JP2009020452A - トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

トナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 加熱処理を施すことなく、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れたトナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程とを経て製造される柱状のトナーであって、トナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下であり、d/d50が0.5以上であるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式による画像形成過程における静電潜像の現像などに用いられるトナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式において用いられるトナーは、たとえば、結着樹脂および着色剤を主成分とし、必要に応じてこれに帯電制御剤、離型剤などを加えて混合したトナー原料を溶融混練した後冷却して固化させ、その後粉砕分級する混練粉砕法や、懸濁重合法、乳化重合凝集法などの重合法などによって得られる。トナーには、通常、流動性および帯電安定性などを向上させる目的で、たとえば、シリカ、酸化アルミニウムなどの無機微粒子が外添剤として添加される。
近年、電子写真の分野では、高画質化が様々な角度から検討されており、その中でもトナーの小粒径化が高画質化に有効であるとの認識が高まっている。しかし、トナーの小粒径化が進むにつれて流動性および転写効率が低下し、劣悪な画像が得られるという傾向が見られる。
このような傾向は、フルカラー画像形成時に特に顕著に見られる。一般に、フルカラー画像形成における色の再現には、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色、あるいは、この3色に黒色(B)を加えた4色のトナーが用いられる。色の再現の手順としては、たとえば、C、M、YおよびBの各色に対して、画像形成工程のうち、帯電、露光、現像および転写までの工程を繰り返すことにより、各色に対応した感光体上に形成されたトナー像を中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写する。その後、記録媒体上に複数色のトナーからなるトナー像を重ねて一括転写することによりフルカラー画像を形成する。そして最後の定着工程において、重ねられたトナー像を熔融して記録媒体上に定着する。
このようなフルカラー電子写真法では、複数回の現像を行ない、転写工程にてトナー像の一括転写を行うため、各色トナーの流動性および転写効率は極めて重要な要素になる。したがって、フルカラー画像形成に用いる小粒径のトナーにおいては、トナーの流動性および転写効率を向上させる目的で、体積平均粒径50nm以上150nm以下程度の大粒径の外添剤を添加することが多い。
しかしながら、トナー母体粒子表面に添加された大粒径の外添剤は、現像装置内での撹拌などによりトナーに加えられる多くの機械的ストレスによってトナー母体粒子表面の凹部へ移動して堆積および埋没し、これにより初期使用時における流動性や帯電性などのトナーの初期特性を長期にわたって維持することができず、地汚れ、濃度むらなどの画質低下を生じてしまうという問題がある。
また、外添剤が堆積および埋没するトナー母体粒子表面の凹部は、混練粉砕法においては、粉砕工程にて装置内で受けるストレスやトナー母体粒子同士の衝突などにより形成され、乳化重合凝集法などの重合法においては、凝集粒子間の窪みなどにより形成される。このような凹部は、大きいものには直径が数μmに達するものもある。
上述のような問題を解決するために、トナー母体粒子表面の凹部を減らし平滑化を図る技術が提案されている。たとえば特許文献1に開示される非磁性トナーでは、トナー粒子に対して瞬間的加熱処理を施すことにより、BET比表面積からの換算粒径Dを粒径別相対重量分布の50%相対粒径であるd50で除した値が0.40以上となるようにし、これにより、トナーの表面状態の平滑性を向上させると共に表面性状の均一性を高め、長期にわたってトナーの表面特性を安定的に保持し、必要な流動特性、帯電特性を確保している。
特開平11−295922号公報
特許文献1では、トナー母体粒子の表面平滑性を高めるために瞬間的加熱処理を施しているが、この瞬間的加熱処理により、トナー中の離型剤が表面にブリードし、耐久性に悪影響がでるおそれがある。また、トナー母体粒子表面に流動化剤が固着してしまうため、現像装置内での攪拌などのストレスによりこれらの流動化剤がトナー母体粒子表面に押し込まれて埋没してしまい、流動性が低下するおそれがある。さらに、瞬間的加熱処理中に均一分散状態を保持するために通常よりも多量の流動化剤を必要とし、帯電安定性が不安定になるおそれがある。
本発明は上述のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、加熱処理を施すことなく、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れたトナー、二成分現像剤、現像装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程とを経て製造される柱状のトナーであって、
トナーの底面の長手方向の長さをLとし、高さをHとしたときのHをLで除した値であるトナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下であり、
かつBET比表面積および真密度からの換算粒子径をdとし、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径をd50としたときのdをd50で除した値が0.5以上であることを特徴とするトナーである。
また本発明のトナーは、大粒径粒子と、大粒径粒子よりも体積平均粒径の小さい小粒径粒子とを含む外添剤を含み、開口の短軸方向の長さが大粒径粒子の半径よりも大きい凹部は、表面に10個以下であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、繊維状混練物の120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、着色剤の配合量は、全トナー原料に対して10重量%以下であることを特徴とする。
また本発明のトナーは、トナーの底面のうち、分散した離型剤が存在する部分のそれぞれの面積をSとしたとき、全てのSが2.5×10nm以下である、またはSが2.5×10nm以上である離型剤がトナー1粒子の底面中に2個以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤である。
また本発明は、前記トナーを用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、前記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程とを経て製造される柱状のトナーである。本発明のトナーは、このような紡糸法によって製造されることにより、加熱処理などを行うことなく、混練粉砕法や重合法などによって製造されるトナーと比較してトナー母体粒子表面の平滑性を高くすることができる。したがって、外添剤がトナー母体粒子表面の凹部に堆積したり埋没したりすることを防ぐことができるため、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化に優れる。
また本発明のトナーは、トナーの底面の長手方向の長さをLとし、高さをHとしたときのHをLで除した値であるトナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下である。これにより、トナーを高収率で得ることができる。また粒度分布がより狭く、粒径の均一性により優れた小粒径トナーとなり、そのため流動性および帯電性がより良好になる。
また本発明のトナーは、BET比表面積および真密度からの換算粒子径をdとし、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径をd50としたときのdをd50で除した値が0.5以上である。これにより、トナー母体粒子表面に存在する凹部が少なくなり、この凹部に外添剤が堆積したり埋没したりすることを防ぐことができるため、長期使用によるトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化を図ることができる。
また本発明によれば、本発明のトナーは、大粒径粒子と、大粒径粒子よりも体積平均粒径の小さい小粒径粒子とを含む外添剤を含み、開口の短軸方向の長さが大粒径粒子の半径よりも大きい凹部は、表面に10個以下であることが好ましい。これにより、大粒径粒子が、トナー母体粒子表面におけるほとんどの凹部を塞ぐことが可能となり、小粒径粒子が現像装置内での撹拌などのストレスにより移動しても、トナー母体粒子表面の凹部に堆積したり埋没したりすることを防ぐことができる。このような小粒径粒子の埋没抑制効果が得られることにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化をより確実に図ることができる。
また本発明によれば、繊維状混練物の120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることが好ましい。このように、繊維状混練物の繊維径と、損失弾性率G”および損失正接の値とを規定することにより、粉砕工程において付与される外力が繊維状混練物の歪曲により緩和される現象を防ぐことができるため粉砕工程における粉砕効率に優れる。したがって、トナー母体粒子表面を充分に平滑化することができ、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化をより効果的に抑え、トナー特性の安定化にさらに優れたトナーを得ることができる。また、粒度分布が狭く、粒径の均一性に優れる小粒径のトナーを高収率で得ることができる。
また本発明によれば、着色剤の配合量は、全トナー原料に対して10重量%以下であることが好ましい。これにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ、高着色力を有するトナーを得ることができる。
また本発明によれば、トナーの底面のうち、分散した離型剤が存在する部分のそれぞれの面積をSとしたとき、全てのSが2.5×10nm以下である、またはSが2.5×10nm以上である離型剤がトナー1粒子の底面中に2個以下であることが好ましい。これにより、トナーからの離型剤の脱落、および現像槽内でのその他部材への融着による流動性の低下を防ぐことができる。
また本発明によれば、本発明の二成分現像剤は、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れた前記トナーと、キャリアとを含むことにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化による画質低下を起すことなく、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
また本発明によれば、本発明の現像装置は、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れた前記トナーを用いて現像を行うことにより、感光体上に高精細で高解像度のトナー像を形成することができる。
また本発明によれば、本発明の画像形成装置は、前記現像装置を備えることにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化による画質低下を起すことなく、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
図1は、本発明のトナー1の製造方法における手順を示すフロー図であり、図2は、本発明のトナー1を底面方向から見たときの模式図である。本発明のトナー1は、図1に示すように、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程(ステップS1)と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程(ステップS2)と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程(ステップS3)とを経て製造される柱状のトナーである。
上述のような紡糸法によって製造されるトナー1のトナー母体粒子2表面の平滑性は、紡糸工程および粉砕工程によって決定される。紡糸工程では、混練工程で得られた混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から一定の力で押出すと同時に冷却して繊維状混練物を作製するため、トナー1の側面には凹凸が形成されにくい。また粉砕工程では、切断作用により繊維状混練物を粉砕するため、トナー1の底面にも凹凸が形成されにくい。したがって、本発明のトナー1は、図2に示すように、加熱処理を施すことなく、混練粉砕法や重合法などによって製造されるトナーと比較してトナー母体粒子2表面の平滑性を高くすることができる。したがって、外添剤3が現像装置内での撹拌などのストレスにより移動しても、トナー母体粒子2表面の凹部に堆積したり埋没したりすることを防ぐことができるため、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化に優れる。
また上述のような紡糸法では、紡糸工程において繊維状混練物の繊維径を制御し、粉砕工程においてトナーの高さを制御するために、所望の粒径を有し、粒度分布の狭い均一な小粒径トナーを得ることができる。したがって、混練粉砕法と比較して粉砕工程にかかる労力を抑え、トナー1中の級外品の割合を減らすことができる。また分級工程を省略して製造工程に要する時間を短縮することができ、さらにトナー1の収率も向上する。
また本発明のトナー1は、トナーの底面の長手方向の長さをLとし、高さをHとしたときのHをLで除した値であるトナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下である。アスペクト比がこのような値であることにより、繊維状混練物を粉砕して、トナー粒子を作製する際にトナー1を高収率で得ることができる。また粒度分布がより狭く、粒径の均一性により優れた小粒径トナーとなり、そのため流動性および帯電性がより良好になる。また流動性が良好になるために、現像槽内での撹拌などのストレスを受けることによる現像剤の劣化や有機感光体表面にストレスが加わることによる感光体の膜減りの低減などを防止する効果に優れる。アスペクト比が上記範囲を満たさない場合には、トナー1の収率が低下し、また粒度分布の広いトナーとなるため流動性が低下し帯電性が悪化する。
なお、トナー1の底面の長手方向の長さとしては、たとえばトナー1の底面が円形状である場合は、底面の直径の長さが前記長手方向の長さに相当し、トナー1の底面が楕円形状である場合は、底面の長軸の長さが前記長手方向の長さに相当し、トナー1の底面が長方形状であれば、長辺の長さが前記長手方向の長さに相当する。
図3は、本発明のトナー1の形状の一例を示す概略図である。紡糸工程における紡糸ノズルの先端に設けられる孔の形状が円形状である場合、本発明のトナー1は図3に示すような円柱状となる。ここで、トナー1の底面の直径は、トナー1の底面の長手方向の長さLである。そして、トナー1の高さをHとすると、トナー1のアスペクト比は、HをLで除した値であるH/Lで表すことができる。
また、トナー1のBET比表面積S(m/g)および真密度ρ(g/cm)から下記式(1)を用いて算出する換算粒子径をd(μm)とし、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径をd50(μm)としたとき、dをd50で除した値であるd/d50は、トナー母体粒子2表面の凹部の存否を示す指標であり、この値が大きいほどトナー母体粒子2表面に存在する凹部は少ない。
=6/(ρ・S) …(1)
本発明のトナー1は、上記d/d50が0.5以上である。d/d50がこのような値であることにより、トナー母体粒子2表面に存在する凹部が少なくなり、この凹部に外添剤3が堆積したり埋没したりすることを防ぐことができるため、長期使用によるトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化を図ることができる。d/d50が0.5未満である場合、トナー母体粒子2表面に存在する凹部が多くなり、トナー母体粒子2表面の平滑性が悪化するため、流動性や帯電性が不安定になる。
なお、BET比表面積S(m2/g)および真比重ρ(g/cm)はBET比表面積測定装置(商品名:Nova4200e、ユアサアイオニクス株式会社製)を用いて測定した値であり、d50は粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)により測定した値である。以下、本明細書中において、上記d50は体積平均粒径を示す。
また本発明のトナー1は、大粒径粒子と、大粒径粒子よりも体積平均粒径の小さい小粒径粒子とを含む外添剤3を含み、開口の短軸方向の長さが大粒径粒子の半径、たとえば25nm以上75nm以下よりも大きい凹部は、表面に10個以下であることが好ましい。これにより、大粒径粒子が、トナー母体粒子2表面におけるほとんどの凹部を塞ぐことが可能となり、小粒径粒子が現像装置内での撹拌などのストレスにより移動しても、ト
ナー母体粒子2表面の凹部に堆積したり埋没したりすることを防ぐことができる。このような小粒径粒子の埋没抑制効果が得られることにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化を抑え、トナー特性の安定化をより確実に図ることができる。上記凹部の数が10個を超えると、小粒径粒子の埋没抑制効果が得られず、帯電性および流動性などのトナー特性が不安定になる。なお、外添剤3の種類および添加量などについては後述する。
また本発明のトナー1は、トナー1の底面のうち、分散した離型剤が存在する部分のそれぞれの面積をSとしたとき、全てのSが2.5×10nm以下である、またはSが2.5×10nm以上である離型剤がトナー1の1粒子の底面中に2個以下であることが好ましい。これにより、トナー1からの離型剤の脱落、および現像槽内でのその他部材への融着による流動性の低下を防ぐことができる。Sが2.5×10nm以上である離型剤がトナー1の1粒子の底面中に2個を超えると、フィルミングの発生が顕著になる。
以下に、本発明のトナー1を製造するための混練工程(ステップS1)、紡糸工程(ステップS2)、および粉砕工程(ステップS3)の各製造工程について詳細に説明する。図4は、本発明のトナー1の製造に用いられるトナー製造装置10の構成の一例を示す概略図である。本発明のトナー1の製造は、ステップS0からステップS1に移行することで開始される。
[混練工程]
ステップS1の混練工程は、図4に示すトナー製造装置10の原料投入口11および二軸エクストルーダ12において実施される。
ステップS1の混練工程では、まず少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を混合機により予備混合し、得られた原料混合物を原料投入口11に投入する。投入された原料混合物は混練機である二軸エクストルーダ12に入り、溶融混練された後、冷却されることにより混練物が作製される。これによって、結着樹脂中に結着樹脂以外のトナー原料が分散された混練物が得られる。前記トナー原料には、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、その他のトナー添加成分が含有されていてもよい。その他のトナー添加成分としては、たとえば、帯電制御剤などが挙げられる。
トナー原料の混合に用いられる混合機としては、公知の混合機を使用することができ、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(カワタ株式会社製)、メカノミル(岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合機や、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所株式会社製)、コスモシステム(川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
トナー原料の溶融混練を行う手段である混練機としては、二軸エクストルーダ(二軸押出混練機)12に制限されるものではなく公知の混練機を使用することができ、たとえば、ニーダ、ロールニーダ、一軸押出混練機などの押出混練機や、2本ロールミル、3本ロールミルなどのロールミルなどが挙げられる。これらの混練機は市販されており、市販品としては、たとえば、浅田鉄工株式会社製のミラクルK.C.K(商品名)のKCK−L、KCK−26、KCK−32、KCK−42、KCK−52、KCK−62、KCK−72、KCK−82およびKCK−92(以上いずれも型番)や、東芝機械株式会社製のTEM−100B(商品名)や、池貝株式会社製のPCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名)や、三井鉱山株式会社のニーデックス(商品名)などが挙げられる。トナー原料の混練は、複数の混練機を用いて行なわれてもよい。
またトナー原料は、混合機によって予備混合されることなく直接原料投入口11に投入されてもよいが、予備混合後に投入される方が好ましい。このように、トナー原料が混合機によって予備混合された後に投入されることにより、結着樹脂に対する結着樹脂以外のトナー原料の分散性を向上させることができ、一定の性能を有するトナーをより確実に得ることができる。
以下に上記トナー原料について説明する。
(a)結着樹脂
結着樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂を使用でき、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂およびエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。また、同一種の樹脂において、分子量や単量体組成などの各物性のうちいずれか1つまたは複数の物性が異なる樹脂を2種以上併用して使用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、特に制限されず公知のものを使用でき、たとえば、多塩基酸類と多価アルコール類との縮重合物が挙げられる。多塩基酸類とは、多塩基酸、および多塩基酸の誘導体たとえば多塩基酸の酸無水物またはエステル化物などのことである。多価アルコール類とは、ヒドロキシル基を2個以上含有する化合物のことであり、アルコール類およびフェノール類のいずれをも含む。
多塩基酸類としては、ポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸およびアジピン酸などの脂肪族カルボン酸類が挙げられる。多塩基酸類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
多価アルコール類としてもポリエステル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびグリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類が挙げられる。「ビスフェノールA」とは、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンのことである。ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物としては、たとえばポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられる。多価アルコール類は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
ポリエステル樹脂は、縮重合反応によって合成することができる。たとえば、有機溶媒中または無溶媒下で、触媒の存在下に多塩基酸類と多価アルコール類とを重縮合反応、具体的には脱水縮合反応させることによって合成することができる。このとき、多塩基酸類の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用い、脱メタノール重縮合反応を行なってもよい。多塩基酸類と多価アルコール類との重縮合反応は、生成するポリエステル樹脂の酸価および軟化温度が、合成しようとするポリエステル樹脂における値となったところで終了させればよい。この重縮合反応において、多塩基酸類と多価アルコール類との配合比および反応率などの反応条件を適宜変更することによって、たとえば、得られるポリエステル樹脂の末端に結合するカルボキシル基の含有量、ひいては得られるポリエステル樹脂の酸価を調整することにより、軟化温度などの他の物性値を調整することもできる。
アクリル樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえばアクリル系モノマーの単独重合体およびアクリル系モノマーとビニル系モノマーとの共重合体が挙げられる。その中でも、酸性基を有するアクリル樹脂が好ましい。アクリル系モノマーとしては、アクリル樹脂のモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルおよびアクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル系単量体、ならびにメタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルおよびメタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。これらのアクリル系モノマーは、置換基を有していてもよい。置換基を有するアクリル系モノマーとしては、たとえば、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有するアクリル酸エステル系またはメタクリル酸エステル系単量体などが挙げられる。アクリル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレンおよびα−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、臭化ビニル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルなどの脂肪族ビニル単量体、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどのアクリロニトリル系単量体などが挙げられる。ビニル系モノマーは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
アクリル系樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーの1種もしくは2種以上、またはアクリル系モノマーの1種もしくは2種以上とビニル系モノマーの1種もしくは2種以上とを、ラジカル重合開始剤の存在下に、溶液重合法、懸濁重合法または乳化重合凝集法などで重合させることによって製造することができる。酸性基を有するアクリル樹脂は、たとえば、アクリル系モノマーまたはアクリル系モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基または親水性基を含有するアクリル系モノマーおよび酸性基または親水性基を有するビニル系モノマーのいずれか一方または両方を用いることによって製造することができる。
ポリウレタン樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリオールとポリイソシアネートとの付加重合物が挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するポリウレタン樹脂は、たとえば、酸性基または塩基性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを付加重合反応させることによって合成することができる。酸性基または塩基性基を有するポリオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸、N−メチルジエタノールアミンなどのジオール類、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどの3価以上のポリオール類などが挙げられる。ポリオールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネートは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。
エポキシ樹脂としても特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとから合成されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるフェノールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールとホルムアルデヒドとの反応生成物であるクレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとから合成されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。その中でも、酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂が好ましい。酸性基または塩基性基を有するエポキシ樹脂は、たとえば、前述のエポキシ樹脂をベースとし、このベースのエポキシ樹脂にアジピン酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
結着樹脂としては、前述の樹脂の中でもポリエステル樹脂を用いることが好ましい。ポリエステル樹脂はアクリル樹脂などの他の樹脂に比べて軟化温度(T1/2)が低いので、ポリエステル樹脂を用いることによって、より低い温度で定着することのできる低温定着性に優れるトナーを得ることができる。またポリエステル樹脂は透光性に優れるので、ポリエステル樹脂を用いることによって、発色性に優れ、また他の色のトナーとの重ね合わせによって作製される二次色の発色性に優れるカラートナーを得ることができる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、得られるトナーの定着性および保存安定性などを考慮すると、30℃以上80℃以下であることが好ましい。30℃未満であると、保存安定性が不充分になるため画像作製装置内部でのトナーの熱凝集が起こりやすくなり、現像不良が発生するおそれがある。また高温オフセット現象が発生し始める温度(以後、「高温オフセット開始温度」と称する)が低下してしまう。「高温オフセット現象」とは、加熱ローラなどの定着部材で加熱および加圧してトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが過熱されることによってトナー粒子の凝集力がトナーと定着部材との接着力を下回ってトナー層が分断され、トナーの一部が定着部材に付着して取去られる現象のことである。また80℃を超えると、定着性が低下するため定着不良が発生するおそれがある。
結着樹脂の軟化温度(T1/2)は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、150℃以下であることが好ましく、さらには60℃以上120℃以下であることが好ましい。60℃未満であると、トナーの保存安定性が低下し、画像作製装置内部でトナーの熱凝集が起こりやすくなり、トナーを安定して像担持体に供給することができず、現像不良が発生するおそれがある。また画像作製装置の故障が誘発されるおそれもある。120℃を超えると、混練工程において結着樹脂が溶融しにくくなるため、トナー原料の混練が困難になり、混練物中における着色剤、離型剤および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーを記録媒体に定着させる際に、トナーが溶融または軟化しにくくなるので、トナーの記録媒体への定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
上述のように、トナー原料は混合機で予備混合された後、混練機で結着樹脂を溶融させた状態で混練される。したがって、トナー原料を混合機で予備混合した後、結着樹脂の軟化温度以上、熱分解温度未満の温度、具体的には80℃以上200℃以下程度、好ましくは120℃以上200℃以下程度に加熱して結着樹脂を溶融させて混練することによって混練物を得ることができる。
結着樹脂の分子量は、特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、重量平均分子量(Mw)で5000以上500000以下であることが好ましい。5000未満であると、結着樹脂の機械的強度が低下し、得られるトナー粒子が現像装置内部での撹拌などによって粉砕されやすくなり、トナー粒子の形状が変化し、たとえば帯電性能にばらつきが生じるおそれがある。また500000を超えると、溶融されにくくなるため、混練工程における混練が困難になり、混練物中における着色剤、離型剤および帯電制御剤などの分散性が低下するおそれがある。またトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。ここで、結着樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel
Permeation chromatography;略称GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値である。
(b)着色剤
着色剤としては、染料および顔料が挙げられる。その中でも、顔料を用いることが好ましい。顔料は染料に比べて耐光性および発色性に優れるので、顔料を用いることによって耐光性および発色性に優れるトナーを得ることができる。着色剤の具体例としては、以下の各色の着色剤が挙げられる。以下では、カラーインデックス(Color Index)を「C.I.」と略記する。
青色の着色剤としては、たとえば、KET.BLUE111、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16およびC.I.ピグメントブルー60などの有機顔料が挙げられる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、活性炭、非磁性フェライト、およびマグネタイトなどの磁性フェライトなどの無機顔料、ならびにアニリンブラックなどの有機顔料が挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180およびC.I.ピグメントイエロー185などの有機顔料が挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31およびC.I.ピグメントオレンジ43などの有機顔料が挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド150およびC.I.ピグメントレッド184などの有機顔料が挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫などの無機顔料、ならびにファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどの有機顔料が挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、マイカライトグリーンレーキなどの無機顔料、ならびにピグメントグリーンB、ファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などの有機顔料が挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などの無機顔料が挙げられる。
これらの着色剤は、1種を単独で使用してもよく、また色の異なる2種以上を併用して使用してもよい。また同色系の複数の着色剤を併用することもできる。着色剤の配合量は、全トナー原料に対して10重量%以下であることが好ましい。着色剤の配合量が前記範囲の値であることにより、着色剤の添加によるフィラー効果を抑え、かつ、高着色力を有するトナーを得ることができる。着色剤の配合量が10重量%を超えると、着色剤のフィラー効果によって、高温での貯蔵弾性率G’が上昇し、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(c)離型剤
離型剤は、トナーを記録媒体に定着させる際にトナーに離型性を付与するために添加される。したがって、離型剤を使用しない場合と比較して高温オフセット開始温度を高め、耐高温オフセット性を向上させることができる。またトナーを定着させる際の加熱によって離型剤を溶融させ、トナーの溶融粘度を低下させることができるため、低温オフセット開始温度を低下させ、耐低温オフセット性を向上させることができる。
離型剤は、この分野で常用されるものを使用でき、たとえばワックスなどが挙げられる。ワックスとしては、パラフィンワックス.カルナバワックスおよびライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプッシュワックスなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックスなどの石油系ワックス、アルコール系ワックス、ならびにエステル系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。離型剤の配合量は特に制限されず、結着樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して、3重量部以上10重量部以下である。離型剤の配合量が3重量部未満であると、低温定着性および耐高温オフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。離型剤の配合量が10重量部を超えると、混練物中における離型剤の分散性が低下し、一定の性能を有するトナーを安定して得ることができなくなるおそれがある。またトナーが感光体などの像担持体の表面に皮膜(フィルム)状に融着するフィルミングと呼ばれる現象が発生しやすくなるおそれがある。
離型剤の融点(Tm)は、50℃以上150℃以下であることが好ましく、さらには、120℃以下であることが好ましい。融点が50℃未満であると、現像装置内において離型剤が溶融してトナー粒子同士が凝集したり、感光体表面へのフィルミングなどの不良を引き起こすおそれがあり、融点が150℃を超えると、トナーを記録媒体に定着するときに離型剤が充分に溶出することができず、耐高温オフセット性の向上効果が充分に発揮されないおそれがある。ここで、離型剤の融点とは、示差走査熱量測定(Differential
Scanning Calorimetry:略称DSC)によって得られるDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度のことである。
(d)帯電制御剤
帯電制御剤は、トナーの帯電特性を制御するために添加される。帯電制御剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カリックスアレン類、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、有機金属錯体、キレート化合物、サリチル酸亜鉛などのサリチル酸の金属塩、およびスルホン酸基またはアミノ基などのイオン性基を有するモノマーを単独重合または共重合させた重合体などが挙げられる。帯電制御剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用してもよい。帯電制御剤の配合量は特に制限されず、結着樹脂、着色剤などの他の成分の種類および含有量、作製しようとするトナーに要求される特性などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択することができるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上5重量部以下である。
[紡糸工程]
ステップS2の紡糸工程は、ステップS1の混練工程において作製された混練物を紡糸ノズル14の先端に設けられる孔14aから押出して繊維状混練物を作製する工程であり、図4に示すトナー製造装置10のギアポンプ13、紡糸ノズル14、熱風ヒータ15および熱風ブロア16において実施される。
ステップS2の紡糸工程では、まずステップS1の混練工程において作製された混練物が、ギアポンプ13により圧力を加えられて、ノズル孔14aおよび熱風吐出口14bとを備える紡糸ノズル14に送り込まれる。紡糸ノズル14に送り込まれた混練物は、熱風ヒータ15および熱風ブロア16により生成され、熱風吐出口14bから排出される熱風と共に、たとえば120℃以上200℃以下に加熱されてノズル孔14aから押出されることにより繊維状混練物が作製される。
熱風ヒータ15および熱風ブロア16によって調整される温度である上記120℃以上200℃以下の温度範囲は、トナー中の結着樹脂の軟化温度以上熱分解温度未満の温度範囲である。
ギアポンプ13は、混練物を紡糸ノズル14へ送り込む手段であり、ポンプの吐出量(cc/min)を調整することで、混練物に加える圧力(以下、押出圧力と記す。)を調整することができる。本発明において、押出圧力は紡糸ノズル14の出口における圧力を示し、通常、押出圧力が大きくなるにしたがって繊維状混練物の繊維径は小さくなる。押出圧力としては、0.5MPa以上8.0MPa以下に調整されることが好ましい。このように押出圧力が調整されることによって、所望の繊維径を有する繊維状混練物を作製することができ、より粒度分布が狭く、粒径の均一性に優れる小粒径トナーを製造することができる。そのため、混練粉砕法と比較して分級工程を減らすことができるために、より収率を向上させることができる。押出圧力が0.5MPaより小さい場合は、所望の繊維径よりも大きい繊維径を有する繊維状混練物が作製されてしまい、所望の繊維径を有する繊維状混練物が得られないばかりか糸切れが頻繁に発生し、繊維状混練物の繊維径が均一でなくなる。また8.0MPaより大きい場合は、紡糸ノズル14などの装置が押出圧力に耐え切れずに壊れてしまうおそれがある。
混練物を紡糸ノズル14へ送り込む手段としては、特にギアポンプ13に制限されるものではなく、たとえば、ねじポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプなどを用いてもよい。
紡糸ノズル14は、混練物から繊維状混練物を作製する手段である。図5は、紡糸ノズル14の構成を示す概略図である。図5(a)は、紡糸ノズル14の構成を示す斜視断面図であり、図5(b)は、ノズル孔14aを示す拡大図である。
紡糸ノズル14は、図5(a)に示すように、円形状のノズル孔14aがハーモニカ状に10個並んで作製されており、これにより同時に10本の繊維状混練物を作製することができる。紡糸ノズル14は、上記構成に制限されるものではなく、たとえば、ノズル孔14aはハニカム状に作製されていてもよいし、ノズル孔14aの形状は四角形状や六角形状であってもよい。
また図5(b)の両矢印Cで示されるノズル孔14aの内径は、120μm以上300μm以下になるように形成されることが好ましい。このように、紡糸ノズル14のノズル孔14aの内径が形成されることによって、所望の繊維径を有する繊維状混練物を作製でき、より粒度分布が狭く、粒径の均一性に優れる小粒径トナーを製造することができる。そのため、混練粉砕法と比較して分級工程を減らすことができるために、より収率を向上させることができる。トナー原料の混練物の粘弾性は非常に高く、ノズル孔14aの内径が120μmより小さい場合は、紡糸ノズル14における混練物の通過性が低下し、糸切れなどが頻発し、繊維径のばらつきが生じる。300μmを超える場合は、最大押出圧力、たとえば10MPaを加えても、所望の繊維径よりも大きい繊維径を有する繊維状混練物が作製されてしまい、所望の繊維径を有する繊維状混練物が得られない。
熱風ヒータ15および熱風ブロア16は熱風を生成する加熱手段であり、混練物が紡糸ノズル14の中を図5(a)に示す矢印Aの方向に向って送り込まれて繊維状混練物が作製される際に、生成した熱風を矢印Bから送り込み、熱風吐出口14bから排出させることによって混練物を加熱する。このように熱風ヒータ15および熱風ブロア16は、熱風により混練物を加熱することで混練物が固化したり破断したりすることを防止する。
熱風ヒータ15としては、一般的に使用されるものでよく特に制限されるものではないが、たとえば、発熱体がコイル状に作製されたコイルヒータなどが挙げられる。熱風ブロア16としては、一般的に使用されるものでよく特に限定されるものではないが、たとえば、プロペラ状のファンなどが挙げられる。
熱風ヒータ15および熱風ブロア16によって調整される温度、たとえば図5(b)の領域Dに示す紡糸ノズル14の出口における温度(以下、出口温度と記す。)は、トナー中の結着樹脂の軟化温度以上、熱分解温度未満の温度範囲である120℃以上200℃以下であることが好ましく、この出口温度の制御方法としては、たとえば図示しない温度計によって出口温度が測定され、図示しない制御手段が、温度計から入力された温度に基づいて、温度計によって測定される出口温度があらかじめ入力された設定温度になるように、熱風ヒータ15および熱風ブロア16の動作を制御する方法などが挙げられる。
なお、紡糸ノズル14に送り込まれる混練物としては、混練工程にて作製された溶融状態または軟化状態の混練物をそのまま用いてもよく、また混練工程後に冷却して得た固化物をそのまま、または再度加熱して溶融状態または軟化状態に戻したものを用いてもよい。
[粉砕工程]
ステップS3の粉砕工程は、ステップS2の紡糸工程において作製された繊維状混練物を切断または粉砕することによりトナーを製造する工程であり、図4に示すトナー製造装置10のベルトコンベア17および解砕機18において実施される。
ステップS3の粉砕工程では、まずステップS2の紡糸工程において作製された繊維状混練物が、ベルトコンベア17により解砕機18に送り込まれ、切断または粉砕されることによってトナー母体粒子が製造される。
解砕機18は、繊維状混練物を切断または粉砕、および分級する手段であればよく、特に制限されるものではないが、たとえば粉砕機である粉砕ロータおよび分級機である分級ロータなどが内臓された機械式粉砕機が好ましい。粉砕機としては、上記構成に限られるものではなく、たとえば、旋回流式ジェットミル、衝突板式ジェットミルなどのジェット式粉砕機、および回転型機械ミルなどであってもよい。また分級機としては、上記構成に限られるものではなく、たとえば、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機などであってもよい。
トナー母体粒子2には、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性向上、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤3が添加される。外添剤3は、公知のものを用いることができ、シリカ、チタン、アルミナ、マグネタイトおよびフェライトなどの金属酸化物微粒子ならびにチッ化ケイ素およびチッ化ホウ素などの金属チッ化物微粒子などの微粉末を挙げることができる。さらに、微粉末の表面を疎水化処理したものが好ましい。疎水化処理には、ジメチルジクロルシランおよびアミロシランなどのシランカップリング剤による処理、シリコーンオイルによる処理およびフッ素含有の成分などによる処理などを挙げることができる。外添剤3は、上記の外添剤のうち1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。また、外添剤3としては、シリカがより好ましい。シリカ以外の微粒子のみを外添しても、トナーとキャリアとの接触において、帯電付与が充分でないことがあり、さらに、シリカは、トナーの流動化剤としても働くので、トナーの供給量を安定化させることができる。
外添剤3の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響、トナーの環境特性などを考慮して、トナー母体粒子2の100重量部に対して7重量部以下が好適である。
外添剤3のトナー母体粒子2への外添方法としては、粉砕後のトナー母体粒子2に外添剤3を添加し、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサなどの高速攪拌機などで攪拌、混合することによって行われる。攪拌の回転数、時間、羽根形状などの混合条件は、トナーの性能に合わせて適宜設定される。
外添剤3には、異なる体積平均粒径の粒子、すなわち体積平均粒径50nm以上150nm以下の大粒径粒子と、体積平均粒径50nm未満の小粒径粒子とが含まれることが好ましい。
外添剤3には、同じ種類の外添剤3の中で大粒径粒子および小粒径粒子が存在していてもよいし、大粒径粒子および小粒径粒子の種類が異なっていてもよい。
大粒径粒子の含有量としては、トナー母体粒子2の100重量部に対して0.05重量部以上2重量部以下であることが好ましい。小粒径粒子の含有量としては、トナー母体粒子2の100重量部に対して0.05重量部以上5重量部以下であることが好ましい。
図6は、粉砕工程における繊維状混練物の粉砕状態を示す概略図である。図6(a)は、繊維状混練物の繊維径D1が一定値以上の場合における粉砕状態を示す概略図であり、図6(b)は、繊維状混練物の繊維径D1が一定値未満の場合における粉砕状態を示す概略図である。
図6(a)に示すように、繊維状混練物の繊維径D1が一定値以上の場合には、粉砕工程時に付与される外力Fにより繊維状混練物は粉砕される。一方、図6(b)に示すように、繊維状混練物の繊維径D1が一定値未満の場合には、繊維状混練物の曲げ強度が大きくなるため、粉砕工程時に付与される外力Fが繊維状混練物の歪曲により緩和され、粉砕性の低下を招く。したがって、所望のトナー粒径にするためには何度も粉砕を繰返さなければならず、これにより級外品である微粉トナーの割合が増加してしまう。そのため粉砕後の分級に要する労力および時間が増大し、またトナーの収率も低下する。
したがって、粉砕工程において粉砕効率を優れたものとするためには、繊維状混練物の曲げ強度が適正な値になるように繊維状混練物の繊維径D1を規定することが好ましい。
紡糸工程において作製される繊維状混練物の繊維径D1は5μm以上10μm以下であることが好ましい。繊維径D1が5μmより小さい場合は、繊維状混練物の曲げ強度が大きくなるために、粉砕工程における粉砕が困難になる。10μmよりも大きい場合は、所望の体積平均粒径を有するトナーを得ることができない。
また、一般的に曲げ強度は、使用する材料や材料固有の物性により変化するが、トナー製造時に作製される繊維状混練物においては、使用されるトナー原料やその配合処方に大きな違いがない場合、トナー原料や配合処方の違いによる曲げ強度の変化は小さい。一方、繊維状混練物の曲げ強度は、繊維状混練物の損失弾性率G”および損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接の違いによって大きく異なる。
したがって、繊維状混練物における、損失弾性率G”および損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接を規定することが好ましい。すなわち、120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であるようにすることが好ましい。このように、繊維状混練物の繊維径と、損失弾性率G”および損失正接の値とを規定することにより、粉砕工程において付与される外力が繊維状混練物の歪曲により緩和される現象を防ぐことができるため粉砕工程における粉砕効率に優れる。したがって、トナー母体粒子2表面を充分に平滑化することができ、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化をより効果的に抑え、トナー特性の安定化にさらに優れたトナーを得ることができる。また、粒度分布が狭く、粒径の均一性に優れる小粒径のトナーを高収率で得ることができる。
120℃における損失弾性率G”が10Paより大きい場合は、混練物の粘弾性が高くなりすぎるために、紡糸工程における紡糸が困難になり、トナー母体粒子2表面の平滑性が悪化するおそれがある。またトナーの溶融粘度が高くなるために耐低温オフセット性が低下するため、低温オフセットが発生してトナーの定着不良が発生するおそれがある。200℃における損失弾性率G”が10Pa未満の場合は、繊維状混練物の曲げ強度が大きくなるために、粉砕工程における粉砕が困難になり、トナー母体粒子表面の平滑性が悪化するおそれがある。またトナーから離型剤が脱落しやすくなり耐高温オフセット性が低下するため、高温オフセットが発生してトナーの定着不良が発生するおそれがある。さらに200℃における損失正接が10より大きくなると、耐高温オフセット性が低下してしまうおそれがある。
なお、貯蔵弾性率G’は試料の弾性を示す値であり、損失弾性率G”は試料の粘性を示す値である。貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比である損失正接(tanδ)は、損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値G”/G’であり、弾性に対する粘性の割合を表す。通常、トナーの結着樹脂のような溶融性の高い樹脂の貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”は温度依存性が高いため、本発明では、周波数(1.0Hz)およびひずみ(5%)を一定にした条件下で温度を変化させながら、溶融状態の混練物を振動させることにより貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。そして、得られた測定結果から、損失弾性率G”と温度との関係を示す損失弾性率−温度特性曲線および損失正接(tanδ)と温度との関係を表す損失正接−温度特性曲線を求め、これらのグラフから120℃および200℃における損失弾性率G”の値ならびに200℃における損失正接(tanδ)を求めた。
なお、紡糸工程における温度条件は、トナー中の結着樹脂の軟化温度以上、熱分解温度未満の温度範囲である120℃以上200℃以下程度にすることが好ましいため、この温度範囲における貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”および損失正接(tanδ)を求めた。
粉砕工程を経てトナー1が製造されると、ステップS3からステップS4に移行し、トナー1の製造が終了する。
このようにして製造されたトナー1の体積平均粒径としては、5μm以上10μm以下であることが好ましい。トナーの体積平均粒径が5μm未満であると、個々のトナー粒子が充分な帯電性を有することができず、現像動作時のトナー飛散および画像かぶりを生じる。10μmを超えると、現像によって作製される画像のトナー層の層厚が厚くなり、トナー粒状感を隠蔽することが困難になる。トナーの粒度分布は、前述の5μm以上10μm以下の範囲に属する比率が高い方が好ましいが、通常の粉砕法で得られうる粒度分布のものであっても使用することができる。
以上のようにして製造されたトナー粒子には、たとえば、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面磨耗特性制御などの機能を担う外添剤を混合してもよい。外添剤としては、たとえば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末およびアルミナ微粉末などが挙げられる。外添剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。外添剤の添加量としては、トナーに必要な帯電量、外添剤を添加することによる感光体の摩耗に対する影響およびトナーの環境特性などを考慮して、トナー粒子100重量部に対し0.1重量部以上10重量部以下が好適である。
本発明のトナーは、電子写真法もしくは静電記録法によって画像形成するときの静電荷像の現像、または磁気記録法によって画像形成するときの磁気潜像の現像などに使用することができる。また本発明のトナーは、そのまま一成分現像剤として使用することができ、またキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。
キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては、特に制限されないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。キャリアの形状としては、球形または扁平形状が好ましい。
またキャリアの体積平均粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは10μm以上100μm以下、さらに好ましくは20μm以上50μm以下である。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像ローラに現像バイアス電圧を印加した際にキャリアに電荷が注入され、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。また現像バイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g以上60emu/g以下、さらに好ましくは15emu/g以上40emu/g以下である。磁化強さは現像ローラの磁束密度にもよるけれども、現像ローラの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、潜像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの使用割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できるけれども、フェライトキャリアに例をとれば、現像剤中に、トナーが現像剤全量の2重量%以上30重量%以下、好ましくは2重量%以上20重量%以下含まれるように、トナーを用いればよい。また二成分現像剤において、トナーによるキャリアの被覆率は、40重量%以上80重量%以下であることが好ましい。
このように、本発明の二成分現像剤は、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れた本発明のトナーと、キャリアとを含むことにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化による画質低下を起すことなく、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
図7は、本発明のトナーを用いるのに適した画像形成装置100の構成の一例を模式的に示す断面図である。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体上にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置においては、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体、メモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じて、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。画像形成装置100は、トナー像形成手段20と、転写手段30と、定着手段40と、記録媒体供給手段50と、排出手段60とを含む。トナー像形成手段20を構成する各部材および転写手段30に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
トナー像形成手段20は、感光体ドラム21と、帯電手段22と、露光ユニット23と、現像装置24と、クリーニングユニット25とを含む。帯電手段22、現像装置24およびクリーニングユニット25は、感光体ドラム21まわりに、この順序で配置される。帯電手段22は、現像装置24およびクリーニングユニット25よりも鉛直方向下方に配置される。
感光体ドラム21は、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない、導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含む潜像担持体である。導電性基体は種々の形状を採ることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルム、紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金、酸化インジウムなどの1種または2種以上からなる導電性層を形成してなる導電性フィルム、少なくとも導電性粒子または導電性ポリマーのいずれかを含有する樹脂組成物などが挙げられる。なお、導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層することにより形成される。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間には、下引き層を設けることが好ましい。下引き層を設けることによって、導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆して、感光層表面を平滑化する、繰り返し使用時における感光層の帯電性の劣化を防止する、少なくとも低温環境下または低湿環境下のいずれかにおける感光層の帯電特性を向上させるといった利点が得られる。また最上層に感光層表面を保護する保護層を設けた耐久性に優れる三層構造の積層感光層であっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、必要に応じて公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でも、無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料、少なくともフローレン環またはフルオレノン環のいずれかを含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷発生物質の含有量は特に制限はないけれども、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは5重量部〜500重量部、さらに好ましくは10重量部〜200重量部である。電荷発生層用の結着樹脂としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
電荷発生層は、電荷発生物質および結着樹脂ならびに必要に応じて可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層塗液を調製し、この電荷発生層塗液を導電性基体表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05μm〜5μm、さらに好ましくは0.1μm〜2.5μmである。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有する電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂を必須成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。電荷輸送物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないけれども、好ましくは電荷輸送層中の結着樹脂100重量部に対して10重量部〜300重量部、さらに好ましくは30重量部〜150重量部である。電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、得られる電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と記す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質および電荷輸送層用の結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれることが好ましい。酸化防止剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないけれども、電荷輸送層を構成する成分の合計量の0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.05重量%〜5重量%である。電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂ならびに必要に応じて酸化防止剤、可塑剤、増感剤などのそれぞれ適量を、これらの成分を溶解または分散し得る適切な有機溶媒に溶解または分散して電荷輸送層用塗液を調製し、この電荷輸送層用塗液を電荷発生層表面に塗布し、乾燥することにより形成できる。このようにして得られる電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10μm〜50μm、さらに好ましくは15μm〜40μmである。なお、1つの層に、電荷発生物質と電荷輸送物質とが存在する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述のような、電荷発生物質および電荷輸送物質を用いる有機感光層を形成してなる感光体ドラムを用いるけれども、それに代えて、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用できる。
帯電手段22は、感光体ドラム21を臨み、感光体ドラム21の長手方向に沿って感光体ドラム21表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム21表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電手段22には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電手段22は感光体ドラム21表面から離隔するように設けられるけれども、それに限定されない。たとえば、帯電手段22として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラム21とが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、また帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いても良い。
露光ユニット23は、露光ユニット23から出射される各色情報の光が、帯電手段22と現像装置24との間を通過して感光体ドラム21の表面に照射されるように配置される。露光ユニット23は、画像情報を該ユニット内でブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)、イエロー(y)の各色情報の光に分岐し、帯電手段22によって一様な電位に帯電された感光体ドラム21表面を各色情報の光で露光し、その表面に静電潜像を形成する。露光ユニット23には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図8は、本発明のトナーを用いるのに適した現像装置24の構成の一例を模式的に示す断面図である。現像装置24は、現像槽26とトナーホッパ27とを含む。現像槽26は感光体ドラム21表面を臨むように配置され、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、可視像であるトナー像を形成する容器状部材である。現像槽26は、その内部空間にトナーを収容しかつ現像ローラ26a、供給ローラ26b、撹拌ローラ26cなどのローラ部材またはスクリュー部材を収容して回転自在に支持する。現像槽26の感光体ドラム21を臨む側面には開口部が形成され、この開口部を介して感光体ドラム21に対向する位置に現像ローラ26aが回転駆動可能に設けられる。現像ローラ26aは、感光体ドラム21との圧接部または最近接部において感光体ドラム21表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナーの供給に際しては、現像ローラ26a表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、現像ローラ26a表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することによって、静電潜像に供給されるトナー量(トナー付着量)を制御できる。供給ローラ26bは現像ローラ26aを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ26a周辺にトナーを供給する。攪拌ローラ26cは供給ローラ26bを臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ27から現像槽26内に新たに供給されるトナーを供給ローラ26b周辺に送給する。トナーホッパ27は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口(図示せず)と、現像槽26の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口(図示せず)とが連通するように設けられ、現像槽26のトナー消費状況に応じてトナーを補給する。またトナーホッパ27を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成しても構わない。
クリーニングユニット25は、記録媒体にトナー像を転写した後に、感光体ドラム21の表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム21の表面を清浄化する。クリーニングユニット25には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。なお、本発明の画像形成装置においては、感光体ドラム21として、主に有機感光体ドラムが用いられ、有機感光体ドラムの表面は樹脂成分を主体とするものであるため、帯電手段22によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行しやすい。ところが、劣化した表面部分はクリーニングユニット25よる擦過作用を受けて摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面の劣化の問題が実際上解消され、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。本実施の形態ではクリーニングユニット25を設けるけれども、それに限定されず、クリーニングユニット25を設けなくてもよい。
トナー像形成手段20によれば、帯電手段22によって均一な帯電状態にある感光体ドラム21の表面に、露光ユニット23から画像情報に応じた信号光を照射して静電潜像を形成し、これに現像装置24からトナーを供給してトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト28に転写した後に、感光体ドラム21表面に残留するトナーをクリーニングユニット25で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
転写手段30は、感光体ドラム21の上方に配置され、中間転写ベルト28と、駆動ローラ29と、従動ローラ31と、中間転写ローラ32b,32c,32m,32yと、転写ベルトクリーニングユニット33、転写ローラ34とを含む。中間転写ベルト28は、駆動ローラ29と従動ローラ31とによって張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向、すなわち感光体ドラム21と接する面が感光体ドラム21yから21bに向う方向に移動するように回転駆動する。
中間転写ベルト28が、感光体ドラム21に接しながら感光体ドラム21を通過する際、中間転写ベルト28を介して感光体ドラム21に対向配置される中間転写ローラ32から、感光体ドラム21表面のトナーの帯電極性とは逆極性の転写バイアスが印加され、感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト28上へ転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム21y,21m,21c,21bで形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト28上に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。駆動ローラ29は図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられ、その回転駆動によって、中間転写ベルト28を矢符B方向へ回転駆動させる。従動ローラ31は駆動ローラ29の回転駆動に従動回転可能に設けられ、中間転写ベルト28が弛まないように一定の張力を中間転写ベルト28に付与する。中間転写ローラ32は、中間転写ベルト28を介して感光体ドラム21に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転駆動可能に設けられる。中間転写ローラ32は、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム21表面のトナー像を中間転写ベルト28に転写する機能を有する。転写ベルトクリーニングユニット33は、中間転写ベルト28を介して従動ローラ31に対向し、中間転写ベルト28の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム21との接触によって中間転写ベルト28に付着し、記録媒体に転写されずに残留するトナーは、記録媒体の裏面を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット33が中間転写ベルト28表面の残留トナーを除去し回収する。転写ローラ34は、中間転写ベルト28を介して駆動ローラ29に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ34と駆動ローラ29との圧接部(転写ニップ部)において、中間転写ベルト28に担持されて搬送されて来るトナー像が、後述する記録媒体供給手段50から送給される記録媒体に転写される。トナー像を担持する記録媒体は、定着手段40に送給される。転写手段30によれば、感光体ドラム21と中間転写ローラ28との圧接部において感光体ドラム21から中間転写ベルト28に転写されるトナー像が、中間転写ベルト28の矢符B方向への回転駆動によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。
定着手段40は、転写手段30よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ35と加圧ローラ36とを含む。定着ローラ35は図示しない駆動手段によって回転駆動可能に設けられ、記録媒体に担持される未定着トナー像を構成するトナーを加熱して溶融させ、記録媒体に定着させる。定着ローラ35の内部には図示しない加熱手段が設けられる。加熱手段は、定着ローラ35表面が所定の温度(加熱温度)になるように定着ローラ35を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後記する定着条件制御手段によって制御される。定着ローラ35表面近傍には温度検知センサが設けられ、定着ローラ35の表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後記する制御手段の記憶部に書き込まれる。定着条件制御手段は、記憶部に書き込まれた検知結果に基づいて、加熱手段の動作を制御する。加圧ローラ36は定着ローラ35に圧接するように設けられ、定着ローラ35の回転駆動に従動回転可能に支持される。加圧ローラ36は、定着ローラ35によってトナーが溶融して記録媒体に定着する際に、トナーと記録媒体とを押圧することによって、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ35と加圧ローラ36との圧接部が定着ニップ部である。定着手段40によれば、転写手段30においてトナー像が転写された記録媒体が、定着ローラ35と加圧ローラ36とによって挟持され、定着ニップ部を通過する際に、トナー像が加熱下に記録媒体に押圧されることによって、トナー像が記録媒体に定着され、画像が形成される。
記録媒体供給手段50は、自動給紙トレイ37と、ピックアップローラ38と、搬送ローラ39a,39bと、レジストローラ41と、手差給紙トレイ42とを含む。自動給紙トレイ37は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ38は、自動給紙トレイ37に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路S1に送給する。搬送ローラ39aは互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ41に向けて搬送する。レジストローラ41は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、搬送ローラ39aから送給される記録媒体を、中間転写ベルト28に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ42は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ42から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ39bによって用紙搬送路S2内を通過し、レジストローラ41に送給される。記録媒体供給手段50によれば、自動給紙トレイ37または手差給紙トレイ42から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト28に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
排出手段60は、搬送ローラ39cと、排出ローラ43と、排出トレイ44とを含む。搬送ローラ39cは、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段40によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ43に向けて搬送する。排出ローラ43は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ44に排出する。排出トレイ44は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。制御手段の記憶部には、画像形成装置100の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能であり、かつ画像形成装置に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビジョン受像機、ビデオレコーダ、DVD(
Digital Versatile Disc)レコーダ、HDDVD(High-Definition Digital Versatile
Disc)、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置100内部における各装置にも電力を供給する。
このように、本発明の現像装置24は、トナー母体粒子2の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れた本発明のトナーを用いて現像を行うことにより、感光体ドラム21上に高精細で高解像度のトナー像を形成することができる。したがって、本発明の画像形成装置100は、本発明の現像装置24を備えることにより、長期使用にともなうトナーの流動性や帯電性の経時変化による画質低下を起すことなく、高精細で高解像度の高画質画像を形成することができる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り特に本実施例に限定されるものではない。
[物性値測定方法]
実施例および比較例における各物性値は、以下に示すようにして測定した。
〔ガラス転移温度(Tg)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを昇温速度毎分10℃(10℃/min)で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの低温側のベースラインを高温側に延長した直線とピークの低温側の曲線に対して勾配が最大になる点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
〔軟化温度(T1/2)〕
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−500C、株式会社島津製作所製)を用い、試料1gをシリンダに挿入し、ダイから押出されるように荷重10kgf/cm(0.980665MPa)を与えながら、昇温速度毎分6℃(6℃/min)で加熱し、ダイから試料の半分が流出したときの温度を軟化温度として求めた。ダイには、口径1mm、長さ1mmのものを用いた。
〔ピークトップ分子量および分子量分布指数(Mw/Mn)〕
GPC装置(商品名:HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)を用い、温度40℃において、試料の0.25重量%のテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)溶液を試料溶液とし、試料溶液の注入量を200μLとして、分子量分布曲線を求めた。得られた分子量分布曲線のピークの頂点の分子量をピークトップ分子量として求めた。また得られた分子量分布曲線から、重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを求め、数平均分子量Mnに対する重量平均分子量Mwの比である分子量分布指数(Mw/Mn;以後、単に「Mw/Mn」とも表記する)を求めた。なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
〔酸価〕
酸価は以下のようにして中和滴定法によって測定した。THF50mLに、試料5gを溶解させ、指示薬としてフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴加えた後、0.1モル/Lの水酸化カリウム(KOH)水溶液で滴定を行なった。試料溶液の色が無色から紫色に変化した点を終点とし、終点に達するまでに要した水酸化カリウム水溶液の量と滴定に供した試料の重量とから、酸価(mgKOH/g)を算出した。
〔THF不溶分〕
試料1gを円筒濾紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100mLを用いて6時間加熱還流して、試料中のTHFに可溶な成分をTHFによって抽出した。抽出されたTHF可溶分を含む抽出液から溶媒を除去した後、THF可溶分を100℃で24時間乾燥し、得られたTHF可溶分の重量X(g)を秤量した。求めたTHF可溶分の重量X(g)と、測定に用いた試料の重量(1g)とから、下記式(2)に基づいて、結着樹脂中のTHFに不溶な成分であるTHF不溶分の割合P(重量%)を算出した。以下、この割合PをTHF不溶分と称する。
P(重量%)={1(g)−X(g)}/1(g)×100 …(2)
〔融点(Tm)〕
示差走査熱量計(商品名:Diamond DSC、パーキンエルマージャパン株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料0.01gを温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させ、次いで200℃から20℃まで1分間当たり50℃の割合で降温させた後、再度、温度20℃から200℃まで1分間当たり10℃の割合で昇温させることにより得られるDSC曲線の融解熱のピークについて、ピークの頂点の温度を融点(Tm)として求めた。
〔繊維径〕
電子顕微鏡(商品名:VE−9500、キーエンス株式会社製)によって、1,000倍の倍率で繊維状混練物を写真撮影し、その撮影写真画像において、無作為に選択した100個の測定点における繊維径を測定し、その平均値および変動係数を算出した。
〔貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”〕
貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”は、ストレスレオメータ(REOLOGICA Instruments AB社製)にて、パラレルプレートを用いて以下のようにして測定した。試料0.6gを、錠剤成形器により室温(25℃)、約20MPaにて1分間プレスし、厚み0.5mm程度、直径25mmの測定用サンプルを作製した。この測定用サンプルを、直径25mmのパラレルプレートに挟み、加熱して溶融させた後、パラレルプレートの間隔を1.0mmに設定し、ひずみ5%、周波数1.0Hzの条件でパラレルプレートの周方向に正弦的に振動するひずみを与えることによって、測定用サンプルを正弦波振動させ、温度80℃から200℃まで昇温速度3℃/分で昇温させて、測定温度間隔10℃で各温度における貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。そして、得られた測定結果から、損失弾性率G”と温度との関係を示す損失弾性率−温度特性曲線および損失正接(tanδ,G”/G’)と温度との関係を示す損失正接−温度特性曲線を求め、これらのグラフから120℃および200℃における損失弾性率G”の値ならびに損失正接(tanδ)を求めた。
(実施例1)
[混練工程]
結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):110℃、ピークトップ分子量12500、Mw/Mn=5.2、酸価16、THF不溶分0%)90.5重量%(100重量部)と、着色剤としてKET.BLUE111(商品名:銅フタロシアニン 15:3、クラリアント社製)5.0重量%(5.5重量部)と、離型剤としてパラフィンワックス(商品名:HNP−10、日本精蝋株式会社製、融点(Tm):75℃)3.0重量%(3.3重量部)と、帯電制御剤(商品名:Copy Charge N4P VP 2481、クラリアントジャパン株式会社製)1.5重量%(1.7重量部)とを含有するトナー原料をヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて3分間混合し、原料混合物を得た。この原料混合物20.0kgを、二軸エクストルーダにて、シリンダ設定温度110℃、バレル回転数250rpmで溶融混練し、その後室温まで冷却して混練物を作製した。
得られた混練物の120℃における損失弾性率G”の値は、5.2×10Paであり、200℃における損失弾性率G”の値は2.3×10Paであり、200℃における損失正接(tanδ)の値は5.3であった。
[紡糸工程]
押出圧力が2.0MPaとなるようにギアポンプの吐出量を調整し、さらに出口温度が150℃になるように熱風ヒータおよび熱風ブロアを調整しながら、混練工程で作製した混練物を、内径190μmのノズル孔と熱風吐出口とを備える紡糸ノズルへ送り込み、熱風吐出口から排出される熱風と共にノズル孔から押出すことにより繊維状混練物を作製した。得られた繊維状混練物の繊維径は6.8μm(変動係数:15)であった。
[粉砕工程]
紡糸工程にて得られた繊維状混練物を粉砕ロータおよび分級ロータ内臓タイプの機械式粉砕機に送り込み、粉砕ロータの回転数9500rpm、分級ロータの回転数7000rpm、ブロワ風量13Nm/minで粉砕および分級した後、外添剤としてシリカ微粒子を添加した後ヘンシェルミキサにて混合し、トナー18.3kgを製造した。なお、シリカ微粒子には、トナー母体粒子100重量部に対して体積平均粒径100nmの大粒径粒子1重量部と、体積平均粒径12nmの小粒径粒子1.5重量部とが含まれるものを用いた。
(実施例2)
出口温度が140℃になるように熱風ヒータおよび熱風ブロアを調整した以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(実施例3)
内径140μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は、実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例1)
出口温度が160℃になるように熱風ヒータおよび熱風ブロアを調整し、内径140μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例2)
押出し圧力を1.5MPaとなるようにギアポンプの吐出量を調整し、内径140μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例3)
混練工程における結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):58℃、軟化温度(T1/2):102℃、ピークトップ分子量8500、Mw/Mn=2.5、酸価13、THF不溶分0%)を使用し、紡糸工程における出口温度が120℃になるように熱風ヒータおよび熱風ブロアを調整し、内径140μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例4)
混練工程における結着樹脂としてポリエステル樹脂(ガラス転移温度(Tg):60℃、軟化温度(T1/2):116℃、ピークトップ分子量32100、Mw/Mn=8.2、酸価9、THF不溶分4%)を使用し、紡糸工程における押出圧力が4.5MPaとなるようにギアポンプの吐出量を調整し、出口温度が160℃になるように熱風ヒータおよび熱風ブロアを調整し、内径140μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例5)
粉砕工程において、分級ロータの回転数8200rpmで粉砕および分級した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例6)
押出し圧力を3.5MPaとなるようにギアポンプの吐出量を調整し、内径100μmのノズル孔および熱風吐出口とを備える紡糸ノズルを使用した以外は実施例1と同様にしてトナーを製造した。
(比較例7)
実施例1の混練工程で得られた混練物を、カッターミル(商品名:VM−16、オリエント社製)によって、100μm〜5mm程度の体積平均粒径を有する粗粉砕物に粉砕した。その後、得られた粗粉砕物を流動層型ジェット式粉砕機(商品名:カウンタジェットミル、ホソカワミクロン株式会社製)を用いて所望の粒径にまで微粉砕した後、外添剤としてシリカ微粒子を添加した後ヘンシェルミキサにて混合し、トナー18.3kgを製造した。なお、シリカ微粒子には、トナー母体粒子100重量部に対して体積平均粒径100nmの大粒径粒子1重量部と、体積平均粒径12nmの小粒径粒子1.5重量部とが含まれるものを用いた。
下記表1に、実施例1〜3および比較例1〜7のトナーにおいて、混練工程にて添加された着色剤の濃度、紡糸工程における各条件(押出圧力、出口温度およびノズル孔の内径)、ならびに得られた繊維状混練物の各物性値(繊維径、粘弾性)をまとめた。なお、繊維状混練物の損失弾性率G”および損失正接(tanδ)の値は、混練工程において得られた混練物の損失弾性率G”および損失正接(tanδ)の値と同じである。
Figure 2009020452
[評価]
実施例1〜3および比較例1〜7のトナーについて、以下のようにしてアスペクト比、表面平滑性(d/d50、凹部数)離型剤評価、外添剤埋没性、帯電安定性、流動性および収率について評価した。
〔アスペクト比〕
電子顕微鏡(商品名:VE−9500、キーエンス株式会社製)によって、1,000倍の倍率でトナー粒子を撮影し、その撮影写真画像において、無作為に選択した100個のトナー粒子の底面の直径Lおよび高さHを求め、アスペクト比(H/L)の平均値を求めた。アスペクト比は、下記の基準に基づいて評価した。
○:アスペクト比が0.5以上5.0以下である。
×:アスペクト比が0.5未満もしくは5.0を超える。
〔d/d50
トナーのBET比表面積S(m2/g)および真比重ρ(g/cm)をBET比表面積測定装置(商品名:Nova4200e、ユアサアイオニクス株式会社製)を用いて測定し、得られた測定結果から下記式(1)を用いて換算粒子径d(μm)を求めた。実施例1〜3および比較例1〜7のトナーにおけるBET比表面積S、真比重ρ、dの値を表2に示す。
=6/(ρ・S) …(1)
次いで、以下のようにして累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径d50を測定した。
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(分散剤、キシダ化学株式会社製)1mlを添加し、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)にて超音波周波数20kHzで3分間超音波分散処理したものを測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径20μm、測定粒子数50000カウントの条件下に試料粒子の体積粒度分布を測定し、測定結果から累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径d50を測定した。
上記式(1)により算出した換算粒子径dをd50で除した値(d/d50)について、下記の基準に基づいて評価した。
○:d/d50が0.5以上である。
×:d/d50が0.5未満である。
Figure 2009020452
〔凹部数〕
電子顕微鏡(商品名:VE−9500、株式会社キーエンス製)によって、5,000倍の倍率でトナー粒子を写真撮影し、その撮影写真画像において、無作為に抽出した100個のトナー粒子の長手方向の輪郭部におけるトナー母体粒子表面の凹部の個数および凹部の短軸方向の長さを測定し、外添剤の大粒径粒子の半径よりも大きい短軸方向の長さを有する凹部の数(以下、凹部数と記す)を求めた。得られた値の平均値をとることによりトナー1粒子当りの凹部数を求め、求めた凹部数の値について下記の基準に基づいて評価した。
○:トナー1粒子当りの凹部数が10個以下である。
×:トナー1粒子当りの凹部数が10個を超える。
〔離型剤評価〕
2Lビーカーにn−ヘキサン(キシダ化学株式会社製)1425gと攪拌子とを入れ、スターラーで攪拌しながら、トナー粒子75gを入れ、10秒間攪拌することによりトナー粒子表面に露出している離型剤の除去処理を行った。その後、電子顕微鏡(商品名:VE−9500、株式会社キーエンス製)によって5,000倍の倍率でトナー粒子を写真撮影し、その撮影写真画像において、無作為に抽出した100個のトナー粒子の底面のうち、分散した離型剤が存在していた凹部のそれぞれの面積Sおよびその個数を測定した。凹部の面積Sは離型剤の面積Sに相当し、測定した結果において、面積Sが2.5×10nm以上である離型剤の個数を求めた。得られた値の平均値をとることにより、トナー1粒子当りの、面積Sが2.5×10nm以上である離型剤の個数を求め、求めた値について下記の基準に基づいて評価した。
○:トナー1粒子当りの離型剤の面積Sが全て2.5×10nm以下である、または離型剤の面積Sが2.5×10nm以上である離型剤が2個以下である。
×:トナー1粒子当りの離型剤の面積Sが2.5×10nm以上である離型剤が2個を超える。
〔外添剤埋没性〕
トナーを現像ユニット中で1時間攪拌した後のトナー母体粒子表面を電子顕微鏡(商品名:VE−9500、株式会社キーエンス製)にて観察し、外添剤の埋没状態を評価した。外添剤埋没性は、下記の基準に基づいて評価した。
○:凹部に埋没している外添剤はない。
△:凹部に埋没している外添剤はないが堆積している外添剤はある。
×:少なくとも凹部に埋没している外添剤はある。
〔帯電安定性〕
現像剤を市販の二成分現像装置を有する複写機(商品名:MX-2300G、シャープ株式会社製)の現像ユニットにセットし、感光体上に現像されないように調整した状態で20℃の恒温中で現像器のみ3分間連続駆動した後、現像剤を採取し、吸引式帯電量測定装置(商品名:210H−2A Q/M Meter、TREK社製)で初期の帯電量Qを測定した。さらに同様の方法で2時間連続駆動した後に、同様の方法で帯電量Qを測定し、QとQとの差を求め、得られた差の値について、下記の基準に基づいて評価した。
○:QとQとの差が、初期の帯電量Qに対して20%以下である。
×:QとQとの差が、初期の帯電量Qに対して20%を超える。
〔流動性〕
JIS K5101−12−1に準じた方法で測定した見掛け密度測定の測定値により、下記の基準に基づいて流動性を評価した。
○:流動性が0.40以上である。
△:流動性が0.40未満である。
〔収率〕
混練工程においてトナー製造装置の原料投入口に投入した原料混合物の重量をW(kg)とし、粉砕工程を経て製造されたトナーの重量をW(kg)として下記式(3)に基づいてトナー収率(%)を算出した。
トナー収率(%)=(W(kg)/W(kg))×100 …(3)
トナー収率は、下記の基準に基づいて評価した。
○:トナー収率が85%以上である。
△:トナー収率が70%以上85%未満である。
×:トナー収率が70%未満である。
〔粒度分布〕
100mlビーカーに、電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)を50ml入れた。これに試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(分散剤、キシダ化学社製)1mlを添加し、超音波分散器(商品名:UH−50、STM社製)を用いて周波数20kHzで3分間超音波分散したものを測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャー径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に試料粒子の体積粒度分布を測定し、測定結果から累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径D50Vを体積平均粒径(μm)として算出した。また、体積粒度分布における標準偏差を求めて、下記式(4)に基づいて変動係数(CV値、%)を算出した。変動係数は、その値が小さいほど、粒度分布幅が狭いことを意味する。
CV値(%)={体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒径(μm)}×100
…(4)
粒度分布は、体積平均粒径(μm)およびCV値(%)から下記の基準に基づいて評価した。
○:体積平均粒径が5.0μm以上10.0μm以下であり、CV値が30%未満である。
△:体積平均粒径が5.0μm以上10.0μm以下であり、CV値が30%以上40%未満である。
×:体積平均粒径が5.0μm未満または10.0μmを超える、もしくはCV値40%以上である。
上述のようにして評価した、アスペクト比、表面平滑性(d/d50、凹部数)、離型剤評価、外添剤埋没性、帯電安定性、流動性、収率および粒度分布の評価結果を表3に示す。なお、評価項目の説明に記載されている「○」、「△」および「×」の記号は、表3で用いる評価結果を示す記号である。「○」は優れていることを示し、「△」は実用可能であることを示し、「×」は実用が困難であることを示す。
Figure 2009020452
表3に示した結果から、本発明における実施例1〜3のトナーは、比較例1〜7のトナーと比較して、以下のように流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れ、粒度分布が狭く粒径の均一性に優れた小粒径トナーである。
たとえば、実施例1〜3のトナーは、紡糸法により製造されたトナーであって、トナーのアスペクト比が0.5以上5.0以下であり、かつd/d50が0.5以上である。したがって、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性および帯電性の安定化に優れ、粒径の均一性に優れたトナーであった。
一方、比較例1のトナーは、繊維状混練物の繊維径の変動係数が大きく、繊維径にばらつきがある。したがって、アスペクト比はばらつきが大きく測定が不可能であり、そのため帯電性および流動性が不安定な不均一なトナーであった。さらに、収率も45%と低かった。
比較例2のトナーは、繊維状混練物の繊維径が大きく、そのため体積平均粒径10.0μmを超える大粒径トナーであり、好ましい粒径のトナーではなかった。
比較例3のトナーは、使用される結着樹脂が異なるため、繊維状混練物の200℃における損失弾性率G”が10Pa未満であり、かつ200℃における損失正接(tanδ)が10より大きく、粉砕工程における粉砕が困難であり表面の平滑性の低いトナーであった。そのため、アスペクト比およびd/d50においてもばらつきが大きく測定が不可能であり、帯電性および流動性が不安定な不均一なトナーであった。
比較例4のトナーは、使用される結着樹脂が異なるため、繊維状混練物の120℃における損失弾性率G”が10Paより大きく、紡糸工程における紡糸が困難であり表面の平滑性の低いトナーであった。そのため、繊維状混練物の繊維径、アスペクト比およびd/d50においてもばらつきが大きく測定が不可能であり、帯電性および流動性が不安定な不均一なトナーであった。
比較例5のトナーは、粉砕工程において、分級ロータの回転数8200rpmで粉砕および分級したために、アスペクト比が0.4μmと小さく、不均一なトナーであった。また流動性および収率においても良好な結果が得られなかった。
比較例6のトナーは、繊維状混練物の繊維径の変動係数が大きく、繊維径にばらつきがある。したがって、アスペクト比は5.5と大きく、そのため帯電性および流動性が不安定な不均一トナーであった。さらに、収率も45%と低かった。
比較例7のトナーは、混練粉砕法により製造されたトナーであるため、d/d50の値が0.49と低く、表面平滑性に劣るトナーであった。したがって、帯電安定性および流動性においても良好な結果が得られず、帯電性および流動性が不安定であった。
以上に示したように、本発明の実施例1〜3のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程とを経て製造される柱状のトナーであって、トナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下であり、d/d50が0.5以上である。したがって、トナー母体粒子の表面平滑性に優れ、流動性や帯電性などのトナー特性の安定化に優れ、粒径の均一性に優れたトナーである。
本発明のトナーの製造方法における手順を示すフロー図である。 本発明のトナーを底面方向から見たときの模式図である。 本発明のトナーの形状の一例を示す概略図である。 本発明のトナーの製造に用いられるトナー製造装置の構成の一例を示す概略図である。 紡糸ノズルの構成を示す概略図である。 粉砕工程における繊維状混練物の粉砕状態を示す概略図である。 本発明のトナーを用いるのに適した画像形成装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明のトナーを用いるのに適した現像装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 トナー
2 トナー母体粒子
3 外添剤
10 トナー製造装置
11 原料投入口
12 二軸エクストルーダ
13 ギアポンプ
14 紡糸ノズル
15 熱風ヒータ
16 熱風ブロア
17 ベルトコンベア
18 解砕機
20 トナー像形成手段
21 感光体ドラム
22 帯電手段
23 露光ユニット
24 現像装置
25 クリーニングユニット
26 現像槽
27 トナーホッパ
28 中間転写ベルト
29 駆動ローラ
30 転写手段
31 従動ローラ
32 中間転写ローラ
33 転写ベルトクリーニングユニット
34 転写ローラ
35 定着ローラ
36 加圧ローラ
37 自動給紙トレイ
38 ピックアップローラ
39 搬送ローラ
40 定着手段
41 レジストローラ
42 手差給紙トレイ
43 排出ローラ
44 排出トレイ
50 記録媒体供給手段
60 排出手段
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含むトナー原料を溶融混練して混練物を作製する混練工程と、混練物を紡糸ノズルの先端に設けられる孔から押出して繊維状混練物を作製する紡糸工程と、繊維状混練物を切断または粉砕する粉砕工程とを経て製造される柱状のトナーであって、
    トナーの底面の長手方向の長さをLとし、高さをHとしたときのHをLで除した値であるトナーのアスペクト比が、0.5以上5.0以下であり、
    かつBET比表面積および真密度からの換算粒子径をdとし、累積体積分布における大粒径側からの累積体積が50%になる粒径をd50としたときのdをd50で除した値が0.5以上であることを特徴とするトナー。
  2. 大粒径粒子と、大粒径粒子よりも体積平均粒径の小さい小粒径粒子とを含む外添剤を含み、開口の短軸方向の長さが大粒径粒子の半径よりも大きい凹部は、表面に10個以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 繊維状混練物の120℃における損失弾性率G”が10Pa以下および200℃における損失弾性率G”が10Pa以上であり、かつ、200℃における損失弾性率G”を貯蔵弾性率G’で除した値である損失正接が10以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 着色剤の配合量は、全トナー原料に対して10重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. トナーの底面のうち、分散した離型剤が存在する部分のそれぞれの面積をSとしたとき、全てのSが2.5×10nm以下である、またはSが2.5×10nm以上である離型剤がトナー1粒子の底面中に2個以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナーを用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
  8. 請求項7に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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