-5eq/g〜2×10-4eq/g含有することが好ましい。極性基の含有量が上記範囲であると磁性体への吸着や溶剤への溶解性が良好であり、分散性が良好となるので好ましい。
ポリウレタン樹脂(PU)は、OH基を含んでもよい。OH基は1分子あたり2〜20個が好ましく、3〜15個がより好ましい。OH基が上記範囲内であると、イソシアネート硬化剤との反応性が良好で塗膜強度が良好であり、さらに溶剤への溶解性が良好で、好適な分散性が得られるので好ましい。
ポリウレタン樹脂(PU)のガラス転移温度(Tg)は70〜200℃が好ましく、80〜160℃がより好ましい。上記範囲であると高温での塗膜強度が低下せず、耐久性、保存性が良好となるので好ましい。また、カレンダー成型性がよく、電磁変換特性が良好となるので好ましい。
ポリウレタン樹脂(PU)の弾性率は、1〜3GPaであることが好ましい。弾性率が上記範囲であると、塗膜が粘着故障を起こしにくい。また、カレンダー工程における磁性層の成型性が良好となり、十分な平滑性が得られる。
本発明において、磁性層の結合剤としてその他の樹脂を併用してもよい。その他の樹脂としては、ポリウレタン樹脂(PU)以外のポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいのは塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂である。
塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類、その他スチレン、αメチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミドが用いられる。
更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩などが用いられる。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は60〜95質量%が好ましい。上記範囲内であると、良好な力学強度が得られると共に、溶剤溶解性が良好であり、溶液粘度が低く分散性が高いので好ましい。
塩化ビニル系樹脂は、吸着する官能基(極性基)を有することが好ましい。
好ましい重合度は200〜600、更に好ましくは240〜450である。上記範囲内であると良好な力学強度が得られると共に、溶液粘度が好適で、分散性が良好であるので好ましい。
結合剤として併用する樹脂には磁性体、非磁性粉体の分散性を向上させるためこれらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO3M、−NR12、−N+123-などがある。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素、XはCl、Brなどのハロゲンである。
併用する樹脂が塩化ビニル系樹脂の場合、これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合しても良いし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入しても良い。
2.強磁性粉末
本発明の磁気記録媒体には、強磁性粉末として、平均長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、平均板径10〜50nmの平板状磁性体、または平均粉体サイズ10〜50nmの球状または楕円状磁性体を使用することが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
(1)針状強磁性体
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末として、平均長軸長が20〜50nmである針状強磁性体を使用することができる。針状強磁性体としては、針状であるコバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末等の強磁性金属粉末が例示でき、BET比表面積(SBET)が好ましくは40〜80m2/g、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。平均長軸長は20〜50nmが好ましく、20〜40nmが更に好ましい。
強磁性粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%が好ましく、更に好ましくは、5〜10原子%である。0.5原子%よりも少ないと強磁性粉末の高σs化できないために磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。20原子%よりも大きいと鉄の含有量が少なくなるので磁気特性が低下し、電磁変換特性が低下する。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明に使用する、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。
第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。
このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましい。その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明の強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.8kA/m(2,000〜3,000Oe)であり、さらに好ましくは167.2〜230.8kA/m(2,100〜2,900Oe)である。
また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1,500〜3,000G)であり、さらに好ましくは160〜290mT(1,600〜2,900G)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは90〜170A・m2/kg(90〜170emu/g)であり、さらに好ましくは100〜160A・m2/kg(100〜160emu/g)である。
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
(2)平板状磁性体
本発明で用いることのできる平均板径が10〜50nmである平板状磁性体としては六方晶フェライト粉末が好ましい。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、並びにそれらのCo置換体等の置換体がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Znなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは平均板径で10〜50nmであることが好ましい。さらに好ましくは20〜45nmであり、とくに好ましくは25〜40nmである。
磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、平均板径は40nm以下が好ましい。板径が上記範囲であると、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。
平均板状比は1〜15が好ましく、2〜7がより好ましい。上記範囲であると配向性が十分であり、粒子間のスタッキングが起こりにくくノイズが小さくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。結晶子サイズは50〜450Å、好ましくは100〜350Åである。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均粉体サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは39.8〜398kA/m(500〜5,000Oe)程度まで作製できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。通常63.7〜318.4kA/m(800〜4,000Oe)程度であるが、好ましくは119.4kA/m(1,500Oe)以上、278.6kA/m(3,500Oe)以下である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラを越える場合は、159.2kA/m(2,000Oe)以上にすることが好ましい。
Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m2/kg(40〜80emu/g)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体(磁性粉末)を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法。(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法。(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
(3)球状または楕円状磁性体
球状または楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄は球状または楕円状が好ましく、平均針状比は1〜2が好ましい。BET比表面積(SBET)が30〜100m2/gであることが好ましく、より好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは12〜25nmであることが好ましく、より好ましくは13〜22nmである。
飽和磁化σsは50〜200A・m2/kg(emu/g)が好ましい。更に好ましくは70〜150A・m2/kg(emu/g)である。
球状または楕円状磁性体の平均粉体サイズ(平均直径または平均長軸長)は、好ましくは10〜50nmであり、さらに好ましくは10〜40nmであり、とくに好ましくは15〜35nmである。
なお、本明細書において、磁性体のサイズ(以下、「粉体サイズ」と言う)は、高分解能透過型電子顕微鏡写真より求められる。即ち、粉体サイズは、(1)粉体の形状が針状、紡錘状、柱状(ただし、高さが底面の最大長径より大きい)等の場合は、粉体を構成する長軸の長さ、即ち長軸長で表され、(2)粉体の形状が板状乃至柱状(ただし、厚さ乃至高さが板面乃至底面の最大長径より小さい)場合は、その板面乃至底面の最大長径で表され、(3)粉体の形状が球形、多面体状、不特定形等であって、かつ形状から粉体を構成する長軸を特定できない場合は、円相当径で表される。円相当径とは、円投影法で求められるものを言う。
また、該粉体の平均粉体サイズは、上記粉体サイズの算術平均であり、約350個の一次粒子について上記の如く測定を実施して求めたものである。一次粒子とは、凝集のない独立した粉体をいう。
また、該粉体の平均針状比は、上記測定において粉体の短軸の長さ、即ち短軸長を測定し、各粉体の(長軸長/短軸長)の値の算術平均を指す。ここで、短軸長とは、上記粉体サイズの定義で(1)の場合は、粉体を構成する短軸の長さを、同じく(2)の場合は、厚さ乃至高さを各々指し、(3)の場合は、長軸と短軸の区別がないから、(長軸長/短軸長)は、便宜上1とみなす。
そして、粉体の形状が特定の場合、例えば、上記粉体サイズの定義(1)の場合は、平均粉体サイズを平均長軸長と言い、同定義(2)の場合は平均粉体サイズを平均板径と言い、(最大長径/厚さ乃至高さ)の算術平均を平均板状比という。同定義(3)の場合は平均粉体サイズを平均直径という。粉体サイズ測定において、標準偏差/平均値をパーセント表示したものを変動係数と定義する。
また、上記のように磁性体の平均粉体サイズを好ましい範囲(針状強磁性体は25〜50nm;平板状磁性体は10〜50nm;球状または楕円状磁性体は10〜50nm)に設定することにより、媒体の表面性が改善され、信号再生時の出力が大きく、かつ信号再生時の粒子性ノイズが小さいため、優れた電磁変換特性が得られる。
さらに、磁性体の平均粉体サイズを上記の好ましい範囲にすることにより、磁性体の分散性が向上し、熱ゆらぎによる減磁が抑制され、電磁変換特性が優れたものとなる。なお、平均粉体サイズが好ましい範囲の上限を超えると、表面性が粗くなり出力が小さくなったり、粒子性ノイズが大きくなる傾向にあり、電磁変換特性が劣化する恐れがある。
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、またはステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオン社製:アーマイドP、デュオミンTDO、日清オイリオ社製:BA−41G、三洋化成社製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
本発明の磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明の磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は磁性層および後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、本発明の強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80mμ、好ましく10〜50mμ、さらに好ましくは10〜40mμである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製 BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化学社製 #3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどがあげられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
本発明における磁性層の表面粗さは下記の数値を満たすことが好ましい。
Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下。
このRa1およびRa2の範囲を同時に満たすことで、走行性に優れ、かつ電磁変換特性に優れた磁気記録媒体が得られる。
ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、微小突起成分を表している。Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、うねり成分を表している。なおRa2は、たとえばWYKO社製、商品名HD2000によって測定することができる。
なお、Ra1が2.0nm未満であると、媒体とドライブヘッドとの摩擦力が増加し、走行が不安定になるので好ましくない。一方、Ra1が3.5nmを超えると、媒体とヘッドとの距離が広くなりすぎて、出力が低下するため好ましくない。
Ra1は、(1)PU1とPU2の分子量および投入量、磁性体の平均粉体サイズを調整し、分散性を向上させること、(2)カレンダ条件を調整することで制御できる。
また、Ra2が1.5nm未満であると、媒体とドライブヘッドとの摩擦力が増加し、走行が不安定になるので好ましくない。一方、Ra2が3.0nmを超えると、媒体とヘッドとの距離が大きく変動するため出力の変動が大きくなるため、エラーレートが増加し好ましくない。
Ra2は、(1)PU1とPU2の分子量および投入量、磁性体の平均粉体サイズを調整し、分散性を向上させること、(2)支持体上に非磁性層を塗布し乾燥した後、磁性層を塗布する、いわゆるwet on dryの塗布方式にすること、(3)カレンダ条件を調整することで制御できる。
3.非磁性層
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を分散させた少なくとも一層の非磁性層を有する。磁性層に使用する結合剤と同じ結合剤を非磁性層にも使用することができる。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
(非磁性粉末)
非磁性層には、非磁性層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、好ましくは1〜100m2/gであり、より好ましくは5〜70m2/gであり、さらに好ましくは10〜65m2/gである。比表面積が1〜100m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。タップ密度は好ましくは0.05〜2g/ml、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。含水量が0.1〜5質量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は、20質量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/m2であり、さらに好ましくは2〜15μmol/m2である。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。
100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面には表面処理することによりAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のμビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のμビッカース硬度は、通常25〜60Kg/mm2(0.245〜0.588GPa)、好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50Kg/mm2(0.294〜0.490GPa)であり、薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明の非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
4.非磁性支持体
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心線平均表面粗さRa3〜10nmが好ましい。
5.平滑化層
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層および磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
6.バックコート層
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
7.層構成
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3〜80μmである。また、非磁性支持体と非磁性層または磁性層の間に下塗層を設けた場合、下塗層の厚さは0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。また、非磁性支持体の非磁性層および磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
磁性層の厚さは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.10μmであり、好ましくは0.02μm以上0.08μm以下であり、更に好ましくは0.03〜0.08μmである。また、磁性層の厚さ変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明の非磁性層の厚さは、0.2〜3.0μmであり、0.3〜2.5μmであることが好ましく、0.4〜2.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
8.製造方法
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液および非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に非磁性層用塗布液および磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。また、非磁性層用塗布液および磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、通常、塗布層に表面平滑化処理やサーモ処理が施される。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cm(98〜490kN/m)の範囲、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)の範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)の範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルクまたはカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けるため、磁性層が面荒れし、出力低下およびノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
また本発明の磁気記録媒体は、磁性層と非磁性層との界面の変動率が20%以下であることが好ましい。磁性層と非磁性層との界面の変動率を20%以下とすることで、出力の変動を抑制し、エラーレートを低くすることができる。
変動率は、低いほど出力の変動が少ないため、理想的には0%である。
界面の変動率は、(1)非磁性層の塗布方式をwet on dryにすること、(2)非磁性層を塗布、乾燥後、カレンダー処理を行い、そのカレンダー条件を調整することで制御できる。
なお界面の変動率は、エポキシ樹脂に媒体を包埋し、硬化した後、ダイヤモンドカッターで媒体長手方向に厚み約800Åの切片を作成し、断面をTEMにて10万倍で観察し、断面写真の界面を長さ10μmにわたってトレースし、画像解析装置で磁性層の平均厚みdとその標準偏差σを求め、100×σ/d(%)で求められる。
9.物理特性
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は、100〜300mT(1,000〜3,000G)である。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1,800〜4,000Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2,000〜3,500Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFDおよびSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。また、帯電位は−500〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2,000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1,500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失正接の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを0〜2,000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉末の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であり、1.5T以上であることが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は、断らない限り「質量部」の意味である。
(ポリウレタン樹脂(PU1)の合成)
表1に示した組成のジオール成分及び反応触媒を還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノン50%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。更に表1に示したジイソシアネート成分を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂(PU1)溶液を得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)及び重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)を表1に示す。
(ポリウレタン樹脂(PU2)の合成)
表2に示した組成のジオール成分及び反応触媒を還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノン50%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。更に表1に示したジイソシアネート成分を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂(PU2)溶液を得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量(Mw)及び重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn)を表2に示す。
なおポリウレタンの質量平均分子量はDMF溶媒を用いて標準ポリスチレン換算で求めた。
実施例1
(1)磁性層
強磁性金属微粉末 100部
組成(at%) Fe/Co=100/25
Hc 2700 Oe(213kA/m)
BET法による比表面積 70m/g
表面処理層 AlO、SiO、YO
平均長軸長 45nm
平均針状比 4
σs 110 emu/g(110A・m2/kg)
塩化ビニル系樹脂 10部
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂(PU1) 5部
ポリウレタン樹脂(PU2) 5部
α−Al(モース硬度9、平均粒径0.1μm) 0.5部
カ−ボンブラック(平均粒径0.08μm) 0.3部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
上記の塗料について、各成分をオープンニ−ダで混練したのち、サンドミルを用い平均粒径0.5mmのジルコニアビーズで分散させた。
得られた分散液に、下記の成分を加え、撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層塗布液を調整した。
硬化剤 5部
ポリイソシアネート:日本ポリウレタン社製コロネートL
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 200部
シクロヘキサノン 200部
(2)下層塗布層(非磁性層)
非磁性粉体 α−Fe ヘマタイト 80部
長軸長 0.10μm
BET法による比表面積 52m/g
pH 9
タップ密度 0.8
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層 AlO、SiO2
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径 16μm
DBP吸油量 80ml/100g
pH 8.0
BET法による比表面積 250m/g
揮発分 1.5%
塩化ビニル系樹脂 12部
塩化ビニル共重合体 MR110(日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂 Tg:90℃ 7.5部
メチルエチルケトン 150部
シクロヘキサノン 150部
上記の塗料について、各成分をオープンニ−ダで混練したのち、サンドミルを用い平均粒径0.5mmのジルコニアビーズで分散させた。
得られた下層分散液に、下記の成分を加え、撹拌した後、超音波処理し、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層塗布液を調整した。
硬化剤 5部
ポリイソシアネート:日本ポリウレタン社製コロネートL
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 60部
シクロヘキサノン 60部
(3)バックコート層
カーボンブラックA 100部
平均一次粒子径 40nm
カーボンブラックB 5部
平均一次粒子径 100nm
α−Fe 20部
平均粒径 0.11μm、モース硬度 5、pH 9.0
α−Al 1部
平均粒径0.2μm
ニトロセルロース(旭化成社製 セルノバBTH1/2) 60部
ポリウレタン樹脂 Tg:50℃ 45部
分散剤 フタロシアニン系分散剤 5部
オレイン酸銅 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
上記の原料を、ディスパーで攪拌後、サンドグラインダーで平均粒径0.5mmのジルコニアビーズを用いて分散した。次いで、下記の原料を加え、ディスパーで攪拌後、1μm高平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、バックコート層用塗布液を調整した。
ポリエステル樹脂(東洋紡製 バイロン300) 5部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 15部
厚さが5μmであり、磁性層塗布面の中心線平均表面粗さRaが0.001μmであり、予め、コロナ処理を施して、ベース表面および裏面を親水性にしたポリエチレンナフタレート支持体上の一方の面に、上記の非磁性層塗布液を乾燥後の厚さが1.0μmになるように塗布・乾燥し、金属ロールとエポキシ樹脂ロールから構成される7段のカレンダで温度100℃にて分速150m/分で処理を行い、さらにその上に磁性層の厚さが0.08μmになるように、磁性層塗布液を塗布し(いわゆるwet on dry塗布方式)、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに5000G(500mT)の磁力をもつコバルト磁石と4000G(400mT)の磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥後、支持体の反対面に、上記のバックコート層用塗布液を乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布し、金属ロールとエポキシ樹脂ロールから構成される7段のカレンダで温度100℃にて分速150m/分で処理を行った。次いで、熱処理を施し、その後、1/2インチ幅にスリットしてデジタル記録用テ−プを作成した。
実施例2〜13および比較例1〜6
表3のように磁性層中に含まれる強磁性粉末または結合剤(表1および表2のように作製したPU1およびPU2)の種類および配合割合を変更し、表4のようにカレンダの条件を変更し、実施例1と同様にデジタル記録用テープを作成した。
Figure 2007273036
Figure 2007273036
ここで、表1、2中の記載は以下の通りである。
ポリエステルA:アジピン酸/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール=1/2モル反応物(分子量318)
ポリエステルB:スルホイソフタル酸ナトリウム/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールー=1/2モル反応物(分子量440)
ポリエーテルA:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド6モル付加物(分子量577)
DMH:2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール(分子量160)
HBpA:水素化ビスフェノールA(分子量240)
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量250)
DBTDL:ジブチルスズジラウレート
Figure 2007273036
Figure 2007273036
表1において、構造とあるのは、αが炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有するポリウレタンを意味し、βが環状構造を有するジオールを構成成分として有するポリエーテルポリウレタンを意味する。
また、質量部とあるのは強磁性粉末100質量部当りの質量部である。塩ビとは塩化ビニル系樹脂である。
また、板状の強磁性粉末としては、バリウムフェライトを用い、球状の強磁性粉末としてはFe162を主相とする窒化鉄系の球状強磁性粉末を用いた。
表2において、塗布方式のwet on dryとは、非磁性層を塗布・乾燥させた後、その上に磁性層を塗布する塗布方式である。
上記のようにして得られた各デジタル記録用テープについて、下記の測定を行った。
<テープの平均表面粗さ>
Ra1
原子間力顕微鏡(AFM:DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE III)を用い、コンタクトモードで磁性層面について40μm×40μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra1)を測定した。
Ra2
光干渉式表面粗さ計(WYKO社製、HD2000)を用い、磁性層面について250μm×250μmの面積を測定し、中心線平均表面粗さ(Ra2)を測定した。
<界面変動率>
エポキシ樹脂にテープを包埋し、硬化した後、ダイヤモンドカッターでテープ長手方向に厚み約800Åの切片を作成し、TEMにて10万倍で観察、断面写真の界面を長さ10μmにわたってトレース、画像解析装置で磁性層の平均厚みdとその標準偏差σを求め、100×σ/d(%)で界面変動率を求めた。
<電磁変換特性:SN比>
Standard ECMA-319 Annex Bに記載の方法で測定したBBSNRをSN比とした。レファレンスには富士写真フイルム製LTO-Gen1テープを用い、0dBとした。
<エラーレート>
磁気テープに、線記録密度144kbpiの信号を8-10変換PRI等化方式で記録した後、その磁気テープを、23℃50%RHの環境下でLTO-Gen1(IBM製)ドライブに供して記録信号を読み取り、エラーレートを測定した。
<保存後のエラーレート>
LTO-Gen1ドライブ(IBM製)を用いて、40℃80%RH環境下で再生;巻き戻しを行い、同左環境で1ヶ月保存した。
保存後の磁気テープを、23℃50%RHの環境下に1時間保存した後、エラーレートを上記と同様に測定した。
<磁性層の摩擦係数の測定>
Al/TiC製の7mmφの円柱バーに磁性層面を接触させるように180度の角度でテープを渡し、荷重65.3g、秒速0.5mmの条件で40mmの長さを10パス摺動させて、オイラーの式に基づいて磁性層の摩擦係数を摺動1パス目および10パス目について求めた。
μ=(1/π)ln(T2/T1) T2:摺動抵抗値(g)、T1:荷重
測定は、23℃50%RHの環境下で行った。
μ<0.3をもって、走行耐久性に優れると判断した。
<摺動後の傷,デブリ>
40℃10%RHの環境下でAl/TiC製の7mmφの円柱バーに磁性層面を接触させるように150度の角度でテープを渡し、荷重100g、秒速25mmの条件で25mmの長さを5万往復摺動させて、テープの折り返し部分および走行部分を顕微鏡にて観察し、傷、デブリの状態を評価した。評価は官能評価とし、5段階評価した。5は傷、デブリが少なく、1は最も傷、デブリが多いとし、4以上を走行耐久性に優れると判断した。
結果を表5に示す。
Figure 2007273036
表5から、実施例1〜13は、高い電磁変換特性を得られ、かつエラーレートが低く記録再生の精度の高く、かつ走行耐久性および保存性に優れていることが分かる。

Claims (9)

  1. 非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有し、その上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    該磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記磁性層の表面粗さが、Ra1:2.0nm以上3.5nm以下、かつRa2:1.5nm以上3.0nm以下の範囲である請求項1に記載の磁気記録媒体。
    ただし、Ra1は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定した中心線平均表面粗さであり、Ra2は、光干渉式表面粗さ計を用いて測定した中心線平均表面粗さである。
  3. 前記磁性層と非磁性層との界面の変動率が20%以下である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記強磁性粉末が、平均長軸長25〜50nmの針状強磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 前記強磁性粉末が、平均板径10〜50nmの平板状磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  6. 前記強磁性粉末が、平均粉体サイズ10〜50nmの球状または楕円状磁性体である請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 前記非磁性層は、結合剤として、少なくとも質量平均分子量が12万以上30万以下のポリウレタン樹脂(PU1)および質量平均分子量が1万以上10万以下のポリウレタン樹脂(PU2)を含有し、かつ全結合剤中のPU1の割合が15質量%以上75質量%以下である請求項1〜6のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  8. 前記PU1が、炭素数2以上の分岐側鎖を有する脂肪族ジオールを構成成分として有する請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 前記PU1が、環状構造を有するジオールを構成成分として有するポリエーテルポリウレタンである請求項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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