JP2009066529A - 光触媒およびその製造方法並びに水素ガス発生方法 - Google Patents

光触媒およびその製造方法並びに水素ガス発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可視光照射下において優れた水素生成活性を有し、硫黄系還元剤を含有する水溶液から高効率で水素ガスを発生することのできる新規な光触媒およびその製造方法、並びに可視光照射下において温室効果ガスの発生を伴わずに容易に高効率で水素ガスを得ることのできる水素ガス発生方法を提供すること。
【解決手段】光触媒は、複合金属硫化物ZnIn2 4 の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質よりなり、硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素ガスを発生させることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、光触媒およびその製造方法並びに水素ガス発生方法に関し、更に詳しくは、可視光照射下において硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素ガスを発生させる光触媒およびその製造方法並びに水素ガス発生方法に関する。
近年、深刻化しつつある化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題などの環境問題を解決する手段として、クリーンなエネルギーシステムの確立が大きく求められている。
このクリーンなエネルギーシステムの1つとして、太陽光エネルギーを有効利用して水を分解することによって水素を製造する「ソーラー水素製造技術」が注目されており、この水素製造技術の鍵となる可視光応答性光触媒の開発が盛んに行なわれている。
しかしながら、光触媒材料としては、紫外光照射下において高い効率で水の完全分解反応を進行させることのできるものが提案されているものの(例えば、特許文献1参照。)、太陽光の約半分を占める可視光の照射下において高い効率で水の完全分解反応を進行させることのできるものは未だ見出されていないのが現状である。
一方、硫化物系光触媒としては、水の完全分解反応に活性を示すものではないが、亜硫酸カリウムや硫化ナトリウムなどよりなる硫黄系還元剤を含有する水溶液から、水素発生反応により、可視光照射下において高い効率で水素ガスを生成させるよう作用するものが提案されている(例えば非特許文献1〜非特許文献3参照。)。
また、本発明者らによっても、硫化亜鉛に対して種々の遷移金属をドーピングしたり、あるいは例えばAgInS2 やCuInS2 などの狭いバンドギャップを有する光触媒と共に固溶体を形成したりすることにより得られる、硫黄系還元剤を含有する水溶液からの水素発生反応に高い活性を示す種々の光触媒材料が提案されている(非特許文献4および非特許文献5、並びに特許文献2参照。)。更に、発明者らによっては、金属硫化物よりなる触媒材料の研究がなされており、その結果見出された種々の金属硫化物系光触媒が提案されている(例えば、特許文献3〜特許文献6、および非特許文献6参照。)。
ここに、金属硫化物系光触媒は、石油化学産業の分野などにおいて用いられている水素化脱硫により大量に副生する硫化水素などを有効利用することのできる水素ガス製造技術の確立に寄与することのできるものとして期待されている。この技術によれば、例えば常温・常圧下において、地球温暖化の原因とされている二酸化炭素ガスなどの温室効果ガスを排出することなしに、クリーンに水素を製造することができる。このような有用な技術を実用化するためには、更なる光触媒材料の開発が必要不可欠である。
特開2001−232191号公報 M.Matsumura,S.Furukawa,Y.Saho and H.Tsubomura,J.Phys.Chem.,1985,89,1327. J.F.Reber and K.Meier,J.Phys.Chem.,1984,88,5903. J.F.Reber and K.Meier,J.Phys.Chem.,1986,90,824. A.Kudo and M.Sekizawa,Chem.Commum.,2000,1371. I.Tsuji,H.Kato,H.Kobayashi,A Kudo,J.Am.Chem.Soc,2004,126,13406. 特開2005−199222号公報 特開2004−8922号公報 特開2004−255355号公報 特開2006−167652号公報 特開2007−144304号公報 原田眞光,青野成彦,加藤英樹,工藤昭彦,第86会日本化学会,千葉,2006年3月.
本発明は、以上の事情に基づいて、金属硫化物系光触媒について研究を重ねた結果、見出されたものであって、その目的は、可視光照射下において優れた水素生成活性を有し、硫黄系還元剤を含有する水溶液から高効率で水素ガスを発生することのできる新規な光触媒およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、可視光照射下において温室効果ガスの発生を伴わずに容易に高効率で水素ガスを得ることのできる水素ガス発生方法を提供することにある。
本発明の光触媒は、下記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質よりなり、硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素ガスを発生させることを特徴とする。
Figure 2009066529
本発明の光触媒は、触媒物質が、下記構造式(2)で表される複合金属硫化物よりなることが好ましい。
Figure 2009066529
〔式中、xは、0.025〜0.2である。〕
本発明の光触媒は、触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されていることが好ましい。 また、このような光触媒においては、助触媒が、白金、ルテニウムおよびロジウムのいずれかよりなるものであることが好ましい。
また、助触媒の担持量は、0.5〜2.0質量%であることが好ましい。
本発明の光触媒の製造方法は、硫化亜鉛粉末と、硫化インジウム粉末と、下記構造式(3)で表される硫化物の粉末と、下記構造式(4)で表される硫化物の粉末との混合体を加熱処理する工程を経ることにより、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質を得ることを特徴とする。
Figure 2009066529
〔式中、M1 は、銅原子を示す。〕
Figure 2009066529
〔式中、M2 は、ガリウム原子またはインジウム原子を示す。〕
本発明の光触媒の製造方法においては、加熱処理における加熱温度が1123K以上であることが好ましい。
本発明の光触媒の製造方法においては、硫黄化合物を含有する硫黄化合物含有水溶液中に助触媒源物質を溶解させると共に触媒物質を分散させ、これにより触媒物質の粒子の表面に助触媒を担持させるこが好ましい。
本発明の水素ガス発生方法は、硫黄系還元剤を含有する水溶液中に、助触媒源物質が溶解されてなると共に、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質が分散されてなる触媒物質分散液に対して光を照射することを特徴とする。
本発明の水素ガス発生方法においては、波長420nm以上の可視光を照射することを特徴とする。
本発明の水素ガス発生方法においては、硫黄系還元剤を含有する水溶液が、少なくとも亜硫酸イオン(SO3 2- )および硫化物イオン(S2-)のいずれか一方を含有することをことが好ましい。
また、硫黄系還元剤を含有する水溶液における亜硫酸イオン(SO3 2- )と、硫化物イオン(S2-)との比(SO3 2- :S2-)が、30:70〜70:30であることが好ましい。
本発明の光触媒によれば、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質よりなるものであり、この触媒物質が、波長700nm付近までの幅広い可視領域に吸収能を有し、高い水素生成活性を有するものであることから、可視光照射下において優れた水素生成活性を有し、硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素発生反応によって高効率で水素ガスを発生することができる。
本発明の光触媒においては、触媒物質の粒子の表面に助触媒を担持させることにより、水素生成活性が飛躍的に向上されるため、一層優れた水素生成活性が得られ、硫黄系還元剤を含有する水溶液から極めて高効率で水素ガスを発生することができる。
本発明の光触媒の製造方法によれば、出発原料の粉末を混合し、それを加熱処理して焼成する工程を経ることにより上記の本発明に係る触媒物質を得ることができることから、上記の本発明の光触媒を容易に得ることができる。
また、本発明の光触媒の製造方法においては、硫黄化合物を含有する硫黄化合物含有水溶液中に助触媒源物質を溶解させると共に触媒物質を分散させることによって当該触媒物質に助触媒を担持させることができるため、水素ガス発生方法を実施する以前あるいはその過程中において、触媒物質に助触媒が担持されてなる構成の光触媒を容易に得ることができる。
本発明の水素ガス発生方法によれば、上記の本発明の光触媒を用いることにより、硫黄系還元剤を含有する水溶液から、水素発生反応によって水素ガスを発生させることができることから、可視光照射下において温室効果ガスの発生を伴わずに容易に高効率で水素ガスを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光触媒は、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換(格子置換)されてなる構造を有する触媒物質よりなるものである。
この光触媒は、可視光照射下において、硫黄系還元剤を含有する水溶液(以下、「硫黄系還元剤含有液」ともいう。)から水素ガスを発生させる可視光活性を有する光触媒である。
本発明の光触媒の好ましい具体例としては、上記構造式(2)で表される複合金属硫化物よりなる触媒物質(以下、「特定の触媒物質」ともいう。)の粒子の表面に助触媒が担持されてなる構成の光触媒(以下、「特定の光触媒」ともいう。)が挙げられる。
構造式(2)において、xは、0.025〜0.2であるが、特に0.125(Cu−Ga12.5%置換体)であることが好ましい。
xが過大である場合には、置換限界(飽和状態)を超えるため、結晶格子を構成する銅イオンおよびガリウムイオンの分離が生じてしまうこととなり、所望の構造を有する複合金属硫化物が得られない。一方、xが過小である場合には、格子置換による価電子帯の高準位化を、伝導帯とのエネルギー的な位置関係において十分に図ることができず、従って、バンドギャップを狭くすることができないことから、可視光によって十分な光触媒機能を発現させることができない。
この特定の触媒物質を構成する複合金属硫化物は、層状構造を有し、単一相のものであることが好ましい。
特定の触媒物質を構成する複合金属硫化物が、非層状のスピネル相を高い割合で有するものである場合には、十分な可視光活性が得られないことから、所望の光触媒機能を有するものとならないおそれがある。
また、特定の触媒物質を構成する複合金属硫化物は、バンドギャップが狭く、具体的には、1.82〜1.99eVのものである。
なお、構造式(1)で表される複合金属硫化物のバンドギャップは、2.42eVである。
助触媒は、白金、ルテニウムおよびロジウムのいずれかよりなるものであることが好ましく、特に白金よりなるものであることが好ましい。
助触媒の担持量は、0.5〜2.0質量%であることが好ましく、特に1.0質量%であることが好ましい。
以上のような特定の光触媒は、例えば特定の触媒物質を構成する複合金属硫化物を固相法によって合成する触媒物質合成工程と、この触媒物質合成工程において得られた構造式(2)で表される複合金属硫化物よりなる特定の触媒物質に対して助触媒を担持させる助触媒担持工程とを経ることによって製造することができる。
ここに、助触媒担持工程は、後述する特定の光触媒を用いた水素ガス発生方法を実施する過程中において行なうこともできる。
触媒物質合成工程においては、硫化亜鉛(ZnS)粉末と、硫化第二インジウム(In2 3 )粉末と、硫化第一銅(Cu2 S)粉末と、硫化ガリウム(Ga2 3 )粉末との混合体(以下、「出発原料粉末混合体」ともいう。)を加熱処理し、これにより、出発原料粉末混合体が焼成されることにより、構造式(2)で表される複合金属硫化物を得ることができる。
出発原料粉末混合体は、出発原料の各々を、例えばメノウ乳鉢またはアルミナ乳鉢を用いて15〜20分間かけて混合することによって得ることができる。
ここに、出発原料粉末混合体を得るための出発原料のうちの硫化亜鉛は、例えばZn(NO3 2 ・6H2 Oを、水200〜350mLに溶解し、硫化水素(H2 S)ガスを導入することによって得られた硫化物沈殿を15時間かけて撹拌熟成させた後、純水により濾過洗浄し、空気中で風乾させることによって合成することができる。また、硫化第二インジウムは、例えばIn(NO3 3 ・2.72H2 Oを、水200〜350mLに溶解し、硫化水素(H2 S)ガスを導入することによって得られた硫化物沈殿を15時間かけて撹拌熟成させた後、純水により濾過洗浄し、空気中で風乾させることによって合成することができる。
加熱処理は、例えば石英製アンプル中に出発原料粉末混合体を真空封入した後、環状炉を用いて加熱し、焼成することによって行なうことができる。
加熱処理条件として、加熱温度は、1123K以上であることが好ましく、特に1123〜1323Kであることが好ましい。
また、加熱時間は、例えば8時間であり、昇温速度は、例えば5K/minである。
加熱処理において、加熱温度が1123K未満である場合には、得られる構造式(2)で表される複合金属硫化物が、低温相の非層状のスピネル相をも含有するものとなるため、当該複合金属硫化物よりなる光触媒には、十分な可視光活性が得られず、所望の光触媒機能を有するものとならないおそれがある。
助触媒担持工程においては、硫黄化合物を含有する硫黄化合物含有溶液中に助触媒源物質を溶解させると共に特定の触媒物質を分散させることにより、助触媒を特定の触媒物質の粒子の表面において析出させ、特定の触媒物質の粒子の表面に助触媒を担持させることができる。
この助触媒を担持させる手法としては、助触媒源物質が溶解された硫黄化合物含有溶液中に特定の触媒物質が分散されてなる分散液に対して光を照射する光電着を用いることが好ましい。この光電着によれば、分散液を構成する硫黄化合物含有水溶液中に溶解させた助触媒源物質に由来の当該分散液中に存在する助触媒の全量を確実に特定の触媒物質に担持させることができると共に、特に新たな専用の工程を要することなく、後述する特定の光触媒を用いた水素ガス発生方法を実施する過程中において特定の触媒物質に対する助触媒の担持を行なうことができる。
硫黄化合物含有水溶液としては,例えば後述する硫黄系還元剤含有液を好適に用いることができる。
助触媒源物質としては、例えばヘキサクロロ白金酸(H2 PtCl6 )、塩化ルテニウム(RuCl3 )、塩化ロジウム(RhCl3 )を好適に用いることができる。
この特定の光触媒によれば、光を照射することにより、硫黄系還元剤含有液から水素ガスを発生させることができる。
具体的には、硫黄系還元剤含有液中に助触媒が溶解されてなる助触媒溶解液中に、特定の触媒物質を分散し、得られた触媒物質分散液に対して光を照射することにより、当該特定の触媒物質に光電着によって助触媒が担持されると共に、この助触媒が担持された特定の光触媒の光触媒機能によって光によって励起電子とホールが生成され、還元反応である水素生成反応が高効率で進行され、その結果、硫黄系還元剤含有液から水素ガスが発生されることとなる。
以上の特定の光触媒を用い、硫黄系還元剤含有液から水素ガスを発生させる水素ガス発生方法においては、照射する光は、特定の光触媒の光触媒機能が十分に発現される波長領域の光、具体的には、波長420nm以上の可視光であることが好ましく、特に波長420〜700nmの可視光であることが好ましい。
この水素ガスを発生させるために照射する光は、波長420nmの可視光に限定されず、特定の光触媒の光触媒機能を発現させることのできる波長領域の光であればよく、波長420nm未満の紫外光であってもよい。
硫黄系還元剤含有液は、少なくとも亜硫酸イオン(SO3 2- )および硫化物イオン(S2-)のいずれか一方を含有するものであることが好ましく、特にこれらの両方を含有してなるものであることが好ましい。
具体的には、例えば亜硫酸カリウム(K2 SO3 )と、硫化ナトリウム(Na2 S)との混合水溶液を用いることができる。
硫黄系還元剤含有液において、亜硫酸イオン(SO3 2- )の濃度は0.25M以上であることが好ましい。一方、硫化物イオン(S2-)の濃度は0.1M以上であることが好ましい。
亜硫酸イオンの濃度が過小である場合には、定常的な水素発生活性が得られなくなるおそれがある。
また、硫化物イオンの濃度が過小である場合には、光触媒が劣化するおそれがある。
また、硫黄系還元剤含有液が亜硫酸イオン(SO3 2- )と硫化物イオン(S2-)とを共に含有する場合においては、そのモル濃度比(SO3 2- :S2-)が30:70〜70:30であることが好ましい。
触媒物質分散液に対して可視光を照射するための光源としては、特に限定されず、可視光を放射することのできるもの、例えばキセノンランプなどのランプを用いることができ、この場合には、特定の波長領域の光(可視光)のみを透過させるカットオフフィルターなどを組み合わせて用いることもできる。
また、例えばソーラーシュミレーター「YSS−80QA」(山下電装社製)などの疑似太陽光源を用いることもできる。
以上の特定の光触媒は、当該光触媒を構成する触媒物質が、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオン(銅イオン)と等量のガリウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構成を有するものであるが、本発明の光触媒においては、当該光触媒を構成する触媒物質に係る3価の金属イオンは、インジウムイオンであってもよい。
この構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンと、インジウムイオンとに置換されてなる構成を有する触媒物質(以下、「Cu−In置換触媒物質」ともいう。)よりなる光触媒は、特定の光触媒と同様に、当該Cu−In置換触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されていることが好ましい。
また、Cu−In置換触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されてなる光触媒は、特定の光触媒の製造方法と同様に、触媒物質合成工程と助触媒担持工程とを経る手法により、製造することができる。
すなわち、硫化亜鉛粉末と、硫化インジウム粉末と、硫化第二インジウム粉末と、硫化第一銅粉末との混合体を加熱処理して焼成することによってCu−In置換触媒物質を得、このCu−In置換触媒物質に対して助触媒を、水素ガス発生方法を実施する以前に、あるいは水素ガス発生方法を実施する過程中において担持させることによって製造することができる。
また、このCu−In置換触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されてなる光触媒によっても、特定の光触媒を用いた水素ガス発生方法において、特定の光触媒に代えて、当該Cu−In置換触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されてなる光触媒を用いること以外は同様の手法により、水素ガスを発生させることができる。
以上のように、本発明は、構造式(1)で表される複合金属硫化物に対して異なる価数を有する2種の金属イオンを格子置換することによって修飾処理を施すことにより、エネルギー構造を連続的に制御し、これにより、硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素ガスを高効率かつ高活性に生成することのできる光触媒材料を見出すことによってなされたものである。
而して、本発明の光触媒によれば、上記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質よりなるものであり、この触媒物質が、波長700nm付近までの幅広い可視領域に吸収能を有し、高い水素生成活性を有するものであることから、可視光照射下において優れた水素生成活性を有し、硫黄系還元剤を含有する水溶液から高効率で水素発生反応により水素ガスを発生することができる。
また、本発明の光触媒は、触媒物質の粒子の表面に助触媒を担持させることにより、水素生成活性が飛躍的に向上されるため、一層優れた水素生成活性が得られ、硫黄系還元剤を含有する水溶液から極めて高効率で水素ガスを発生することができる。
このような光触媒は、出発原料の粉末を混合し、それを加熱処理して焼成する工程を経ることにより容易に製造することができる。また、必要に応じて、硫黄化合物を含有する硫黄化合物含有水溶液中に助触媒源物質を溶解させると共に触媒物質を分散させることによって当該触媒物質に助触媒を担持させることができるため、水素ガス発生方法を実施する以前あるいはその過程中において、容易に触媒物質に助触媒を担持させることができる。
そして、このような本発明の光触媒を用いることにより、常温・常圧下において、硫黄系還元剤を含有する水溶液から、水素発生反応によって水素ガスを発生させることができることから、可視光照射下において、二酸化炭素ガスなどの温室効果ガスの発生を伴わずに容易に高効率で水素ガスを得ることができる。
従って、本発明によれば、石油化学産業などにおいて用いられている水素化脱硫により大量に副生する硫化水素などを有効利用し、水素ガスを得ることのできる新しい水素ガス製造技術を確立することのできる可能性がある。特に、本発明は、常温・常圧下において、地球温暖化の原因とされている二酸化炭素ガスなどの温室効果ガスの発生を伴わずに水素ガスを発生させることができるという大きな特徴を有することからも、クリーンなエネルギーシステムの確立に寄与するものとして期待される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例1〜実施例6においては、構造式(2)においてxが0.025〜0.2である触媒物質を得、これらの触媒物質に助触媒として白金を担持させてなる構成の光触媒を製造し、光触媒機能の評価を行なった。
併せて、比較例1においては、構造式(1)で表される複合金属硫化物、すなわち構造式(2)においてxが0である複合金属硫化物を用い、前記実施例1〜実施例6に係る触媒物質および光触媒との比較を行なった。
〔実施例1〕
硫化亜鉛(ZnS)(高純度化学社製;99.999%)0.365gと、硫化第一銅(Cu2 S)(高純度化学社製;99%)0.050gと、硫化ガリウム(Ga2 3 )(高純度化学社製;99.99%)0.074gと、硫化第二インジウム(In2 3 )(高純度化学社製;99.99%)1.63gとを、乳鉢を用いて15分間かけて混合し、得られた混合物を石英製アンプル中に真空封入した後、環状炉によって加熱温度1123K、昇温速度5K/min、加熱時間8時間の条件で加熱処理した。
得られた焼成物は、Rigaku社製「MiniFlex」を用いた粉末X線回析により、構造式(2)において、xが0.025である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(1)」ともいう。)であると同定された。粉末X線回析の結果を図2に示す。
この触媒物質(1)の紫外−可視−近赤外拡散反射スペクトル(DRS)を、紫外可視近赤外分光光度計「UbestV−570」(Jasco社製)を用いて測定し、得られた拡散反射スペクトルをKubelka−Munk法によって吸収モードに変換した。結果を図3に示す。
(光触媒機能の評価)
得られた触媒物質(1)に対して、H2 PtCl6 ・6H2 O(田中貴金属社製:37.55% as Pt)を用いることによって光電着により、助触媒として1質量%の白金を担持させることにより、光触媒(1)を得、図1に示す閉鎖循環系により、得られた光触媒(1)の水素生成活性として、発生する水素量(水素ガス)を測定することによって光触媒機能の評価を行なった。
図1において、10は反応管、15はカットオフフィルター、17は真空ポンプに接続される発生水素ガス排気系真空ライン、18はガスクロマトグラフ用アルゴンガス供給ライン、21は高温槽、22はスターラー、23は撹拌子、24は循環器、25は圧力計、26はガスクロマトグラフ、27はリービッヒ冷却管、L1は光源である。
具体的には、図1の閉鎖循環系における、その内部がアルゴンガス雰囲気の反応管10に、H2 PtCl6 ・6H2 O(田中貴金属社製:37.55% as Pt)と共に、得られた触媒物質(1)0.3gを、亜硫酸カリウム(K2 SO3 ;関東化学社製;鹿1級)5.934g(0.25M)と、硫化ナトリウム(Na2 S・9H2 O;関東化学社製)7.204g(0.20M)との混合水溶液150mL中に懸濁させた懸濁液を仕込んだ。この懸濁液に対して、当該反応管10の上部から、300Wのキセノンランプ「CERMAX LX−300」(ILC technology社製)よりなる光源L1からの放射光のうちの波長420nmよりも長波長側の光を、波長420nm以下の光をカットするカットオフフィルター「HOYA L42」(HOYA社製)よりなるカットオフフィルター15を介することによって照射した。そして、ガスクロマトグラフ「GC−8A」(島津製作所社製;MS−5A column;TCD;Ar carrier)よりなるガスクロマトグラフ26によって生成した水素(水素ガス)の定量を行なうことにより、水素生成活性を測定した。結果を図4に示す。
〔実施例2〜6〕
実施例1において、硫化亜鉛(ZnS)、硫化第一銅(Cu2 S)、硫化ガリウム(Ga2 3 )および硫化第二インジウム(In2 3 )の混合比(混合モル比)を変更したこと以外は実施例1と同様にして焼成物を得、その同定を粉末X線回析によって行なうと共に、DRSの測定を行なった。粉末X線回析の結果を図2に、またDRSの測定結果を図3に示す。
実施例2に係る焼成物は、混合比(ZnS:Cu2 S:Ga2 3 :In2 3 )=0.90:0.025:0.025:1.0で混合した混合物を焼成することによって得られ、構造式(2)において、xが0.05である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(2)」ともいう。)であると同定された。
実施例3に係る焼成物は、混合比(ZnS:Cu2 S:Ga2 3 :In2 3 )=0.80:0.05:0.05:1.0で混合した混合物を焼成することによって得られ、構造式(2)において、xが0.1である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(3)」ともいう。)であると同定された。
実施例4に係る焼成物は、混合比(ZnS:Cu2 S:Ga2 3 :In2 3 )=0.75:0.0625:0.0625:1.0で混合した混合物を焼成することによって得られ、構造式(2)において、xが0.125である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(4)」ともいう。)であると同定された。
実施例5に係る焼成物は、混合比(ZnS:Cu2 S:Ga2 3 :In2 3 )=0.7:0.75:0.75:1.0で混合した混合物を焼成することによって得られ、構造式(2)において、xが0.15である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(5)」ともいう。)であると同定された。
実施例6に係る焼成物は、混合比(ZnS:Cu2 S:Ga2 3 :In2 3 )=0.6:0.1:0.1:1.0で混合した混合物を焼成することによって得られ、構造式(2)において、xが0.2である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(6)」ともいう。)であると同定された。
これらの触媒物質(2)〜触媒物質(6)の各々に、実施例1と同様の手法によって1質量%の白金を担持させることにより、光触媒(2)〜光触媒(6)を得た。
得られた光触媒(2)〜光触媒(6)の各々について光触媒機能の評価を行なった。結果を図4に示す。
ここに、光触媒(2)は触媒物質(2)に助触媒として白金が担持されたものであり、光触媒(3)は触媒物質(3)に白金が担持されたものであり、光触媒(4)は触媒物質(4)に白金が担持されたものであり、光触媒(5)は触媒物質(5)に白金が担持されたものであり、光触媒(6)は触媒物質(6)に白金が担持されたものである。
〔比較例1〕
実施例1において、硫化亜鉛(ZnS)(高純度化学社製;99.999%)と、硫化第二インジウム(In2 3 )(高純度化学社製;99.99%)とのみを混合したこと以外は実施例1と同様にして焼成物を得、その同定を粉末X線回析によって行なうと共に、DRSの測定を行なった。粉末X線回析の結果を図2に、またDRSの測定結果を図3に示す。
比較例1に係る焼成物は、構造式(1)で表される複合金属硫化物、すなわち構造式(2)においてxが0である複合金属硫化物(以下、「比較用硫化物(1)」ともいう。)であること同定された。
この比較用硫化物(1)に、実施例1と同様の手法によって1質量%の白金を担持させ、得られた比較用光触媒(1)について光触媒機能の評価を行なった。結果を図4に示す。
以上の実施例1〜実施例6および比較例1に係る図2の結果から、触媒物質(1)〜触媒物質(6)の各々は、層状構造を有する複合金属硫化物ZnIn2 4 に帰属される回析パターン(比較用硫化物(1)の回析パターン)を示すことが確認された。また、これらの回析パターンにおいて、Cu−Ga置換量が増加するに従って、回析ピークの位置が高角度側へとシフトすることも確認された。このシフトは、亜鉛イオン(Zn2+)と、銅イオン(Cu+ )およびガリウムイオン(Ga3+)とのイオン半径の違いに基づくものである。
従って、構造式(2)において、xが0.025〜0.2である複合金属硫化物(特定の触媒物質)は、ほぼ単一相で得られることが確認された。
また、実施例1〜実施例6および比較例1に係る図3の結果から、Cu−Ga置換量が増加するに従って、波長520nm付近に吸収端を有する複合金属硫化物ZnIn2 4 の基礎吸収(比較用硫化物(1)の拡散反射スペクトル参照)に加え、波長700nm付近までの幅広い可視領域の光に対する吸収能が発現すること確認された。この吸収能の発現は、S3p軌道から構成されている価電子帯に、新たにCu3d軌道の寄与が起こり、価電子帯のエネルギーレベルが負側にシフトしたためであると考えられる。
得られた拡散反射スペクトルの吸収端から、下記式(1)によってバンドキャップを算出したところ、各々のバンドギャップは、触媒物質(1)は1.99eV、触媒物質(2)は1.94eV、触媒物質(3)は1.89eV、触媒物質(4)は1.86eV、触媒物質(5)は1.85eV、触媒物質(6)は1.82eV、比較用硫化物(1)は2.42eVであった。
従って、複合金属硫化物ZnIn2 4 のZn2+サイトに対して銅イオンおよびガリウムイオンを置換することにより、光吸収波長範囲の長波長化されると共に、バンドキャップが狭窄化されることが確認された。
Figure 2009066529
上記式(1)中において、「波長(nm)」とは、拡散反射スペクトルの吸収端の波長である。
また、実施例1〜実施例6および比較例1に係る図4においては、光触媒(1)〜光触媒(6)は、比較用光触媒(1)に比して、極めて大きな水素生成活性が得られることが示されており、この結果から、複合金属硫化物ZnIn2 4 に対してCu−Gaを格子置換することにより、水素生成活性が飛躍的に向上されることが確認された。このように、複合金属硫化物ZnIn2 4 に対してCu−Gaを格子置換することによって水素生成活性が飛躍的に向上される主な要因の1つとしては、Cu3d軌道の価電子帯への寄与が起こり、価電子帯が負側にシフトすることによって反応に関与する可視光の吸収光量が増加したためだと考えられる。
実施例3および以下の実施例7〜実施例9並びに参照実施例1により、助触媒の担持量依存性を確認した。
すなわち、実施例7〜実施例9においては、実施例3において得られた触媒物質(3)(構造式(2)において、xが0.1である複合金属硫化物)に種々の担持量で白金よりなる助触媒を担持させてなる光触媒を製造し、光触媒機能の評価を行なった。
また、参照実施例1においては、実施例3において得られた触媒物質(3)について、光触媒機能の評価を行なった。
〔実施例7〜実施例9〕
実施例3において、触媒物質(3)(構造式(2)において、xが0.1である複合金属硫化物)に対して担持させる白金の量を1質量%から変更したこと以外は実施例3と同様にして光触媒(7)〜光触媒(9)を得た。
ここに、実施例7に係る光触媒(7)の白金の担持量は0.5質量%であり、実施例8に係る光触媒(8)の白金の担持量は1.5質量%であり、実施例9に係る光触媒(9)の白金の担持量は2.0質量%である。
得られた光触媒(7)〜光触媒(9)の各々について、実施例1と同様の手法によって光触媒機能の評価を行なった。結果を図5に示す。なお、この図5には、実施例3に係る光触媒(3)の光触媒機能の評価結果も示されている。
〔参照実施例1〕
実施例3において得られた触媒物質(3)について、実施例1と同様の手法によって光触媒機能の評価を行なった。結果を図5に示す。
以上の実施例3および実施例7〜実施例9並びに参照実施例1に係る図5の結果から、構造式(2)で表される複合金属硫化物(特定の触媒物質)は、わずかな水素生成活性を有しているが、白金よりなる助触媒を担持させ、その担持量が大きくなるに従って水素生成活性が大きくなり、その担持量が1質量%である場合に定常的かつ高い水素生成活性を示すことが確認された。
実施例4および以下の実施例10〜実施例12並びに参照実施例2により、光触媒を構成する触媒物質を製造するための加熱処理における加熱温度の好ましい範囲を確認した。
すなわち、実施例10〜実施例12および参照実施例2においては、実施例4において、触媒物質を得るための加熱処理における加熱温度を種々の温度に変更して触媒物質を得、この触媒物質よりなる光触媒を製造し、光触媒機能の評価を行なった。
〔実施例10〜実施例12および参照実施例2〕
実施例4において、硫化亜鉛、硫化第一銅、硫化ガリウムおよび硫化第二インジウムの混合物の加熱温度を1123Kから変更したこと以外は実施例4と同様にして焼成物を得、その同定を粉末X線回析によって行なうと共に、DRSの測定を行なった。粉末X線回析の結果を図6に、またDRSの測定結果を図7に示す。なお、これらの図6および図7には、各々、実施例4に係る結果も示されている。
実施例10に係る焼成物は、加熱温度1173Kの条件によって得られたものであり、構造式(2)において、xが0.125である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(10)」ともいう。)であると同定された。
実施例11に係る焼成物は、加熱温度1223Kの条件によって得られたものであり、構造式(2)において、xが0.125である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(11)」ともいう。)であると同定された。
実施例12に係る焼成物は、加熱温度1273Kの条件によって得られたものであり、構造式(2)において、xが0.125である複合金属硫化物(以下、「触媒物質(12)」ともいう。)であると同定された。
参照実施例2に係る焼成物は、加熱温度973Kの条件によって得られたものであり、構造式(2)において、xが0.125である複合金属硫化物(以下、「参照触媒物質(2)」ともいう。)であると同定された。
これらの触媒物質(10)〜触媒物質(12)および参照触媒物質(2)の各々に、実施例1と同様の手法によって1質量%の白金を担持させることにより、光触媒(10)〜光触媒(12)および参照光触媒(2)を得た。
得られた光触媒(10)〜光触媒(12)および参照光触媒(2)の各々について光触媒機能の評価を行なった。結果を図8に示す。なお、この図8には、実施例4に係る光触媒(4)の光触媒機能の評価結果も示されている。
ここに、光触媒(10)は触媒物質(10)に白金が担持されたものであり、光触媒(11)は触媒物質(11)に白金が担持されたものであり、光触媒(12)は触媒物質(12)に白金が担持されたものであり、参照光触媒(2)は参照触媒物質(2)に白金が担持されたものである。
以上の実施例4および実施例10〜実施例12並びに参照実施例2に係る図6の結果から、加熱温度が973Kの参照触媒物質(2)は、複合金属硫化物ZnIn2 4 の低温相であるスピネル相が不純物ピーク(図6においては、スピネル相に由来の回折ピークに▼印を付して示す)として大きく現れているが、加熱温度が1123K以上の触媒物質(4)および触媒物質(10)〜触媒物質(12)の各々は、高温相である層状構造を有する複合金属硫化物ZnIn2 4 に帰属される回析パターンを示すことが確認された。
従って、構造式(2)で表される複合金属硫化物(特定の触媒物質)は、加熱温度1123K以上で加熱処理されて焼成されることにより、層状構造がほぼ単一相で得られることが確認された。また、加熱温度が高くなるに従って結晶性が向上することが確認された。
また、実施例4および実施例10〜実施例12並びに参照実施例2に係る図7の結果から、加熱温度が1123K以上の触媒物質(10)〜触媒物質(12)の各々は、波長520nm付近に吸収端を有する複合金属硫化物ZnIn2 4 の基礎吸収に加え、波長700nm付近までの幅広い可視光吸収性能が発現すること確認されたが、加熱温度が973Kの参照触媒物質(2)は、波長700nm付近までの幅広い可視光吸収性能を有するが、吸光度が小さいことが確認された。
この図7に係る結果と、前述の図6に係る結果から、加熱温度を1123K以上とすることにより、複合金属硫化物ZnIn2 4 として層状構造を有するものを単一相で確実に得ることができるが、それよりも低い加熱温度では、層状構造を有する単一相の複合金属硫化物ZnIn2 4 を得ることができない場合があることが確認された。
また、実施例4および実施例10〜実施例12並びに参照実施例2に係る図8の結果から、光触媒を構成する触媒物質を製造するための加熱処理における加熱温度が高くなるに従って水素生成活性が劇的に向上され、大きくなることが確認された。具体的に、特に加熱温度1273Kの光触媒(12)は、水素生成速度2.8mmmol/hと非常に大きな水素生成活性を示すことが確認された。このように、加熱温度を高くすることによって水素生成活性が向上される要因の1つとしては、高温で焼成することにより結晶性が良好となり、得られる触媒物質中に光生成した電子とホールの移動度が増加するためであると考えられる。
更に、光触媒(12)については、図9に示す流通系により、疑似太陽光源からの光の照射下における水素生成活性として、発生する水素(水素ガス)の量を測定した。
図9において、10は反応管、21は高温槽、23は撹拌子、37はガスクロマトグラフに生成ガスを供給するためのライン、38は反応管10内にアルゴンガスを供給するためのライン、L2は疑似太陽光源である。
具体的には、図9の流通系における、水が注入され、温度293Kに設定された高温槽21内に配置され、その内部がアルゴンガス雰囲気の反応管10に、H2 PtCl6 ・6H2 O(田中貴金属社製:37.55% as Pt)と共に、触媒物質(12)0.3gを、亜硫酸カリウム(K2 SO3 ;関東化学社製;鹿1級)5.934g(0.25M)と、硫化ナトリウム(Na2 S・9H2 O;関東化学社製)7.204g(0.20M)との混合水溶液150mL中に懸濁させた懸濁液を仕込んだ。この懸濁液に対して、当該反応管10の上部から、ソーラーシュミレーター「YSS−80QA」(山下電装社製;AM1.5;100mW/cm2 )よりなる疑似太陽光源L2からの光を照射した。そして、ガスクロマトグラフ「GC−8A」(島津製作所社製;MS−5A column;TCD;Ar carrier)によって生成した水素(水素ガス)の定量を行なうことにより、水素生成活性を測定した。結果を図10に示す。
この図10の結果から、光照射面積1m2 に対して2.1L/hの水素(水素ガス)が生成され、疑似太陽光源からの光の照射下においても高い水素生成活性を示すことが確認された。
ここに、光照射面積1m2 当たりの水素(水素ガス)発生量2.1L/hは、疑似太陽光源から光の照射を開始してから初期の誘導期を経て活性が安定となった9時間経過後から13時間の間に発生された水素ガス量に基づいて算出されたものである。
実施例および比較例並びに参照実施例において光触媒機能を評価するために用いた閉鎖循環系の構成を示す説明図である。 実施例1〜実施例6および比較例1に係る粉末X線回折の結果である。 実施例1〜実施例6および比較例1に係る拡散反射スペクトルである。 実施例1〜実施例6および比較例1に係る構造式(2)におけるxの数値(Cu−Gaの置換量)と可視光照射下における単位時間当たりの水素生成速度との関係を示すグラフである。 実施例3、実施例7〜実施例9および参照実施例1に係る可視光照射時間と水素生成量との関係を示すグラフである。 実施例4、実施例10〜実施例12および参照実施例2に係る粉末X線回折の結果である。 実施例4、実施例10〜実施例12および参照実施例2に係る拡散反射スペクトルである。 実施例4、実施例10〜実施例12および参照実施例2に係る可視光照射時間と水素生成量との関係を示すグラフである。 実施例12に係る光触媒の疑似太陽光源からの光の照射下における光触媒機能を評価するために用いた流通系の構成を示す説明図である。 実施例12に係る光触媒の疑似太陽光源からの光の照射時間と水素生成量との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 反応管
15 カットオフフィルター
17 発生水素ガス排気系真空ライン
18 ガスクロマトグラフ用アルゴンガス供給ライン
21 高温槽
22 スターラー
23 撹拌子
24 循環器
25 圧力計
26 ガスクロマトグラフ
27 リービッヒ冷却管
37、38 ライン
L1 光源
L2 疑似太陽光源

Claims (12)

  1. 下記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質よりなり、硫黄系還元剤を含有する水溶液から水素ガスを発生させることを特徴とする光触媒。
    Figure 2009066529
  2. 触媒物質が、下記構造式(2)で表される複合金属硫化物よりなることを特徴とする請求項1に記載の光触媒。
    Figure 2009066529
    〔式中、xは、0.025〜0.2である。〕
  3. 触媒物質の粒子の表面に助触媒が担持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光触媒。
  4. 助触媒が、白金、ルテニウムおよびロジウムのいずれかよりなるものであることを特徴とする請求項3に記載の光触媒。
  5. 助触媒の担持量が0.5〜2.0質量%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光触媒。
  6. 硫化亜鉛粉末と、硫化インジウム粉末と、下記構造式(3)で表される硫化物の粉末と、下記構造式(4)で表される硫化物の粉末との混合体を加熱処理する工程を経ることにより、下記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質を得ることを特徴とする光触媒の製造方法。
    Figure 2009066529
    〔式中、M1 は、銅原子を示す。〕
    Figure 2009066529
    〔式中、M2 は、ガリウム原子またはインジウム原子を示す。〕
    Figure 2009066529
  7. 加熱処理における加熱温度が1123K以上であることを特徴とする請求項6に記載の光触媒の製造方法。
  8. 硫黄化合物を含有する硫黄化合物含有水溶液中に助触媒源物質を溶解させると共に触媒物質を分散させ、これにより触媒物質の粒子の表面に助触媒を担持させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光触媒の製造方法。
  9. 硫黄系還元剤を含有する水溶液中に、助触媒源物質が溶解されてなると共に、下記構造式(1)で表される複合金属硫化物の結晶格子中の亜鉛イオンの一部が銅イオンよりなる1価の金属イオンと、当該1価の金属イオンと等量のガリウムイオンまたはインジウムイオンよりなる3価の金属イオンとに置換されてなる構造を有する触媒物質が分散されてなる触媒物質分散液に対して光を照射することを特徴とする水素ガス発生方法。
    Figure 2009066529
  10. 波長420nm以上の可視光を照射することを特徴とする請求項9に記載の水素ガス発生方法。
  11. 硫黄系還元剤を含有する水溶液が、少なくとも亜硫酸イオン(SO3 2- )および硫化物イオン(S2-)のいずれか一方を含有することをことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の水素ガス発生方法。
  12. 硫黄系還元剤を含有する水溶液における亜硫酸イオン(SO3 2- )と、硫化物イオン(S2-)との比( SO3 2- :S2-) が、30:70〜70:30であることを特徴とする請求項9〜請求項11に記載の水素ガス発生方法。
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