JP2008181600A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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裕一郎 村山
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義博 中井
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Abstract

【課題】平滑性及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体上に、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させた放射線硬化層を有することを特徴とする磁気記録媒体。好ましい態様としては、前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する前記磁気記録媒体、又は、前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、非磁性粉末を結合剤中に分散させた非磁性層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する前記磁気記録媒体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、高密度記録に適する磁気記録媒体に関する。
磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、コンピュータ用途等を始めとして様々な分野で幅広く利用されてきた。
オーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用などのテープ状磁気記録媒体及びフレキシブルディスクなどのディスク状磁気記録媒体として、γ−酸化鉄、Co含有酸化鉄、酸化クロム、強磁性金属粉末などの強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層を支持体上に設けた磁気記録媒体が用いられている。磁気記録媒体に用いられている支持体としては、一般にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが用いられている。これらの支持体は延伸し高度に結晶化されているため機械的強度が強く耐溶剤性に優れている。
強磁性粉末を結合剤中に分散させた塗料を支持体に塗布して得られる磁性層は、強磁性粉末の充填度が高く破断伸びが小さく脆いため、機械的な力を加えることにより簡単に破壊され、支持体から剥離することがある。そこで、支持体上に下塗り層を設けて、磁性層を支持体上に強く接着させることが行われている。
磁気記録媒体への高密度記録化の要求に対し、より一層の電磁変換特性向上のために、磁気記録媒体表面の平滑化が必要とされている。かかる課題に鑑みて、非磁性支持体上に電子線などの放射線により硬化する官能基をもつ化合物、即ち放射線硬化性化合物を用いた放射線硬化層を有する磁気記録媒体が提案されている(特許文献1〜3)。
一方、連鎖移動剤を用いて製造される磁気記録媒体としては、例えば、以下の例が知られている。
特許文献4には、非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体において、該結合剤が、(イ)塩化ビニル単位及び(ロ)側鎖として水酸基含有有機基を有するビニル系単量体単位又は/及びビニルアルコール単位を必須構成成分としてなる、SH基を有する連鎖移動剤の存在下に共重合させて得られた塩化ビニル系共重合体と、エチレン性不飽和二重結合及びイソシアネート基各々1個を1分子中に有しかつウレタン結合を分子中に持たない単量体とを反応させた変性共重合体を主剤とし、さらに該磁性層が放射線照射により硬化されていることを特徴とする磁気記録媒体が提案されている。
特許文献5には、(a)複数のペンダントニトリル基、複数のペンダントヒドロキシル基、及び少なくとも1つのペンダント分散基を有する非ハロゲン化ビニルコポリマーを含有する硬質樹脂成分、及び(b)ホスホネートジエステル基を包含する少なくとも1つのペンダント分散基を含有するポリウレタンポリマーを含有する軟質樹脂成分、を含む磁気記録媒体に有用なポリマーバインダー系が提案されており、ビニルモノマーの共重合時に使用する官能性連鎖移動剤として、メルカプト琥珀酸が例示されている。
特開2005−267728号公報 特開2005−310311号公報 特開2006−40472号公報 特開平9−132749号公報 特表平10−503543号公報
本発明の目的は、平滑性及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することである。
本発明の上記課題は、下記<1>の手段により解決された。好ましい実施形態である<2>〜<5>と共に以下に示す。
<1> 非磁性支持体上に、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させた放射線硬化層を有することを特徴とする磁気記録媒体、
<2> 前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する上記<1>に記載の磁気記録媒体、
<3> 前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、非磁性粉末を結合剤中に分散させた非磁性層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する上記<1>に記載の磁気記録媒体、
<4> 前記連鎖移動剤が少なくとも1つのチオール基を有する化合物である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の磁気記録媒体、
<5> 前記ラジカル重合禁止剤がヒドロキノン類である上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、平滑性及び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することできる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させた放射線硬化層を有することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
(放射線硬化層)
本発明の磁気記録媒体における放射線硬化層は、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させた放射線硬化層である。放射線硬化層を下塗り層又は平滑化層ともいう。
<放射線硬化性化合物>
本発明における放射線硬化性化合物とは、紫外線又は電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。放射線硬化性化合物は、外部からエネルギー(紫外線又は電子線等)を与えない限り反応が進行しない。このため、放射線硬化性化合物を含む塗布液は、支持体上で塗布溶媒が蒸発すると適度な粘度を有し、支持体上の微小な突起を埋める作用を有し、硬化により高い塗膜平滑性を得ることができる。すなわち、本発明における放射線硬化層は、平滑化層の役割を果たす。また、放射線硬化性化合物は紫外線又は電子線等のエネルギー放射線の照射により瞬時に反応が進むため、放射線硬化性化合物を含む塗布液では高い塗膜強度を得ることができる。
なお、本発明で用いることができる放射線には、電子線(β線)、紫外線、X線、γ線、α線などの各種の放射線が含まれる。
本発明に用いることができる放射線硬化性化合物は、例えば多価アルコールにアクリル酸やメタクリル酸に代表されるカルボキシル基と放射線硬化成性官能基とを有する化合物を反応させて得られる(メタ)アクリレート化合物や、多価アルコールに2−イソシアネートエチルアクリレート、2−イソシアネートエチルメタクリレートに代表される水酸基と反応する基と放射線硬化性官能基とを有する化合物を反応させて得られるウレタンアクリレートがある。また、ジイソシアネート化合物や末端イソシアネートプレポリマーにヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシブチル(メタ)アクリレートに代表されるイソシアネート基と反応する基と放射線硬化性官能基とを有する化合物を反応させて得られるものが挙げられる。
本発明においては、上記の放射線硬化性化合物の1種あるいは2種以上適宜選んで用いることができる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを意味するものとし以下も同様とする。
前記の多価アルコールとしては、従来公知のポリウレタン原料として用いられているジオールのほかポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルエステルポリオールを好ましく用いることができる。ジイソシアネート化合物もポリウレタン原料として知られているものを好ましく用いることができる。
多官能(メタ)アクリレートの例としては、3官能以上としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びそのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド変性物等が挙げられる。中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、トリメチロールプロパントリアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがより好ましい。
2官能のものとしては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジメタアクリレート、シクロペンタジエニルアルコールジ(メタ)アクリレート、シクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、シクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましく、シクロデカンジメタノールジアクリレートがより好ましい。
また、放射線硬化性化合物は、2官能の単量体であることが好ましく、メタクリロイル基又はアクリロイル基を有する放射線硬化性化合物がより好ましく、さらに官能基としては重合性に優れることから、メタクリロイル基よりもアクリロイル基を有する放射線硬化性化合物が好ましい。
また、放射線硬化性化合物の構造として、得られる磁気記録媒体の機械的強度と吸湿性とのバランスに優れることから、脂肪族系や脂環族系ジアクリレートが好ましい。脂肪族系の好ましい例としては、ヘキサメチレンジオールジアクリレート、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、2−メチルオクタンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのウレタンジアクリレート等が例示される。これらのうち、得られる放射線硬化層の平滑性に優れることから、分岐側鎖を有するものが好ましく、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、2−メチルオクタンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートのウレタンジアクリレートがより好ましい。
また、脂環族系ジアクリレートの好ましい例としては、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、リモネンアルコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ダイマージオールジアクリレート、5−エチル−2−(2−ヒドロキシ−1,1’−ジメチルエチル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−ジオキサンジアクリレート、テトラヒドロフランジメタノールジアクリレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンジアクリレート等が挙げられる。これらの中でも好ましいものはトリシクロデカンジメタノールジアクリレートである。
上記以外の(メタ)アクリレートとしては、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート、ポリアミドポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、粘度調節、基材との密着性向上等の理由で必要に応じて単官能(メタ)アクリレートを添加してもよい。かかる単官能(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これら単官能(メタ)アクリレートの使用量としては、放射線硬化層固形分100重量部に対し、0〜40重量部が好ましく、耐擦傷性等を考慮すると0〜30重量%がより好ましい。
本発明における放射線硬化層には「低エネルギー電子線照射の応用技術(シーエムシー発行)」、「UV・EB硬化技術((株)総合技術センター発行)」などに記載されている公知の(メタ)アクリレートなどの放射線硬化性化合物を用いることもできる。
放射線硬化性化合物の分子量は300〜5,000が好ましい。上記の数値の範囲内であると、未反応の放射線硬化性モノマーが磁気記録媒体の表面に析出せず、粘度が適切であるため平滑性に優れた磁気記録媒体が得られる。
放射線硬化性化合物の使用量は、放射線硬化層の重量に対して、60〜95重量%であることが好ましく、70〜90重量%であることがより好ましく、75〜85重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、磁気記録媒体の平滑性に優れ、電磁変換特性及びエラー特性に優れた磁気記録媒体が得られる。
<連鎖移動剤>
ラジカル重合過程において、放射線硬化層は硬化による体積収縮が発生するために、非磁性支持体表面の突起を十分に埋めることができずに磁性層表面の平滑性を低下させる欠点があったが、本発明者等は、チオール基やジスルフィド基を有する化合物を併用することで体積収縮が抑制でき平滑性を向上できることを見出した。
また、従来技術では放射線硬化過程において大気中に含まれる酸素の影響によって硬化が阻害される。放射線硬化層から未硬化の放射線硬化性化合物等がその上に塗布される磁性層や非磁性層塗布液に溶け出して磁性層を粗面化させてしまう欠点もあったが、チオール基やジスルフィド基を有する化合物を併用することで硬化過程において高い酸素濃度下でも十分な硬化性が確保できる効果がある。
本発明に用いることができる連鎖移動剤は、連鎖移動反応を促進する化合物であればよく特に限定されないが、少なくとも1つのチオール基(−SH、メルカプト基ともいう。)を有するチオール化合物や少なくとも1つのジスルフィド結合(−S−S−、ジスルフィド基ともいう。)を有する化合物等であることが好ましく、チオール化合物であることがより好ましい。
連鎖移動剤として用いることができるチオール化合物は、放射線硬化性化合物の配合量に対する残存する未硬化の放射線硬化性化合物量が少なくなることから、2官能以上であることが好ましく、2〜10官能であることがより好ましく、2〜6官能であることがさらに好ましい。
また、硬化後の放射線硬化層中において、添加した連鎖移動剤は、その大部分(好ましくは95重量%以上)が、放射線硬化性化合物が反応して形成された樹脂の主鎖若しくは側鎖に結合した状態で存在することが好ましい。
本発明に用いることができるの単官能チオール化合物としては、例えば、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ソーダ、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、本発明に用いることができる多官能チオール化合物としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−へキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、デカンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスメルカプトプロピオネート、エチレングリコールビスチオグリコレート、1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、1,4−ブタンジオールビスメルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスメルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスメルカプトプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサメルカプトプロピオネート、その他多価アルコールとメルカプトプロピオン酸とのエステル、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
チオール化合物としては、1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)及びジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)を特に好ましく用いることができる。
また、ジスルフィド結合を有する化合物としては、少なくとも1つのジスルフィド結合を有する化合物であればよく、特に限定されないが具体的にはジベンゾチアジルジスルフィドや、前記チオール化合物より形成される環状ジスルフィド化合物、前記単官能チオール化合物の二量体であるジスルフィド結合を有する化合物等が好ましく挙げられる。
これらチオール化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、連鎖移動剤の使用量は、放射線硬化層の重量に対して5〜30重量%であることが好ましく、5〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。上記の数値の範囲内であると放射線硬化層が硬化する際に体積収縮しないため、平滑性に優れた磁気記録媒体が得られる。また、高い酸素濃度下でも十分に硬化させることができるため、大気中の酸素濃度下で硬化させた場合であっても未硬化の放射線硬化性化合物等が残らず、張り付きが発生しない。
また、放射線硬化層中における、連鎖移動剤、又は、放射線硬化性化合物が反応して形成された樹脂の主鎖若しくは側鎖に結合した連鎖移動剤の検出方法としては、特に制限はなく、公知の方法により検出すればよい。
<ラジカル重合禁止剤>
放射線硬化性化合物とチオール基やジスルフィド基を有する連鎖移動剤とを併用すると硬化性が高くなる一方、放射線硬化層の塗布液中でも経時で硬化が進み、塗布液がゲル化しやすい欠点があり、生産工程でのトラブルや生産性低下等の課題があった。
また、連鎖移動剤を使用せずに放射線硬化性化合物にラジカル重合禁止剤を併用すると放射線硬化層用塗布液のポットライフは確保できるが、放射線硬化層の硬化性は低下する。
本発明者等は、連鎖移動剤を含む放射線硬化層用塗布液にラジカル重合禁止剤を併用することで塗布液のゲル化を防止できるとともに、放射線硬化層における平滑性向上、酸素による硬化阻害抑制効果も維持できることを見出した。さらに、本発明者等は、連鎖移動剤とラジカル重合禁止剤とを併用することで放射線硬化層用塗布液のポットライフの確保と硬化性向上とを両立できることを見出した。
本発明に用いることのできるラジカル重合禁止剤は、特に限定されるものではなく、公知のラジカル重合禁止剤を用いることができ、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明におけるラジカル重合禁止剤は、活性放射線の照射により発生した重合開始ラジカル成分に対して水素供与(又は、水素授与)、エネルギー供与(又は、エネルギー授与)、電子供与(又は、電子授与)などを実施し、重合開始ラジカルを失活させ、重合開始を禁止する役割をはたす。
また、硬化後の放射線硬化層中において、添加したラジカル重合禁止剤は、ラジカルを補足し、反応若しくは分解したものとして存在していてもよい。
前記ラジカル重合禁止剤としては、孤立電子対を有する化合物(例えば、酸素、窒素、硫黄、金属等を有する化合物)、パイ電子を有する化合物(例えば、芳香族化合物)などが挙げられ、具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物、イミノ基を有する化合物、ニトロ基を有する化合物、ニトロソ基を有する化合物、芳香環を有する化合物、複素環を有する化合物、金属原子を有する化合物(有機化合物との錯体を含む)などが挙げられる。これらの中でも、フェノール類、ヒドロキノン類、キノン類、N−オキシド化合物類、トリニトロベンゼン類、ニトロソベンゼン類、ニトロフェノール類、ニトロ安息香酸類、フェニチアジン類、ホスフィン類、カチオン染料類が好ましく例示でき、フェノール類、ヒドロキノン類、ジクロロベンゾキノン類、トリニトロベンゼン類、ニトロソベンゼン類、ピクリン酸類、ニトロ安息香酸類等がより好ましく例示できる。
前記ラジカル重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ベンゾキノン、4−メトキシナフトール、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、カテコールアミン、トリフェニルホスフィン、フェニチアジン、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジルオキシラジカル(TEMPO)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、テトラエチルフェニレンジアミン、及び、クロラニルが挙げられ、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩が好ましく挙げられる。
また、種々のラジカル重合禁止剤の中でも、本発明に用いることができるラジカル重合禁止剤としては、ヒドロキノン類が好ましい。
ヒドロキノン類としては、p−ヒドロキノン、o−ヒドロキノン(カテコール)、これらをモノエーテル化した化合物、これら化合物の芳香環上を置換基により置換した化合物等が挙げられる。前記置換基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、複素環基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アミノ基等が挙げられる。前記置換基の数は2以上であってもよく、さらに2以上の置換基が結合して脂肪環構造を形成してもよい。また、ヒドロキノン類に芳香環が縮合した化合物であってもよい。
ヒドロキノン類の中でも、本発明に用いることができるラジカル重合禁止剤としては、p−ヒドロキノン、p−ヒドロキノンモノアルキルエーテル、及び、ジアルキル−p−ヒドロキノンであることがより好ましく、p−ヒドロキノン、p−ヒドロキノンモノアルキルエーテル、及び、ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−p−ヒドロキノンであることがさらに好ましく、p−ヒドロキノン及びヒドロキノンモノメチルエーテルであることが特に好ましい。
本発明において、ラジカル重合禁止剤の使用量は、放射線硬化層の重量に対して500〜10,000ppmであることが好ましく、1,000〜5,000ppmであることがより好ましい。上記範囲内であると、高い硬化性が得られ、かつ、塗布液のポットライフを十分確保できる。
また、放射線硬化層中におけるラジカル重合禁止剤又はその反応物若しくは分解物は、公知の方法により検出すればよく、例えば、公知の溶媒等で抽出し、LC−MS、GC−MS、NMR等で検出することもできる。
本発明に好適に用いることができる連鎖移動剤とラジカル重合禁止剤との組み合わせとしては、チオール化合物とヒドロキノン類との組み合わせが好ましく、多官能チオール化合物とヒドロキノン類との組み合わせがより好ましく、1,4−ブタンジオールジチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)及びジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)よりなる群から選ばれた少なくとも1つの連鎖移動剤と、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノン及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノールよりなる群から選ばれた少なくとも1つのラジカル重合禁止剤との組み合わせがさらに好ましく、1,4−ブタンジオールジチオグリコレートとヒドロキノンモノメチルエーテル又はヒドロキノンとの組み合わせが特に好ましい。
<放射線照射>
本発明において、放射線硬化層の硬化に使用される放射線は、電子線や紫外線等を挙げることができる。紫外線を使用する場合には前記の化合物に光重合開始剤を添加することが必要となる。電子線による硬化の場合は光重合開始剤が不要であり、透過深さも深いので好ましい。
電子線加速器としてはスキャニング方式、ダブルスキャニング方式あるいはカーテンビーム方式が採用できるが、好ましいのは比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式である。
電子線特性としては、加速電圧が好ましくは30kV〜1,000kV、より好ましくは50kV〜300kVであり、吸収線量として好ましくは5kGy(グレイ)〜200kGy、より好ましくは10kGy〜100kGyである。加速電圧が上記範囲であるとエネルギーの透過量が十分であり重合に使われるエネルギーの効率が良く経済的である。
電子線を照射する雰囲気は、一般的には表面近傍での硬化反応が阻害されるのを忌避するために窒素パージにより酸素濃度を200ppm以下にすることが好ましいとされるが、本発明では高い酸素濃度であっても硬化が可能となることから、その酸素濃度には特に制限されない。しかし、設備や経済的に可能であれば、低い酸素濃度であった方が放射線硬化層の硬化性がより優れるためにより好ましいことは言うまでもない。好ましくは酸素濃度10体積%以下、より好ましくは5体積%以下である。
紫外線光源としては、水銀灯が用いることができる。水銀灯は20W/cm〜240W/cmのランプを用い、速度0.3m/分〜20m/分で使用することが好ましい。基体と水銀灯との距離は一般に1cm〜30cmであることが好ましい。
紫外線硬化に用いる光重合開始剤として光ラジカル重合開始剤が用いられる。詳細は例えば「新高分子実験学第2巻 第6章 光・放射線重合」(共立出版(株)、1995年発行、高分子学会編)記載されているものを使用できる。具体例としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルメチルケタール、ベンジルエチルケタール、ベンゾインイソブチルケトン、ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、などがある。芳香族ケトンの混合比率は、放射線硬化性化合物100重量部に対し、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、さらに好ましくは3〜10重量部である。
放射線硬化装置、条件などについては「UV・EB硬化技術」((株)総合技術センタ−発行)や「低エネルギー電子線照射の応用技術」(2000年、(株)シーエムシー発行)などに記載されている公知のものを用いることができる。
本発明の磁気記録媒体における放射線硬化層の厚みは、0.1〜1.5μmが好ましく、0.2〜1.0μmがより好ましい。上記範囲であると、優れた平滑性、支持体との良好な密着性を有する磁気記録媒体が得られる。
放射線硬化層のカットオフ値0.25mmにおける平均粗さ(Ra)は、1〜3nmであることが好ましい。上記範囲であると、塗布工程でパスロールへの張り付きを防止でき、磁性層の平滑性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
放射線硬化層の突起数は、Digital Instrument社製NanoscopeIIを用い、トンネル電流10nA、バイアス電流400mVで40μm×40μmの範囲を走査して高さが5nm以下の突起数を測定した場合に、突起数が150個以下であることが好ましい。上記範囲であると、磁性層の平滑性に優れる。
放射線硬化層のガラス転移温度(Tg)は80〜150℃であることが好ましく、100〜130℃であることがより好ましい。上記範囲であると、塗布工程で粘着故障を抑制でき、塗膜強度に優れる。
放射線硬化層の弾性率は、1.5〜10GPaであることが好ましい。上記範囲であると塗膜の粘着故障を抑制でき、塗膜強度に優れる。
(磁性層)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層を有することが好ましい。
<強磁性粉末>
本発明の磁気記録媒体には、強磁性粉末として、針状強磁性体、平板状磁性体、又は、球状若しくは楕円状磁性体を使用することが好ましい。以下、それぞれについて説明する。
(1)針状強磁性体
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末として、針状強磁性体を使用することができる。針状強磁性体としては、針状であるコバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末等の強磁性金属粉末が例示でき、BET比表面積(SBET)は40〜80m2/gが好ましく、50〜70m2/gがより好ましい。結晶子サイズは12〜25nmが好ましく、13〜22nmがより好ましく、14〜20nmが更に好ましい。長軸長は20〜50nmでことが好ましく、20〜45nmがより好ましい。
針状強磁性体としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5〜20原子%が好ましく、5〜10原子%がより好ましい。
上記の数値の範囲内では、強磁性粉末を高σS化できるため、優れた磁気特性、電磁変換特性が得られる。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明に使用する、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましい。その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明の強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン、ガドリニウム等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用してもよい。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、好ましくは159.2〜238.8kA/m(2,000〜3,000Oe)であり、さらに好ましくは167.2〜230.8kA/m(2,100〜2,900 Oe)である。また、飽和磁束密度は、好ましくは150〜300mT(1,500〜3,000G)であり、さらに好ましくは160〜290mT(1,600〜2,900G)である。また飽和磁化(σs)は、好ましくは100〜170A・m2/kg(100〜170emu/g)であり、さらに好ましくは110〜160A・m2/kg(110〜160emu/g)である。磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
(2)平板状磁性体
本発明で用いることのできる平板状磁性体としては六方晶フェライト粉末が好ましい。六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは六角板径で10〜50nmであることが好ましい。磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は45nm以下が好ましい。板径が上記の範囲内であると、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、2〜7がより好ましい。上記の範囲内であると配向性が十分であり、粒子間のスタッキングが起こりにくくノイズが小さくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。結晶子サイズは50〜450Åであることが好ましく、100〜350Åがより好ましい。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと好ましくはσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは39.8〜398kA/m(500〜5,000 Oe)程度まで作製できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。63.7〜318.4kA/m(800〜4,000 Oe)であることが好ましく、119.4〜278.6kA/m(3,500 Oe)がより好ましい。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラを越える場合は、159.2kA/m(2,000 Oe)以上にすることが好ましい。
Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m2/kg(40〜80emu/g)であることが好ましい。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体(磁性粉末)を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%である。磁性体のpHも分散に重要である。好ましくは4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が好ましく選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが磁性体に対して0.01〜2.0%が好適に選ばれる。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法。(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法。(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
(3)球状又は回転楕円状磁性体
球状又は回転楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄は球状又は回転楕円状が好ましく、球状磁性体の長軸径/短軸径の軸比は1〜2が好ましく、回転楕円状磁性体の長軸径/短軸径の軸比は2〜4が好ましい。BET比表面積(SBET)が30〜100m2/gであることが好ましく、50〜70m2/gがより好ましい。結晶子サイズは12〜25nmであることが好ましく、13〜22nmがより好ましい。飽和磁化σsは50〜200A・m2/kg(emu/g)が好ましく、より好ましくは70〜150A・m2/kg(emu/g)である。
<結合剤>
磁性層に用いる結合剤としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール系樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいのはポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂である。
結合剤には強磁性粉末、非磁性粉体の分散性を向上させるためこれらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO3M、−NR12、−N+123-などがある。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素、XはCl、Br等のハロゲンである。結合剤中の官能基の量は10〜200μeq/gが好ましく、30〜120μeq/gがより好ましい。この範囲内にあると、良好な分散性が得られる。
結合剤には吸着官能基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し塗膜強度を向上させるために−OH基などの活性水素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量は0.1〜2meq/gである。
結合剤の分子量は重量平均分子量で10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000がより好ましい。この範囲内にあると、塗膜強度が十分であり、耐久性が良好であり、また分散性が向上するので好ましい。
好ましい結合剤であるポリウレタン樹脂は例えば「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、1986年、日刊工業新聞社)に詳しく記載されているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(「鎖延長剤」と呼ばれることもある。)とジイソシアネート化合物の付加重合によって得られる。長鎖ジオールは分子量500〜5,000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオールなどが用いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンなどと呼ばれる。
ポリエステルジオールとしてはアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸とグリコールとの縮重合によって得られる。グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどがある。また、ポリエステルジオールにはこのほかに、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。
ポリエステルジオールは耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものが好ましい。ポリエーテルジオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、やビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールAなどの芳香族グリコールや脂環族ジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したものなどがある。これらの長鎖ジオールは複数の種類を併用、混合して用いることもできる。
短鎖ジオールとしては上記ポリエステルジオールのグリコール成分に例示したものと同じ化合物群の中から選ぶことができる。また、3官能以上の多価アルコール例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを少量併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端のOH基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
ジイソシアネート化合物としてはMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどが用いられる。
ポリウレタン樹脂中の長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネートの好ましい組成は(80〜15重量%)/(5〜40重量%)/(15〜50重量%)である。
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は1〜5meq/gが好ましく、1.5〜4.5がより好ましい。この範囲では、十分な力学強度が得られ、溶液粘度が適度であり、分散性が適度である。
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は0〜200℃が好ましく、40〜160℃がより好ましい。この範囲では、十分な耐久性、成形性が得られ、優れた電磁変換特性が得られる。
ポリウレタン樹脂に前述した吸着官能基(極性基)を導入する方法としては官能基を長鎖ジオールのモノマーの一部に用いる方法、短鎖ジオールの一部に用いる方法やポリウレタンを重合した後、高分子反応で極性基を導入する方法などがある。
塩化ビニル系樹脂としては塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。
共重合モノマーとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類や、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及びこれらのNa塩、K塩などが用いられる。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は60〜95重量%が好ましい。上記の範囲内であると、良好な力学強度が得られると共に、溶剤溶解性が良好で、好適な溶液粘度のために良好な分散性が得られるので好ましい。
吸着官能基(極性基)、ポリイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合してもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入してもよい。
好ましい重合度は200〜600、更に好ましくは240〜450である。この範囲内にあると、良好な力学強度が得られると共に、好適な溶液粘度のために良好な分散性が得られるので好ましい。
本発明に使用する結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や耐熱性高めるために硬化剤を用いることができる。好ましい硬化剤としてポリイソシアネート化合物がある。ポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソシアネートが好ましい。
具体的にはトリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、などアダクト型ポリイソシアネート化合物。TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及びこれらの混合物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物。さらにクルードMDIなどがある。これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
イソシアネート系硬化剤以外に電子線あるいは紫外線などの放射線硬化性の硬化剤を用いてもよい。この場合放射線硬化性官能基として(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上、好ましくは3個以上有する硬化剤を用いることができる。例えばTMP(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマーなどがある。この場合、硬化剤のほかに結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用される。
硬化剤は結合剤100重量部に対して0〜80重量部添加するのが好ましい。上記の範囲内であると分散性が良好であるので好ましい。
結合剤の添加量は、磁性層の場合、強磁性粉末100重量部に対して、5〜30重量部が好ましく、10〜20重量部が更に好ましい。
<添加剤>
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又は、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコール又はアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基及びF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等のような炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジェルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
<有機溶剤>
本発明において、磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率で、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾールなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
これら有機溶剤は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶剤は、磁性層に用いる有機溶剤と非磁性層に用いる有機溶剤とでその種類は同じであることが好ましく、その添加量は変えてもかまわない。また、非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明において磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、及び、界面活性剤は、磁性層及び後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗料の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
<カーボンブラック>
本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。カーボンブラックを添加すると公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げることができ、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
カーボンブラックは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
カーボンブラックを使用する場合、強磁性粉末の重量に対して0.1〜30重量%で用いることが好ましい。
カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって、本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/gであることが好ましく、150〜400m2/gであることがより好ましい。ジブチルフタレート(DBP)吸油量は20〜400ml/100gであることが好ましく、30〜200ml/100gであることがより好ましい。カーボンブラックの粒子径は5〜80nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましく、10〜40nmであることがさらに好ましい。カーボンブラックのpHは2〜10であることが好ましく、含水率は0.1〜10%であることが好ましく、タップ密度は0.1〜1g/mlであることが好ましい。
本発明に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、本発明に用いることができるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
磁性層、及び、後述する非磁性層の残留のびは、好ましくは0.5%以下である。100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、後述する非磁性層のガラス転移温度は0〜180℃が好ましい。
損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が0.2以下であると粘着故障が発生し難いので好ましい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2,000kg/mm2)である。破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)である。
デジタルオプティカルプロフィメーター(WYKO製)を用いた光干渉法により測定した磁性層の中心線表面粗さRaは、カットオフ値0.25mmにおいて、好ましくは4.0nm以下であり、より好ましくは3.0nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は、0.01〜1μmの大きさのものを100μm2当たり0〜2,000個の範囲であることが好ましい。磁性層の表面突起の大きさや数は任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。
磁性層の表面粗さ、及び、表面突起の大きさや数は支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉末の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
磁性層の飽和磁束密度は、100〜300mT(1,000〜3,000G)であることが好ましい。
磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/m(1,800〜4,000Oe)であることが好ましく、159.2〜278.6kA/m(2,000〜3,500Oe)がより好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
磁性層の帯電位は−500〜+500V以内が好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方がよい場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
(非磁性層)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有することも好ましい。
本発明の磁気記録媒体が非磁性層を有する場合、非磁性層を放射線硬化層と磁性層との間に設けることが好ましい。また、非磁性層を1層のみ設けてもよく、2層以上設けてもよい。
<非磁性粉末>
非磁性層には、実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが上記の範囲内であれば、分散性が良く、適度な表面粗さを有する。これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲内であれば、分散性も良好で、かつ好適な表面粗さを有する。
非磁性粉末の比表面積は、1〜100m2/gが好ましく、5〜70m2/gがより好ましく、10〜65m2/gが更に好ましい。比表面積が上記の範囲内であると、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できる。
DBPを用いた吸油量は、5〜100ml/100gが好ましく、10〜80ml/100gがより好ましく、20〜60ml/100gが更に好ましい。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。
タップ密度は好ましくは0.05〜2g/ml、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が上記の範囲内であると、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましく、pHは6〜9であることが特に好ましい。pHが2〜11の上記の範囲内であると、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が上記の範囲内であると、分散性も良好で、塗料粘度も安定する。
強熱減量は、小さいものが好まし20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は1〜20μmol/m2が好ましく、2〜15μmol/m2が更に好ましい。非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明において非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のμビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のμビッカース硬度は、好ましくは25〜60kg/mm2、より好ましくはヘッド当りを調整するために30〜50kg/mm2である。μビッカーズ硬度は薄膜硬度計(日本電気製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明において非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は好ましくは100〜500m2/g、より好ましくは150〜400m2/gであり、DBP吸油量は好ましくは20〜400ml/100g、より好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は好ましくは5〜80nm、より好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明において非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機粉末を添加することもできる。このような有機粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
(非磁性支持体)
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRaが3〜10nmであることが好ましい。
(バックコート層)
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させたものを用いる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
(層構成)
非磁性支持体の好ましい厚みは、3〜80μmである。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μmである。
放射線硬化層の厚みは0.1〜1.5μmが好ましく、0.2〜1.0μmがより好ましい。
磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、好ましくは0.01〜0.12μmであり、更に好ましくは0.02〜0.10μmである。また、磁性層の厚み変動率は±50%以内が好ましく、さらに好ましくは±40%以内である。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明においては非磁性層を有するか否かは任意である。非磁性層を有する構成の場合、非磁性層の厚みは、0.2〜3.0μmであることが好ましく、0.3〜2.5μmであることがより好ましく、0.4〜2.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
(磁気記録媒体の物理物性)
本発明の磁気記録媒体における摩擦係数は、23℃、50%RH環境にて、磁性層面をSUS420部材に接触させて荷重50gをかけ、14mm/secで繰り返し10パス摺動させ、10パス目の摩擦係数を測定値とする。好ましい摩擦係数の値は0.32以下、より好ましくは0.3以下である。上記範囲であると、走行耐久性に優れる。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であることが好ましく、1.5T以上であることがより好ましい。
本発明の磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で0.98〜14.7GPa(100〜1,500kg/mm2)であることが好ましい。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性支持体上に、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させ、放射線硬化層を形成する工程、及び、強磁性微粉末と結合剤を分散した磁性層を少なくとも1層形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性粉末と結合剤を分散した非磁性層を少なくとも1層形成する工程を含むことが好ましい。
前記磁性層は放射線硬化層上に形成することが好ましく、また、非磁性層を設ける場合は、非磁性支持体上に放射線硬化層、非磁性層、磁性層の順で形成することが好ましい。
放射線硬化層を作製する方法としては、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させることを含む方法であれば、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、放射線硬化性化合物、連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤を有機溶剤や水等の溶剤に溶解した混合液を非磁性支持体上に塗布した後に乾燥させ、その後に放射線照射して放射線硬化層を形成する工程が好ましく挙げられる。
本発明で用いられる磁気記録媒体の非磁性層や磁性層用塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及び、これらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び強磁性粉末100重量部に対し15〜500重量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用塗料及び非磁性層用塗料を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に所定の膜厚となるように平滑化層である放射線硬化層を設け、更にその上に非磁性層用塗料又は磁性層用塗料を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、平滑化層から一層目に磁性層用塗料を、二層目に磁性層用塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。また、平滑化層から一層目に非磁性層用塗料を、二層目には磁性層用塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗料もしくは非磁性層用塗料を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば、(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層塗料の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗料の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより平滑化処理が行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度は好ましくは60〜100℃の範囲、より好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は好ましくは100〜500kg/cm、より好ましくは200〜450kg/cmの範囲、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われることが好ましい。
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルクまたはカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けると、磁性層が面荒れし、出力低下及びノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中の「部」の表示は「重量部」を示す。
(実施例1)
[放射線硬化層用塗布液の調製]
後述する表1に示した配合で放射線硬化性化合物、連鎖移動剤、及び、ラジカル重合禁止剤を固形分濃度が20重量%となるようにメチルエチルケトン(MEK)で希釈し、20分間撹拌したものを平均孔径0.1μmのフィルターで濾過し、放射線硬化層用塗布液を調製した。
[磁性塗料の調製]
強磁性合金粉末A(組成:Fe 100原子%に対して,Co 20原子%、Al 9原子%、Y 6原子%、Hc175kA/m、結晶子サイズ11nm,BET比表面積70m2/g、長軸長45nm、σs111emu/g) 100部
をオープンニーダで10分間粉砕し、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200)のMEK/トルエン=1/1 30%溶液 30部
を添加して60分間混練し、次いで、
αアルミナ(住友化学(株)製HIT55) 10部
カーボンブラック(旭カーボン(株)製#50) 3部
MEK/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041)MEK/トルエン=1/1 30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソヘキサデシルステアレート 3部
MEK 100部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
[非磁性塗料の調製]
針状α酸化鉄(長軸長100nm、表面処理層;アルミナ、SBET 52m2/g、pH 9.4) 85部
カーボンブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックEC) 15部
をオープンニーダで10分間粉砕し、次いで、
塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン(株)製MR110)のシクロヘキサノン30%溶液 30部
ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製UR8200) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 30部
シクロヘキサノン 20部
を添加して60分間混練し、次いで、
MEK/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製コロネート3041) MEK/トルエン=1/1の30%溶液 15部
ステアリン酸 1部
ミリスチン酸 1部
イソオクチルステアレート 3部
MEK 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗料を調製した。
放射線硬化層用塗布液を調製後1時間以内に乾燥後の厚さが0.5μmになる様にコイルバーを用いてポリエチレンナフタレート支持体(厚さ7μm、中心平均表面粗さRa3nm)の表面に塗布した後、100℃で乾燥させ、酸素濃度4体積%の雰囲気下になるよう電子線照射部雰囲気に窒素ガス流量を調整して送り込み、加速電圧100kV、吸収線量が20kGy(グレイ)になるように照射して硬化させた。
次いで放射線硬化層の上に非磁性塗料を、さらにその上に磁性塗料を、乾燥後の厚みがそれぞれ1.0μm、0.1μmになる様にリバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で5,000ガウスのCo磁石と4,000ガウスのソレノイド磁石で磁場配向を行い、溶剤を乾燥したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合わせによるカレンダ処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)で行い、更に70℃で36時間熱処理し、12.7mm(1/2インチ)幅にスリットした。
(実施例2〜14、及び、比較例1〜3)
放射線硬化化合物、連鎖移動剤、ラジカル重合禁止剤、及び、放射線照射雰囲気酸素濃度を表1に記載したものに変更した以外は、実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
[測定方法]
(1)磁性層表面粗さRa
デジタルオプティカルプロフィメーター(WYKO製)を用い光干渉法によりカットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さRaを測定した。
(2)磁性層表面の突起数
Digital Instrument社製NanoscopeIIを用い、トンネル電流10nA、バイアス電流400mVで40μm×40μmの範囲を走査して高さが5nm以下の突起数を求めた。
(3)電磁変換特性
記録ヘッド(MIGギャップ0.15μm、1.8T)と再生用MRヘッドをドラムテスタ−に取り付けて測定した。ヘッドとメディアの相対速度1〜3m/min、面記録密度0.57Gbit/(インチ)2(0.88Mbit/mm2)で測定した時の再生出力を測定し比較例1を0dBとした相対値で示した。
(4)放射線硬化層用塗布液のポットライフ
実施例1に記載した方法で調製した塗布液を30℃環境で保存し、ゲル化するまでの時間を追跡した。
実施例1〜15、及び、比較例1〜3における評価結果を以下の表1に示す。
Figure 2008181600
なお、表1に記載された略号は、以下の化合物を示す。
<放射線硬化性化合物>
A−1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
A−2:トリメチロールプロパントリアクリレート
A−3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
A−4:トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート/ヒドロキシアクリレートからなるウレタンアクリレート
<連鎖移動剤>
B−1:1,4−ブタンジオールジチオグリコレート
B−2:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
B−3:ジペンタエリスリトールヘキサ(3−メルカプトプロピオネート)
<ラジカル重合禁止剤>
C−1:ヒドロキノンモノメチルエーテル
C−2:ヒドロキノン
C−3:2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)
C−4:2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール
C−5:N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンアルミニウム塩

Claims (5)

  1. 非磁性支持体上に、放射線硬化性化合物を連鎖移動剤及びラジカル重合禁止剤の存在下で硬化させた放射線硬化層を有することを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性支持体上に、前記放射線硬化層と、非磁性粉末を結合剤中に分散させた非磁性層と、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層とをこの順に有する請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記連鎖移動剤が少なくとも1つのチオール基を有する化合物である請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。
  5. 前記ラジカル重合禁止剤がヒドロキノン類である請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁気記録媒体。
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JP2011046930A (ja) * 2009-07-31 2011-03-10 Fujifilm Corp 放射線硬化性塩化ビニル系樹脂組成物およびその製造方法、塩化ビニル系樹脂、磁気記録媒体、ならびに放射線硬化性塩化ビニル系樹脂用保存安定剤

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