JP2009001713A - 合成擬革の表皮層用塗料および合成擬革の製造方法 - Google Patents

合成擬革の表皮層用塗料および合成擬革の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境に対する負荷が少なく、耐加水分解性、耐光性、耐熱性、耐ガス変色性、耐黴性、耐オレイン酸性(人間の汗成分)に優れ、塗装された場合に、天然皮革様の外観、ソフトな風合い、高強度、耐摩耗性、低温屈曲性、表面タッチ、耐ブロッキング性や基材との接着性などが同時に満たされる合成擬革の表皮層形成用塗料および合成擬革の製造方法を提供する。
【解決手段】シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)と、ポリウレタンゲル粒子(2)と、架橋剤(3)とを含有することを特徴とする合成擬革の表皮層用塗料。
【選択図】なし

Description

本発明は、合成擬革およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、表皮層や接着剤層に有機溶剤を使用することなく形成することができる合成擬革の表皮層用塗料および合成擬革の製造方法に関する。
ポリウレタン系樹脂は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性耐薬品性などの諸物性に優れ、かつ各種加工法への適性にも優れるため、合成擬革(人工皮革と合成皮革の総称)用材料、各種コーティング剤、インキ、塗料などのバインダーとして、或いはフィルム、シートおよび各種成型物用材料として広く使用されており、種々の用途に適したポリウレタン系樹脂が提案されている。ここで、ポリウレタン系樹脂とは、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン−ポリウレア樹脂の総称である。
これらポリウレタン系樹脂は、基本的には高分子量ポリオール成分、有機ポリイソシアネート成分、さらには必要に応じて鎖伸長剤成分を反応させて得られるものであり、これら各成分の種類、組み合わせにより種々の性能を有するポリウレタン系樹脂が提供されている。また、特にポリウレタン樹脂を使用した合成擬革は、天然皮革に近い風合いを得ることができることから、衣料用途や家具、車輛内装材などの高級感を求められる分野に多く使用されている。近年、上記に加え、環境保護の観点からエコロジーを考慮した合成擬革のシステム開発が強く求められている。
従来から、ポリウレタン系樹脂を用いた合成擬革は、例えば、以下の主工程を経て湿式法などによって製造されている。先ず、例えば、繊維質基材層上に、ポリウレタン系樹脂のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を主体とした有機溶剤の溶液を塗布し、水中で凝固させてミクロポーラス層を形成させる。次いで、上記ミクロポーラス層上に、各種有機溶剤に溶解したポリウレタン系樹脂溶液を、グラビアなどの塗布機でダイレクトコートし、乾燥させて表皮層(銀面層)を形成させるか、或いはポリウレタン系樹脂溶液を離型紙上に塗布し、乾燥して形成される表皮層皮膜面に接着剤層を形成し、これらの層を基材表面に転写する方法が挙げられる(非特許文献1、特許文献1、2参照)。
このように合成擬革の表皮を製造するための原料のポリウレタン系樹脂の殆どは、各種有機溶剤に溶解した溶液として使用されている。そのために、乾燥工程において、有機溶剤は大気中に放出されており、環境問題(VOC対策)、安全衛生、消防対策の観点から、有機溶剤を使用しないポリウレタン系樹脂水系分散体の必要性が高まっている。
従来のポリウレタン系樹脂水系分散体から形成された皮膜は、耐久性を必要とする自動車関連、家具用関連に使用する素材として、基材との接着性、柔軟性、耐水性、特に、人間の皮脂に対する耐油性、耐摩耗性、耐久性(耐候性、耐加水分解性、耐熱性など)などの合成擬革の要求性能を充分に満足するものではなく、改良が求められている。
岩田 慶治 編、ポリウレタン樹脂ハンドブック、第571〜599頁、15.ポリウレタン皮革(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行) 特開平5−5280号公報 特開平9−31861号公報
しかしながら、合成擬革(人工皮革、合成皮革)や各種コーティング剤などに使用されるポリウレタン系樹脂は、通常、有機溶剤の溶液として使用される溶剤系のポリウレタン系樹脂が多く、環境に対するVOC対策、作業環境の対応がなされていないのが現状である。また、上記の用途でポリウレタン系樹脂に要求される物性は、耐久性としての耐加水分解性、耐光性、耐熱性、耐ガス変色性、耐黴性、耐オレイン酸性(人間の汗成分)などであり、特に合成擬革に要求される物性としては、天然皮革様の外観、ソフトな風合い、高強度、耐摩耗性、低温屈曲性、表面タッチ、耐ブロッキング性や基材との接着性などが同時に要求される。
上記合成擬革は、自動車や家具材などに適合し、各素材独自の優れた特徴があるものの、幾つかの問題があり、前記した全ての機能を満足するものでない。そのうえ、従来よりも高機能である自動車や家具材などに適合した合成擬革が要望されている。従って本発明の目的は、従来の上記の課題を解決する合成擬革の表皮層形成用塗料および合成擬革の製造方法を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)と、ポリウレタンゲル粒子(2)と、架橋剤(3)とを含有することを特徴とする合成擬革の表皮層用塗料を提供する。
前記シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)が、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基と水酸基以外の親水性基とを有する化合物(a)0.1〜30質量%と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(b)0.01〜50質量%と、ポリオールおよび/またはポリアミン(c)10〜80質量%と、ポリイソシアネート(d)とを、化合物a〜cの合計の全活性水素含有基と化合物dのイソシアネート基とを当量比0.9〜1.1で反応させて得られる樹脂であるであることが好ましい。また、前記シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)固形分中に占めるポリシロキサンセグメントの割合が0.01〜50質量%であり、上記樹脂の数平均分子量が2,000〜500,000であることが好ましい。
また、前記ポリウレタンゲル粒子(2)が、少なくともいずれか一方が3官能以上である、ポリイソシアネートと、分子内に活性水素含有基を有する化合物とを共重合してなる三次元架橋したポリウレタンゲル粒子(粒子A)と、該粒子Aの表面を被覆している、ポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子(粒子B)とからなるポリウレタンゲル粒子(粒子C)であることが好ましい。
また、前記粒子Bが、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が0.01μm〜1.0μmであり、油脂変性ポリオールとポリイソシアネートとポリアミンとの反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶媒和部分がウレア結合の水素結合からなっていること;前記粒子Cの粒子径が、0.5〜100μmの範囲であるであることが好ましい。
また、架橋剤(3)が、ポリイソシアネート(ブロック型を含む)架橋剤、メラミン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤または無機架橋剤であることが好ましい。
また、本発明は、合成擬革の基材にミクロポーラス層または接着剤層を介して表皮層を付与する擬革の製造方法において、上記表皮層を上記本発明の塗料を使用して形成することを特徴とする合成擬革の製造方法を提供する。
上記製造方法では、接着剤層を、水性ポリウレタン系接着剤、無溶剤ウレタン系樹脂(反応型も含む)、または低分子ポリオールと二塩基酸を反応して得られる無溶剤ポリエステル系樹脂(反応型も含む)を使用して形成すること;水性ポリウレタン系接着剤が、水溶性基と水酸基とブロックイソシアネート基とを有する自己硬化型ウレタン系樹脂、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂であることが好ましい。
また、上記無溶剤ウレタン系接着剤が、ホットメルト性ポリウレタン樹脂、イソシアネート基、ブロックイソシアネート、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂であることが好ましい。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、上記本発明の塗料を使用することで、意匠性やソフトタッチ性が良好であり、かつ機械強度、耐屈曲性、滑り性、耐加水分解性、耐候性、耐熱性、低温特性、耐溶剤性、耐薬品性、断熱性および耐オレイン酸性(人間の皮脂成分)に優れている合成擬革が得られることを見いだした。
また、前記事項に加え、本発明では、表皮層および接着剤層(またはミクロポーラス層)に有機溶剤を含まない塗料を用いて形成することで、有機溶剤などの揮発性有機溶剤(VOC)の排出を削減することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に使用するシロキサン変性ウレタン系樹脂(以下単に「本発明の樹脂」という場合がある)は、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基と水酸基以外の親水性基とを有する化合物(以下単に「化合物a」という場合がある)(水酸基以外の親水性基とは、例えば、完全にまたは部分的に中和されたカルボキシル基またはスルホン酸基、完全にまたは部分的に中和された第3級アミノ基である)と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(以下単に「化合物b」という場合がある)と、ポリオールおよび/またはポリアミン(以下単に「化合物c」という場合がある)とポリイソシアネート(以下単に「化合物d」という場合がある)とを反応させて得られる。
上記において化合物a〜dの使用量は、固形分として、化合物aを0.01〜30質量%、好ましくは1〜15質量%、化合物bを0.01〜50質量%、好ましくは1〜20質量%、化合物cを10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%とし、かつ化合物dは、化合物a〜cの合計の全活性水素含有基と化合物dのイソシアネート基とを当量比が0.9〜1.1、好ましくは1.0となる使用量である。なお、上記化合物a〜dの使用量は、上記範囲内でかつ化合物a〜dの合計量が100質量%になる比率にして使用する。
本発明の樹脂においては、樹脂全体を100質量%としたときに上記化合物aからなるセグメントの含有量が0.1〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜15質量%である。該含有量が0.1質量%未満では、樹脂の乳化安定性や基材との密着性などの点で不十分であり、一方、上記含有量が30質量%を超えると樹脂の耐水性の低下などを引き起こす。また、本発明の樹脂においては、樹脂全体を100質量%としたときに上記化合物bからなるポリシロキサンセグメントの含有量が0.1〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは1〜20質量%である。該含有量が0.01質量%未満では、樹脂の滑性や耐ブロッキング性などの点で不十分であり、一方、上記含有量が50質量%を超えると接着剤との層間剥離、シロキサン成分の移行による汚染性の原因となる場合がある。なお、上記a〜dのセグメントの含有量は、上記範囲内でかつa〜dのセグメントの合計量が100質量%になる比率にする。また、上記樹脂の数平均分子量(GPCで測定、標準ポリスチレン換算)は、2,000〜500,000であることが好ましい。より好ましくは数平均分子量10,000〜200,000である。該分子量が2,000未満では、樹脂の耐水性や耐候性に劣るなどの点で不十分であり、一方、上記分子量が500,000を超えると溶液安定性に劣る。また、合成擬革用のシロキサン変性ウレタン系樹脂は、天然の皮革調に類似した擬革や耐久性を考えると、可能な限り高分子量のものを使用するのが好ましい。
上記化合物aとしては、スルホン酸系、カルボン酸系、燐酸系、アミン系などの化合物を用いることができる。該化合物aは、本発明の樹脂のプラスチック基材への密着性付与効果を有するとともに、本発明の樹脂に水中への分散性、自己乳化性を与える。例えば、スルホン酸系の化合物aとしては、下記化合物およびその誘導体などが挙げられる。
また、カルボン酸系の化合物aとしては、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸およびそれらのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)やγ−カプロラクトン低モル付加物(数平均分子量500未満)、酸無水物とグリセリンから誘導されるハーフエステル、水酸基と不飽和基を含有するモノマーとカルボキシル基と不飽和基を含有するモノマーとをフリーラジカル反応により誘導される化合物などが挙げられる。特に好ましい化合物aは、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノスルホン酸である。
以上は本発明において使用される好ましい化合物aの例示であって、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って上述の例示化合物のみならず、その他現在市販されていて、市場から容易に入手できる化合物は、いずれも本発明に使用することができる。
上記化合物aのセグメントを含む本発明の樹脂は、使用に際し当該樹脂の乳化のために、化合物aセグメントが、アニオン成分(スルホン酸系、カルボン酸系など)である場合には、例えば、有機アミン(アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノールなど)、アルカリ金属(リチウム、カリウム、ナトリウムなど)、無機アルカリ(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)などによって中和され、また、化合物aセグメントが、カチオン成分(3級アミン系)である場合には、有機酸、例えば、蟻酸、乳酸、酢酸などによって中和される。
前記化合物bは、本発明の樹脂中にポリシロキサンセグメントとして含有され、該ポリシロキサンセグメントは、樹脂の主鎖中に含有或いは分岐した状態で含有されている。すなわち、原料としての化合物bが、両末端反応型であれば、化合物bセグメントは、樹脂の主鎖である幹部分に、化合物bが、片末端或いは分岐反応型であれば、化合物bセグメントは樹脂の主鎖から分岐した状態で含有されることとなる。
本発明で使用する前記化合物bとしては、例えば、以下のような化合物を用いる(この中には活性水素基を利用して変性されたエポキシ変性ポリシロキサンも含んでいるが、イソシアネート基と反応してポリウレタン樹脂中に含有されることとなるので含めている)。
(1)アミノ変性ポリシロキサン
(2)エポキシ変性ポリシロキサン
上記のエポキシ化合物はポリオール、ポリアミド、ポリカルボン酸などと反応させ末端活性水素含有基を有するようにして使用することができる。
(3)アルコール変性ポリシロキサン
(4)メルカプト変性ポリシロキサン
以上列記した化合物bは本発明において使用する好ましい化合物であるが、本発明はこれらの例示の化合物に限定されるものではない。従って上述の例示の化合物のみならず、その他現在市販されており、市場から容易に入手し得る化合物はいずれも本発明において好ましく使用することができる。本発明において特に好ましい化合物は2個の水酸基またはアミノ基を有するポリシロキサンである。
これらの他にもポリシロキサンをラクトンで変性したポリラクトン(ポリエステル)−ポリシロキサンおよびエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドで変性したポリエチレンオキサイド−ポリシロキサンやポリプロピレンオキサイド−ポリシロキサンなども好ましく使用される。ここで使用する好ましいラクトンは、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、7−ヘプタノリド、8−オクタノリド、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトンおよびδ−カプロラクトンなどである。
また、オキシアルキレン重合体の分子鎖を得るにはアルキレンオキサイド、具体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α−メチルスチレンオキサイドなどが挙げられ、種々の触媒の存在下に開環重合させることによって得られる。
前記化合物cとしてのポリオールとしては、好ましくはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジオール、多価アルコールおよび高分子ポリオールなどの従来公知のものが、また、ポリアミンとしてはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジアミンなどが使用できるが、これらは特に限定されない。以下に使用するそれぞれの化合物について説明する。
前記短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコールおよびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンおよび2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコールおよびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、キシリレングリコールなどの芳香族グリコールおよびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、ビスフェノールA、チオビスフェノールおよびスルホンビスフェノールなどのビスフェノールおよびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、およびC1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミンなどの化合物が挙げられる。また、多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタンおよび1,1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記高分子ポリオールとしては、例えば、以下のものが例示される。
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)および/または複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)を重合または共重合して得られるものが例示され、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなど、
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアゼライン酸など)および/または芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸など)と低分子量グリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)を縮重合したものが例示され、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオールおよびポリブチレンイソフタレートジオールなど、
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールおよびポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなど、
(4)ポリカーボネートジオール、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなど、
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコールおよびポリイソプレングリコール、または、その水素化物など、
(6)ポリメタクリレートジオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオールおよびα,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
これらのポリオールの構造および分子量は特に限定されないが、通常数平均分子量は500〜4,000程度が好ましく、これらのポリオールは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記ポリアミンとして好ましいポリアミンは、例えば、短鎖ジアミン、脂肪族系、芳香族系ジアミン、長鎖ジアミンおよびヒドラジンなどが挙げられる。短鎖ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサンおよびイソホロンジアミンなどの脂環式ジアミンなどが挙げられる。
長鎖ジアミンとしては、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)を重合または共重合して得られるものが例示され、具体的にはポリエチレンジアミン、ポリプロピレンジアミンなどが挙げられる。また、ヒドラジン、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドおよびフタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジンが挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ポリオールおよびポリアミンとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなどのポリエーテル系のジオールおよびジアミンが好ましい。
前記化合物dとしては、従来公知のポリウレタンの製造に使用されているものがいずれも使用でき特に限定されない。ポリイソシアネート化合物として好ましいものは、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネートおよび4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加MDIおよび水素添加XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、或いはこれらのジイソシアネート化合物と低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなども当然使用することができる。
前記化合物a〜dを用いる本発明の樹脂の製造方法については特に限定されず、従来公知のポリウレタンの製造方法を用いることができる。例えば、分子内に活性水素を含まない有機溶剤の存在下、または不存在下に、前記化合物aと、化合物bと、化合物c(必要に応じて)と、化合物dとを、イソシアネート基と活性水素含有基との当量比が、通常、1.0またはその前後(0.9〜1.1)となる配合で、ワンショット法、または多段法により、通常、20〜150℃、好ましくは60〜110℃で、生成物が理論イソシアネート%となるまで反応し、生成した樹脂を水と中和剤で乳化した後、低分子ジアミンで鎖伸長してイソシアネート基が殆どなくなるまで反応させ、必要に応じて脱溶剤工程を経て本発明の樹脂(またはその水中乳化体)を得ることができる。
本発明では、樹脂の合成において、必要に応じて触媒を使用できる。例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、テトラn−ブチルチタネートなどの金属と有機および無機酸の塩、および有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミン、ジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。
なお、本発明の樹脂は無溶剤で合成しても、必要であれば有機溶剤を用いて合成してもよい。有機溶剤として好ましい溶剤としては、イソシアネート基に不活性であるか、または反応成分よりも低活性なものが挙げられる。例えば、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、芳香族系炭化水素溶剤(トルエン、キシレン、スワゾール(コスモ石油株式会社製の芳香族系炭化水素溶剤)、ソルベッソ(エクソン化学株式会社製の芳香族系炭化水素溶剤)など)、脂肪族系炭化水素溶剤(n−ヘキサンなど)、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなど)、グリコールエーテルエステル系溶剤(エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなど)、アミド系溶剤(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ラクタム系溶剤(n−メチル−2−ピロリドンなど)が挙げられる。これらの内、好ましくは、溶媒回収、ウレタン合成時の溶解性、反応性、沸点、水への乳化分散性を考慮すれば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、およびテトラヒドロフランなどがよい。
本発明では、樹脂の合成工程においては、生成樹脂末端に、イソシアネート基が残った場合、イソシアネート末端の停止反応を加えてもよい。例えば、モノアルコールやモノアミンのように単官能性の化合物ばかりでなく、イソシアネートに対して異なる反応性のもつ2種の官能基を有するような化合物であっても使用することができ、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール;モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙げられ、このなかでもアルカノールアミンが反応を制御し易いという点で好ましい。
本発明の樹脂の製造に当たり、必要に応じて公知の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)、光安定剤(ヒンダードアミン系など)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など)、ガス変色安定剤(ヒドラジン系など)金属不活性剤などやこれら2種類以上が挙げられる。
次に、本発明に使用するポリウレタンゲル粒子(C)について説明する。該粒子Cおいては、粒子Aを被覆している前記粒子Bが、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が0.01μm〜1.0μmであること、前記粒子Bが、油脂変性ポリオールとポリイソシアネートとポリアミンとの反応で得られる粒子であって、非溶媒和部分がウレア結合の水素結合からなっていることが好ましく、また、前記粒子Cは、その粒子径が0.5〜100μmの範囲であることが好ましい。
以上の粒子Cは、その原料であるポリイソシアネート(以下「化合物d’」という場合がある)と活性水素含有基を有する化合物(以下「化合物c’」という場合がある)とを、後述のポリウレアコロイド溶液(粒子Bの分散液)を分散剤として、不活性溶媒中に乳化分散させて重合することで得られる。この際、上記ポリウレアコロイド溶液が、原料である化合物d’と化合部c’とを不活性溶媒中に容易に粒子状に乳化することが重要である。
また、この状態で化合物d’と化合部c’とを重合反応して、粒子Aを生成し、生成した粒子Aの周囲には、上記ポリウレアコロイド溶液から析出した粒子Bが均一に付着しており、粒子Cを分散溶媒から分離した状態において、粒子Aが上記粒子Bによって均一に被覆されている。
さらに、従来の粒子AまたはCの合成過程においては、通常著しい粘度上昇が発生するが、ポリウレアコロイド溶液の存在下に上記粒子Aを合成すると、合成過程において重合液の著しい粘度上昇は発生せず、生成した粒子Cが凝集することなく、優れた分散安定性を維持するという特徴がある。この作用は従来公知の有機系乳化剤や分散安定剤とは根本的に異なる作用である。
本発明で使用する粒子Cは上記方法によって得られるが、好ましい方法は、ポリウレアコロイド溶液を、撹拌機や乳化機付きのジャケット式合成釜中の不活性溶媒中に仕込み、この中に少なくともいずれか一方が3官能以上である化合物d’と、化合物c’とを不活性溶媒溶液に添加および乳化し、これらの合成原料を反応させて粒子Cを合成する方法や、少なくとも一方が3官能以上である化合物d’と化合物c’とを夫々別個に、ポリウレアコロイド溶液の存在下に不活性溶媒中に乳化させ、これらを反応させる方法などが挙げられる。
上記合成方法における合成温度は特に限定されないが、好ましい温度は40℃〜140℃である。また、合成時に使用するポリウレアコロイド溶液は、その固形分としての使用量は、少なくともいずれか一方が3官能以上である化合物d’と化合物c’との夫々100質量部当たり0.01質量部以上を使用することができ、好ましくは0.1〜20質量部である。使用量が0.01質量部未満では生成する粒子Cの安定性が不十分で、合成過程で粒子Aの大きい凝集塊が発生し、目的とする粒子Cの分散体が得難い。一方、使用量が20質量部を越えると、ポリウレタンの原料(化合物d’と化合物c’)の乳化性には問題はなく、粒子Cの分散体は製造することができるが、乳化剤としての作用として過剰な量であり特に利点はない。化合物d’と、化合物c’の不活性溶媒中における濃度は、低い程小さい粒径の粒子Cが得られ易いが、生産性から好ましい濃度は20〜70質量部である。
粒子Aの合成に使用される化合物c’としてのポリオールとしては、好ましくはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジオール、多価アルコールおよび高分子ポリオールなどの従来公知のものが、また、化合物c’としてのポリアミンとしてはポリウレタンの製造に従来から使用されている短鎖ジアミン、高分子ポリアミンなどが使用できるが、これらは特に限定されない。以下に使用するそれぞれの化合物について説明する。
前記短鎖ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコールおよびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンおよび2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコールおよびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、キシリレングリコールなどの芳香族グリコールおよびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、ビスフェノールA、チオビスフェノールおよびスルホンビスフェノールなどのビスフェノールおよびそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満)、およびC1〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミンなどの化合物が挙げられる。
また、3官能以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタンおよび1,1,1−トリメチロールプロパンなどが挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記高分子ポリオールとしては、例えば、以下のものが例示される。
(1)ポリエーテルポリオール、例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなど)および/または、複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)を重合または共重合して得られるものが例示され、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレングリコールのジオールおよび/または3官能以上の水酸基を有するポリエーテルポリオールなど、
(2)ポリエステルポリオール、例えば、脂肪族系ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアゼライン酸など)および/または芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸など)と低分子量グリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)とを縮重合したものが例示され、具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオールおよびポリブチレンイソフタレートジオールのジオールおよび/または3官能以上の水酸基を有するポリエステルポリオールなど、
(3)ポリラクトンポリオール、例えば、ポリカプロラクトンジオールまたはポリカプロラクトントリオールおよび/またはポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなどのジオールおよび/または3官能基以上の水酸基を有するポリラクトンポリオールなど、
(4)ポリカーボネートポリオール、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオールなどのジオールおよび/または3官能以上の水酸基を有するポリカーボネートポリオールなど、
(5)ポリオレフィンポリオール、例えば、ポリブタジエングリコールおよびポリイソプレングリコール、または、その水素化物などのジオールおよび/または3官能以上の水酸基を有するポリオレフィンポリオールなど、
(6)水素添加ダイマーポリオール、ヒマシポリオールなどのジオールおよび/または3官能以上の水酸基を有する水素添加ダイマーポリオールなど、
(7)ポリメタクリレートポリオール、例えば、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオールおよびα,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなど、および3官能以上の水酸基を有するアクリル系ポリオールが挙げられる。
これらのポリオールの分子量は特に限定されないが、化合物d’と反応するものは全て使用可能であり、通常数平均分子量は500〜3,000程度が好ましい。また、これらのポリオールは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。ポリオールしては、活性水素が2個以上のポリオールが好ましく、特に好ましいのは3個以上の活性水素含有基を有するポリオールである。
前記粒子Aの合成に使用する化合物d’としては、従来公知のポリウレタンの製造に使用されているものがいずれも使用でき特に限定されない。化合物d’として好ましいものは、例えば、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネートおよび4,4’−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートおよび1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDIおよび水添XDIなどの脂環式ジイソシアネートなど、或いはこれらのジイソシアネートと低分子量のポリオールやポリアミンを末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなども当然使用することができる。
また、これらの化合物d’をイソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体、ポリメリック体とした多官能のイソシアネート基を有するもので従来から使用されている公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、2,4−トルイレンジイソシアネートの二量体、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオフォスファイト、多官能芳香族イソシアネート、多官能芳香族脂肪族イソシアネート、多官能脂肪族イソシアネート、脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。
これらのうち、芳香族系或いは脂肪族系のどちらでも使用可能であり、好ましくは芳香族系ではジフェニルメタンジイソシアネートおよびトリレンジイソシアネート、脂肪族系ではヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの変性体であり、分子中にイソシアネート基を3個以上含むものが好ましく、前記ポリイソシアネートの多量体や他の化合物との付加体、さらには低分子量のポリオールやポリアミンとを末端イソシアネートになるように反応させたウレタンプレポリマーなども好ましく使用される。それらを下記に構造式を挙げて例示するが、これらに限定されるものではない。
上記の化合物d’と化合物c’の種類、使用量および使用比率は、得られる粒子Cの使用目的によって決定されるが、いずれか一方の成分が3官能以上であることが必要である。例えば、化合物d’が2官能である場合には、化合物c’が3官能以上であり、また、化合物c’が2官能である場合には、3官能以上の化合物d’が必要であり、使用目的に応じて使用する官能基数を使い分ける。勿論、全ての成分が3官能以上であってもよい。また、化合物c’と化合物d’NCO/OH比は、使用する前記原料化合物と得られる粒子Cに要求される性能によって決定されるが、好ましくは0.5〜1.2の範囲である。
上記粒子Cの合成反応に使用し、生成する粒子Cの分散体の連続相を形成する不活性溶媒は、生成する粒子Aに対して実質的に非溶媒でありかつ活性水素を有しないものである。その例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、脂環族炭化水素の構造を有するエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの炭化水素、ジメチルポリシロキサンなどの単独または混合物が挙げられ、これらの不活性溶媒は、該不活性溶媒と合成された粒子Cの分離工程の生産性の点からは150℃以下の沸点を有するものが好ましい。前記粒子Aの合成に際しては公知の触媒を使用すれば低温でもよいが、作業面から40℃以上の反応温度が好ましい。
上記粒子Aの合成時に乳化剤として使用するポリウレアコロイド溶液中の粒子Bは、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が好ましくは0.01μm〜1.0μmの粒子であり、かかるポリウレアコロイド溶液は、例えば、非水溶媒中で、油脂変性ポリオールと化合物d’(またはこれらの化合物からなる末端NCOプレポリマー)とポリアミンとの反応で得られる。
この反応では、反応が進むにつれて、ウレア結合同士の水素結合により、溶媒中に不溶解のウレアドメインが形成され、同時に油脂変性ポリオール鎖が溶媒中で溶媒和されることにより、非溶解性のウレアドメインの凝集などによる粒子Bの巨大化が防止され、安定なポリウレアコロイド溶液が容易に得られる。
さらに、使用する油脂変性ポリオールが、非水溶媒中での結晶性が少なく、反応が進むにつれて生じる高分子化の過程でも、溶媒中で油脂変性ポリオールを主体とするポリマー鎖がある程度自由に動き得るために、非溶解性結晶部分と溶解性非結晶部分の分離が容易に行われ、ウレア結合同士の水素結合による非溶解性結晶部分を粒子Bの中心とするウレアドメインを形成し、その周囲に溶媒和されたポリマー鎖が規則正しく外向きに配向される。これは従来のミセル下に重合することにより得られる公知のコロイド溶液の製造方法における界面活性剤とは根本的に異なる作用である。
上記ポリウレアコロイド溶液の製造方法をさらに具体的に説明する。先ず、最初に油脂変性ポリオールと化合物d’とを非水溶媒中または無溶媒で反応させ、NCO基を有するプレポリマーを合成する。次にこのプレポリマーを撹拌機付きのジャケット式合成釜に仕込み、濃度が5〜70質量%になるように非水系溶媒を添加して濃度を調整する。この溶液を撹拌しながら、予め1〜20質量%の濃度に調整したポリアミンの溶液を徐々に添加し反応を行い、ポリウレア化反応においてポリウレアコロイド溶液を製造する。
ポリアミンの添加方法は、上記の方法の他にポリアミン溶液に前記プレポリマーまたはその溶液を添加する方法でもよい。ポリマー合成のための温度は特に限定されないが、好ましい温度は20〜120℃である。ポリマー合成のための反応濃度、温度、撹拌機の形態、撹拌力、ポリアミン溶液およびプレポリマーまたはその溶液の添加速度などは特に限定されないが、ポリアミンとプレポリマーのイソシアネート基との反応は速いので、急激な反応が行われないように、反応を制御することが好ましい。
ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する油脂変性ポリオールは、官能基が2個以下のポリオールであって、好ましい分子量は700〜3,000であるが、これに限定されない。油脂変性ポリオールの具体例としては、例えば、各種の油脂を低級アルコールやグリコールを用いてアルコリシス化する方法、油脂を部分鹸化する方法、水酸基含有脂肪酸をグリコールによりエステル化する方法などによって、油脂に約2個以下の水酸基を含有させたものが好ましく、上記の水酸基含有脂肪酸としては、例えば、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。
油脂変性ポリオールと化合物d’との反応は、1<NCO/OH≦2の条件で行い、溶媒和されるプレポリマー鎖の分子量をコントロールする。このように合成されるプレポリマーの分子量は、特に限定されないが、好ましい範囲は約500〜15,000である。上記で使用される化合物d’としては、公知のポリイソシアネートの全てが挙げられる。特に好ましいものはヘキサメチレンジイソシアネート、水添加TDI、水添加MDI、イソホロンジイソシアネート、水添XDIなどの脂肪族または脂環族系ジイソシアネートである。
ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する非水系溶媒としては、使用原料である油脂変性ポリオール、ポリイソシアネートおよびポリアミンを溶解するもので、活性水素を有さない全ての非水系溶媒を使用することができる。特に好ましいものはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、脂環族炭化水素の構造を有するエチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンなどの炭化水素、ジメチルポリシロキサンなどの単独または混合物が挙げられる。なお、本発明において「溶解」とは常温および高温下での溶解の両方を包含する。
ポリウレアコロイド溶液の製造に使用するポリアミンとして、例えば、短鎖ジアミン、脂肪族系ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族系ポリアミンおよびヒドラジンなどが挙げられる。短鎖ジアミンおよび脂肪族系ポリアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、トリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミンおよびポリオキシプロピレントリアミンなどの脂肪族ポリアミン、フェニレンジアミン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス−アミノプロピルピペラジン、チオ尿素、メチルイミノビスプロピルアミン、ノルボルナンジアミンおよびイソホロンジアミンなどの脂環式ジアミンなどが挙げられる。また、ヒドラジン、カルボヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドおよびフタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジンが挙げられる。これらは単独で或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
ポリウレアコロイド溶液の製造に使用する油脂変性ポリオール、化合物d’、ポリアミン、得られるプレポリマーの種類、使用量および使用比率は、使用する溶媒中での粒子Bの大きさおよび安定性などを制御する目的で決定される。すなわち、前記のポリウレアコロイド溶液中の粒子Bは、溶媒中で溶媒和されない結晶部分のウレアドメインと、そのウレアドメインから伸びて溶媒中で溶媒和されたポリマー鎖により形成されている。
ポリウレアコロイド溶液中の粒子Bのウレアドメインの大きさおよび溶媒和されたポリマー鎖の大きさと形態がポリウレアコロイド溶液の性質を左右する。このように、ウレアドメインと溶媒和されたポリマー鎖とで形成された粒子Bは、溶媒中で安定なポリウレアコロイド溶液であり、その溶液中の粒子Bのウレアドメインの粒径は、通常0.01〜1.0μmであり、溶媒和されているポリマー鎖の1個の分子量は約500〜15,000であり、両者の質量比はウレアドメイン(ウレア結合またはポリアミン)/ポリマー鎖が0.5〜30の範囲が好ましい。ウレア結合の割合が上記範囲未満であると、得られる粒子B中の非溶媒和性ウレアドメインが形成されにくく、粒子Bが非水溶媒に溶解し易くなり、良好なポリウレアコロイド溶液が生成されない。一方、ウレア結合の割合が上記範囲を越えると、非溶媒和性ウレアドメインが大きくなり、得られるポリウレアコロイド溶液の安定性が低下し、粒子Bの凝集が生じ易くなる。
本発明で使用する粒子Bの溶媒中における形態は、図1に示すようなものと想像される。この粒子Bの粒径の制御については、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインを含んだ粒子B全体の大きさと、溶媒和したポリマー部分とウレアドメインのそれぞれの大きさについて、両者ともに制御が可能である。なお、先に記載の粒子Bの粒径は、ウレアドメイン部分を表現している。
安定に制御されたポリウレアコロイド溶液を製造するためには、図1のように、溶媒和したポリマー部分とウレアドメイン部分が明瞭に相分離しているのが望ましく、そのためには溶媒和されるポリマー鎖と結晶部分のウレアドメインとが混在しないように製造することが必要である。このためには、合成過程で溶媒和したポリマー部分とウレアドメイン部分が分離し易い合成条件が要求される。
ポリウレアコロイド溶液の合成は、NCO基を有するプレポリマーの溶液およびポリアミンの溶液の両方の濃度が低く、一方の溶液に他方の溶液を添加する添加速度が遅いほど良好な結果が得られ、撹拌はプロペラミキサー撹拌で充分である。また、原料溶液の濃度が高い場合や溶液の添加速度が速い場合には、ホモジナイザーなどの使用による高剪断力の混合を行いながら合成することが好ましい。反応温度は使用する溶媒の種類と、その溶媒に対するウレアドメインの溶解度により決まるが、好ましい温度は合成を制御し易い20〜120℃であるが、この温度範囲に特に限定されない。ウレアドメインの形成は合成過程で形成する方法、或いは高温で合成したものを冷却過程で形成する方法でもよい。
ポリウレアコロイド溶液中の粒子Bの重要な因子は、その表面基の種類および濃度であり、さらには不活性溶媒中における分散性と分散粒径である。すなわち、ポリウレアコロイド溶液の乳化剤としての作用は、W/O、O/O型の乳化剤であり、化合物d’、化合物c’の親水性、疎水性の強さと不活性溶媒との相関性で作用する。これらの条件を加味して検討を加えた結果として、化合物d’および化合物c’に対するポリウレアコロイド溶液の添加量の調整で、粒子Cの粒径をコントロールすることが可能であり、前記の範囲で添加量が多い程粒径は小さくなり、少ない程粒径が大きくなる。
以上の如き原材料から得られた粒子Cの分散溶液から、常圧または減圧下で不活性溶媒を分離することによって、前記の粒子Cが得られる。粒子化に用いる装置としてスプレイドライヤー、濾過装置付き真空乾燥機、撹拌装置付真空乾燥機、棚式乾燥機など公知のものがいずれも使用でき、好ましい乾燥温度は不活性溶媒の蒸気圧、ゲル粒子の軟化温度、粒径などに影響されるが、好ましくは減圧下40〜130℃である。
このようにして製造された粒子Cの粒径は、0.5μm〜100μmで円形度が0.9〜1.0の真球状である。粒径のコントロールは、ポリウレタンの組成が同一の場合、合成釜の乳化型式(プロペラ式、錨型式、ホモジナイザー、螺旋帯式など)および撹拌力の大小に左右されるが、特に不活性溶媒中の化合物d’と化合物c’の濃度、ポリウレアコロイド溶液の種類および添加量に影響される。化合物d’と化合物c’を乳化するための機械的撹拌や剪断力は乳化の初期段階で決定され、これが強力な程分散体の粒径が小さくなる。その後の撹拌および剪断力は大きくは影響しない。かえってその力が強すぎると分散体同士の凝集を促進することになり好ましくない。
これらの粒子Cは、図2の電子顕微鏡写真(倍率500倍)に示すように、ほぼ完全に真球状の粒子であり、図3の想像図に示す如く個々の粒子Aの表面にはポリウレアコロイド溶液から析出した粒子Bが付着或は被覆されており、かつ粒子Bが非粘着性と耐熱性に優れているため、該粒子Cを分散溶媒から単に除去するのみで極めて流動性に富んだ粒子Cとなり、粒子化に当たっては従来技術における如き煩雑かつコスト高な粉砕工程や分級操作を何ら要しないなどの種々の利点を有している。
さらに、本発明で用いる粒子Cは、[円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影の周囲長]で示される円形度が0.9〜1.0であることが好ましい。ここで円形度は、株式会社セイシン企業の粒子形状画像解析装置PITA−1により上記式で算出されるものであり、円形度を円相当径(実際に撮像された周囲長と同じ投影面積を持つ真円の直径)から算出された周囲長を実際に撮像された粒子の周囲長で割った値として定義し、真円で1になり、形状が複雑になるほど小さい値となる。このため、円形度は0.9以上の極めて球状性が高い粒子が好ましく、粒子を水などに分散した分散体は、電荷的反発により、極めて安定的に分散しており、製品に使用した際には分散安定性、増粘効果を有する。なお、円形度が0.9より小さい粒子Cの場合には球形でなくなり、安定的な分散性を喪失するとともに、該粒子Cを含む合成擬革の表皮層用塗料組成はざらつき感や摩擦係数(μ)が高くなり問題が生じる。
さらに、粒子Cの圧縮強度は0.01から1.0MPaであり、回復率が60から100%の範囲であることが好ましい。圧縮強度は、粒子Cは、粒子Aが粒子Bによって被覆されたポリウレタンゲル粒子であることから、0.01MPa以上で十分なさらさら感を得ることができ、ソフトタッチ感、柔軟性、低温特性、滑り性、耐摩耗性、弾性を得る観点から粒子Cの圧縮強度は1MPa以下が好ましい。
さらに、粒子Cの回復率は、圧力により変形した場合、力が解放されると同時に、元の形状に復元することが求められ、60から100%の範囲であることが好ましい。ここで圧縮強度および回復率とは、樹脂粒子を株式会社島津製作所の微小圧縮試験機MCT−W500にて圧縮試験を行った場合に、粒子径に対して10%変形した時の荷重と粒子径から式[圧縮強度(MPa)=2.8×荷重(N)/{π×粒子径(mm)×粒子径(mm)}]によって算出される値である。
さらに、粒子Cの回復率は、粒子に50mNの圧力をかけ、変位した距離(L1)と圧力を解放した時に変位した距離(L2)から式[回復率(%)=L2/L1×100]によって計算される値である。なお、樹脂粒子の圧縮強度および回復率は、粒子Aの構成成分である化合物d’および化合物c’の種類と配合量を制御することにより調節できる。
次に、本発明で使用する架橋剤は、ポリイソシアネート(ブロック型を含む)架橋剤、メラミン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤、無機架橋剤などが挙げられる。特に本発明の塗料からなる塗膜の架橋方法は、ウレタン基および/またはカルボキシル基などの親水性基の反応性を利用した架橋方法が好ましいが、特に限定されない。
ウレタン基を利用する架橋方法としては、例えば、ポリイソシアネート架橋剤による架橋が挙げられるが、ポリイソシアネート架橋剤としては、従来から使用されている公知のものが使用でき特に限定されない。例えば、水分散型多官能芳香族イソシアネート、水分散型多官能脂肪族イソシアネート、水分散型脂肪酸変性多官能脂肪族イソシアネート、水分散型ブロック化多官能脂肪族イソシアネートなどのブロック型ポリイソシアネート、水分散型ポリイソシアネートプレポリマーなどが挙げられる。これらのポリイソシアネート架橋剤は、適量であれば基材シートとの密着性が向上し有効であるが、使用量が多すぎると未反応イソシアネートが残留して問題となるため、本発明の樹脂100質量部に対して120質量部以下、好ましくは1〜50質量部の範囲内の使用が好ましい。
親水性基、例えば、カルボキシル基を利用する架橋方法としては、例えば、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤または金属錯体系架橋剤などの従来から使用されている公知のものが使用でき、特に限定されない。例えば、エポキシ系架橋剤としては、「エピコート」(油化シェルエポキシ社製)などの従来公知の市販されているエポキシ樹脂を添加して使用することができる。カルボジイミド系架橋剤としては、「カルボジライト」の商品名(日清紡社製)の市販品を入手して使用することができる。また、オキサゾリン系架橋剤としては、「エポクロス」の商品名(日本触媒社製)の市販品を入手して使用することができる。
金属錯体系架橋剤としては、チタン有機化合物系、「オルガチックス」の商品名(松本製薬工業社製)で市販されているジルコニウム有機化合物系が入手可能であり、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、バナジウム、亜鉛、インジウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、イットリウム、セリウム、ストロンチウム、パラジウム、バリウム、モリブデニウム、ランタン、「ナーセム」の商品名(日本化学産業社製)で市販されているスズのアセチルアセトン錯体が入手して使用できる。
これらの架橋剤は、適量であれば処理膜の強度、硬度などの向上に特に有効であるが、使用量が多すぎると著しい可使時間の短命化や皮膜の脆化を引き起こすため、本発明の樹脂樹脂100質量部に対して40質量部以下、好ましくは0.5〜20質量部の範囲内の使用が好ましい。
本発明の合成擬革の表皮層用塗料は、好ましくは水性媒体中、より好ましくはイオン交換水中に前記本発明の樹脂、前記ポリウレタンゲル粒子Cおよび前記架橋剤を添加して溶解または分散することで得られる。該塗料固形分中における前記成分の含有量は、本発明の樹脂が5〜95質量%、好ましくは10〜95質量%、前記ポリウレタンゲル粒子Cが0.1〜40質量%、好ましくは0.5〜30質量%、および架橋剤が0.5〜40質量%、好ましくは1〜30質量%である。なお、調製した塗料の固形分は、特に限定されないが、通常、1〜95質量%程度であり、場合によっては無溶媒(固形分100質量%)であってもよい。
本発明の塗料の必須成分は上記の通りであるが、本発明の目的達成を妨げない範囲で、従来公知の樹脂や各種の添加剤、例えば、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系など)、光安定剤(ヒンダードアミン系など)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系など)、ガス変色安定剤(ヒドラジン系など)、加水分解防止剤(カルボジイミドなど)、金属不活性剤(ヒドラジン系など)やこれら2種類以上の併用が挙げられる。さらに意匠性付与剤(有機微粒子、無機微粒子)、防黴剤、難燃剤やその他の添加剤を適宜使用することができる。有機微粒子、無機微粒子としては、例えば、シリカ、シリコーン樹脂微粒子、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子、シリコーン変性ウレタン樹脂微粒子、ポリエチレン樹脂微粒子、反応性シロキサンなどなどを含み得る。などを含み得る。
本発明の合成擬革の製造方法自体は、従来公知の方法でよく、製造方法自体は特に限定されない。例えば、(1)基材層上に、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を主体とした有機溶剤中で合成した高分子量タイプのウレタン系樹脂の溶液を塗布し、塗布層を水中で凝固させて厚み200〜2,000μmのミクロポーラス層を形成させ、乾燥させた後、次いで上記ミクロポーラス層上に、前記本発明の塗料を、グラビアなどの塗布機でダイレクトコートし、乾燥させて厚み100〜1,500μmの表皮層(銀面層)を形成させる方法(最終的にDMFは回収されるシステム)、(2)前記本発明の塗料を離型紙上に塗布し、乾燥して形成される厚み20〜100μmの表皮層上に、前記の接着剤を塗布して厚み20〜100μmの接着剤層を形成し、これをウエットラミネートまたはドライラミネートの条件に合わせて基材に転写する方法が挙げられる。
本発明で使用する合成擬革の基材としては、従来公知の合成擬革の基材がいずれも使用でき、例えば、綾織り、平織りなどからなる綿生地を機械的に起毛して得られる起毛布、レーヨン布、ナイロン布、ポリエステル布、ケブラー布、不織布(ポリエステル、ナイロン、各種ラテックス)、各種フィルム・シートなどが挙げられる。
上記接着剤層を形成する好ましい材料としては、水性ポリウレタン系接着剤(a)、無溶剤ウレタン系樹脂(反応型も含む)(b)、または低分子ポリオールと二塩基酸を反応して得られる無溶剤ポリエステル系樹脂(反応型も含む)(c)が挙げられる。
上記水性ポリウレタン系接着剤(a)としては、水溶性基と水酸基とブロックイソシアネート基とを有する自己硬化型ウレタン系樹脂、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂であるが挙げられる。前記無溶剤ウレタン系接着剤としては、ホットメルト性ポリウレタン樹脂、イソシアネート基、ブロックイソシアネー基、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂が挙げられる。
上記で使用する自己硬化型ウレタン系樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリオールおよび/またはポリアミンと、同一分子内に少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物(必要に応じて鎖伸長剤と)とをフリーのイソシアネート基が残るように反応させ、残ったイソシアネート基をブロックして得られる。同一分子内に少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個の水酸基とを有する化合物としては、例えば、2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、4−メチルアミノブタノール、2−ヒドロキシエチルアミノプロパノール、ジエタノールアミノプロピルアミン、1−アミノプロパンジオール、1−(メチルアミノ)プロパンジオール、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)イソプロパノールアミンなどの脂肪族アミノアルコール類、3−ピペラジンメタノール、2−ピペラジンエタノル、4−ピペラジノールなどのヒドロキシエチルピペラジン系などの化合物が挙げられる。これらは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
前記自己硬化型ウレタン系樹脂のイソシアネート基のブロックに使用するブロック剤は特に制限されず、公知のものから1種以上のものを使用することができる。該ブロック剤としては、例えば、オキシム系、アルコール系、フェノール系、活性メチレン系、ラクタム系、酸アミド系、酸イミド系などが使用できる。例えば、上記ブロック剤として、オキシム系化合物;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトンオキシム、メチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなど。アルコール系化合物;2−ヒドロキシピリジン、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノールなど。フェノール系化合物;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ブチルフェノールなど。活性メチレン系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなど、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物、酢酸アミドなどの酸アミド系化合物、マレイン酸イミドなどの酸イミド系化合物が挙げられる。
前記シラノール基含有ウレタン系樹脂の合成に使用されるシランカップリング剤は特に制限されず、公知のものから1種以上のものを使用することができる。例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
前記紫外線硬化型ウレタン系樹脂は、分子内のビニル基を有し、ビニル基を導入する方法は特に制限されず、公知のものから1種以上のものを使用することができる。例えば、末端イソシアネートプレポリマーを合成した後、同一分子内に水酸基とビニル基を含有する化合物を反応させる手法が挙げられる。同一分子内に水酸基とビニル基を有する化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどが挙げられる。
また、反応中および/または反応後に希釈する反応性希釈剤としては、前記の化合物の他に、ラジカル重合系の単官能アクリレート化合物類、多官能アクリレート化合物類またはカチオン重合系化合物類などがあるが、ラジカル重合系の単官能アクリレート化合物類としては、例えば、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
また、多官能アクリレート化合物類は、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタトリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、カチオン重合系希釈剤としてエポキシ化合物、オキタセン化合物、ビニルエーテル化合物などが挙げられる。
前記紫外線硬化型ウレタン系樹脂を使用する場合には、光重合開始剤を使用する。光重合開始剤としては、光によりラジカルを発生しラジカルが重合性不飽和化合物と反応するものが望ましい。特に限定するものではないが、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、2,4−ジメチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルメチルケタノールなどが挙げられる。また、カチオン系重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩型化合物、スルホニウム塩型化合物、ヨードニウム塩型化合物などが挙げられる。これら化合物の配合は併用してもかまわない。
前記無溶剤ポリエステル系樹脂としては、特に制限されず、公知のものから1種以上のものを使用することができる。例えば、低分子ポリオールの場合は、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなど、二塩基酸は、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸から公知の縮合反応により得られるものが使用できる。
以上の如くして得られる本発明の合成擬革は、各種素材(基布)に対する接着性に優れるとともに、耐加水分解、耐光性、耐熱性、耐ガス変色性、耐黴性、耐オレイン酸性、耐寒性、耐溶剤性、耐薬品性、防汚染性、滑性、移行性、撥水性、撥油性、機械的強度、耐摩耗性、可撓性などに優れており、特に本発明の塗料で表皮層を形成することで、ソフトタッチで耐摩耗性が非常に向上しており、靴、鞄、衣料、椅子やソファーなどの家具、車輌シートなどのあらゆる合成擬革製品の製造に好適である。
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の文中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
[合成例1〜3]
本発明および比較例で使用する樹脂の合成例1〜3を示す。
[合成例1〜3]
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、化合物a、化合物c、鎖伸長剤(e)(短鎖ジオール成分)、および化合物b、およびアセトンを所定量加え、均一に溶解させ、溶液濃度を調節した。続いてヘキサメチレンジイソシアネートを所定量(NCO/OH=2.0)加えて80℃で反応を行い、所定のNCO%となるまで反応を行い、50℃に冷却し、固形分に対し30%となるイオン交換水と、中和剤を所定量(親水基−COOHと等量となる量)加え、系内を均一に乳化させ、エチレンジアミン成分(実測NCO%と等量となる量)を投入して鎖伸長した。最後に、系内のアセトンを真空脱気して回収した。ポリウレタンの原料組成配合を表1に示す。
・a−1:ジメチロールブタン酸
・a−2:ジメチロールプロパン酸
TEA:トリエチルアミン
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
EDA:エチレンジアミン
本発明に使用するウレタンゲル粒子Cの合成例4〜7を示す。
(ポリウレアコロイド溶液の作成)
[合成例4]
水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール(伊藤製油(株)製 URIC Y−202)100部とn−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を50℃に制御し、NCO/OH=2になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート47.3部を1時間かけて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、さらに80℃、3時間の反応を行い合成した。次にn−オクタンで濃度50%に調整し、NCO基を3.0%含有するプレポリマー溶液(PP−1)を得た。この物の分子量は1,383である。
上記のPP−1の40部と、n−オクタン60部を撹拌機付き合成釜に仕込み溶解した、撹拌しながら温度を70℃に制御しながら、予め用意したイソホロンジアミンのn−オクタンの10%溶液24.3部を5時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、(ポリアミン(ウレア結合部)/プレポリマー鎖)×100=12.15%のポリウレアコロイド溶液(固形分18.0%)(C−1)を得た。この溶液は青い乳光色の安定な溶液であった。
[合成例5]
水酸基価119.5の2官能の油脂変性ポリオール(伊藤製油(株)製 URIC Y−202)100部とn−オクタン100部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記ポリオールを溶解した。撹拌しながら温度を50℃に制御し、NCO/OH=1.1になるように予め用意したイソホロンジイソシアネート26.0部を1時間掛けて徐々に添加し、この条件で3時間反応を続け、さらに80℃、4時間の反応を行い合成した。次にn−オクタンで濃度50%に調整し、NCO基を0.36%含有するプレポリマー溶液(PP−2)を得た。この物の分子量は11,834である。
上記のPP−2の20部とn−オクタン80部とを撹拌機付き合成釜に仕込み上記プレポリマー溶解した。撹拌しながら温度を70℃に制御しながら、予め用意したイソホロンジアミンのn−オクタンの1%溶液14.4部を8時間掛けて徐々に添加し反応を完結して、(ポリアミン/プレポリマー鎖)×100=1.44%のポリウレアコロイド溶液(固形分8.9%)(C−2)を得た。この溶液は青い乳光色の安定な溶液であった。
(ポリウレタンゲル粒子Cの製造)
[合成例6]
平均分子量1,000のポリブチレンアジペート20部を60℃で溶解し、さらに下記の構造式で示されるヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートポリイソシアネート(旭化成工業(株)製 デュラネートTPA−100、NCO%=23.1)7.3部を添加し均一に混合した。この物を予め1リットルのステンレス容器に準備した合成例1のポリウレアコロイド溶液(C−1)5.0部とn−オクタン25部の混合液の中に徐々に加え、ホモジナイザーで15分間乳化した。この乳化液は分散質の平均分散粒子径が5μmで分離もなく安定な乳化液であった。
次にこれを錨型撹拌機付き反応釜に仕込み、400rpmの回転をさせながら温度を80℃まで上げ、6時間の反応を終了しポリウレタンゲル粒子(粒子C)の溶液を得た。この溶液を100Torrで真空乾燥を行ってn−オクタンを分離し粒子C(1)を得た。このものは平均粒子径が5μmで円形度が0.92の真球状の白色粉末状であった。圧縮強度は、0.35MPaで回復率は89%であった。
[合成例7]
500ミリリットルのセパラブルフラスコに、ポリウレアコロイド溶液(C−2)4部とイソオクタン150部とを仕込み混合した。次にこの液をホモミキサーで混合しながら予め50℃に加温した平均分子量785の3官能のポリラクトンポリオール100部を徐々に添加して乳化させた。さらに下記の構造式で示されるヘキサメチレンジイソシアネートアダクトポリイソシアネート(旭化成工業(株)製 デュラネート24A−100、NC0%=23.5)68.3部を徐々に添加した。
次にホモミキサーを回転しながら、温度を80℃に上げ、3時間の反応後に反応触媒としてジブチル錫ジラウレート0.005部を加え、さらに4時間の反応を行ない、粒子Cの分散液を得た。この分散液から実施例1と同様にして粒子C(2)を得た。このものは平均粒子径が15μmで円形度が0.94の真球状の白色粉末状であった。圧縮強度は、0.60MPaで回復率は92%であった。
[合成例8]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、カーボネートジオール(水酸基価=56)150部、エチレングリコール10部および1,4−ブチレングリコール10部を所定量のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶液濃度を調節した。続いて4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)を所定量(NCO/OH=1.0)加えて80℃で反応を行い、IRスペクトルにてNCOのピークが消出するまで反応を行った。得られたミクロポーラス層用の高分子量タイプのウレタン系樹脂溶液(A−1)は、不揮発分30%、粘度1,200dPa.sであった。
[合成例9]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、ジメチロールプロピオン酸10.72部、数平均分子量1,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール100.0部、1,3−ブチレングリコール1.80部およびアセトン108.6部を加えた。続いてヘキサメチレンジイソシアネート50.4部を加えて80℃にてジブチルチンジラウレート(触媒)を加えて、樹脂のNCO%が理論値となるまで反応を行った。次いで、メチルエチルケトオキシム(ブロック剤)3.48部を投入し、80℃にて樹脂のNCO%が理論量となるまで反応を継続した。
得られた反応物を50℃に冷却し、固形分が40%となるイオン交換水260.7部、トリエチルアミン(中和剤)8.10部を所定量加え、攪拌条件下で系内を均一になるまで乳化させた。得られたウレタン水分散体にアミノプロパノール3.00部、イソホロンジアミン9.85部を各々等量の水で希釈して加え、ウレタン水分散体のNCO基と反応させた。反応は赤外吸収スペクトルで2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収が消失するまで行った。最後に、系内のアセトンを真空脱気して回収した。得られた自己硬化型ウレタン樹脂水分散体は固形分40.3%、酸価25mgKOH/g、水酸基価13mgKOH/g、平均粒径20nmであった。この接着剤層用水系ウレタン系樹脂をB−1とする。
[合成例10]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、ジメチロールプロピオン酸10.72部、数平均分子量1,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール100.0部、1,3−ブチレングリコール1.80部およびアセトン108.6部を加えた。続いてヘキサメチレンジイソシアネート50.4部を加えて80℃にてジブチルチンジラウレートを加えて樹脂のNCO%が理論値となるまで反応を行った。得られた反応物を50℃に冷却し、固形分が40%となるイオン交換水と、トリエチルアミン8.10部を所定量加え、攪拌条件下で系内を均一になるまで乳化させた。
得られたウレタン水分散体に、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン17部、およびイソホロンジアミン9部を加え、反応は赤外吸収スペクトルで2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収が消失するまで行った。最後に、系内のアセトンを真空脱気して回収した。この接着剤層用水系ウレタン系樹脂をB−2とする。
[合成例11]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール100.0部、グリセリンモノアリルエーテル6.6部、N,N−ジメチルアクリルアミド(反応性希釈剤)を52部を仕込み、60℃に昇温し均一となったらヘキサメチレンジイソシアネート15部を加えて80℃にてジブチルチンジラウレートを加えて赤外吸収スペクトルで2,270cm-1の遊離イソシアネート基による吸収がないことを確認した後、50℃に冷却し、光開始剤であるイルガキュアー651を5部加えた。得られた紫外線硬化型ウレタン系樹脂をB−3とする。
[合成例12]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、アジピン酸20部、テレフタル酸30部、1,6ヘキサンジオール53部を仕込み210℃まで昇温を行った。反応は200℃到達時点より3時間行った。100℃まで冷却後、所定量(NCO/OH=2.0)のイソホロンジイソシアネートを加え、さらに3時間行った。得られた反応型ウレタン変性エステル樹脂は、不揮発分100%、融点93℃であった。この接着剤層用ウレタン変性反応型エステル樹脂をB−4とする。
実施例1〜3、比較例1(塗料の製造)
前記合成例で得られた本発明の樹脂、粒子C、架橋剤、着色剤およびイオン交換水を表2に記載の割合で配合し、固形分50%の本発明および比較例の塗料を製造した。
上記表2において、合成例1は、非シロキサン変性ウレタン樹脂である。C−1は、カルボジライトV−02(日清紡社製、カルボジイミド系架橋剤)、C−2は、エポクロスWS−500(日本触媒社製、オキサゾリン系架橋剤)、C−3は、WB40−100(旭化成ケミカルズ社製、水分散型イソシアネート)、着色剤は、セイカセブンDW−794ブラック(大日精化工業社製、水分散型着色剤)である。
実施例4
ミクロポーラス層用ウレタン系樹脂(合成例8)100部をDMF100部で希釈した配合液を、綾織からなる綿生地を起毛処理した生地上に600g/cm2・Wetの塗布量で塗布し、凝固浴(DMF/水=5/95)で10分間凝固させ、水洗浄/マングルを通して脱DMF工程を5回経た後に130℃、10分間乾燥してミクロポーラス層を形成した。次にこの層の表面に実施例1の塗料を膜厚40μmとなる量で塗布し120℃で3分間乾燥して表皮層を形成し本発明の擬革を作製した。
実施例5
離型紙(EV130 TPD−R8、リンテック社製)上に、実施例2の塗料を乾燥膜厚が20μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥して表皮層を形成した。該層に前記接着剤層用樹脂B−1を乾燥膜厚100μmとなる量で塗布後、120℃で3分間乾燥した後、生地にラミネーターにて転写し、40℃で2日熟成して本発明の擬革を作製した。
実施例6
実施例5と同じ離型紙上に、実施例3の塗料を乾燥膜厚20μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥し表皮層を形成した。該層に前記接着層用組成物B−2を乾燥膜厚80μmとなる量で塗布し、接着剤層を形成した。表皮層と接着剤層とを生地にラミネーターにて転写し、140℃で5分間熱処理して本発明の合成擬革を作製した。
実施例7
実施例5と同じ離型紙上に、実施例1の塗料を乾燥膜厚20μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥して表皮層を形成した。該層に前記接着剤層用組成物B−3を乾燥膜厚100μmとなる量で塗布後、紫外線(エネルギーとして80mJ/cm2)で処理をした後、表皮層と接着剤層とをラミネーターにて生地に転写し、本発明の合成擬革を作製した。
実施例8
実施例5と同じ離型紙上に、実施例2の塗料を乾燥膜厚20μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥して表皮層を形成した。該層に、あらかじめ100℃に加温しておいた前記接着剤層用組成物B−4を乾燥膜厚100μmとなる量で塗布して接着剤層を形成した。次に表皮層と接着剤層とをラミネーターにて生地に転写し、40℃で2日間熟成して本発明の合成擬革を作製した。
実施例9
実施例5と同じ離型紙上に、実施例3の塗料を乾燥膜厚40μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥して表皮層を形成した。該層に前記接着剤層用組成物B−3の100部にポリイソシアネート(PHDI;HDIのビウレット型、商品名:デュラネート24A−100、旭化成ケミカルズ(株)製)を5部を添加したものを乾燥膜厚80μmとなる量で塗布後、紫外線(エネルギーとして80mJ/cm2)で処理をした後、表皮層と接着剤層とをラミネーターにて生地に転写し、本発明の合成擬革を作製した。
比較例2
実施例5と同じ離型紙上に、比較例1の塗料を乾燥膜厚20μmとなる量で塗布し、120℃で3分間乾燥して表皮層を形成した。該層に、あらかじめ100℃に加温しておいた前記接着剤層用組成物B−4を乾燥膜厚40μmとなる量で塗布して接着剤層を形成した。次に表皮層と接着剤層とをラミネーターにて生地に転写し、40℃で2日間熟成して比較例の合成擬革を作製した。
実施例4〜9および比較例2で作製した擬革の構成を表3に纏めた。
評価例
実施例4〜9および比較例2で作製した擬革の評価を以下の評価方法で行った。結果を表4に示す。
<VOC対策>
○;使用溶剤が0の場合
△;5%未満
×;5%以上
<外観>
○;見ための感性がよく、天然皮革調に近いもの
×;そうでないもの
<風合い>
○;ボリューム感がありソフトなもの
△;ややハードなもの
×;ハードなもの
<耐寒屈曲>
フレキソ試験機にて0℃、屈曲回数2万回試験を行った。
○;変化ないもの
△;若干の亀裂があるもの
×;亀裂がひどいもの
<磨耗性試験>
塗布した面を、平面摩耗試験機を使用して、6号帆布、荷重500gにて外観変化するまでの摩耗回数を測定した。
○;2,000回以上
△;1000〜2,000回未満
×;1,000回未満
<接着性試験>
塗布した面々を接着剤にて貼り合せた試験片を、新東科学(株)製のHEIDON−14DRを使用して180度剥離力を測定した。
○;1.2kg/cm以上
△;0.8kg/cm以上1.2kg/cm未満
×;1kg/cm未満
<耐加水分解性>
ジャングル試験(温度:70℃、相対湿度95%、3週間)後の基材との接着強度を測定し、初期強度と比較した。
○;保持率が70%以上
△;69〜40%
×;40%未満
<耐光性>
サンシャインウェザオメーター試験(温度:63℃、水無、120時間)後の基材との接着強度を測定し、初期強度と比較した。
○;保持率が70%以上
△;69〜40%
×;40%未満
<耐熱性>
ギァオーブンにて試験を実施し、温度は、120℃、150時間後の基材との接着強度を測定し、初期強度と比較した。
○;保持率が70%以上
△;69〜40%
×;40%未満
以上のように、本発明によれば、耐加水分解性、耐光性、耐熱性、風合い、接着強度、耐寒屈曲、耐磨耗性に優れたエコロジー素材である表皮層が、シロキサン変性ウレタン系樹脂と、ポリウレタンゲル粒子および架橋剤からなり、接着剤層が、水性ポリウレタン系接着剤やウレタン系樹脂(反応型も含む)や、低分子ポリオールと二塩基酸を反応して得られるエステル系樹脂の100%ソリッドからなる接着剤(反応型も含む)を利用した高耐久な合成擬革が提供される。
本発明は下記の効果を奏する。
表皮形成層が、シロキサン変性ウレタン系樹脂と、ポリウレタンゲル粒子と、架橋剤かとらなり、接着剤層が、水性ポリウレタン系接着剤やウレタン系樹脂(反応型も含む)や低分子ポリオールと二塩基酸を反応して得られるエステル系樹脂の100%ソリッドからなる接着剤(反応型も含む)を含む合成擬革の提供が可能である。
本発明で使用するポリウレアコロイド溶液中のポリウレアコロイド粒子Bの断面の想像図。 本発明で使用するポリウレタンゲル粒子Cの写真。 本発明で使用するポリウレタンゲル粒子Cの断面の想像図。
符号の説明
1:溶媒和されているポリマー鎖(油脂セグメント)
2:非溶媒和部分のウレアドメイン
3:ポリウレタンゲル粒子A
4:ポリウレアコロイド粒子B

Claims (11)

  1. シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)と、ポリウレタンゲル粒子(2)と、架橋剤(3)とを含有することを特徴とする合成擬革の表皮層用塗料。
  2. 前記シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)が、分子内に少なくとも1個の活性水素含有基と水酸基以外の親水性基とを有する化合物(a)0.1〜30質量%と、少なくとも1個の活性水素含有基を有するポリシロキサン(b)0.01〜50質量%と、ポリオールおよび/またはポリアミン(c)10〜80質量%と、ポリイソシアネート(d)とを、化合物a〜cの合計の全活性水素含有基と化合物dのイソシアネート基とを当量比0.9〜1.1で反応させて得られる樹脂である請求項1に記載の塗料。
  3. 前記シロキサン変性ウレタン系樹脂(1)固形分中に占めるポリシロキサンセグメントの割合が、0.01〜50質量%であり、上記樹脂の数平均分子量が2,000〜500,000である請求項1に記載の塗料。
  4. ポリウレタンゲル粒子(2)が、少なくともいずれか一方が3官能以上である、ポリイソシアネートと、分子内に活性水素含有基を有する化合物とを共重合してなる三次元架橋したポリウレタンゲル粒子(粒子A)と、該粒子Aの表面を被覆している、ポリウレアコロイド非水溶媒溶液から析出したポリウレアコロイド粒子(粒子B)とからなるポリウレタンゲル粒子(粒子C)である請求項1に記載の塗料。
  5. 前記粒子Bが、溶媒に対して溶媒和されている部分と非溶媒和部分とから構成されており、非溶媒和部分の粒子径が0.01μm〜1.0μmであり、油脂変性ポリオールとポリイソシアネートとポリアミンとの反応で得られるポリウレアコロイド粒子であって、非溶媒和部分がウレア結合の水素結合からなっている請求項4に記載の塗料。
  6. 前記粒子Cの粒子径が、0.5〜100μmの範囲である請求項4に記載の塗料。
  7. 架橋剤(3)が、ポリイソシアネート(ブロック型を含む)架橋剤、メラミン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤または無機架橋剤である請求項1に記載の塗料。
  8. 合成擬革の基材にミクロポーラス層または接着剤層を介して表皮層を付与する擬革の製造方法において、上記表皮層を請求項1に記載の塗料を使用して形成することを特徴とする合成擬革の製造方法。
  9. 接着剤層を、水性ポリウレタン系接着剤、無溶剤ウレタン系樹脂(反応型も含む)、または低分子ポリオールと二塩基酸を反応して得られる無溶剤ポリエステル系樹脂(反応型も含む)を使用して形成する請求項8に記載の製造方法。
  10. 水性ポリウレタン系接着剤が、水溶性基と水酸基とブロックイソシアネート基とを有する自己硬化型ウレタン系樹脂、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂である請求項9に記載の製造方法。
  11. 無溶剤ウレタン系接着剤が、ホットメルト性ポリウレタン樹脂、イソシアネート基、ブロックイソシアネート、シラノール基またはビニル基を有する自己硬化型ウレタン系樹脂である請求項8に記載の製造方法。
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