JP4273992B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、非磁性支持体上に強磁性微粉末と結合剤とを分散させてなる少なくとも一層以上の磁性層を設けた磁気記録媒体に関する。
一般に、コンピュータ用等の磁気記録媒体への高密度記録化の要求に対して、より一層の電磁変換特性の向上が必要とされ、強磁性粉末の微粒子化、媒体表面の超平滑化などが重要となっている。
磁性体の微粒子化においては最近の磁性体では0.1μm以下の強磁性金属粉末や板径40nm以下の強磁性六方晶フェライト微粉末が使用されている。また、支持体表面に非磁性下層を設けてから磁性層を上層として設けた重層構成である場合の非磁性層に用いられる微粒子の非磁性粉体や前記の微粒子磁性体を高度に分散するために、バインダーには親水性極性基である−SO3M(Mは水素又はアルカリ金属あるいはアンモニウム塩)を導入し、極性基を介して磁性体および非磁性粉体にバインダー鎖を吸着させ、平滑化するための分散技術が提案されている。
−SO3M基等を結合剤に導入する場合、1万〜2万の分子当たりに1個の割合で−SO3M基を有する結合剤を用いると、5千〜1万未満の低分子量の結合剤には、SO3Mが1個も存在していない場合が生じる。このようなSO3Mが含まれていない低分子量の結合剤は、磁性体への吸着、分散に寄与せず、磁性層表面に存在し、磁性層の強度を低下させることになる。低分子量の結合剤にも極性基を導入するため、例えばSO3M基を結合剤に多く導入することも考えられるが、溶液粘度が上昇し、逆に分散性が低下する問題があった。
分散性向上のために、磁性体分散用樹脂として、末端にトリメトキシプロピルシラン基を有するポリウレタンウレア(メタ)アクリラート及びポリウレアウレタン混合物を使用することが提案されている(特許文献1参照)。しかし、高極性のウレア結合を有する構造のため溶剤溶解性が低く、磁性体表面と十分な結合反応を期待できない。
また、ポリウレタン末端のOH基と加水分解性アルコキシシランを、脱メタノール反応させるシラン変性ポリウレタンの製造方法が開示されている(特許文献2参照)。しかし、このシラン変性ポリウレタンは接着剤、シーリング剤用途として有効であるものの、磁気記録媒体への導入例がなく、その有用性は不明である。
特開平6−195676号公報 特開2000−327739号公報
本発明が解決しようとする課題は、優れた分散性、塗膜平滑性及び電磁変換特性を有し、走行耐久性に優れ、デジタルビデオテープレコーダ用の高記録密度の磁気記録媒体の繰り返し走行での磁性層表面の削れや、ヘッド汚れが少ない磁気記録媒体を提供することである。
本発明の上記課題は、分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)とイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)を反応させて得られるシラン変性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする磁気記録媒体によって達成された。
本発明によれば、シラン変性ポリウレタン樹脂を用いて混練分散することで磁性体へのバインダー吸着量が増加し、磁性層平滑性が向上、電磁変換特性が向上した。更に走行耐久性が向上し、繰返し走行によるヘッド汚れに改良が見られた。
I.結合剤
本発明の磁気記録媒体は、シラン変性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする。シラン変性ポリウレタン樹脂は、磁気記録媒体に設けられるいかなる塗布層にも使用することができる。これらの塗布層としては、磁性層、非磁性層および平滑化層が代表的であり、これらのいずれか一つの層または複数の層に使用することができ、中でも、磁性層に含有されていることが好ましい。
結合剤分子に導入する官能基としてアルコキシシリル基を用いた場合には、溶液粘度の上昇による分散性の低下を防止することができる。このアルコキシシリル基中のアルコキシル基は加水分解し易く、例えば磁性層に使用される磁性体表面に存在する水酸基間の反応により磁性体表面にポリウレタン分子が繋ぎ止められることで、結合剤であるポリウレタンの吸着(結合)量は増え、磁性体の分散性を向上させると共に、磁性層表面の強度に影響する結合剤中の低分子成分も磁性体表面に繋ぎ止められ、強靭な磁性層表面を得ることができる。
ポリウレタン分子にアルコキシル基を導入する場合には、ポリウレタン分子に存在する水酸基とイソシアナト基を有するシランカップリング剤のイソシアナト基との間で付加反応させる。本発明に使用するポリウレタンは分岐構造を導入することによって1分子中に好ましくは3個以上の水酸基を導入し、上記の付加反応により導入されるアルコキシル基を増やすことによって、ポリウレタンの吸着(結合)量は増やせることが分った。
<分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)>
本発明のポリウレタン樹脂の原料として使用されるジオール、イソシアネート化合物としては、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、1986年 日刊工業新聞社)に詳しく記載されている長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物を使用することができる。
長鎖ジオールは分子量500〜5,000のポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレフィンジオールなどが用いられる。この長鎖ポリオールの種類によりポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、ポリカーボネートウレタン、などと呼ばれる。
ポリエステルジオールは、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、などの脂肪族二塩基酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族二塩基酸とグリコールとの縮重合によって得られる。
グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどがある。
またポリエステルジオールにはこのほかε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。ポリエステルジオールは耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものが好ましい。
ポリエーテルジオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールや、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールP、水素化ビスフェノールAなどの芳香族グリコールや脂環族ジオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したものなどがある。
これらの長鎖ジオールは単独で使用しても、複数の種類のものを併用、混合して用いてもよい。
短鎖ジオールとしては上記ポリエステルジオールのグリコール成分に例示したものと同じ化合物群の中から選ぶことができる。
また、本発明においては分子中に3個以上の水酸基を有するポリオールを使用することが好ましい。具体的には、3官能以上の多価アルコールであるトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。これらの多価アルコールを併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ、溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端の水酸基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
ジイソシアネート化合物としてはMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどが用いられる。
ポリウレタン(a)中の長鎖ジオール/短鎖ジオール/ジイソシアネートの好ましい組成は(15〜80重量%)/(5〜40重量%)/(15〜50重量%)である。
<イソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)>
本発明には、イソシアナト基(以下、「NCO基」ともいう。)を有するアルコキシシラン(b)を使用する。
イソシアナト基を有するアルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表されるトリアルコキシシランが好ましい。
一般式(1)
(R1O)3−Si−R2−NCO
一般式(1)中、Rは炭素数6以下の直鎖又は分岐鎖の低級アルキル基を示す。炭素数6以下の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよい。これらの低級アルキル基の中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数6以下の低級アルキレン基を示す。炭素数6以下の低級アルキレン基の具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。これらの中でも、プロピレン基が好ましい。
一般式(1)で表されるNCO基を有するテトラアルコキシシランの具体例としては、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、NCO基を有するテトラアルコキシシランの市販品としては、日本ユニカー(株)製A−1310、Y−5187、信越化学工業(株)製KBE9007等が挙げられる。
ポリウレタン(a)100重量部に対し、イソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)3〜80重量部反応させることが好ましい。
シラン変性の反応温度は、特に限定されないが、反応温度70〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。全反応時間は2〜15時間程度であることが好ましい。
シラン変性ポリウレタンの反応に用いる触媒は、有機酸系、有機錫、有機酸錫が好ましい。これらの中でも、酢酸、ジブチル錫ジラウレートが好ましい。
シラン変性反応において、溶剤は特に必要なく、通常は無溶剤下で反応させるが、溶剤下で反応させてもよい。用いる溶剤は、ポリウレタン及びアルコキシシランが可溶な溶剤であれば特に制限はないが、沸点75℃以上の非プロトン性極性溶剤を用いることが好ましい。これらの例として、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、メチルエチルケトン(MEK)が挙げられる。
シラン変性ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は1〜5meq/gが好ましく、1.5〜4.5meq/gが更に好ましい。
この範囲内にあると、大きな力学強度が得られるとともに、良好な粘度のために分散性が向上するので好ましい。
シラン変性ポリウレタン樹脂は、磁性粉体、非磁性粉体の分散性を向上させるため、これらの粉体表面に吸着する官能基(極性基)を持つことが好ましい。好ましい極性基としては−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、−COOM、>NSO3M、−NR1SO3M、−NR12、−N+123-(Mは水素原子、アルカリ金属あるいはアンモニウム塩を表す。R1、R2、R3は、水素原子あるいはアルキル基を表す。Xは、1価のアニオンを表し、ハロゲンイオンが例示できる。)がある。
この中でも−SO3Mが特に分散性に優れ好ましい。極性基は2種類以上でも良く、例えば、−SO3Mの他に−NR12の導入を行っても良い。
極性基含有量は1×10-5〜2×10-4eq/gが好ましい。この範囲内にあると、十分な磁性粉体への吸着が得られるとともに、溶剤への溶解性が良好なので、分散性が向上するため好ましい。
結合剤の分子量は、重量平均分子量で10,000〜200,000が好ましく、20,000〜100,000が更に好ましい。この範囲内にあると、十分な塗膜強度が得られるために耐久性が向上し、また安定した分散性が得られるため好ましい。
シラン変性ポリウレタン樹脂に併用できる樹脂として、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート等のセルロース樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂が例示でき、結合剤の一部として併用することができる。塩化ビニル系樹脂を併用しないことが、MRヘッドの腐食を低減できること及び環境的観点から好ましい。
本発明で使用する結合剤を架橋、硬化させ塗膜の力学強度や耐熱性高めるために硬化剤を用いることができる。好ましい硬化剤としてポリイソシアネート化合物がある。硬化剤として用いるポリイソシアネート化合物は3官能以上のポリイソシアネートが好ましい。具体的にはトリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物など、アダクト型ポリイソシアネート化合物が挙げられる。また、TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及びこれらの混合物や、HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物、さらにクルードMDIなどが挙げられる。
これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
具体的には、コロネート3041(日本ポリウレタン製)を好ましく用いることができる。
イソシアネート系硬化剤以外に電子線あるいは紫外線などの放射線硬化型の硬化剤を用いても良い。この場合放射線硬化官能基としてアクリロイル基またはメタクリロイル基を分子内に2つ以上、好ましくは3つ以上有する化合物を好適に用いることができる。
II.磁性層
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性微粉末を結合剤中に分散した少なくとも1つの磁性層を有する。磁性層の結合剤として使用する樹脂は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、上記のシラン変性ポリウレタン樹脂を使用することがより好ましい。
本発明の磁性層に使用される強磁性粉末としては、強磁性金属粉末あるいは強磁性六方晶フェライト粉末が使用できる。
(強磁性金属粉末)
本発明に使用される強磁性金属粉末としては、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば、特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
これらの強磁性金属粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。
結晶子サイズは8〜20nm、好ましくは9〜18nm、特に好ましくは10〜16nmである。
結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製 RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値を用いた。
強磁性金属粉末の長軸長は10〜80nmが好ましく、25〜75nmがより好ましく、35〜70nmが特に好ましい。
本発明の磁性層に使用される強磁性金属粉末のBET法による比表面積(以下、「SBET」とは、BET法による比表面積をいう)は30〜80m2/gが好ましく、38〜70m2/gがさらに好ましい。これにより、良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。
該長軸長は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から強磁性金属粉末の短軸長と長軸長とを直接読みとる方法と、画像解析装置カールツァイス社製IBASSIで透過型電子顕微鏡写真トレースして読みとる方法を併用して求められる。
強磁性金属粉末のpHは用いる結合剤との組み合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは7〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し0.1〜10%であり、表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合があるが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与える事は少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、粒状、米粒状あるいは板状いずれでもかまわないが、特に針状の強磁性金属粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12が好ましく、更に好ましくは5〜12である。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は好ましくは159〜239kA/m(2,000〜3,000 Oe)であり、更に好ましくは167〜231kA/m(2,100〜2,900 Oe)である。飽和磁束密度は好ましくは100〜300mT(1,000〜3,000G)であり、更に好ましくは160〜280mT(1,600〜2,800G)である。飽和磁化(σs)は、好ましくは100〜170A・m2/kg(emu/g)、更に好ましくは100〜160A・m2/kg(emu/g)である。
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止する等の方法がある。
強磁性金属粉末は、公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。焼結防止処理を行った含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeまたはFe−Co粒子などを得る方法、複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理を施す。含水酸化鉄、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元し、酸素含有ガスと不活性ガスの分圧、温度、時間を制御して表面に酸化皮膜を形成する方法が、減磁量が少なく好ましい。
(強磁性六方晶フェライト粉末)
強磁性六方晶フェライト粉末の板径は、5〜200nmが好ましい。特にトラック密度を上げるため磁気抵抗ヘッドで再生する場合、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。板径がこの範囲内にあると、熱揺らぎの影響を受けずに安定的な磁化が得られ、ノイズが低いため、高密度記録に好適である。
板状比(板径/板厚)は1〜15が望ましい。好ましくは1〜7である。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、小さすぎると十分な配向性が得られないため、1以上であることが好ましい。また板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによりノイズを抑えることができる。この粒子サイズ範囲のSBETは10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。
粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力(Hc)は39.8〜398kA/m(500〜5,000 Oe)程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。本発明では強磁性六方晶フェライト粉末のHcは143〜238kA/m(1,800〜3,000 Oe)程度が好ましく、159〜223kA/m(2,000〜2,800 Oe)がより好ましい。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、159kA/m(2,000 Oe)以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
飽和磁化(σs)は40〜80A・m2/kg(emu/g)であることが好ましい。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
強磁性六方晶フェライト粉末を分散する際に強磁性六方晶フェライト粉末の粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。
表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の化合物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。表面処理剤の量は強磁性六方晶フェライト粉末に対して0.1〜10%である。強磁性六方晶フェライト粉末のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で、分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。強磁性六方晶フェライト粉末に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが、通常0.01〜2.0%が選ばれる。
強磁性六方晶フェライト粉末の製法としては、
(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得るガラス結晶化法、
(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得る水熱反応法、
(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化物層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/gが好ましく、150〜400m2/gがより好ましい。ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量(以下、「DBP吸油量」とは、ジブチルフタレートを用いた吸油量をいう)は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製 BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製 #3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、MA−230、#4000、#4010、コロンビアカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、また表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編、1995年)を参考にすることができる。
これらのカーボンブラックは単独または組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の重量に対して0.1〜30重量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
III.非磁性層
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体及び磁性層の間に、結合剤と非磁性粉末からなる非磁性層を有していてもよい。以下、非磁性層を、下層とも言う。
非磁性層の結合剤として使用する樹脂は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、上記のシラン変性ポリウレタン樹脂を単独で又は変性していないポリウレタン樹脂と併用して使用することができる。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、 SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタン等が単独あるいは2種類以上の組み合せで使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004〜1μmが好ましく、0.04〜0.1μmが更に好ましい。この範囲内にあると、良好な分散性が得られるとともに、平滑な表面が得られるため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましく、0.01〜0.2μmが更に好ましい。必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。この範囲内にあると、良好な分散性が得られるとともに、平滑な表面が得られるため好ましい。
非磁性粉末のSBETは好ましくは1〜100m2/g、より好ましくは5〜70m2/gであり、更に好ましくは10〜65m2/gである。比表面積が上記の範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。
DBP吸油量は好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。
タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなるので好ましい。
非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9が特に好ましい。pHが2より小さいと高温、高湿下での摩擦係数が大きくなる傾向がある。またpHが11より大きいと脂肪酸の遊離量が減少し、摩擦係数が大きくなる傾向がある。
非磁性粉末の含水率は好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が0.1〜5重量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合にはモース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。モース硬度が4より小さいと耐久性が確保できなくなる傾向がある。
非磁性粉末のステアリン酸吸着量は好ましくは1〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜15μmol/m2である。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは3〜9の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、 SiO2、TiO2、ZrO2、であるが、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合せて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100,ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A,TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100,MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には、非磁性粉末と共にカーボンブラックを混合することで表面電気抵抗(Rs)を下げることができ、光透過率を小さくすることができるとともに所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。
非磁性層のマイクロビッカース硬度は通常、25〜60kg/mm2、好ましくはヘッドあたりを調整するために、30〜50kg/mm2である。マイクロビッカース硬度は薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。
光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m2/gが好ましく、150〜400m2/gがより好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量は20〜400ml/100gが好ましく、30〜200ml/100gがより好ましい。カーボンブラックの粒子径は好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製、#3050B、3150B、3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B,#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製、ケッチェンブラックECなどがあげられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。
IV.その他添加剤等
本発明の磁気記録媒体において磁性層または非磁性層には分散効果、潤滑効果、帯電防止効果、可塑効果などを付与するための添加剤を含有しても良い。
これら添加剤としては以下の例を挙げることができる。
二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、(イソ)ノニルホスホン酸、(イソ)デシルホスホン酸、(イソ)ウンデシルホスホン酸、(イソ)ドデシルホスホン酸、(イソ)ヘキサデシルホスホン酸、(イソ)オクタデシルホスホン酸、(イソ)エイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩。
燐酸フェニル、燐酸ベンジル、燐酸フェネチル、燐酸α−メチルベンジル、燐酸1−メチル−1−フェネチル、燐酸ジフェニルメチル、燐酸ビフェニル、燐酸ベンジルフェニル、燐酸α−クミル、燐酸トルイル、燐酸キシリル、燐酸エチルフェニル、燐酸クメニル、燐酸プロピルフェニル、燐酸ブチルフェニル、燐酸ヘプチルフェニル、燐酸オクチルフェニル、燐酸ノニルフェニル等の芳香族燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、燐酸オクチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸イソオクチル、燐酸(イソ)ノニル、燐酸(イソ)デシル、燐酸(イソ)ウンデシル、燐酸(イソ)ドデシル、燐酸(イソ)ヘキサデシル、燐酸(イソ)オクタデシル、燐酸(イソ)エイコシル等の燐酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩。
アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸、酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、または、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基をもつものでも良い。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。
これらの具体例としては日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3,ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等があげられる。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性微粉末の表面に、非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機燐化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。従って、本発明の強磁性微粉末表面あるいは非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性微粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性微粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。
本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性微粉末と混合する場合、強磁性微粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
本発明の磁性層及び非磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には磁性層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
V.非磁性支持体
本発明の磁気記録媒体は、以上の材料により調製した塗布液を非磁性支持体上に塗布して非磁性層又は磁性層を形成する。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行っても良い。
また、本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好ましい。
得られた支持体の算術平均粗さは(Ra)の値[JIS B0660−1998、ISO 4287−1997]で0.1μm以下であることが、得られた磁気記録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性支持体の好ましい厚みとしては3〜80μmである。
VI.バックコート層
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。本発明の非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。
VII.下塗り層
本発明の磁気記録媒体においては、下塗り層を設けても良い。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤へ可溶性のポリエステル樹脂が使用される。下塗り層は厚さとして0.5μm以下のものが用いられる。
VIII.平滑化層
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層および磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
IX.製造方法
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性微粉末(強磁性六方晶フェライト粉末または強磁性金属粉末)、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初からまたは途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の製造方法において、磁性層用の塗布液である磁性塗料を製造する際に、強磁性微粉末をポリウレタン樹脂(A)を含む結合剤溶液中に分散した少なくとも1つの磁性塗料を調製する。この磁性塗料の調製において、磁性層結合剤の全部又は一部として、ポリウレタン樹脂(A)及び強磁性微粉末を混練する混練工程を採る。混練には、従来から公知のオープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダーなど強い混練力を持つ装置を使用することが好ましい。これらのニーダーを用いる場合は強磁性微粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい。)を混練することが好ましい。強磁性微粉末と結合剤の混練比率は、強磁性微粉末100重量部に対して、結合剤10〜500重量部とすることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。
混練工程に引き続いて分散工程を実施する。混練工程により得られた強磁性微粉末と結合剤の混合物に塗布溶媒を加えて、サンドミル等を用いて強磁性微粉末を結合剤溶液中に完全に分散させる。また、磁性層用塗布液又は非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機はサンドミル等の公知のものを使用することができる。
本発明において磁性塗料を非磁性支持体上に塗布する方法としては、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗布液もしくは下層塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。本発明の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに、特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63-88080号公報、特開平2-17971号公報、特開平2-265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の厚みは用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.10μmであり、好ましくは0.02〜0.08μmであり、更に好ましくは0.03〜0.08μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明において、非磁性層を設ける場合その厚さは、0.2〜3.0μmが好ましく、0.3〜2.5μmであることがより好ましく、0.4〜2.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
前記ポリウレタン樹脂(A)を非磁性層の結合剤の全部又は一部として用いることができる。非磁性層の結合剤の全部として使用することが好ましい。
本発明において磁性層を安定的に塗布するには支持体上に無機粉末を含有する下層を介在させて、その上に磁性層をウエット・オン・ウエットで塗布することが望ましい。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性微粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。強磁性六方晶フェライトの場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用い円周配向してもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性微粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性微粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。
カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃、好ましくは70〜100℃、さらに好ましくは80〜100℃の範囲である。カレンダーロールの圧力は100〜500kg/cm、好ましくは200〜450kg/cm、さらに好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われる。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「重量部」を意味する。
(測定方法)
実施例で作製した磁気記録媒体の測定方法は以下のとおりである。
(1)バインダー吸着量
磁性塗布液を遠心分離し、上澄み液の固形分濃度から計算し、吸着成分の割合を求めた。
(2)塗膜平滑性
デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。比較例1を10としたときの相対値で示した。
(3)電磁変換特性
DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較例1の再生出力を0dBとした相対値で示した。
(4)走行後ヘッド汚れ
上記ドライブにて23℃10%RH環境下で60分長100パス繰返し走行させた後の、ヘッド汚れを観察し、付着物があるものを×、無いものを○とした。
ポリエステルポリオールの合成例
温度計、撹拌基、還流式冷却器を取り付けた反応容器にアジピン酸及びネオペンチルグリコールを仕込み、触媒として酢酸亜鉛2wt%、酢酸ナトリウム3wt%を仕込み180℃〜220℃で3時間エステル化反応を行い、220℃〜280℃で1〜10mmHgの減圧下で2時間重縮合反応を行った。アジピン酸及びネオペンチルグリコールの仕込み量は、表1に記載したとおりである。このようにしてポリエステルポリオールを得た。
分岐OHを導入したポリウレタンの合成例
表1に記載したポリウレタン原料を使用した。表1に示すジオール、ジイソシアネート、および鎖延長剤の一部として3官能ヒドロキシ化合物であるTMP(トリメチロールプロパン)を使用し、末端を分岐させて1分子中の水酸基を3個以上の分岐OHを導入したポリウレタンを重合した。
ポリウレタンの重合反応は、還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にポリオール及び鎖延長剤をシクロヘキサノン30%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。次いで触媒として、ジブチルスズジラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。ポリオール及び鎖延長剤、ジイソシアネートを加え90℃にて6時間加熱反応し、分岐OHを導入したポリウレタン樹脂溶液を得た(PU1〜4、溶液濃度30重量%)。
表1にポリウレタン樹脂溶液PU1〜4の作製に使用した材料及び得られたポリウレタンの特性値を示す。
Figure 0004273992
シラン変性ポリウレタンの合成例
上記のポリウレタン溶液(PU1〜4)に表2記載のNCO基を有するシランカップリング剤を加え、よく撹拌しながら、同温度で5時間、脱アルコール反応させ、シラン変性ポリウレタン樹脂溶液(Si−PU1〜7、溶液濃度30重量%)を得た。
表2にシラン変性ポリウレタン樹脂溶液の作製に使用した材料を示す。
Figure 0004273992
(実施例1)
上層用磁性塗料液の調製
強磁性針状金属粉末 100部
組成:Fe/Co/Al/Y=62/25/5/8、
表面処理剤:Al23、Y23、Hc:167kA/m(2,100Oe)、
結晶子サイズ:110Å、長軸長:60nm、針状比:6、
BET比表面積:70m2/g、σs:110A・m2/kg(emu/g)
シラン変性ポリウレタン樹脂溶液Si−PU1(表3に記載) 50部
フェニル燐酸 3部
α−Al23(粒子サイズ0.15μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ20nm) 2部
各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加えてサンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層用磁性塗料液を調製した。
下層用非磁性塗料液の調製
非磁性無機質粉体
α−酸化鉄 85部
表面処理剤:Al23、SiO2、長軸径:0.15μm、タップ密度:0.8、
針状比:7、BET比表面積:52m2/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック 20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m2/g、
揮発分:1.5%、
ポリウレタン樹脂溶液PU−1(溶液濃度30重量%) 15部
フェニル燐酸 3部
α−Al23(平均粒径0.2μm) 1部
各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加えてサンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性塗料液を調製した。
さらに6μm厚みのPENベースに上記非磁性塗料を乾燥後の厚さが1.8μmになるように塗布し、さらにその直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.08μmになるように同時重層塗布した。両層が未乾燥の状態で3,000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑化処理を行なった後、70℃で24時間加熱硬化処理を行い6.35mm幅にスリットし磁気テープを作成した。
(実施例2〜7及び比較例1)
実施例1において、上層用磁性塗料液に使用したシラン変性ポリウレタン樹脂(Si−PU1)を表3に示したシラン変性ポリウレタン若しくはシラン変性していないポリウレタンに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1の磁気記録媒体を作成した。
表3に実施例2〜7及び比較例1で作製した磁気記録媒体に使用した材料と各種特性値の測定結果を示す。
Figure 0004273992
(実施例8〜14、比較例2)
実施例1で使用した上層用磁性塗料液の磁性体(強磁性針状金属粉末)100部を
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1、
Hc:2,000Oe、板径:25nm、板状比:3、
BET比表面積:80m2/g、σs:50A・m2/kg(emu/g)
に変更した以外は、それぞれ実施例1〜7、比較例1と同様にして、実施例8〜14、比較例2を作成した。
表4に実施例8〜14及び比較例2で作製した磁気記録媒体に使用した材料と各種特性値の測定結果を示す。
Figure 0004273992
(実施例15〜21)
実施例1で使用した下層用非磁性塗料液のポリウレタン樹脂溶液PU−1の代わりにシラン変性ポリウレタン樹脂溶液Si−PU1〜Si−PU7を使用した以外は実施例8〜14と全く同様にして実施例15〜21の磁気記録媒体を製造した。
各種特性値の測定結果は表4に示した結果とほぼ同様であった。

Claims (4)

  1. 分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)とイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)を反応させて得られるシラン変性ポリウレタン樹脂を結合剤として磁性層に含有し、前記結合剤として塩化ビニル樹脂を併用しないことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載のイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)が以下の一般式(1)で表されるトリアルコキシシランである磁気記録媒体。
    一般式(1)
    (R1O)3−Si−R2−NCO
    式中、R1は炭素数6以下の直鎖または分岐鎖の低級アルキル基を示し、R2は炭素数6以下の直鎖または分岐鎖の低級アルキレン基を示す。
  3. ポリウレタン(a)が1分子中に3個以上の水酸基を有する請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)のみとイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)を反応させて得られるシラン変性ポリウレタン樹脂を結合剤として磁性層に含有する、請求項1〜3いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
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