JP2001229525A - 磁気記録媒体用支持体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用支持体およびその製造方法

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JP2001229525A
JP2001229525A JP2000033519A JP2000033519A JP2001229525A JP 2001229525 A JP2001229525 A JP 2001229525A JP 2000033519 A JP2000033519 A JP 2000033519A JP 2000033519 A JP2000033519 A JP 2000033519A JP 2001229525 A JP2001229525 A JP 2001229525A
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Shinya Maenozono
信也 前之園
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録層が真空製膜法によって形成される
フレキシブルな磁気記録媒体用支持体において、耐熱性
が高くかつ平滑な表面を有し、磁気記録層を形成した場
合にも高い表面平滑性を実現できる高分子支持体を提供
する。 【解決手段】 表面が平滑な固体基板上に溶剤可溶性ポ
リイミド樹脂の溶液を塗布し、脱溶媒後剥離して得られ
るポリイミドフィルムで形成してなる磁気記録媒体用支
持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録層が真空
製膜法によって形成されるのに適した耐熱性が高くかつ
平滑な表面を有するフレキシブルな磁気記録媒体用支持
体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク、フレキシブルデ
ィスク、磁気テープなどの磁気記録媒体の高密度化が進
んできている。磁気記録層の作製は、ハードディスクで
はアルミ基板、ガラス基板、アモルファスカーボン基板
等の固体基板を支持体とし、スパッタリングなどの真空
製膜法によっているのに対し、フレキシブルディスクや
磁気テープといった、いわゆるフレキシブルな磁気記録
媒体については、ポリエチレンテレフタレートやポリエ
チレンナフタレートなどの熱可塑性高分子支持体への塗
布法が一般的である。スパッタリングなどの真空製膜法
は、支持体の表面が平滑であれば、薄くかつ平滑な表面
をもつ磁気記録層を容易に作製でき、高い磁気エネルギ
ーと電磁変換特性を達成できるため高密度化には適して
いる。フレキシブルディスクも、高密度化に伴い従来塗
布法によって作製していた磁気記録層をスパッタリング
によって作製する方法が提案されてきている(例えば、
特開平10−11734号、特開平10−198944
号、特開平10−255252号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、フレキシブル
ディスクのような可撓性高分子支持体に磁気記録層を持
つ磁気記録媒体において、磁気記録層をスパッタリング
で作製し高密度化を図ろうとする場合には、次に挙げる
2つの本質的な問題を解決する必要がある。1)磁気記
録層のモルフォロジーを制御し高密度化を達成するため
には、スパッタリングプロセス中に支持体を加熱する必
要があり、支持体に高い耐熱性が求められる。2)高い
電磁変換特性とドロップアウト低減を達成するために
は、支持体の表面平滑性が高いことが求められる。
【0004】前記1)については、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、液晶ポリエステル、ポリフェニレンスルフ
ィド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルス
ルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケ
トン、フェノール樹脂などの耐熱性高分子材料を用いる
ことで回避できるが、これらのような高分子材料で前記
2)を満足するような高い表面性を有する支持体を作製
することは一般に困難である。高分子フィルムの支持体
ではアルミ基板やガラス基板のように精密研磨すること
ができず、フィルム作製時の表面性が問題となる。
【0005】従来フレキシブルディスクや磁気テープな
どの塗布型磁気記録媒体の高分子支持体としては、前述
のようにポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナ
フタレートなどの高分子材料の延伸フィルムが用いられ
てきたが、スパッタリングで磁気記録層を作製し高密度
化を図るには耐熱性が低く、基板加熱によって熱収縮や
変形を起こし磁気記録層に欠陥を発生させてしまう。ま
た熱収縮や変形を起こさない程度の加熱温度では高密度
化を達成することが難しい。耐熱性が高いという理由か
らフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることも考
えられるが、一般的には硬化反応に伴うガス発生による
表面性の悪化や支持体内部のボイドなどの欠陥を克服す
ることが難しく、また可撓性などの機械特性も本目的に
適していない。
【0006】耐熱性と機械特性を同時に満足する材料と
してポリイミド樹脂が好適であり、事実ポリイミドフィ
ルムが高密度磁気記録媒体用支持体として極めて有望で
あることが、例えば特開平7−44857号に提案され
ている。しかしながらポリイミドフィルムは一般に、ポ
リイミドの前駆体であるポリアミック酸の溶液をドラム
あるいはベルト上に流延・加熱し、自己支持性のあるポ
リアミック酸フィルムとなったところで前記ドラムある
いはベルトから剥離し、その後さらに高温で加熱しイミ
ド化反応(脱水閉環反応)を進行させることによって製
造されるため、分子構造の収縮による反りの発生、ドラ
ムあるいはベルト側の表面平滑性が充分でない、ドラム
あるいはベルト上の異物による表面欠陥を招きやすい、
フィルム中のボイドや表面荒れを生じやすいなどの問題
点があり、本目的においては表面平滑性および表面均一
性という機能面において不充分である。
【0007】本発明は上記点に鑑みなされたもので、磁
気記録層がスパッタリングなどの真空製膜法によって作
製されるのに適した耐熱性および表面平滑性を有するフ
レキシブルな磁気記録媒体用支持体およびその製造方法
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
を解決すべく鋭意検討した結果、既にイミド化が完結し
た溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液を表面が平滑な固体
基板上に塗布し、脱溶媒後剥離して得られるポリイミド
フィルムが極めて平滑な表面を有しており、磁気記録層
がスパッタリングによって作製されるフレキシブルな磁
気記録媒体用支持体としての機能を満たしていることを
見出し本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明にかかる磁気記録媒体用
支持体は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液が表面が平
滑な固体基板上に塗布され、脱溶媒後剥離して得られる
ポリイミドフィルムで形成してなることを特徴とするも
のである。
【0010】前記支持体は、厚さが3μm以上200μ
m以下であることが望ましい。また、そのガラス転移温
度Tg が200℃以上であることが好ましい。さらに、
前記支持体の両表面の中心線表面粗さRa が、1.5n
m以下であるものが好適である。
【0011】一方、本発明にかかる磁気記録媒体用支持
体の製造方法は、溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液を表
面が平滑な固体基板上に塗布し、脱溶媒後剥離してポリ
イミドフィルムを得ることを特徴とするものである。
【0012】前記脱溶媒のための乾燥において、乾燥開
始時の温度が20℃以上150℃未満であり、乾燥プロ
セス中10分間以上は200℃以上に加熱することが望
ましい。また、溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液の塗布を
スピンコート法で行うのが好適である。
【0013】前記溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液として
のイミド化反応が完結したポリイミド溶液の開発は、例
えば特公平5−62893号、特開平7−228857
号、特開平11−29705号、Y.Kawashima et a
l.,Polyimides:Materials,Chemistry and Characte
rization,123(1989)などに示されるように広く行われて
おり、脱溶媒のみでポリイミドフィルムを得ることがで
きるために、ポリイミドの耐熱性や機械特性を損なうこ
となく表面平滑性を向上させることができ、これらのも
のが使用可能である。
【0014】溶剤可溶性ポリイミド溶液の濃度に依存し
て、脱溶媒後の膜厚は塗布直後の膜厚の1/4〜1/2
0に減少する。フレキシブルなスパッタ型磁気記録媒体
用支持体として用いるには膜厚は好ましくは3〜200
μm、さらに好ましくは30〜150μmである。3μ
mより薄ければ剛性が足りないためにスパッタ膜の内部
応力によるカール量が大きすぎてしまい、200μmよ
り厚ければ剛性が高すぎるためにフレキシビリティーが
失われ、磁気記録媒体としたときのサーマルアスペリテ
ィやドロップアウトなどの機能的欠陥の発生をもたら
す。
【0015】また上記範囲内の最終膜厚を達成するため
には、塗布膜厚が数十〜数百μmという膜厚でなければ
ならない。溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液は一般に数百
Pa・s以上(数千cP以上)と高粘度であり、このよ
うな高粘度液体を厚膜で均一に塗布する目的にはスピン
コート法が好適であるが、バーコート法などの塗布も可
能である。
【0016】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、既にイミ
ド化が完結した溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液を表面
が平滑な固体基板上に塗布し、脱溶媒後剥離して表面が
極めて平滑なポリイミドフィルムを得て磁気記録媒体用
支持体とすることにより、望ましい耐熱性と機械的特性
を持つと同時に非常に均一かつ平滑な表面を有して、ス
パッタリングプロセスにおいて熱収縮や変形を起こさ
ず、また該支持体上に形成された磁気記録層の表面平滑
性も向上するために、理想的なモルフォロジーを持つ磁
気記録層と高い電磁変換特性が同時に達成され、非常に
高密度な磁気記録媒体の実現が可能である。
【0017】従来のポリイミドの前駆体であるポリアミ
ック酸の溶液製膜では、イミド化反応(脱水閉環反応)
を伴うためにボイドや表面荒れおよび反りを生じやす
く、またイミド化反応を完結させるための熱処理に時間
がかかるなどの問題があるが、前記イミド化反応が完結
したポリイミド溶液は、脱溶媒のみでポリイミドフィル
ムを得ることができ、ポリイミドの耐熱性や機械特性を
損なうことなく表面平滑性を向上させることができた。
【0018】また、ポリイミドフィルムの膜厚を3〜2
00μmとすると、フレキシブルなスパッタ型磁気記録
媒体用支持体として、磁気記録層を形成するに充分な剛
性と、良好な磁気記録特性が得られるフレキシビリティ
ーが確保できる。さらに、ポリイミドフィルムのガラス
転移温度Tg を200℃以上とすることで、真空製膜法
で磁気記録層を形成する際の充分な耐熱性が確保でき
る。
【0019】さらに、ポリイミドフィルムの両表面の中
心線表面粗さRa が1.5nm以下と極めて平滑なもの
が得られることで、これに形成した磁気記録層表面の平
滑性が確保でき、その磁気記録特性が良好で、高密度記
録の信頼性を高めることができる。
【0020】一方、溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液の固
体基板への塗布をスピンコート法で行うと、高粘度の樹
脂溶液を厚膜で均一に塗布することが可能で、ドラムや
エンドレスベルト上への溶液の流延による通常の溶液製
膜法では、溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液を用いても、
やはり表面平滑性が充分でない、異物による表面欠陥を
招きやすいという問題があるが、スピンコート法ではバ
ッチプロセスであるために、表面が極めて平滑な、例え
ばシリコンウェハのような固体基板上に塗布することが
できる、異物除去がしやすいなどの長所がある。
【0021】また磁気記録媒体用支持体として特にフレ
キシブルディスク支持体として用いる場合、連続プロセ
スで作製したフィルムは、打ち抜きなどの二次加工によ
ってディスク形状にする必要があるが、スピンコート法
では塗布の時点で目的のディスク形状(ドーナツ型)を
作製することも可能であり二次加工を省略し得る。さら
には、磁気記録媒体としたときのトラッキング特性は、
スパッタプロセスにおけるディスク状支持体の半径方向
の収縮率に異方性があると悪化するが、スピンコート法
の場合はその他の製膜法に比べて半径方向の面内等方性
が高いために高いトラッキング特性が期待できる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の磁気記録媒体用支
持体およびその製造方法の実施の形態を示し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0023】本発明の磁気記録媒体用支持体は、基本的
に、磁気記録層がスパッタリング等の真空製膜法によっ
て作製されるフレキシブルなものであり、既にイミド化
が完結した溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液を表面が平
滑な固体基板上に塗布し、脱溶媒後剥離して得られるポ
リイミドフィルムで構成されてなる。この支持体は、厚
さが3〜200μm(例えば、70〜100μm)で、
そのガラス転移温度Tg が200℃以上、両表面の中心
線表面粗さRa が、測定範囲が1次元測定の場合測定長
300μm以下、2次元測定の場合300μm角のエリ
アより狭い範囲において、1.5nm以下に形成されて
いる。
【0024】上記支持体の製造方法は、溶剤可溶性ポリ
イミド樹脂の溶液を表面が平滑な固体基板上にスピンコ
ート法またはバーコート法により塗布し、乾燥開始時の
温度が20〜150℃であり、その昇温に伴う乾燥プロ
セス中10分間以上は200℃以上に加熱する脱溶媒
後、固体基板より剥離してポリイミドフィルムを得る。
【0025】本発明において、溶剤可溶性ポリイミドと
は、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフロロプロパ
ン二無水物等の酸成分の1種もしくは2種以上と、4,
4'−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[4
−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[3−(p−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(p−アミノフェニルチオエーテ
ル)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(p−アミノ
フェニルチオエーテル)フェニル]プロパン、4,4'−
ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3'−ビ
ス(p−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,4'−ビス
(p−アミノフェノキシ)ジフェニル、4,4'−ビス(p
−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3,3'−ビ
ス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3,
4'−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン、4,4'−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフェニル
エーテル、3,3'−ビス(p−アミノフェノキシ)ジフ
ェニルエーテル、3,4'−ビス(p−アミノフェノキ
シ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(p−アミノフ
ェノキシ)ジフェニルスルフィド、3,3'−ビス(p−
アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、3,4'−ビ
ス(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルフィド、4,
4'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフェニ
ル、3,3'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)
ジフェニル、3,4'−ビス(p−アミノフェニルチオエ
ーテル)ジフェニル、4,4'−ビス(p−アミノフェニ
ルチオエーテル)ジフェニルスルホン、3,3'−ビス
(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフェニルスルホ
ン、3,4'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)
ジフェニルスルホン、4,4'−ビス(p−アミノフェニ
ルチオエーテル)ジフェニルエーテル、3,3'−ビス
(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフェニルエーテ
ル、3,4'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)
ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(p−アミノフェニ
ルチオエーテル)ジフェニルスルフィド、3,3'−ビス
(p−アミノフェニルチオエーテル)ジフェニルスルフィ
ド、3,4'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)
ジフェニルスルフィド、4,4'−ビス(p−アミノフェ
ノキシ)ベンゾフェノン、3,3'−ビス(p−アミノフ
ェノキシ)ベンゾフェノン、3,4'−ビス(p−アミノ
フェノキシ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(p−アミ
ノフェニルチオエーテル)ベンゾフェノン、3,3'−ビ
ス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベンゾフェノン、
3,4'−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベン
ゾフェノンなどのジアミン成分の1種もしくは2種以上
とを組み合わせて得られるポリイミドで有機溶媒に可溶
なものをいう。
【0026】本発明において、有機溶媒もしくは有機溶
剤とは、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
N,N−ジメトキシアセトアミド、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−
2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオ
キサン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン
のうち単独もしくは2種以上の混合溶媒のことである。
中でもN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。本発明
の目的を損なわない範囲で前記有機溶媒中にレベリング
剤などの添加剤を含有していても良い。
【0027】溶剤可溶性ポリイミド溶液は、上記の有機
溶媒に溶剤可溶性ポリイミドを溶解させたものであり、
0.1〜40Pa・s(1〜400P(ポアズ))の粘度
が好ましい。さらに好ましくは1〜30Pa・s(10
〜300P)の粘度である。粘度が0.1Pa・s(1
P)未満であると均一な厚膜が作製しにくく、40Pa
・s(400P)を超える場合には作業性に劣る、もし
くは樹脂が析出するなどの問題がある。本発明の目的を
損なわない範囲で他の熱可塑性樹脂、例えばポリエーテ
ルスルホン、ポリスルホン、ポリカーボネイト、ポリフ
ェニルスルフィド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、
ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリフェニレ
ンオキシドなどと混合させることもできる。
【0028】本発明において、固体基板とは、シリコン
ウェハ、ガラス基板、アモルファスカーボン基板、ステ
ンレス基板などの無機材料の固体基板であって、その表
面が研磨されており平坦性が高くかつ中心線表面粗さR
a が10nm以下、好ましくは5nm以下、さらに好ま
しくは1.5nm以下であるものをいう。本発明の目的
を損なわない範囲で、該固体基板上に真空蒸着、CV
D、プラズマCVD、スパッタ、イオンプレーティン
グ、電気化学的堆積法などの方法によって他の材料の薄
膜が形成されていても良い。ポリイミドフィルムを形成
後、剥離する際の抵抗(密着力)が小さいものが好まし
い。
【0029】本発明におけるスピンコート法などによる
製膜条件は、特に限定されるものではなく、前記溶剤可
溶性ポリイミド溶液の粘度や目的とする支持体の厚みな
どによって変化する。塗布プロセスにおける雰囲気の溶
媒蒸気圧はコントロールされていることが好ましく、塗
布中においては溶媒の飽和蒸気圧が保たれており、塗布
プロセスと乾燥プロセスが可能な限り分離されていれば
なお好ましい。
【0030】本発明における脱溶媒は、恒温乾燥器、ク
リーンオーブン、あるいは減圧乾燥器などの乾燥器内で
加熱することによって行うが、その際乾燥開始時の温度
が20℃以上150℃未満であり、乾燥プロセス中10
分間以上は200℃以上に加熱するように設定される。
乾燥開始時の温度が20℃未満の場合には溶媒が蒸発し
にくく乾燥時間がかかりすぎるほか、吸湿などによって
塗膜が劣化する恐れがあり、150℃以上の場合には急
激な溶媒の蒸発による塗膜表面の収縮などが発生し平坦
性および表面平滑性が悪化する。従って乾燥開始からし
ばらくは低い温度(20〜150℃)で乾燥させ、ある
程度乾燥が進んだところで乾燥温度を上昇させ、少なく
とも10分間以上は200℃以上に加熱することが望ま
しい。乾燥温度を上昇させずに乾燥を終了させるとフィ
ルム中の残留溶媒量が多くなり、スパッタ装置のチャン
バー内で脱溶媒が起こりチャンバーを汚染してしまう。
乾燥温度は好ましくはガラス転移温度Tg 付近まで上昇
させるのが良い。本発明の目的を損なわない範囲で、ホ
ットプレートのような発熱体を固体基板の塗膜と反対側
から接近させて乾燥させる方法を用いても良い。
【0031】このようにして作製されるポリイミドフィ
ルムの支持体はその表面が非常に平滑であるため、該支
持体上にスパッタリングによって強磁性金属薄膜を形成
させると、その表面平滑性ゆえに極めて高い電磁変換特
性が得られ、従来にない高密度なフレキシブル磁気記録
媒体の実現が可能となる。なお本発明の目的を損なわな
い範囲で、易滑性を付与し走行耐久性を向上させる目的
で、例えば特開平8−185619号に示されるような
方法によって、該支持体表面に無機微粒子を含む層を設
けても良い。
【0032】本発明の磁気記録媒体用支持体は、本発明
の目的を損なわない範囲で、公知の添加剤、例えば耐熱
安定剤、耐酸化安定剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤など
を含有していても良い。
【0033】本発明の磁気記録媒体用支持体が適用され
る高密度磁気記録媒体の磁気記録層とは、スパッタリン
グなどの真空製膜法によって形成される強磁性金属薄膜
層を含む積層膜(他の層は、例えば下地層、非磁性層、
保護層などである)のことであり、該強磁性金属薄膜層
を少なくとも1層含んでいればその層構成や膜厚は特に
限定されない。
【0034】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その表面性状を評価する。本発明はこれらの実施例
によって限定されるものではない。
【0035】<実施例1>3,3',4,4'−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)と芳
香族ジアミンとの重縮合反応によって得られる溶剤可溶
性ポリイミドの樹脂濃度20wt%のNMP(N−メチ
ル−2−ピロリドン)溶液(新日本理化社製リカコート
SN−20)を、24時間冷暗所で静置し気泡を除去し
た後、直径8.9cm(3.5インチ)のシリコンウェ
ハ(固体基板)の100面上にバーコート法で塗布し
た。
【0036】その後クリーンオーブンにて、50℃で1
時間の予備乾燥、昇温速度3.0℃/分で150℃まで
昇温、150℃で1時間の乾燥、昇温速度3.0℃/分
で250℃まで昇温することによって、シリコンウェハ
上に最終膜厚が約70μmのポリイミドフィルムを形成
した。
【0037】該ポリイミドフィルムをシリコンウェハか
ら慎重に剥離し、その表面を計測器AFM(デジタルイ
ンストルメント社製)およびTOPO−3D(WYKO
社製)によって評価した。その評価結果(表面粗さRa)
を表1に示す。またAFMによる突起分布解析の結果を
表2に示す。
【0038】前記AFMは1次元測定を行い、TOPO
−3Dは二次元測定を行うものであり、表1における中
心線表面粗さRa の測定範囲は、AFMでは30×30
μm、TOPO−3Dでは242×184μmである。
また表2における突起分布は、30×30μmの領域の
AFM測定で検出された、中心線より高さ5,10,1
5,…,35nm以上の突起の延べ数である。例えば、
中心線より高さ7,12,28nmの突起がそれぞれ1
個ずつ存在した場合、表2中の「例」欄に示したような
結果になる。
【0039】<実施例2>実施例1と同様の溶剤可溶性
ポリイミド溶液を24時間冷暗所で静置し気泡を除去し
た後、直径12.7cm(5インチ)のシリコンウェハ
の100面上にスピンコート法で塗布した。塗布におけ
る基板回転数は250rpmで回転時間は50秒とし
た。
【0040】その後クリーンオーブンにて、50℃で1
時間の予備乾燥、昇温速度2.5℃/分で200℃まで
昇温、200℃で1時間の乾燥、昇温速度2.3℃/分
で280℃まで昇温することによって、シリコンウェハ
上に最終膜厚が約100μmのポリイミドフィルムを形
成した。該ポリイミドフィルムをシリコンウェハから慎
重に剥離し、同様にその表面を前記AFMおよびTOP
O−3Dによって評価した。その評価結果(表面粗さR
a)を表1に示す。またAFMによる突起分布解析の結
果を表2に示す。
【0041】<実施例3>実施例1と同様の溶剤可溶性
ポリイミド溶液を24時間冷暗所で静置し気泡を除去し
た後、直径12.7cm(5インチ)のシリコンウェハ
の100面上にスピンコート法で塗布した。塗布におけ
る基板回転数は150rpmで回転時間は100秒とし
た。
【0042】その後クリーンオーブンにて、50℃で1
時間の予備乾燥、昇温速度2.5℃/分で200℃まで
昇温、200℃で1時間の乾燥、昇温速度2.3℃/分
で280℃まで昇温することによって、シリコンウェハ
上に最終膜厚が約140μmのポリイミドフィルムを形
成した。該ポリイミドフィルムをシリコンウェハから慎
重に剥離し、同様にその表面を前記AFMおよびTOP
O−3Dによって評価した。その評価結果(表面粗さR
a)を表1に示す。またAFMによる突起分布解析の結
果を表2に示す。
【0043】<比較例1〜3>この比較例は既存の三菱
化成社(現三菱化学社)製ポリイミドフィルムであり、
比較例1がLot.A1108C(厚み51μm)、比
較例2がLot.A1094B(厚み51μm)、比較
例3がLot.A1096B(厚み72μm)であり、
ポリアミック酸の溶液により連続プロセス製膜されたも
のである。その表面を前記TOPO−3Dによって評価
した。その評価結果(表面粗さRa)を表1に示す。また
AFMによる突起分布解析の結果を表2に示す。
【0044】<比較例4>この比較例も既存の宇部興産
社製ポリイミドフィルムで、Lot.50S510(厚
み50μm)であり、その表面を前記TOPO−3Dに
よって評価した。その評価結果(表面粗さRa)を表1に
示す。またAFMによる突起分布解析の結果を表2に示
す。
【0045】<比較例5>この比較例は既存の帝人社製
ポリエチレンナフタレートフィルムで、厚み50μmで
あり、その表面を前記TOPO−3Dによって評価し
た。その評価結果(表面粗さRa)を表1に示す。
【0046】<比較例6>この比較例も既存の東レ−デ
ュポン社製ポリイミドフィルム(カプトン、厚み47.
2μm)であり、その表面を前記TOPO−3Dによっ
て評価した。その評価結果(表面粗さRa)を表1に示
す。
【0047】<比較例7,8>この比較例は既存の東レ
社製ポリフェニレンスルフィドフィルムで、比較例7が
厚み50μmで、比較例8が厚み73μmであり、その
表面を前記TOPO−3Dによって評価した。その評価
結果(表面粗さRa)を表1に示す。
【0048】<比較例9,10>この比較例は既存の旭
化成社製アラミドフィルム(アラミカ)で、比較例9が
厚み38μmで、比較例10が厚み50μmであり、そ
の表面を前記TOPO−3Dによって評価した。その評
価結果(表面粗さRa)を表1に示す。
【0049】表1の結果より、各比較例1〜10では中
心線表面粗さRa が二次元測定で1.5nmを越えて大
きいのに対し、本発明実施例1〜3では1nm以下の小
さな値で、良好な表面平滑性が得られている。また、表
2の結果より、突起分布においても比較例1〜4では1
5nm以下の突起が表裏両面で特に固体基板側で顕著に
発生しているのに対し、本発明実施例1〜3では低いも
のを含めても全体で1桁の個数であり、20nmを超え
るような高い突起の出現は極めて少ないものであり、高
い平滑性が得られている。これに伴い、磁気記録層を形
成した際の表面平滑性が確保でき、高密度記録に対応可
能となった。
【0050】
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 79:00 C08L 79:00 Fターム(参考) 4F071 AA60 AA86 AE19 AF26 AF27 AF45 AG12 AG34 AH14 BA02 BB02 BC01 BC12 4F205 AA40 AC05 AG01 AH38 GA07 GB01 GC06 GF24 GN13 GN21 5D006 CB02 CB07 5D112 AA02 BA01 BA09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液が表面
    が平滑な固体基板上に塗布され、脱溶媒後剥離して得ら
    れるポリイミドフィルムで形成してなることを特徴とす
    る磁気記録媒体用支持体。
  2. 【請求項2】 膜厚が3μm以上200μm以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体用支持
    体。
  3. 【請求項3】 ガラス転移温度Tg が200℃以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録
    媒体用支持体。
  4. 【請求項4】 両表面の中心線表面粗さRa が、1.5
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の磁気記録媒体用支持体。
  5. 【請求項5】 溶剤可溶性ポリイミド樹脂の溶液を表面
    が平滑な固体基板上に塗布し、脱溶媒後剥離してポリイ
    ミドフィルムを得ることを特徴とする磁気記録媒体用支
    持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 脱溶媒のための乾燥において、乾燥開始
    時の温度が20℃以上150℃未満であり、乾燥プロセ
    ス中10分間以上は200℃以上に加熱することを特徴
    とする請求項5に記載の磁気記録媒体用支持体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 溶剤可溶性ポリイミド樹脂溶液の塗布を
    スピンコート法で行うことを特徴とする請求項5または
    6に記載の磁気記録媒体用支持体の製造方法。
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