JP4955630B2 - 組成物、磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

組成物、磁気記録媒体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、組成物、磁気記録媒体及びその製造方法に関する。
磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く利用されてきた。
近年の記録の大容量化、高記録密度化された磁気記録媒体は、その高度な電磁変換特性を達成するため、極めて平滑な表面を有することが要求されている。
また、上記のように極めて平滑な表面を得るため、磁気記録媒体を作製時における磁性層塗布液や非磁性層塗布液には、強磁性粉末又は非磁性粉末などの優れた分散性が要求されている。
一方、特許文献1には、非磁性支持体上に、非磁性粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性下層と、磁性粉末が結合剤中に分散されてなる磁性層とが、順次重層形成されてなる磁気記録媒体であって、前記磁性層中には、シランカップリング剤と、ヒドロキシカルボン酸とが含有されてなることを特徴とする磁気記録媒体が記載されている。
また、特許文献2には、非磁性支持体の一方又は両面に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性分散液を塗布して0.2μm以下の磁性層を設けた磁気記録媒体において、上記磁性層にカルボキシル基とヒドロキシ基を分子中に有し、芳香環が2個以上の場合には縮合環である分子量が200以下の芳香族化合物を含有し、上記強磁性粉末のBET法による比表面積をSm[m2/g]、芳香族化合物の含有量をAc[mmol]としたときに0.004×Sm≦Ac≦0.007×Sm[mmol]の関係を満足していることを特徴とする磁気記録媒体が記載されている。
さらに、特許文献3には、非磁性支持体上に、金属磁性薄膜、カーボン保護膜が形成されてなり、上記カーボン保護膜上に、ナフタレン環構造を有し且つカルボキシル基あるいはNH2 基のいずれかが2つ以上導入された化合物、ナフタレン環構造を有し且つカルボキシル基が1つ以上とNO2 基あるいはNH2 基が一つ導入された化合物、ベンゼン環構造を有し且つカルボキシル基あるいはOH基が二つ以上導入された化合物のいずれかが防錆剤として塗布されていることを特徴とする磁気記録媒体が記載されている。
特開2005−259276号公報 特開2004−355684号公報 特開平7−326045号公報
本発明の目的は、媒質への無機粉体の分散性に優れた組成物を提供することである。
また、本発明の他の目的は、表面平滑性に優れた磁気記録媒体及びその製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記<1>又は<9>から<12>によって解決された。好ましい実施態様である<2>〜<8>と共に以下に示す。
<1>1−ナフトエ酸、無機粉体、及び、媒質を含有することを特徴とする組成物、
<2>前記無機粉体が、強磁性粉末又は非磁性粉末である上記<1>に記載の組成物、
<3>磁気記録媒体作製用である上記<1>又は<2>に記載の組成物、
<4>前記1−ナフトエ酸の含有量が、前記無機粉体の含有量100重量部に対して、1.0〜10.0重量部である上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の組成物、
<5>前記無機粉体の平均粒径が、5nm〜2μmである上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の組成物、
<6>前記媒質が、結合剤及び/又は有機溶媒である上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の組成物、
<7>前記媒質が、結合剤を含む上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の組成物、
<8>前記結合剤の含有量が、前記無機粉体の含有量100重量部に対して、10〜40重量部である上記<7>に記載の組成物、
<9>非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、前記磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸を含有することを特徴とする磁気記録媒体、
<10>非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の非磁性層と、前記非磁性層の上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、前記磁性層及び/又は前記非磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸を含有することを特徴とする磁気記録媒体、
<11>上記<7>又は<8>に記載の組成物を調製する工程、及び、非磁性支持体上に前記組成物を塗布し強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含むことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法、
<12>上記<7>又は<8>に記載の組成物を調製する工程、非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を設ける工程、及び、前記非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含み、前記非磁性層及び/又は前記磁性層を前記<7>又は<8>に記載の組成物を塗布して設けることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
本発明によれば、媒質への無機粉体の分散性に優れた組成物を提供することができた。
また、本発明によれば、表面平滑性に優れた磁気記録媒体及びその製造方法を提供することができた。
以下に、本発明を詳細に説明する。
(組成物)
本発明の組成物は、1−ナフトエ酸、無機粉体、及び、媒質を含有することを特徴とする。
本発明の組成物は、1−ナフトエ酸を分散剤として含有することにより、媒質への無機粉体の分散性に優れる。
また、本発明の組成物は、磁気記録媒体を作製する原料として、すなわち、磁気記録媒体用として好適に使用することができる。磁性層及び/又は非磁性層における強磁性粉末や非磁性粉末の分散性が向上することにより、表面平滑性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
<1−ナフトエ酸>
本発明の組成物は、下記に示す1−ナフトエ酸(1-Naphthoic acid)を含有する。
Figure 0004955630
組成物において、1−ナフトエ酸に代えて、カルボキシ基の置換位置の異なる2−ナフトエ酸や、置換基をさらに有するナフトエ酸類(例えば、4−メチル−1−ナフトエ酸、2−メトキシ−1−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1−ニトロ−2−ナフトエ酸など)、塩を形成しているナフトエ酸塩類(例えば、1−ナフトエ酸カリウム塩など)、芳香環がナフタレン環以外のアリールカルボン酸類(例えば、安息香酸、9−アントラセンカルボン酸、4−ヒドロキシ安息香酸など)を使用した場合、媒質への無機粉体の分散性に劣る。
本発明者等が鋭意検討を行った結果、種々の化合物のうち、1−ナフトエ酸のみが、これらの化合物と比較して、媒質への無機粉体の分散性が特に優れることを見いだした。、また、1−ナフトエ酸を使用することにより、種々の媒質及び無機粉体を使用した場合にも分散性に優れ、汎用性に優れる。
本発明の組成物における1−ナフトエ酸の含有量は、組成物中の無機粉体の総含有量100重量部に対し、0.5〜20重量部であることが好ましく、1.0〜10.0重量部であることがより好ましい。上記範囲であると、分散性に優れる。
<無機粉体>
本発明の組成物は、無機粉体を含有する。
本発明に用いることができる無機粉体としては、特に制限はなく種々の無機粉体を用いることができるが、強磁性粉末又は非磁性粉末が好ましく例示でき、後述する磁気記録媒体用強磁性粉末又は磁気記録媒体用非磁性粉末がより好ましく例示できる。
強磁性粉末としては、特に制限はなく、公知の強磁性粉末を用いることができ、例えば、針状強磁性体、平板状磁性体、及び、球状又は楕円状磁性体が例示できる。
針状強磁性体としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられる。
平板状磁性体としては、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等のような六方晶フェライト粉末が挙げられる。
球状又は楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の粒子が挙げられる。
非磁性粉末としては、特に制限はなく、公知の非磁性の無機物質を用いることができる。
非磁性粉末としては、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、カーボンブラックなどが挙げられる。なお、本発明において、特に断りのない限り、「金属」は、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム等の半金属も含むものとする。
非磁性粉末として具体的には、二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタン、カーボンブラック等が例示できる。
これらの中でも、非磁性粉末としては、金属酸化物を好ましく例示できる。
無機粉体の形状としては、特に制限はなく種々の形状をとることができ、例えば、球状、針状、板状、楕円状、多面体状、不定形などが挙げられる。
また、無機粉体の平均粒径としては、1nm〜100μmであることが好ましく、5nm〜2μmであることがより好ましく、10nm〜200nmであることがさらに好ましい。上記範囲であると、1−ナフトエ酸の添加効果をより発揮できる。
<媒質>
本発明の組成物は、媒質を含有する。
媒質としては、結合剤(「バインダー」又は「結着樹脂」ともいう。)、及び/又は、有機溶媒であることが好ましい。
結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。
また、結合剤としては、後述する磁気記録媒体用結合剤を好ましく例示できる。
有機溶媒としては、公知のものが使用できる。
例えば、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾールなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。中でも、有機溶媒としては、ケトン類が好ましく例示できる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなくてもよく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
また、有機溶媒は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよく、2種以上を併用することが好ましい。
本発明の組成物中における媒質の含有量は、無機粉末100重量部に対し、5〜2,000重量部であることが好ましく、10〜1,000重量部であることがより好ましい。
また、本発明の組成物において、媒質として結合剤及び有機溶媒を用いた場合、その組成物は、有機溶媒を除去した後においても、残留する媒質である結合剤への無機粉体の分散性に優れる。
また、媒質として結合剤を少なくとも用いる場合、本発明の組成物中における結合剤の含有量は、無機粉末100重量部に対し、5〜100重量部であることが好ましく、10〜40重量部であることがより好ましい。
本発明の組成物は、媒質への無機粉体の分散性を大きく損なわない限り、公知の添加剤を含有していてもよいが、本発明の組成物は、1−ナフトエ酸、無機粉体、及び、媒質のみからなる組成物であることが好ましい。
前記添加剤は、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明の組成物の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、後述する磁気記録媒体の製造に用いる磁性層塗布液や非磁性層塗布液の製造方法を好ましく適用することができる。
(磁気記録媒体)
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、前記磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸をさらに含有することを特徴とする。
また、磁気記録媒体が磁性層及び非磁性層を有する場合、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と、前記非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の非磁性層と、前記非磁性層の上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、前記磁性層及び前記非磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸をさらに含有することを特徴とする。
また、本発明の磁気記録媒体は、後述する本発明の磁気記録媒体の製造方法により製造されたものであることが好ましい。
1−ナフトエ酸を含有する磁性層及び/又は非磁性層における1−ナフトエ酸の含有量は、強磁性粉末又は非磁性粉末の含有量100重量部に対し、0.5〜20重量部であることが好ましく、1.0〜10.0重量部であることがより好ましい。上記範囲であると、強磁性粉末又は非磁性粉末の分散性に優れ、磁気記録媒体の平滑性に優れる。
<磁性層>
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性層を少なくとも1層有する。なお、「非磁性支持体上」とは、非磁性支持体上部に設けられていればよく、必ずしも非磁性支持体と接している必要はない。
前記磁性層は、1−ナフトエ酸を含有していることが好ましい。
1.強磁性粉末
本発明の磁気記録媒体には、強磁性粉末として、長軸長が20nm以上50nm以下の針状強磁性体、板径10nm以上50nm以下の平板状磁性体、又は直径10nm以上50nm以下の球状又は楕円状磁性体を使用することが好ましい。
以下、それぞれについて説明する。
(1)針状強磁性体
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末としては、針状強磁性体を使用することが好ましい。
針状強磁性体としては、針状であるコバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末等の強磁性金属粉末が例示でき、BET比表面積(SBET)が、40m2/g以上80m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上70m2/g以下であることがより好ましい。結晶子サイズは、8nm以上25nm以下であることが好ましく、9nm以上22nm以下であることがより好ましく、10nm以上20nm以下であることが特に好ましい。長軸長は、20nm以上50nm以下であることが好ましく、20nm以上45nm以下であることがより好ましい。
強磁性粉末としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられる。強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feは、0.5原子%以上20原子%以下であることが好ましく、5原子%以上10原子%以下であることがより好ましい。0.5原子%以上であると、強磁性粉末が高σS化することができ、良好な磁気特性が得られ、電磁変換特性が良好である。20原子%以下であると鉄の含有量が適切であり、良好な磁気特性が得られ、電磁変換特性が良好である。
さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明に用いることができるコバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。
第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。
このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましい。その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させてもよく、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調整することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明において、強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン、ガドリニウム等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用してもよい。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は、159.2kA/m以上238.8kA/m以下(2,000Oe以上3,000Oe以下)であることが好ましく、167.2kA/m以上230.8kA/m以下(2,100Oe以上2,900Oe以下)であることがより好ましい。
また、飽和磁束密度は、150mT以上300mT以下(1,500G以上3,000G以下)であることが好ましく、160mT以上290mT以下(1,600G以上2,900G以下)であることがより好ましい。
また、飽和磁化(σs)は、100A・m2/kg以上170A・m2/kg以下(100emu/g以上170emu/g以下)であることが好ましく、110A・m2/kg以上160A・m2/kg以下(110emu/g以上160emu/g以下)であることがより好ましい。
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることがより好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止するなどの方法がある。
(2)平板状磁性体
本発明で用いることのできる平板状磁性体としては、六方晶フェライト粉末が好ましい。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zr、Znなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは、六角板径で10nm以上50nm以下であることが好ましい。磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下であることが好ましい。板径が上記範囲であると、熱揺らぎがなく安定な磁化が望める。また、ノイズも低くなるため高密度磁気記録に適する。
板状比(板径/板厚)は1以上15以下が好ましく、2以上7以下がより好ましい。上記範囲であると配向性が十分であり、粒子間のスタッキングが起こりにくくノイズが小さくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10m2/g以上200m2/g以下を示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。結晶子サイズは50Å以上450Å以下であることが好ましく、100Å以上350Å以下であることがより好ましい。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1以上2.0以下であることが好ましい。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは、39.8kA/m以上398kA/m以下(500Oe以上5,000Oe以下)程度まで作製できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限されるが、63.7kA/m以上318.4kA/m以下(800Oe以上4,000Oe以下)であることが好ましく、119.4kA/m(1,500Oe)以上278.6kA/m(3,500Oe)以下であることがより好ましい。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラを越える場合は、159.2kA/m(2,000Oe)以上にすることが好ましい。
Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは、40A・m2/kg以上80A・m2/kg以下(40emu/g以上80emu/g以下)であることが好ましい。σsは高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。また、W型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体(磁性粉末)を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は、磁性体に対して0.1%以上10%以下であることが好ましい。磁性体のpHも分散に重要である。pHは、4以上12以下であることが好ましく、分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6以上10以下であることがより好ましい。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが、好ましくは0.01%以上2.0%以下が選ばれる。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法。(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法。(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
(3)球状又は楕円状磁性体
球状又は楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の強磁性粉末が好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0原子%以上20.0原子%以下が好ましい。
窒化鉄は、球状又は楕円状が好ましく、長軸径/短軸径の軸比は1以上2以下が好ましい。
BET比表面積(SBET)は、30m2/g以上100m2/g以下であることが好ましく、50m2/g以上70m2/g以下であることがより好ましい。
結晶子サイズは12nm以上25nm以下であることが好ましく、より好ましくは13nm以上22nm以下である。
飽和磁化σsは、50A・m2/kg(50emu/g)以上200A・m2/kg(200emu/g)以下であることが好ましく、70A・m2/kg(70emu/g)以上150A・m2/kg(150emu/g)以下であることがより好ましい。
2.結合剤
磁性層に用いる結合剤としてはポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル系樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独あるいは複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいのは、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル系樹脂である。
結合剤には強磁性粉末、非磁性粉体の分散性を向上させるためこれらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい官能基としては、−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、>NRSO3M、−NR12、−N+123-などがある。ここでMは水素又はNa、K等のアルカリ金属、Rはアルキレン基、R1、R2、R3はアルキル基又はヒドロキシアルキル基又は水素、XはCl、Br等のハロゲンである。
結合剤中の官能基の量は、10μeq/g以上200μeq/g以下が好ましく、30μeq/g以上120μeq/g以下がより好ましい。上記範囲であると、良好な分散性が得られる。
結合剤には吸着官能基のほかにイソシアネート硬化剤と反応して架橋構造を形成し塗膜強度を向上させるために−OH基などの活性水素を持つ官能基を付与することが好ましい。好ましい量は0.1meq/g以上2meq/g以下である。
結合剤の分子量は、重量平均分子量で10,000以上200,000以下であることが好ましく、20,000以上100,000以下であることがより好ましい。上記範囲であると、塗膜強度が十分であり、耐久性が良好であり、また分散性が向上する。
好ましい結合剤であるポリウレタン樹脂は、例えば、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、1986年、日刊工業新聞社)に詳しく記載されているが、通常、長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長剤と呼ばれることもある。)とジイソシアネート化合物との付加重合によって得られる。長鎖ジオールは、分子量500以上5,000以下のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオールなどが好適に用いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンなどと呼ばれる。
ポリエステルジオールとしては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、などの脂肪族二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸とグリコールとの縮重合によって得られる。
グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどが例示できる。また、ポリエステルジオールにはこのほかに、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。
ポリエステルジオールは、耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものが好ましい。
ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールAなどの芳香族グリコールや、脂環族ジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したものなどがある。
これらの長鎖ジオールは複数の種類のものを併用、混合して用いることもできる。
短鎖ジオールとしては、上記ポリエステルジオールの縮重合に使用するグリコールとして例示したものと同じ化合物群の中から選ぶことができる。また、3官能以上の多価アルコール、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどを少量併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端のOH基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
ジイソシアネート化合物としては、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどが用いられる。
ポリウレタン樹脂中の長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネートの好ましい組成は、長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネート=(80〜15重量%)/(5〜40重量%)/(15〜50重量%)である。
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は、1meq/g以上5meq/g以下が好ましく、1.5meq/g以上4.5meq/g以下がより好ましい。ウレタン基濃度が上記範囲内であると、高い力学的強度が得られると共に、溶液粘度が良好であり、良好な分散性が得られる。
ポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、0℃以上200℃以下であることが好ましく、40℃以上160℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が上記範囲内であると、高い耐久性が得られると共に、良好なカレンダー成形性が得られ、良好な電磁変換特性が得られる。
ポリウレタン樹脂に前述した吸着官能基(極性基)を導入する方法としては官能基を長鎖ジオールのモノマーの一部に用いる方法、短鎖ジオールの一部に用いる方法やポリウレタンを重合した後、高分子反応で極性基を導入する方法などがある。
塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルモノマーに種々のモノマーと共重合したものが用いられる。
共重合モノマーとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの脂肪酸ビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどのアクリレート、メタクリレート類、アリルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテルなどのアルキルアリルエーテル類、その他スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、エチレン、ブタジエン、アクリルアミド、更に官能基をもつ共重合モノマーとしてビニルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、p−ビニルフェノール、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ホスホエチル(メタ)アクリレート、スルホエチル(メタ)アクリレート、p−スチレンスルホン酸、及び、これらのNa塩、K塩などが用いられる。
塩化ビニル系樹脂中の塩化ビニルモノマーの組成は、60重量%以上95重量%以下であることが好ましい。上記範囲内にあると、良好な力学強度が得られると共に、溶媒への溶解性が良好で、好適な溶液粘度のために良好な分散性が得られる。
吸着官能基(極性基)、ポリイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めるための官能基の好ましい量は前述したとおりである。これらの官能基の導入方法は上記の官能基含有モノマーを共重合してもよいし、塩化ビニル系樹脂を共重合した後、高分子反応で官能基を導入してもよい。
好ましい重合度は200以上600以下であり、より好ましくは240以上450以下である。この範囲内にあると、良好な力学強度が得られると共に、好適な溶液粘度のために良好な分散性が得られる。
本発明に用いることができる結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や耐熱性高めるために硬化剤を用いることができる。
硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物が好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物は、3官能以上のポリイソシアネートが好ましい。
具体的には、トリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、などアダクト型ポリイソシアネート化合物。TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及び、これらの混合物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物。さらに、クルードMDIなどが例示できる。
これらの中で好ましいのは、TMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
イソシアネート系硬化剤以外に、電子線あるいは紫外線などの放射線硬化性の硬化剤を用いてもよい。この場合放射線硬化性官能基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を分子内に好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上有する硬化剤を用いることができる。例えば、TMP(トリメチロールプロパン)のトリアクリレート、ペンタエリスリトールのテトラアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマーなどがある。この場合、硬化剤のほかに結合剤にも(メタ)アクリロイル基を導入するのが好ましい。紫外線硬化の場合はこのほかに光増感剤が併用される。
硬化剤は、結合剤100重量部に対して、0重量部以上80重量部以下添加するのが好ましい。上記範囲内にあると分散性が良好である。
結合剤の添加量は、磁性層の場合は強磁性粉末100重量部に対して、5重量部以上30重量部以下が好ましく、10重量部以上20重量部以下がより好ましい。
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。
添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶媒、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24以下の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコール又はアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル又は多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基及びF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、より好ましくは10重量%以下である。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂(株)製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂(株)製:FAL−205、FAL−123、新日本理化(株)製:エヌジェルブOL、信越化学工業(株)製:TA−3、ライオンアーマー(株)製:アーマイドP、ライオン(株)製:デュオミンTDO、日清製油(株)製:BA−41G、三洋化成工業(株)製:プロファン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
磁性層で用いられる有機溶媒は、公知のものが使用できる。
有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾールなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、テトラヒドロフラン等を任意の比率で使用することができる。
これら有機溶媒は、必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
使用する有機溶媒は、磁性層と非磁性層とでその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶媒組成の算術平均値が非磁性層溶媒組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶媒組成の内、誘電率が15以上の溶媒が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは、8以上11以下であることが好ましい。
磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は、磁性層及び後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。
例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した分散剤は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、本発明の強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶媒による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
カーボンブラックは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、強磁性粉末の重量に対して、0.1重量%以上30重量%以下で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって、本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
カーボンブラックの種類は、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。磁性層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
カーボンブラックの比表面積は、100m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、150m2/g以上400m2/g以下であることがより好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、20ml/100g以上400ml/100g以下であることが好ましく、30ml/100g以上200ml/100g以下であることがより好ましい。
カーボンブラックの粒子径は、5nm以上80nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
カーボンブラックのpHは、2以上10以下であることが好ましく、含水率は0.1%以上10%以下であることが好ましく、タップ密度は0.1g/ml以上1g/ml以下であることが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製 BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製 #3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コンロンビアカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもよい。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ放射線硬化性化合物に分散してもよい。
これらのカーボンブラックは、1種単独、又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に用いることができるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
<非磁性層>
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に結合剤及び非磁性粉末を含む非磁性層を1層以上有していてもよい。
前記非磁性層には、1−ナフトエ酸を含有していることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。
1.非磁性粉末
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に結合剤及び非磁性粉末を含む非磁性層(下層)を有していてもよい。
非磁性層には、下層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、カーボンブラックなどが挙げられる。
具体的には、二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm以上1μm以下が好ましく、40nm以上100nm以下がより好ましい。結晶子サイズが4nm以上1μm以下の範囲であれば、分散が困難になることもなく、また、好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm以上2μm以下が好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10nm以上200nm以下である。平均粒径が5nm以上2μm以下の範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、1m2/g以上100m2/g以下であることが好ましく、5m2/g以上70m2/g以下であることがより好ましく、10m2/g以上65m2/g以下であることがさらに好ましい。比表面積が1m2/g以上100m2/g以下の範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できる。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、5ml/100g以上100ml/100g以下であることが好ましく、10ml/100g以上80ml/100g以下であることがより好ましく、20〜60ml/100gであることがさらに好ましい。
比重は、1以上12以下であることが好ましく、3以上6以下であることがより好ましい。
タップ密度は、0.05g/ml以上2g/ml以下であることが好ましく、0.2g/ml以上1.5g/ml以下であることがより好ましい。タップ密度が上記範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末のpHは、2以上11以下であることが好ましく、pHは6以上9以下が特に好ましい。pHが上記範囲であれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離による摩擦係数の増加を抑制できる。
非磁性粉末の含水率は、0.1重量%以上5重量%以下であることが好ましく、0.2重量%以上3重量%以下であることがより好ましく、0.3重量%以上1.5重量%以下であることがさらに好ましい。含水量が上記範囲であると、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定する。
強熱減量は小さいものが好ましく、強熱減量が20重量%以下であることがより好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合には、モース硬度は4以上10以下のものが好ましい。モース硬度が4以上10以下の範囲であれば耐久性を確保することができる。
非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1μmol/m2以上20μmol/m2以下であることが好ましく、2μmol/m2以上15μmol/m2以下であることがより好ましい。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20μJ/cm2以上60μJ/cm2以下(200erg/cm2以上600erg/cm2以下)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することが好ましい。
100℃以上400℃以下での表面の水分子の量は、1個/100Å以上10個/100Å以下であることが好ましい。
水中での等電点のpHは、3以上9以下であることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面は、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、より好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、まずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工(株)製ナノタイト、住友化学(株)製HIT−100、ZA−G1、戸田工業(株)製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX、石原産業(株)製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業(株)製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ(株)製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HD、堺化学工業(株)製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業(株)製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル(株)製AS2BM、TiO2P25、宇部興産(株)製100A、500A、チタン工業(株)製Y−LOP、及び、これらを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は、二酸化チタン及びα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のμビッカース硬度を得ることができる。
非磁性層のμビッカース硬度は、25kg/mm2以上60kg/mm2以下であることが好ましく、より好ましくはヘッド当りを調整する点から、30kg/mm2以上50kg/mm2以下であることがより好ましい。
μビッカース硬度は、薄膜硬度計(日本電気(株)製HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。
光透過率は、一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、例えば、VHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は、100m2/g以上500m2/g以下であることが好ましく、150m2/g以上400m2/g以下であることがより好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、20ml/100g以上400ml/100g以下であることが好ましく、30ml/100g以上200ml/100g以下であることがより好ましい。
カーボンブラックの粒子径は、5nm以上80nm以下であることが好ましく、10nm以上50nm以下であることがより好ましく、10nm以上40nm以下であることがさらに好ましい。
カーボンブラックのpHは2以上10以下であることが好ましく、含水率は0.1%以上10%以下であることが好ましく、タップ密度は0.1g/ml以上1g/ml以下であることが好ましい。
非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学(株)製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもよい。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもよい。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用することが好ましい。これらのカーボンブラックは単独、又は、組み合わせて使用することができる。非磁性層で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
また、非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。
このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
<非磁性支持体>
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体は、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さはカットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRaが3〜10nmであることが好ましい。
<放射線硬化層(平滑化層)>
本発明の磁気記録媒体には、放射線硬化層(平滑化層)を設けてもよい。
放射線硬化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
放射線硬化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。
放射線硬化型化合物とは、紫外線又は電子線などの放射線を照射すると重合又は架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
<バックコート層>
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。
バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させることで調製できる。粒子成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。
また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独又はこれらを混合して使用することができる。
<層構成>
本発明の磁気記録媒体において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3μm以上80μm以下である。
また、放射線硬化層(平滑化層)の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.3μm以上0.7μm以下がより好ましい。
また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1μm以上1.0μm以下が好ましく、0.2μm以上0.8μm以下がより好ましい。
磁性層の厚さは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、0.01μm以上0.15μm以下であることが好ましく、0.02μm以上0.12μm以下であることがより好ましい。また、磁性層の厚さ変動率は±50%以内が好ましく、±40%以内がより好ましい。
磁性層は、少なくとも1層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
また、磁性層の上に設けられる突起付与層の厚さは、5nm以上20nm以下であることが好ましく、5nm以上10nm以下であることがより好ましい。
非磁性層の厚さは、0.2μm以上3.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上2.5μm以下であることがより好ましく、0.4μm以上2.0μm以下であることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体における非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下又は抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
<磁気記録媒体の物理特性>
磁性層の飽和磁束密度は、100mT以上300mT以下(1,000G以上3,000G以下)であることが好ましい。
また、磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3kA/m以上318.4kA/m以下(1,800〜4,000Oe)であることが好ましく、59.2kA/m以上278.6kA/m以下(2,000Oe以上3,500Oe以下)であることがより好ましい。
抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは、0.6以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。
磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10℃以上40℃以下、湿度0%以上95%以下の範囲において、0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。また、帯電位は、−500V以上+500V以下が好ましい。
磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で、0.98GPa以上19.6GPa以下(100kg/mm2以上2,000kg/mm2以下)であることが好ましく、破断強度は、98MPa以上686MPa以下(10kg/mm2以上70kg/mm2以下)であることが好ましい。
磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で、0.98GPa以上14.7GPa以下(100kg/mm2以上1,500kg/mm2以下)であることが好ましく、残留のびは、0.5%以下であることが好ましく、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.1%以下であることがさらに好ましい。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上180℃以下が好ましく、非磁性層のガラス転移温度は0℃以上180℃以下が好ましい。損失弾性率は1×107以上8×108Pa以下(1×108dyne/cm2以上8×109dyne/cm2以下)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が0.2以下であると粘着故障が発生し難いので好ましい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は、100mg/m2以下であることが好ましく、10mg/m2以下であることがより好ましい。
塗布層が有する空隙率は、非磁性層、磁性層とも、30容量%以下であることが好ましく、20容量%以下であることがより好ましい。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方がよい場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO社製TOPO−3D)を用いて測定した磁性層の中心面表面粗さRaは、4.0nm以下であることが好ましく、3.0nm以下であることがより好ましく、2.0nm以下であることがさらに好ましい。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20%以上80%以下、平均波長Sλaは5μm以上300μm以下であることが好ましい。磁性層の表面突起は0.01μm以上1μm以下の大きさのものを100μm2当たり0個以上2,000個以下の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉末の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ、非磁性層と磁性層とでこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えば、GMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量は、1.0T以上であることが好ましく、1.5T以上であることがより好ましい。
(磁気記録媒体の製造方法)
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、1−ナフトエ酸、無機粉体、及び、結合剤を含有する組成物を調製する工程、及び、非磁性支持体上に前記組成物を塗布し強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含むことを特徴とする。
また、磁気記録媒体が磁性層及び非磁性層を有する場合、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、1−ナフトエ酸、無機粉体、及び、結合剤を含有する組成物を調製する工程、非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を設ける工程、及び、前記非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含み、前記非磁性層及び/又は前記磁性層を、前記組成物を塗布して設けることを特徴とする。
磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなることが好ましい。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもよい。
1−ナフトエ酸、強磁性六方晶フェライト粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶媒などすべての原料は、どの工程の最初又は途中で添加してもよい。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもよい。例えば、ポリウレタン樹脂を混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。
混練工程では、オープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は、強磁性粉末又は非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)とを強磁性粉末100重量部に対し結合剤15〜500重量部の範囲で混練処理されることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗布液もしくは磁性層の下層に非磁性層を設ける場合には、非磁性層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また、異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20m/分以上1,000m/分以下が好ましく、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施すことが好ましい。
表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶媒の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用することが好ましい。また、金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて、好ましくは0.1nm以上4.0nm以下、より好ましくは0.5nm以上3.0nm以下の範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば、上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことが好ましい。
カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度は、好ましくは60℃以上100℃以下の範囲、より好ましくは70℃以上100℃以下の範囲、特に好ましくは80℃以上100℃以下の範囲であり、圧力は、好ましくは100kg/cm以上500kg/cm以下の範囲、より好ましくは200kg/cm以上450kg/cm以下の範囲であり、特に好ましくは300kg/cm以上400kg/cm以下の範囲の条件で作動させることによって行われる。
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウェッブ状で熱処理する方法と、バルク又はカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けると、磁性層が面荒れし、出力低下及びノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。
得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」は、特に示さない限り重量部を示す。
〔強磁性粉末及び結合剤を使用した実施例・比較例〕
(実施例1)
下記強磁性六方晶バリウムフェライト粉末7.3部、スルホン酸基を含まないポリウレタン1.0部、1−ナフトエ酸0.57部を、シクロヘキサノン11.9部、2−ブタノン17.7部からなる溶液に懸濁させた。懸濁液にジルコニアビーズ((株)ニッカトー製)27部を添加し、6時間分散させた。得られた液を塗布し、乾燥させることで磁気シートを作製した。
シートの光沢を測定したところ、光沢値184であった。なお、実施例及び比較例における光沢値は、スガ試験機株式会社製GK−45Dを用いて測定した。
また、シート表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、5.2nmであった。
・強磁性六方晶バリウムフェライト粉末
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2,200 Oe)
平均板径:25nm
平均板状比:3
BET比表面積:65m2/g
σs:49A・m2/kg(49emu/g)
pH:7
(実施例2)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、スルホン酸基含有量:0.6×10-4モル/gのポリウレタンを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値184であった。
(実施例3)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、スルホン酸基含有量:3.3×10-4モル/gのポリウレタンを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値190であった。
(実施例4)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、標準ポリスチレン(東ソー(株)製、Mw=3.72×104、Mw/Mn=1.01)を使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値160であった。
(実施例5)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、スルホン酸基:0.7×10-4モル/gの塩化ビニルを使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値165であった。
また、シート表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、6.0nmであった。
(比較例1)
前記強磁性六方晶バリウムフェライト粉末7.3部、スルホン酸基を含まないポリウレタン1部を、シクロヘキサノン11.9部、2−ブタノン17.7部からなる溶液に懸濁させた。懸濁液にジルコニアビーズ((株)ニッカトー製)27部を添加し、6.5時間分散させた。得られた液を塗布し、乾燥させることで磁気シートを作製した。
シートの光沢を測定したところ、光沢値0であった。
また、シート表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、検出限界以上に粗面化しており、測定不能であった。
(比較例2)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、スルホン酸基含有量:0.6×10-4モル/gのポリウレタンを使用した以外は、比較例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値79であった。
(比較例3)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、標準ポリスチレン(東ソー(株)製、Mw=3.72×104、Mw/Mn=1.01)を使用した以外は、比較例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値0であった。
(比較例4)
スルホン酸基を含まないポリウレタンの代わりに、スルホン酸基:0.7×10-4モル/gの塩化ビニルを使用した以外は、比較例1と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値111であった。
また、シート表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、49.0nmであった。
(比較例5)
1−ナフトエ酸0.57部に代えて、4−メチル−1−ナフトエ酸0.62部を用いた以外は、実施例2と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値108であった。
(比較例6)
1−ナフトエ酸0.57部に代えて、2−メトキシ−1−ナフトエ酸0.67部を用いた以外は、実施例2と同様の処理を行い得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値103であった。
(比較例7)
1−ナフトエ酸0.57部に代えて、1−ナフトエ酸カリウム塩0.70部を用いた以外は、実施例2と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値95であった。
(比較例8)
前記強磁性六方晶バリウムフェライト粉末7.3部、スルホン酸基含有ポリウレタン(スルホン酸基含有量:3.3×10-4モル/g)1部、安息香酸0.30部をシクロヘキサノン11.9部、2−ブタノン17.7部から成る溶液に懸濁させた。懸濁液にジルコニアビーズ((株)ニッカトー製)90部を添加し、6時間分散させた。得られた液を塗布し、乾燥させることで磁気シートを作製した。
シートの光沢を測定したところ、光沢値156であった。
(比較例9)
スルホン酸基含有ポリウレタン(スルホン酸基含有量:3.3×10-4モル/g)に代えて、スルホン酸基含有ポリウレタン(スルホン酸基含有量:0.6×10-4モル/g)を使用した以外は、比較例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値111であった。
(比較例10)
スルホン酸基含有ポリウレタンに代えて、スルホン酸基を含まないポリウレタン1部を使用した以外は、比較例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値40であった。
(比較例11)
スルホン酸基含有ポリウレタンに代えて、標準ポリスチレン(東ソー(株)製、Mw=3.72×104、Mw/Mn=1.01)1部を使用した以外は、比較例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値10であった。
(比較例12)
安息香酸0.30部に代えて、2−ナフトエ酸0.57部を用いた以外は、比較例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値148であった。
(比較例13)
安息香酸0.30部に代えて、9−アントラセンカルボン酸0.57部を用いた以外は、比較例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値148であった。
〔非磁性粉末及び結合剤を使用した実施例・比較例〕
(実施例6)
下記非磁性粉末4.1部、スルホン酸基含有ポリウレタン(スルホン酸基含有量:0.6×10-4モル/g)1部、1−ナフトエ酸0.1部を、シクロヘキサノン10.8部、2−ブタノン16.2部からなる溶液に懸濁させた。懸濁液にジルコニアビーズ((株)ニッカトー製)90部を添加し、6時間分散させた。得られた液を塗布し、乾燥させることで磁気シートを作製した。
シートの光沢を測定したところ、光沢値208であった。
・非磁性粉末
α−酸化鉄
表面処理層:Al23,SiO2
平均長軸長:0.15μm
平均針状比:7
BET法による比表面積:52m2/g
pH:8
(実施例7)
スルホン酸基含有ポリウレタンに代えて、スルホン酸基含有塩化ビニル(スルホン酸基含有量:0.6×10-4モル/g)を使用した以外は、実施例6と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値208であった。
(実施例8)
スルホン酸基含有ポリウレタンに代えて、スルホン酸基を含まないアクリル樹脂を使用した以外は、実施例6と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値210であった。
(実施例9)
1−ナフトエ酸を0.2部使用した以外は、実施例7と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値220であった。
(実施例10)
1−ナフトエ酸を0.3部使用した以外は、実施例7と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値222であった。
(比較例14)
1−ナフトエ酸を使用しなかった以外は、実施例6と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値155であった。
(比較例15)
1−ナフトエ酸を使用しなかった以外は、実施例7と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値116であった。
(比較例16)
1−ナフトエ酸を使用しなかった以外は、実施例8と同様の処理を行い、得られたシートの光沢を測定したところ、光沢値160であった。
〔結合剤を使用しない実施例・比較例〕
(実施例11)
強磁性六方晶フェライト粉末100部、1−ナフトエ酸10部を、シクロヘキサノン390部に添加した。この液を、バッチ式サンドミルを用いて6時間分散させた。分散液1部をシクロヘキサノン99部で希釈し、レーザー散乱式粒度分布計((株)堀場製作所製LB500)を用いて体積平均による平均粒子径を測定したところ、32nmであった。
(比較例17)
強磁性六方晶フェライト粉末100部を、シクロヘキサノン390部に添加した。この液を、バッチ式サンドミルを用いて6時間分散させた。分散液1部をシクロヘキサノン99重量部で希釈し、レーザー散乱式粒度分布分布計((株)堀場製作所製LB500)を用いて体積平均による平均粒子径を測定したところ、300nmであった。
〔磁気記録媒体の作製〕
(実施例12)
<磁性層塗布液>
・磁性体(六方晶バリウムフェライト粉末) 100部
酸素を除く組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1
Hc:176kA/m(2,200 Oe)
平均板径:30nm
平均板状比:3
BET比表面積:65m2/g
σs:49A・m2/kg(49emu/g)
pH:7
・結合剤(ポリウレタン樹脂) 14部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SO3Na=0.06meq/g
・1−ナフトエ酸 6部
・α−アルミナ(粒子サイズ0.15μm) 5部
・ダイヤモンド粉末(平均粒径60nm) 1部
・カーボンブラック(平均粒径20nm) 1部
・シクロヘキサノン 110部
・メチルエチルケトン 100部
・トルエン 100部
・ブチルステアレート 2部
・ステアリン酸 1部
<非磁性層塗布液>
・非磁性無機粉体(α−酸化鉄) 85部
表面処理層:Al23、SiO2
平均長軸長:0.15μm
平均針状比:7
BET法による比表面積:52m2/g
pH:8
・カーボンブラック 15部
・塩化ビニル共重合体(日本ゼオン(株)製MR110) 10部
・ポリウレタン樹脂 10部
分岐側鎖含有ポリエステルポリオール/ジフェニルメタンジイソシアネート系、
−SO3Na=0.2meq/g
・1−ナフトエ酸 3部
・シクロヘキサノン 140部
・メチルエチルケトン 170部
・ブチルステアレート 2部
・ステアリン酸 1部
<バックコート層塗布液>
・微粒子状カーボンブラック粉末 100部
(キャポット社製BPr800、平均粒子サイズ:17nm)
・粗粒子状カーボンブラック粉末 10部
(カーンカルブ社製サーマルブラック、平均粒子サイズ:270nm)
・α−アルミナ(硬質無機粉末)
平均粒子サイズ:200nm、モース硬度:9
・ニトロセルロース樹脂 140部
・ポリウレタン樹脂 15部
・ポリエステル樹脂 5部
・分散剤:オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
硫酸バリウム 5部
(堺化学工業(株)製BF−1、平均粒径:50nm、モース硬度:3)
・メチルエチルケトン 1,200部
・酢酸ブチル 300部
・トルエン 600部
非磁性層塗布液については、各成分をオープンニーダーで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートL)を5部加え、さらにメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え、混合、撹拌した後、1μmの孔径を有するフィルターを用いて濾過して非磁性層塗布液を調製した。
磁性層塗布液については、六方晶フェライト粉末と1−ナフトエ酸とを乾式で15分間分散させた後、この分散物を上記磁性層成分と共にオープンニーダーで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートL)を2.5部加え、さらにメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え、混合、撹拌した後、1μmの孔径を有するフィルターを用いて濾過して磁性層塗布液を調製した。
バックコート層塗布液については、上記成分を連続ニーダーで混練した後、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液に、ポリイソシアネート40部(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)、メチルエチルケトン1,000部を添加し、撹拌した後、1μmの孔径を有するフィルターを用いて濾過した。
得られた非磁性層塗布液及び磁性層用塗布液を、非磁性層は乾燥後の膜厚で1.5μm、磁性層は乾燥後の膜厚で0.10μmになるように、更に乾燥後のテ−プ総厚が8.6μmになるように厚さ7μmの支持体(二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート)上に同時重層塗布を行い、乾燥させた。その後、磁性層面とは反対の面に、バックコート層を乾燥後に厚さ0.5μmになるように塗布した。
その後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで速度100m/min、線圧350kg/cm(343kN/m)、温度80℃でカレンダー処理を行い、得られたロールを50℃で48時間加熱処理を行った。次いで、12.7mm(1/2インチ)幅にスリットして磁気テープを作製した。
得られた磁気記録媒体の表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、3.3nmであった。
(比較例18)
1−ナフトエ酸を使用しなかった点以外は、実施例1と同様に、磁気記録媒体を作製した。得られた磁気テープの表面の平均粗さ(Ra)をzygo社製表面粗さ測定器によって測定したところ、18.6nmであった。

Claims (12)

  1. 1−ナフトエ酸、
    無機粉体、及び、
    媒質を含有し、
    前記1−ナフトエ酸の含有量が、前記無機粉体の含有量100重量部に対して、0.5〜20重量部であることを特徴とする
    組成物。
  2. 前記無機粉体が、強磁性粉末又は非磁性粉末である請求項1に記載の組成物。
  3. 磁気記録媒体作製用である請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記1−ナフトエ酸の含有量が、前記無機粉体の含有量100重量部に対して、1.0〜10.0重量部である請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
  5. 前記無機粉体の平均粒径が、5nm〜2μmである請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 前記媒質が、結合剤及び/又は有機溶媒である請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
  7. 前記媒質が、結合剤を含む請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
  8. 前記結合剤の含有量が、前記無機粉体の含有量100重量部に対して、10〜40重量部である請求項7に記載の組成物。
  9. 非磁性支持体と、
    前記非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、
    前記磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸を含有することを特徴とする
    磁気記録媒体。
  10. 非磁性支持体と、
    前記非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の非磁性層と、
    前記非磁性層の上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも1層の磁性層とを有し、
    前記磁性層及び/又は前記非磁性層のうちの少なくとも1層が、1−ナフトエ酸を含有することを特徴とする
    磁気記録媒体。
  11. 請求項7又は8に記載の組成物を調製する工程、及び、
    非磁性支持体上に前記組成物を塗布し強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含むことを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
  12. 請求項7又は8に記載の組成物を調製する工程、
    非磁性支持体上に非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を設ける工程、及び、
    前記非磁性層上に強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を設ける工程を含み、
    前記非磁性層及び/又は前記磁性層を前記請求項7又は8に記載の組成物を塗布して設けることを特徴とする
    磁気記録媒体の製造方法。
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