JP4195897B2 - ステッピングモータの制御装置 - Google Patents
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Description
δθ<90°の時は
θi=θcom
δθ>90°の時は
θi=θfb+90°+KV・ω+Ke・ω・δθ
ただし、θcom:位置指令、θfb:ロータ位置、δθ:位置偏差、θi:電流位相、
KV:比例定数、Ke:比例定数、ω:ロータ速度
δθ<90°+KV・ωfbの時は
θi=θcom
δθ>90°の時は
θi=θfb+90°+KV・ωfb
ただし、ωfb:ロータ速度
例えば、外力によってロータシャフトが回された後に、該ロータシャフトが開放されると、最大トルクで元位置に向かってロータが復帰回転することになるが、そのさい、ロータの回転速度が異常なスピードに達するおそれがある。また、ロータが元位置の近傍に達するまでは減速されないので、ロータや負荷の慣性により該ロータが停止すべき位置を行き過ぎることがある。そして、上記慣性が大きい場合には、行き過ぎて戻る運転を繰り返して、停止できない状態になることもある。同じような現象は、運転時の加速トルクの不足、負荷変動等の要因でも起こりうる。
前記所定の範囲は、例えば、負の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度の関数(f(ωfb))で規定される値とを加算した下限値を有し、正の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度の関数で規定される値とを加算した上限値を有するように設定される。
また、前記所定の範囲は、例えば、負の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度に所定の係数(KV)を乗じた値とを加算した下限値を有し、正の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度に前記所定の係数を乗じた値とを加算した上限値を有するように設定される。この場合、前記所定の係数(KV)は0であってもよい。
前記ロータ位置指令に基づいて設定される前記巻線電流指令位相には、前記速度偏差を含ませてもよい。
この図1において、ステッピングモータ50のロータに対する位置指令θcomは、位置指令入力端子10を介してパルス信号の形で演算部20に入力される。位置検出器60は、上記ロータの実際の位置(以下、ロータ位置と記す)θfbを検出するために設けたものであり、その出力は上記演算部20に入力される。なお、本実施形態では、ステッピングモータ50として2相ハイブリット型構成のものが使用されている。
この図2において、第1の減算器30は、上記ロータに関する位置指令θcomと実位置θfbの偏差δθを演算する。第1の微分器21は、位置指令θcomを微分して速度指令ωcomを形成し、第2の微分器22は、ロータ位置θfbを微分してロータ回転速度ωfbを形成する。速度補償器23は、ロータ回転速度ωfbに速度補償のための比例定数Kvを乗じる。固定値発生器24は、位置偏差δθが正の時に固定値+Kを発生し、該位置偏差δθが負の時に固定値−Kを発生する。値Kとしては、電気角で90°に相当する値が望ましく、本実施形態ではそのような値に設定してある。
第1の速度差補償器25および第2の速度差補償器26は、それぞれ減算器31から出力される速度偏差δωに速度差補償のための比例定数KdiおよびKdoを乗じる。
本実施形態に係る制御装置は、以下に述べるように、ロータ位置指令θcomとロータ位置θfbのいずれかに基づいて電流指令位相θiを計算し、この電流指令位相θiからA相電流指令IacomおよびB相電流指令Ibcomを形成する。なお、位置指令θcomに基づいて計算される電流指令位相θiを用いることは、基本的に通常のオープンループステッピングモータ制御系の場合と同じになる。
すなわち、図2に示した演算部20において、前記第1の判定器27は、位置偏差δθの範囲が下式(1)の関係を満たすときに、スイッチ素子35を端子a側に接続する。
−K+Kv・ωfb<δθ<+K+Kv・ωfb ・・・(1)
これにより、下式(2)に示すように、加算器33の加算結果が電流指令の位相θiとしてスイッチ素子35から出力される。このように、位置偏差δθが式(1)に示す範囲にある場合には、電流指令の位相θiが位置指令θcomに基づいて計算される(図3における領域E参照)。
θi=θcom+Kdi・δω ・・・(2)
第1の判定器27は、位置偏差δθの範囲が式(1)の範囲を超えたとき、すなわち、δθ>+K+KV・ωfbもしくはδθ<−K+KV・ωfbのときにスイッチ素子35を端子b側に接続する。この場合、第2の判定器28は、位置偏差δθと速度偏差δωの符号(正負)が一致した時のみスイッチ素子36をオフするので、結局、以下の条件a〜dに応じた4つの電流指令位相θiが計算され(図3における領域A〜D参照)、これらが該条件a〜bに応じてスイッチ素子35から出力される。
条件a:δθ>+K+KV・ωfb,δθ>0,δω>0(スイッチ素子36オフ)
θi=θfb+K+KV・ωfb ・・・(3)
条件b:δθ>+K+KV・ωfb,δθ>0,δω<0(スイッチ素子36オン)
θi=θfb+K+KV・ωfb+Kd0・δω ・・・(4)
条件c:δθ<−K+KV・ωfb,δθ<0,δω<0(スイッチ素子36オフ)
θi=θfb−K+KV・ωfb ・・・(5)
条件d:δθ<−K+KV・ωfb,δθ<0,δω>0(スイッチ素子36オン)
θi=θfb−K+KV・ωfb+KdO・δω ・・・(6)
一方、ロータ位置θfbに基づいて決定される電流指令位相θi、つまり、式(3)〜(6)によって演算される電流指令位相θiによれば、次のような効果が得られる。
すなわち、例えば、モータ50がCW方向に過剰回転する場合には、速度偏差δωが負になるとともに、位置偏差δθが正のとなるので、式(4)に基づいて電流指令位相θiが決定される。この場合、式(4)の第3項KdO・δωが負の値となるので、ロータ位置θfbに対する進み角が小さくなり、その結果、トルクが減少する。
式(4)におけるKdO・δωの項が固定値Kより大きくなると、逆方向のトルクが発生することになる。そこで、係数KdOの値は、適宜な速度偏差の抑制効果が得られるように調整される。
なお、式(3)、(5)によって決定される電流指令位相θiによれば、モータが最大トルクを発生するような進角値が設定されることになる。
この演算部20'は、速度・位置偏差補償器37を設けた点と、固定値発生器24の出力を第1の判定器27に入力した点において前記第1の実施形態に係る演算部20と構成が異なる。
この演算部20'においては、位置偏差δθの範囲が下式(7)の関係を満たすときに第1の判定器27がスイッチ素子35を端子a側に接続させる。このとき、スイッチ素子35からは、前記第1の実施形態の場合と同様に前記式(2)に示す電流指令位相θi=θcom+Kdi・δωがスイッチ素子35を介して出力される。なお、本実施形態においても、上記電流指令位相θiをθi=θcomにすることができる。
−K<δθ<+K ・・・(7)
条件a:δθ>K,δθ>0,δω>0(スイッチ素子36オフ)
θi=θfb+K+KV・ωfb+Ke・ωfb・δθ ・・・(8)
条件b:δθ>K,δθ>0,δω<0(スイッチ素子36オン)
θi=θfb+K+KV・ωfb+Ke・ωfb・δθ+KdO・δω ・・・(9)
条件c:δθ<−K,δθ<0,δω<0(スイッチ素子36オフ)
θi=θfb−K+KV・ωfb+Ke・ωfb・δθ ・・・(10)
条件d:δθ<−K+KV・ωfb,δθ<0,δω>0(スイッチ素子36オン)
θi=θfb−K+KV・ωfb+Ke・ωfb・δθ+KdO・δω ・・・(11)
この演算部20'を用いた場合の作用効果は、前記演算部20を用いた場合の作用効果と同様であるので、その説明を省略する。
21 第1の微分器
22 第2の微分器
23 速度補償器
24 固定値発生器
25 第1の速度差補償器
26 第2の速度差補償器
27 第1の判定器
28 第2の判定器
29 座標変換器
30 第1の減算器
31 第2の減算器
32 第1の加算器
33 第2の加算器
34 第3の加算器
35 第1のスイッチ素子
36 第2のスイッチ素子
37 速度・位置偏差補償器
40 電流増幅部
50 ステッピングモータ
Claims (9)
- ロータの位置を指令するロータ位置指令(θcom)とロータの実際の位置であるロータ位置(θfb)とに基づいて、巻線に流す電流を指令する巻線電流指令の位相(θi)を決定し、該巻線電流指令位相(θi)に基づいて各相についての電流指令(Iacom,Ibcom)を形成するように構成されたステッピングモータの制御装置であって、
前記位置指令と前記ロータ位置の偏差(δθ)を算出する位置偏差算出手段(30)と、
前記位置指令に基づいてロータ速度指令(ωcom)を算出するロータ速度指令算出手段(21)と、
前記ロータ位置に基づいてロータ速度(ωfb)を算出するロータ速度算出手段(22)と、
前記ロータ速度指令と前記ロータ速度の偏差(δω)を算出する速度偏差算出手段(31)と、
前記位置偏差が正および負の場合に、それぞれ正の固定値(K)および負の固定値(−K)を発生する固定値発生手段(24)と、
前記位置偏差が所定の範囲内にあるか否かを判定する第1の判定手段(27)と、
前記位置偏差の正負と前記速度偏差の正負が一致しているか否かを判定する第2の判定手段(28)と、
前記位置偏差が前記所定の範囲内にある場合に、前記ロータ位置指令に基づいて前記巻線電流指令位相を設定し、前記位置偏差が前記所定の範囲を超えかつ前記位置偏差と前記速度偏差の正負が一致している場合に、前記ロータ位置と、前記固定値と、前記ロータ速度に応じた進角補正値とを加算した値に基づいて前記巻線電流指令位相を設定し、前記位置偏差が前記所定の範囲を超えかつ前記位置偏差と前記速度偏差の正負が不一致の場合に、前記ロータ位置と、前記固定値と、前記ロータ速度に応じた進角補正値と、所定の係数(Kdo)を乗じた前記速度偏差とを加算した値に基づいて前記巻線電流指令の位相を設定する位相設定手段(34〜35)と、
を備えることを特徴とするステッピングモータの制御装置。 - 前記固定値は、電気角90°に相当する値である請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記所定の範囲は、負の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度の関数(f(ωfb))で規定される値とを加算した下限値を有し、正の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度の関数で規定される値とを加算した上限値を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記所定の範囲は、負の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度に所定の係数(KV)を乗じた値とを加算した下限値を有し、正の符号を付した前記固定値と前記ロータ速度に前記所定の係数を乗じた値とを加算した上限値を有することを特徴とする請求項1または2に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記所定の係数(KV)は0であることを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記進角補正値は、前記ロータ速度の関数(f(ωfb))で規定される値であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記進角補正値は、所定の係数(KV)と前記ロータ速度との積からなる値であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記進角補正値は、所定の係数(KV)と前記ロータ速度の積からなる値と、所定の係数(Ke)と前記ロータ速度と前記位置偏差の積からなる値とを加算した値であることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
- 前記ロータ位置指令に基づいて設定される前記巻線電流指令位相に前記速度偏差を含ませたことを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータの制御装置。
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