JP2009044871A - 電動車両における電動機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来は定常状態での最大定格電流以下にスイッチング用半導体素子の電流を制限しているので、発生トルクも制限され、車両の加速が緩慢になる。本発明では、より加速性能を向上させた電動機の制御装置を提供する。
【解決手段】入力したトルク指令値またはアクセル開度を増大して出力するレスポンス向上補償手段を備え、アクセルが踏み込まれた際に、半導体素子の温度上昇の過渡特性に応じて定まる所定時間だけ半導体素子の最大定格電流を越えた電流を半導体素子に流すように制御する電動車両における電動機の制御装置。
【選択図】図2

Description

本発明は電動機で駆動される電動車両における電動機の制御装置に関する。
従来の電動車両における電動機の制御装置としては、例えば特開2003−9566号公報に記載されているように、定常的に電流を流した場合において、電動機駆動用のインバータに使用される半導体素子(パワー半導体:例えばIGBT等のスイッチング素子)の温度が耐熱温度(最大ジャンクション温度Tjmax)を超えないように電流を制限しており、それに応じて電動機の発生するトルクも制限されている。
特開2003−9566号公報
上記のように、従来においては、定常的な動作においてスイッチング素子の温度が耐熱温度を超えないように電流を制限している、つまり定常状態での最大定格電流以下に電流を制限しているので、発生トルクも制限され、車両の加速が緩慢になって所定の車速に到達する時間が長くなるという問題があった。
本発明は、同一性能のインバータやモータを用いた場合に、より加速性能を向上させることの出来る電動車両における電動機の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、アクセルが踏み込まれた際に、電動機の電流を制御する半導体素子の温度上昇の過渡特性に応じて定まる所定時間だけ半導体素子の最大定格電流を越えた電流を前記半導体素子に流すように構成している。上記所定時間は、半導体素子の熱時定数からその上限値が導かれ、動作状態において半導体素子のジャンクション温度が、使用する半導体素子に固有の最大ジャンクション温度を超えないように設定している。
上記のように構成したことにより、本発明においては、電動機の電流を制御する半導体素子を破壊することなしに、定格電流よりも大きな電流を流すことが出来るので、急加速等の過渡時に発生トルクを増大させ、加速性能を向上させることが出来る、という効果がある。
図1は、本発明を適用する電動車両における電動機の制御装置の一実施例を示すブロック図である。
図1において、1はインターフェイス回路であり、車速V、アクセル開度θ、電動機の回転子位相α、電動機の電流(三相交流の場合はiu、iv、iw)等の各種車両変数の信号をデジタル信号として入力する。2はマイクロコンピュータであり、上記の各種車両変数に応じて電動機を制御するPWM信号を生成する。ドライブ回路3は上記PWM信号に応じてインバータ4を駆動する駆動信号を生成する。インバータ4は例えば各相ごとに2個のスイッチング素子(例えばIGBT等のパワー半導体素子)からなり、上記駆動信号に応じてスイッチング素子が開閉することにより、電動機5に所望の電流を流して駆動する。その他、6は電動機駆動用の直流電源(バッテリや燃料電池等)、7は電圧リップル吸収用のコンデンサ、8は電動機の各相電流を検出する電流センサ、9は電動機の回転子位相αを検出する回転センサ(レゾルバやエンコーダ等)である。
上記のような電動機の制御においては、基本的にはアクセル開度θと車速Vとに応じてトルク指令値を求め、そのトルク指令値に対応したトルクを発生するように電動機5に流す電流を制御する。
以下、一般的な三相交流電動機の電流制御について概略を説明する。
電動機を流れる三相電流値のうち二相iu、ivは、電流センサ8により得る。なお、他の一相iwは、三相交流における三相の電流値の合計が0になることから、iuとivから計算で求められる。電動機5の回転子位相α[rad]は、レゾルパやエンコーダなどの回転センサ9により得る。
まず、電動機5の回転子位相α(電気角)を微分して電動機5の回転子角速度ω(電気角)[rad/s]を演算する。なお、ω=dθ/dtである。
次に、トルク指令値と電動機5の回転子角速度ωおよび直流電圧値vdc(直流電源6の出力電圧)から、dq軸電流目標値id、iqをtab1e参照で求める。
次に、三相電流値iu、iv、iw(iwは計算で求める)と電動機の回転子位相αからdq軸電流値id、iqを演算する。
次に、dq軸電流目標値id、iqとdq軸電流値id、iqとの偏差からdq軸電圧指令値vd、vqを演算する。なお、この部分に非干渉制御を加えることもある。
次に、dq軸電圧指令値vd、vqと電動機の回転子位相αから三相電圧指令値vu、vv、vwを演算する。
次に、上記の三相電圧指令値vu、vv、vwと直流電圧vdc(直流電源6の電圧)からPWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]を演算する。
上記のようにして求めたPWM信号によってインバータ4のスイッチング素子を開閉制御することにより、電動機5をトルク指令値で指示された所望のトルクで駆動することが出来る。ここまでの制御は通常の電動機の電流制御である。
本実施例は、加速時に所定時間のあいだ上記のトルク指令値を調節して電流を増加させるものである。
(第1の実施例)
図2は本発明の第1の実施例のブロック図であり、図1のマイクロコンピュータ2における演算の一部に相当する。
図2において、アクセル開度−トルクテーブル10はアクセル開度θと車速Vに基づき、第1のトルク指令値Tmを設定する。レスポンス向上補償器11は、トルク指令値Tmを入力し、補償演算(詳細後述)を行って、補償後の第2のトルク指令値Tm’を出力する。制振制御ロジック12(詳細後述)は、第2のトルク指令値Tm’と回転子角速度ωを入力し、駆動軸トルク(車両前後加速度)の応答を犠牲にすることなく、ねじり振動を抑制する第3のトルク指令値Tm’’を出力する。なお、制振制御ロジック12は省略することも出来る。
トルク−電流テーブル13と電流制御ロジック14は、前記の一般的な電動機の電流制御で説明した内容と同じものであり、電動機の出力トルクを第3のトルク指令値Tm’’に一致させるように電動機各相の電流を制御する。
以下、上記のレスポンス向上補償器11について説明する。
図3はレスポンス向上補償器の一実施例を示すブロック図であり、ここではレスポンス向上補償器を一次遅れ特性と一次進み特性とを有するフィルタ15で構成している。フィルタ15の特性は、(τs+1)/(τs+1)とし、ここで、τ>τと設定することにより、過渡的にはトルク指令値が増幅され、定常的には補償前の値に収束する。ここでτはトルク指令値の立上りを決める時定数であり、τはトルク指令値の減衰特性を決める時定数である。つまり補償後の第2のトルク指令値Tm’は一時的には増幅され、その後、補償前のトルク指令値Tmに収束する。
図1のインバータ4の半導体素子の温度上昇特性が一次遅れで近似できる場合、その熱時定数τとし、定常的な最大定格電流をI(max)、その時の最大トルクを最大定格トルクTm(max)とする。電流とトルクが比例関係にあると仮定し、半導体素子の最大定格電流をi、前記半導体素子の破壊電流未満で前記最大定格電流i以上の値に定めたピーク電流をiとした場合に、前記フィルタの時定数τ、τを、
/i≦τ/τ、またはτ≦τ
に設定することにより、半導体素子に最大定格電流i以上のピーク電流iを流し、かつ、半導体素子の温度が耐熱温度(最大ジャンクション温度Tjmax)を超えないように制御することが出来る。なお、電流増幅率、つまりピーク電流i/最大定格電流iはτ/τに対応する。
この場合、半導体素子に流れる電流は最大時でピーク電流となり、その後、時定数τで順次減衰して最大定格電流iまで低下する。このように半導体素子に流れる電流が最大定格電流i以上である時間が所定時間(例えば数秒程度)であり、この時間は半導体素子の温度が耐熱温度(最大ジャンクション温度Tjmax)を超えないように、半導体素子の熱時定数τとフィルタの時定数τとτによって設定されている。
例えば、出力する最大トルクのピークを最大定格トルクTm(max)の2倍とする場合、つまり、電流とトルクが比例関係にあると仮定すればピーク電流iを最大定格電流iの2倍とする場合には、図3のフィルタ17において、
τ=0.5×τ
τ=2×τ (つまりτ=τ
に設定する。
上記のように設定し、ステップ状のトルク指令値を与えた場合の電流応答と半導体素子の温度上昇特性を図5に示す。図5において、Aは補償しない場合、Bは補償した場合の特性を示す。
この例は
τ=4sec
τ=2sec
τ=4sec
の場合である。
ピーク電流は定常値の2倍流れるにも関わらず、温度の最大値は補償しない場合と同じであり、このように設定することで、半導体素子の許容温度範囲の中で過渡的にトルクを増大させることが可能になることが分かる。なお、図5の電流のグラフにおいて、最初にピーク電流まで上昇したB特性が順次低下してA特性まで低下するまでの時間が所定時間である。
ただし、実際の電動機においては、電流が大きくなると磁気飽和などの影響で、電流とトルクの関係が非線形になる。例えば、半導体素子に流れる電流Iを最大定格電流I(max)の2倍流しても実際のピークトルクは最大定格トルクTm(max)の1.8倍しか出ないという場合がある。このような場合に、最大ピークトルクを最大定格トルクTm(max)の2倍になるように設定してしまうと、ピーク電流は最大定格電流I(max)の2倍を超え、半導体素子の温度上昇は許容温度範囲を超えてしまう恐れがある。
図4は、レスポンス向上補償器の他の実施例を示すブロック図であり、上記のような問題を解決するために改良した補償器の構成を示す。図4において、16は電動機の電流−トルク特性に基づき設定されるトルク補正テーブルであり、図3と同じフィルタ15の後段に接続される。
トルク補正テーブル16は、例えば、前記の例(電流=2×I(max)でトルク=1.8×Tm(max))の場合、一次遅れ特性と一次進み特性とを有するフィルタ15通過後の第2のトルク指令値Tm’がTm’≦1.8×Tm(max)になるように設定される。このような補正を加えることで、ピーク電流は最大定格電流I(max)の2倍を超えることがなくなる。
もちろん、図3の構成のままで、フィルタ15の定数設定によって上記と同様の効果を持たせることも可能である。例えば、上記の例(電流=2×I(max)でトルク=1.8×Tm(max))の場合、τ=4secなら、τ=2secに対してτ≦3.6secに設定することで、ピーク電流をI(max)の2倍以内に抑えることができ、半導体素子の温度を許容範囲内に保つことが出来る。
上記のように、半導体素子の温度上昇特性を一次遅れで近似した場合の時定数をτ、フィルタ15の特性を(τs+1)/(τs+1)とした場合に、
(ピーク電流/定格電流)≦τ/τ または τ≦τ
に設定することで、半導体素子の温度を許容範囲内に保つことが出来る。
ここで図2の制振制御ロジック12における制振制御について説明する。
電動機がギアを介して駆動輪に直結される電動車両においては、電動機のトルクを急峻に立ち上げると、駆動トルク伝達系のねじり共振により激しいガクガク振動が発生することがある。図6はトルク急増時(アクセルを急に踏み込んだ状態)における車両の各運転変数を示す特性図であり、トルク指令値Tmが折線Aで示すように急激に立ち上がると、車両の前後加速度と回転数が曲線Aに示すように大幅に振動し、ガクガク振動が発生する。
このようなねじり共振によるガクガク振動を防止するため、一般には、アクセル開度や車速によって定まるトルク指令値Tmに、レートリミットやローパスフィルタリング処理を施した第2のトルク指令値Tm’(曲線B)に基づき制御することにより、このガクガク振動を防止している。ただし、この場合には、トルク指令値の立上りが遅くなるので、ガクガク振動は防止できるものの車両の加速が悪化する。そのため本出願人は、既に出願して特許されている先行発明(特開2003−9566号公報:特許3508742号)において、レートリミットやローパスフィルタを使うことなくガクガク振動を抑制でき、加速性能の悪化も防止できる制振装置を提供している。この先行発明においては、モータの回転速度データを検出するモータ回転角センサ1と、第1のトルク目標値Tを設定するモータトルク設定部3と、制振制御部4と、モータトルク制御部5とを有する。そして制振制御部4は、Gp(s)なる伝達特性を有する制御ブロック13と、該制御ブロック13の出力とモータ回転数との偏差を求める減算器14と、H(s)/Gp(s)なる伝達特性を有する制御ブロック15とを有する。この際、H(s)の分母次数と分子次数との差分は、Gp(s)の分母次数と分子次数の差以上となるように設定される。このような構成により、停止状態、或いは減速状態からアクセルを踏み込んだ場合においても、確実に制振効果を得ることのできる。図2の制振制御ロジック12は、上記特開2003−9566号公報(特許3508742号)に記載されている制振装置と同様のものである。
(第2の実施例)
以上に説明してきたような構成とすることにより、過渡的なトルクを増幅してアクセルON時の加速応答を高めることができるが、過渡的なトルクを高め過ぎると、駆動輪のグリップ限界を超えホイールスピンを誘発する恐れがある。図7は上記の問題を解決したものであり、本発明の第2の実施例を示すブロック図である。図7においては、レスポンス向上補償器17の後段にトルクを制限するリミッタ18を設けている。なお、レスポンス向上補償器17の内容は図3または図4の何れでもよい。
図7において、例えば、前輪駆動車で、静的な前輪荷重配分をα、車両等価質量をM、ホイールベースをL、重心高をH、駆動輪の荷重半径をr、電動機−駆動輪間のオーバーオールギア比をN、駆動トルク伝達系の効率をη、重力加速度をgとし、グリップ限界を路面−タイヤ間の摩擦係数換算でμ=1とした場合、電動機トルク指令値の上限値Tm(max)は、
Tm(max)=α×M×g×r×(1/N)×(1/η)×〔1/(1+H/L)〕
と導かれる。もちろん、このようなオープンループのリミッタではなく、例えば、駆動輪の車輪速と従動輪の車輪速とを検出して両車輪速の差から駆動輪のスリップを検出し、トラクションコントロールのようなフィードバック制御でトルクを制限してもよい。
図8は、図7の実施例(特開2003−9566号公報の制振制御を併用した場合)と従来例(図7においてレスポンス向上補償器17とリミッタ18を除いた構成)との効果を比較して示した特性図である。なお、レスポンス向上補償器17としては図4の構成を用いている。図8において、Aは本実施例の特性、Bは従来例の特性を示す。
この特性例は、過渡的なピーク電流増幅率(τ/τ)を2に、過渡的なピークトルク増幅率を1.8に設定した場合に、電気自動車が停止状態からフル加速を行った場合の加速性能を示してある。もちろん、この設定においては半導体素子の温度上昇が許容範囲を超えることはない。
図8からも分かるとおり、本実施例を適用することで、前後加速度は瞬時にグリップ限界(約4.8m/s)に達し、0−100km/hの所要時間も約1.5秒縮めることができている。また、特開2003−9566号公報の制振制御を併用しているため、過渡的に加速度を増幅してもガクガク振動が励起されるようなこともない。
(第3の実施例)
図9は、本発明の第3の実施例を示すブロック図である。
これまで説明した実施例においては、加速時にレスポンスを向上させる効果はあるものの、減速時にも同様の効果が出てしまい、アクセルOFF時などに減速度が大きくなり過ぎて乗員がつんのめるような車両挙動になるおそれがある。そこで、図9(a)に示すように、レスポンス向上補償器17の後段にリミッタ18を設け、かつ、補償前の第1のトルク指令値Tmとリミッタ18の出力とを加算した値を補償後の第2のトルク指令値Tm’とすることで、トルク指令値Tmが増加方向にある場合、すなわちアクセルON時には図4と同様のトルク増幅効果が得られ、Tmが減少方向にある時、すなわちアクセルOFF時には補償が作用しないようにすることができる。
なお、図9(b)は、レスポンス向上補償器17として用いた一次遅れ特性と一次進み特性とを有するフィルタ(図3の15)と加算器とを組み合わせた場合の等価回路を示している。図9(b)に示すように、一次遅れ特性一次進み特性のフィルタ(τs+1)/(τs+1)に加算器を組み合わせ、フィルタの入力と出力を加算した値を出力とする回路は、フィルタの特性を(τ2−1)s/(τs+1)とすれば、図3のフィルタ15の特性(τs+1)/(τs+1)と同じになる。したがって、図9(a)の回路は図3のフィルタ15の後ろにリミッタ18を接続したものと同等の特性を有し、かつ、トルク指令値Tmが増加方向にある場合にのみトルク増幅効果が得られるようになっている。ただし、図9における分子(τ2−1)sは(τ−τ)sを省略して示したものである。したがって図9(a)のレスポンス向上補償器17の内容を正確に示すと、
(τ−τ)s/(τs+1)
となる。以後の図面でも同様である。
(第4の実施例)
次に、図10は本発明の第4の実施例を示すブロック図である。この実施例はアクセル開度に応じて補償量を調整できるようにした構成である。アクセル開度−補償量関数テーブル19はアクセル開度と補償量との関係を記憶したテーブルであって、アクセル開度が大きくなるほど補償量が大きくなる特性になっている。この構成により、アクセルを踏み込むほど補償量が増えるようにすることが出来る。
たとえば、アクセル開度の小さい時は増幅量を減らし(またはゼロにし)穏やかな特性とし、大きい時には増幅量を増やすことにより加速性を向上させるなど、ドライバーの意図に合った特性が得られる。
(第5の実施例)
図11は、本発明の第5の実施例を示すブロック図である。この実施例は車速に応じて補償量を調整する構成であり、車速−補償量関数テーブル20は、中低速域では補償量を大きく、高速域では補償量を小さくする特性となっている。この構成により、中低速では増幅量を大きめにして、きびきび感を増し、高速域は増幅量を減らし(またはゼロにし)安定感増すなど、状況に応じた特性が得られる。もちろん、図10と図11の構成を併用することもできる。
(第6の実施例)
これまで説明した実施例では、アクセル開度θからまずトルク指令値Tmを決めてトルクのディメンジョンで補償をかける構成について説明してきたが、アクセル開度自体のディメンジョンで補償をかけてもほぼ同様の効果が得られる。
図12は、本発明の第6の実施例を示すブロック図であり、上記のアクセル開度に補償をかける構成を示す。
図12においては、入力したアクセル開度θをレスポンス向上補償器21に与え、アクセル開度θ自体に対して補償を行う。このレスポンス補償器21としては、図4、図9、図10、図11に示した補償器を適用することが出来る。そして補償後のアクセル開度θ’と入力した車速vを拡大アクセル開度−トルクテーブル22に与え、この時点でトルク指令値を算出する。この場合、アクセル開度が補償後のアクセル開度θ’となっているので、拡大アクセル開度−トルクテーブル22から出力されるトルク指令値は補償後の第2のトルク指令値Tm’となる。
なお、アクセル開度θを全閉時0、全開時1とすると、補償後のアクセル開度θ’は1を超えるので、拡大アクセル開度−トルクテーブル22では通常のアクセル開度−トルクテーブルよりもアクセル開度θの範囲を補償量に応じて拡大している。図13は、拡大アクセル開度−トルクテーブル22の特性の一例を通常のアクセル開度−トルクテーブルと比較して示した図である。
(第7の実施例)
次に、本発明の第7の実施例について説明する。
前記のように、アクセルOFF時などに減速度が大きくなり過ぎて乗員がつんのめるような車両挙動になるおそれがあることを考慮し、図9のような構成とすることで、トルク指令値Tmが増加方向にある時、すなわちアクセルON時にはトルク補償を行い、トルク指令値Tmが減少方向にある時、すなわちアクセルOFF時には補償が作用しないようにすることができる。しかし、この方法では、状況によっては半導体素子の温度が最大ジャンクション温度Tjmaxを超える可能性がある。この状況を以下に説明する。
図14は、半導体素子の温度が最大ジャンクション温度Tjmaxを超える場合のトルク応答と半導体素子の温度変化を示す特性図であり、上から第1のトルク指令値Tm、第2のトルク指令値Tm’、半導体素子の温度、リミット前のトルク指令値(レスポンス向上補償器17の出力)をそれぞれ示している。なお、以下の説明においては、トルク指令値Tmと電流Iは比例関係にあると仮定し、すべてトルク指令値によって説明を行う。
前記図9の構成で、レスポンス向上補償器17の出力がリミッタ18の制限値に達した場合には、第2のトルク指令値Tm’は第1のトルク指令値Tmと一致する。このとき半導体素子の温度下降特性が温度上昇特性と同じ一次遅れで近似できるとし、温度時定数τ=4secとすると、半導体素子の温度は図14の区間Aのような特性で変化する。つまり、第1のトルク指令値Tmが0(第2のトルク指令値Tm’も0)になった時点から半導体素子の温度は図14の区間Aに示すように温度時定数τで下降する。
一方、図9のレスポンス向上補償器17の出力T(リミット前のトルク指令値)は、第1のトルク指令値Tmが0になった時点で急減し、その後、上昇するが、この上昇の時定数τは半導体素子の温度時定数τよりも小さいので、半導体素子の温度変化よりも速く上昇する。この状態で再度トルク指令値Tmが増加方向になって補償を行うと、補償を余分に行うことになるので半導体素子の温度が最大ジャンクション温度Tjmaxを超えることになる。つまり、半導体素子の温度が下降途中で未だ高い間に再度トルク指令値を増加方向に補償して大きな値にすると、半導体素子の温度が最大定格温度を超えてしまうおそれがある。
図15は、本発明の第7の実施例を示すブロック図であり、上記の問題を解決し、トルクまたは電流の補償を正側のみに限定した際に最大ジャンクション温度Tjmaxを完全に超えることのない構成を示す。
図15においては、レスポンス向上補償器23は前記図9のレスポンス向上補償器17と同様のものであるが、リミット時にその出力が半導体素子の温度変化と同じ時定数で変化するように、時定数を可変にした点が異なっている。つまり、レスポンス向上補償器23の出力がリミッタ24の制限値に達した場合には、レスポンス向上補償器23の時定数を半導体素子の温度下降特性の時定数と同じにすることにより、リミット前のトルク指令値Tの変化速度を緩慢にして、再度トルク指令値Tmが増加方向になった時に、リミット前のトルク指令値Tの最大値が大きくなり過ぎないようにしている。
図16は上記の状態を示す特性図であり、上から第1のトルク指令値Tm、第2のトルク指令値Tm’、半導体素子の温度、リミット前のトルク指令値(レスポンス向上補償器23の出力)をそれぞれ示している。図16において、図9の構成ではレスポンス向上補償器17の出力(リミット前のトルク指令値T)が太線Xで示すように変化するが、図15の構成では細線Yのように変化する。つまり、レスポンス向上補償器23の出力は半導体素子の温度変化の時定数と同じ時定数で緩慢に上昇するので、再度トルク指令値Tmが増加方向になった時に、トルク指令値が大きくなり過ぎることがなくなる。
図17は、上記の制御を行う場合の演算のフローチャートである。図17に示すように、レスポンス向上補償器23の出力がリミッタにかかった(リミッタ24の制限値に達した)か否かを判断し、リミッタにかかった場合はレスポンス向上補償器23の時定数を半導体素子の温度下降特性と同じにする。
(第8の実施例)
次に、図18は、本発明の第8の実施例を示すブロック図であり、トルクまたは電流の補償を正側のみに限定した際に最大ジャンクション温度Tjmaxを完全に超えることのない構成の他の例を示す。
図18において、フィルタ25はリミッタ後のトルク指令値Tm’に半導体素子の温度持性モデル相当のフィルタリング処理を施すフィルタであり、ここでは時定数τc=4secの一次遅れフィルタを用いている。また、初期値設定器26はフィルタ25の出力Tm'fltとトルク指令値Tmとの差分を再度トルク指令値Tmが増加方向になった時にレスポンス向上補償器23の初期値(補償するときの初期値)として設定するものである。
図18においては、リミッタ24を通った後のトルク指令値Tm’に半導体素子の温度持性モデル相当のフィルタリング処理を施した出力Tm'fltとトルク指令値Tmとの差分を、再度トルク指令値Tmが増加方向になった時にレスポンス向上補償器23の初期値として使用することにより、レスポンス向上補償器23の初期値を半導体素子の温度と合わせることが出来るので、再度トルク指令値Tmが増加方向になった時に、トルク指令値が大きくなり過ぎることがなくなり、したがって半導体素子の温度が最大ジャンクション温度Tjmaxを超えることがなくなる。
図19は、図18におけるトルク応答と半導体素子の温度変化を示す特性図であり、図9の構成との比較で示している。図19において、上から第1のトルク指令値Tm、第2のトルク指令値Tm’、半導体素子の温度、リミット前のトルク指令値(レスポンス向上補償器23の出力)をそれぞれ示している。
図9の構成ではレスポンス向上補償器17の出力(リミット前のトルク指令値T)が太線Xで示すように変化するが、図18の構成では細線Yのように変化する。つまり、再度トルク指令値Tmが増加方向になった時におけるレスポンス向上補償器23の初期値は、半導体素子の温度特性に合わせて設定され、低い値になっているので、トルク指令値が大きくなり過ぎることがなくなる。
図20は、上記の制御を行う場合の演算のフローチャートである。図20に示すように、トルク指令値Tmが増加方向か否かを判断し、増加方向の場合には、Tm'fltとTmとの差分を、レスポンス向上補償器23の初期値として使用する。
(第9の実施例)
図21は、本発明の第9の実施例を示すブロック図であり、トルクまたは電流の補償を正側のみに限定した際に最大ジャンクション温度Tjmaxを完全に超えることのない構成の他の例を示す。
上記問題点は、図9のように、リミッタを用いることによって生じる。そのため本実施例においては、リミッタを使用せず、代わりに第2のトルク指令値Tm’が第1のトルク指令値Tmの増加側のみで補償されるようにレスポンス向上補償器23の手前に、新たな前置補償器(フィルタ)27を配置したものである。
前置補償器27では、第1のトルク指令値Tmを前置補償後の第4のトルク指令値Tm^に変化させてレスポンス向上補償器23へ送る。
図22は、前置補償器27の内容を示す図である。
図22に示すように、前置補償器27においては、トルクの増加方向(アクセル開度が開く方向に変化)では、第4のトルク指令値Tm^=第1のトルク指令値Tmとなるが、トルクの減少方向(アクセル開度が閉じる方向に変化)では、
Tm^=Tm×ΔT(τs+1)/(τs+1)
となる。
ただし、「ΔT=第2のトルク指令値Tm’−第1のトルク指令値Tm」である。
図23は、上記の前置補償器におけるトルク増加時と減少時との動作特性を示す図である。
図23において、レスポンス向上補償器28の構成を(a)で示すと、トルク増加時における前置補償器29の特性は、(b)に示すように、増幅度1の回路に等しくなる。つまり、入力した第1のトルク指令値Tmをそのまま出力してレスポンス向上補償器28へ送る。したがってトルク増加時においては、入力した第1のトルク指令値Tmをレスポンス向上補償器28の特性のまま増加補償して第2のトルク指令値Tm’として出力する。
一方、トルク減少時には、前置補償器29の特性は(c)に示すように、レスポンス向上補償器28の特性を逆(分子と分母を逆)にした特性となる。そのため前置補償器29とレスポンス向上補償器28を加えた全体の特性は、増幅度1の回路に等しくなり、入力した第1のトルク指令値Tmをそのまま第2のトルク指令値Tm’として出力する。つまり、レスポンス向上補償器28の補償は全く効かない状態になる。
図24は、上記の制御によるトルク応答と半導体素子の温度変化を示す図であり、上から第1のトルク指令値Tm、第2のトルク指令値Tm’、半導体素子の温度、第4のトルク指令値Tm^(前置補償器27の出力)をそれぞれ示している。
図24に示すように、第4のトルク指令値Tm^は太線Xのようになり、補償後のトルク指令値は細線Yで示すようになるので、第2のトルク指令値Tm’は第1のトルク指令値Tmの増加側のみで補償されるようになっている。
(第10の実施例)
図25は、本発明の第10の実施例を示すブロック図であり、トルクの代わりに半導体素子の損失に基づいて制御する方法を示す。
図25において、トルク−損失変換器30は、トルク指令値(電流)と直流電圧や電動機回転数等の値に基づいて予め実験等のよって得られたトルクと損失(半導体素子における損失)との変換マップであり、入力したトルク指令値を損失に変換する。
レスポンス向上補償器31は、これまで説明した各種のレスポンス向上補償器と同様の内容を有するが、損失を用いて制御する点のみが異なっている。
損失−トルク変換器32は、上記トルク−損失変換器30と反対の変換を行うものであり、レスポンス向上補償器31が出力した補償後の損失値をトルク指令値に変換して出力する。
このように、トルクや電流を半導体素子の損失に置き換えて制御しても同様の効果が得られる。なお、単にこれまで説明した実施例におけるトルク指令値(電流)を半導体素子の損失におきかえても良い。
本発明を適用する電動車両における電動機の制御装置の一実施例を示すブロック図。 本発明の第1の実施例のブロック図。 レスポンス向上補償器の一実施例を示すブロック図。 レスポンス向上補償器の他の実施例を示すブロック図。 ステップ状のトルク指令値を与えた場合の電流応答と半導体素子の温度上昇特性を示す特性図。 トルク急増時における車両の各運転変数を示す特性図。 本発明の第2の実施例を示すブロック図。 図7の実施例と従来例との効果を比較して示した特性図。 本発明の第3の実施例を示すブロック図。 本発明の第4の実施例を示すブロック図。 本発明の第5の実施例を示すブロック図。 本発明の第6の実施例を示すブロック図。 拡大アクセル開度−トルクテーブルの特性の一例を通常のアクセル開度−トルクテーブルと比較して示した図。 半導体素子の温度が最大ジャンクション温度Tjmaxを超える場合のトルク応答と半導体素子の温度変化を示す特性図。 本発明の第7の実施例を示すブロック図。 図15の実施例における動作特性図。 図15の実施例における演算のフローチャート。 本発明の第8の実施例を示すブロック図。 図18の実施例におけるトルク応答と半導体素子の温度変化を示す特性図。 図18の実施例における演算のフローチャート。 本発明の第9の実施例を示すブロック図。 前置補償器27の内容を示す図。 前置補償器のトルク増加時と減少時の特性を示す図。 図21の実施例におけるトルク応答と半導体素子の温度変化を示す図。 本発明の第10の実施例を示すブロック図。
符号の説明
1…インターフェイス回路 2…マイクロコンピュータ
3…ドライブ回路 4…インバータ
5…電動機 6…直流電源
7…コンデンサ 8…電流センサ
9…回転センサ 10…アクセル開度−トルクテーブル
11…レスポンス向上補償器 12…制振制御ロジック
13…トルク−電流テーブル 14…電流制御ロジック
15…フィルタ 16…トルク補正テーブル
17…フィルタ 18…リミッタ
19…アクセル開度−補償量関数テーブル 20…車速−補償量関数テーブル
21…レスポンス向上補償器 22…拡大アクセル開度−トルクテーブル
23…レスポンス向上補償器 24…リミッタ
25…フィルタ 26…初期値設定器
27…前置補償器 28…レスポンス向上補償器
29…前置補償器 30…トルク−損失変換器
31…レスポンス向上補償器 32…損失−トルク変換器

Claims (14)

  1. 電動機によって車両を駆動する電動車両において、少なくともアクセル開度を含む車両変数から求められるトルク指令値またはアクセル開度に基づいて前記電動機の発生トルクを制御し、定常時には半導体素子の最大定格電流以下で電動機を駆動する電動機の制御装置であって、
    アクセルが踏み込まれた際に、前記電動機の電流を制御する半導体素子の温度上昇の過渡特性に応じて定まる所定時間だけ前記半導体素子の最大定格電流を越えた電流を前記半導体素子に流すように制御することを特徴とする電動車両における電動機の制御装置。
  2. 前記所定時間は、前記半導体素子の熱時定数からその上限値が導かれ、動作状態において前記半導体素子のジャンクション温度が、使用する半導体素子に固有の最大ジャンクション温度を超えないように設定することを特徴とする請求項1に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  3. 前記半導体素子の最大定格電流を越えた電流を前記半導体素子に流す構成要素として、トルク指令値またはアクセル開度が変化した際に、前記トルク指令値またはアクセル開度を増大して出力するレスポンス向上補償手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  4. 前記レスポンス向上補償手段として進み要素を有するフィルタを用い、トルク指令値またはアクセル開度を前記フィルタに入力し、該フィルタの出力に基づいて電動機の電流を制御することを特徴とする請求項3に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  5. 前記半導体素子の温度上昇特性を一次遅れで近似した場合の時定数をτ、前記フィルタの特性を(τs+1)/(τs+1)、前記半導体素子の最大定格電流をi、前記半導体素子の破壊電流未満で前記最大定格電流i以上の値に定めたピーク電流をiとした場合に、前記フィルタの時定数τ、τを、
    /i≦τ/τ、またはτ≦τ
    に設定することを特徴とする請求項4に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  6. 前記レスポンス向上補償手段の後段に出力を制限するリミッタを設けることにより、駆動トルクが駆動輪のグリップ限界内に収まるよう制限することを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  7. 前記レスポンス向上補償手段の補償機能が、トルク指令値またはアクセル開度の増加方向のみに作用するように構成したことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  8. 前記レスポンス向上補償手段の後段にリミッタを設け、該リミッタの出力と入力したトルク指令値またはアクセル開度とを加算した値に基づいて電流を制御することを特徴とする請求項7に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  9. 前記レスポンス向上補償手段を(τ−τ)s/(τs+1)の特性を有するフィルタで構成し、該フィルタの後段にリミッタを接続し、該リミッタの出力と入力したトルク指令値またはアクセル開度とを加算した値に基づいて電流を制御することを特徴とする請求項8に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  10. 前記レスポンス向上補償手段の前段に、補償機能がトルク指令値またはアクセル開度の増加方向のみに働くように制限する前置補償器を設けたことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  11. 前記レスポンス向上補償手段として進み要素を有するフィルタを用い、前記フィルタの時定数を、前記トルク指令値またはアクセル開度の増加時と減少時とで異なった値に切り替えるように構成したことを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  12. 前記レスポンス向上補償手段として進み要素を有するフィルタを用い、前記フィルタの出力に前記半導体素子の温度上昇モデル相当のフィルタリング処理を施し、その結果を入力したトルク指令値またはアクセル開度から減算し、その減算した結果の値をトルク指令値またはアクセル開度が増加した際に前記フィルタの初期値として使用することを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  13. 前記トルク指令値またはアクセル開度を増大して出力する際の特性を、アクセル開度と車速の少なくとも一方の関数とすることを特徴とする請求項3乃至請求項12の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
  14. 前記トルク指令値またはアクセル開度の代わりに前記半導体素子の損失に応じて制御することを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の電動車両における電動機の制御装置。
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