JP2006092622A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高記録密度媒体においてドロップアウトを低減した磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を少なくとも一層支持体上に設けた磁気記録媒体であって、該磁性層にハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、該磁性層の押込み硬さが392〜981MPaであることを特徴とする磁気記録媒体。支持体と磁性層との間に、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層を有していてもよい。

Description

本発明は、磁気記録媒体に関する。
一般に、コンピュータ用等の磁気記録媒体への高密度記録化の要求に対して、より一層の電磁変換特性の向上が必要とされ、強磁性粉末の微粒子化、媒体表面の超平滑化などが重要となっている。また、高記録密度化に伴うトラック幅の減少により、磁性層の小さな凹みでもドロップアウトが起きるという問題も生じている。
磁性体の微粒子化においては最近の磁性体では0.1μm以下の強磁性金属粉末や板径40nm以下の強磁性六方晶フェライト微粉末が使用されている。支持体表面に非磁性下層を設けてから磁性層を上層として設けた重層構成である場合の非磁性層に用いられる微粒子の非磁性粉体や前記の微粒子磁性体を高度に分散するために、磁性層に分子量300以下の多価カルボン酸又はその無水物を含む磁気記録媒体が提案されている(特許文献1参照)。また、磁性層に有機リン化合物を含む磁気記録媒体も提案されている(特許文献2参照)。
特開平9−212847号公報 特開2001−338414号公報
本発明が解決しようとする課題は、高記録密度媒体においてドロップアウトを低減した磁気記録媒体を提供することである。
本発明が解決しようとする上記課題は、下記(1)〜(3)によって解決された。
(1)強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を少なくとも一層支持体上に設けた磁気記録媒体であって、該磁性層にハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、該磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であることを特徴とする磁気記録媒体、
(2)非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層、及び強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を、この順に支持体上に設けた磁気記録媒体であって、該非磁性層及び/又は該磁性層にハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、該磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であることを特徴とする磁気記録媒体、
(3)前記磁性層に含まれるハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤の反応比率R(R=ハイパーブランチポリエステル/イソシアネート硬化剤)を0.1〜3の範囲とすることを特徴とする(1)又は(2)記載の磁気記録媒体。
本発明の磁気記録媒体は、ハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)と硬いため、バルクを熱処理してもバック面の突起が写りにくく、ドロップアウト数を低く抑えることができた。
本発明の磁気記録媒体は、ハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であることを特徴とする。
磁性層の押込み硬さは、392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であるが、490〜981MPa(50〜100kgf/mm2)であることが好ましく、588〜981MPa(60〜100kgf/mm2)であることがより好ましい。
ここで、押込み硬さ(DH)とは、ISO14577に規定されており、超微小押込み硬さ試験機により測定できる。例えば(株)エリオニクス製超微小押込み硬さ試験機(型式ENT−1100a)を用いて測定することができ、以下の計算式より求めることができる。
DH=3.7926×10-2{Pmax/(Hmax2
式中、Pmaxは最大荷重を表し、Hmaxは圧子の最大変位量を表す。
1.ハイパーブランチポリエステル
ハイパーブランチポリエステルとは樹状構造をもつ多分岐のポリエステルである。よって、本発明において、「ハイパーブランチポリエステル」を「多分岐ポリエステル」ともいうこととする。たとえば「デンドリマーの科学と機能」(2000.7.20、(株)アイシーピー発行、p86)などの文献に記載されている。1分子中に2種類の置換基を3個以上もつ化合物の自己縮合によって合成され、重合中に枝分かれを繰り返しながら成長する。ハイパーブランチポリエステルの場合は置換基がOH基とCOOH基の組み合わせであるが、OH基はアセチル化あるいはトリメチルシリル化されていてもよい。COOH基は酸クロリド化、トリメチルシリル化されているものを用いることができる。
具体的なモノマー化合物としては芳香族のものとしては3,5−ジヒドロキシ安息香酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、及びそれらの誘導体、置換基変成体、例えばヒドロキシ基にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加反応させ鎖長をのばしたもの、ヒドロキシル基をアセチル化あるいはトリメチルシリル化したもの、カルボキシル基を酸クロリド化したものがある。
脂肪族のものではジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、及びそれらの誘導体がある。誘導体としてはε−カプロラクトンを付加して鎖長を伸ばしたものなどがある。
以下に、モノマー化合物の例を示す。
Figure 2006092622
ハイパーブランチポリエステルは1種のモノマーを重合しても得られるが、複数のモノマーを組み合わせても良いし、核化合物として多官能アルコールを少量用いて重合することも可能である。3官能又は4官能のアルコールを併用することが好ましい。
例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などが核化合物として用いられる。核化合物によって分岐度、分子量などを制御することができる。
以下に、核化合物の例を示す。
Figure 2006092622
本発明に用いるハイパーブランチポリエステルは、脂肪族のモノマー化合物から得られる多分岐ポリエステルが好ましく、AB2型分子の縮合により合成される多分岐ポリエステルであることがより好ましい。ここでA及びBは官能基を示し、水酸基若しくはその誘導基、又はカルボキシル基若しくはその誘導基を示す。AB2型分子として、Aがカルボキシル基若しくはその誘導基であり、Bが水酸基若しくはその誘導基であることが特に好ましい。このAB2型分子の自己縮合により得られる多分岐ポリエステルの他に、このAB2型分子の1モルに対して、核化合物として3官能又は4官能のアルコール若しくはその誘導体を0.01〜0.10モル(好ましくは0.02〜0.05モル)併用し共縮合して得られる多分岐ポリエステルも好ましく使用される。ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、若しくはそれらの誘導体を自己縮合して得られる多分岐ポリエステル、又はこれらのジメチロールカルボン酸1モルに対して、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン若しくはその誘導体を0.02〜0.05モル共縮合して得られる多分岐ポリエステルは本発明で好適に使用できる。
合成方法は先に挙げた文献等に記載される種々の方法が用いられ、特に限定されるものではない。加熱溶融重縮合や溶液中で縮合剤等を用いた重縮合などが用いられる。
本発明に用いるハイパーブランチポリエステルの好ましい分子量は数平均分子量で500〜20,000が好ましく、更に好ましくは800〜10,000である。
ハイパーブランチポリエステルの分岐度は0.3〜0.9であることが好ましく、0.4〜0.8であることがより好ましい。ここで、分岐度の定義は、Frechetの式に従い、全ユニット数に対する末端ユニット及び分岐ユニットの合計数の割合に相当する(前出「デンドリマーの科学と機能」80〜81頁参照)。
末端基はOH基であることが好ましい。一部COOH基が残っていてもよい。
OH価は0.1meq/g〜50meq/gのものが好ましく用いられ、より好ましくは1〜15meq/gである。
ハイパーブランチポリエステルを磁性層に添加する場合、磁性体100重量部に対し0.1〜15重量部添加することが好ましく、更に好ましくは1〜10重量部である。
また、ハイパーブランチポリエステルを、非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層に添加してもよい。ハイパーブランチポリエステルを非磁性層に添加する場合、非磁性粉体100重量部に対して0.1〜15重量部添加することが好ましく、更に好ましくは1〜10重量部である。
2.イソシアネート硬化剤
本発明にはイソシアネート硬化剤を使用する。イソシアネート硬化剤とは、1分子内にイソシアナト基を2個以上有する化合物をいう。イソシアネート硬化剤は、分子内に2個のイソシアナト基を有するジイソシアネート化合物と、分子内に3個以上のイソシアナト基を有するポリイソシアネート化合物に大別される。
ジイソシアネート化合物としてはMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、2,4−TDI(トリレンジイソシアネート)、2,6−TDI、1,5−NDI(ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、XDI(キシリレンジイソシアネート)などの芳香族ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、H6XDI(水素添加キシリレンジイソシアネート)、H12MDI(水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート)などの脂肪族、脂環族ジイソシアネートなどが用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、3官能以上のポリイソシアネート化合物が好ましい。
具体的にはトリメチロールプロパン(TMP)にTDI(トリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにIPDI(イソホロンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、TMPにXDI(キシリレンジイソシアネート)を3モル付加した化合物、などアダクト型ポリイソシアネート化合物。TDIの縮合イソシアヌレート型3量体、TDIの縮合イソシアヌレート5量体、TDIの縮合イソシアヌレート7量体、及びこれらの混合物。HDIのイソシアヌレート型縮合物、IPDIのイソシアヌレート型縮合物。さらにクルードMDIなどがある。
これらの中で好ましいのはTMPにTDIを3モル付加した化合物、TDIのイソシアヌレート型3量体などである。
磁性層に含まれるハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤の反応比率R(R=ハイパーブランチポリエステル/イソシアネート硬化剤)は0.1〜3であることが好ましく、0.5〜3であることがより好ましく、1〜2であることが最も好ましい。比率Rを上記範囲にすることで、写りを少なくでき、高い耐久性も得られるので好ましい。
3.結合剤
次に、磁性層及び非磁性層に併用する結合剤について説明する。
磁性層、非磁性層とも特開平10−222838号公報に記載の結合剤を用いることができる。
塩化ビニル系結合剤にはアルキルアクリレート、アルキルメタクリレートなどのアクリル、メタクリル系のモノマー、アリルアルキルエーテルなどのアリルエーテル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのような脂肪酸ビニルエステル、スチレン、エチレン、ブタジエンなどのビニルモノマー、さらにヒドロキシル基、エポキシ基などの官能基、後述する極性基をもつモノマーが共重合されていても良い。
ポリウレタン系結合剤としてはポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートウレタン、ポリエーテルエステルウレタン、アクリル系ポリウレタン等を用いることができる。
ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)は−50〜+200℃であることが好ましく、より好ましくは+30〜+150℃である。Tgが上記範囲であると、耐久性が良好となる。また、カレンダー成形性が良好となるので、平滑性及び電磁変換特性に優れる。
特に制限するものではないが、本発明に使用する化合物と親和性が高いためポリウレタン系結合剤が好ましい。
結合剤には極性基として−COOM、−SO3M、−SO4M、−PO(OM)2、−OPO(OM)2、アミノ基、4級アンモニウム塩基などが1×10-5eq/g〜2×10-4eq/g導入されていることが好ましい。極性基量が上記範囲であると、分散性が良好となる。
そのほかイソシアネート硬化剤との硬化官能基としてOH基が導入されていることが好ましい。
その他エポキシ基が導入されているものも好ましい。本発明に使用する化合物のOH基との親和性、あるいは結合の可能性もあり好ましい。
硬化剤としてポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物が含まれることが好ましい。特にポリイソシアネート化合物が好ましい。ポリイソシアネート化合物は公知のものを用いることができる。
磁性層の結合剤量は硬化剤を含めて強磁性微粉末100重量部に対し5〜25重量部であることが好ましい。非磁性層の結合剤量は非磁性粉末100重量部に対し10〜30重量部が好ましい。
4.磁性体
本発明の磁気記録媒体には、磁性体として以下に示す針状強磁性体や平板状磁性体を用いることができる。
(強磁性酸化鉄又は強磁性金属粉末)
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末の一つの形状は、針状であり、コバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末が例示できる。
BET法による比表面積(以下、「SBET」とは、BET法による比表面積をいう)は好ましくは40〜80m2/g、更に好ましくは50〜70m2/gである。
長軸長は好ましくは20nm〜200nmであり、より好ましくは25〜60nmである。
該長軸長は、透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から強磁性金属粉末の短軸長と長軸長とを直接読みとる方法と、画像解析装置カールツァイス社製IBASSIで透過型電子顕微鏡写真トレースして読みとる方法を併用して求められる。
結晶子サイズは好ましくは5〜25nm、より好ましくは8〜20nmであり、特に好ましくは10〜15nmである。
結晶子サイズは、X線回折装置(理学電機製 RINT2000シリーズ)を使用し、線源CuKα1、管電圧50kV、管電流300mAの条件で回折ピークの半値幅からScherrer法により求めた平均値を用いた。
強磁性粉末としてイットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられる。強磁性粉末中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5原子%〜20原子%であることが好ましく、更に好ましくは、5〜10原子%である。イットリウム含有量が上記範囲であると、強磁性粉末を高σS化できる。また、鉄の含有量も適度となるため磁性特性が良好となり、電磁変換特性が良好となる。
さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。
また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、粒状、米粒状あるいは板状いずれでもかまわないが、特に針状の強磁性金属粉末を使用することが好ましい。針状強磁性金属粉末の場合、針状比は4〜12が好ましく、更に好ましくは5〜12である。
強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は好ましくは159〜239kA/m(2,000〜3,000Oe)であり、更に好ましくは167〜231kA/m(2,100〜2,900Oe)である。飽和磁束密度は好ましくは100〜300mT(1,000〜3,000G)であり、更に好ましくは160〜280mT(1,600〜2,800G)である。飽和磁化(σs)は、好ましくは100〜170A・m2/kg(emu/g)、更に好ましくは100〜160A・m2/kg(emu/g)である。
磁性体自体のSFD(switching field distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下であることが好ましい。SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また磁化反転がシャープでピークシフトが小さくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hc分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、単分散α−Fe23を使用する、粒子間の焼結を防止する等の方法がある。
本発明に使用する、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。
第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)2の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCO3の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。またアルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明の強磁性粉末には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。
(強磁性六方晶フェライト粉末)
本発明の磁気記録媒体に使用される強磁性粉末の他の形状は平板状であり、六方晶フェライト微粉末が好ましく例示できる。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
粒子サイズは六角板径で10〜50nmが好ましく、20〜40nmが更に好ましい。
磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。板径が上記範囲であると、熱揺らぎが起きにくく磁化が安定し、ノイズも低くなるので、高密度磁気記録に適する。
板状比(板径/板厚)は1〜15が望ましい。好ましくは2〜7である。板状比が上記範囲であると、配向性が十分となり、粒子間のスタッキングによるノイズが起こりにくくなる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m2/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符号する。結晶子サイズは5〜45nm、好ましくは10〜35nmである。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定する事で比較できる。
分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。たとえば酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは39.8〜398kA/m(500〜5,000Oe)程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。通常63.7〜318kA/m(800〜4,000Oe)程度であるが、好ましくは119kA/m(1,500Oe)以上、279kA/m(3,500Oe)以下である。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、159kA/m(2,000Oe)以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。飽和磁化σsは40〜80A・m2/kg(emu/g)である。σsは高い方が好ましいが微粒子になるほど小さくなる傾向がある。σs改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%であることが好ましい。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライトの製法としては、
(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法。
(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法。
(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明に使用する六法晶フェライトは製法を選ばない。
5.非磁性粉末
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体及び磁性層の間に、結合剤と非磁性粉末からなる非磁性層を有していてもよい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタン等が単独あるいは2種類以上の組み合せで使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004〜1μmが好ましく、0.04〜0.1μmが更に好ましい。この範囲内にあると、良好な分散性が得られるとともに、平滑な表面が得られるため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましく、0.01〜0.2μmが更に好ましい。必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合せたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。この範囲内にあると、良好な分散性が得られるとともに、平滑な表面が得られるため好ましい。
非磁性粉末のSBETは好ましくは1〜100m2/g、より好ましくは5〜70m2/gであり、更に好ましくは10〜65m2/gである。比表面積が上記の範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。
DBP吸油量は好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。
タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなるので好ましい。
非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9が特に好ましい。pHが2より小さいと高温、高湿下での摩擦係数が大きくなる傾向がある。またpHが11より大きいと脂肪酸の遊離量が減少し、摩擦係数が大きくなる傾向がある。
非磁性粉末の含水率は好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、更に好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が0.1〜5重量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合にはモース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。モース硬度が4より小さいと耐久性が確保できなくなる傾向がある。
非磁性粉末のステアリン酸吸着量は好ましくは1〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜15μmol/m2である。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは3〜9の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、であるが、更に好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合せて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A,TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100,MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には、非磁性粉末と共にカーボンブラックを混合することで表面電気抵抗(Rs)を下げることができ、光透過率を小さくすることができるとともに所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。
非磁性層のマイクロビッカース硬度は通常、25〜60kg/mm2、好ましくはヘッドあたりを調整するために、30〜50kg/mm2である。マイクロビッカース硬度は薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。
光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
本発明の非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は100〜500m2/gが好ましく、150〜400m2/gがより好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量は20〜400ml/100gが好ましく、30〜200ml/100gがより好ましい。カーボンブラックの粒子径は好ましくは5〜80nm、より好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製、#3050B、3150B、3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B,#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製、ケッチェンブラックECなどがあげられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組み合せで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
また非磁性層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。
6.その他の添加剤等
本発明の磁気記録媒体において磁性層または非磁性層には分散効果、潤滑効果、帯電防止効果、可塑効果などを付与するための添加剤を含有しても良い。
これら添加剤としては以下の例を挙げることができる。
二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸およびそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、(イソ)ノニルホスホン酸、(イソ)デシルホスホン酸、(イソ)ウンデシルホスホン酸、(イソ)ドデシルホスホン酸、(イソ)ヘキサデシルホスホン酸、(イソ)オクタデシルホスホン酸、(イソ)エイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸およびそのアルカリ金属塩。
燐酸フェニル、燐酸ベンジル、燐酸フェネチル、燐酸α−メチルベンジル、燐酸1−メチル−1−フェネチル、燐酸ジフェニルメチル、燐酸ビフェニル、燐酸ベンジルフェニル、燐酸α−クミル、燐酸トルイル、燐酸キシリル、燐酸エチルフェニル、燐酸クメニル、燐酸プロピルフェニル、燐酸ブチルフェニル、燐酸ヘプチルフェニル、燐酸オクチルフェニル、燐酸ノニルフェニル等の芳香族燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、燐酸オクチル、燐酸2−エチルヘキシル、燐酸イソオクチル、燐酸(イソ)ノニル、燐酸(イソ)デシル、燐酸(イソ)ウンデシル、燐酸(イソ)ドデシル、燐酸(イソ)ヘキサデシル、燐酸(イソ)オクタデシル、燐酸(イソ)エイコシル等の燐酸アルキルエステルおよびそのアルカリ金属塩。
アルキルスルホン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸、酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸およびこれらの金属塩、または、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していても良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良い1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していても良いアルコキシアルコールまたはアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基およびF、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基をもつものでも良い。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、さらに好ましくは10重量%以下である。
これらの具体例としては日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等があげられる。
本発明で使用されるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性微粉末の表面に、非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機燐化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。従って、本発明の強磁性微粉末表面あるいは非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性微粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性微粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。
本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時のいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性微粉末と混合する場合、強磁性微粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
本発明の磁性層及び非磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には磁性層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
7.支持体
本発明の磁気記録媒体は、以上の材料により調製した塗布液を非磁性支持体上に塗布して非磁性層又は磁性層を形成する。
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチレンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行っても良い。
また、本発明に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。また、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好ましい。
得られた支持体の算術平均粗さは(Ra)の値[JIS B0660−1998、ISO 4287−1997]で0.1μm以下であることが、得られた磁気記録媒体のノイズが小さくなるので好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性支持体の好ましい厚みとしては3〜80μmである。
8.バックコート層
本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバックコート層形成塗料を塗布して設けられた層である。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができ、また結合剤としてはニトロセルロース、フェノキシ樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。本発明の非磁性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられていてもよい。
9.下塗り層
本発明の磁気記録媒体においては、下塗り層を設けても良い。下塗り層を設けることによって支持体と磁性層又は非磁性層との接着力を向上させることができる。下塗り層としては、溶剤へ可溶性のポリエステル樹脂が使用される。下塗り層は厚さとして0.5μm以下のものが用いられる。
10.平滑化層
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層および磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線または電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
11.製造方法
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる強磁性微粉末(強磁性六方晶フェライト粉末または強磁性金属粉末)、非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初からまたは途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の製造方法において、磁性層用の塗布液である磁性塗料を製造する際に、強磁性微粉末をポリウレタン樹脂(A)を含む結合剤溶液中に分散した少なくとも1つの磁性塗料を調製する。この磁性塗料の調製において、磁性層結合剤の全部又は一部として、ポリウレタン樹脂(A)及び強磁性微粉末を混練する混練工程を採る。混練には、従来から公知のオープンニーダー、連続ニーダー、加圧ニーダー、エクストルーダーなど強い混練力を持つ装置を使用することが好ましい。これらのニーダーを用いる場合は強磁性微粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい。)を混練することが好ましい。強磁性微粉末と結合剤の混練比率は、強磁性微粉末100重量部に対して、結合剤10〜500重量部とすることが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。
混練工程に引き続いて分散工程を実施する。混練工程により得られた強磁性微粉末と結合剤の混合物に塗布溶媒を加えて、サンドミル等を用いて強磁性微粉末を結合剤溶液中に完全に分散させる。また、磁性層用塗布液又は非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機はサンドミル等の公知のものを使用することができる。
本発明において磁性塗料を非磁性支持体上に塗布する方法としては、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、非磁性層塗布液と磁性層塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗布液もしくは非磁性塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。本発明の磁気記録媒体に適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のものを提案できる。
(1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに、特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
本発明の磁気記録媒体の磁性層の厚みは用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、一般には0.01〜0.10μmであり、好ましくは0.02〜0.08μmであり、更に好ましくは0.03〜0.08μmである。磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明において、非磁性層を設ける場合その厚さは、0.2〜3.0μmが好ましく、0.3〜2.5μmであることがより好ましく、0.4〜2.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
前記ポリウレタン樹脂(A)を非磁性層の結合剤の全部又は一部として用いることができる。非磁性層の結合剤の全部として使用することが好ましい。
本発明において磁性層を安定的に塗布するには支持体上に無機粉末を含有する非磁性層を介在させて、その上に磁性層をウエット・オン・ウエットで塗布することが望ましい。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性微粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。強磁性六方晶フェライトの場合は一般的に面内および垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用い円周配向してもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性微粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダー処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。
本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性微粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行われる。
カレンダー処理条件としては、カレンダーロールの温度を60〜100℃、好ましくは70〜100℃、さらに好ましくは80〜100℃の範囲である。カレンダーロールの圧力は100〜500kg/cm、好ましくは200〜450kg/cm、さらに好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われる。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例中の「部」の表示は「重量部」を示す
(合成例1)
温度計、撹伴機、部分還流式冷却器を備えた反応容器にペンタエリスリトール(分子量136)を0.5mol(136g)、ジメチロールブタン酸(分子量148)2mol(296g)およびp−トルエンスルホン酸0.5mmol(87mg)を仕込み、130℃まで昇温させ更に1時間かけて140℃まで減圧しながら昇温させた。この後ジメチロールブタン酸12mol(1,776g)を反応混合物に加え撹拌しながら140℃減圧で5時間反応させた。
得られたハイパーブランチポリエステル(A)はOH価が4.1meq/g、GPC分子量(ポリスチレン換算)は数平均で3,900、重量平均分子量は12,000であった。
(合成例2)
温度計、撹伴機、部分還流式冷却器を備えた反応容器にトリメチロールプロパン(分子量134)を0.5mol(136g)、ジメチロールプロピオン酸(分子量134)1.5mol(201g)およびp−トルエンスルホン酸0.5mmol(87mg)を仕込み、120℃まで昇温させ更に1時間かけて140℃まで減圧しながら昇温させた。この後ジメチロールプロピオン酸9mol(1,206g)を反応混合物に加え撹拌しながら140℃減圧で5時間反応させた。
得られたハイパーブランチポリエステル(B)はOH価が4.7meq/g、GPC分子量(ポリスチレン換算)は数平均で2,600、重量平均分子量は6,900であった。
(合成例3)
温度計、撹伴機、部分還流式冷却器を備えた反応容器にジメチロールブタン酸(分子量148)8mol(1184g)およびp−トルエンスルホン酸0.5mmol(87mg)を仕込み、120゜Cまで昇温させ更に1時間かけて140℃まで減圧しながら昇温させ、撹拌しながら5時間反応させた。
得られたハイパーブランチポリエステル(C)はOH価が4.0meq/g、GPC分子量(ポリスチレン換算)は数平均で1,600、重量平均分子量は4,200であった。
(実施例1)
[磁性層用磁性液の調製]
強磁性合金粉末A(組成:Fe 100原子%に対して,Co 20%,Al 9%,Y 6%、Hc:175kA/m(2,200Oe)、結晶子サイズ:11nm、SBET:70m2/g、長軸長:45nm、σs:111A・m2/kg(emu/g))100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、
ハイパーブランチポリエステル(C)のメチルエチルケトン(MEK)/トルエン(=1/1)30%溶液 20重量部
塩化ビニル系共重合体MR110(日本ゼオン(株)製)のシクロヘキサノン30%溶液 20重量部
ポリウレタン樹脂UR8200(東洋紡績(株)製) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 20重量部
を添加して60分間混練し、
次いで、
α−アルミナ HIT55(住友化学工業(株)製) 10重量部
カーボンブラック #50(旭カーボン製) 3重量部
MEK/トルエン=1/1 200重量部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネート3041) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 15重量部
ステアリン酸 1重量部
ミリスチン酸 1重量部
イソヘキサデシルステアレート 3重量部
MEK 100重量部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
[非磁性層用非磁性液の調製]
針状α−酸化鉄(長軸長:100nm、表面処理層:アルミナ、SBET:52m2/g、pH:9.4)85重量部、及びカーボンブラックケッチェンブラックEC(日本EC製)15重量部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで
塩化ビニル系共重合体MR110(日本ゼオン(株)製)のシクロヘキサノン30%溶液 60重量部
ポリウレタン樹脂UR8200(東洋紡績(株)製) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 60重量部
シクロヘキサノン 20重量部
を添加して60分間混練し、次いで
MEK/シクロヘキサノン=6/4 200重量部
を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン工業(株)製 コロネート3041) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 15重量部
ステアリン酸 1重量部
ミリスチン酸 1重量部
イソオクチルステアレート 3重量部
MEK 50重量部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性塗料を調製した。
得られた非磁性塗料を1.2μmに、さらにその直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、厚さ6.0μmのポリエチレンナフタレ−ト支持体の表面に同時重層塗布した。磁性塗料が未乾燥の状態で5,000ガウスのCo磁石と4,000ガウスのソレノイド磁石で磁場配向を行ない、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合せによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)で行なった後、50℃7日間熱処理し3.8mm幅にスリットして磁気テープを作製した。
(実施例2)
実施例1においてハイパーブランチポリエステルを表1に示したものに変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の磁気テープを作製した。
(実施例3)
実施例1の磁性層用磁性液の調製において、ハイパーブランチポリエステル(C)の代わりにハイパーブランチポリエステル(A)を添加し、
非磁性層用非磁性液の調製において
塩化ビニル系共重合体MR110(日本ゼオン(株)製)のシクロヘキサノン30%溶液 60重量部
ポリウレタン樹脂UR8200(東洋紡績(株)製) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 60重量部
の代わりに
ハイパーブランチポリエステル(A)のMEK/トルエン(=1/1)30%溶液 20重量部
塩化ビニル系共重合体MR110(日本ゼオン(株)製)のシクロヘキサノン30%溶液 20重量部
ポリウレタン樹脂UR8200(東洋紡績(株)製) MEK/トルエン=1/1 30%溶液 20重量部
を添加した以外は実施例1と同様にして実施例3の磁気テープを作製した。
(比較例1)
実施例1においてハイパーブランチポリエステルを添加しなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1の磁気テープを作製した。
〔測定方法〕
(1)磁性層押込み硬さ
(測定装置)
測定装置として、(株)エリオニクス製超微小押込み硬さ試験機(型式ENT−1100a)を用いた。主な装置仕様は以下のとおりである。
・荷重発生方式:電磁力式
・圧子:三角錘圧子、刃角度65°、稜間角115°、ダイヤモンド製
・荷重範囲:19.6μN〜0.98N(2mgf〜100gf)
・荷重分解能:0.2μN
・変位測定方式:圧子の動きを静電容量式に検知
・変位範囲:20μm以下
・変位読取分解能:0.3nm
(測定条件)
上記磁気テープを5mm×5mmにカットし、アルミニウム製の専用の測定試料台に接着剤で固定し、乾燥固定後、測定環境に約30分放置して馴染ませた後、測定した。測定条件は下記のとおりである。
・試験荷重:58.8μN(6mgf)
・分割数:100
・ステップインターバル:100msec
・負荷のかけ方:10秒かけて58.8μN(6mgf)まで連続的に増加させた後、58.8μN(6mgf)にて1秒間保持し、その後、10秒間で除荷した。
・測定環境:温度28±0.1℃
・測定n数:バックコート層の7箇所について測定し、測定値の中心からn=5の値を測定値として使用した。
(2)磁性層20nm以上凹み数
光学式表面粗さ計(Zygo社製 The NewView5000)により20倍の対物レンズを使い、測定範囲0.091mm2にて5点測定し、その平均値をその平均値を20nm以上凹み数とした。
(3)ドロップアウト
実施例1〜3及び比較例1で作製したサンプルをLTOリールに巻き込み、ドロップアウト(DO)を評価した。DO数は25μm幅の書き込みヘッドにて130kfciの信号を書き込み、その信号を5μm幅のMRヘッドを用いて再生した。
実施例及び比較例の作製で用いたハイパーブランチポリエステル及びイソシアネート硬化剤並びに測定結果を表1に示す。
Figure 2006092622
表1に示すように、実施例1〜3は、いずれの条件も本発明の請求項1〜3で規定する範囲内とした結果、磁性層凹み数が少なく、ドロップアウトを低減できた。

Claims (3)

  1. 強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を少なくとも一層支持体上に設けた磁気記録媒体であって、
    該磁性層にハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、
    該磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 非磁性粉末を結合剤中に分散した非磁性層、及び強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を、この順に支持体上に設けた磁気記録媒体であって、
    該非磁性層及び/又は該磁性層にハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤を反応させて得られる結合剤を含み、
    該磁性層の押込み硬さが392〜981MPa(40〜100kgf/mm2)であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  3. 前記磁性層に含まれるハイパーブランチポリエステルとイソシアネート硬化剤の反応比率R(R=ハイパーブランチポリエステル/イソシアネート硬化剤)を0.1〜3の範囲とすることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
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