JP2009031007A - 発振駆動回路、発振駆動装置、物理量測定回路、物理量測定装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1入力2出力のコンパレータ(50)は、駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)からの電圧信号(Vin)を所定電圧(VR0)と比較する共用化された差動部(51)と、この差動部(51)の出力信号を受け、電圧振幅を可変に調整して出力する第1の出力部(53)と、差動部(51)の出力信号を受け、電圧振幅が固定された同期検波用参照信号(PEref)を出力する第2の出力部(63)と、を有する。
【選択図】図1
Description
(1)ゲインコントロールアンプ(GCA)および同期検波用参照信号を生成する回路(コンパレータ等)における回路の共用化が実現され、発振駆動回路の小型化かつ省電力化が可能である。
(2)回路の共用化によって、駆動発振ループ内の発振駆動信号の位相と同期検波用参照信号(同期クロック)の位相とが揃うことになり、位相ずれは極小となるため、物理量測定装置における検出精度が向上する。
(3)発振定常状態への高速な移行が可能となる。
(4)物理量トランスデューサに過剰な電流が流れることによる物理量トランスデューサの破壊の防止も可能である。
(5)低消費電力モードによる、さらなる低消費電力化が可能である。
(6)低消費電力から通常動作モードへの高速な復帰も可能となる。
(7)物理量トランスデューサとして水晶振動子を利用することにより、物理量の検出精度を向上させることができる。
本実施形態では、本発明の主要な実施形態の概要を説明する。図1は、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)の構成を示す回路図である。以下、本実施形態の物理量測定装置の主要な構成と動作について、順に説明する。
発振駆動回路200は、発振ループによって物理量トランスデューサ400を駆動する。本実施形態の発振駆動回路200では、高速な起動を可能とするため、発振起動時においてループゲインを1より大きく設定する。すなわち、発振起動時における発振条件は、ループゲイン>1、かつ、ループ内の位相=360度・n(nは整数)を満足することである。安定発振時の発振条件は、ループゲイン=1、かつ、ループ内の位相=360度・n(nは整数)を満足することである。
図1の発振駆動回路200は、VDD(高電位電源)とGND(接地電位:低電位電源)との間で動作する。但し、GND(接地電位)の代わりにアナロググランド(AGND:回路の基準電位であり、GNDと一致するとは限らない)を用いることもあり得る。具体的には、物理量トランスデューサ(振動子)400の種類に応じて、使用できる電源電位が異なる。
本発明では、物理量トランスデューサを矩形波で駆動する方式を採用する。この方式は、物理量トランスデューサを所定周波数の矩形波(3次、5次等の高調波成分が含まれる)で駆動した場合でも、物理量トランスデューサ自体がもつ周波数フィルタ作用によって、不要な高調波が低減され、目的とする周波数(共振周波数)の駆動信号が得られることを利用している。
図1に示されるように、物理量測定装置は、物理量トランスデューサ400を矩形波の駆動信号で発振駆動するための発振駆動回路200と、物理量トランスデューサ400からの検出信号(物理量の変化を示す電流信号)を検出する検出回路100と、を含む。検出回路100は、初段の電流/電圧変換増幅回路(OPB)と、移相器106と、同期検波回路108と、ローパスフィルタ(LPF)110と、を有する。
図3(A)〜図3(C)の各々は、本発明の発振駆動回路における、発振ループの切り換えによる発振起動時間の短縮および過電流対策について説明するための図である。
図5は、発振駆動回路の他の態様(第1の出力部の電圧振幅を発振状態や動作モードに基づいて切り換える態様)示す回路図である。
図6は、発振駆動回路の他の態様(図5の回路に、スリープモードを設ける態様)を示す回路図である。
本実施形態では、複合型コンパレータ(差動部共通の2段出力型コンパレータ)51の具体的な回路構成例について説明する。
図7は、複合型コンパレータの具体的な回路構成の一例を示す回路図である。図示されるように、コンパレータ51は、定電流源ISと、差動部(差動回路)QS(図1〜図6の参照符号51に相当する)と、第1/第2の出力部(Pout1,Pout2:図1〜図6の参照符号53,63に相当する)と、を有する。
本実施形態では、AGC回路40の具体的な構成例について説明する。図9は、AGC回路の一例の具体的な回路構成を示す回路図である。
また、発振検出器44は、入力段に設けられたローパスフィルタ(R4,C2)と、帰還抵抗(R5,R6)を備えるオペアンプ(OP4)と、を有する。発振検出器44は、
全波整流器42によって変換された電圧値をローパスフィルタにて平滑して直流電圧を得て、その直流電圧のレベルが所定値(Vref=VDD・{R6/(R5+R6)})と比較する。直流電圧のレベルが大きければ物理量トランスデューサ400を含む発振ループが発振状態であると判定する。そして、比較結果に対応したスイッチ制御信号SWCTLが出力される。
本実施形態では、図10〜図13を参照して、第1/第2の発振ループを切り換える方式(図3,図4の方式)を採用した発振駆動回路(ならびに物理量測定装置)の具体的な回路構成と動作の一例について説明する。
発振起動過程では、図11において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、AGC回路40の発振検出器44からのスイッチ制御信号(SWCTL)はLレベルとなり、これに伴って、ループ切換用スイッチSW1がオフし、ループ切換用スイッチSW2がオンして第2の発振ループ(RP2:コンパレータ50の第2の出力部Pout2を経由する発振ループ)が有効となる。
発振定常状態では、図12において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、AGC回路40の発振検出器44からスイッチ制御信号(SWCTL)はHレベルとなり、これに伴って、スイッチSW1がオンし、スイッチSW2がオフして第1の発振ループ(RP1:コンパレータ50の第1の出力部Pout1を経由する発振ループ)が有効となる。
スリープモード時には、図13において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、スリープモード制御回路700から出力されるスリープ制御信号(SLEEP)はHレベル(アクティブレベル)となる。これによって、AGC回路40がオフする。これによって、消費電力のさらなる削減が可能である。また、スリープモード時には、検出回路100も動作する必要がないため、検出回路100全体がオフ状態となる。
図14に示すように、コンパレータ50を有する発振駆動回路200と、検出回路100とが集積されて、物理量測定回路(振動型ジャイロセンサ回路:IC)が構成される。また、発振駆動回路200には、第1の出力部(Pout1)の高電位電源電圧を切り換えるための第1/第2の電源電圧切換用スイッチ(SW3,SW4)が設けられている。
発振起動過程では、図14において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、AGC回路40の発振検出器44からのスイッチ制御信号(SWCTL)はLレベルとなり、これに伴って、第1の電源電圧切換用スイッチSW3がオフし、第2の電源電圧切換用スイッチSW4がオンする。
発振定常状態では、図15において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、AGC回路40の発振検出器44からスイッチ制御信号(SWCTL)はHレベルとなり、これに伴って、第1の電源電圧切換用スイッチ(SW3)がオンし、第2の電源電圧切換用スイッチ(SW4)がオフする。
スリープモード時には、図16において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、スリープモード制御回路700から出力されるスリープ制御信号(SLEEP)はHレベル(アクティブレベル)となる。
本実施形態では、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)を搭載した電子機器について説明する。
(1)ゲインコントロールアンプ(GCA)および同期検波用参照信号を生成する回路(コンパレータ等)における回路の共用化が実現され、発振駆動回路の小型化かつ省電力化が可能である。
(2)回路の共用化によって、駆動発振ループ内の発振駆動信号の位相と同期検波用参照信号(同期クロック)の位相とが揃うことになり、位相ずれは極小となるため、物理量測定装置における検出精度が向上する。
(3)発振定常状態への高速な移行が可能となる。
(4)物理量トランスデューサに過剰な電流が流れることによる物理量トランスデューサの破壊の防止も可能である。
(5)低消費電力モードによる、さらなる低消費電力化が可能である。
(6)低消費電力から通常動作モードへの高速な復帰も可能となる。
(7)物理量トランスデューサとして水晶振動子を利用することにより、物理量の検出精度を向上させることができる。
(8)電子機器の小型化、高性能化に貢献する。
40 AGC(自動利得制御)回路、42 全波整流回路、46 積分器、
50 複合型コンパレータ(差動部共通の2段出力型コンパレータ)、
51 共用化された差動部(共通差動部)、
53(Pout1) 第1の出力部(第1の出力回路)、
63(Pout2) 第2の出力部(第2の出力回路)、 100 検出回路、
106 移相器、108 同期検波回路、110 ローパスフィルタ(LPF)、
200 発振駆動回路、400 物理量トランスデューサ(水晶振動子等)
Ia(DET),Ib(DET) 物理量トランスデューサからの検出信号
V(DET) 物理量の検出出力、VCT ゲイン制御信号、
S1,S2 物理量トランスデューサの発振駆動端子、
S3,S4 物理量トランスデューサの検出端子、
SW1,SW2 第1/第2のループ切換用スイッチ、
SW3,SW4 第1/第2の電源電圧切換用スイッチ
Claims (15)
- 物理量トランスデューサに接続されることによって発振ループを構成すると共に、前記物理量トランスデューサに矩形波の駆動信号を与えることよって駆動振動を励振する発振駆動回路であって、
前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する駆動用電流/電圧変換増幅回路と、
前記駆動用電流/電圧変換増幅回路からの電圧信号が入力ノードに入力され、第1の出力ノードから駆動信号が出力され、第2のノードから同期検波用参照信号が出力されるコンパレータと、を有し、
前記コンパレータは、
前記駆動用電流/電圧変換増幅回路からの前記電圧信号を所定電圧と比較する差動部と、
前記差動部の出力信号を受け、電圧振幅を可変に調整して出力する第1の出力部と、
前記差動部の出力信号を受け、電圧振幅が固定された前記同期検波用参照信号を出力する第2の出力部と、
を有することを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項1記載の発振駆動回路であって、
前記発振ループ内の利得を自動調整する自動利得制御回路を有し、
前記コンパレータは、前記自動利得制御回路からの利得制御信号に基づいて、前記発振ループが発振定常状態であるときには、前記第1の出力部から出力される矩形波信号の電圧振幅を、前記発振ループの利得が1になるように制御し、
前記第2の出力部は、前記発振駆動回路の電源電圧レベルの、前記同期検波用参照信号としての矩形波信号を出力する、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項1または請求項2記載の発振駆動回路であって、
前記第1の出力ノードと前記物理量トランスデューサとを結ぶ第1の信号経路に設けられた第1のループ切換用スイッチと、
前記第2の出力ノードと前記物理量トランスデューサとを結ぶ第2の信号経路に設けられた第2のループ切換用スイッチと、を有し、
前記第1のループ切換用スイッチおよび第2のループ切換用スイッチは相補的にオンされ、第1のループ切換用スイッチがオンしたときには、前記第1の信号経路を経由する第1の発振ループが形成され、前記第2のループ切換用スイッチがオンしたときには前記第2の信号経路を経由する第2の発振ループが形成され、
発振起動過程では前記第2のループ切換用スイッチをオンし、前記第2の発振ループの利得を1より大きくして前記物理量トランスデューサを励振し、
発振定常状態では前記第1のループ切換用スイッチをオンし、利得が1になるように調整された前記第1の発振ループによって前記物理量トランスデューサに前記駆動振動を励振する、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項3記載の発振駆動回路であって、
前記第1のループ切換用スイッチおよび第2のループ切換用スイッチは、前記自動利得制御回路に含まれる発振検出器から出力される発振検出信号に基づいて相補的にオンされることを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項1〜請求項4のいずれか記載の発振駆動回路であって、
前記第2の出力部における、高電位電源ノードと第2の出力ノードを結ぶ電流経路および低電位電源ノードと前記第2の出力ノードとを結ぶ電流経路の少なくとも一方の電流量を制限する電流制限回路を有する、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項3〜請求項5のいずれか記載の発振駆動回路であって、
前記発振駆動回路は、通常動作モードと低消費電力モードの少なくとも2つの動作モードを有し、
前記低消費電力モードが選択されると、前記発振駆動回路内の一部の回路がオフし、かつ、前記第2のループ切換用スイッチがオンして、前記第2の発振ループの利得を1より大きくして前記物理量トランスデューサを励振する、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項1または請求項2記載の発振駆動回路であって、
前記コンパレータの前記第1の出力部から出力される矩形波信号の電圧振幅は、発振起動過程では、前記発振ループの利得が1より大きくなるように調整され、発振定常状態では、前記発振ループの利得が1になるように調整される、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項7記載の発振駆動回路であって、
前記第1の出力部の高電位側電源ノードに、前記発振ループの利得が1になるように調整するための第1の電源電圧を供給する第1の電源電圧切換用スイッチと、
前記第1の出力部の高電位側電源ノードに、前記発振ループの利得が1より大きくなるように調整するための第2の電源電圧を供給するための第2の電源電圧切換用スイッチと、を有し、
前記第1の電源電圧切換用スイッチと前記第2の電源電圧切換用スイッチは相補的にオンされ、
定常発振状態では、前記第1の電源電圧切換用スイッチがオンされ、発振起動過程では、前記第2の電源電圧切換用スイッチがオンされる、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項7または請求項8記載の発振駆動回路であって、
前記第1の出力部における、高電位電源ノードと前記第1の出力ノードを結ぶ電流経路および低電位電源ノードと前記第1の出力ノードとを結ぶ電流経路の少なくとも一方の電流量を制限する電流制限回路を有する、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項7〜請求項9のいずれか記載の発振駆動回路であって、
前記発振駆動回路は、通常動作モードと低消費電力モードの少なくとも2つの動作モードを有し、
前記低消費電力モードが選択されると、前記発振駆動回路内の一部の回路がオフし、かつ、前記コンパレータの前記第1の出力部から出力される矩形波信号の電圧振幅は、前記発振ループの利得が1より大きくなるように調整される、
ことを特徴とする発振駆動回路。 - 請求項1〜請求項10のいずれか記載の発振駆動回路と、
前記発振駆動回路によって励振される前記物理量トランスデューサと、
を有することを特徴とする発振駆動装置。 - 請求項1〜請求項10のいずれか記載の発振駆動回路と、
前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する検出用電流/電圧変換増幅回路と、前記検出用電流/電圧変換増幅回路の後段に設けられた、前記発振駆動回路からの前記同期検波用参照信号に基づいて同期検波を行う同期検波回路と、を含む検出回路と、
を有することを特徴とする物理量測定回路。 - 請求項12記載の物理量測定回路と、
前記発振駆動回路によって励振される前記物理量トランスデューサと、
を有することを特徴とする物理量測定装置。 - 請求項11記載の発振駆動装置を搭載した電子機器。
- 請求項13記載の物理量測定装置を搭載した電子機器。
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