JP4376759B2 - 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車 - Google Patents

電気車の制御装置及びそれを用いた電気車 Download PDF

Info

Publication number
JP4376759B2
JP4376759B2 JP2004331469A JP2004331469A JP4376759B2 JP 4376759 B2 JP4376759 B2 JP 4376759B2 JP 2004331469 A JP2004331469 A JP 2004331469A JP 2004331469 A JP2004331469 A JP 2004331469A JP 4376759 B2 JP4376759 B2 JP 4376759B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
motor
output
limiting
electric motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004331469A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006148991A (ja
Inventor
博之 山田
哲也 横山
清志 根本
信好 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2004331469A priority Critical patent/JP4376759B2/ja
Publication of JP2006148991A publication Critical patent/JP2006148991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4376759B2 publication Critical patent/JP4376759B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、電気車の制御装置及びそれを用いた電気車に係り、特に、電力変換器や電動機の温度により電動機の最大トルクや通電電流を制限する際に好適な電気車の制御装置及びそれを用いた電気車に関する。
電動機を用いた車両の駆動システムは、近年電気自動車、ハイブリッド車、あるいはバッテリ式電動フォークリフト(バッテリフォークリフト)などの産業車両についても数多く適用されてきており、特に近年は小型高出力、メンテナンスフリーなどの利点から駆動システムには交流電動機が適用されることが多くなってきている。
交流電動機を可変速駆動するには、直流電圧を交流電圧に変換する電力変換装置を用いる。電力変換装置であるインバータは、一般的に、ブリッジ構成の半導体素子を使用するが、インバータのパワー半導体素子の使用個数が多くなる構成である事からパワー半導体素子自身の発熱の問題が発生する。特に、近年自動車関係で適用が試みられている42Vシステムなどでは、車両駆動を司る電動機の出力に対し相対的に電源電圧が低いこともあり、電動機及びインバータに通電する電流が大電流化する傾向にあり、電流通電時の電力変換装置や交流電動機の発熱による温度上昇が問題となっている。
なお、バッテリフォークリフトなどの産業車両についても、交流電動機適用によるメリットを享受するため電動機が直流電動機から交流電動機にとって変わられてきているが、電源電圧はもともと48V前後が主流であり、かつ半導体素子が直流電動機の時チョッパ駆動による構成に対し増えることと、小型高出力化の追求による大電流化により同様に発熱の問題が生じる。
そこで、例えば、特開平7−322401号公報に記載されているように、電動機の出力状態を複数の段階に区分して、各段階における電動機出力時間を積算しその累積時間が所定レベルに達した場合に電動機の出力を制限するものが知られている。
特開平7−322401号公報
しかしながら、特開平7−322401号公報記載のものは、電動機の出力状態すなわち出力トルクの大きさに従い段階的に各トルク出力レベルの出力累積時間によって所定の時間超過時はトルクを制限しているので、電動機のトルクと通電電流(つまり半導体素子への通電電流)がある程度比例している場合にのみ有効なものである。
一方、電動機の特性及び制御方法によっては、ゼロ回転からの平坦な最大定トルク出力の領域と、そこから出力一定特性(トルクは回転上昇に従い低下していく特性)領域とで電動機電流を比較した場合、出力トルクは小さくなるものの電動機電流はほぼ一定、あるいは逆に出力一定特性域の方が電流が多くなるような電動機特性もあり、このような場合、トルク出力の累積時間はそのまま半導体素子の温度の上昇度合いと整合するとは言えず、特開平7−322401号公報記載のものでは、電力変換器や電動機の温度による出力制限について十分に考慮されていないものであった。
本発明の目的は、電動機の特性に限らず、電力変換器や電動機の温度により電動機の最大トルクや通電電流を制限することができる電気車の制御装置及びそれを用いた電気車を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、電源からの電力を電力変換手段により電力変換して電動機を駆動するとともに、前記電力変換手段を制御する制御手段を有する電気車の制御装置であって、前記制御手段は、運転者の意志に基づいて、電動機の発生すべき駆動力を演算する駆動力演算手段と、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の最大出力を発生する領域を含む所定の回転数の範囲の最大トルクを制限する第1の制限処理を実行する出力演算制限手段とを備え、前記出力演算制限手段は、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の全領域のトルクを制限する第2の制限処理を実行する出力演算制限手段とを有するようにしたものである。
かかる構成により、電動機の特性に限らず、電力変換器や電動機の温度により電動機の最大トルクや通電電流を制限することができるものとなる。
)上記()において、好ましくは、前記出力演算制限手段は、前記第1の制限処理及び前記第2の制限処理において、各々前記素子温度と前記電動機温度の値の高い方を選択して第1若しくは第2の所定温度と比較することにより動作を行うものである。
)上記(1)において、好ましくは、前記電動機の最大電流は、前記電動機のゼロ回転から発生される最大定トルク出力時の電流よりも、前記最大定トルク出力時の電動機回転域より電動機回転の高い領域の出力における最大電流の方が大きいものである。
)上記目的を達成するために、本発明は、直流電源と、半導体素子を内包するとともに、前記直流電源の電力を交流電力に変換する電力変換手段と、車両を駆動するための駆動力を発生する電動機と、前記電力変換手段を制御する制御手段と、運転者の意志を表す信号を出力する運転者意志検出手段と、前記半導体素子の温度を検出する素子温度検出手段と、前記電動機の回転速度を検出する回転検出手段と、前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段とを有する電気車であって、前記制御手段は、運転者の意志に基づいて、電動機の発生すべき駆動力を演算する駆動力演算手段と、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の最大出力を発生する領域を含む所定の回転数の範囲の最大トルクを制限する第1の制限処理を実行する出力演算制限手段とを備え、前記出力演算制限手段は、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の全領域のトルクを制限する第2の制限処理を実行する出力演算制限手段とを有するようにしたものである。
かかる構成により、電動機の特性に限らず、電力変換器や電動機の温度により電動機の最大トルクや通電電流を制限することができるものとなる。
本発明によれば、電動機の特性に限らず、電力変換器や電動機の温度により電動機の最大トルクや通電電流を制限することができるものとなる。
以下、図1〜図8を用いて、本発明の一実施形態による電気車の制御装置を用いた電気車システムの構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による電気車の制御装置を用いた電気車システムの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置を用いた電気車システムの構成を示すブロック図である。
半導体素子を内包したインバータなどの電力変換手段20は、直流電源30の直流電力を交流電力に電力変換し、交流電動機10に供給する。交流電動機10は、電気車を推進させる駆動力を発生する。ここで、例えば、バッテリ式電動フォークリフト(バッテリフォークリフト)を例に取ると、直流電源30は、42Vバッテリである。交流電動機10の出力を42V15kWとすると、電力変換手段20から供給される3相交流電流は、600Aの大電流となる。交流電動機10の回転数Nmは、回転数検出器12によって検出される。また、交流電動機10の温度Tmは、モータ温度検出器14によって検出される。電力変換手段20を構成する半導体素子などの温度Tiは、素子温度検出器22によって検出される。
制御手段100は、電力変換手段20を駆動し、電動機10が所定の駆動力を発生するように制御する。制御手段100は、駆動力演算手段110と、出力制限演算手段120と、駆動信号演算手段130とを備えている。
駆動力演算手段110には、アクセル手段40と、ブレーキ手段42と、シフト手段44と、回転数検出手段12からの信号が入力する。アクセル手段40と、ブレーキ手段42と、シフト手段44とは、それぞれ、運転者の意志を示す電気信号を出力する。アクセル手段40は、アクセルペダルの踏込み量を示す信号を出力する。ブレーキ手段42は、ブレーキペダルが踏まれているか否かを示す信号を出力する。シフト手段44は、運転者によって操作されるシフトレバーのシフトポジションを示す信号を出力する。駆動力演算手段110は、アクセル手段40,ブレーキ段42,シフト手段44の信号と、電動機10に備えられた回転数検出器12からの信号に基づいて、電動機10が発生すべき駆動力を演算する。駆動力演算手段110の演算結果である駆動力指令DRは、出力制限演算手段120に伝達される。
出力制限演算手段120には、電力変換手段20の素子温度検出器22によって検出される素子温度Tiと、電動機10の電動機温度検出器4によって検出される電動機温度Tmとが入力する。出力制限演算手段12は、素子温度Tiと電動機温度Tmによって、駆動力指令DRを補正するように演算を行う。補正演算した結果は、駆動力補正指令DRcとして駆動信号演算手段130に伝達される。出力演算手段120は、電動機温度Tmが第1のしきい値Tm1(例えば、120℃)より高くなるか、若しくは、素子温度Tiが第1のしきい値Ti1(例えば、100℃)より高くなると、電動機10のトルクを制限する第1段階の制限処理による補正指令を出力し、電動機温度Tmが第2のしきい値Tm2(例えば、140℃)より高くなるか、若しくは、素子温度Tiが第2のしきい値Ti2(例えば、120℃)より高くなると、電動機10のトルクを制限する第2段階の制限処理による補正指令を出力する。出力制限処理の詳細については、図2を用いて後述する。
駆動信号演算手段130は、駆動力補正指令DRcをもとに、電力変換手段20を駆動するための駆動信号DRVを生成し、電力変換手段20に伝達する。
以上のようにして、制御手段100は、運転者の意志から必要な駆動力を演算し、求められた駆動力を温度によって補正した上で、電力変換手段20を駆動し、電動機10が所望の駆動力を発生する。
次に、図2を用いて、本実施形態による電気車の制御装置によって駆動される電動機の特性について説明する。
図2は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置によって駆動される電動機の特性図である。図2(A)は電動機のトルク特性を示し、図2(B)は電動機の出力特性を示し、図2(C)は電動機の電流特性を示している。なお、各図の横軸は電動機の回転数を示している。
電動機10は、電動機回転数Nmaまでは、図2(A)に示すように、最大で一定のトルクτaを出力し、このとき、図2(B)に示すように、回転数の増加とともに出力が増加し、また、図2(C)に示すように、一定の電流Iaである。
また、電動機回転数NmaからNmbまでは、図2(A)に示すように、トルクがτaからτbまで低下し、一方では、図2(B)に示すように、出力が増加し、図2(C)に示すように、電流も増加する。
さらに、電動機回転数NmbからNmcの間は、図2(A)に示すように、回転増加に応じてトルクがτbからτcに低下し、同時に図2(B),(C)に示すように、出力も電流も低減する特性を有している。
なお、回転数NmaからNmcまでは、図2(A)に示すように、トルクは一様に減少するのではなく、回転数Nmbにおいて、ピークを有する特性である。
また、図2(C)に示すように、電動機の最大電流は、電動機のゼロ回転から発生される最大定トルク出力時の電流Iaよりも、この最大定トルク出力時の電動機回転域より電動機回転の高い領域の出力における最大電流Ibの方が大きくなり、このような特性となるように、電動機は駆動される。
このような電動機10の特性は、例えば回転数Nmbの点の最大出力を第一条件として電動機特性を設計し、かつ電動機回転数Nmaまでの最大定トルク領域は本来電動機10が発生可能な最大トルクよりも低く抑えた特性で制御動作させるような条件で運転すると、電動機回転数がNma以上の領域の方が電動機電流が高い特性になる。
このような電動機10を駆動した場合には、電力変換手段20もしくは電動機10の温度上昇に従い、最大トルクτaを制限しても電動機電流の最大値Ibの点であるτbのトルクまでは制限されない。従って最大トルクτaを制限しても電動機最大電流Ibは制限されないため電力変換手段20もしくは電動機10の温度上昇を抑制はできないことになる。
また、電力変換手段20の温度もしくは電動機10の温度の上昇に従い電動機回転数ゼロからNmcまでのトルクを一律係数で補正制限するような方法を用いた場合には、例えば電動機回転数Nmcの点の非常に電動機電流が小さい領域の出力トルクτcまでが制限されることとなり、例えば電気車では最高速度が低下する等の影響が現れる。
このようなことから電力変換手段20もしくは電動機10の温度が上昇した場合には、まず電動機回転数Nmbの点の電動機電流Ibを制限するように第1の制限を加えることで、不必要な制限を避けることができると共に電力変換手段20もしくは電動機10の温度上昇も緩和できる。また、電動機電流が小さく温度上昇に影響が少ない電動機回転数Nmcの付近の出力トルクτcは確保されたままとなるので、電気車の最高速低下等の不必要な性能低下を招かないようにすることができる。さらに、回転数が低い領域の出力トルクτaが確保されることから、発進加速等も低下することがないものである。一方、回転数Nmbは電気車の中速走行領域であり、電動機回転数Nmbの点の電動機電流Ibを制限することで、中速走行時のトルクが減少することから中速走行時の加速が低下するが、始動時の加速の低下等に比べて体感しにくい領域であるため、実走行時の影響を抑えて、なおかつ、電動機や半導体素子の温度上昇を防止できる。
次に、図3を用いて、本実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理の内容について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理に基づく制限動作の説明図である。図3(A)は、第1の制限処理に基づく制限動作を示しており、図3(B)は、第2の制限処理に基づく制限動作を示している。
出力演算手段120は、電動機温度Tmが第1のしきい値Tm1(例えば、120℃)より高くなるか、若しくは、素子温度Tiが第1のしきい値Ti1(例えば、100℃)より高くなると、電動機10のトルクを制限する第1段階の制限処理による補正指令を出力する。第1の制限処理による補正指令では、電動機回転数Nma,Nmb,Nmcのそれぞれの電動機回転数における電動機発生トルクτa,τb,τcに対して、回転数Nmaとトルクτaの点の出力関係P1及び回転数Nmcとτcの点の出力関係P3を保持したまま、電動機回転数Nmbの点のトルクτbをτb’まで低減させるようにし、電動機回転数Nmbの点の出力関係がP2からP2’となるように補正を行う。補正の具体的内容については、図4及び図5を用いて後述する。
その結果、図3(A)の斜線で示した部分のトルクが制限されるように動作する。電動機回転数Nmb点の前後のトルクが制限されるため、電動機10の通電電流も低減される。そして、電力変換手段20もしくは電動機10の温度上昇が抑制されるようになる。この場合でも最高回転付近の電動機回転数Nmc点の出力トルクは変化しないので、最高速度は出力可能なままとなり、温度上昇抑制と車両性能維持を両立させることができる。
さらに、出力演算手段120は、電動機温度Tmが第2のしきい値Tm2(例えば、140℃)より高くなるか、若しくは、素子温度Tiが第2のしきい値Ti2(例えば、120℃)より高くなると、電動機10のトルクを制限する第2段階の制限処理による補正指令を出力する。第2の制限処理による補正指令では、図3(B)に示すように、第1の制限処理で制限したトルク特性P1〜P2’〜P3に対して、トルク特性の全域に補正を施し、電動機回転数Nma点の最大トルクをτa→τa2、電動機回転数Nmb点のトルクをτb’→τb2、電動機回転数Nmc点のトルクをτc→τc2となるように補正を行う。
このことでトルク特性全域でトルクが低下し、同時に電流も全域で低下するので、電力変換手段20及び電動機10の温度上昇をさらに抑制することが可能となる。
このように第1の制限処理によって電流の大きい部分のトルクを低減し、第2の制限処理によってトルク特性全域の電流を低減するように動作することにより、第1の制限処理時には電流の大きい部分のトルクのみが低下するので、大電流による温度上昇が抑制されつつ最大トルクτa及び最高回転のトルクτcは確保されるので、電気車に対し必要以上の性能低下を及ぼさずに温度上昇抑制ができる。さらに温度上昇を抑制する必要が生じた場合には、第2の制限処理によりトルク特性全域のトルクを制限し電流を全域で低減させるように動作するので、さらなる温度上昇抑制が可能となる。
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の内容について説明する。
図4及び図5は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の説明図である。
図4(A)に示すように、電動機10のトルクは、通常の基本トルク特性τ*のカーブ(実線)と、第1の制限状態の制限トルク特性τlmtのカーブ(破線)がある。出力制限演算手段120は、基本トルク特性τ*と制限トルク特性τlmtの差分Δτを電動機回転数Nmをパラメータとして求めるため、図4(B)にしめすようなトルク差分Δτテーブルを備えている。これは電動機回転数Nmに応じて基本トルク特性τ*を低減する低減量を求めるためのテーブルであり、電動機回転数Nmの関数と考えて良く、テーブルの代わりに関数演算により実現してもよいものである。
さらに、出力制限演算手段120は、図5に示すような電力変換手段20もしくは電動機10の温度に対する温度補正係数kτdテーブルを備えている。これは温度を横軸、温度補正係数kτdを縦軸としたテーブルであり、温度が上昇するに従い、補正係数kτdが温度te1の時点で0%から漸増して行き、温度te2の時点で100%となるような特性を持っている。
出力制限演算手段120は、電力変換手段20の温度もしくは電動機10の温度から図5に示した温度補正係数kτdテーブルを用いて温度補正係数kτdを求める。このときの温度は電力変換手段20の温度と電動機10の温度を比較し高い方の温度を演算に適用するようにしてもよいものである。さらに、出力制限演算手段120は、電動機回転数Nmを元に図4(B)に示したトルク差分Δτテーブルよりトルク差分Δτを求める。
出力制限演算手段120は、温度補正係数kτdとトルク差分Δτ及び基本トルク特性τ*から、制限トルクτlmtを、以下の式(1)により、
τlmt=τ*−(Δτ×kτd) …(1)

として計算する。この計算により、例えば電動機回転数Nmb点ではτ*=τb、Δτ=Δτ1、温度がte2以上である場合kτd=100%が演算値となるので、以下の式(2)により、
τlmt=τb−(Δτ1×100%)=τb’ …(2)

となり、電動機回転数Nmb点での制限トルク特性τlmtはτb’の値となるように演算される。温度がte1からte2に至るまでの間は温度補正係数kτdは0から100%まで温度に沿って変化するので、Δτもこれに応じて変化する特性となる。
このように、温度補正係数kτdテーブル及びトルク差分Δτの設定により基本トルク指令τ*に対し温度上昇に従い制限を行うための制限トルク特性τlmtを演算により求めることができ、この計算によれば特定の電動機回転域のみのトルクを温度によって補正する処理が可能となる。この方法は係数補正ではないので、最大トルクτaや最高回転数Nmc点のトルクτcを変化させないように制限することが可能であるので、基本トルク指令τ*を一律係数で補正してしまう方法のように、不必要に最大トルクτaやトルクτcを低減させてしまうことがない。
次に、図6を用いて、本実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理時の電動機の特性について説明する。
図6は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の電動機の特性図である。図6(A)は電動機のトルク特性を示し、図6(B)は電動機の出力特性を示し、図6(C)は電動機の電流特性を示している。なお、各図の横軸は電動機の回転数を示している。また、実線は制限処理を行わない場合の特性を示し、破線は第1の制限処理を実行した場合の特性を示している。一点鎖線は、第2の制限処理を実行した場合の特性を示すものであり、この内容は後述する。
電動機10のトルク特性は、図6(A)に示すように、第1の制限処理により、電動機回転数Nmb点のトルクがτbからτb’に制限される特性となる。この時、電動機の出力kW(トルクと回転の積)は、図6(B)に示すように、電動機回転数Nmbにおいて制限前(実線P*)は出力Pbであるが、制限後(破線Plmt)はPaに低下する。このことによって電動機出力は電動機回転数Nmaから出力Paで一定出力となり、その後電動機回転数Nmbをこえて回転数Nmcに至るに従い低減出力特性となり、電動機回転数Nmcでは出力Pcとなるように動作する。この時の電動機電流特性は、図6(C)に示すように、制限前(実線I*)では電動機回転数NmaでIa、電動機回転数NmbでIb、電動機回転数NmcでIcとなる特性であり、電動機回転数Nmbの時に最も高い値となるような特性となっているが、第1の制限処理を行うことで、破線Ilmtで示すように、電動機回転数Nmb点のトルクがτbからτb’に制限されることにより電動機電流もIbからIaに低下する。
したがって、電動機10の電流は電動機回転数Nmによらずほぼ一定となり、その後電動機回転数NmbをこえてNmcの点で電流Icに至る動作となる。このことにより、電動機10のトルクを制限することで電動機10の電流の大きい領域のみの電流だけを制限するように動作するので、電動機10の電流の大きい領域の電流通電による温度上昇が抑制されつつ、電動機回転数Nmaまでの最大トルクτaと最高回転数Nmc点のトルクτcが確保されることとなるので、不必要な出力制限が行われることなく電動機10の電流が制限でき、結果として電力変換手段20もしくは電動機10の温度上昇を抑制することが可能となる。
次に、図7を用いて、本実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第2の制限処理の内容について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第2の制限処理の説明図である。図7は、第2の制限処理で用いる温度補正係数kτfテーブル特性を示している。
出力制限演算手段120は、電力変換手段20と電動機10のいずれかの温度tf1から温度tf2に至る過程で、温度補正係数kτfが、図示のように100%からkτf1に低減する特性のテーブルを備えている。なお、補正係数は、テーブルの代わりに、温度による関数計算もしくは補間計算を用いてもよいものである。
温度tf1までは温度補正係数kτfは100%の値となっている。温度tf1からtf2の区間で、温度補正係数kτfは100%から任意の設定値kτf1まで漸減する特性となり、温度tf2以上では温度補正係数kτf=kτf1となる特性である。この温度補正係数kτfを第1の制限処理で求めた制限トルク特性τlmtに乗じて補正を行うことで、第1の制限処理で制限されたトルク特性τlmtをさらに全域で係数補正制限するように動作する。
ここで、図6を用いて、第2の制限処理を実行した場合の特性について説明する。
電動機10のトルク特性は、図6(A)に示すように、第2の制限処理により、電動機回転数Nmb点のトルクがτb2に制限される特性となる。この時、電動機の出力kW(トルクと回転の積)は、図6(B)に示すように、制限後(一点鎖線Plmt2)はPa2に低下する。このことによって電動機出力は電動機回転数Nmaから出力Paで一定出力となり、その後電動機回転数Nmbをこえて回転数Nmcに至るに従い低減出力特性となり、電動機回転数Nmcでは出力Pcとなるように動作する。この時の電動機電流特性は、図6(C)に示すように、一点鎖線Ilmt2で示すように、電動機回転数Nmb点のトルクがτb2に制限されることにより電動機電流もIa2に低下する。
このように制限トルク特性τlmtによる通電電流制限が行われている状態で温度がさらに上昇した場合は、第2の制限処理のみでは温度上昇を抑制できない場合が想定されるため、さらに第2の制限処理を実行することによって、通電電流制限状態で発生しうる温度上昇をさらに抑制することができるようになり、電気車の信頼性向上に寄与することができる。
次に、図8を用いて、本実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理における温度補正係数の特性を比較して説明する。
図8は、本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理における温度補正係数の特性比較図である。
電力変換手段20もしくは電動機10の温度に対する温度補正係数は、第1の制限処理と第2の制限処理それぞれにおいて用意されているものであるが、それらは相互に干渉しないように構成されていることが望ましい。そこで、第1の制限処理の温度補正係数kτdは、温度te1から温度te2に至る過程で0から100%に漸増する特性となっている。これに対して第2の制限処理の温度補正係数kτfは、温度tf1から温度tf2に至る過程で100%から0%に漸減する特性となっている。この双方の特性は図に示すように第1の制限処理が実行する温度te1から温度te2の動作域R1に対して、第2の制限処理が実行する温度tf1から温度tf2の動作域R2が重ならないように設定する、あるいは切れ目無く動作するように各温度設定しきい値を設定する。
つまり、第1の制限処理における最大トルクを制限するための素子温度もしくは電動機温度の温度しきい値te2は、第2の制限処理におけるトルクを一律係数補正する素子温度もしくは電動機温度の温度しきい値tf1に対して同等もしくは小さくなる設定(te2<=tf1)としている。これにより、温度上昇時にまず第1の制限処理で通電電流の大きい領域を制限することで温度上昇を抑制し、さらに温度が上昇する場合には第2の制限処理が動作するというプロセスを確実に実施するとができ、温度による出力制限の動作をより確実にすることができる。もちろん温度設定の特性がte2>tf1であったとしても動作上差し支えなく、このような設定も可能である。
本発明の一実施形態による電気車の制御装置を用いた電気車システムの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置によって駆動される電動機の特性図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理に基づく制限動作の説明図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の説明図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の説明図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1の制限処理の電動機の特性図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第2の制限処理の説明図である。 本発明の一実施形態による電気車の制御装置の出力制限演算手段120による第1,第2の制限処理における温度補正係数の特性比較図である。
符号の説明
30…電源
20…電力変換手段
100…制御手段
10…電動機
12…回転数検出器
14…電動機温度検出器
40…アクセル手段
42…ブレーキ手段
44…シフト手段
22…素子温度検出手段
110…駆動力演算手段
120…出力制限演算手段
130…駆動信号演算手段

Claims (4)

  1. 電源からの電力を電力変換手段により電力変換して電動機を駆動するとともに、前記電力変換手段を制御する制御手段を有する電気車の制御装置であって、
    前記制御手段は、運転者の意志に基づいて、電動機の発生すべき駆動力を演算する駆動力演算手段と、
    前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の最大出力を発生する領域を含む所定の回転数の範囲の最大トルクを制限する第1の制限処理を実行する出力演算制限手段とを備え、
    前記出力演算制限手段は、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の全領域のトルクを制限する第2の制限処理を実行する出力演算制限手段とを有することを特徴とする電気車の制御装置。
  2. 請求項記載の電気車の制御装置において、
    前記出力演算制限手段は、前記第1の制限処理及び前記第2の制限処理において、各々前記素子温度と前記電動機温度の値の高い方を選択して第1若しくは第2の所定温度と比較することにより動作を行うことを特徴とした電気車の制御装置。
  3. 請求項1記載の電気車の制御装置において、
    前記電動機の最大電流は、前記電動機のゼロ回転から発生される最大定トルク出力時の電流よりも、前記最大定トルク出力時の電動機回転域より電動機回転の高い領域の出力における最大電流の方が大きいことを特徴とする電気車の制御装置。
  4. 直流電源と、
    半導体素子を内包するとともに、前記直流電源の電力を交流電力に変換する電力変換手段と、
    車両を駆動するための駆動力を発生する電動機と、
    前記電力変換手段を制御する制御手段と、
    運転者の意志を表す信号を出力する運転者意志検出手段と、
    前記半導体素子の温度を検出する素子温度検出手段と、
    前記電動機の回転速度を検出する回転検出手段と、
    前記電動機の温度を検出する電動機温度検出手段とを有する電気車であって、
    前記制御手段は、運転者の意志に基づいて、電動機の発生すべき駆動力を演算する駆動力演算手段と、
    前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の最大出力を発生する領域を含む所定の回転数の範囲の最大トルクを制限する第1の制限処理を実行する出力演算制限手段とを備え、
    前記出力演算制限手段は、前記電動機の温度若しくは前記電力変換手段に含まれる半導体素子の温度が第1の所定温度より高い第2の所定温度を超えると、前記電動機の出力特性の全領域のトルクを制限する第2の制限処理を実行する出力演算制限手段とを有することを特徴とする電気車
JP2004331469A 2004-11-16 2004-11-16 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車 Expired - Fee Related JP4376759B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004331469A JP4376759B2 (ja) 2004-11-16 2004-11-16 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004331469A JP4376759B2 (ja) 2004-11-16 2004-11-16 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006148991A JP2006148991A (ja) 2006-06-08
JP4376759B2 true JP4376759B2 (ja) 2009-12-02

Family

ID=36628042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004331469A Expired - Fee Related JP4376759B2 (ja) 2004-11-16 2004-11-16 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4376759B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4848976B2 (ja) * 2007-02-23 2011-12-28 トヨタ自動車株式会社 電動機の制御装置
KR101371968B1 (ko) 2007-12-27 2014-03-25 주식회사 두산 전동지게차의 모터 제어방법 및 제어장치
JP7368346B2 (ja) * 2020-12-23 2023-10-24 トヨタ自動車株式会社 自動車
US11984832B2 (en) * 2022-09-28 2024-05-14 Arvinmeritor Technology, Llc Drive axle system and method of control

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006148991A (ja) 2006-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4661183B2 (ja) モータ駆動装置
JP4263697B2 (ja) 動力出力装置およびこれを搭載する自動車並びに動力出力装置の制御方法
JP2006230037A (ja) 作動装置および作動機器の制御方法
JP4876429B2 (ja) 車両用駆動制御装置
US7429847B2 (en) Motor control device
JP2009044871A (ja) 電動車両における電動機の制御装置
EP2939866B1 (en) Motor control device and motor control method
US7500534B2 (en) Vehicle slip control system and method
US8818674B2 (en) Vehicle behavior controller
WO2007080819A1 (ja) 電動機制御装置およびそれを備えた電動車両、ならびに電動機の制御方法
WO2007032073A1 (ja) 電気車のブレーキ制御装置及びブレーキ制御方法
WO2005110801A1 (ja) 電気車制御装置
JP4376759B2 (ja) 電気車の制御装置及びそれを用いた電気車
JP5724207B2 (ja) 電動車両における電動モータの制御装置
JP7188871B2 (ja) 貨物自動車
JP6216639B2 (ja) モータ制御装置
JP7172456B2 (ja) 変速制御装置
JP5162950B2 (ja) モータ制御装置
JP5915349B2 (ja) 電動車両の制振制御装置
JP2011250616A (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動車両
JP5298498B2 (ja) 電動機の制御装置及びその制御方法
JP4386003B2 (ja) ハイブリッド車両のバッテリ保護制御装置
CN106828189B (zh) 电动汽车控制方法及装置
JP2016208686A (ja) 電動車両
JP2013074643A (ja) 電動車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090701

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090817

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090909

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4376759

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120918

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130918

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees