JP2009074009A - プリプレグおよびゴルフクラブシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明によれば、十分な静的曲げ強度を有し、かつ衝撃破損時に分断しない高い安全性を有するゴルフクラブシャフトを得ることが出来る。
【解決手段】
下記[A]〜[D]の条件を満たす炭素繊維と、[a]3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を20〜50重量部と、[b]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を50〜80重量部とを含むエポキシ樹脂と、[c]ジシアンジアミドまたはその誘導体を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含み、かつその樹脂硬化物の曲げ弾性率が3.8〜5.0GPaであるエポキシ樹脂組成物を組み合わせてなるプリプレグ。
[A]引張弾性率が295±10の範囲内にあること
[B]引張強度が5400〜6500MPaの範囲内にあること
[C]実質的に真円状の断面を有すること
[D]平均繊維径が5.0〜7.0μmの範囲内にあること

【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維とマトリックス樹脂を用いた繊維強化複合材料材に関し、軽量であり、かつ十分な静的曲げ強度を持ちながら、衝撃時に容易に分断しない安全性の高いゴルフシャフト成形材料に関するものである。
炭素繊維を強化繊維として用いた炭素繊維強化複合材料は、軽量性とその高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車などの構造材料用途や、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿などのスポーツ用途などに広く利用されている。これら用途の中でも、ゴルフクラブシャフトには極限レベルの軽量性が求められるもののひとつである。
繊推強化複合材料の製造方法には、強化繊維に未硬化のマトリックス樹脂が含浸されたシート状中間材料であるプリプレグを用い、それを複数枚積層した後、加熱硬化させる方法や、モールド中に配置した強化繊維に液状の樹脂を流し込こみ加熱硬化させるレジン・トランスファー・モールディング法などが用いられている。これらの製造方法のうちプリプレグを用いる方法は、強化繊維の配向を厳密に制御でき、また積層構成の設計自由度が高いことから、高性能な繊維強化複合材料を得やすい利点があることから、ゴルフクラブシャフトのように極限性能を追求する炭素繊維強化複合材料において、広く用いられている。
ゴルフクラブシャフトにおいては、炭素繊維強化複合材料を適用することによって軽量化を進めてきたが、その前提として、一定の機械強度を保つこと、すなわち、運搬時の積み重なりの荷重に耐えたり、バッグからの取り出し時のたわみ変形に耐える高い静的曲げ強度が必要である。
また、実際の使用の場では、通常の(ボールを打つ)使用以外に、ミスショットなどで地面や石、樹木を強打したり、他のプレイヤーが打ったボールがゴルフクラブシャフトの側面に当たるなど不測の事態による強い衝撃がゴルフクラブシャフト加わる可能性があり、かかる場合においてもゴルフクラブシャフトが容易に分断しないことが好ましいとされている。
このようにゴルフクラブシャフトには、高い静的曲げ強度と、強い衝撃が加わった場合でも分断しないことが求められる特性であるが、ゴルフクラブシャフトに本来求められる軽量性等の特性を犠牲にすることなく上記特性を両立する技術は得られていなかった。
例えば、引用文献1では、強化繊維として炭素繊維に加え、高伸度有機繊維を配合することで、衝撃破損時のゴルフクラブシャフトの分断を抑える技術が開示されている。ただし、このような高伸度有機繊維を使用した場合、シャフトの静的曲げ強度が不十分となり、破損の頻度そのものは高くなる傾向にあった。また、引用文献2では、ゴルフクラブシャフト長手方向に配向した炭素繊維を有する層のマトリックス樹脂を高弾性率化することで、管状体の静的曲げ強度を向上する技術が開示されているが、本技術においては衝撃に対する分断抑制効果は不十分でであった。
上記のように、軽量性等の特性を犠牲にすることなく静的機械特性と衝撃時の分断耐性を備えたゴルフクラブシャフトを得ることが可能なプリプレグが、求められていた。
国際公開第98/47693号パンフレット 特開2002−067176号公報
本発明の目的は、高い静的曲げ強度を持ち、衝撃破損時に分断しないゴルフクラブシャフトを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を組み合わせてなるプリプレグは下記構成から成るものである。すなわち、[A]〜[D]の条件を満たす炭素繊維と、[a]3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を20〜50重量部と、[b]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を50〜80重量部とを含むエポキシ樹脂と、[c]ジシアンジアミドまたはその誘導体を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含み、かつその硬化物の曲げ弾性率が3.8〜5.0GPaであるエポキシ樹脂組成物を組み合わせてなるプリプレグである。
[A]引張弾性率が280〜350GPaの範囲内にあること
[B]引張強度が5600〜6500MPaの範囲内にあること
[C]実質的に真円状の断面を有すること
[D]平均径が5.0〜7.0μmの範囲内にあること
さらに、本発明のゴルフクラブシャフトは、上記プリプレグを硬化することで得られる。
本発明によれば、十分な静的曲げ強度を有し、かつ衝撃破損時に分断しない高い安全性を有するゴルフクラブシャフトを得ることが出来る。
本発明におけるプリプレグは、下記[A]〜[D]の条件を満たす炭素繊維と、[a]3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を20〜50重量部と、[b]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を50〜80重量部とを含むエポキシ樹脂と、[c]ジシアンジアミドまたはその誘導体を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含み、かつ硬化物の曲げ弾性率が3.8〜5.0Gpaであるエポキシ樹脂組成物を組み合わせてなるものであり、上記条件を満たすプリプレグを積層、硬化させることで目的とする静的曲げ強度を有し、かつ衝撃破損時に分断しないゴルフクラブシャフトが得られる。
[A]引張弾性率が295±10GPaの範囲内にあること
[B]引張強度が5400〜6500MPaの範囲内にあること
[C]実質的に真円状の断面を有すること
[D]平均径が5.0〜7.0μmの範囲内にあること
本発明において、分断とは、かかるゴルフクラブシャフトに、曲げ衝撃応力等が付与された際に、独立した2つの断片に切断されることをいう。従来の、分断抑制効果のないゴルフクラブシャフトでは、衝撃エネルギーが円筒の円周方向全体へ直接伝搬し、分断しやすかった。一方、本発明のゴルフクラブシャフトは、十分な炭素繊維の引張強度とエネルギー吸収能力を併せ持つことから、円周方向全体の炭素繊維の破断を免れ、衝撃破損時においても、曲げ衝撃付与サイド、もしくは該サイドと円周方向に対し反対サイドの少なくともいずれかのサイドの炭素繊維の少なくとも一部が破断しないことにより、繋がった形態を示すものである。
本発明において、上記[A]〜[D]の条件を満たす炭素繊維を強化繊維に、特定範囲の弾性率を有する特定配合のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂に、用いたプリプレグを用いることで、驚くべきことに高い静的曲げ強度を維持しつつ衝撃破損時に顕著に分断しにいゴルフクラブシャフトを得ることができることを見いだした。詳細なメカニズムは不明だが、炭素繊維の高い引張強度による分断抑制効果と断面形状が実質的に真円状かつ比較的太径であることで炭素繊維とマトリックス樹脂界面でのエネルギー吸収が顕著になったものと考えられる。また、かかるエポキシ樹脂組成物が十分な塑性変形能力を有することで、マトリックス樹脂においてもエネルギー吸収が顕著になったものと思われる。
本発明において用いられる炭素繊維は、引張弾性率が295±10GPaである(条件[A])。かかる弾性率の炭素繊維は、十分な剛性と静的曲げ強度を得ることができることから、ゴルフクラブシャフトのシャフト軸方向に用いられる場合が多く、かかる弾性率の炭素繊維を用いたプリプレグに分断抑制効果を付与することが出きると、ゴルフクラブシャフトの設計上非常に有利となるためである。
ここで、引張弾性率を295±10GPaとしたのは、3%程度の特性のバラツキをは許容範囲であることを意味する。
本発明において用いられる炭素繊維は、引張強度が5400〜6500MPaの範囲内にあることが必要であり(条件[B])、5600〜6500MPaであることが好ましい。かかる引張強度が5400MPa未満であると、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。一方で、ゴルフシャフトの衝撃時の分断が起こりにくくなるという面から、引張強度は高ければ高いほど好ましいが、現段階で、引張強度が6500Mpaを超える炭素繊維は入手困難であることから上限としたものである。今後、より高い引張強度を有する炭素繊維が入手可能となった場合は、好ましく適用できる。
ここでいう炭素繊維の引張弾性率と引張強度は、JIS R7601(1986)にしたがって測定されるストランド引張弾性率とストランド引張強度を意味する。
本発明において用いられる炭素繊維は、アクリル系、ピッチ系、レーヨン系等に分類される。中でも、引張強度の高いアクリル系炭素繊維が好ましい。本発明に好適に用いることができるアクリル系炭素繊維は、例えば以下に述べる工程を経て製造することができる。アクリロニトリルを主成分とするモノマーから得られるポリアクリロニトリルを含む紡糸原液を、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法、又は溶融紡糸法により紡糸する。紡糸後の凝固糸は、製糸工程を経てアクリル系プリカーサーとし、続いて耐炎化、炭化などの工程を経てアクリル系炭素繊維を得ることができる。ここで、紡糸方法としては湿式紡糸法または乾湿式紡糸法が好ましい。さらには、繊維表面に微細な凹凸を持たず、極めて高度の平滑性を有していることから、プリプレグ製造時の糸の拡がり性、プリプレグの品位、プリプレグの取り扱い性が良好であり、また、繊維表面が平滑で応力集中を生じにくいため、ゴルフクラブシャフトの分断制御効果を得やすいという観点から、ポリアクリロニトリルを含む紡糸原液を乾湿式紡糸することによって得たプリカーサーを原料として製造された炭素繊維を用いることがより好ましい。
炭素繊維の形態としては、有燃糸、解燃糸、無燃糸などが使用できるが、糸の拡がり性、プリプレグの品位、取り扱い性が良好な無撚糸が好ましい。ここでいう、無撚り糸とは、通常、撚り数が0.5ターン/m以下のものをいう。
本発明において用いられる炭素繊維は、実質的に真円状の断面を有することが必要である(条件[C])。ここで、断面形状が実質的に真円状であるとは、光学顕微鏡を用いて測定される単糸の断面の長径Rと短径rの比(r/R)が0.9以上であることをいう。ここで、長径Rとは、単糸の外接円の直径を指し、短径rとは、単糸の内接円の直径を指す。真円状でない場合、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時、分断しやすいものとなる。
また、本発明において用いられる炭素繊維は、原子間力顕微鏡を用いて測定される表面積比が1.00〜1.05、表面粗さRaが1〜10nmであることが好ましく、表面積比が1.00〜1.03、表面粗さRaが1〜7nmであればより好ましい。Raが1nm未満の場合、プリプレグ表面が平滑するので好ましいが、現状ではこのような炭素繊維はない。かかる表面積比は強化繊維表面の実表面積と投影面積との比で、表面の粗さの度合いを表しており、強化繊維表面に凹凸が全くない場合、1.00である。表面積比が1.05を超えたり、表面粗さRaが10nmを越えると、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時、分断しやすいものとなる場合がある。
また、本発明における炭素繊維は、X線光電子分光法により測定される炭素Cに対する酸素Oの原子数比、即ち表面比酸素濃度(以下、O/Cと略記)を特定の範囲とすると、本発明の効果を十分に発揮できる。具体的には、本発明における炭素繊維は、O/Cが0.05〜0.15の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.07〜0.12の範囲内にあるのが良い。O/Cが0.15を超えると、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる場合がある。O/Cが0.05未満であると、ゴルフクラブシャフトの静的曲げ強度が低下する場合がある。
本発明において用いられる炭素繊維は、光学顕微鏡を用いて測定される平均繊維径が5.0〜7.0μmの範囲内であることが必要(条件[D])であり、5.3〜6.5μmであることが好ましい。かかる平均径が5.0μm未満であると、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。一方で、7.0μmを超える場合、静的曲げ強度が低下してしまう。
かかる条件[A]〜[D]を満たす炭素繊維の製品としては、“トレカ(登録商標)”T800S(東レ(株)製)等が挙げられる。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の曲げ弾性率は、3.8〜5.0GPaである必要があり、4.2〜4.5GPaであることがより好ましい。かかる硬化物は、エポキシ樹脂組成物を室温から1.5℃/分の昇温速度で昇温後130℃、2時間の条件で硬化して得られるものである。かかる曲げ弾性率が3.8GPaに満たない場合、ゴルフクラブシャフトの静的曲げ強度が不十分となる。5.0GPaを超える場合、塑性変形能力が不十分となり、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。ここでいう曲げ弾性率は、JIS K7171(1999)にしたがって測定される。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物は、[a]3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を20〜50重量部と、[b]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を50〜80重量部とを含むエポキシ樹脂と、[c]ジシアンジアミドまたはその誘導体を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含むことで、かかる硬化物が、所望の耐熱性を発現しつつ、弾性率と塑性変形能力のバランスがこれまでになく優れたものとなる。かかるエポキシ樹脂組成物に、所定の炭素繊維を組み合わせることで、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断抑制効果が顕著となり、初めて本発明の効果が発揮されるものとなる。
本発明において、[a]成分として、3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を、全エポキシ樹脂100重量部のうち20〜50重量部含むことが必要であり、好ましくは25〜45重量部、さらに好ましくは30〜40重量部含むことが望ましい。これにより、硬化物の耐熱性や靭性を維持しつつ弾性率を向上できる。20重量部に満たない場合、硬化物の弾性率が不十分となり、ゴルフクラブシャフトの静的曲げ強度が不十分となる。50重量部を超える場合、塑性変形能力が不十分となり、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。
かかる3官能以上のアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン、アルキル置換体、これらの水素添加物などを使用することができる。特に、高い樹脂弾性率を付与できることから、トリグリシジルアミノフェノールやトリグリシジルアミノクレゾール等の3官能アミノフェノール型エポキシ樹脂が好ましく使用できる。
前記テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製)、YH434L(東都化成(株)製)、“jER(登録商標)”604(ジャパンエポキシレジン(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、“アラルダイド(登録商標)”MY721(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)等を使用することができる。トリグリシジルアミノフェノール又はトリグリシジルアミノクレゾールとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、“スミエポキシ(登録商標)”ELM120(以上、住友化学工業(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、“アラルダイド(登録商標)”MY0510、“アラルダイド(登録商標)”MY0600(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)、“jER(登録商標)”630(ジャパンエポキシレジン(株)製)等を使用することができる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加物として、“TETRAD(登録商標)”−X、“TETRAD(登録商標)”−C(以上、三菱ガス化学(株)製)等を使用することができる。
本発明において、[b]成分として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、全エポキシ樹脂100重量部のうち50〜80重量部含むことが必要であり、好ましくは55〜75重量部、さらに好ましくは60〜70重量部含むことが望ましい。50重量部に満たない場合、塑性変形能力が不十分となり、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。80重量部を超える場合、硬化物の耐熱性が不十分となり、ゴルフクラブシャフトに反りやゆがみが発生する。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては“jER(登録商標)”806、“jER(登録商標)”807、“jER(登録商標)”4002P、“jER(登録商標)”4004P、“jER(登録商標)”4007P、“jER(登録商標)”4009P(以上ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF2001、“エポトート(登録商標)”YDF2004(以上東都化成(株)製)などが挙げられる。テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、YSLV−80XY(新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
本発明における[b]成分は、平均エポキシ当量が300〜800の範囲にあるものが好ましく用いられ、より好ましくは350〜750、さらに好ましくは400〜700の範囲にあることが望ましい。平均エポキシ当量が300に満たない場合、樹脂の架橋密度が高くなり、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる場合がある。800を超える場合、架橋密度の低下により、硬化物の耐熱性が不十分となり、ゴルフクラブシャフトに反りやゆがみが発生する場合がある。かかる平均エポキシ当量は、JIS K7236(2001)に記載された滴定試験により求めることができるが、エポキシ当量が既知である複数のエポキシ樹脂を併用する場合、以下とおり概算可能である。3品種を併用する場合を考える。例えば、エポキシ当量がEx(g/eq)のエポキシ樹脂XをWx重量部、エポキシ当量がEy(g/eq)のエポキシ樹脂YをWy重量部、エポキシ当量がEz(g/eq)のエポキシ樹脂ZをWz重量部配合する場合、その平均エポキシ当量は以下の計算式で求められる。
平均エポキシ当量=(Wx+Wy+Wz)/(Wx/Ex+Wy/Ey+Wz/Ez)
本発明におけるエポキシ樹脂100重量%のうち、[a]成分と[b]成分の和が80〜100重量%であることが好ましく、より好ましくは90〜100重量%であることが望ましい。これにより、樹脂の塑性変形能力を確保しつつ弾性率を大きく向上できる。70重量%に満たない場合、硬化物の弾性率向上が不十分となり、繊維強化複合材料の強度特性が不足する場合がある。
本発明における[c]成分は、エポキシ樹脂組成物を硬化させるために必要な成分であり、ジシアンジミドまたはその誘導体である。
[c]成分の配合量は、耐熱性や力学特性の観点から、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して1〜10重量部である必要があり、好ましくは2〜8重量部であることが望ましい。1重量部に満たない場合、硬化物の耐熱性が不十分となり、ゴルフクラブシャフトに反りやゆがみが発生する。10重量部を超える場合、硬化物の塑性変形能力が不足し、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる。[c]成分は、粉体として樹脂に配合することは、室温での保存安定性や、プリプレグ化時の粘度安定性の観点から好ましく用いられる。本発明において、[c]成分の平均粒径は10μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、7μm以下である。10μmを超えると、例えばプリプレグ用途で使用する場合、加熱加圧により強化繊維束に樹脂組成物を含浸させる際、[c]成分が強化繊維束中に入り込まず、繊維束表層に取り残される場合がある。
ジシアンジアミドの市販品としては、DICY−7、DICY−15(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)などが挙げられる。
ジアンジアミド単独で用いても良いし、ジシアンジアミドの硬化触媒や、その他のエポキシ樹脂の硬化剤と組み合わせて用いても良い。組み合わせるジシアンジアミドの硬化触媒としては、ウレア類、イミダゾール類、ルイス酸触媒などが挙げられ、その他のエポキシ樹脂の硬化剤としては、芳香族アミン硬化剤や、脂環式アミン硬化剤、酸無水物硬化剤などが挙げられる。ウレア類の市販品としては、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU99、保土ヶ谷化学(株)製)、1,1’−4(メチル−m−フェニレン)ビス(3,3’ジメチルウレア)(“オミキュア(登録商標)”24)、4,4’−メチレンビス(フェニルジメチルウレア)(“オミキュア(登録商標)”52)、3−フェニル−1,1’−ジメチルウレア(“オミキュア(登録商標)”94)(以上、ピー・ティ−・アイジャパン(株))などが挙げられる。イミダゾール類の市販品としては、2−メチルイミダゾール(“キュアゾール(登録商標)” 2MZ)、2−フェニルイミダゾール(“キュアゾール(登録商標)” 2PZ)、2−エチル−4メチルイミダゾール(“キュアゾール(登録商標)”2E4MZ)(以上、四国化成(株)製)などが挙げられる。ルイス酸触媒としては、三フッ化ホウ素・ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素・モノエチルアミン錯体、三フッ化ホウ素・トリエタノールアミン錯体、三塩化ホウ素・オクチルアミン錯体などの、ハロゲン化ホウ素と塩基の錯体が挙げられる。
また、本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物には未硬化時の粘弾性を調整して作業性を向上させたり、樹脂硬化物の弾性率や耐熱性を向上させる目的で、[a]成分および[b]成分以外のエポキシ樹脂を添加することができる。これらは1種類だけでなく、複数種組み合わせて添加しても良い。具体的には、ビスフェノールAから得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールSから得られるビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAから得られるテトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。また、これらのハロゲン、アルキル置換体、水素添加物なども使用することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”825、“jER(登録商標)”828、“jER(登録商標)”834、“jER(登録商標)”1001、“jER(登録商標)”1002、“jER(登録商標)”1003、“jER(登録商標)”1004、“jER(登録商標)”1007、“jER(登録商標)”1009、“jER(登録商標)”1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エポトート(登録商標)”YD−128、 “エポトート(登録商標)”YD−011、“エポトート(登録商標)”YD−014、“エポトート(登録商標)”YD−017、“エポトート(登録商標)”YD−019、“エポトート(登録商標)”YD−022、(以上、東都化成(株)製)、“エピクロン(登録商標)”840、 “エピクロン(登録商標)”850、 “エピクロン(登録商標)”1050、“エピクロン(登録商標)”3050、“エピクロン(登録商標)”、HM−101(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、“スミエポキシ(登録商標)”ELA−128(住友化学(株)製)、DER331(ダウケミカル社製)等を挙げることができる。
ビスフェノールS型エポキシ樹脂の市販品としては、“デナコール(登録商標)”EX−251(ナガセ化成工業(株)製)、“エピクロン(登録商標)”EXA−1514(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート(登録商標)”5050(ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”152(大日本インキ化学工業(株)製)、“スミエポキシ(登録商標)”ESB−400T(住友化学工業(株)製)、“エポトート(登録商標)”YBD−360(東都化成(株)製)を挙げることができる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート(登録商標)”152、“エピコート(登録商標)”154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、“エピクロン(登録商標)”N−770、“エピクロン(登録商標)”N−775(以上、大日本インキ化学工業(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”N−660、“エピクロン(登録商標)”N−665、“エピクロン(登録商標)”N−670、“エピクロン(登録商標)”N−673、“エピクロン(登録商標)”N−695(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の具体例としては、“デナコール(登録商標)”EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては“エピクロン(登録商標)”HP7200、“エピクロン(登録商標)”HP7200L、“エピクロン(登録商標)”HP7200H(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、Tactix558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル社製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート(登録商標)”YX4000H、“エピコート(登録商標)”YX4000、“エピコート(登録商標)”YL6616(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348(旭電化(株)製)などが挙げられる。
また、本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物は粘弾性を制御しプリプレグのタックやドレープ特性を改良したり、ゴルフクラブシャフトの力学特性を改良するため、熱可塑性樹脂をエポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含むことが好ましく、さらには3〜8重量部含むことが望ましい。
かかる熱可塑性樹脂としては、樹脂と強化繊維との接着性改善効果が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
水素結合性官能基としては、アルコール性水酸基、アミド結合、スルホニル基などを挙げることができる。
アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げることができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有してもよい。
エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニルアセタール樹脂として、デンカブチラールおよび“デンカホルマール(登録商標)”、(電気化学工業株式会社製)、“ビニレック(登録商標)”、(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR(登録商標)”PKHP(ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト(登録商標)”、(ヘンケル白水株式会社製)、“アミラン(登録商標)”CM4000(東レ株式会社製)、ポリイミドとして“ウルテム(登録商標)”、(ジェネラル・エレクトリック社製)、“Matrimid(登録商標)”5218(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victrex(登録商標)”、(三井化学株式会社製)、“UDEL(登録商標)”、(ユニオンカーバイド社製)、ポリビニルピロリドンとして、“ルビスコール(登録商標)”、(ビーエーエスエフジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂はエポキシ樹脂との相溶性が高く、粘弾性制御のために好適に用いられる。アクリル系樹脂の市販品を例示すると、“ダイヤナール(登録商標)”BRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M100,“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M500(以上、松本油脂製薬(株)製)などを挙げることができる。
また、本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物には、ゴルフクラブシャフトの耐衝撃性などを改良するため、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子や、無機粒子等を配合することも好ましい。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が、取り扱い性等の観点から好ましく用いられる。
架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋物からなるFX501P(日本合成ゴム工業社製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化成(株)製)等を使用することができる。
コアシェルゴム粒子の市販品としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる“パラロイド(登録商標)”EXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド(登録商標)”AC−3355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARALOID(登録商標)”EXL−2611、EXL−3387(Rohm&Haas社製)、“カネエース(登録商標)”MXシリーズ(カネカ(株)製)等を使用することができる。
熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド粒子やポリイミド粒子が好ましく用いられ、ポリアミド粒子の市販品として、SP−500(東レ(株)製)、“オルガソール(登録商標)”、(アルケマ社製)等を使用することができる。
本発明では、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子は、得られる硬化物の弾性率と靱性を両立させる点から、全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは1〜15重量部、さらにこの好ましくは2〜10重量部配合することが望ましい。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物の調製には、ニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機などが好ましく用いられる。エポキシ樹脂を混練後、熱可塑性樹脂を添加する場合には、撹拌しながら組成物の温度を任意の温度(たとえば90〜120℃)まで上昇させた後、その温度で撹拌しながら熱可塑性樹脂を溶解させる。その後、撹拌しながら好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下の温度まで下げて[c]成分ならびに硬化触媒を添加し混練する。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物をプリプレグ用途で用いる場合、タックやドレープなどのプロセス性の観点から、50℃における粘度が100〜10000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは200〜5000Pa・s、さらに好ましくは500〜3000Pa・sの範囲にあることが望ましい。100Pa・sに満たない場合、プリプレグの形状保持性が不十分となり割れが発生する場合があり、また成形時の樹脂フローが多く発生し、繊維含有量にばらつきを生じたりする場合がある。10000Pa・sを超える場合、樹脂組成物のフィルム化行程でかすれを生じたり、強化繊維への含浸工程で未含浸部分が発生する場合がある。ここでいう粘度は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES:TAインスツルメント社製)を用い、直径40mmのパラレルプレートを用い、昇温速度2℃/minで単純昇温し、周波数0.5Hz、ギャップ1mmで測定を行った複素粘弾性率ηのことを指している。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物の曲げ撓み量は、8〜20mmの範囲にあるものが好ましく用いられ、より好ましくは12〜20mm、さらに好ましくは14〜20mmの範囲にあることが望ましい。前記硬化物の曲げ撓み量が8mmに満たない場合、塑性変形能力が不足し、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる場合がある。一方で、ゴルフクラブシャフトの衝撃時の分断が起こりにくくなるという面から、曲げ撓み量は高いほど好ましいが、曲げ撓み量と曲げ弾性率はトレードオフの関係にあるため20mmを超える硬化物では、曲げ弾性率は、3.8GPaに満たない場合があるため好ましくない。ここでいう曲げ撓み量は、JIS K7171(1999)にしたがって測定される。
本発明において用いられるエポキシ樹脂組成物は硬化した場合の硬化物の示差走査型熱量計(DSC)により測定したガラス転移温度が100〜180℃であることが好ましく、より好ましくは110〜150℃、更に好ましくは120〜140℃であることが望ましい。ガラス転移温度が100℃に満たない場合、硬化後の成形体の耐熱性が不十分となり、ゴルフクラブシャフトに反りやゆがみが発生する場合があり、また高温環境下で使用の際、変形を起こす場合がある。ガラス転移温度が180℃を超える場合、樹脂硬化物が脆いものとなる場合があるためである。
本発明のプリプレグは、前記エポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させて製造する。含浸させる方法としてはエポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法と、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、又は一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
本発明のプリプレグは、単位面積あたりの強化繊維量が50〜150g/mであることが好ましい。より好ましくは70〜140g/m、さらに好ましくは90〜130g/m含むことが望ましい。かかる強化繊維量が50g/m未満では、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑となることがある場合がある。一方で、強化繊維量が150g/mを超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある場合がある。
また、本発明のプリプレグの繊維重量含有率は、好ましくは70〜87重量%であり、より好ましくは72〜80重量%であり、更に好ましくは74〜78重量%である。繊維重量含有率が70重量%未満では、樹脂の量が多すぎて、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料の利点が得られなかったり、繊維強化複合材料の成形の際、硬化時の発熱量が高くなりすぎることがある。また、繊維重量含有率が87重量%を超えると、樹脂の含浸不良が生じ、得られる複合材料はボイドの多いものとなる恐れがある。
本発明のプリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、本発明の繊維強化複合材料管状体、特にゴルフクラブシャフトが作製される。
ここで熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が採用される。中でも、ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフクラブシャフトを作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。
また、内圧成型法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフクラブシャフト、バッド、テニスやバドミントン等のラケットの如き複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
本発明のプリプレグを硬化して得られた積層板の面内剪断強度は、130〜150MPaの範囲内であることが好ましく、さらには、135〜145MPaであるとより好ましい。かかる積層板は、後述する方法により、一方向プリプレグシートを繊維の方向が±45度になるよう[+45/−45]ns(nは正の整数)の積層構成で、板厚が2mm程度となるように所定枚数を積層し、オートクレーブ中で所定温度、圧力で硬化成形して得られるものである。この得られた材料をJIS K7079(1991)に従い、面内剪断強度を測定する。面内剪断強度が130MPa未満であると、ゴルフクラブシャフトとした際、十分な静的曲げ強度が得られない場合がある。一方、150MPaを越える場合、ゴルフクラブシャフトの衝撃破損時の分断が起こりやすくなる場合がある。
本発明のプリプレグを管状に硬化させてなる繊維強化複合材料製管状体は、炭素繊維の配向を管状体軸方向に対してほぼ平行とした形でプリプレグを積層したストレート層を少なくとも一部含むものである。かかるストレート層は、かかる管状体の曲げ剛性および曲げ強度を負担するものである。本発明の繊維強化複合材料製管状体において十分な効果を得るために、少なくともストレート層に本発明のプリプレグを使用する必要がある。なお、必要に応じて、炭素繊維の配向を管状体軸方向に対して45度前後傾けた形でプリプレグを積層したバイアス層、炭素繊維の配向を管状体軸方向に対してほぼ直交させた形でプリプレグを積層したフープ層、および各種補強層を適宜導入しても構わない。
本発明の繊維強化複合材料製管状体は、特にゴルフクラブシャフトに好適に用いることができる。
ゴルフクラブシャフトは、通常炭素繊維の配向をシャフト軸方向に対して45度前後傾けた形でプリプレグを積層したバイアス層を内側に配置し、また炭素繊維の配向をシャフト軸方向に対してほぼ平行とした形でプリプレグを積層したストレート層を外側に配置して構成される。この場合、バイアス層は、ゴルフクラブシャフトのねじり剛性およびねじり強度を負担し、ストレート層はゴルフクラブシャフトの曲げ剛性および曲げ強度を負担するものである。
本発明のゴルフクラブシャフトにおいて十分な効果を得るために、少なくともストレート層に本発明のプリプレグを使用する必要がある。少なくともストレート層に本発明のプリプレグを使用することにより、曲げ衝撃応力等が付与された際に、曲げ衝撃付与サイド、もしくは該サイドと円周方向に対し反対サイドの少なくともいずれかのサイドの炭素繊維の少なくとも一部が破断しないことにより、かかるゴルフクラブシャフトが、独立した2つの断片に切断されることを抑えることが出来るからである。また、本発明のプリプレグをストレート層と共にバイアス層にも適用することは、さらに優れた効果を得ることができることから好ましい。なお、必要に応じて、炭素繊維の配向をシャフト軸方向に対してほぼ直交させた形でプリプレグを積層したフープ層や各種補強層を導入しても構わない。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。各種物性の測定は次の方法によった。なお、これらの物性は、特に断わりのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境で測定した。それらの結果は末尾の表にも示す。
(1)炭素繊維の引張強度、引張弾性率の測定
測定する炭素繊維に、ユニオンカーバイド(株)製 、“ベークライト(登録商標)”ERL−4221を1000g(100重量部)、三フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF・MEA)を30g(3重量部)及びアセトンを40g(4重量部)混合した樹脂組成物を含浸させ、次に130℃で、30分間加熱し、硬化させ、樹脂含浸ストランドを得た。樹脂含浸ストランド試験法JIS R7601(1986)により引張強度と引張弾性率を求めた。試験サンプル数n=10とし、その平均値を採用した。
(2)繊維の表面積比および表面粗さRaの測定
測定に供する強化繊維を試料台に固定し、Digital Instruments社製 NanoScopeIIIを用い、下記条件にて3次元表面形状の像を得た。
・探針:Siカンチレバー一体型探針(オリンパス光学工業社製 OMCL−AC120TS)
・測定環境:室温(20℃〜30℃)大気中
・観察モード:タッピングモード
・走査速度:0.3〜0.4Hz
・走査範囲:2.5μm×2.5μm
・ピクセル数:512×512
得られた像全体について、前期装置付属ソフトウエア(NanoScopeIIIバージョン4.22r2、1次Flattenフィルタ、Lowpassフィルタ、3次Plane Fitフィルタ使用)によりデータ処理し、表面粗さRaに加え、実表面積と投影面積を算出した。なお、投影面積については、繊維断面積の曲率を考慮し近似した2次曲面への投影面積を算出したものを用い、表面積比は以下の式で求めた。
表面積比=実表面積/投影面積
同様の測定を2回行い、その平均値をその繊維の表面積比とした。
(3)炭素繊維の表面比酸素濃度O/Cの測定 表面比酸素濃度O/Cは、次の手順に従ってX線光電子分光法により求めた。
先ず、測定する炭素繊維束から、溶媒でサイジング剤等を除去後、5mm程度にカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、下記条件にて測定した。
・光電子脱出角度:90度・X線源:MgKα1,2
・試料チャンバー内真空度:1×10−8Torr
次に、測定時の帯電に伴うピークの補正のため、C1Sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせた。
次いで、C1sピーク面積[O1s]は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引いて求め、O1sピーク面積[C1s]は、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引いて求めた。
表面比酸素濃度O/Cは、上記O1sピーク面積[O1s]、C1sピーク面積[C1s]の比、及び装置固有の感度補正値より、次式により求めた。
O/C=([O1s]/[C1s])/(感度補正値)
尚、ここでは、測定装置として島津製作所(株)製、ESCA−750を用い、前記装置固有の感度補正値を2.85とした。試験サンプル数n=3とし、その平均値を採用した。
(4)炭素繊維の平均繊維径の測定
炭素繊維束を包埋用エポキシ樹脂で包埋し、サンドペーパーを用いて繊維と直交方向に研磨した後、光学顕微鏡で、倍率1000倍にて断面を観察した。視野の中から無作為に単糸20本を選択し、それらの長径Rと短径rを測定し、それぞれの平均値を算出し、{(Rの平均値)+(rの平均値)}/2を平均繊維径とした。また、(rの平均値)/(Rの平均値)が0.9を超える場合、実質的に真円状であると判断した。
(5)炭素繊維の作製
下記製法により炭素繊維[I]〜[X]を作製した。これらの各種特性値を表2に示す。
<炭素繊維[I]>
アクリロニトリル99.4%とメタクリル酸0.6モル%からなる共重合体を用いて、乾湿式紡糸法により単繊維繊度0.08tex、フィラメント数12000のアクリル系前駆体繊維を得た。
この前駆体繊維を空気中240〜280℃で、延伸比1.05で加熱し、耐炎化繊維に転換し、さらに窒素雰囲気中300〜900℃の温度領域での昇温速度を200℃/分とし、延伸比1.10で加熱した後、1400℃まで焼成し炭化を進めた。得られた炭素繊維の目付は0.50g/m、密度は1.80g/cmであった。
次に、濃度1.0モル/lの炭酸水素アンモニウム水溶液を電解液として電気量30クーロン/g・槽で電解酸化処理した。次いで、この電解酸化処理後の炭素繊維を水洗し、150℃の空気中で乾燥し、炭素繊維[I]を得た。
炭素繊維[I]の引張弾性率は294GPa、引張強度は6100MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.18、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.95であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[II]>
電解酸化処理時の電気量を3クーロン/g・槽とした以外は、炭素繊維[I]と同一の条件で作製し、炭素繊維[II]を得た。
炭素繊維[II]の引張弾性率は294GPa、引張強度は5800MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.08、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.95であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[III]>
アクリル系前駆体繊維の紡糸法を湿式紡糸法に変更し、得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.09texであった以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[III]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.50g/m、密度は1.80g/cmであった。
炭素繊維[III]の引張弾性率は294GPa、引張強度は5600MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.05、平均繊維径は5.4μmであり、断面形状はr/Rが0.8の扁平なものであった。
<炭素繊維[IV]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.07texであった以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[IV]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.45g/m、密度は1.80g/cmであった。
炭素繊維[IV]の引張弾性率は294GPa、引張強度は6000MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.11、平均繊維径は4.8μmであり、断面形状はr/Rが0.96であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[V]>
炭化工程の後、2300℃まで焼成し黒鉛化を進めた以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[V]を得た。得られた炭素繊維[V]の目付は0.50g/m、密度は1.80g/cmであった。
炭素繊維[V]の引張弾性率は380GPa、引張強度は4500MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.10、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.93であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[VI]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.075texであり、また炭化時の延伸比を1.05に変更し、かつ炭化時の最高温度を1450℃に変更した以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[VI]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.50g/m、密度は1.80g/cmであった。
炭素繊維[III]の引張弾性率は294GPa、引張強度は5400MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.09、平均繊維径は5.6μmであり、断面形状はr/Rが0.94であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[VII]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.085texであり、また炭化時の延伸比を1.15に変更し、かつ炭化時の最高温度を1350℃に変更した以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[VII]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.50g/m、密度は1.80g/cmであった。
炭素繊維[VII]の引張弾性率は294GPa、引張強度は6400MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.10、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.97であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[VIII]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.07texであり、また炭化時の延伸比を1.00に変更し、かつ炭化時の最高温度を1200℃に変更した以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[VIII]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.51g/m、密度は1.82g/cmであった。
炭素繊維[VIII]の引張弾性率は230GPa、引張強度は5200MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.12、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.94であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[IX]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.085texであり、また炭化時の延伸比を1.15に変更し、かつ炭化時の最高温度を1500℃に変更した以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[IX]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.49g/m、密度は1.78g/cmであった。
炭素繊維[IX]の引張弾性率は330GPa、引張強度は5400MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.10、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.96であり実質的に真円状であった。
<炭素繊維[X]>
得られたアクリル系前駆体繊維の単繊維繊度が0.075texであり、また炭化時の延伸比を1.05に変更し、かつ炭化時の最高温度を1300℃に変更した以外は、炭素繊維[II]と同一の条件で作製し、炭素繊維[X]を得た。得られた炭素繊維の目付は0.50g/m、密度は1.81g/cmであった。
炭素繊維[X]の引張弾性率は270GPa、引張強度は5400MPa、表面比酸素濃度O/Cは0.08、平均繊維径は5.5μmであり、断面形状はr/Rが0.95であり実質的に真円状であった。
(6)樹脂組成物の調製
ニーダー中に、硬化剤・硬化促進剤以外の成分を所定量加え、混練しつつ、160℃まで昇温し、160℃、1時間混練することで、透明な粘調液を得た。80℃まで混練しつつ降温させ、硬化剤および硬化促進剤を所定量添加え、混練しエポキシ樹脂組成物I〜VIを得た。エポキシ樹脂組成物I〜VIの成分配合比は、表1に示す通りである。なお、ここで用いた原料は以下に示す通りである。
<3官能以上のアミン型エポキシ樹脂(構成要素[a])>
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、エポキシ当量:120、住友化学工業(株)製)
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM120(トリグリシジル−m−アミノフェノール、エポキシ当量:118、住友化学工業(株)製)
“jER(登録商標)”630(トリグリシジル−m−アミノフェノール、エポキシ当量:90〜105、ジャパンエポキシレジン(株)製)
<ビスフェノールF型エポキシ樹脂(構成要素[b])>
・“エピクロン(登録商標)”830(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:172、大日本インキ工業(株)製)
・“jER(登録商標)”4004P(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:800、ジャパンエポキシレジン(株)製)
<ジシアンジアミド(構成要素[c])>
・DICY7(ジャパンエポキシレジン(株)製)
<その他の成分>
・“jER(登録商標)”828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:189、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“jER(登録商標)”1001(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:475、ジャパンエポキシレジン(株)製)
・“ビニレック(登録商標)”K(ポリビニルホルマール、チッソ(株)製)
・DCMU99(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、硬化促進剤、保土ヶ谷化学工業(株)製)
(7)エポキシ樹脂組成物の粘度測定
エポキシ樹脂組成物の粘度は、動的粘弾性測定装置(ARES:TAインスツルメント社製)を用い、直径40mmのパラレルプレートを用い、昇温速度2℃/minで単純昇温し、周波数0.5Hz、Gap 1mmで測定を行った。
(8)硬化物のガラス転移温度測定
未硬化の樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で130℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化物を得た。これを少量切り出し、示差走査熱量計(MDSC2910:TAインスツルメント社製)を用いてガラス転移温度を測定した。JIS K7121(1987)に基づいて求めた中間点温度をガラス転移温度とした。測定条件は、窒素雰囲気下で、昇温速度は10℃/分、測定温度範囲は0℃から350℃とした。試験サンプル数n=3とし、その平均値を採用した。
(9)樹脂硬化物の曲げ弾性率、曲げ撓み量測定
未硬化の樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で130℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化物を得た。これを厚さ2mmの樹脂硬化物に切り出し、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製3369型)を用い、最大容量5kNのロードセルを使用し、スパン間長さを32mm、クロスヘッドスピードを2.5mm/分とし、JIS K7171(1999)に従って3点曲げを実施し、曲げ弾性率および曲げ撓み量を得た。サンプル数n=5とし、その平均値で比較した。
(10)プリプレグの作製
樹脂組成物を、リバースロールコーターを使用し離型紙状に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維に、樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、単位面積当たりの炭素繊維重量125g/m、繊維重量含有率76%の一方向プリプレグを作製した。
各実施例、比較例に使用した炭素繊維は、表2に示す通りである。なお、ここで用いた炭素繊維特性を併せて、表2に示す。
(11)面内剪断強度
一方向プリプレグシートを繊維の方向が±45°になるよう[+45/−45]5Sの積層構成で、20ply積層し、オートクレーブ中で温度135℃、圧力3kg/mmで2時間加熱加圧して硬化し、一方向複合材料を作製した。次に得られた材料をJIS K7079(1991)に従い、面内剪断強度を測定した。試験サンプル数n=5とし、その平均値を採用した。
上記方法により各実施例、比較例についてエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料管状体を作製し、特性を図った結果を表1および表2にまとめて示す。
(12)円筒曲げ試験用複合材料製管状体の作製
試験管状体は以下の方法で作製した。次の(a)〜(e)の操作により、(10)で作製した炭素繊維使い一方向プリプレグを、繊維方向が円筒軸方向に対して45°および−45°になるよう、各々を交互に合計3plyずつ積層し、さらに同一の一方向プリプレグを、繊維方向が円筒軸方向に対して平行になるよう、3plyを積層し、内径が10mmの複合材料製管状体を作製した。マンドレルは、直径10mm、長さ1000mmのステンレス製丸棒を使用した。なお、この試験管状体は、テーパーをもたずまた補強材を使用していない以外は、ごく一般的なゴルフクラブシャフトの積層構成であり、ゴルフクラブシャフトの特性を反映するものである。
(a)上記(10)にて作製した一方向プリプレグから、縦105mm×横800mm縦の長方形形状(長辺の方向に対して繊維軸方向が45度となるように)に2枚切り出した。この2枚のプリプレグの繊維の方向をお互いに交差するように、かつ短辺方向に16mm(マンドレル半周分)ずらして張り合わせた。
(b)離型処理したマンドレルに張り合わせたプリプレグの長方形形状の長辺とマンドレル軸方向が同一方向になるように、マンドレルを捲回した。
(c)その上に、上記(10)にて作製した一方向プリプレグを縦115mm×横800mmの長方形形状(長辺方向が繊維軸方向となる)に切り出したものを、その繊維の方向がマンドレル軸の方向と同一になるように、マンドレルに捲回した。
(d)さらに、その上から、ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ、幅10mm)を張力3kgで巻きつけて捲回物を覆い、硬化炉中、130℃で90分間、加熱成形した。(e)この後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテープを除去して複合材料製管状体を得た。
(13)円筒曲げ試験
上記(12)の手順で得られた複合材料製管状体(内径10mm)を使用し、「ゴルフクラブ用シャフトの認定基準及び基準確認方法」(製品安全協会編、通商産業大臣承認5産第2087号、1993年)に記載された、3点曲げ試験方法に準じて曲げ強度を測定した。ここでは、支点間距離は300mm、試験速度は10mm/分とした。
(14)シャルピー衝撃試験用複合材料製管状体の作製
試験管状体は以下の方法で作製した。次の(a)〜(e)の操作により、上記(10)で作製した炭素繊維使い一方向プリプレグを、繊維方向が円筒軸方向に対して45°および−45°になるよう、各々を交互に合計3plyずつ積層し、さらに同一の一方向プリプレグを、繊維方向が円筒軸方向に対して平行になるよう、3plyを積層し、内径が6.3mmの複合材料製管状体を作製した。マンドレルは、直径6.3mm、長さ1000mmのステンレス製丸棒を使用した。なお、この試験管状体は、テーパーをもたずまた補強材を使用していない以外は、ごく一般的なゴルフクラブシャフトの積層構成であり、ゴルフクラブシャフトの特性をよく反映するものである。
(a)上記(7)に従い作製した一方向プリプレグから、縦68mm×横800mmの長方形形状(長辺の方向に対して繊維軸方向が45度となるように)に2枚切り出した。この2枚のプリプレグの繊維の方向をお互いに交差するように、かつ短辺方向に10mm(マンドレル半周分)ずらして張り合わせた。
(b)離型処理したマンドレルに張り合わせたプリプレグの長方形形状の長辺とマンドレル軸方向が同一方向になるように、マンドレルを捲回した。
(c)その上に、上記(10)に従い作製した一方向プリプレグを縦80mm×横800mmの長方形形状(長辺方向が繊維軸方向となる)に切り出したものを、その繊維の方向がマンドレル軸の方向と同一になるように、マンドレルに捲回した。
(d)さらに、その上から、ラッピングテープ(耐熱性フィルムテープ、幅10mm)を張力3kgで巻きつけて捲回物を覆い、硬化炉中、130℃で90分間、加熱成形した。
(e)この後、マンドレルを抜き取り、ラッピングテープを除去して複合材料製管状体を得た。
(15)複合材料製管状体のシャルピー衝撃試験
上記(14)で得た複合材料製管状体を長さ60mmにカットし、内径6.3mm、長さ60mmの試験片を作製した。秤量300kg・cmで管状体の側面から衝撃を与えてシャルピー衝撃試験を行った。振り上がり角から、下記の式、
E=WR[(cosβ−cosα)−(cosα’−cosα)(α+β)/(α+α’)]
E:吸収エネルギー(J)
WR:ハンマーの回転軸の周りのモーメント(N・m)
α:ハンマーの持ち上げ角度(°)
α’:ハンマーの持ち上げ角αから空振りさせたときの振り上がり角(°)
β:試験片破損後のハンマーの振り上がり角(°)
に従って衝撃の吸収エネルギーを計算した。
なお、試験片にはノッチ(切り欠き)は導入していない。サンプル数はn=10で行い、平均値より比較した。
また、試験後に、サンプルが衝撃箇所で2つの破片に分断されている場合、分断したものと判断した。なお、全て分断した場合には分断発生率は100%、10本のうち5本が分断した場合には分断発生率は50%となる。
(実施例1)
表2に示す通り、炭素繊維として[I]を使い、エポキシ樹脂組成物として、弾性率3.8GPaの[i]を用いた結果、良好な静的曲げ強度を有し、かつ衝撃破損時、分断した管状体は10本中3本のみであった。
(実施例2)
炭素繊維として[II]を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。面内剪断強度がやや低下した結果、界面での剥離時のエネルギー吸収が顕著になり、静的曲げ強度を保ちつつ、シャルピー衝撃強度が向上した。また、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時に全く分断しなかった。
(実施例3、4、5)
[a]成分として、高い樹脂弾性率を有する3官能アミノフェノール型エポキシ樹脂を用い、[b]成分の配合比を変更したエポキシ樹脂組成物[ii]〜[iv]を用いた以外は、実施例2と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。樹脂曲げ弾性率がさらに向上した結果、静的曲げ強度がさらに向上した。また、シャルピー衝撃試験において、実施例3、4について管状体は衝撃時に全く分断しなかった。実施例5については、分断したサンプルは10本中2本のみであった。
(実施例6)
実施例1の[b]成分の配合比を変更したエポキシ樹脂組成物[v]を用い、炭素繊維として[II]を用いて、プリプレグおよび管状体を得た。面内剪断強度がやや低下した結果、界面での剥離時のエネルギー吸収が顕著になり、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時に全く分断しなかった。
(実施例7、8)
炭素繊維として引張強度がやや低い[VI]および引張強度が高い[VII]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。炭素繊維の引張強度が高くなるにつれて、静的曲げ強さ、シャルピー衝撃強度が向上した。シャルピー衝撃試験において、実施例7については、分断した管状体は10本中1本であり、実施例8については、全く分断しなかった。
(比較例1)
エポキシ樹脂組成物[a]成分の配合量を20重量部に減量し、[b]成分の組成比を若干変更したエポキシ樹脂組成物[vi]を用いた以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。シャルピー衝撃試験において、これらの管状体は分断が起こりにくいものではあったが、樹脂組成物の曲げ弾性率が低下した結果、静的曲げ強度は不十分なものとなった。
(比較例2)
炭素繊維として断面形状が真円状でない[III]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。面内剪断強度が高すぎた結果、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時全て分断した。
(比較例3)
炭素繊維として平均繊維径が4.8μmと小さな[IV]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。面内剪断強度が高すぎた結果、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時全て分断した。
(比較例4)
炭素繊維として[V]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。炭素繊維の引張強度が低く、また面内剪断強度が大きく低下した結果、静的曲げ強度とシャルピー衝撃強度は非常に低いものとなった。また、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時に全て分断した。
(比較例5)
エポキシ樹脂組成物[a]成分の配合量を60重量部に増量し、[b]成分の組成比を若干変更したエポキシ樹脂組成物[vii]を用いた以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。樹脂組成物の曲げ弾性率が高すぎた結果、シャルピー衝撃試験において、衝撃時、管状体は10本中8本分断した。
(比較例6)
炭素繊維として[VIII]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。炭素繊維の引張弾性率、引張強度がともに低すぎた結果、静的曲げ強度とシャルピー衝撃強度は非常に低いものとなり、シャルピー衝撃試験において、管状体は衝撃時に全て分断した。
(比較例7)
炭素繊維として[IX]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。炭素繊維の引張弾性率が高すぎた結果、シャルピー衝撃試験において、衝撃時、管状体は10本中6本分断した。
(比較例8)
炭素繊維として[X]を用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプリプレグおよび管状体を得た。炭素繊維の引張弾性率が低すぎた結果、静的曲げ強度とシャルピー衝撃強度は低いものとなった。シャルピー衝撃試験において、管状体は10本中5本分断した。
Figure 2009074009
Figure 2009074009
本発明のプリプレグは、十分な静的曲げ強度を有し、かつ衝撃破損時に分断しない繊維強化複合材料製管状体を与えるものであり、特にゴルフクラブシャフトとして用いた場合に、これまでにない高い安全性を付与できるものである。また、本発明の繊維強化複合材料製管状体は、その高い静的強度特性と衝撃特性を活かして、他のスポーツ用途、一般産業用途、さらに航空宇宙用途にも好適に用いることができるものである。

Claims (10)

  1. 下記[A]〜[D]の条件を満たす炭素繊維と、[a]3官能以上のアミン型エポキシ樹脂を20〜50重量部と、[b]ビスフェノールF型エポキシ樹脂を50〜80重量部とを含むエポキシ樹脂と、[c]ジシアンジアミドまたはその誘導体を前記エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部含み、かつその樹脂硬化物の曲げ弾性率が3.8〜5.0GPaであるエポキシ樹脂組成物を組み合わせてなるプリプレグ。
    [A]引張弾性率が295±10GPaの範囲内にあること
    [B]引張強度が5400〜6500MPaの範囲内にあること
    [C]実質的に真円状の断面を有すること
    [D]平均繊維径が5.0〜7.0μmの範囲内にあること
  2. 前記プリプレグを硬化して得られた積層板の面内剪断強度が130〜150MPaの範囲にある請求項1記載のプリプレグ。
  3. [a]成分が3官能アミノフェノール型エポキシ樹脂である請求項1または2記載のプリプレグ。
  4. [b]成分のエポキシ当量が300〜800の範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 前記エポキシ樹脂組成物の50℃における粘度が100〜10000Pa・s範囲内である請求項1〜4のいずれかに記載のプリプレグ。
  6. 前記エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂100重量部に対し、2〜10重量部の熱可塑性樹脂を含むものである請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. 単位面積あたりの炭素繊維量が50〜150g/m範囲内である請求項1〜6のいずれかに記載のプリプレグ。
  8. 繊維重量含有率が70〜87重量%範囲内である請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のプリプレグを少なくともストレート層に含むように管状に積層し、硬化させてなる繊維強化複合材料製管状体。
  10. 請求項9に記載の繊維強化複合材料製管状体からなるゴルフクラブシャフト。
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