JP4273992B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Description
磁性体の微粒子化においては最近の磁性体では0.1μm以下の強磁性金属粉末や板径40nm以下の強磁性六方晶フェライト微粉末が使用されている。また、支持体表面に非磁性下層を設けてから磁性層を上層として設けた重層構成である場合の非磁性層に用いられる微粒子の非磁性粉体や前記の微粒子磁性体を高度に分散するために、バインダーには親水性極性基である−SO3M(Mは水素又はアルカリ金属あるいはアンモニウム塩)を導入し、極性基を介して磁性体および非磁性粉体にバインダー鎖を吸着させ、平滑化するための分散技術が提案されている。
本発明の磁気記録媒体は、シラン変性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする。シラン変性ポリウレタン樹脂は、磁気記録媒体に設けられるいかなる塗布層にも使用することができる。これらの塗布層としては、磁性層、非磁性層および平滑化層が代表的であり、これらのいずれか一つの層または複数の層に使用することができ、中でも、磁性層に含有されていることが好ましい。
結合剤分子に導入する官能基としてアルコキシシリル基を用いた場合には、溶液粘度の上昇による分散性の低下を防止することができる。このアルコキシシリル基中のアルコキシル基は加水分解し易く、例えば磁性層に使用される磁性体表面に存在する水酸基間の反応により磁性体表面にポリウレタン分子が繋ぎ止められることで、結合剤であるポリウレタンの吸着(結合)量は増え、磁性体の分散性を向上させると共に、磁性層表面の強度に影響する結合剤中の低分子成分も磁性体表面に繋ぎ止められ、強靭な磁性層表面を得ることができる。
本発明のポリウレタン樹脂の原料として使用されるジオール、イソシアネート化合物としては、「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(岩田敬治編、1986年 日刊工業新聞社)に詳しく記載されている長鎖ジオール、短鎖ジオール(鎖延長剤と呼ばれることもある)とジイソシアネート化合物を使用することができる。
グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなどがある。
またポリエステルジオールにはこのほかε−カプロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合したポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなども用いることができる。ポリエステルジオールは耐加水分解性の観点で分岐側鎖をもつもの、芳香族、脂環族の原料から得られるものが好ましい。
これらの長鎖ジオールは単独で使用しても、複数の種類のものを併用、混合して用いてもよい。
また、本発明においては分子中に3個以上の水酸基を有するポリオールを使用することが好ましい。具体的には、3官能以上の多価アルコールであるトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。これらの多価アルコールを併用すると分岐構造のポリウレタン樹脂が得られ、溶液粘度を低下させたり、ポリウレタンの末端の水酸基を増やすことでイソシアネート系硬化剤との硬化性を高めることができる。
本発明には、イソシアナト基(以下、「NCO基」ともいう。)を有するアルコキシシラン(b)を使用する。
イソシアナト基を有するアルコキシシランとしては、下記一般式(1)で表されるトリアルコキシシランが好ましい。
一般式(1)
(R1O)3−Si−R2−NCO
一般式(1)中、R1は炭素数6以下の直鎖又は分岐鎖の低級アルキル基を示す。炭素数6以下の低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよい。これらの低級アルキル基の中でもメチル基及びエチル基が好ましい。
一般式(1)中、R2は炭素数6以下の低級アルキレン基を示す。炭素数6以下の低級アルキレン基の具体例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。これらの中でも、プロピレン基が好ましい。
また、NCO基を有するテトラアルコキシシランの市販品としては、日本ユニカー(株)製A−1310、Y−5187、信越化学工業(株)製KBE9007等が挙げられる。
シラン変性の反応温度は、特に限定されないが、反応温度70〜150℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。全反応時間は2〜15時間程度であることが好ましい。
シラン変性ポリウレタンの反応に用いる触媒は、有機酸系、有機錫、有機酸錫が好ましい。これらの中でも、酢酸、ジブチル錫ジラウレートが好ましい。
シラン変性反応において、溶剤は特に必要なく、通常は無溶剤下で反応させるが、溶剤下で反応させてもよい。用いる溶剤は、ポリウレタン及びアルコキシシランが可溶な溶剤であれば特に制限はないが、沸点75℃以上の非プロトン性極性溶剤を用いることが好ましい。これらの例として、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、メチルエチルケトン(MEK)が挙げられる。
この範囲内にあると、大きな力学強度が得られるとともに、良好な粘度のために分散性が向上するので好ましい。
この中でも−SO3Mが特に分散性に優れ好ましい。極性基は2種類以上でも良く、例えば、−SO3Mの他に−NR1R2の導入を行っても良い。
極性基含有量は1×10-5〜2×10-4eq/gが好ましい。この範囲内にあると、十分な磁性粉体への吸着が得られるとともに、溶剤への溶解性が良好なので、分散性が向上するため好ましい。
これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
具体的には、コロネート3041(日本ポリウレタン製)を好ましく用いることができる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、強磁性微粉末を結合剤中に分散した少なくとも1つの磁性層を有する。磁性層の結合剤として使用する樹脂は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、上記のシラン変性ポリウレタン樹脂を使用することがより好ましい。
本発明の磁性層に使用される強磁性粉末としては、強磁性金属粉末あるいは強磁性六方晶フェライト粉末が使用できる。
(強磁性金属粉末)
本発明に使用される強磁性金属粉末としては、Feを主成分とするもの(合金も含む)であれば、特に限定されないが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性金属粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つがα−Fe以外に含まれるものが好ましく、特に、Co、Al、Yが含まれるのが好ましい。さらに具体的には、CoがFeに対して10〜40原子%、Alが2〜20原子%、Yが1〜15原子%含まれるのが好ましい。
結晶子サイズは8〜20nm、好ましくは9〜18nm、特に好ましくは10〜16nmである。
結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製 RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値を用いた。
本発明の磁性層に使用される強磁性金属粉末のBET法による比表面積(以下、「SBET」とは、BET法による比表面積をいう)は30〜80m2/gが好ましく、38〜70m2/gがさらに好ましい。これにより、良好な表面性と低いノイズの両立が可能となる。
該長軸長は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から強磁性金属粉末の短軸長と長軸長とを直接読みとる方法と、画像解析装置カールツァイス社製IBASSIで透過型電子顕微鏡写真トレースして読みとる方法を併用して求められる。
強磁性六方晶フェライト粉末の板径は、5〜200nmが好ましい。特にトラック密度を上げるため磁気抵抗ヘッドで再生する場合、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。板径がこの範囲内にあると、熱揺らぎの影響を受けずに安定的な磁化が得られ、ノイズが低いため、高密度記録に好適である。
板状比(板径/板厚)は1〜15が望ましい。好ましくは1〜7である。板状比が小さいと磁性層中の充填性は高くなり好ましいが、小さすぎると十分な配向性が得られないため、1以上であることが好ましい。また板状比が15以下であれば、粒子間のスタッキングによりノイズを抑えることができる。この粒子サイズ範囲のSBETは10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。
粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の化合物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。表面処理剤の量は強磁性六方晶フェライト粉末に対して0.1〜10%である。強磁性六方晶フェライト粉末のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で、分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。強磁性六方晶フェライト粉末に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが、通常0.01〜2.0%が選ばれる。
(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得るガラス結晶化法、
(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得る水熱反応法、
(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉末を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化物層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体及び磁性層の間に、結合剤と非磁性粉末からなる非磁性層を有していてもよい。以下、非磁性層を、下層とも言う。
非磁性層の結合剤として使用する樹脂は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂を使用することが好ましく、上記のシラン変性ポリウレタン樹脂を単独で又は変性していないポリウレタン樹脂と併用して使用することができる。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr2O3、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、 SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタン等が単独あるいは2種類以上の組み合せで使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましく、0.01〜0.2μmが更に好ましい。必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。この範囲内にあると、良好な分散性が得られるとともに、平滑な表面が得られるため好ましい。
DBP吸油量は好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。
タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなるので好ましい。
非磁性粉末の含水率は好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が0.1〜5重量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
非磁性粉末のステアリン酸吸着量は好ましくは1〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜15μmol/m2である。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは3〜9の間にあることが好ましい。
非磁性層のマイクロビッカース硬度は通常、25〜60kg/mm2、好ましくはヘッドあたりを調整するために、30〜50kg/mm2である。マイクロビッカース硬度は薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。
光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製、#3050B、3150B、3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B,#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製、ケッチェンブラックECなどがあげられる。
本発明の磁気記録媒体において磁性層または非磁性層には分散効果、潤滑効果、帯電防止効果、可塑効果などを付与するための添加剤を含有しても良い。
これら添加剤としては以下の例を挙げることができる。
二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、(イソ)ノニルホスホン酸、(イソ)デシルホスホン酸、(イソ)ウンデシルホスホン酸、(イソ)ドデシルホスホン酸、(イソ)ヘキサデシルホスホン酸、(イソ)オクタデシルホスホン酸、(イソ)エイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩。
本発明の磁気記録媒体は、以上の材料により調製した塗布液を非磁性支持体上に塗布して非磁性層又は磁性層を形成する。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行っても良い。
得られた支持体の算術平均粗さは(Ra)の値[JIS B0660−1998、ISO 4287−1997]で0.1μm以下であることが、得られた磁気記録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性支持体の好ましい厚みとしては3〜80μmである。
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。本発明の非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。
本発明の磁気記録媒体においては、下塗り層を設けても良い。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤へ可溶性のポリエステル樹脂が使用される。下塗り層は厚さとして0.5μm以下のものが用いられる。
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層および磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性微粉末(強磁性六方晶フェライト粉末または強磁性金属粉末)、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初からまたは途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の製造方法において、磁性層用の塗布液である磁性塗料を製造する際に、強磁性微粉末をポリウレタン樹脂(A)を含む結合剤溶液中に分散した少なくとも1つの磁性塗料を調製する。この磁性塗料の調製において、磁性層結合剤の全部又は一部として、ポリウレタン樹脂(A)及び強磁性微粉末を混練する混練工程を採る。混練には、従来から公知のオープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダーなど強い混練力を持つ装置を使用することが好ましい。これらのニーダーを用いる場合は強磁性微粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい。)を混練することが好ましい。強磁性微粉末と結合剤の混練比率は、強磁性微粉末100重量部に対して、結合剤10〜500重量部とすることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。
混練工程に引き続いて分散工程を実施する。混練工程により得られた強磁性微粉末と結合剤の混合物に塗布溶媒を加えて、サンドミル等を用いて強磁性微粉末を結合剤溶液中に完全に分散させる。また、磁性層用塗布液又は非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機はサンドミル等の公知のものを使用することができる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。本発明の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(2)特開昭63-88080号公報、特開平2-17971号公報、特開平2-265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
前記ポリウレタン樹脂(A)を非磁性層の結合剤の全部又は一部として用いることができる。非磁性層の結合剤の全部として使用することが好ましい。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性微粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。
実施例で作製した磁気記録媒体の測定方法は以下のとおりである。
(1)バインダー吸着量
磁性塗布液を遠心分離し、上澄み液の固形分濃度から計算し、吸着成分の割合を求めた。
(2)塗膜平滑性
デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO製)を用いたる光干渉法により、カットオフ0.25mmの条件で中心線平均粗さをRaとした。比較例1を10としたときの相対値で示した。
(3)電磁変換特性
DDS3ドライブにて4.7MHzの単一周波数信号を最適記録電流で記録し、その再生出力を測定した。比較例1の再生出力を0dBとした相対値で示した。
(4)走行後ヘッド汚れ
上記ドライブにて23℃10%RH環境下で60分長100パス繰返し走行させた後の、ヘッド汚れを観察し、付着物があるものを×、無いものを○とした。
温度計、撹拌基、還流式冷却器を取り付けた反応容器にアジピン酸及びネオペンチルグリコールを仕込み、触媒として酢酸亜鉛2wt%、酢酸ナトリウム3wt%を仕込み180℃〜220℃で3時間エステル化反応を行い、220℃〜280℃で1〜10mmHgの減圧下で2時間重縮合反応を行った。アジピン酸及びネオペンチルグリコールの仕込み量は、表1に記載したとおりである。このようにしてポリエステルポリオールを得た。
表1に記載したポリウレタン原料を使用した。表1に示すジオール、ジイソシアネート、および鎖延長剤の一部として3官能ヒドロキシ化合物であるTMP(トリメチロールプロパン)を使用し、末端を分岐させて1分子中の水酸基を3個以上の分岐OHを導入したポリウレタンを重合した。
ポリウレタンの重合反応は、還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にポリオール及び鎖延長剤をシクロヘキサノン30%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。次いで触媒として、ジブチルスズジラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。ポリオール及び鎖延長剤、ジイソシアネートを加え90℃にて6時間加熱反応し、分岐OHを導入したポリウレタン樹脂溶液を得た(PU1〜4、溶液濃度30重量%)。
表1にポリウレタン樹脂溶液PU1〜4の作製に使用した材料及び得られたポリウレタンの特性値を示す。
上記のポリウレタン溶液(PU1〜4)に表2記載のNCO基を有するシランカップリング剤を加え、よく撹拌しながら、同温度で5時間、脱アルコール反応させ、シラン変性ポリウレタン樹脂溶液(Si−PU1〜7、溶液濃度30重量%)を得た。
表2にシラン変性ポリウレタン樹脂溶液の作製に使用した材料を示す。
上層用磁性塗料液の調製
強磁性針状金属粉末 100部
組成:Fe/Co/Al/Y=62/25/5/8、
表面処理剤:Al2O3、Y2O3、Hc:167kA/m(2,100Oe)、
結晶子サイズ:110Å、長軸長:60nm、針状比:6、
BET比表面積:70m2/g、σs:110A・m2/kg(emu/g)
シラン変性ポリウレタン樹脂溶液Si−PU1(表3に記載) 50部
フェニル燐酸 3部
α−Al2O3(粒子サイズ0.15μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ20nm) 2部
各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加えてサンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層用磁性塗料液を調製した。
非磁性無機質粉体
α−酸化鉄 85部
表面処理剤:Al2O3、SiO2、長軸径:0.15μm、タップ密度:0.8、
針状比:7、BET比表面積:52m2/g、pH8、
DBP吸油量:33g/100g
カーボンブラック 20部
DBP吸油量:120ml/100g、pH:8、BET比表面積:250m2/g、
揮発分:1.5%、
ポリウレタン樹脂溶液PU−1(溶液濃度30重量%) 15部
フェニル燐酸 3部
α−Al2O3(平均粒径0.2μm) 1部
各成分をオープンニーダーで60分間混練した後、
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加えてサンドミルで120分間分散した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を6部加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性塗料液を調製した。
実施例1において、上層用磁性塗料液に使用したシラン変性ポリウレタン樹脂(Si−PU1)を表3に示したシラン変性ポリウレタン若しくはシラン変性していないポリウレタンに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜7及び比較例1の磁気記録媒体を作成した。
表3に実施例2〜7及び比較例1で作製した磁気記録媒体に使用した材料と各種特性値の測定結果を示す。
実施例1で使用した上層用磁性塗料液の磁性体(強磁性針状金属粉末)100部を
強磁性板状六方晶フェライト粉末 100部
組成(モル比):Ba/Fe/Co/Zn=1/9/0.2/1、
Hc:2,000Oe、板径:25nm、板状比:3、
BET比表面積:80m2/g、σs:50A・m2/kg(emu/g)
に変更した以外は、それぞれ実施例1〜7、比較例1と同様にして、実施例8〜14、比較例2を作成した。
表4に実施例8〜14及び比較例2で作製した磁気記録媒体に使用した材料と各種特性値の測定結果を示す。
実施例1で使用した下層用非磁性塗料液のポリウレタン樹脂溶液PU−1の代わりにシラン変性ポリウレタン樹脂溶液Si−PU1〜Si−PU7を使用した以外は実施例8〜14と全く同様にして実施例15〜21の磁気記録媒体を製造した。
各種特性値の測定結果は表4に示した結果とほぼ同様であった。
Claims (4)
- 分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)とイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)を反応させて得られるシラン変性ポリウレタン樹脂を結合剤として磁性層に含有し、前記結合剤として塩化ビニル樹脂を併用しないことを特徴とする磁気記録媒体。
- 請求項1記載のイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)が以下の一般式(1)で表されるトリアルコキシシランである、磁気記録媒体。
一般式(1)
(R1O)3−Si−R2−NCO
式中、R1は炭素数6以下の直鎖または分岐鎖の低級アルキル基を示し、R2は炭素数6以下の直鎖または分岐鎖の低級アルキレン基を示す。 - ポリウレタン(a)が1分子中に3個以上の水酸基を有する、請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
- 分子中に水酸基を有するポリウレタン(a)のみとイソシアナト基を有するアルコキシシラン(b)を反応させて得られるシラン変性ポリウレタン樹脂を結合剤として磁性層に含有する、請求項1〜3いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
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