JP2009048678A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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仁彦 森
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【課題】電磁変換特性、高温域から低温域における摺動耐久性、及び、保存性に優れた磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有し、前記結合剤はポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂を含み、前記強磁性粉末は長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、及び/又は、直径10〜40nmの球状若しくは楕円状磁性体であり、前記磁性層が式(1)で表され、融点0℃以下である炭酸エステルを含むことを特徴とする磁気記録媒体。なお、式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、Rは分岐鎖であり、Rは直鎖又は分岐鎖である。
Figure 2009048678

【選択図】なし

Description

本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散した少なくとも一層の磁性層を有する磁気記録媒体に関する。
磁気記録技術は、媒体の繰り返し使用が可能であること、信号の電子化が容易であり周辺機器との組み合わせによるシステムの構築が可能であること、信号の修正も簡単にできること等の他の記録方式にはない優れた特長を有することから、ビデオ、オーディオ、コンピューター用途等を始めとして様々な分野で幅広く利用されてきた。
一般にコンピューター用等の磁気記録媒体への高密度記録化の要求に対して、より一層の電磁変換特性の向上が必要とされ、強磁性粉末の微粒子化、媒体表面の超平滑化などが重要となる。
一方、特許文献1には、強磁性粉末を結合剤中に分散させた磁性材料を非磁性支持体上に塗布して形成された磁性層の結合剤成分が、酸成分中の90モル%以上が芳香族二塩基酸及びもしくは脂環族二塩基酸からなる分子量2000以下のポリエステルポリオール(a)、(a)とは異なる高分子ポリオール(b)、有機ジイソシアナート(c)、及び必要によりイソシアネート基と反応性を有する基を2個以上有する分子量500以下の化合物(d)よりなるポリウレタン樹脂を含み、かつ強磁性粉末に対し少なくとも5重量%以上のカーボンブラック粒子を含んでいる事を特徴とする磁気記録媒体が提案されている。
また、特許文献2には、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール、およびポリカーボネートジオールからなる群より選ばれる、少なくとも1種の官能化ポリオールを組み込んでいるポリウレタンであって、そのポリオールが、特定の構造を有する官能基を組み込んでおり、その官能基の量がポリウレタンの1×10グラムあたりで約8〜約32グラムモルであるポリウレタンが提案されている。
さらに、特許文献3には、特定のカーボネート化合物を磁気記録媒体の表層に有してなる磁気記録媒体が提案されている。
特開2000−322729号公報 特開平10−279651号公報 特開平7−138586号公報
本発明が解決しようとする課題は、電磁変換特性、高温域から低温域における摺動耐久性、及び、保存性に優れた磁気記録媒体を提供することである。
本発明が解決しようとする課題は、下記<1>によって解決された。好ましい実施態様である<2>〜<4>とともに以下に示す。
<1> 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有し、前記結合剤はポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂を含み、前記強磁性粉末は長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、及び/又は、直径10〜40nmの球状若しくは楕円状磁性体であり、前記磁性層が式(1)で表され、融点0℃以下である炭酸エステルを含むことを特徴とする磁気記録媒体、
Figure 2009048678
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖であり、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
<2> 前記炭酸エステルのR1がβ位にて分岐した構造である上記<1>に記載の磁気記録媒体、
<3> 前記炭酸エステルのR1が2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された上記<1>又は<2>に記載の磁気記録媒体、
<4> 前記炭酸エステルのR2が炭素数12以上16以下の直鎖構造である上記<1>〜<3>いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
本発明によれば、電磁変換特性、高温域から低温域における摺動耐久性、及び、保存性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有し、前記結合剤はポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂を含み、前記強磁性粉末は長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、及び/又は、直径10〜40nmの球状若しくは楕円状磁性体であり、前記磁性層が式(1)で表され、融点0℃以下である炭酸エステルを含むことを特徴とする。
Figure 2009048678
(式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、Rは分岐鎖であり、Rは直鎖又は分岐鎖である。)
前記特許文献1及び2に記載された磁気記録媒体は、磁性体の分散性、及び、塗膜の強度も十分でなく、繰り返し走行耐久性も十分に確保できない。
また、前記特許文献3に記載された磁気記録媒体は、低温時の潤滑剤寄与が不完全であり、走行耐久性が不十分である。
本発明の磁気記録媒体に用いられるポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂は、従来の磁気記録媒体用いられているポリウレタン樹脂に比べて溶剤溶解性に優れる。
また、ポリエステルポリオールを使用したポリウレタン樹脂は、同様に溶剤溶解性の優れるが、磁気記録媒体に用いた場合、磁性体を分散させる際に磁性体表面の活性点において、ポリウレタン高分子鎖中のエステル結合の加水分解反応が起こり、鎖の一部が切断された低分子量成分を生じることが分かった。
このような低分子量成分は磁性液の塗布、乾燥の過程あるいは長期保存において磁性層表面に移動して析出物となり、走行耐久性を著しく劣化させる。このような磁性体表面の活性点による反応は、近年の高密度媒体に使用されている比表面積の大きい磁性体粒子において、分散性を確保することと併せて重要な課題として顕在化した。
この課題を解決する手段を鋭意検討した結果、ポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂を磁気記録媒体に使用することにより、上記の加水分解反応を幅広い温度域において抑制し、良好な走行耐久性を確保することができた。
また、エステル結合を有する化合物に対してカーボネート結合を化合物は、カルボニル基を中心として対称な骨格であることから極性が低く、磁性液に用いられる溶剤への溶解性が優れていることが分かった。
また、前記式(1)で表され、かつ融点が0℃以下である炭酸エステルは、加水分解しにくいカーボネート骨格を有し、また、分子量の割に粘度が低い。このような炭酸エステルは、潤滑剤に好適に使用可能であり、低温環境下においても十分な潤滑効果を発揮することができる。
特に、前記式(1)で表され、かつ融点が0℃以下である炭酸エステルは、磁気記録媒体の表面層における潤滑剤に用いた場合であっても、優れた耐加水分解能を有し、また、融点が低いことから、保存安定性に優れ、低温環境においても十分な界面活性効果を有する。
また、前記式(1)で表され、かつ融点が0℃以下である炭酸エステルは、磁気記録媒体の磁性層に含有される潤滑剤として特に好適に使用可能であり、これにより、低温環境下においても良好な走行耐久性が得られると共に、保存安定性の向上を達成することができる。
さらに、本発明の磁気記録媒体は、ポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂と前記式(1)で表され、かつ融点が0℃以下である炭酸エステルとを組み合わせることで、高温域から低温域におけるまで、優れた繰り返し摺動耐久性・保存性が達成された。
本発明の磁気記録媒体は、磁気テープや磁気ディスクなどの公知の形状で製造することができ、磁気テープとすることが特に好適である。
1.磁性層
(1)式(1)で表され、融点が0℃以下である炭酸エステル
本発明の磁気記録媒体における磁性層の少なくとも一層が、式(1)で表され、融点が0℃以下である炭酸エステルを含有する。
Figure 2009048678
(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、R1は分岐鎖であり、R2は直鎖又は分岐鎖である。)
前記炭酸エステルは、加水分解しにくいカーボネート骨格を有し、また、分子量の割に粘度が低く、かつ融点が0℃以下である。このような炭酸エステルは、潤滑剤に好適に使用可能であり、低温環境下においても十分な潤滑効果を発揮することができる。また、前記炭酸エステルは、磁気記録媒体の磁性層に含有される潤滑剤として特に好適に使用可能であり、これにより、低温環境下においても良好な走行耐久性が得られると共に、保存安定性の向上を達成することができる。特に、前記炭酸エステルは、磁性層の表面が外気と直接接触する磁気記録媒体における磁性層の潤滑剤に用いた場合であっても、耐加水分解能を有し、融点が低いことから、保存安定性に優れ、低温環境においても十分な界面活性効果を有する。
また、前記炭酸エステルの融点は、−100℃以上であることが好ましく、−50℃以上であることがより好ましい。
前記式(1)のRにおける飽和炭化水素基は、分岐を有する飽和炭化水素基であり、前記式(1)のRにおける飽和炭化水素基は、直鎖飽和炭化水素基又は分岐を有する飽和炭化水素基である。
分岐を有する飽和炭化水素基の例としては、2−メチルプロピル基、2−ブチル基、2−メチルブチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、2,2,4,4−テトラペンチル基、2−ブチルオクチル基、2−ヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基が好ましく挙げられ、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基がより好ましく挙げられる。
直鎖飽和炭化水素基の例としては、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコサニル基が好ましく挙げられ、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基がより好ましく挙げられる。
前記式(1)において、R及びRの両炭素数の和が、12以上50以下であることが好ましく、12以上40以下であることがより好ましく、12以上30以下であることがさらに好ましく、16以上24以下であることが特に好ましい。両炭素数の和が12以上であると、揮発性が低く、磁気記録媒体に潤滑剤として用いた場合、走行時における磁性層表面からの飛びが少なく、走行停止を引き起こすことがない。また、両炭素数の和が50以下であると、分子のモビリティが高く、磁気記録媒体に潤滑剤として用いた場合、表面に必要量の潤滑剤が、しみ出すことができ、走行停止を引き起こすことがない。
前記式(1)において、Rは分岐鎖を有する飽和炭化水素基を表す。R及びRが直鎖の構造を有すると、融点が上昇し、低温環境下での十分な潤滑効果を得ることができない。
の炭素数は、3以上12以下であることが好ましく、4以上10以下であることがより好ましい。また、Rは、β位で分岐した構造であることが好ましく、2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された分岐を有する飽和炭化水素基であることがさらに好ましい。Rがβ位で分岐した構造であると、低い融点を有する炭酸エステルを容易に得ることができる。
の炭素数は、4以上20以下であることが好ましく、8以上20以下であることがより好ましく、10以上18以下であることがさらに好ましく、12以上16以下であることが特に好ましい。また、原料の入手の観点から、Rの炭素数は、12、14又は16であることが最も好ましい。
の炭素数が4以上であると、分子配向の点から高い潤滑効果を有する。また、Rの炭素数が8以上であると、より高い潤滑効果を有する。また、Rの炭素数が12以上であると、揮発性が低く、磁気記録媒体に使用した場合に安定した潤滑性を示すことができる。また、Rの炭素数が20以下であると、0℃以下の融点を得ることが容易である。
(2)ポリウレタン樹脂
本発明の磁気記録媒体における少なくとも一層の磁性層は、結合剤として、少なくともポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソアネートを用いて得られたポリウレタン樹脂を含む。
前記ポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートジオール及び有機ジイソアネートを用いて得られたポリウレタン樹脂であることが好ましく、また、直鎖構造の樹脂であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造に用いるポリカーボネートポリオールは、特に制限はないが、公知のものを必要に応じて用いることができる。
ポリカーボネートポリオールの合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、ホスゲンやホスゲン等価体とポリオールとを用いて合成する方法や、炭酸エステル化合物とポリオールとを用いエステル交換により合成する方法等が好ましく例示できる。
ポリカーボネートポリオールの合成においては、ポリオール成分として、ジオールのみを用いて合成することが好ましく、直鎖又は分岐脂肪族ジオール、及び/又は、脂肪族環を有するジオールを少なくとも用いて合成することがより好ましく、直鎖又は分岐脂肪族ジオール、及び/又は、脂肪族環を有するジオールのみを用いて合成することがさらに好ましい。また、ポリカーボネートポリオールの合成において用いることができるジオールは、上記以外のジオールに以外にも、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールや、後述する炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオール、環構造及びエーテル結合を有するジオール、並びに、脂環族多環式構造又はスピロ構造を有するジオールが挙げられる。
また、ポリカーボネートポリオールの合成においては、ジオールの他に、公知のポリオールや公知のモノオールを用いてもよいが、カーボネート結合のカルボニル基部分を形成する化合物以外は、ジオールを主成分として用いることが好ましい。
また、ポリカーボネートポリオールは、ポリカーボネートジオールであることが好ましい。
ポリカーボネートポリオールの合成において好適に用いることができる直鎖脂肪族ジオールは、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が例示できる。
ポリカーボネートポリオールの合成において好適に用いることができる分岐脂肪族ジオールは、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等が例示できる。
ポリカーボネートポリオールの合成において好適に用いることができる脂肪族環を有するジオールは、シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジメタノール、更に二環式ジオールとしては、ビシクロ[1.1.0]ブタンジオール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジオール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジオール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジオール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジオール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.2]デカンジオール、ビシクロ[4.2.2]デカンジオール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジオール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジオール、ビシクロ[1.1.0]ブタンジメタノール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジメタノール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジメタノール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジメタノール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.2.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジメタノール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジメタノール等が例示できる。
これらの中でも、ポリカーボネートポリオールの合成において用いることができるジオールとして特に好ましいものは、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールである。
また、本発明に用いることができるポリウレタン樹脂としては、環状構造を有するものが好ましく、脂肪族環を有するものがより好ましい。
ポリカーボネートポリオールの合成において用いることができるポリエーテルポリオールは、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
ポリカーボネートポリオールの合成において用いることができるポリエステルポリオールは、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、ポリエステルジオールであることが好ましく、後述する極性基を有するポリエステルジオールであることがより好ましく、極性基として−SOMを有するポリエステルジオールであることがさらに好ましい。Mは、水素原子、アルカリ金属、又は、アンモニウムを表す。
また、ポリカーボネートポリオールの合成において、ポリエステルポリオールを使用する場合、使用する全ポリオールのモル数に対し、20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造に用いる有機ポリイソシアネートは、特に制限はないが、公知のものを用いることができる。前記有機ポリイソシアネートは、有機ジイソシアネートであることが好ましい。
有機ポリイソシアネートとして具体的には、TDI(トリレンジイソシアネート)、MDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、p−フェニレンジイソシアネート、o−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが好ましく例示できる。
本発明の磁気記録媒体に用いることができるポリウレタン樹脂は、前述したポリカーボネートポリオールや有機ポリイソシアネート以外に、ポリエステルジオール、及び/又は、下記に示す他のジオールを用いて得られたものであることが好ましく、ポリカーボネートジオール、有機ジイソシアネート、ポリエステルジオール、及び、下記に示す他のジオールの少なくとも1種を用いて得られたものであることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造に用いることができる他のジオールとしては、炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールや、環構造及びエーテル結合を有するジオール、脂環族多環式構造又はスピロ構造を有するジオールを用いて合成されたものであることが好ましく例示できる。また、前記他のジオールとしては、分子量が100〜500のジオールであることが好ましい。
炭素数2以上の分岐側鎖をもつ脂肪族ジオールとしては以下のものがある。
2−メチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブチル−1,5−ペンタンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナンジオール等。
これらの中でも、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールが好ましく挙げられる。
環構造及びエーテル結合を有するジオールとしては、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、スピログリコール(3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)が例示できる。
脂環族多環式ジオールは、2個以上の原子を共有している環を複数有する脂肪族炭化水素骨格をいい、脂環族多環式ジオールの具体例としては、下記のものが挙げられる。
二環式ジオールとしては、ビシクロ[1.1.0]ブタンジオール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジオール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジオール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジオール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジオール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジオール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジオール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジオール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジオール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジオール、ビシクロ[3.3.2]デカンジオール、ビシクロ[4.2.2]デカンジオール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジオール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジオール、ビシクロ[1.1.0]ブタンジメタノール、ビシクロ[1.1.1]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.0]ペンタンジメタノール、ビシクロ[2.1.1]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[3.1.0]ヘキサンジメタノール、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.2.0]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[3.1.1]ヘプタンジメタノール、ビシクロ[2.2.2]オクタンジメタノール、ビシクロ[3.2.1]オクタンジメタノール、ビシクロ[4.2.0]オクタンジメタノール、ビシクロ[5.2.0]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.1]ノナンジメタノール、ビシクロ[3.3.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.2.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.3.3]ドデカンジメタノール、ビシクロ[3.3.3]ウンデカンジメタノール等が例示できる。
また、三環式ジオールとしては、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジオール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジオール、トリシクロ[4.2.1.27,9]ウンデカンジオール、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデカンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、トリシクロ[4.4.1.1]ドデカンジオール、トリシクロ[7.3.2.05,13]テトラデカンジオール、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデカンジオール、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、トリシクロ[4.2.1.27,9]ウンデカンジメタノール、トリシクロ[5.4.0.02,9]ウンデカンジメタノール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジメタノール、トリシクロ[4.4.1.1]ドデカンジメタノール、トリシクロ[7.3.2.05,13]テトラデカンジメタノール、トリシクロ[5.5.1.03,11]トリデカンジメタノールが例示できる。
これらの中でも、脂環族多環式ジオールとして好ましいものは、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジメタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、ビシクロ[3.3.2]デカンジメタノール、ビシクロ[4.2.2]デカンジメタノールである。特に好ましいのものは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールである。
スピロ構造を有するジオールの具体例としては、スピロ[3.4]オクタンジメタノール、スピロ[3.4]ヘプタンジメタノール、スピロ[3.4]デカンジメタノール、ジスピロ[5.1.7.2]ヘプタデカンジメタノール、シクロペンタンスピロシクロブタンジメタノール、シクロヘキサンスピロシクロペンタンジメタノール、スピロビシクロヘキサンジメタノール、ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどが例示できる。
これらの中でも、ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが好ましく挙げられる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、3万〜30万であることが好ましく、4万〜20万であることがより好ましい。重量平均分子量が3万以上であると、塗膜強度及び耐久性に優れる。また、重量平均分子量が30万以下であると、溶剤への溶解性が十分であり、分散性に優れる。
重量平均分子量を上記範囲にコントロールする方法としては、以下の方法が挙げられる。
ポリカーボネートポリオール由来のOH基と有機ポリイソシアネート由来のNCO基とのモル比の微調整や反応触媒を用いることで重量平均分子量を調整することができる。反応触媒としては、ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の第3級アミン類、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属塩が例示できる。これらの中でも、ジブチルスズジラウレートが好ましい。
その他の方法としては、反応時の固形分濃度、反応温度、反応溶媒、反応時間等を適宜調製する方法が例示できる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、1.0〜2.5であることが好ましく、1.5〜2.0であることがより好ましい。Mw/Mnが上記範囲であると、組成分布が生じにくく、分散性が優れる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂におけるウレタン基の濃度は、2.5mmol/g〜4.5mmol/gであることが好ましく、3.0mmol/g〜4.0mmol/gであることがより好ましい。ウレタン基の濃度が2.5mmol/g以上であると、塗膜のガラス転移温度(Tg)が適度であり、耐久性が優れる。ウレタン基の濃度が4.5mmol/g以下であると、溶剤溶解性が十分であり、分散性に優れ、分子量のコントロールが容易である等の合成が容易である。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂は、極性基を有していてもよい。
極性基としては、−SOM、−OSOM、−PO、−COOMが好ましく、−SOM、−OSOMがより好ましい。Mは、水素原子、アルカリ金属、又は、アンモニウムを表す。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂の極性基の含有量としては、1×10-5eq/g〜2×10-4eq/gであることが好ましい。極性基の含有量が1×10-5以上であると、磁性体への吸着が十分生じると考えられ、分散性が優れる。また、極性基の含有量が2×10-4以下であると、溶剤への溶解性が良好であり、分散性が優れる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂は、ヒドロキシ基を2個/分子〜20個/分子有していることが好ましく、2個/分子〜15個/分子有していることがより好ましい。ポリウレタン樹脂におけるヒドロキシ基の数が2個/分子以上であると、イソシアネート硬化剤との反応性に優れるために、塗膜強度、及び、耐久性に優れる。ポリウレタン樹脂におけるヒドロキシ基の数が20個/分子以下であると、溶剤への溶解性が十分であるので分散性に優れる。
本発明に用いることができるポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は、80℃〜200℃であることが好ましく、90℃〜160℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃以上であると、高温での塗膜強度が十分得られ、耐久性、及び、保存性に優れる。また、ガラス転移温度が200℃以下であると、カレンダー成型性、及び、電磁変換特性に優れる。
磁性層の結合剤(バインダー)量は、強磁性粉末100重量部に対し10〜25重量部であることが好ましく、また、後述する非磁性層のバインダー量は、非磁性粉末100重量部に対し15〜40重量部であることが好ましい。また、磁性層及び非磁性層のバインダー量は非磁性層の方にバインダー量を多くすることが好ましい。
非磁性層にも、磁性層と同様の結合剤を使用することができるが、特に非磁性層用の結合剤としては、SO3Naのような強い極性基と芳香環を多く含有する骨格を有することが好ましい。これにより潤滑剤と非磁性層の結合剤との親和性がより高まり、潤滑剤が非磁性層に多く且つ安定的に存在することができるので好ましい。
潤滑剤と結合剤との親和性が適度であると、結合剤と潤滑剤とが完全に分子レベルで相溶せず、潤滑剤は上層(磁性層)に移行することができるため好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、結合剤として、前記ポリウレタン樹脂以外の結合剤を用いることができる。
本発明において、前記ポリウレタン樹脂以外の結合剤としては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が好ましくは−100℃〜150℃、数平均分子量が好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000、重合度が好ましくは50〜1,000である。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
磁性層に用いることができる他の結合剤としては、上記の中でも、塩化ビニル系バインダーが好ましい。
(3)強磁性粉末
本発明に用いることができる強磁性粉末は、長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、及び/又は、粒径10〜50nmの球状若しくは楕円状磁性体であることが好ましく、長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、又は、粒径10〜50nmの球状若しくは楕円状磁性体であることがより好ましい。
(3−1)針状強磁性体
本発明の磁気記録媒体に使用される針状強磁性体は、針状でありコバルト含有強磁性酸化鉄又は強磁性合金粉末でSBET比表面積が、好ましくは40〜80m/g、より好ましくは50〜70m/gである。結晶子サイズは、好ましくは12〜25nm、より好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。飽和磁化σは、50〜200emu/g(50〜200A・m/kg)が好ましく、70〜150emu/g(70〜150A・m/kg)がより好ましい。
針状強磁性体としては、イットリウムを含むFe、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni−Feが挙げられ、針状強磁性体中のイットリウム含有量は、鉄原子に対してイットリウム原子の比、Y/Feが0.5〜20原子%であることが好ましく、5〜10原子%であることがより好ましい。0.5原子%以上であると、針状強磁性体の高σ化でき、磁気特性が良好であり、電磁変換特性に優れる。20原子%以下であると、鉄の含有量が適度であるため、磁気特性が良好であり、電磁変換特性に優れる。さらに、鉄100原子%に対して20原子%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ロジウム、パラジウム、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、金、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含むことができる。また、針状強磁性体が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものなどであってもよい。
本発明の磁気記録媒体において、コバルト、イットリウムを導入した強磁性粉末の製造方法の一例を示す。
第一鉄塩とアルカリを混合した水性懸濁液に、酸化性気体を吹き込むことによって得られるオキシ水酸化鉄を出発原料とする例を挙げることができる。
このオキシ水酸化鉄の種類としては、α−FeOOHが好ましく、その製法としては、第一鉄塩を水酸化アルカリで中和してFe(OH)の水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性ガスを吹き込んで針状のα−FeOOHとする第一の製法がある。一方、第一鉄塩を炭酸アルカリで中和してFeCOの水性懸濁液とし、この懸濁液に酸化性気体を吹き込んで紡錘状のα−FeOOHとする第二の製法がある。このようなオキシ水酸化鉄は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応させて水酸化第一鉄を含有する水溶液を得て、これを空気酸化等により酸化して得られたものであることが好ましい。この際、第一鉄塩水溶液にNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩等のアルカリ土類元素の塩、Cr塩、Zn塩などを共存させても良く、このような塩を適宜選択して用いることによって粒子形状(軸比)などを調製することができる。
第一鉄塩としては、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等が好ましい。また、アルカリとしては水酸化ナトリウム、アンモニア水、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等が好ましい。また、共存させることができる塩としては、塩化ニッケル、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ストロンチウム、塩化クロム、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
次いで、鉄にコバルトを導入する場合は、イットリウムを導入する前に、硫酸コバルト、塩化コバルト等のコバルト化合物の水溶液を前記のオキシ水酸化鉄のスラリーに撹拌混合する。コバルトを含有するオキシ水酸化鉄のスラリーを調製した後、このスラリーにイットリウムの化合物を含有する水溶液を添加し、撹拌混合することによって導入することができる。
本発明に用いることができる針状強磁性体には、イットリウム以外にもネオジム、サマリウム、プラセオジウム、ランタン、ガドリニウム等を導入することができる。これらは、塩化イットリウム、塩化ネオジム、塩化サマリウム、塩化プラセオジウム、塩化ランタン等の塩化物、硝酸ネオジム、硝酸ガドリニウム等の硝酸塩などを用いて導入することができ、これらは、二種以上を併用しても良い。
(3−2)平板状磁性体
平板状磁性体としては、六方晶フェライト粉末が好ましい。
六方晶フェライトとしてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。具体的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられ、その他所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nb、Zrなどの原子を含んでもかまわない。一般にはCo−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用することができる。原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
六方晶フェライト粉末の粒子サイズは、六角板径で10〜50nmであることが好ましい。磁気抵抗ヘッドで再生する場合は、低ノイズにする必要があり、板径は40nm以下が好ましい。10nm以上であると、熱揺らぎが生じにくく、安定な磁化が得られる。50nm以下であると、ノイズを低く抑えることができ、高密度磁気記録に好適に使用できる。
板状比(板径/板厚)は1〜15が好ましく、2〜7がより好ましい。板状比が1以上であると、十分な配向性が得られる。15以下であると、粒子間のスタッキングが少なく、ノイズを低く抑えることができる。この粒子サイズ範囲のBET法による比表面積は10〜200m/gを示す。比表面積は概ね粒子板径と板厚からの算術計算値と符合する。
結晶子サイズは、50〜450Åであることが好ましく、100〜350Åであることがより好ましい。粒子板径・板厚の分布は通常狭いほど好ましい。数値化は困難であるが粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較できる。分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すとσ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
磁性体で測定される抗磁力Hcは、500〜5,000 Oe(39.8〜398kA/m)程度まで作成できる。Hcは高い方が高密度記録に有利であるが、記録ヘッドの能力で制限される。通常800〜4,000 Oe(63.7〜318.4kA/m)であることが好ましく、1,500〜3,500 Oe(119.4〜278.6kA/m)であることがより好ましい。ヘッドの飽和磁化が1.4テスラーを越える場合は、2,000 Oe(159.2kA/m)以上にすることが好ましい。Hcは粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
飽和磁化σは40〜80emu/g(40〜80A・m/kg)であることが好ましい。σは高い方が好ましいが、粒子径が小さくなるほど小さくなる傾向がある。σ改良のためマグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合すること、含有元素の種類と添加量の選択等が良く知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。
磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理材は無機化合物、有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P、等の酸化物または水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。量は磁性体に対して0.1〜10%である。
磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜10程度が好ましく選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが、好ましくは0.01〜2.0%が選ばれる。
六方晶フェライトの製法としては、(1)酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得るガラス結晶化法、(2)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法、(3)バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1,100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。
(3−3)球状又は楕円状磁性体
本発明に用いることができる球状又は楕円状磁性体としては、Fe162を主相とする窒化鉄系の粒子であることが好ましい。Fe、N原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。Feに対するNの含有量は1.0〜20.0原子%が好ましい。
窒化鉄系の粒子は、球状又は楕円状が好ましく、長軸径/短軸径の軸比は1〜2が好ましい。SBET比表面積が30〜100m/gであることが好ましく、50〜70m/gであることがより好ましい。結晶子サイズは12〜25nmであることが好ましく、13〜22nmであることがより好ましい。
飽和磁化σは、50〜200emu/g(50〜200A・m/kg)が好ましく、70〜150emu/g(70〜150A・m/kg)がより好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤、カーボンブラックなどを挙げることができる。
これら添加剤としては、例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基を持つシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸基、フェネチルホスホン酸、α−メチルベンジルホスホン酸、1−メチル−1−フェネチルホスホン酸、ジフェニルメチルホスホン酸、ビフェニルホスホン酸、ベンジルフェニルホスホン酸、α−クミルホスホン酸、トルイルホスホン酸、キシリルホスホン酸、エチルフェニルホスホン酸、クメニルホスホン酸、プロピルフェニルホスホン酸、ブチルフェニルホスホン酸、ヘプチルフェニルホスホン酸、オクチルフェニルホスホン酸、ノニルフェニルホスホン酸等の芳香族環含有有機ホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、オクチルホスホン酸、2−エチルヘキシルホスホン酸、イソオクチルホスホン酸、イソノニルホスホン酸、イソデシルホスホン酸、イソウンデシルホスホン酸、イソドデシルホスホン酸、イソヘキサデシルホスホン酸、イソオクタデシルホスホン酸、イソエイコシルホスホン酸等のアルキルホスホン酸及びそのアルカリ金属塩、リン酸フェニル、リン酸ベンジル、リン酸フェネチル、リン酸α−メチルベンジル、リン酸1−メチル−1−フェネチル、リン酸ジフェニルメチル、リン酸ビフェニル、リン酸ベンジルフェニル、リン酸α−クミル、リン酸トルイル、リン酸キシリル、リン酸エチルフェニル、リン酸クメニル、リン酸プロピルフェニル、リン酸ブチルフェニル、リン酸ヘプチルフェニル、リン酸オクチルフェニル、リン酸ノニルフェニル等の芳香族リン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、リン酸オクチル、リン酸2−エチルヘキシル、リン酸イソオクチル、リン酸イソノニル、リン酸イソデシル、リン酸イソウンデシル、リン酸イソドデシル、リン酸イソヘキサデシル、リン酸イソオクタデシル、リン酸イソエイコシル等のリン酸アルキルエステル及びそのアルカリ金属塩、アルキルスルホン酸エステル及びそのアルカリ金属塩、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、エルカ酸等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでいても分岐していてもよい一塩基性脂肪酸及びこれらの金属塩、又はステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等の炭素数10〜24の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい一塩基性脂肪酸と炭素数2〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよい1〜6価アルコール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも分岐していてもよいアルコキシアルコール又はアルキレンオキサイド重合物のモノアルキルエーテルのいずれか一つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステルまたは多価脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。また、上記炭化水素基以外にもニトロ基や、F、Cl、Br、CF3、CCl3、CBr3等の含ハロゲン炭化水素基等炭化水素基以外の基が置換したアルキル基、アリール基、アラルキル基を持つものでもよい。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル等の酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又はリン酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
上記分散剤、潤滑剤等は必ずしも純粋ではなく主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれても構わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。
これらの添加物の具体例としては、例えば、日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミーンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノンLG、竹本油脂社製:FAL−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジエルブOL、信越化学社製:TA−3、ライオンアーマー社製:アーマイドP、ライオン社製:デュオミンTDO、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロフアン2012E、ニューポールPE61、イオネットMS−400等が挙げられる。
本発明の磁性層で用いられる有機溶剤は、公知のものが使用できる。有機溶剤は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾールなどの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。
本発明で用いることができる有機溶媒は、磁性層と非磁性層とでその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが好ましい。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における磁性層で用いられるこれらの分散剤、潤滑剤、界面活性剤は磁性層及び後述する非磁性層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、無論ここに示した例のみに限られるものではないが、分散剤は極性基で吸着もしくは結合する性質を有しており、磁性層においては主に強磁性粉末の表面に、また後述する非磁性層においては主に非磁性粉末の表面に前記の極性基で吸着もしくは結合し、一度吸着した有機リン化合物は金属あるいは金属化合物等の表面から脱着しがたいと推察される。したがって、強磁性粉末表面あるいは後述する非磁性粉末表面は、アルキル基、芳香族基等で被覆されたような状態になるので、強磁性粉末あるいは非磁性粉末の結合剤樹脂成分に対する親和性が向上し、さらに強磁性粉末あるいは非磁性粉末の分散安定性も改善される。また、潤滑剤としては遊離の状態で存在するため非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられる。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あるいは非磁性層用塗布液の製造時におけるいずれの工程で添加してもよい。例えば、混練工程前に強磁性微粉末と混合する場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。放射線硬化層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
カーボンブラックの比表面積は、好ましくは100〜500m2/g、より好ましくは150〜400m2/g、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、好ましくは20〜400ml/100g、より好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、好ましくは5〜80nm、より好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。本発明で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
これらのカーボンブラックは単独又は組み合わせで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の重量に対して0.1〜30重量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
2.非磁性層
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末と結合剤を分散させた少なくとも一層の非磁性層を有していてもよい。非磁性層を有する場合、磁性層に使用する結合剤と同じ結合剤を非磁性層にも使用することができる。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、非磁性層には非磁性粉末と共に、必要に応じてカーボンブラックを混合してもよい。
(非磁性粉末)
非磁性層には、非磁性層が実質的に非磁性である範囲で磁性粉末を使用してもよいが、非磁性粉末を用いることが好ましい。
非磁性層に使用できる非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。
具体的には二酸化チタン等のチタン酸化物、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングステン、ZnO、ZrO2、SiO2、Cr23、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、2硫化モリブデン、酸化銅、MgCO3、CaCO3、BaCO3、SrCO3、BaSO4、炭化珪素、炭化チタンなどが単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。好ましいのは、α−酸化鉄、酸化チタンである。
非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもあってもよい。
非磁性粉末の結晶子サイズは、4nm〜1μmが好ましく、40〜100nmがさらに好ましい。結晶子サイズが4nm〜1μmの範囲であれば、分散が困難になることもなく、また好適な表面粗さを有するため好ましい。
これら非磁性粉末の平均粒径は、5nm〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くしたりして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましい非磁性粉末の平均粒径は、10〜200nmである。5nm〜2μmの範囲であれば、分散も良好で、かつ好適な表面粗さを有するため好ましい。
非磁性粉末の比表面積は、好ましくは1〜100m2/gであり、より好ましくは5〜70m2/gであり、さらに好ましくは10〜65m2/gである。比表面積が1〜100m2/gの範囲内にあれば、好適な表面粗さを有し、かつ、所望の結合剤量で分散できるため好ましい。
ジブチルフタレート(DBP)を用いた吸油量は、好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。
比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。タップ密度は好ましくは0.05〜2g/ml、より好ましくは0.2〜1.5g/mlである。タップ密度が0.05〜2g/mlの範囲であれば、飛散する粒子が少なく操作が容易であり、また装置にも固着しにくくなる傾向がある。
非磁性粉末のpHは2〜11であることが好ましいが、pHは6〜9の間が特に好ましい。pHが2〜11の範囲にあれば、高温、高湿下又は脂肪酸の遊離により摩擦係数が大きくなることはない。
非磁性粉末の含水率は、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。含水量が0.1〜5重量%の範囲であれば、分散も良好で、分散後の塗料粘度も安定するため好ましい。
強熱減量は、20重量%以下であることが好ましく、強熱減量が小さいものが好ましい。
また、非磁性粉末が無機粉末である場合には、モース硬度は4〜10のものが好ましい。モース硬度が4〜10の範囲であれば耐久性を確保することができる。非磁性粉末のステアリン酸吸着量は、1〜20μmol/m2であることが好ましく、2〜15μmol/m2であることがより好ましい。
非磁性粉末の25℃での水への湿潤熱は、20〜60μJ/cm2(200〜600erg/cm2)の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。
100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当である。水中での等電点のpHは、3〜9の間にあることが好ましい。
これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPB−550BX、DPN−550RX 石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、MJ−7、α−酸化鉄E270、E271、E300、チタン工業製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、T−600B、T−100F、T−500HDなどが挙げられる。堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiOP25、宇部興産製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
非磁性層には非磁性粉末と共に、カーボンブラックを混合し表面電気抵抗を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のμビッカース硬度を得ることができる。非磁性層のμビッカース硬度は、好ましくは25〜60kg/mm2、より好ましくはヘッド当りを調整するために、30〜50kg/mm2であり、薄膜硬度計(日本電気製 HMA−400)を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定することができる。光透過率は一般に波長900nm程度の赤外線の吸収が3%以下、たとえばVHS用磁気テープでは0.8%以下であることが規格化されている。このためにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。
非磁性層に用いられるカーボンブラックの比表面積は、好ましくは100〜500m2/g、より好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は、好ましくは20〜400ml/100g、より好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は、好ましくは5〜80nm、より好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
非磁性層に用いることができるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、コロンビアカーボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックEC、ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製ケッチェンブラックECなどが挙げられる。
また、カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50重量%を越えない範囲、非磁性層総重量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、又は組み合わせで使用することができる。本発明の非磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
また非磁性層には目的に応じて有機質粉末を添加することもできる。このような有機質粉末としては、例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
非磁性層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
3.非磁性支持体
本発明に用いることのできる非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。
これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。また、本発明に用いることのできる非磁性支持体の表面粗さは、カットオフ値0.25mmにおいて中心平均粗さRa3〜10nmが好ましい。
4.平滑化層
本発明の磁気記録媒体には、平滑化層を設けてもよい。平滑化層とは、非磁性支持体表面の突起を埋めるための層であり、非磁性支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の場合は非磁性支持体と磁性層の間、非磁性支持体上に非磁性層及び磁性層をこの順に設けた磁気記録媒体の場合には非磁性支持体と非磁性層の間に設けられる。
平滑化層は、放射線硬化型化合物を放射線照射により硬化させて形成することができる。放射線硬化型化合物とは、紫外線又は電子線などの放射線を照射すると重合または架橋を開始し、高分子化して硬化する性質を有する化合物をいう。
5.接着層
本発明の磁気記録媒体には、接着層を設けてもよい。接着層とは、非磁性支持体とその上層との間、又は、磁性層や非磁性層等の非磁性支持体上に設けられる各層のうちの2層の間に設けて接着力を向上させる層である。
接着層としては、溶剤可溶性の、例えば以下の物質を用いて形成することが好ましい。 ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、デンプン、変性デンプン化合物、アルギン酸化合物、カゼイン、ゼラチン、プルラン、デキストラン、キチン、キトサン、ゴムラッテクス、アラビアゴム、フノリ、天然ガム、デキストリン、変性セルロース樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルエーテル、ポリマレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルキド樹脂等。
接着層で使用される樹脂のガラス転移温度については、30〜120℃であることが好ましく、40〜80℃であることがより好ましい。30℃以上であれば端面でのブロッキングを生じることもなく、また、120℃以下であれば接着層内の内部応力を緩和することができ、かつ、密着力にも優れる。
6.バックコート層
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い保存安定性を維持させるために、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対の面にバックコート層を設けることもできる。バックコート層用塗料は、研磨剤、帯電防止剤などの粒子成分と結合剤とを有機溶媒に分散させる。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラックを使用することができる。また、結合剤としては、例えば、ニトロセルロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用することができる。
7.層構成
本発明で用いられる磁気記録媒体の構成において、非磁性支持体の好ましい厚さは、3〜80μmである。また、接着層を設けた場合、接着層の厚さは0.01〜0.8μm、好ましくは0.02〜0.6μmである。平滑化層を設けた場合、平滑化層の厚さは、0.3〜1.0μmの範囲が好ましい。また、非磁性支持体の非磁性層及び磁性層が設けられた面とは反対側の面に設けられたバックコート層の厚さは、0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。
磁性層の厚さは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものであるが、0.01〜0.5μm以下であることが好ましく、0.02〜0.3μm以下であることがより好ましく、0.03〜0.2μmであることがさらに好ましい。また、磁性層の厚さ変動率は±50%以内が好ましく、±40%以内がより好ましい。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
非磁性層の厚さは、0.2〜3.0μmであることが好ましく、0.3〜2.5μmであることがより好ましく、0.4〜2.0μmであることがさらに好ましい。なお、本発明の磁気記録媒体の非磁性層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、例えば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでいても、本発明の効果を示すものであり、本発明の磁気記録媒体と実質的に同一の構成とみなすことができる。なお、実質的に同一とは、非磁性層の残留磁束密度が10mT(100G)以下または抗磁力が7.96kA/m(100 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力を持たないことを意味する。
8.製造方法
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層塗布液を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉末又は強磁性金属粉末、非磁性粉末、ベンゼンホスホン酸誘導体、π電子共役系の導電性高分子、結合剤、カーボンブラック、研磨材、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は強磁性粉末若しくは非磁性粉末と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び磁性体100重量部に対し15〜500重量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び非磁性層用液を分散させるには、ガラスビーズを用いることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、例えば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層用塗布液を所定の膜厚となるように塗布する。ここで複数の磁性層用塗布液を逐次あるいは同時に重層塗布してもよく、下層の磁性層用塗布液と上層の磁性層用塗布液とを逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性層用塗布液もしくは下層の磁性層用塗布液を塗布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。
磁性層塗布液の塗布層は、磁気テープの場合、磁性層塗布液の塗布層中に含まれる強磁性微粉末にコバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に磁場配向処理を施す。ディスクの場合、配向装置を用いず無配向でも十分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。また、スピンコートを用いて円周配向としてもよい。
乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できるようにすることが好ましく、塗布速度は20〜1,000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
乾燥された後、塗布層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、例えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性微粉末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。
カレンダ処理ロールとしてはエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで処理することもできる。本発明の磁気記録媒体は、表面の中心面平均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜4.0nmの範囲であることが好ましく、0.5〜3.0nmの範囲という極めて優れた平滑性を有する表面であることがより好ましい。その方法として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダ処理を施すことにより行われる。カレンダ処理条件としては、カレンダーロールの温度を、好ましくは60〜100℃の範囲、より好ましくは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲であり、圧力は、好ましくは100〜500kg/cmの範囲、より好ましくは200〜450kg/cmの範囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの範囲の条件で作動させることによって行われる。
熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルク又はカセットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)があり、両者が利用できる。前者は、バックコート層表面の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げることができない。一方、後者のサーモ処理は、熱収縮率を大幅に改善できるが、バックコート層表面の突起写りの影響を強く受けるため、磁性層が面荒れし、出力低下及びノイズ増加を引き起こす。特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。得られた磁気記録媒体は、裁断機、打抜機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。
9.物理特性
本発明の磁気記録媒体における磁性層の飽和磁束密度は、100〜300mT(1,000〜3,000G)であることが好ましい。また磁性層の抗磁力(Hr)は、143.3〜318.4kA/m(1,800〜4,000Oe)であることが好ましく、159.2〜278.6kA/m(2,000〜3,500Oe)であることがより好ましい。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは、0.6以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。
本発明の磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。また、帯電位は−500〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2,000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1,500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜180℃が好ましく、非磁性層のそれは0〜180℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が0.2以下であると、粘着故障が発生しにくい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向において10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は、好ましくは100mg/m2以下、より好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、より好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が保存安定性は好ましいことが多い。
デジタルオプチカルプロフィメーター(WYKO製TOPO−3D)を用いて測定した磁性層の中心面表面粗さRaは、好ましくは4.0nm以下であり、より好ましくは3.0nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを0〜2,000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉末の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体における非磁性層と磁性層と間では、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし保存安定性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りをよくするなどである。
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を再生するヘッドについては特に制限はないが、MRヘッドのために用いることが好ましい。本発明の磁気記録媒体の再生にMRヘッドを用いる場合、MRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドは特に制限されないが、飽和磁化量が1.0T以上であることが好ましく、1.5T以上であることがより好ましい。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲で変更し得るものであり、下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」は、特に示さない限り重量部を示す。
<ポリウレタン合成例>
表1に示した組成のジオール成分及び反応触媒を還流式冷却器、撹拌機を具備し、予め窒素置換した容器にシクロヘキサノン50%溶液に窒素気流下60℃で溶解した。更に表1に示したジイソシアネート成分を加え90℃にて6時間加熱反応し、ポリウレタン樹脂溶液A〜Lを得た。
得られたポリウレタンの重量平均分子量及び重量平均分子量1万以下の成分比率、30重量%シクロヘキサノン溶液粘度を表1に示す。
なお、ポリウレタンの重量平均分子量は、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒を用いて標準ポリスチレン換算で求めた。
Figure 2009048678
なお、上記表1に記載の略号は、以下のものを表す。
ポリエステルa:スルホイソフタル酸ナトリウム/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール=1/2モル反応物(分子量440)
なお、ポリエステルaは、以下の方法により合成した。
ディーンスタークを装着したフラスコに、ソディウムスルホイソフタル酸ジメチルを312部、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールを152部、酢酸亜鉛を0.5部添加し、100℃まで加熱、3時間撹拌し、メタノールを留出させた。60℃まで冷却し、生成した粘ちょう性液体としてポリエステルaを取り出した。
ポリエステルb:アジピン酸/2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール=1/2モル反応物(分子量318、東洋紡績(株)製)
ポリカーボネートA:シクロヘキサンジオール/1,6−ヘキサンジオール=3/1モル反応物(分子量900、宇部興産(株)製)
ポリカーボネートB:シクロヘキサンジオール/1,6−ヘキサンジオール=1/3モル反応物(分子量900、宇部興産(株)製)
ポリカーボネートC:シクロヘキサンジオール/1,6−ヘキサンジオール=1/1モル反応物(分子量900、宇部興産(株)製)
DMH:2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール(分子量160)
NPG:ネオペンチルグリコール(分子量104)
HBpA:水素化ビスフェノールA(分子量270)
BpA−2PO:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(分子量344)
HD:1,6−ヘキサンジオール(分子量118)
PPG250:ポリプロピレングリコール(分子量250)
TCDM:トリシクロデカンジメタノール(分子量196)
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(分子量250)
<合成例1〜11:潤滑剤A〜Kの合成>
(合成例1:潤滑剤Aの合成)
フラスコに、1−テトラデカノール86部、ヘキサン264部及びピリジン35部を入れ、撹拌しながら冷却した。このフラスコにさらに冷却と撹拌を続けながら、クロロギ酸2−エチルヘキシル42部を2時間かけて滴下した。さらにこのフラスコ内部を撹拌しながら、室温に出して6時間経過させた。この反応液に水を加えて撹拌し、静置して分液漏斗を用いて水層を廃棄し、メタノールを加えて撹拌、静置、メタノール相を分離する操作を3回繰り返した。残ったヘキサン溶液を減圧濃縮し、135部の無色透明液体である潤滑剤Aの粗製物が得られた。
この液体をヘキサンで2倍希釈して、カラムクロマトグラフィーで精製し、ヘキサン溶液を減圧濃縮することで、77部の潤滑剤Aが得られた。
Figure 2009048678
(合成例2及び3:潤滑剤B及びCの合成)
合成例1の1−テトラデカノールを1−ヘキサデカノール、1−ドデカノールに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤B及びCを得た。
Figure 2009048678
(合成例4及び5:潤滑剤D及びEの合成)
合成例1のクロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤D及びEを得た。
Figure 2009048678
(合成例6及び7:潤滑剤F及びGの合成)
合成例1の1−テトラデカノールを1−ドデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−メチルプロピル、クロロギ酸2−メチルブチルに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤F及びGを得た。
Figure 2009048678
(合成例8及び9:潤滑剤H及びIの合成)
合成例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸ブチル、クロロギ酸メチルに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤H及びIを得た。
Figure 2009048678
(合成例10:潤滑剤Jの合成)
合成例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルをクロロギ酸2−エチルヘキシルに変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤Jを得た。
Figure 2009048678
(合成例11:潤滑剤Kの合成)
合成例1の1−テトラデカノールを1−オクタデカノールに、クロロギ酸2−エチルヘキシルを2−エチルヘキシルカルボン酸塩化物に変更した以外は、合成例1と同様の操作を行い、潤滑剤Kを得た。
Figure 2009048678
下記表2に潤滑剤A〜Kの融点を示す。なお、表2中のR及びRは、式(1)におけるR及びRを表す。
Figure 2009048678
Figure 2009048678
(実施例1)
〔磁性塗料の調液〕
表3に示した磁性体100部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いでポリウレタン樹脂溶液A 15部(固形分)で60分間混練し、次いで
研磨剤(Al、粒子サイズ0.3μm) 2部
カーボンブラック(粒子サイズ40μm) 2部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 200部
を加えてサンドミルで360分間分散した。
これに、
潤滑剤A 2部
ステアリン酸 1部
シクロヘキサノン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調製した。
〔下層用非磁性塗料の調液〕
α−Fe(平均粒径0.15μm、SBET52m/g、表面処理Al、SiO、pH6.5〜8.0)85部をオープンニーダーで10分間粉砕し、次いで塩化ビニル/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレート=86/9/5の共重合体にヒドロキシエチルスルフォネートナトリウム塩を付加した化合物(SONa=6×10−5eq/g,エポキシ=10−3eq/g,Mw30,000)を7.5部及びポリウレタン樹脂A 10部(固形分)、シクロヘキサノン60部で60分間混練し、次いで、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4混合物200部を加えてサンドミルで120分間分散した。これに、
潤滑剤A 2部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 50部
を加え、さらに20分間撹拌混合したあと、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層用非磁性塗料を調製した。
まず、接着層としてスルホン酸含有ポリエステル樹脂を乾燥後の厚さが0.1μmになるようにコイルバーを用いて厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート支持体の表面に塗布した。
次いで得られた下層用非磁性塗料を1.5μmに、さらにその直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、リバースロールを用いて同時重層塗布した。磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾燥の状態で5,000ガウスのCo磁石と4,000ガウスのソレノイド磁石で磁場配向を行い、塗布したものを金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロールの組み合わせによるカレンダー処理を(速度100m/min、線圧300kg/cm、温度90℃)で行った後12.7mm(1/2インチ)幅にスリットした。
(実施例2〜23及び比較例1〜8)
磁性塗料のポリウレタン樹脂、潤滑剤及び磁性体を表3又は表4に示したものを用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。
Figure 2009048678
Figure 2009048678
なお、表3及び表4に示す磁性体としては、以下のものを使用した。
針状強磁性粉末:Hc2,200 Oe(175.1kA/m)、SBET比表面積70m/g、針状比3.5、σ120emu/g(120A・m/kg)、Fe89原子%,Co5原子%,Y6原子%
六角平板状フェライト粉末:Hc2,200 Oe(175.1kA/m)、SBET比表面積55m/g、板比3.5、σ51emu/g(51A・m/kg)、Ba91原子%,Fe8原子%,Co0.5原子%,Zn0.5原子%
球状窒化鉄粉末:Hc2,200 Oe(175.1kA/m)、SBET比表面積56m/g、σ100emu/g(100A・m/kg)、Fe88原子%,N8原子%,Y4原子%
<測定方法、評価方法>
(電磁変換特性)
ヘッドを固定した1/2インチ リニアシステムで測定した。ヘッド/テープの相対速度は10m/secとした。
記録は飽和磁化1.4TのMIGヘッド(トラック幅18μm)を使い、記録電流は各テープの最適電流に設定した。
再生ヘッドには素子厚み25nm、シールド間隔0.2μmの異方性型MRヘッド(A−MR)を用いた。
記録波長0.2μmの信号を記録し、再生信号を(株)シバソク製スペクトラムアナライザーで周波数分析し、キャリア信号(波長0.2μm)の出力とスペクトル全域の積分ノイズとの比をS/N比とし、比較例1を0dBとした相対値で示した。
(繰り返し摺動耐久性(低温))
テープを5℃80%RH環境下で磁性層面をAlTiC製の円柱棒に接触させて荷重100g(T1)をかけ、2m/secの摺動速度で繰り返し100,000パスまで摺動を行ったあとのテープダメージを以下のランクで評価した。
優秀:ややキズが見られるが、キズのない部分の方が多い。
良好:キズがない部分よりもキズがある部分の方が多い。
不良:磁性層が完全に剥離している。
(繰り返し摺動耐久性(高温))
テープを60℃90%RH環境下で評価した以外は、上記低温での繰り返し摺動耐久性の測定と同様に行った。
(保存性)
LTO−G3カートリッジ用のリールにテ−プを600m巻いた状態で60℃90%RH6ヶ月間保存した。
保存後のテープの摺動耐久性を、上記低温での繰り返し摺動耐久性の測定(この時点で磁性層が完全に剥離していれば、上記高温での繰り返し摺動耐久性の測定を行うこと無く不良とした。)、上記高温での繰り返し摺動耐久性の測定と同じ方法で測定した。
(潤滑剤の融点)
潤滑剤A及びB、潤滑剤H乃至Kについては、DSC(変温速度−5℃/min)により、融点測定を行った。潤滑剤Aは−23℃、潤滑剤Bは−3℃であった。
潤滑剤E乃至Gについては−5℃に設定した恒温槽中に24時間放置後、恒温槽内にて5分間振とうし、液体状態を保持していることを確認した。

Claims (4)

  1. 非磁性支持体上に少なくとも一層の強磁性粉末を結合剤中に分散した磁性層を有し、
    前記結合剤はポリカーボネートポリオール及び有機ポリイソシアネートを少なくとも用いて得られたポリウレタン樹脂を含み、
    前記強磁性粉末は長軸長が20〜50nmの針状強磁性体、板径10〜50nmの平板状磁性体、及び/又は、直径10〜40nmの球状若しくは楕円状磁性体であり、
    前記磁性層が式(1)で表され、融点0℃以下である炭酸エステルを含むことを特徴とする
    磁気記録媒体。
    Figure 2009048678
    (式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立に飽和炭化水素基を表し、Rは分岐鎖であり、Rは直鎖又は分岐鎖である。)
  2. 前記炭酸エステルのRがβ位にて分岐した構造である請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記炭酸エステルのRが2−メチルプロピル基、2−メチルブチル基及び2−エチルヘキシル基よりなる群から選択された請求項1又は2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記炭酸エステルのRが炭素数12以上16以下の直鎖構造である請求項1〜3いずれか1つに記載の磁気記録媒体。
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