JP3622410B2 - インバータによる電動機の制御方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、インバータによる電動機の制御方法に関し、特に回生エネルギーによるインバータ直流母線電圧の上昇による過電圧を防止するインバータによる電動機の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インバータによる電動機の制御において、インバータの出力周波数を低下させることによって電動機を減速し停止させる時に、回生エネルギーによるインバータ直流母線電圧の上昇による過電圧を防止する方法がある。
特開平4−312373号公報に見られる方法は、減速時に直流母線電圧が上昇したことを検出し、検出値に応じて減速を停止したり、あるいは減速を緩めて減速時間を長くするといった制御を行っている(従来例1)。
また、特開平5−91787号公報に示される方法は、電動機の特性式から最大許容回生電力を演算によって求め、回生電力をこの許容値内に制限するように制御するというものである(従来例2)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例1の方法では、減速時間を長くした場合においても負荷のイナーシャの大きいときは電動機の減速の応答が指令よりも遅れるため、減速時間を短く設定していた場合に、電動機の速度が指令に追従できないため過電圧となりやすいという欠点がある。
また、従来例2の場合は、演算が複雑であるため演算の処理時間が長くなり、また、インバータで制御する電動機の特性があらかじめ分かっている必要があるという問題がある。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、複雑な演算を必要とせず、応答性を良くして直流母線電圧の上昇による直流母線の過電圧を防止するインバータによる電動機の制御方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
インバータの直流母線電圧の上昇は、直流母線に設けられている平滑コンデンサに電動機からのエネルギが回生されるために生じ、そのエネルギの大きさはωT(ω:回転速度.T:トルク)で表わされる。
そこで本発明は、上記の課題を解決するために、電動機の減速時に、直流母線電圧を検出してその大きさに応じてインバータの回生側トルクリミットを小さくすることより、直流母線電圧が上昇したときは回生エネルギを少なくして直流母線電圧が過電圧とならないようにしたものである。
同時に、回生エネルギにより直流母線電圧が上昇した場合において、トルクリミットの絞る量に応じて、インバータ出力周波数の降下量を小さくして減速時間を長くすることにより、電動機の負荷イナーシャが大きく回生エネルギが大きい場合にトルクリミットにより減速が制限されたときも、インバータの出力周波数がモータの速度に応じて減少するようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例の構成を示すブロック図、図2は実施例の動作を示すタイムチャートである。
図1において、1は交流電源を直流電源に変換するコンバータ、2は直流母線電圧のリップルを軽減するための平滑コンデンサ、3は直流電圧を後述する制御部からの信号に応じて交流電圧に変換するインバータである。電力変換部はこれらコンバータ1、平滑コンデンサ2およびインバータ3から成る。
4は設定した加減速時間で出力周波数を加減するソフトスタータ、5はソフトスタータ出力の周波数と電動機の速度が一致するように制御する速度制御器、6は速度制御器の出力のリミッタ、7は速度指令の出力から電流指令を演算する電流指令演算部、8は電流指令とインバータ出力電流が一致するようにする電流制御器、9は電流制御器8の出力から電圧指令を演算する電圧指令発生部、10は電圧指令通りに出力するための指令をインバータへ与えるPWM発生部、11はインバータの電力変換素子を制御するゲートドライバである。制御部はこれらから成る。また、制御部に信号を与える検出器として、平滑コンデンサ2の端子間電圧を検出する直流母線電圧検出器12、電流指令値に基づいて電流制御されるインバータ3より電動機14に流れる電流を検出する電流検出器13、アブソリュートエンコーダなどから成る電動機の位置検出器15を有している。
【0006】
速度制御器5の出力は、速度指令と速度フィードバックの偏差にゲインを乗じたものでトルク指令に相当するものであるので、速度制御器5の出力側にあるリミッタ6はトルクリミッタと同一である。
次に、実施例における動作について説明する。
図2は、発明実施例の動作時におけるモータ速度S、直流母線電圧V(図A)および、回生側トルクリミットL、ソフトスタータでの出力周波数低下量H(図B)のタイムチャートを示す。
トルクリミッタの作用について説明する。トルクリミッタは、速度制御器からの出力Trefが電動機の許容トルクを超えないように出力Trefが大きい場合には、予め設定された値でリミットする。いま、減速を指令すると(t1 )、予め設定された減速時間に応じた周波数の低下量Hで減速が始まり、電動機からの回生エネルギで直流母線電圧Vが急激に上昇する。直流母線電圧Vが電圧リミットレベル1(Vlim1)に達すると(t2 )、回生側トルクリミットLを設定値よりも小さい値tlim1に変更する。
【0007】
電圧リミットレベル2(Vlim2)は電圧リミットレベルVlim1よりも高く、過電圧レベルよりも低いところに設定された値で、この電圧に達したとき(t3 )、回生側トルクリミットLが零となる。直流母線電圧Vが電圧リミットレベルVlim1とVlim2の間(t2〜t4)では、トルクリミットLを直流母線電圧Vに応じて変化させている。ここでは、一次式
トルクリミット値=tlim1・{1−(直流母線電圧−Vlim1)/(Vlim2−Vlim1)}
で変化させた。
本実施例のトルクリミッタでは、直流母線電圧Vが電圧リミットレベルVlim1を越えると前記式にしたがって回生側トルクリミットLを小さくするので、減速トルクが小さくなり回生エネルギが減少し、直流母線電圧Vの上昇が緩やかになり、やがて直流母線電圧Vは回生エネルギと電動機およびインバータでの損失が等しくなる状態で一定値となる。そして、電動機の速度Sが下がってくる(t4 )と、回生エネルギが小さくなり直流母線電圧Vが下がってくるので、これに応じてトルクリミットLを上げている。
【0008】
次に、速度制御器の作用について説明する。速度制御器は、電動機の速度が速度指令と一致するように制御しており、速度指令と速度検出値との差が零になるようにPI制御を行なっている。前記のように、トルクリミットを小さくし減速トルクを小さくすると電動機の減速が減速時間の設定に比ベて長くなるので、ソフトスタータの出力が設定値のとおりに下がると速度指令と電動機の速度の差が開き運転に支障をきたすことになる。そこで、本実施例の速度制御器では、トルクリミット値の絞り方と同様にして、周波数の低下量Hを小さくすることで電動機の減速が減速時間の設定に近づくように制御する。
以上のようにして、減速時にインバータ直流母線電圧Vが過電圧に至らないように滑らかに電動機を減速、停止させることができる。
【0009】
【発明の効果】
以上述ベたように、本発明によれば、電動機の減速時にインバータの直流母線電圧が上昇した場合、回生側のトルクリミットを小さくすることで、電動機の減速トルクが小さくなり回生エネルギωTが減少するので、直流母線電圧の上昇を抑えることができ、過電圧に至らずに減速をすることができ、また、負荷のイナーシャが大きい場合に電動機の減速が遅くなった場合にも、インバータ出力周波数がモータ速度の減速に応じて下がることにより、スムーズな減速ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施例の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 コンバータ
2 平滑コンデンサ
3 インバータ
4 ソフトスタータ
5 速度制御器
6 トルクリミッタ
7 電流指令演算部
8 電流制御器
9 電圧指令発生部
10 PWM発生部
11 ゲートドライバ
12 直流母線電圧検出器
13 電流検出器
14 電動機
15 位置検出器
Claims (2)
- インバータを含む電力変換部と、速度制御器、トルクリミッタを含む制御部を有する電動機の制御方法において、
前記インバータの直流母線電圧を検出し、減速時に、前記直流母線電圧の上昇に応じて回生側のトルクリミッタのリミットを小さくする処理手段を具備した構成において、前記トルクリミットを前記直流母線電圧が予め定めた電圧リミットレベル1(V lim1 )に達すると、回生側トルクリミットを設定値よりも小さい値で予め定めた値t lim1 に変更し、前記直流母線電圧がV lim1 よりも高く過電圧レベルよりも低いところに予め設定された電圧リミットレベル2(V lim2 )に達したとき、回生側トルクリミットを零に変更し、前記直流母線電圧が前記電圧リミットレベルV lim1 とV lim2 の間では、トルクリミットを前記直流母線電圧に応じて、トルクリミット値=t lim1 ・{1−(直流母線電圧−V lim1 )/(V lim2 −V lim1 )}に基づいて変化させることを特徴とするインバータによる電動機の制御方法。 - 減速時、トルクリミットの大きさに対応して速度制御器における周波数の減少量を変化させることを特徴とする請求項1記載のインバータによる電動機の制御方法。
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