JP5104094B2 - 発振駆動回路、発振駆動装置、物理量測定回路、物理量測定装置および電子機器 - Google Patents

発振駆動回路、発振駆動装置、物理量測定回路、物理量測定装置および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、振駆動回路、発振駆動装置、物理量測定回路、物理量測定装置(例えば、振動型ジャイロセンサ装置)および電子機器に関する。
いわゆるジャイロセンサには、物体に働く力の検出方法によって回転型や振動型等がある。中でも、振動型ジャイロセンサは、構成部品等の観点から小型化や低コスト化に有利とされている。
角速度を検出する振動型ジャイロセンサでは、物理量トランスデューサ(振動子)に一定方向の駆動振動が励振される。この振動子に角速度が加わると、駆動振動と垂直な方向にコリオリ力が生じ、これによって検出振動が生じる。検出振動は駆動振動に直交する方向に生じるため、検出信号(検出振動による信号成分)は駆動信号(駆動振動による信号成分)と位相が90度ずれている。このことを利用して、例えば同期検波によって検出信号を、駆動信号とは区別して抽出(検出)することができる。
振動型ジャイロセンサが適用される用途は広く、例えばビデオカメラやデジタルカメラの手振れ検出や、カーナビゲーションシステムのGPS(Global Positioning System)の位置検出、航空機やロボットの姿勢検出等に用いられる。
振動子として水晶振動子を用いると、振動型ジャイロセンサの小型化ならびに測定精度の向上を図ることができる。
しかし、水晶振動子はQ値が高いため、発振起動時間が長くなるという問題がある。水晶振動子を用いた振動型ジャイロセンサにおいて、発振起動時間の短縮を図る技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1の技術では、水晶振動子を用いた高精度検出部の他に、発振起動時間が短いセラミック振動子を用いた高速起動検出部を設け、高速起動検出部を先に起動させ、その高速起動検出部の検出信号によって高精度検出部の検出出力を補正する構成を採用している。
特開2007−65117号公報
振動型ジャイロセンサは、一般に電池によって駆動される。従って、振動型ジャイロセンサの消費電力をできるだけ減らし、電池の寿命を長くする必要がある。したがって、振動型ジャイロセンサの徹底した省電力化が重要である。
また、ビデオカメラやデジタルカメラ等の電子機器自体に対する小型化の要請が強いため、振動型ジャイロセンサの小型化も重要である。
特許文献1の技術では、高精度検出部と高速起動検出部を設ける必要があるため、回路の占有面積が増大し、小型化や省電力化の点で不利となる点は否めない。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものである。本発明の少なくとも一つの態様によれば、回路規模を増大させることなく発振起動時間を短縮することができ、低消費電力化も実現される。
(1)本発明の発振駆動回路の一態様では、物理量トランスデューサに接続されることによって発振ループを構成すると共に、前記物理量トランスデューサを駆動して駆動振動を励振する発振駆動回路であって、前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する駆動用電流/電圧変換増幅回路と、前記駆動用電流/電圧変換増幅回路からの電圧信号を所定電圧と比較する差動部と、前記差動部の出力信号の電圧レベルを可変に調整して出力する出力部と、を含む利得制御増幅回路と、通常動作モードと低消費電力モードを切り換えるための動作モード制御回路と、を含み、通常動作モード時において、前記利得制御増幅回路の出力信号の電圧振幅を、前記発振ループが発振定常状態であるときには前記発振ループの利得が1になるように制御し、前記発振ループが発振起動過程にあるときには前記発振ループ(RP1)の利得が1より大きくなるように制御し、低消費電力モード時において、前記発振駆動回路の一部をオフすると共に、前記利得制御増幅回路の出力信号の電圧振幅を、前記発振ループの利得が1より大きくなるように制御する。
発振ループの状態や動作モードに応じて、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の出力信号の電圧振幅を切り換える構成を採用すると共に、低消費電力モード(スリープモード)を採用することによって、回路の大型化を防止しつつ省電力化の徹底を図るものである。発振起動時ならびに低消費電力モード時には、ループ利得が1より大きいという条件下で物理量トランスデューサの励振を継続できるため、起動時間およびモード切換時における発振定常状態への移行時間の大幅な短縮を図ることができる。本発明の発振駆動回路は、回路構成が簡単であるために小型かつ低消費電力であり、低消費電力モードの採用によってさらなる低消費電力化が実現される。
(2)本発明の発振駆動回路の他の態様では、前記発振ループ内の利得を自動調整する自動利得制御回路と、前記自動利得制御回路に設けられた発振検出器からの発振検出信号に基づいてオン/オフが制御され、オン状態のときに、前記利得制御回路に、前記自動利得制御回路からの利得制御信号を供給する第1のスイッチと、前記発振検出信号に基づいてオン/オフが制御され、オン状態のときに、前記利得制御回路に、前記発振ループの利得を1より大きくするための電圧を供給する第2のスイッチと、を有する。
利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の出力信号の電圧振幅を切り換えるための構成の一例を明らかとしたものである。すなわち、第1および第2のスイッチを設け、スイッチのオン/オフを、自動利得制御回路に設けられた発振検出器からの発振検出信号に基づいて制御し、これによって、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)に供給される電圧を切り換えるものである。回路構成が簡単であるため、回路の複雑化を招かず、かつ実現が容易である。
(3)本発明の発振駆動回路の他の態様では、前記自動利得制御回路からの利得制御信号ならびに前記発振ループの利得を1より大きくするための電圧は、前記利得制御回路の高電位電源電圧として供給される。
上述の(2)の態様において、第1および第2のスイッチを経由した電圧は、例えば、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の高電位電源電圧として与えられる点を明らかとしたものである。GCAの出力段回路の高電位電源電圧が切り換えられることによって、出力信号の電圧振幅が変化する。すなわち、自動利得制御回路からの利得制御信号(VCT)が電源電圧として与えられる場合には、GCAの出力信号は、例えば、VCTとGND(グランド)間で振動する。発振ループの利得を1より大きくするための電圧(例えば、Vxとする)が電源電圧として与えられる場合には、GCAの出力信号は、例えば、VxとGND(グランド)間で振動することになり、このとき、電圧振幅が増大することから、ループ利得が1より大きくなる。
(4)本発明の発振駆動回路の他の態様では、前記駆動用電流/電圧変換増幅回路に基づいて同期検波用参照信号を生成するコンパレータをさらに有し、前記低消費電力モード時には、前記自動利得制御回路および前記コンパレータに含まれる回路の少なくとも一部をオフする。
同期検波用参照信号を生成するコンパレータ(同期クロック生成回路)が設けられる点、ならびに、低消費電力モード時には、自動利得制御回路(GCA)およびコンパレータがオフされる点を明らかとしたものである。
(5)本発明の発振駆動回路の他の態様では、前記利得制御増幅回路は、前記出力部における高電位電源ノードと出力ノードを結ぶ電流経路、および低電位電源ノードと出力ノードとを結ぶ電流経路の少なくとも一方の電流量を制限する電流制限回路を有する。
発振ループの利得(ゲイン)を1より大きくしたとき、発振ループ内の信号の電圧振幅が大きくなって過度の電流が物理量トランスデューサ(水晶振動子や圧電素子等)に流れることがある。このとき、物理量トランスデューサにおいて振動部分が折れる等の破壊が生じる場合がある。そこで、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の電流能力を制限するための電流制限回路を設けて、過電流が流れないようにし、物理量トランスデューサの破壊を防止するものである。
(6)本発明の発振駆動装置は、本発明の発振駆動回路と、前記発振駆動回路によって励振される前記物理量トランスデューサと、を有する。
本発明の発振駆動回路は、回路構成が簡単であるために小型かつ低消費電力であり、低消費電力モードの採用によってさらなる低消費電力化が可能であり、発振起動時ならびに低消費電力モード時には、ループ利得が1より大きいという条件下で物理量トランスデューサの励振を継続できるため、起動時間および発振定常状態への移行時間の大幅な短縮を図ることができる。発振駆動装置も同様の効果を得ることができる。特に、物理量トランスデューサとして水晶振動子を用いた場合には、小型化と発振精度の向上を図ることができる。
(7)本発明の物理量測定回路は、本発明の発振駆動回路と、前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する検出用電流/電圧変換増幅回路と、前記検出用電流/電圧変換増幅回路の後段に設けられた、前記発振駆動回路からの同期検波用参照信号に基づいて同期検波を行う同期検波回路と、を含む検出回路と、を有する。
本発明の発振駆動回路は、回路構成が簡単であるために小型かつ低消費電力であり、低消費電力モードの採用によってさらなる低消費電力化が可能であり、発振起動時ならびに低消費電力モード時には、ループ利得が1より大きいという条件下で物理量トランスデューサの励振を継続できるため、起動時間およびモード切換時における発振定常状態への移行時間の大幅な短縮を図ることができる。物理量測定回路も同様の効果を得ることができる。特に、物理量トランスデューサとして水晶振動子を用いた場合には、小型化と発振精度の向上を図ることができる。また、物理量測定回路は同期検波回路を有することから、物理量トランスデューサから得られる検出信号を、ノイズ(駆動振動の漏れ成分等)と区別して検出することができる。発振駆動回路と検出回路とを一つのICに搭載することによって、高性能な振動ジャイロ用LSIが実現される。
(8)本発明の物理量測定回路の他の態様では、低消費電力モード時において、前記検出回路の少なくとも一部をオフする。
低消費電力モード時には、検出回路を動作させる必要がないため、検出回路の少なくとも一部(好ましくは全部)をオフさせて、さらなる低消費電力の削減を図るものである。
(9)本発明の物理量測定装置は、本発明の物理量測定回路と、前記発振駆動回路200によって励振される前記物理量トランスデューサと、を有する。
本発明の物理量測定装置によれば、本発明の物理量測定回路と同様の効果を得ることができる。
(10)本発明の電子機器の一態様は、本発明の発振駆動装置を搭載する。
本発明の発振駆動装置は、回路構成が簡単であり、小型かつ低消費電力であり、発振起動時間ならびにモード切換時における発振定常状態への移行時間を短縮できるという優れた効果を有する。この発振駆動装置を電子機器に搭載することによって、小型かつ高性能な電子機器を実現できる。例えば、本発明の発振駆動装置を小型のスチルビデオカメラに搭載した場合、電池の長寿命化を達成しつつ、例えば、高精度の手振れ補正を実現することができる。
(11)本発明の電子機器の他の態様では、本発明の物理量測定装置を搭載する。
本発明の物理量測定装置は、回路構成が簡単であり、小型かつ低消費電力であり、発振起動時間ならびにモード切換時における発振定常状態への移行時間を短縮でき、同期検波によるノイズ除去を実行することもできるという優れた効果を有する。この物理量測定装置を電子機器に搭載することによって、小型かつ高性能な電子機器を実現できる。例えば、本発明の物理量測定装置を小型のスチルビデオカメラに搭載した場合、電池の長寿命化を達成しつつ、例えば、高精度の手振れ補正を実現することができる。
本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。
(1)発振ループの状態や動作モードに応じて、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の出力信号の電圧振幅を切り換える構成を採用すると共に、低消費電力モード(スリープモード)を採用することによって、回路の大型化を防止しつつ省電力化の徹底を図ることができる。
(2)ループ利得を1より大きくして物理量トランスデューサを励振することができるため、発振定常状態への高速な移行が可能である。低消費電力モード(スリープモード)時においても同様の励振状態を維持する構成を採ることによって、低消費電力モード(スリープモード)から通常動作モードへの高速な復帰も可能となる。
(3)電流制限回路を設けることによって、物理量トランスデューサに過剰な電流が流れることによる物理量トランスデューサの破壊を防止することができる。
(4)物理量トランスデューサとして水晶振動子を利用することにより、物理量の検出精度を向上させることができる。
(5)小型かつ軽量の電子機器に本発明にかかる装置(物理量測定装置等)を搭載することによって、電池の長寿命化を達成しつつ、例えば、高精度の手振れ補正を可能とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
(第1の実施形態)
本実施形態では、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)の構成の一例および動作の一例の概要を説明する。
図1は、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)の構成の一例を示す回路図である。以下、本実施形態の物理量測定装置の主要な構成と動作について、順に説明する。
(発振起動時および安定発振時の発振条件)
発振駆動回路200は、発振ループによって物理量トランスデューサ400を駆動する。本実施形態の発振駆動回路200では、高速な起動を可能とするため、発振起動時においてループゲインを1より大きく設定する。すなわち、発振起動時における発振条件は、ループゲイン>1、かつ、ループ内の位相=360度・n(nは整数)を満足することである。安定発振時の発振条件は、ループゲイン=1、かつ、ループ内の位相=360度・n(nは整数)を満足することである。
(発振駆動回路の電源電圧について)
図1の発振駆動回路200は、VDD(高電位電源)とGND(接地電位:低電位電源)との間で動作する。但し、GND(接地電位)の代わりにアナロググランド(AGND:回路の基準電位であり、GNDと一致するとは限らない)を用いることもあり得る。具体的には、物理量トランスデューサ(振動子)400の種類に応じて、使用できる電源電位が異なる。
物理量トランスデューサ400が容量結合型のトランスデジューサ(内部等価回路において、信号経路に直流阻止コンデンサが介在する構成)では、直流がカットされていることから、発振ループの直流レベル(バイアス点)は回路動作に関係なく、発振ループの駆動信号の電圧振幅を調整できればよいことになる。よって、例えば、低電位電源として、基本的には任意の電位(GND,AGNDを含む)を使用することができる。
物理量トランスデューサ400が可変抵抗型トランスデューサである場合、発振ループのバイアス電圧を所望レベルに設定する必要があることから、このために所望レベルのアナロググランド(AGND:回路内の基準電圧)を使用するのが一般的である。
また、電源方式としては、片電源方式(正電源のみを用いる方式)と、両電源方式(正および負の双方の電源を用いる方式)とがある。後者の方式は、特に精度を重視する場合に使用される。
本発明では、上述の電源の形態のいずれも採用が可能である。図1(以降の図でも同じ)では、物理量トランスデューサ400は容量結合型トランスデューサであり、片電源方式を採用し、発振駆動回路200は、VDD(例えば5V)とGND(接地電位)間で動作するものとして説明する。
(矩形波による駆動)
本発明では、物理量トランスデューサを矩形波で駆動する方式を採用する。この方式は、物理量トランスデューサを所定周波数の矩形波(3次、5次等の高調波成分が含まれる)で駆動した場合でも、物理量トランスデューサ自体がもつ周波数フィルタ作用によって、不要な高調波が低減され、目的とする周波数(共振周波数)の駆動信号が得られることを利用する。
(物理量測定装置の全体構成)
図1に示されるように、物理量測定装置は、物理量トランスデューサ400を矩形波の駆動信号で発振駆動するための発振駆動回路200と、物理量トランスデューサ400からの検出信号(物理量の変化を示す電流信号)を検出する検出回路100と、を含む。
検出回路100は、初段の電流/電圧変換増幅回路(OPB)と、移相器106と、同期検波回路108と、ローパスフィルタ(LPF)110と、を有する。
発振駆動回路200は、駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)と、発振ループの利得(ゲイン)を自動的に調整するための自動利得調整回路(以下、AGC回路という)40と、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50と、同期検波用参照信号(PEref)を生成するコンパレータ60と、スリープモード制御回路70と、スイッチSW(第1のスイッチSW3,第2のスイッチSW4を備える)と、を有する。なお、スイッチSWに関連する動作ならびに低消費電力モード時の動作については後述する。
図1の発振駆動回路200は、物理量トランスデューサ400を矩形波で駆動する方式を採用する。この方式は、物理量トランスデューサを所定周波数の矩形波(3次、5次等の高調波成分が含まれる)で駆動した場合でも、物理量トランスデューサ400自体がもつ周波数フィルタ作用によって、不要な高調波が低減され、目的とする周波数(共振周波数)の駆動信号が得られることを利用している。但し、この駆動方式に限定されるものではない。
AGC回路40は、全波整流器42と、発振検出器44と、積分器46と、を有する。AGC回路40は、発振定常状態において、発振ループの利得(ループゲイン)が1になるように自動調整する働きをする。
また、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50は、駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)からの電圧信号を、所定電圧と比較してH/Lの判定を行う差動部(差動回路)51と、差動部(差動回路)51の出力信号の電圧振幅を調整して出力する出力部(出力回路)53と、を有している。
また、コンパレータ60は、駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)からの電圧信号を、所定電圧と比較してH/Lの判定を行う差動部(差動回路)61と、差動部(差動回路)51の出力信号の電圧振幅を調整して出力する出力部(出力回路)63と、を有している。
発振駆動回路200には、物理量トランスデューサ400が接続される。物理量トランスデューサ400の種類は特に限定されるものではないが、Q値が高い水晶振動子を用いることによって、発振駆動装置の高精度化ならびに小型化を図ることができる。図中、S1,S2は物理量トランスデューサ400の発振駆動端子であり、S3,S4は物理量トランスデューサ400の検出端子である。
次に、検出回路100の構成と動作について説明する。通常動作時には、発振駆動回路200を含む発振ループ(RP1)によって物理量トランスデューサ(振動子)400に所定方向の駆動振動が生じる。ここでは、発振駆動周波数をfdとする。この状態で物理量トランスデューサ(400)が回転すると、その回転に起因して駆動振動と直交する方向に生じるコリオリ力に対応した交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))が生成され、その交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))は各々、検出回路100の初段の電流/電圧変換増幅回路(I/V:OPB)に入力される。
但し、交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))には、駆動振動の漏れ成分(不要信号)が重畳されている。交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))は駆動振動と直交する方向に生じることから、交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))の位相と不要信号(駆動振動成分)の位相は90度の差がある(周波数は共に駆動周波数fdである)。
不要成分を除去するために、同期検波回路108にて同期検波を行う。同期検波では、発振駆動回路200からの同期検波用参照信号(REref)に同期して行われる。
同期検波を行うための条件は、同期検波用参照信号(REref)の周波数(fd)が検出回路100に入力される交流電流信号(Ia(DET),Ib(DET))の周波数(fd)に等しく、かつ双方の位相が同期していること、ならびに、除去される不要信号(駆動振動の漏れ成分)の位相は、同期検波用参照信号(REref)の位相と90度の差があることである。
検出回路100の移相器106は、上述の位相条件を満足するように、検出用電流/電圧変換増幅回路(OPB)の出力信号に対して所定の位相回転を与える(但し、この移相処理が必須であるとは限らない)。また、必要に応じて、初段の電流/電圧変換増幅器(OPB)において、周波数fdの信号について所定の位相回転を与える。発振駆動回路200においても、同様に、必要に応じて、初段の駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPB)において、周波数fdの信号について所定の位相回転を与える。
同期検波回路108にて同期検波を行うと、所望信号(検出信号成分)は、直流および2fd(fdは、同期検波用参照信号(REref)の周波数))の周波数帯域(上側波帯と下側波帯)に現れ、不要信号(駆動振動の漏れ成分)は2fdの周波数帯域に現れる。したがって、ローパスフィルタ110によって2fdの周波数帯の成分を除去することによって、所望の検出信号VDET(直流)を得ることができる。
(発振起動時間を短縮するための構成)
図1の発振駆動回路200では、利得制御増幅回路(GCA)50の出力部53の出力信号の電圧振幅を、発振起動過程と発振定常状態に応じて切換える。すなわち、発振起動過程では、発振ループ(RP1)の利得を1より大きくすることによって、発振定常状態への高速な移行が可能となる。
このような動作を可能とするために、図1の発振駆動回路200では、第1/第2のスイッチ(SW3,SW4)が設けられている。第1および第2のスイッチ(SW3,SW4)のオン/オフは、AGC回路40に設けられた発振検出器44からの発振検出信号に基づいて相補的に制御される。これによって、発振機動過程であるか、あるいは発振定常状態であるかに応じて、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50に供給される電圧がスイッチングされることになる。
この点については、図2および図3を参照して説明する。図2は、図1の発振駆動回路における通常動作モード時の動作を示す回路図である。図3は、図1の発振駆動回路における低消費電力モード(スリープモード)時の動作を示す回路図である。図2および図3において、有効となっている経路は太い実線で示してある。
発振定常状態においては、図2に示すように、スイッチSW3がオンして、AGC回路40からの利得制御信号(VCT)が利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50に与えられる。これによって、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50の出力信号の電圧振幅は、発振ループ(RP1)の利得が1になるように調整される。また、発振ループ内の位相は、360°×n(nは整数)となるように調整される。
一方、発振起動過程では、図3に示すように、スイッチSW4がオンして、発振ループ(RP1)のゲインを1より大きくするための電圧(Vx)が利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50に与えられる。電圧Vxは、例えば、発振起動回路200の電源電圧(VDD)である。但し、これに限定されるものではなく、電圧Vxは、ループゲインを1より大きくできる電圧であればよく、例えば、VDDよりも高い昇圧された電圧であってもよく、VDDより少し低い電圧であってもよい。
これによって、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50の電圧振幅は増大し、発振ループ(RP1)の利得は1より大きくなる。また、発振ループ内の位相は、360°×n(nは整数)となるように調整される。
より具体的には、第1および第2のスイッチ(SW3,SW4)を経由した電圧は、例えば、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50の高電位電源電圧として与えられる。GCA50の出力部53の高電位電源電圧が切り換えられることによって、出力信号の電圧振幅が変化する。
すなわち、AGC回路40からの利得制御信号(VCT)が電源電圧として与えられる場合には、GCA50の出力信号は、例えば、VCTとGND(グランド)間で振動する。
また、発振ループの利得を1より大きくするための電圧(Vx)が電源電圧として与えられる場合には、GCA50の出力信号は、例えば、VxとGND(グランド)間で振動することになり、このとき、電圧振幅が増大することから、ループ利得が1より大きくなる。
利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50は、発振起動過程/発振定常状態の双方において共通に使用され、したがって、余分な回路を付加する必要がなく、回路構成が簡単であり、回路の小型化、低消費電力化が実現される。
また、発振起動過程において、発振ループ(RP1)の利得を1より大きくして物理量トランスデューサ400を励振するため、発振起動過程から発振定常状態への高速な移行が可能である。
(過電流対策)
図1の発振駆動回路200では、過電流対策も施されている。すなわち、図1の発振駆動回路200において、発振起動過程時に出力部53の出力信号の電圧振幅を増大させて発振ループの利得(ゲイン)を1より大きくしたとき、過電流が物理量トランスデューサ(水晶振動子や圧電素子等)400に流れ、物理量トランスデューサ400において振動部分が折れる等の破壊が生じる場合がある。
そこで、図1の発振駆動回路200では、出力部53の電流能力を制限するための電流制限回路(ここでは、出力段の電源電流を定電流化する定電流回路が相当する)を設ける。定電流源によって、出力部53(および63)のバイアス電流が定電流(I)に制限され、これ以上の電流が、物理量トランスデューサ400に供給されなくなる。出力部63においても同様である。
出力部53(および63)に関して、出力電流の制限の態様としては、高電位電源ノードと第1の出力ノードを結ぶ電流経路および低電位電源ノードと第1の出力ノードとを結ぶ電流経路の少なくとも一方の電流量を制限する態様が考えられる。
このように、簡単な回路的工夫によって、過大な電流が流れることによる物理量トランスデューサ400の破壊を効果的に防止することができ、これによって、物理量測定装置(発振駆動回路200を含む)の信頼性が向上する。また、過大な電流が流れないことは、回路の低消費電力化に貢献する。
(低消費電力モード:スリープモードの採用)
上述のとおり、図1の発振駆動回路200はスリープモード制御回路70を有している。低消費電力モード(スリープモード:待機モードと呼ばれることもある。以下、スリープモードという)は、以下のように利用される。
例えば、物理量測定装置がカメラの手振れ補正に用いられる場合に、例えばレリーズスイッチが数秒間押されないときに、撮影が一時的に中断されていると判断して、回路の一部を非動作状態として消費電力を削減する。以下、図4を参照して、発振駆動回路200におけるスリープモードの利用態様について説明する。図4は、発振駆動回路のスリープモード時の動作を説明するための回路図である。
図4に示すように、発振駆動回路200では、スリープモード制御回路70からのスリープ制御信号(SLEEP)が、AGC回路40ならびにコンパレータ60内の出力回路63に供給される。
スリープ制御信号(SLEEP)が、例えば、LからHに変化すると、AGC回路40と、コンパレータ60内の出力回路63が非動作(オフ)状態となる。図4に記載される点線の×印は、回路が強制的にオフされた状態であることを示している。スリープモードの採用によって、さらなる消費電力の低減が可能となる。
また、スリープモードを採用する場合、通常動作モードへの高速な復帰を可能とすることが重要である(特に、水晶振動子を利用する場合には、この点が重要となる)。スリープモード時に、発振ループを停止させてしまうと、次の発振起動時に、発振定常状態を実現するまでに時間がかかる。
そこで、図4の発振駆動回路200では、通常動作モード(角速度等の物理量の検出を行うモード)への高速復帰を可能とするために、スリープモード時には、第2のスイッチSW4をオンさせ、発振ループRP1の利得を1より大きくして物理量トランスデューサ400を励振する。具体的には、AGC回路40がオフ状態となると、発振検出器44から出力される発振検出信号がLレベルになり、これによって、第1のスイッチSW3がオフ/第2のスイッチSW4がオンされる。
つまり、スリープモード時には、発振起動時と同様の励振状態が維持されることになる。よって、動作モードが切り換わるとき、発振定常状態への高速な移行が可能である。
(第2の実施形態)
本実施形態では、駆動用電圧/電流変換増幅回路(OPA)およびAGC回路40の具体的な構成例について説明する。図5は、駆動用電圧/電流変換増幅回路およびAGC回路の一例の具体的な回路構成を示す回路図である。
図5に示されるように、発振駆動回路200の初段に設けられる駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)は、帰還抵抗Rf,帰還容量Rfならびにオペアンプ10からなり、ローパスフィルタ特性をもつ積分型の電流/電圧変換アンプである。この駆動用電流/電圧変換増幅回路(OPA)は、発振ループの構成要素の一つであり、物理量トランスデューサ400からの電流信号を電圧信号に変換する。ローパスフィルタ特性をもつことによって不要な発振を効果的に防止することができる。また、帰還抵抗Rfおよび帰還容量Rfの値を適切な値とすることによって、所定周波数の信号に所定量の位相回転を与えることも可能である。
また、AGC回路40は、全波整流器42と、発振検出器44と、積分器46と、を含む。全波整流器42は、電流/電圧変換増幅回路(OPA)からの交流の電圧信号を全波整流し、例えば正極性の波形のみの電圧を得る。全波整流器42は、入力抵抗R2および帰還抵抗R3を有するオペアンプ(OP2)と、相補的にオンされるスイッチ(45,47)と、スイッチ(45,47)のオン/オフを切り換えるためのコンパレータ(OP3)と、を有する。
また、積分器46は、全波整流器42によって変換された電圧値の積分結果に基づいて、発振ループのゲイン制御を行うためのゲイン制御信号(VCT)を生成する。
積分器46は、入力抵抗R7と、帰還抵抗R8と、帰還容量C3と、オペアンプ(OP5)と、によって構成される。積分器46は、全波整流器42によって変換された電圧値を積分して直流成分の電圧レベルを求め、その電圧レベルと所与の基準信号レベル(VR0)とを比較し、その比較結果に基づいて利得制御信号(VCT)を生成する。
また、発振検出器44は、入力段に設けられたローパスフィルタ(R4,C2)と、帰還抵抗(R5,R6)を備えるオペアンプ(OP4)と、を有する。発振検出器44は、
全波整流器42によって変換された電圧値をローパスフィルタにて平滑して直流電圧を得て、その直流電圧のレベルが所定値(Vref=VDD・{R6/(R5+R6)})と比較する。直流電圧のレベルが大きければ物理量トランスデューサ400を含む発振ループが発振状態であると判定する。そして、比較結果に対応したスイッチ制御信号SWCTLが出力される。
第1および第2のループを切り換えるための第1/第2のスイッチ(SW1,SW2)のオン/オフは各々、スイッチ制御信号SWCTLによって制御される。
(第3の実施形態)
本実施形態では、図6および図7を参照して、発振駆動回路(ならびに物理量測定装置)の具体的な回路構成例とその動作について説明する。
図6は、発振駆動回路(物理量測定装置)の具体的な回路構成と発振起動過程における動作を説明するための図である。図7は、発振駆動回路の、スリープモード(低消費電力モード)時における具体的な動作を示す回路図である。これらの図において、前掲の実施形態で説明した部分と共通する部分には同じ参照符号を付してある。
(GCAの具体的な回路構成)
図6において、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)50は、定電流源と、差動部(差動回路:図1の参照符号51に相当)と、出力部(Pout1:図1の参照符号53に相当)と、を有する。
定電流源は、定電流I2を生成する定電流回路(QL)と、NMOSトランジスタ(M1,M2)と、PMOSトランジスタ(M3)と、を有する。NMOSトランジスタ(M1,M2)はカレントミラーによって構成される。
差動部は、動作電流を供給するPMOSトランジスタM4と、差動対トランジスタ(M5,M6)と、カレントミラーからなる負荷トランジスタ(M7,M8)とによって構成される。
差動部は、駆動用電圧/電流変換増幅回路(OPA)からの電圧信号を基準電圧(VR0)と比較し、比較結果に応じてH/Lの信号を出力する。
出力部(Pout1)は、AGC回路40からのゲイン制御回路(VCT)が高電位電源電圧として供給されるPMOSトランジスタM9と、差動部のシングルエンド出力を受けるNMOSトランジスタM10と、を有する。
出力部(Pout1)の出力信号の電圧振幅は、AGC回路40からの利得制御回路(VCT)に応じて調整され、これによって、発振定常状態では、ループゲインが1になるように調整される。
また、PMOSトランジスタM3と、PMOSトランジスタM4と、PMOSトランジスタM9は、カレントミラーを構成する。出力部(Pout1)の動作電流(バイアス電流)は、定電流源の電流I2に基づいて作成される電流I2’(カレントミラー比が1:1のときは、I2=I2’)となる。これによって、物理量トランスデューサ400に供給され得る電流の電流量が制限される。したがって、物理量トランスデューサ400は、過電流による破壊から保護される。
(コンパレータの構成)
コンパレータ60は、GCA50と同様に、前段に定電流源と差動部(図1の参照符号61に相当)を有し、その後段に、出力部(出力回路:図1の参照符号63に相当)Pout2が設けられる。
出力部(Pout2)は、発振駆動回路200の電源電圧(VDD)がソースに供給されるPMOSトランジスタM11と、差動部からの出力信号を受けるNMOSトランジスタM12と、を有する。第2の出力部(Pout2)の出力信号の電圧振幅は固定であり、その出力信号が、同期検波用参照信号(PEref)となる。また、GCA50の場合と同様に、定電流回路によって電流量が制限され、過電流対策が施されている。
(発振起動過程における動作)
発振起動過程では、図6において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、AGC回路40の発振検出器44からのスイッチ制御信号(SWCTL)はLレベルとなり、これに伴って、第1のスイッチSW3がオフし、第2のスイッチSW4がオンする。
出力部(Pout1)には、ループゲインを1より大きくする電源電圧(Vx)が供給される。出力部(Pout1)からは、電圧Vxとグランド(GND)との間でフルスイングする矩形波信号が出力され、これによって、第1の発振ループ(RP1)のループゲインが1より大きくなり、この状態で物理量トランスデューサ(例えば水晶振動子)400が励振される。
なお、発振定常状態では、AGC回路40の発振検出器44からスイッチ制御信号(SWCTL)はHレベルとなり、第1のスイッチ(SW3)がオンする。出力部(Pout1)からは、利得制御電圧VCTとグランド(GND)との間でスイングする矩形波信号が出力され、これによって、第1の発振ループ(RP1)のループゲインが1になるように調整(負帰還制御)される。
(スリープモード時の動作)
スリープモード(低消費電力モード)時には、図7において太い実線で示されるような経路が利用される。すなわち、スリープモード制御回路70から出力されるスリープ制御信号(SLEEP)はHレベル(アクティブレベル)となる。
これによって、AGC回路40およびコンパレータ60の出力部(Pout2)が共にオフする。これによって、消費電力の削減が可能である。また、検出回路100も動作させる必要がないため、検出回路100の少なくとも一部の回路(好ましくは全部の回路)をオフする。これによって、消費電力のさらなる削減が可能である。
コンパレータ60の出力部(Pout2)には、スリープモードを実現するために、NMOSトランジスタ(MB)およびPMOSトランジスタ(MA)が設けられている。スリープモード時には、NMOSトランジスタ(MB)がオフし、第2の出力部(Pout2)の動作が停止し、同時にPMOSトランジスタ(MA)がオンし、これによって、同期検波用参照信号(PERef)がハイレベルに固定される。
同期検波用参照信号(PERef)がハイレベルに固定されることから、同期検波回路108が動作せず、この点でも消費電力の削減が図られる。
また、AGC回路40がオフすると、発振検出器44からスイッチ制御信号(SWCTL)は必然的にLレベルとなる。これに伴って、第1のスイッチSW3がオフし、第2のスイッチSW4がオンして、発振起動過程と同様に、出力部(Pout1)には、ループゲインを1より大きくする電源電圧(Vx)が供給される。
出力部(Pout1)からは、電圧Vxとグランド(GND)との間でスイングする矩形波信号が出力され、これによって、発振ループ(RP1)のループゲインが1より大きくなり、この状態で物理量トランスデューサ(例えば水晶振動子)400が励振される。
このように、スリープモード時における発振ループ(RP1)のループゲインは、1より大きい状態に維持されている。したがって、スリープモードが解除されたときは、速やかに通常動作モードに移行することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)を搭載した電子機器について説明する。
図8は、本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)を搭載した電子機器の構成例を示す図である。
図8の電子機器(例えば、デジタルカメラ)500は、ジャイロセンサ(物理量測定装置)510と、表示部550と、CPU等の処理部520と、メモリ530と、操作部540と、を有している。
ジャイロセンサ510は、図1等に記載される本発明の物理量測定回路(振動型ジャイロセンサ回路)300を有する。物理量測定回路(振動型ジャイロセンサ回路)300は、上述のとおり、発振駆動回路200および検出回路100を含む。
また、物理量測定回路(振動型ジャイロセンサ回路)300には、物理量トランスデューサ(特に限定されるものではないが、ここでは、水晶振動子とする)400が接続されている。
物理量測定回路(振動型ジャイロセンサ回路)300は、回路構成が複雑化しないことから小型であり、低消費電力であり、さらに、発振定常状態への高速移行が可能であり、低消費電力モード(スリープモード)による省電力化が可能であり、過電流による振動子の破壊のおそれがなく、低消費電力モードから通常動作モードへの高速復帰が可能であり、さらに、水晶振動子を用いることによって物理量の検出精度も高い、という優れた特性をもつ。したがって、物理量トランスデューサ(ここでは水晶振動子)400が接続されたジャイロセンサ(物理量測定装置)510も同様の効果を奏する。
同様に、本発明のジャイロセンサ(物理量測定装置)510を内蔵する電子機器500は、小型化が可能であり、低消費電力であり、高速な発振起動が可能であり、信頼性が高く、かつ、低消費電力モード(スリープモード)から通常動作モードへの高速な移行が可能である。電子機器500が、例えばビデオカメラやデジタルスチルカメラである場合、高精度の手振れ補正等の処理が可能である。
このように、本発明によって、電子機器500の性能が向上する。電子機器は、デジタルカメラの他、カーナビゲーションシステムや航空機やロボットであってもよい。
以上説明したように、本発明の少なくとも一つの実施態様によれば、例えば、以下の効果を得ることができる。但し、以下の効果は同時に得られるとは限らず、以下の効果の列挙が本発明の技術的範囲を不当に限定する根拠とされてはならない。
(1)発振ループの状態や動作モードに応じて、利得制御増幅回路(ゲインコントロールアンプ:GCA)の出力信号の電圧振幅を切り換える構成を採用すると共に、低消費電力モード(スリープモード)を採用することによって、回路の大型化を防止しつつ省電力化の徹底を図ることができる。
(2)ループ利得を1より大きくして物理量トランスデューサを励振することができるため、発振定常状態への高速な移行が可能である。低消費電力モード(スリープモード)時においても同様の励振状態を維持する構成を採ることによって、低消費電力モード(スリープモード)から通常動作モードへの高速な復帰も可能となる。
(3)電流制限回路を設けることによって、物理量トランスデューサに過剰な電流が流れることによる物理量トランスデューサの破壊を防止することができる。
(4)物理量トランスデューサとして水晶振動子を利用することにより、物理量の検出精度を向上させることができる。
(5)小型かつ軽量の電子機器に本発明にかかる装置(物理量測定装置等)を搭載することによって、電子機器の小型化、低消費電力化、高性能化が可能となる。すなわち、電池の長寿命化を達成しつつ、例えば、高精度の手振れ補正が可能となる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明の新規事項および効果から逸脱しない範囲で、多くの変形が可能であることは、当業者には容易に理解できるであろう。例えば、物理量トランスデューサによって測定される物理量は、角速度に限定されるものではない。本発明は、例えば、加速度センサや角加速度センサ等にも応用が可能である。
また、物理量トランスデューサを構成する材質としては、例えば、エリンバー等の恒弾性合金、強誘電性単結晶(圧電性単結晶)がある。こうした単結晶としては、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ホウ酸リチウム、ランガサイトを例示できる。また、物理量トランスデューサは、パッケージ内に気密封止されることが好ましく、パッケージ内の雰囲気は、乾燥窒素又は真空とするのが好ましい。
本発明は、発振駆動回路、発振駆動装置(例えば、物理量トランスデューサとして水晶振動子や圧電素子を用いるもの)や、物理量測定装置(例えば、振動型ジャイロスコープ)および電子機器(例えば、小型のビデオカメラやデジタルスチルカメラ等)として有用である。
本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む)の構成の一例を示す回路図 図1の発振駆動回路における通常動作モード時の動作を示す回路図 図1の発振駆動回路における低消費電力モード(スリープモード)時の動作を示す回路図 発振駆動回路のスリープモード時の動作を説明するための回路図 駆動用電圧/電流変換増幅回路およびAGC回路の一例の具体的な回路構成を示す回路図 発振駆動回路(物理量測定装置)の具体的な回路構成と発振起動過程における動作を説明するための図 発振駆動回路の、スリープモード時における具体的な動作を示す回路図 本発明の物理量測定装置(発振駆動回路、検出回路ならびに物理量トランスデューサを含む))を搭載した電子機器の構成例を示す図
符号の説明
OPA 駆動用電流/電圧変換増幅回路 OPB 検出用電流/電圧変換増幅回路
40 AGC(自動利得制御)回路、42 全波整流回路、46 積分器、
50 複合型コンパレータ(差動部共通の2段出力型コンパレータ)、
53(Pout1) 出力部(第1の出力部)、
63(Pout2) 出力部(第2の出力部)、 100 検出回路、 106 移相器、
108 同期検波回路、110 ローパスフィルタ(LPF)、200 発振駆動回路、
400 物理量トランスデューサ(水晶振動子等)、
Ia(DET),Ib(DET) 物理量トランスデューサからの検出信号
V(DET) 物理量の検出出力、VCT ゲイン制御信号、
S1,S2 物理量トランスデューサの発振駆動端子、
S3,S4 物理量トランスデューサの検出端子、
SW3,SW4 第1/第2のスイッチ

Claims (11)

  1. 物理量トランスデューサに接続されることによって発振ループを構成すると共に、前記物理量トランスデューサを駆動して駆動振動を励振する発振駆動回路であって、
    前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する駆動用電流/電圧変換増幅回路と、
    前記駆動用電流/電圧変換増幅回路からの電圧信号を所定電圧と比較する差動部と、前記差動部の出力信号の電圧レベルを可変に調整して出力する出力部と、を含む利得制御増幅回路と、
    通常動作モードと低消費電力モードを切り換えるための動作モード制御回路と、を含み、
    通常動作モード時において、
    前記利得制御増幅回路の出力信号の電圧振幅を、前記発振ループが発振定常状態であるときには前記発振ループの利得が1になるように制御し、前記発振ループが発振起動過程にあるときには前記発振ループの利得が1より大きくなるように制御し、
    低消費電力モード時において、
    前記発振駆動回路の一部をオフすると共に、前記利得制御増幅回路の出力信号の電圧振幅を、前記発振ループの利得が1より大きくなるように制御する、
    ことを特徴とする発振駆動回路。
  2. 請求項1記載の発振駆動回路であって、
    前記発振ループ内の利得を自動調整する自動利得制御回路と、
    前記自動利得制御回路に設けられた発振検出器からの発振検出信号に基づいてオン/オフが制御され、オン状態のときに、前記利得制御増幅回路に、前記自動利得制御回路からの利得制御信号を供給する第1のスイッチと、
    前記発振ループの発振検出信号に基づいてオン/オフが制御され、オン状態のときに、前記利得制御増幅回路に、前記発振ループの利得を1より大きくするための電圧を供給する第2のスイッチと、
    を有することを特徴とする発振駆動回路。
  3. 請求項2記載の発振駆動回路であって、
    前記自動利得制御回路からの利得制御信号ならびに前記発振ループの利得を1より大きくするための電圧は、前記利得制御増幅回路の高電位電源電圧として供給されることを特徴とする発振駆動回路。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか記載の発振駆動回路であって、
    前記駆動用電流/電圧変換増幅回路に基づいて同期検波用参照信号を生成するコンパレータをさらに有し、
    前記低消費電力モード時には、前記自動利得制御回路および前記コンパレータに含まれる回路の少なくとも一部をオフすることを特徴とする発振駆動回路。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか記載の発振駆動回路であって、
    前記利得制御増幅回路は、前記出力部における高電位電源ノードと出力ノードを結ぶ電流経路、および低電位電源ノードと出力ノードとを結ぶ電流経路の少なくとも一方の電流量を制限する電流制限回路を有する、
    ことを特徴とする発振駆動回路。
  6. 請求項1〜請求項5いずれか記載の発振駆動回路と、
    前記発振駆動回路によって励振される前記物理量トランスデューサと、
    を有することを特徴とする発振駆動装置。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれか記載の発振駆動回路と、
    前記物理量トランスデューサからの電流信号を電圧信号に変換する検出用電流/電圧変換増幅回路と、前記検出用電流/電圧変換増幅回路の後段に設けられた、前記発振駆動回路からの同期検波用参照信号に基づいて同期検波を行う同期検波回路と、を含む検出回路と、
    を有することを特徴とする物理量測定回路。
  8. 請求項7記載の物理量測定回路であって、
    低消費電力モード時において、前記検出回路の少なくとも一部をオフすることを特徴とする物理量測定回路。
  9. 請求項7または請求項8記載の物理量測定回路と、
    前記発振駆動回路によって励振される前記物理量トランスデューサと、
    を有することを特徴とする物理量測定装置。
  10. 請求項6記載の発振駆動装置を搭載した電子機器。
  11. 請求項9記載の物理量測定装置を搭載した電子機器。
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