JP2005173578A - トナー、トナー用母体粒子、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機溶媒中に反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させトナー粒子(粒子を含む。)を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるようにトナー粒子を異形化する工程を経て製造されるトナーであり、前記異形化工程前後における前記乳化分散液に含まれるトナー粒子の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差を10個数%以下とする。
【選択図】図1
Description
近年、高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
転写後の像担持体上に残留するトナーの除去手段としては、構成が簡易で除去能力にも優れていることから、従来からブレードクリーニング方式が用いられている。クリーニングブレードは像担持体表面を摺擦しながらトナーを除去するが、像担持体との摩擦抵抗によりクリーニングブレードのエッジの部分が変形するため、像担持体とクリーニングブレードの間には微小な空間が生じる。この空間には小粒径のトナーであるほど侵入しやすい。そして、侵入したトナーが球形に近い形状であるほど転がり摩擦力が小さいため、像担持体とクリーニングブレードとの空間で転がり始め、クリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良につながるというものである。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
特許文献1〜3を参照すると、SF−1の値は100〜160、SF−2の値は100〜130の範囲が挙げられ、磁性キャリアや外添剤の形状と共に、あるいは形状係数の変動係数等と共に規定されている。
このようなトナーの形状係数を制御する方法としては、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを溶解しない溶媒中に添加して旋回流を付与する方法、さらには、懸濁重合法等によりトナーを調整する段階で全体の形状を制御する方法等が挙げられている。
しかしながら、このような構成からなるトナー粒子を、クリーニング性との両立のために、先に示したようにトナー粒子に剪断力をかけて形状制御しようとすると、トナー粒子が受ける力によっては低分子量の樹脂成分がトナー粒子の表面に出てきて、耐熱保存性、耐ホットオフセット性の向上効果が得られないという問題点がある。
1.本発明は、少なくとも、バインダ樹脂、着色剤を含んで構成され、静電荷像の現像に用いられる乾式トナーであって、有機溶媒中に反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させトナー粒子を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるようにトナー粒子を異形化する工程を経て製造されるトナーであり、前記異形化工程前後における前記乳化分散液に含まれるトナー粒子の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差を10個数%以下として製造されるトナーである。
3.前記トナーにおいて、前記トナー粒子を含む乳化分散液に水溶性の増粘剤が添加されることを特徴とする。
4.前記トナーにおいて、前記乳化分散液と増粘剤との混合液の粘度は、前記異形化工程において5,000〜50,000mPa・s/25℃に調整されることを特徴とする。
5.前記トナーにおいて、前記乳化分散液と増粘剤との混合液の粘度が調整されるのは、前記乳化分散液が作製された後、5〜30時間を経過してからとすることを特徴とする。
6.前記トナーにおいて、トナーに含まれる粒径が3.17μm以下の微粉の割合は5〜20個数%であることを特徴とする。
7.前記トナーにおいて、トナーは紡錘形状であることを特徴とする。
8.前記トナーにおいて、トナーの形状は、長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1>r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にあることを特徴とする。
10.前記トナーにおいて、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にあることを特徴とする。
12.また、本発明は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、磁性キャリアと前記いずれかのトナーとからなる二成分現像剤である。
14.また、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、該現像手段が前記の現像装置であるプロセスカートリッジである。
15.加えて、本発明は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、該現像手段が前記の現像装置である画像形成装置である。
16.更に、本発明は、少なくとも、バインダ樹脂、着色剤を含んで構成され、静電荷像の現像に用いられる乾式トナー用母体粒子であって、前記トナー用母体粒子は、有機溶媒中に反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させ粒子を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるように粒子を異形化する工程を経て製造されるトナー用母体粒子であり、前記異形化工程前後における前記乳化分散液に含まれる粒子の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差を10個数%以下として製造されるトナー用母体粒子である。
本発明におけるトナー(トナー用母体粒子を含む。)は、有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させトナー粒子(粒子を含む。)を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるようにトナー粒子(粒子を含む。)を異形化する工程を経て製造されるトナーである。
これらのうち、イソシアネート基及びブロック化イソシアネート基が好ましく、更に好ましくはイソシアネート基である。
これらのうち、オキシムが好ましく、更に好ましくはメチルエチルケトオキシムである。
ポリオールとしては、ジオール(a2−1)及び3〜8価又はそれ以上のポリオール(a2−2)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(a2−3)、3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(a2−4)、それらの酸無水物及びそれらの低級アルキルエステルが用いられる。
これらのうち、アルキレングリコール及びビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、更に好ましくはビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物、及びこれとアルキレングリコールとの混合物である。
これらのうち、脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物が好ましく、更に好ましくはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物である。
これらのうち、アルケンジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が好ましく、更に好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
尚、ジカルボン酸(a2−3)又は3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸(a2−4)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物が挙げられる。又これらの低級アルキルエステルとしては、炭素数1〜4のものが好ましく、メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステルなどが挙げられる。
また、ポリエステル中のエステル基当量(エステル基1当量あたりの分子量)は、50〜2,000が好ましく、更に好ましくは60〜1,000、特に好ましくは70〜500である。すなわち、ポリエステル中のエステル基当量の上限は2,000が好ましく、更に好ましくは1,000、特に好ましくは500であり、同様に下限は50が好ましく、更に好ましくは60、特に好ましくは70である。
(i)ポリエステル等を構成する構成成分のうち、一つを過剰に用いることにより構成成分の官能基を残存させ、更に残存した官能基と反応可能な官能基(反応性基)を含有する化合物を反応させる方法。
(i)の方法では、ポリエステルにポリイソシアネートを反応させることでイソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ブロック化ポリイソシアネートを反応させることでブロック化イソシアネート基含有プレポリマーが得られ、ポリエポキシドを反応させることでエポキシ基含有プレポリマーが得られる。
変性ポリエステル系樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜50,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜40,000、特に好ましくは4,000〜20,000である。すなわち、Mwの上限は50,000が好ましく、更に好ましくは40,000、特に好ましくは20,000であり、同様に下限は1,000が好ましく、更に好ましくは2,000、特に好ましくは4,000である。
尚、生成するポリマーの分子量MnおよびMwは、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等〕等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)としては、非置換芳香族ポリアミン等が使用でき、例えば、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、脱離可能な化合物でブロック化されたポリアミンとしては、ポリアミンと炭素数3〜8のケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)との脱水反応により得られるケチミン化合物等が挙げられる。
反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)との比率は、(A)が有する反応可能な官能基と(B)が有する活性水素基の比率が、通常0.3:1.0〜1.0:0.3、好ましくは0.5:1.0〜1.0:0.5より好ましくは0.8:1.0〜1.0:0.8、特に好ましくは0.95:1.0〜1.0:0.95である。
(A)が有する反応可能な官能基と(B)が有する活性水素基の比率が、0.3:1.0〜1.0:0,3の範囲内であると、伸長及び/又は架橋で得られる高分子体の分子量が大きくなり、ホットオフセット発生温度が上昇する。
変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)との反応時間は、10分〜40時間が好ましく、更に好ましくは30分〜24時間、特に好ましくは30分〜8時間である。
また、これらの反応温度は、0〜150℃が好ましく、更に好ましくは20〜120℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的には、例えばイソシアネートと活性水素基を有する化合物の反応の場合には、ジブチルチンラウレート及びジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。更に好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部以下の場合にはトナーの帯電性が過大にならず、帯電制御剤の効果が得られ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大して、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く恐れがない。
帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
バインダ樹脂は、以下の方法で製造することができる。
ポリオールとポリカルボン酸をテトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなどの公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで、40〜140℃にて、これにポリイソシアネートを反応させ、イソシアネート基を有する変性ポリエステル樹脂(A)を得る。さらに、この(A)にアミン類(B)を40〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。ポリイソシアネートを反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)及びエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのポリイソシアネートに対して不活性なものが挙げられる。
未変性ポリエステル(A’)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルの場合と同様な方法でこの(A’)を製造し、これを前記ウレア変性ポリエステルの反応終了後の溶液に溶解し、混合する。
水系媒体としては、水単独でも良いが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
このような溶剤(U)としては、芳香族炭化水素溶剤(例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びテトラリン等);脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット及びシクロヘキサン等);エステル又はエステルエーテル溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテートなど);ケトン溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン及びシクロヘキサノンなど);アルコール溶剤(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール及びベンジルアルコールなど);及びこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
溶剤のうち、脱溶剤する際の除去容易性の観点等から、芳香族炭化水素溶剤、エステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤が好ましく、更に好ましくはエステル又はエステルエーテル溶剤、ケトン溶剤及びアルコール溶剤である。
これらのうち、均一な剪断力を付与する観点で、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、特に好ましくはTKオートホモミキサー及びTKパイプラインホモミキサーである。
イソシアネート変性ポリエステル(A)からウレア変性ポリエステルを合成する工程は、水系媒体中でトナー組成分を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後に、アミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合、製造されるトナー表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
分散剤としては、公知の界面活性剤(S)、合成高分子分散剤(H)、樹脂微粒子等を使用することができる。
界面活性剤(S)を使用する場合、この使用量は、(A)、(B)及び(U)の合計重量に基づいて、0.0001〜50重量%が好ましく、更に好ましくは0.0005〜0.4重量%、特に好ましくは0.001〜0.3重量%である。
合成高分子分散剤(H)を使用する場合、この使用量は、(A)、(B)及び(U)の合計重量に基づいて、0.005〜0.6重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.4重量%、特に好ましくは0.02〜0.3重量%である。
カルボン酸又はこの塩としては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和脂肪酸又はその塩が使用でき、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸及びリシノール酸並びにヤシ油、パーム核油、米ぬか油及び牛脂などをケン化して得られる高級脂肪酸の混合物等が挙げられる。
この塩としては、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)などの塩があげられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
高級アルコール硫酸エステル塩としては、例えば、オクチルアルコール硫酸エステル塩、デシルアルコール硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、デシルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールカルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23のカルボキシメチル化ナトリウム塩、トリデカノールカルボキシメチル化ナトリウム塩等が挙げられる。
脂肪族アルコールのエチレンオキサイド1〜10モル付加物のカルボキシメチル化物の塩としては、例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ラウリルアルコールエチレンオキサイド4モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、ドバノール23エチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩、及びトリデカノールエチレンオキサイド5モル付加物カルボキシメチル化ナトリウム塩などが挙げられる。
アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
アルキルナフタレンスルホン酸塩としては、例えば、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
スルホコハク酸ジエステル塩としては、例えば、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩などが挙げられる。
芳香環含有化合物のスルホン酸塩としては、アルキル化ジフェニルエーテルのモノ又はジスルホン酸塩及びスチレン化フェノールスルホン酸塩などが挙げられる。
高級アルコールリン酸エステル塩としては、例えば、ラウリルアルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩及びラウリルアルコールリン酸ジエステルナトリウム塩等が挙げられる。
高級アルコールエチレンオキサイド付加物リン酸エステル塩としては、例えば、オレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム塩等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、炭素数3〜40の3級アミンと4級化剤(例えば、メチルクロライド、メチルブロマイド、エチルクロライド、ベンジルクロライド及びジメチル硫酸などのアルキル化剤並びにエチレンオキサイドなど)との反応等で得られ、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)、ポリオキシエチレントリメチルアンモニウムクロライド及びステアラミドエチルジエチルメチルアンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
トナー粒子(粒子を含む。)の平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
トナー粒子(粒子を含む。)の平均円形度を0.96以下にすることにより、ドット再現性、現像性、転写性に優れたトナーであって、かつ、クリーニング性にも有利なトナー形状とすることができる。一方、平均円形度が0.90未満では、トナーが球形から離れた形状になり、ドット再現性が悪くなり、また、潜像担持体としての感光体への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下する。このため、平均円形度は低くとも0.90以上とする。
異形化工程の制御は、異形化工程の前後における乳化分散液に含まれるトナー粒子(粒子を含む。)の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差が10個数%以下、好ましくは9個数%以下になるように行うものとする。異形化工程前のトナー粒子の微粉含有率は、乳化分散液を作製した直後の乳化分散液に含まれるトナー粒子(粒子を含む。)を測定して得る。異形化工程後のトナー粒子(粒子を含む。)の微粉含有率は、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、異形化工程を終了させた後のトナー粒子(粒子を含む。)を測定して得る。両者の値の差が10個数%を超えるということは、異形化工程後のトナー粒子(粒子を含む。)の微粉含有率が、明らかに増加していることを意味し、これはすなわち、異形化工程においてトナー粒子にかかる剪断力により、トナー粒子(粒子を含む。)の一部が微粉化していることを示す。そして、このような剪断力により、トナー粒子(粒子を含む。)に含まれる低分子量の樹脂成分もトナー粒子表面に現れやすくなっている。したがって、異形化工程の前後における乳化分散液に含まれるトナー粒子の微粉含有率の差が10個数%以下になるように、異形化工程にかける剪断力を制御する。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子(粒子を含む。)の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、2.00〜3.17μmの個数分布をトナー粒子(粒子を含む。)の微粉含有率(粒径3.17μm以下)として算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
好ましい具体例としては、1〜10段のパドル式攪拌翼を有する攪拌機、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機などが挙げられる。これらのうち、均一な剪断力を付与する観点で、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機が更に好ましい。
これらのうち、均一な剪断力を付与する観点で、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーが好ましく、更に好ましくは、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサー、特に好ましくはTKオートホモミキサー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
剪断力を加える時間は剪断力を加える装置により異なり、特に限定されないが、樹脂粒子の変形容易性及び生産性の観点から、前述の攪拌機(1〜10段のパドル式攪拌翼を有する攪拌機、ヘリカルリボン式攪拌機、マックスブレンド式攪拌機)を使用する場合は、1秒〜24時間が好ましく、更に好ましくは1分〜18時間、特に10分〜15時間、最も好ましくは30分〜10時間であり、前述の分散機(バッチ式分散機、連続式分散機、高圧分散機、膜分散機、振動式分散機、超音波分散機等)を使用する場合は、0.01秒〜6時間が好ましく、更に好ましくは0.01秒〜1時間、特に0.01秒〜50分、最も好ましくは0.01秒〜20分である。
異形化工程において、乳化分散液中の有機溶媒の濃度は、2〜10重量%であることが好ましく、さらに好ましくは2.5〜9重量%、特に好ましくは3〜8重量%である。2重量%以上ではトナーが変形しやすく異形化工程が短縮でき、10重量%以下であると異形化した後の復元が起こりにくく、最終的に有機溶媒を除去してトナーとした場合所望の形状を得やすい。
また、異形化工程開始時の有機溶媒の濃度は、3〜10重量%が好ましい。開始時の濃度が3重量%以上であると、異形化が容易に起こり、10重量%以下であると微粉発生が少なくなる。
有機溶媒の濃度は、脱溶剤により所望の濃度に調整するようにする。
有機溶媒の濃度の測定は、ガスクロマトグラフィーを用いて下記条件により測定する。
[有機溶媒の濃度測定]
装置 :島津製作所製ガスクロマトグラフ
SIMAZU GC−14A
カラム :PEG 20M 20%
Chromasorb W MESH 60〜80
カラム温度 :100℃
インジェクション温度:180℃
窒素ガス流量 :40ml/分
試料溶液 :5%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量 :1μL
検出器 :FID
標準物質としてn−ヘキサンを用いて検量線を作成し、有機溶媒濃度を求めた。
脱溶剤を行うに従い、乳化分散液の粘度は増加するが、特に、異形化を良好に行うために、水溶性の増粘剤を乳化分散液に添加して粘度を調整することがよい。
水溶性の増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸塩(アルカリ金属塩、有機アミン塩、第四級アンモニウム塩など;重量平均分子量3,000〜3,000,000)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール(重量平均分子量2,000〜200,000)及びグアーガムなどが挙げられる。
尚、混合液の粘度の測定は、25℃の恒温槽で30分温調した後、B型粘度計を用いて測定する。
乳化分散液を作製した後、すぐに、前記の異形化に好ましい有機溶媒の濃度となるまで脱溶媒を行うのが好ましいが、この段階においては、まだ、水層と油層の界面でトナー粒子(粒子を含む。)に含まれる樹脂成分の反応が進行している。この反応により、トナー粒子表層側に高分子量の樹脂成分が形成され、低分子量の樹脂成分はこれに内包される形となり、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性を向上させることができる。
上記増粘剤を添加するタイミングが早いと、トナー粒子(粒子を含む。)に含まれる樹脂成分の反応が十分に行われず、高分子量の樹脂成分による殻の形成ができないために、熱特性に優れたトナーを得ることができない恐れがある。一方、上記増粘剤を添加するタイミングが遅いと、反応率が高くなり、異形化しにくくなる。
したがって、上記所定の時間の経過後に、乳化分散液と増粘剤との混合液の粘度を所定の範囲にするのが好ましい。
減粘剤の添加量は、増粘剤の種類にもよるが、乳化分散液の重量に対して、生産性(減粘時間)及び生産コストの観点から、1重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.000001〜0.1重量%、特に0.00001〜0.01%である。
減粘工程の温度は特に限定されないが、生産性及び減粘効果の観点から、5〜40℃が好ましく、更に好ましくは10〜35℃、特に20〜30℃である。
減粘工程の時間は特に限定されないが、生産性の観点から、3時間以下が好ましく、更に好ましくは1.5時間以下、特に20分以下である。
除去する方法としては、水性分散体を遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレス等により固液分離し、得られた樹脂粒子に水を加えて同様に固液分離することを繰り返す方法等が挙げられる。
(1)水性分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
(2)遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、得られた固体を乾燥する方法。
(3)水系分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにクリーニング性は高いが、ドット再現性および転写効率が劣るため高品位な画像が得られにくい。また、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.8を越えると、球形に近づくために、低温低湿の環境下では、特に、クリーニング不良が発生することがある。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近く、球形トナーのような高転写率は得られない。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となる。これに近い紡錘形状にすることで不定形・扁平形状でもなく真球形状でもない形状であって、双方の形状が有する摩擦帯電性、ドット再現性、転写効率、チリ防止、クリーニング性の全てを満足する形状となる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40以下であると、帯電量分布が広がらず、解像力も向上するため好ましい。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子(粒子を含む。)の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
形状係数SF−1、SF−2は、先にも示したように下記式(1)、(2)で表される。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF−1は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所製FE−SEM(S−800)等が挙げられ、以下同様である。)を用い倍率500倍に拡大したトナー粒子(粒子を含む。)の像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置[例えば、nexus NEW CUBE ver.2.5(NEXUS社製)及びLuzexIII(ニコレ社製)等が挙げられ、以下同様である。]に導入し解析を行い、式(1)より算出し得られた値である。
形状係数SF−2は、電子顕微鏡を用い倍率3500倍に拡大したトナー粒子(粒子を含む。)の像を50個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置に導入し解析を行い、式(2)より算出し得られた値である。
使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
[変性ポリエステル系樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物358部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物381部、イソフタル酸200部、テレフタル酸127部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応させて水酸基価25、酸価0.9のポリエステルプレポリマーを得た。更に80℃まで冷却し、酢酸エチル364部とイソホロンジイソシアネート98部を加えて110℃で2時間反応を行いMw12,000、NCO含量1.29%の変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)を得た。
[アミンのブロック化物(B)の合成]
撹拌棒及び温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いアミンのブロック化物(B)を得た。
[低分子量ポリエステルの合成]
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物378部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物402部、イソフタル酸100部、テレフタル酸205部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で6時間重縮合させ、次いで10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応させて、Mn2,800、Mw5,100、水酸基価53、酸価1.2の低分子量ポリエステルを得た。
[カーボンブラックマスターバッチ樹脂の合成]
水1,200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、製造例3で得た低分子量ポリエステル樹脂1,200部を加え、加圧ニーダーで混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、カーボンブラックマスターバッチ樹脂を得た。
[トナー母体粒子(1)の合成]
ビーカー内にカーボンブラックマスターバッチ樹脂100部と、ビーズミルで平均粒経が0.5μmになるまで湿式分散したカルナバワックスの酢酸エチル溶液(ワックス濃度10%)50部、および酢酸エチル70部を加え均一に分散するまで攪拌した。さらに、変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液20部、アミンのブロック化物(B)1.2部を混合して、固形分濃度50%の樹脂と着色剤の調整液(1)を得た。このビーカーに水560部、ポリメタクリル酸メチル微粒子分散水溶液(花王社製:PB−200H)を固形分換算で3.6部、及びドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで25℃で1分間混合し、乳化分散液(X)を得た。
この乳化分散液(X)100部をヘリカルリボン型3段攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら、減圧下(10kPa)で25℃、6時間の条件で乳化液中の濃度が8%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)に、カルボキシメチルセルロース(セロゲンHH、第一工業製薬社製)1.9部を添加し増粘したのち(増粘を開始する時間は乳化分散液調整後10時間)、回転数300rpmで攪拌してシェアを与えながら、減圧下(10kPa)で乳化液中の酢酸エチル濃度が3%となるまで酢酸エチルを脱溶剤し、さらに回転数を60rpmに落として、引き続き酢酸エチル濃度が1%となるまで脱溶剤した。増粘後の乳化液の粘度は6,000mPa・sであった。
この乳化液100部を遠心分離し、回収したケーキに更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を5回繰り返した後、35℃で48時間乾燥してトナー母体粒子(1)を得た。(1)の物性値を表1に示す。
[トナー母体粒子(2)の合成]
カルボキシメチルセルロースを添加して増粘を開始する時間を乳化分散液調整後13時間に変更した以外は実施例1と同様の操作でトナー母体粒子(2)を得た。(2)の物性値を表1に示す。
[トナー母体粒子(3)の合成]
乳化分散液(X)を脱溶剤して乳化液(Y−1)にする際の脱溶剤条件を、減圧下(5〜10kPa)で25℃、6時間の条件で、乳化液中の酢酸エチル濃度が6%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して、カルボキシメチルセルロースを添加して増粘を開始する時間を乳化分散液調整後8時間、カルボキシメチルセルロースを2.2部、増粘後の粘度を8,000mPa・sに変更した以外は実施例1と同様の操作でトナー母体粒子(3)を得た。(3)の物性値を表1に示す。
[トナー母体粒子(4)の合成]
乳化分散液(X)を脱溶剤して乳化液(Y−1)にする際の脱溶剤条件を、減圧下(10kPa)で25℃、7時間の条件で、乳化液中の酢酸エチル濃度が5%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して、カルボキシメチルセルロースを添加して増粘を開始する時間を乳化分散液調整後12時間、カルボキシメチルセルロースを2.8部、増粘後の粘度を18,000mPa・sに変更した以外は実施例1と同様の操作でトナー母体粒子(4)を得た。(4)の物性値を表1に示す。
[トナー母体粒子(5)の合成]
乳化分散液(X)100部を攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら減圧下(10kPa)、25℃、2時間の条件で乳化液中の酢酸エチル濃度が15%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)にカルボキシメチルセルロース1.9部を添加し増粘したのち(増粘を開始する時間は乳化分散液調整後10時間)、回転数300rpmで攪拌して2時間シェアを与えた。増粘後の乳化液の粘度は4,000mPa・sであった。
この乳化液100部を30分静置したのちに、900部のイオン交換水を加え、シェアを与えないようにゆるやかに攪拌し均一にして、酢酸エチル濃度1%としてから遠心分離し、回収したケーキに更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を5回繰り返した後、35℃で48時間乾燥してトナー母体粒子(5)を得た。(5)の物性値を表1に示す。
[トナー母体粒子(6)の合成]
増粘後の攪拌回転数600rpmに変更した以外は実施例1と同様の操作でトナー母体粒子(6)を得た。(6)の物性値を表1に示す。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、ブラックトナーa〜fを得た。
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調整した。このコート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアAを得た。
評価結果を表1に併せて示す。
定着ローラとして(株)リコー製複写機imagio NEO450の定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙をセットし複写テストを行った。定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが確認されなかったものを「○」、確認されたものを「×」として評価した。
(かぶり評価)
感光体に当接するクリーニングブレードおよび帯電ローラを有する(株)リコー製複写機imagio NEO450に、上記現像剤を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)を10万枚出力したのち、白紙画像を出力し、かぶりの有無を目視評価した。かぶりが確認されなかったものを「○」、確認されたものを「×」として評価した。
(クリーニング性評価)
(株)リコー製複写機imagio NEO450に上記現像剤を用いて、現像スリーブの回転方向に対して垂直な方向に1cm間隔で黒ベタと白ベタを繰り返したA4横チャート(画像パターンA)をスタート(10枚)、1万枚、10万枚出力したのち、清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを「○(良好)」、それを越えるものを「×(不良)」として評価した。
一方、比較例1のトナーは、異形化が十分でなく、クリーニング性に劣るものであった。また、比較例2のトナーは、異形化はされているが、異形化工程後に含まれる微粉含有率の増加により、経時でのクリーニング性低下、耐ホットオフセット性の低下、画像のかぶりが見られた。
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
Claims (16)
- 少なくとも、バインダ樹脂、着色剤を含んで構成され、静電荷像の現像に用いられる乾式トナーであって、
前記トナーは、有機溶媒中に反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させトナー粒子を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるようにトナー粒子を異形化する工程を経て製造されるトナーであり、
前記異形化工程前後における前記乳化分散液に含まれるトナー粒子の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差を10個数%以下として製造される
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1に記載のトナーにおいて、
前記トナー粒子を含む乳化分散液中の有機溶媒の濃度は、前記異形化工程において2〜10重量%に調整される
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、
前記トナー粒子を含む乳化分散液に水溶性の増粘剤が添加される
ことを特徴とするトナー。 - 請求項3に記載のトナーにおいて、
前記乳化分散液と増粘剤との混合液の粘度は、前記異形化工程において5,000〜50,000mPa・s/25℃に調整される
ことを特徴とするトナー。 - 請求項4に記載のトナーにおいて、
前記乳化分散液と増粘剤との混合液の粘度が調整されるのは、前記乳化分散液が作製された後、5〜30時間を経過してからとする
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーに含まれる粒径が3.17μm以下の微粉の割合は5〜20個数%である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは紡錘形状である
ことを特徴とするトナー。 - 請求項7に記載のトナーにおいて、
前記トナーの形状は、長軸r1、短軸r2、厚さr3で規定され(但し、r1>r2≧r3とする。)、長軸r1と短軸r2との比(r2/r1)が0.5〜0.8の範囲にあり、厚さr3と短軸r2との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
前記トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある
ことを特徴とするトナー。 - 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
該現像剤は、請求項1ないし10のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、
該現像剤は、磁性キャリアと請求項1ないし10のいずれかに記載のトナーとからなる二成分現像剤である
ことを特徴とする現像剤。 - 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
該現像装置は、請求項11又は12に記載の現像剤を使用する
ことを特徴とする現像装置。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
該現像手段は、請求項13に記載の現像装置である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
該現像手段は、請求項13に記載の現像装置である
ことを特徴とする画像形成装置。 - 少なくとも、バインダ樹脂、着色剤を含んで構成され、静電荷像の現像に用いられる乾式トナー用母体粒子であって、
前記トナー用母体粒子は、有機溶媒中に反応可能な変性ポリエステル系樹脂(A)と活性水素基を有する化合物(B)からなるバインダ成分を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油層を、水系媒体中に分散させて乳化分散液を得、該乳化分散液中で変性ポリエステル系樹脂(A)を活性水素基を有する化合物(B)と伸長及び/又は架橋反応させ粒子を形成し、乳化分散液中の有機溶媒を除去しながら剪断力をかけ、平均円形度の値が0.90〜0.96になるように粒子を異形化する工程を経て製造されるトナー用母体粒子であり、
前記異形化工程前後における前記乳化分散液に含まれる粒子の微粉含有率(粒径3.17μm以下)の差を10個数%以下として製造される
ことを特徴とするトナー用母体粒子。
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