JP5298498B2 - 電動機の制御装置及びその制御方法 - Google Patents

電動機の制御装置及びその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5298498B2
JP5298498B2 JP2007276404A JP2007276404A JP5298498B2 JP 5298498 B2 JP5298498 B2 JP 5298498B2 JP 2007276404 A JP2007276404 A JP 2007276404A JP 2007276404 A JP2007276404 A JP 2007276404A JP 5298498 B2 JP5298498 B2 JP 5298498B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque command
command value
torque
filter
post
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007276404A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009106099A (ja
Inventor
卓明 苅込
剛士 北口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2007276404A priority Critical patent/JP5298498B2/ja
Publication of JP2009106099A publication Critical patent/JP2009106099A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5298498B2 publication Critical patent/JP5298498B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Description

本発明は、トルク指令値を制限するリミッタを備える電動機の制御装置およびその制御方法に関する。
従来、モータ回転数とモータの定格値に基づいて、モータから出力可能な最大トルクを規定したマップを備える電気機器の制御装置がある(特許文献1参照)。また、複数のアクセル開度に対するモータ回転数と出力トルクの関係が予め設定されたトルクマップを備える制振制御装置がある(特許文献2参照)。当該トルクマップに基づいて設定される第1のトルク目標値に、モータ回転数の検出値から算出されたトルク値とモータのトルク指令値との偏差である第2のトルク目標値を加算して、上記トルク指令値としている。このため、第1のトルク目標値の最大値は、上記トルクマップにより制限される。更に、当該制振制御装置では、バンドパスフィルタにより、上記トルク指令値の振動のみを低減した後、第2のトルク目標値を算出している。
特開2006−238552号公報 特開2003−9566号公報
しかしながら、従来の電気機器の制御装置では、モータ回転数に応じて最大トルクが規定されているため、当該モータ回転数に振動が発生した場合、当該振動に合わせて上記トルク指令値が変動する場合がある。上記トルク指令値が変動することで、更に、モータ回転数の振動を誘起させてしまうため、当該振動を効果的に低減できない場合があった。同様に、従来の制振制御装置でも、トルクマップによりトルク指令値が制限されるため、上記振動を効果的に低減できない可能性があるといった問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、モータ回転数の振動を低減させることができる電動機の制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、本発明に係る電動機の制御装置では、振動処理手段は、第1のトルク指令を、電動機の回転数に基づいて演算されたトルク制限値で制限された第2のトルク指令に制限する第1のトルク制御手段から出力された上記第2のトルク指令の振動を減衰させる伝達特性から第3のトルク指令を演算する演算手段と、上記第1のトルク指令と上記第2のトルク指令が異なるか否か判定する判定手段と、上記判定手段の判定結果に基づいて、上記第2のトルク指令または上記第3のトルク指令を出力する出力手段とを備えることを特徴としている。
本発明により、従来技術のようにトルクマップによりトルク指令値が制限されることなくトルク指令値が変動することで誘起されるモータ回転数の振動を低減させることができる。
本発明に係る電動機の制御装置を含む装置の一例として、直流電源の直流電力をPWM変調することにより3相電力をモータに供給するインバータを備える車両用のインバータシステムについて説明する。以下に、本発明の第1乃至第3の実施形態に係るインバータシステムについて、図1乃至図9を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(インバータシステムの構成)
以下、図1を参照して、本発明の第1の実施形態を適用したインバータシステムの構成と動作について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を適用したインバータシステムの概略構成図である。本インバータシステムは、図1に示すように、インターフェイス回路1、マイクロコンピュータ2、ドライブ回路3、インバータ4、電動機であるモータ5、直流電源6、コンデンサ7、電流センサ8および回転センサ9を主に備える。
ここで、インターフェイス回路1は、車速、アクセル開度、モータ5の回転子位相、モータ5の3相電流iu[A]、iv[A],iw[A]等の各種車両変数の信号をデジタル信号として入力する。マイクロコンピュータ2は、上記各種車両変数に応じて、モータ5を制御するPWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]を生成する。ドライブ回路3は、上記PWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]に応じてインバータ4を駆動する駆動信号を生成する。
インバータ4は、例えば、各相ごとに2個のスイッチング素子(例えば、IGBT等のパワー半導体素子)からなり、上記駆動信号に応じてスイッチング素子が開閉することにより、モータ5に所望の電流を流して駆動する。その他、直流電源6は、バッテリや燃料電池等である。コンデンサ7は電流リップ吸収用に設けられている。電流センサ8は、U相電流iu[A]およびV相電流iv[A]を検出する。W相電流iw[A]は、3相電流の合計値が0になることから、U相電流iu[A]およびV相電流iv[A]から演算される。回転センサ9は、レゾルバやエンコーダ等からなり、モータ5の回転子位相を検出する。上記車両用インバータシステムでは、基本的には、車速とアクセル開度に応じてトルク指令値を求め、当該トルク指令値に対応したトルクを発生するように、モータ5に流す電流を制御する。
次に、上記車両用インバータシステムの電流フィードバック制御について説明する。まず、回転センサ9で検出された回転子位相を微分して、モータ5の回転子角速度(電気角)ω[rad/s]を演算する。回転子位相をθ[rad]とすると、ω=dθ/dtである。次に、トルク指令値、回転子角速度ω[rad/s]および直流電源6の出力電圧である直流電圧Vdcから、dq軸電流目標値id*[A]、iq*[A]をtable参照で求める。次に、3相電流iu[A]、iv[A],iw[A]と回転子位相から、dq軸電流値id[A]、iq[A]を演算する。次に、dq軸電流目標値id*[A]、iq*[A]とdq軸電流値id[A]、iq[A]との偏差からdq軸電圧指令値vd[V]、vq[V]を演算する。なお、この部分に非干渉制御を加えることもある。
次に、dq軸電圧指令値vd[V]、vq[V]と回転子位相から、3相電圧指令値vu[V]、vv[V]、vw[V]を演算する。次に、3相電圧指令値vu[V]、vv[V]、vw[V]と直流電圧値vdcからPWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]を演算する。上記のように求められたPWM信号(on duty)tu[%]、tv[%]、tw[%]によってインバータ4のスイッチング素子が開閉制御され、モータ5がトルク指令値で指示された所望のトルクで駆動される。このようにして、モータ5に対して電流フィードバックによるベクトル制御が行なわれる。
(制御装置10の構成)
次に、第1の実施形態に係る制御装置10の構成と動作について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る制御装置10の制御モデルを示す図である。図2に示す制御装置10は、図1のマイクロコンピュータ2に含まれており、図2に示す機械系振動要素13は、図1のドライブ回路3、インバータ4およびモータ5等を含む機械系要素をモデル化したものである。機械系振動要素13は、最終トルク指令値T[Nm]および機械系振動要素13の伝達特性H(s)に基づいて、モータ回転数n[rpm]を出力する。ここで、機械系振動要素13の伝達特性H(s)を、下記(数1)式に示す。
Figure 0005298498
但し、(数1)式において、s:ラプラス演算子、ξp:減衰定数、b1、b2:定数、J:慣性モーメント[kgm2]、ωp:振動角周波数[rad/s]である。
制御装置10は、図1に示した車速、アクセル開度などの車両情報に基づく第1のトルク指令である基本トルク指令値T*[Nm]に基づいて、機械系振動要素13に最終トルク指令値T[Nm]を出力する。具体的には、基本トルク指令値T*[Nm]を第2のトルク指令である制限後トルク指令値T’[Nm]に制限する第1のトルク制御手段である第1のトルク制限部11を備える。更に、第1のトルク制限部11から出力された制限後トルク指令値T’[Nm]の振動を減衰させる伝達特性G(z)を有する振動処理手段であるフィルタ処理部12を備えている。ここで、フィルタ処理部12の伝達特性G(z)は、下記(数2)式に示すように、時定数200[ms]のローパスフィルタである。
Figure 0005298498
次に、第1のトルク制限部11の内部構造について説明する。第1のトルク制限部11は、モータ回転数n[rpm]からトルク制限値Tlim[Nm]を演算するトルク制限値演算部112を備える。更に、当該トルク制限値Tlim[Nm]を用いて、基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限するリミッタ部111を備える。ここで、モータ回転数n[rpm]とトルク制限値Tlim[Nm]の関係の一例を図3に示す。図3は、図1に示すトルク制限値演算部112におけるトルク制限値Tlim[Nm]の一例を示す図である。図3に示すように、トルク制限値演算部112は、モータ回転数n[rpm]毎のトルク制限値Tlim[Nm]をグラフ化し、記憶している。一方、リミッタ部111は、トルク制限値演算部112で演算されたトルク制限値Tlim[Nm]を用いて、基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限する。更に、制限後トルク指令値T’[Nm]をフィルタ処理部12へ出力する。
ここで、モータ回転数n[rpm]に振動が発生した場合について説明する。モータ回転数n[rpm]に振動が発生した場合、モータ回転数n[rpm]の振動に応じて、トルク制限値演算部112で演算されたトルク制限値Tlim[Nm]も変動する場合がある。上記のように、トルク制限値Tlim[Nm]により、基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限している。そのため、基本トルク指令値T*[Nm]が一定でも、トルク制限値Tlim[Nm]が変動した場合、制限後トルク指令値T’[Nm]も変動する。よって、モータ回転数n[rpm]に振動が発生した場合、基本トルク指令値T*[Nm]が一定であっても、制限後トルク指令値T’[Nm]が変動する場合がある(後述する図5の制限後トルク指令値T’[Nm]参照)。
従来の電気機器の制御装置および制振制御装置では、制限後トルク指令値T’[Nm]、すなわち、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで、更に、モータ回転数n[rpm]の振動を誘起させてしまう場合があった。このため、当該振動を効果的に低減できない場合があった。しかし、本発明の第1の実施形態に係る制御装置10では、モータ回転数n[rpm]の振動を低減するため、フィルタ処理部12を備えている。これから、後述するように、モータ回転数n[rpm]の振動を効果的に低減している。なお、図3に示したように、トルク制限値演算部112が記憶するグラフには、正トルクリミットと負トルクリミットがある。以下、第1の実施形態では、当該正トルクリミットにより、基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限する場合について説明する。
次に、フィルタ処理部12の内部構造について、フィルタ処理部12は、フラグ判定部121と、判定手段であるリミッタ作動判定部122と、演算手段である演算部123と、記憶部124と、トルク判定部125と、出力手段である制御部126とを備える。リミッタ作動判定部122は、トルク制限値演算部112で演算されたトルク制限値Tlim[Nm]を用いて、リミッタ部111が基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限したか否か判定する。すなわち、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]を比較し、異なるか否か判定する。また、リミッタ作動判定部122は、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正か否か判定する。
演算部123は、制限後トルク指令値T’[Nm]およびフィルタ処理部12の伝達特性G(z)(以下、フィルタG(z)とする。)から第3のトルク指令であるフィルタ後トルク指令値T”[Nm](図参照)を演算する。更に、演算部123は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入する。また、演算部123は、制限後トルク指令値T’[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入する。記憶部124は、フィルタG(z)およびフィルタ動作フラグを記憶する。フラグ判定部121は、フィルタ動作フラグが1か否か判定する。トルク判定部125は、演算部123によるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算の停止条件を判定する。すなわち、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]以下か否か判定する。
制御部126は、フラグ判定部121、リミッタ作動判定部122、演算部123、記憶部124およびトルク判定部125の間のデータの入出力制御を実行する。更に、制御部126は、リミッタ作動判定部122の判定結果に基づいて、制限後トルク指令値T’[Nm]またはフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を、最終トルク指令値T[Nm]として、機械系振動要素13へ出力する。すなわち、リミッタ作動判定部122が、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定し、かつ、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正であると判定した場合、フィルタ動作フラグを1にする。更に、制御部126は、フィルタ動作フラグが1の場合のみ、演算部123にフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算させ、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する。また、制御部126は、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]以下であるとトルク判定部125が判定した場合、フィルタ動作フラグを0に戻す。
(フィルタ処理部12で実行される制御方法)
次に、第1の実施形態に係る制御装置10のフィルタ処理部12で実行される制御方法について、図を参照して説明する。図は、図2に示すフィルタ処理部12で実行される制御方法を示すフローチャートである。本制御方法は、図に示すフローチャートのプログラムをフィルタ処理部12に組み込み実現している。図に示すように、まず、制御部126は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS101)。フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS101:No)、制御部126は、リミッタ作動か否かリミッタ作動判定部122に判定させる(ステップS102)。すなわち、正トルクリミットより基本トルク指令値T*[Nm]が大きいため、モータ回転数n[rpm]に対応するトルク制限値Tlim[Nm]を用いて、基本トルク指令値T*[Nm]が制限されたか否か判定させる。具体的には、リミッタ作動判定部122は、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]を比較し、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なるか否か判定する。
次に、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異ならないとリミッタ作動判定部122が判定した場合(ステップS102:No)、ステップS106の制御処理へ移行する。ステップS106の制御処理において、制御部126は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる。この場合、フィルタ動作フラグは1になっていないので、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121は判定する(ステップS106:No)。フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS106:No)、制御部126は、演算部123に制限後トルク指令値T’[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入させる(ステップS108)。制御部126は、上記最終トルク指令値T[Nm]を出力する。これから、リミッタ作動するまで、すなわち、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定するまで、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力し続ける。その後、ステップS101に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、リミッタ作動したとリミッタ作動判定部122が判定した場合(ステップS102:Yes)、制御部126は、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正か否かリミッタ作動判定部122に判定させる(ステップS103)。制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正でないとリミッタ作動判定部122が判定した場合(ステップS103:No)、ステップS106の制御処理へ移行する。この場合も、フィルタ動作フラグは1になっていないので、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121は判定し(ステップS106:No)、ステップS108の制御処理へ移行する。ステップS108の制御処理において、上記と同様に、制御部126は、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力する。これから、リミッタ作動しても、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正になるまで、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力し続ける。その後、ステップS101に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正であるとリミッタ作動判定部122が判定した場合(ステップS103:Yes)、ステップS104の制御処理へ移行する。ステップS104の制御処理において、制御部126は、演算部123にフィルタG(z)を制限後トルク指令値T’[Nm]で初期化させる。ここで、初期化とは、フィルタG(z)の入力が制限後トルク指令値T’[Nm]で無限時間経過した状態にすることである。次に、制御部126は、記憶部124に記憶されたフィルタ動作フラグを1にする(ステップS105)。次に、制御部126は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS106)。上記のように、フィルタ動作フラグは1になっているので、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121は判定し(ステップS106:Yes)、ステップS107の制御処理へ移行する。
ステップS107の制御処理において、制御部126は、制限後トルク指令値T’[Nm]およびフィルタG(z)からフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算部123に演算させる。更に、制御部126は、演算部123にフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入させる。制御部126は、上記最終トルク指令値T[Nm]を出力する。これから、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定し、かつ、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正であると判定した場合、フィルタ動作フラグを1にする。そして、フィルタ動作フラグが1の場合のみ、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する。その後、ステップS101に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS101:Yes)、ステップS109の制御処理へ移行する。ステップS109の制御処理において、制御部126は、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]、すなわち、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]以下か否かトルク判定部125に判定させる。制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]以下でないとトルク判定部125が判定した場合(ステップS109:No)、ステップS106の制御処理へ移行する。この場合、フィルタ動作フラグは1になっているので、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121は判定し(ステップS106:Yes)、ステップS107の制御処理へ移行する。ステップS107の制御処理において、上記と同様に、制御部126は、最終トルク指令値T[Nm]として、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する。これから、フィルタ動作フラグが1である限り、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力し続ける。その後、ステップS101に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]以下であるとトルク判定部125が判定した場合(ステップS109:Yes)、制御部126は、フィルタ動作フラグを0に戻す(ステップS110)。次に、制御部126は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS106)。上記のように、フィルタ動作フラグは1になっていないので、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121は判定し(ステップS106:No)、ステップS108の制御処理へ移行する。
ステップS108の制御処理において、制御部126は、フィルタG(z)によるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算を停止させる。更に、演算部123に制限後トルク指令値T’[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入させる。制御部126は、上記最終トルク指令値T[Nm]を出力する。これにより、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]以下になった場合には、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する必要が無いので、フィルタ動作フラグを0に戻す。更に、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算を停止する。そして、フィルタ動作フラグが再度1になるまで、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力し続ける。以降、ステップS101〜S110の制御処理を順次、繰り返し実行する。
は、図2に示すフィルタ処理部12における制限後トルク指令値T’[Nm]および最終トルク指令値T[Nm]の波形を示す図である。図では、基本トルク指令値T*[Nm]を100[Nm]一定としている。しかし、図に示すように、モータ回転数n[rpm]に振動が発生しているので、トルク制限値Tlim[Nm]が変動し、よって、制限後トルク指令値T’[Nm]も変動する。しかし、第1の実施形態に係るフィルタ処理部12は、制限後トルク指令値T’[Nm]およびローパスフィルタであるフィルタG(z)からフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算し、最終トルク指令値T[Nm]として出力する。図に示したように、最終トルク指令値T[Nm]であるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]は、フィルタG(z)によって、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動する。
これから、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく制限後トルク指令値T’[Nm]の変動量を大幅に小さくしたフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を効果的に低減させることができる。また、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定し、かつ、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正であると判定した場合、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力している。これから、上記の条件を満たした場合、すなわち、必要な場合、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力できる。一方、上記の条件を満たさない場合、すなわち、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する必要がない場合、最終トルク指令値T[Nm]として、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力しない。代わりに、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力できる。
また、制限後トルク指令値T’[Nm]が最終トルク指令値T[Nm]、すなわち、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]以下であると判定した場合、フィルタ動作フラグを0にし、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力する。これから、上記の条件を満たし、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力した後、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する必要がなくなった場合には、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算を自動的に停止できる。そして、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]の代わりに、制限後トルク指令値T’[Nm]を自動的に出力できる。本制御方法により、制限後トルク指令値T’[Nm]またはフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を自動的に切替えて、最終トルク指令値T[Nm]として、機械系振動要素13へ出力することができる。
以上より、第1の実施形態に係る制御装置10では、車両情報に基づく基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限する第1のトルク制限部11を備える。制限後トルク指令値T’[Nm]は、モータ回転数n[rpm]に基づいて演算されたトルク制限値Tlim[Nm]で制限される。更に、第1のトルク制限部11から出力された制限後トルク指令値T’[Nm]の振動を減衰させるフィルタG(z)を有するフィルタ処理部12を備える。また、フィルタ処理部12は、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なるか否か判定するリミッタ作動判定部122を備える。更に、制限後トルク指令値T’[Nm]およびフィルタG(z)からフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算する演算部123を備える。また、リミッタ作動判定部122の判定結果に基づいて、制限後トルク指令値T’[Nm]またはフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を、最終トルク指令値T[Nm]として出力する制御部126とを備えている。これから、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく制限後トルク指令値T’[Nm]の変動量を大幅に小さくしたフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を低減させることができる。
また、第1の実施形態に係る制御装置10では、リミッタ作動判定部122は、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正か否か判定する。制御部126は、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定し、かつ、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正であると判定した場合、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する。これから、必要な場合、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る制御装置20について、第1の実施形態に係る制御装置10と異なる点を中心に図乃至図を参照して説明する。また、第2の実施形態に係る制御装置20について、第1の実施形態に係る制御装置10と同様の構造には同じ番号を付し、説明を省略する。図は、本発明の第2の実施形態に係る制御装置20の制御モデルを示す図である。図に示すように、第2の実施形態に係る制御装置20は、第1の実施形態に係る制御装置10に、第2のトルク制御手段である第2のトルク制限部22を追加した構成となっている。また、フィルタ処理部12の代わりに、振動処理手段であるフィルタ処理部21を備えている。更に、フィルタ処理部21は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力している。
ここで、第2のトルク制限部22は、モータ回転数n[rpm]からトルク制限値Tlim[Nm]を演算するトルク制限値演算部222を備える。更に、当該トルク制限値Tlim[Nm]を用いて、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]に制限するリミッタ部221を備えている。リミッタ部221は、制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]を、最終トルク指令値T[Nm]として機械系振動要素13へ出力するとともに、フィルタ処理部21へも出力する。なお、トルク制限値演算部222は、第1のトルク制限部11のトルク制限値演算部111と全く同じである。そのため、トルク制限値演算部222が記憶するグラフにも、正トルクリミットおよび負トルクリミットがある。
次に、フィルタ処理部21の内部構造についてフィルタ処理部21は、フラグ判定部121と、判定手段であるリミッタ作動判定部211と、演算手段である演算部212と、記憶部124と、トルク判定部214と、出力手段である制御部213とを備える。以下、第1の実施形態と異なるリミッタ作動判定部211、演算部212、トルク判定部214および制御部213のみ説明する。リミッタ作動判定部211は、トルク制限値演算部112で演算されたトルク制限値Tlim[Nm]を用いて、リミッタ部111が基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限したか否か判定する。すなわち、第1の実施形態のリミッタ作動判定部122と同様に、第1のトルク指令である基本トルク指令値T*[Nm]と第2のトルク指令である制限後トルク指令値T’[Nm]を比較し、異なるか否か判定する。しかし、第1の実施形態のリミッタ作動判定部122と異なり、リミッタ作動判定部211は、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが正か否か判定しない。
演算部212は、第1の実施形態の演算部123と同様に、制限後トルク指令値T’[Nm]およびフィルタG(z)から第3のトルク指令であるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算する。しかし、第1の実施形態と異なり、最終トルク指令値T[Nm]として、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力しないので、演算部212は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入しない。また、演算部212は、第1の実施形態の演算部123と同様に、制限後トルク指令値T’[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入する。トルク判定部214は、第1の実施形態のトルク判定部125と同様に、演算部212によるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算の停止条件を判定する。しかし、第2の実施形態では、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力する。そこで、トルク判定部214は、制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下か否か判定する。
制御部213は、第1の実施形態の制御部126と同様に、フラグ判定部121、リミッタ作動判定部211、演算部212、記憶部124およびトルク判定部214の間のデータの入出力制御を実行する。更に、制御部213は、リミッタ作動判定部211の判定結果に基づいて、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を機械系振動要素13へ出力する。または、リミッタ作動判定部211の判定結果に基づいて、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力する。すなわち、第1の実施形態と異なり、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なるとリミッタ作動判定部211が判定した場合、フィルタ動作フラグを1にする。更に、制御部213は、フィルタ動作フラグが1の場合のみ、演算部212にフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算させる。そして、制御部213は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力する。また、制御部213は、制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下であるとトルク判定部214が判定した場合、フィルタ動作フラグを0に戻す。
(フィルタ処理部21で実行される制御方法)
次に、第2の実施形態に係る制御装置20のフィルタ処理部21で実行される制御方法について、図を参照して説明する。図は、図に示すフィルタ処理部21で実行される制御方法を示すフローチャートである。本制御方法は、図に示すフローチャートのプログラムをフィルタ処理部21に組み込み実現している。図に示すように、第2の実施形態に係るフローチャートは、第1の実施形態に係るフローチャートとほとんど同じである。第2の実施形態に係るフローチャートが、第1の実施形態と異なる点は、ステップS103の制御処理がない点と、ステップS206、S207およびS209の制御処理が異なる点だけである。そのため、ステップS201およびS202の制御処理は、ステップS101およびS102の制御処理と同じである。更に、ステップS208の制御処理はステップS108の制御処理と、ステップS210の制御処理はステップS110の制御処理と、同じである。そこで、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
上記のように、第2の実施形態に係るフローチャートでは、第1の実施形態と異なり、ステップS103の制御処理がない。そのため、リミッタ作動したとリミッタ作動判定部211が判定した場合(ステップS202:Yes)、制御部213は、演算部212にフィルタG(z)を制限後トルク指令値T’[Nm]で初期化させる(ステップS203)。次に、制御部213は、第1の実施形態と同様に、記憶部124に記憶されたフィルタ動作フラグを1にする(ステップS204)。次に、制御部213は、第1の実施形態と同様に、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS205)。上記のように、フィルタ動作フラグは1になっているので、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121は判定し(ステップS205:Yes)、ステップS206の制御処理へ移行する。
ステップS206の制御処理において、制御部213は、制限後トルク指令値T’[Nm]およびフィルタG(z)からフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算部212に演算させる。しかし、第1の実施形態と異なり、制御部213は、演算部212にフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]へ代入させない。次に、制御部213は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力する(ステップS207)。これから、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定した場合、フィルタ動作フラグを1にする。そして、フィルタ動作フラグが1の場合のみ、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力する。その後、ステップS201に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS201:Yes)、ステップS209の制御処理へ移行する。ステップS209の制御処理において、制御部213は、制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下か否かトルク判定部214に判定させる。制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下でないとトルク判定部214が判定した場合(ステップS209:No)、ステップS206の制御処理へ移行する。一方、制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下であるとトルク判定部214が判定した場合(ステップS209:Yes)、ステップS210の制御処理へ移行する。ステップS210の制御処理において、ステップS110と同様の制御処理を実行する。以降、ステップS201〜S210の制御処理を順次、繰り返し実行する。
次に、第2の実施形態の制御装置20から出力される最終トルク指令値T[Nm]について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異ならない場合、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力する。一方、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なった場合、制限後トルク指令値T’[Nm]およびローパスフィルタであるフィルタG(z)からフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算する。このため、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]は、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動する。また、制限後トルク指令値T’[Nm]の傾きが負の場合でも、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を演算する。そうすると、モータ回転数n[rpm]におけるフィルタ後トルク指令値T”[Nm]が、正トルクリミットより大きい場合がある。
そこで、第2の実施形態では、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力している。第2のトルク制限部22は、基本トルク指令値T*[Nm]を制限後トルク指令値T’[Nm]に制限したのと同様に、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]に制限する。具体的には、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]のうち低いほうのトルク指令値を、制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]とする。そして、第2のトルク制限部22は、制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]を、最終トルク指令値T[Nm]として機械系振動要素13へ出力する。更に、第2のトルク制限部22は、制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]をフィルタ処理部21にも出力する。
このようにしても、第1の実施形態と同様に、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく制限後トルク指令値T’[Nm]の変動量を小さくした最終トルク指令値T[Nm]を機械系振動要素13へ出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を効果的に低減させることができる。また、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定した場合、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力している。これから、上記の条件を満たした場合、すなわち、必要な場合、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力できる。よって、必要な場合、制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]を、最終トルク指令値T[Nm]として出力できる。一方、上記の条件を満たさない場合、すなわち、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する必要がない場合、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力しない。代わりに、最終トルク指令値T[Nm]として、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力できる。
また、制限後トルク指令値T’[Nm]が制限後フィルタ後トルク指令値T1[Nm]以下であると判定した場合、フィルタ動作フラグを0にし、制限後トルク指令値T’[Nm]を出力する。これから、上記の条件を満たし、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力した後、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力する必要がなくなった場合には、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]の演算を自動的に停止できる。そして、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]の代わりに、制限後トルク指令値T’[Nm]を自動的に出力できる。本制御方法により、制限後トルク指令値T’[Nm]またはフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を自動的に切替えて、機械系振動要素13または第2のトルク制限部22へ出力することができる。
以上より、第2の実施形態に係る制御装置20は、フィルタ後トルク指令値T”[Nm]を制限する第2のトルク制限部22を備える。また、制御部213は、基本トルク指令値T*[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]が異なると判定した場合、第2のトルク制限部22にフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を出力している。これから、第1の実施形態と同様に、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく制限後トルク指令値T’[Nm]の変動量を小さくした最終トルク指令値T[Nm]を機械系振動要素13へ出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を低減させることができる。また、必要な場合、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]を第2のトルク制限部22へ出力できる。よって、必要な場合、制限後トルク指令値T’[Nm]より遅れて変動するフィルタ後トルク指令値T”[Nm]と制限後トルク指令値T’[Nm]のうち低いほうのトルク指令値を、最終トルク指令値T[Nm]として出力できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る制御装置30について、第1の実施形態に係る制御装置10と異なる点を中心に図乃至図を参照して説明する。また、第3の実施形態に係る制御装置30について、第1の実施形態に係る制御装置10と同様の構造には同じ番号を付し、説明を省略する。図は、本発明の第3の実施形態に係る制御装置30の制御モデルを示す図である。第3の実施形態では、トルク演算手段であるフィルタ演算部32と、第3のトルク制御手段である第1のトルク制限部33を元々備えている制御装置に、本発明を適用した場合を示している。図に示すように、第3の実施形態に係る制御装置30は、上記の制御装置に、振動処理手段であるフィルタ処理部31を追加した構成となっている。具体的には、基本トルク指令値T*[Nm]とフィルタ演算部32の間にフィルタ処理部31を追加する。更に、フィルタ処理部31は、第1のトルク制限部33またはフィルタ演算部32へ基本トルク指令値T*[Nm]を出力する。
ここで、フィルタ演算部32は、車両情報に基づく第1のトルク指令である基本トルク指令値T*[Nm]の振動を減衰させる伝達特性G(z)から第4のトルク指令である制限前トルク指令値T2[Nm]を演算する。第3の実施形態では、基本トルク指令値T*[Nm]は一定でなく、振動が発生している状態を前提としている。上記の振動を減衰させるフィルタ演算部32の伝達特性G(z)(以下、フィルタG(z)とする。)は、第1の実施形態に係るフィルタ処理部12の伝達特性G(z)と同じである。そして、フィルタ演算部32は、フィルタ処理部31および第1のトルク制限部33へ制限前トルク指令値T2[Nm]を出力する。
第1のトルク制限部33は、モータ回転数n[rpm]からトルク制限値Tlim[Nm]を演算するトルク制限値演算部332を備える。更に、当該トルク制限値Tlim[Nm]を用いて、基本トルク指令値T*[Nm]または制限前トルク指令値T2[Nm]を第5のトルク指令である最終トルク指令値T[Nm]に制限するリミッタ部331を備える。リミッタ部331は、機械系振動要素13およびフィルタ処理部31へ最終トルク指令値T[Nm]を出力する。なお、トルク制限値演算部332は、第1の実施形態に係る第1のトルク制限部11のトルク制限値演算部111と全く同じである。そのため、トルク制限値演算部332が記憶するグラフにも、正トルクリミットおよび負トルクリミットがある。
次に、フィルタ処理部31の内部構造について、フィルタ処理部31は、フラグ判定部121と、判定手段であるリミッタ作動判定部312と、フラグ記憶部311と、制御手段である制御部313とを備える。以下、第1の実施形態と異なるリミッタ作動判定部312、フラグ記憶部311および制御部313について説明する。リミッタ作動判定部312は、トルク制限値Tlim[Nm]を用いて、基本トルク指令値T*[Nm]または制限前トルク指令値T2[Nm]を、リミッタ部331が最終トルク指令値T[Nm]に制限したか否か判定する。すなわち、第1の実施形態と異なり、基本トルク指令値T*[Nm]または制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]を比較し、異なるか否か判定する。フラグ記憶部311は、第1の実施形態と同様に、フィルタ動作フラグを記憶するが、第1の実施形態と異なり、フィルタG(z)は記憶しない。
制御部313は、第1の実施形態の制御部126と同様に、フラグ判定部121、リミッタ作動判定部312、フラグ記憶部311の間のデータの入出力制御を実行する。更に、制御部313は、リミッタ作動判定部312の判定結果に基づいて、第1のトルク制限部33またはフィルタ演算部32へ、基本トルク指令値T*[Nm]を出力する。すなわち、第1の実施形態と異なり、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なるとリミッタ作動判定部312が判定した場合、制御部313は、フィルタ動作フラグを0に戻す。更に、制御部313は、フィルタ動作フラグが0の場合のみ、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力する。そして、基本トルク指令値T*[Nm]を制限させる。
一方、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならないとリミッタ作動判定部312が判定した場合、制御部313は、フィルタ動作フラグを1にする。更に、制御部313は、フィルタ動作フラグが1の場合のみ、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する。制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]およびフィルタG(z)から制限前トルク指令値T2[Nm]をフィルタ演算部32に演算させる。そして、制限前トルク指令値T2[Nm]をフィルタ演算部32から第1のトルク制限部33へ出力させる。
(フィルタ処理部31で実行される制御方法)
次に、第1の実施形態に係る制御装置30のフィルタ処理部31で実行される制御方法について、図を参照して説明する。図は、図に示すフィルタ処理部31で実行される制御方法を示すフローチャートである。本制御方法は、図に示すフローチャートのプログラムをフィルタ処理部31に組み込み実現している。図に示すように、まず、制御部313は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS301)。フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS301:Yes)、制御部313は、リミッタ作動か否かリミッタ作動判定部312に判定させる(ステップS302)。具体的には、リミッタ作動判定部312は、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]を比較し、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なるか否か判定する。
次に、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならないとリミッタ作動判定部312が判定した場合(ステップS302:No)、ステップS304の制御処理へ移行する。ステップS304の制御処理において、制御部313は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる。この場合、フィルタ動作フラグは1になっているので、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121は判定する(ステップS304:Yes)。フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS304:Yes)、制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する(ステップS305)。これから、リミッタ作動するまで、すなわち、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なると判定するまで、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力し続ける。その後、ステップS301に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、リミッタ作動したとリミッタ作動判定部312が判定した場合(ステップS302:Yes)、制御部313は、フラグ記憶部311に記憶されたフィルタ動作フラグを0にする(ステップS303)。次に、制御部313は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS304)。上記のように、フィルタ動作フラグは1になっていないので、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121は判定し(ステップS304:No)、ステップS306の制御処理へ移行する。ステップS306の制御処理において、制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力する。これから、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なると判定した場合、フィルタ動作フラグを0にする。そして、フィルタ動作フラグが0の場合のみ、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力する。その後、ステップS301に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121が判定した場合(ステップS301:No)、制御部313は、リミッタ作動か否かリミッタ作動判定部312に判定させる(ステップS307)。具体的には、リミッタ作動判定部312は、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]を比較し、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なるか否か判定する。基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なるとリミッタ作動判定部312が判定した場合(ステップS307:Yes)、ステップS304の制御処理へ移行する。この場合、フィルタ動作フラグは1になっていないので、フィルタ動作フラグが1でないとフラグ判定部121は判定し(ステップS304:No)、ステップS306の制御処理へ移行する。ステップS306の制御処理において、上記と同様に、制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力する。これから、フィルタ動作フラグが0である限り、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力し続ける。その後、ステップS301に戻り、以下の制御処理を順次実行する。
その後、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならないとリミッタ作動判定部312が判定した場合(ステップS307:No)、ステップS308の制御処理へ移行する。ステップS308の制御処理において、制御部313は、フィルタ演算部32のフィルタG(z)を最終トルク指令値T[Nm]で初期化させる。ここで、初期化とは、フィルタG(z)の入力が最終トルク指令値T[Nm]で無限時間経過した状態にすることである。次に、制御部313は、フラグ記憶部311に記憶されたフィルタ動作フラグを1にする(ステップS309)。次に、制御部313は、フィルタ動作フラグが1か否かフラグ判定部121に判定させる(ステップS304)。上記のように、フィルタ動作フラグは1になっているので、フィルタ動作フラグが1であるとフラグ判定部121は判定し(ステップS304:Yes)、ステップS305の制御処理へ移行する。
ステップS305の制御処理において、制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する。これにより、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならない場合には、フィルタ動作フラグを1にする。そして、フィルタ動作フラグが再度0になるまで、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力し続ける。以降、ステップS301〜S309の制御処理を順次、繰り返し実行する。これから、第3の実施形態では、第1の実施形態と異なり、リミッタ作動していない間、制御部313は基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する。そして、制限前トルク指令値T2[Nm]をフィルタ演算部32から第1のトルク制限部33へ出力させる。一方、リミッタ作動した場合のみ、制御部313は基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力する。
すなわち、第3の実施形態に係るフィルタ処理部31では、リミッタ作動しない限り、基本トルク指令値T*[Nm]の振動を減衰させるため、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する。更に、基本トルク指令値T*[Nm]およびフィルタG(z)から制限前トルク指令値T2[Nm]をフィルタ演算部32に演算させた後、制限前トルク指令値T2[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力させる。一方、リミッタ作動している間、基本トルク指令値T*[Nm]の振動を減衰させず、基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力し、基本トルク指令値T*[Nm]を制限させている。
このようにすることで、第1の実施形態と同様に、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく最終トルク指令値T[Nm]の変動量を小さくして、機械系振動要素13へ出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を低減させることができる。また、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なると判定した場合、基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力している。これから、上記の条件を満たした場合、すなわち、必要な場合、振動が減衰されていない基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力できる。
一方、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならないと判定した場合、すなわち、不必要な場合、振動が減衰されていない基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力しない。上記の場合、フィルタ動作フラグを1にし、基本トルク指令値T*[Nm]をフィルタ演算部32へ出力する。よって、フィルタ演算部32から第1のトルク制限部33へ、制限前トルク指令値T2[Nm]を出力させることができる。また、上記の条件を満たし、基本トルク指令値T*[Nm]を直接第1のトルク制限部33へ出力した後、フィルタ演算部32へ出力する必要がある場合には、自動的に出力先を変更することができる。
以上より、第3の実施形態に係る制御装置30では、車両情報に基づく基本トルク指令値T*[Nm]の振動を減衰させる伝達特性G(z)から制限前トルク指令値T2[Nm]を演算するフィルタ演算部32を備える。また、制限前トルク指令値T2[Nm]を最終トルク指令値T[Nm]に制限する第1のトルク制限部33を備える。最終トルク指令値T[Nm]は、モータ回転数n[rpm]に基づいて演算されたトルク制限値Tlim[Nm]で制限される。更に、リミッタ作動判定部312と、制御部313を含むフィルタ処理部31を備える。リミッタ作動判定部312は、第1のトルク制限部33から出力された最終トルク指令値T[Nm]と基本トルク指令値T*[Nm]が異なるか否か判定する。更に、最終トルク指令値T[Nm]と制限前トルク指令値T2[Nm]が異なるか否か判定する。
制御部313は、制限前トルク指令値T2[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異なると判定した場合、基本トルク指令値T*[Nm]を第1のトルク制限部33へ出力し、基本トルク指令値T*[Nm]を制限させる。更に、制御部313は、基本トルク指令値T*[Nm]と最終トルク指令値T[Nm]が異ならないと判定した場合、制限前トルク指令値T2[Nm]をフィルタ演算部32から第1のトルク制限部33へ出力させる。これから、モータ回転数n[rpm]の振動に基づく最終トルク指令値T[Nm]の変動量を小さくして、機械系振動要素13へ出力することができる。よって、最終トルク指令値T[Nm]が変動することで誘起されるモータ回転数n[rpm]の振動を低減させることができる。また、上記のようにすることで、基本トルク指令値T*[Nm]の出力先を自動的に変更することができる。
なお、以上に述べた実施形態は、本発明の実施の一例であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、他の様々な実施形態に適用可能である。例えば、第1の実施形態に係るフィルタ処理部12では、伝達特性G(z)をローパスフィルタとしているが、特にこれに限定されるものでなく、他の特性でも良い、例えば、伝達特性G(z)をノッチフィルタとしても良い。この場合、最終トルク指令値T[Nm]は、図10に示すような波形になる。また、例えば、伝達特性G(z)をランプ関数(レートリミッタ)としても良い。この場合、最終トルク指令値T[Nm]は、図11に示すような波形になる。
また、第2の実施形態に係るフィルタ処理部21では伝達特性G(z)をローパスフィルタとしているが、特にこれに限定されるものでなく、他の特性でも良い、例えば、伝達特性G(z)をノッチフィルタとしても良いし、ランプ関数(レートリミッタ)としても良い。同様に、第3の実施形態に係るフィルタ演算部32の伝達特性G(z)をローパスフィルタしているが、特にこれに限定されるものでなく、他の特性でも良い、例えば、伝達特性G(z)をノッチフィルタとしても良いし、ランプ関数(レートリミッタ)としても良い。
また、第1乃至第3の実施形態では、正トルクリミットで制限された場合について説明しているが、特にこれに限定されるものでなく、負トルクリミットで制限される場合にも適用可能である。この場合、各フィルタ処理部12、21、31で実行される制御処理の判定条件を逆にすれば良い。
また、第3の実施形態では、フィルタ処理部31からフィルタ演算部32へ基本トルク指令値T*[Nm]を出力しているが、特にこれに限定されるものでなく、フィルタ演算部32へ基本トルク指令値T*[Nm]を出力しても良い。この場合、フィルタ演算部32による制限前トルク指令値T2[Nm]の演算を開始させるトリガ信号をフィルタ処理部31からフィルタ演算部32へ出力すれば良い。
本発明の第1の実施形態を適用したインバータシステムの概略構成図 本発明の第1の実施形態に係る制御装置の制御モデルを示す図 図1に示すトルク制限値演算部におけるトルク制限値の一例を示す図 図2に示すフィルタ処理部で実行される制御方法を示すフローチャート 図2に示すフィルタ処理部における制限後トルク指令値および最終トルク指令値の波形を示す図 本発明の第2の実施形態に係る制御装置の制御モデルを示す図 図6に示すフィルタ処理部で実行される制御方法を示すフローチャート 本発明の第3の実施形態に係る制御装置の制御モデルを示す図 図8に示すフィルタ処理部で実行される制御方法を示すフローチャート フィルタ処理部の伝達特性をノッチフィルタとした場合の制限後トルク指令値および最終トルク指令値の波形を示す図 フィルタ処理部の伝達特性をレートリミッタとした場合の制限後トルク指令値および最終トルク指令値の波形を示す図
1 インターフェイス回路、2 マイクロコンピュータ、3 ドライブ回路、
4 インバータ、5 モータ、6 直流電源、7 コンデンサ、
8 電流センサ、9 回転センサ、10、20、30 制御装置、
11 第1のトルク制御手段である第1のトルク制限部、
12、21、31 振動処理手段であるフィルタ処理部、
13 機械系振動要素、
22 第2のトルク制御手段である第2のトルク制限部、
32 トルク演算手段であるフィルタ演算部、
33 第3のトルク制御手段である第1のトルク制限部、
111、221、331 リミッタ部、
112、222、332 トルク制限値演算部、121 フラグ判定部、
122、211、312 判定手段であるリミッタ作動判定部、
123、212 演算手段である演算部、124 記憶部、
125、214 トルク判定部、126、213 出力手段である制御部、
311 フラグ記憶部、313 制御手段である制御部、
G(z) フィルタ処理部の伝達特性、H(s) 機械系振動要素の伝達特性、
T* 第1のトルク指令である基本トルク指令値、
T’ 第2のトルク指令である制限後トルク指令値、
T” 第3のトルク指令であるフィルタ後トルク指令値、
T1 制限後フィルタ後トルク指令値、
T2 第4のトルク指令である制限前トルク指令値、
T 第5のトルク指令である最終トルク指令値、Tlim トルク制限値、
n モータ回転数、

Claims (5)

  1. 車両情報に基づく第1のトルク指令を、電動機の回転数に基づいて演算されたトルク制限値で制限された第2のトルク指令に制限する第1のトルク制御手段と、
    前記第1のトルク制御手段から出力された前記第2のトルク指令の振動を減衰させる伝達特性を有する振動処理手段とを備え、
    前記振動処理手段は、前記第1のトルク指令と前記第2のトルク指令が異なるか否か判定する判定手段と、
    前記第2のトルク指令および前記伝達特性から第3のトルク指令を演算する演算手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第2のトルク指令または前記第3のトルク指令を出力する出力手段とを備え、
    前記判定手段は、前記第2のトルク指令の傾きが正か否か判定し、
    前記出力手段は、前記第1のトルク指令と前記第2のトルク指令が異なると判定し、かつ、前記第2のトルク指令の前記傾きが正であると判定した場合、前記第3のトルク指令を出力することを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 車両情報に基づく第1のトルク指令を、電動機の回転数に基づいて演算されたトルク制限値で制限された第2のトルク指令に制限する第1のトルク制御手段と、
    前記第1のトルク制御手段から出力された前記第2のトルク指令の振動を減衰させる伝達特性を有する振動処理手段と、
    電動機の回転数に基づいて演算されたトルク制限値で制限する第2のトルク制御手段とを備え、
    前記振動処理手段は、前記第1のトルク指令と前記第2のトルク指令が異なるか否か判定する判定手段と、
    前記第2のトルク指令および前記伝達特性から第3のトルク指令を演算する演算手段と、
    前記判定手段の判定結果に基づいて、前記第2のトルク指令または前記第3のトルク指令を出力する出力手段とを備え、
    前記出力手段は、前記第1のトルク指令と前記第2のトルク指令が異なると判定した場合、前記第2のトルク制御手段へ前記第3のトルク指令を出力し、
    前記第2のトルク制御手段は、前記第3のトルク指令を前記トルク制限値で制限し最終トルク指令として出力する
    ことを特徴とする電動機の制御装置。
  3. 前記伝達特性は、ノッチフィルタであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動機の制御装置。
  4. 前記伝達特性は、ローパスフィルタであることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動機の制御装置。
  5. 前記伝達特性は、ランプ関数(レートリミッタ)であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の電動機の制御装置。
JP2007276404A 2007-10-24 2007-10-24 電動機の制御装置及びその制御方法 Active JP5298498B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007276404A JP5298498B2 (ja) 2007-10-24 2007-10-24 電動機の制御装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007276404A JP5298498B2 (ja) 2007-10-24 2007-10-24 電動機の制御装置及びその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009106099A JP2009106099A (ja) 2009-05-14
JP5298498B2 true JP5298498B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=40707248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007276404A Active JP5298498B2 (ja) 2007-10-24 2007-10-24 電動機の制御装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5298498B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6011170B2 (ja) * 2012-09-05 2016-10-19 日産自動車株式会社 モータ制御装置およびモータ制御方法
KR20160034773A (ko) * 2014-09-22 2016-03-30 현대자동차주식회사 전기 자동차의 모터 진동 저감 제어 장치 및 방법
FR3083339B1 (fr) * 2018-06-28 2021-01-22 Valeo Equip Electr Moteur Procede de pilotage d'une machine electrique tournante pour compenser les oscillations de couple d'une chaine de traction de vehicule automobile

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4931105B2 (ja) * 2005-09-22 2012-05-16 東芝三菱電機産業システム株式会社 電気自動車用電力変換装置
JP2007110860A (ja) * 2005-10-17 2007-04-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機の制御装置
JP2007221896A (ja) * 2006-02-15 2007-08-30 Toyota Motor Corp 車両の制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009106099A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4706324B2 (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP4661183B2 (ja) モータ駆動装置
JP4131079B2 (ja) インバータ装置およびその電流制限方法
JP6260502B2 (ja) モータ制御装置
JP2011147343A (ja) 電動パワーステアリング制御装置
JP2008296877A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2004166408A (ja) 永久磁石同期電動機制御方法
WO2005093943A1 (ja) 永久磁石式同期モータの制御装置
JP4556460B2 (ja) 車両用制振制御装置および車両用制振制御方法
CN111971892B (zh) 马达驱动装置、控制器、电动车辆系统
JP4195897B2 (ja) ステッピングモータの制御装置
JP5412820B2 (ja) 交流電動機の制御装置及び制御方法
JP5298498B2 (ja) 電動機の制御装置及びその制御方法
JP5724207B2 (ja) 電動車両における電動モータの制御装置
JP6915695B2 (ja) 電動機の制御方法及び電動機の制御装置
JP2011101554A (ja) コンバータの制御装置
JP2009201250A (ja) モータの制御装置
JP2009291051A (ja) インバータ装置
JP5782866B2 (ja) 駆動装置および車両
JP6375103B2 (ja) 回転機の制御装置
JP6862943B2 (ja) 駆動装置
JP6753290B2 (ja) モータの制御方法、及び、モータの制御システム
JP2012249424A (ja) モータ制御装置
JP2018191450A (ja) 駆動装置
WO2020137567A1 (ja) モータ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100928

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101013

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101028

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5298498

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150