JP5977004B2 - 耐光性コーティング剤およびその使用 - Google Patents

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Description

本発明は、耐光性コーティング剤およびその使用に関するものであり、さらに詳しくは、紫外線吸収基を有するポリマーと、ポリウレタンのディスパージョン(以下、「PUD」とも記す。)とを含む水分散性のポリマー組成物を含有するコーティング剤に関するものである。耐光性が要求される各種構造物へのコーティングの用途のほか、特にインパネ、ドア、コンソール、座席シートなど車両内装材用途に関連し、更に合成擬革の表面処理用コーティング剤とその製造方法、およびそれを用いた合成擬革に関するものである。
ポリウレタン系樹脂は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性などの諸物性に優れ、かつ、各種加工法への適性にも優れるため、合成擬革(人工皮革と合成皮革の総称)用材料、各種コーティング剤、インキ、塗料等のバインダーとして、或いはフィルム、シート及び各種成型物用材料として広く使用されている。そして、これら種々の用途に適したポリウレタン系樹脂が提案されている。なお、本明細書で言う「ポリウレタン系樹脂」とは、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリウレタン−ポリウレア樹脂の総称である。ポリウレタン系樹脂は、基本的には高分子量ポリオール成分、有機ポリイソシアネート成分、さらには必要に応じて鎖伸長剤成分を反応させて得られるものであり、これらの各成分の種類及び組み合わせを変化させることによって、種々の性能を有するポリウレタン系樹脂の提供を可能としている。
その広範な用途の中でも、特にポリウレタン樹脂を使用した合成擬革は、天然皮革に近い風合いを得ることができることから、衣料用途や家具、車輛内装材などの高級感を求められる分野に多く使用されている。
しかし、合成擬革は、長期にわたって使用すると、紫外線曝露によって、分子量低下による弾性低下、引張強度の低下、割れの発生などの物性低下、光沢低下、着色、退色、及び変色などの外観変化など種々の性能劣化を生ずることがある。
従って、耐紫外線対策は、家具や自動車内装材など耐久性が要求される合成擬革製品にとって重要である。このような問題を改善するために、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤が合成擬革表皮層用表面処理剤に添加される。この表面処理剤は、合成擬革表面にグラビアなどの手法で塗工され、内部を摩耗、光、熱、汚染物質などから保護するだけでなく、意匠性(色、艶消しなど)、触感(ソフトタッチ)などを付与し、付加価値を高めることができる(非特許文献1参照。)。
しかしながら、これらの紫外線吸収剤は、非反応性の低分子化合物であるため、経時的な製品からのブリードアウト、乾燥や成形時の熱による揮発や分解、溶剤や薬品による溶出などの問題があり、紫外線吸収剤が処理剤中に十分含有されず、耐候性が発揮又は維持できない場合があった。また、コーティング剤中に多量に紫外線吸収剤を添加しようとしても、低分子量の紫外線吸収剤は相溶性が低いために層分離を起こし、透明性や機械的強度の低下が生ずることがある。
なお、合成擬革向け表面処理剤をはじめ塗料やコーティング剤などは、従来の溶剤型から、環境負荷の小さい水性型への転換が進んでいる。しかしながら、従来の紫外線吸収剤を水性型の塗料等に大量に配合するには、分散剤を用いて予め分散させてから配合する必要があった。このため、配合に際して手間がかかるとともに、ブリードアウトしやすいといった問題もあった。
水性アクリル系樹脂は、耐候性及び強靭性に優れるため、塗料として広く用いられている。しかしながら、アクリル樹脂単独では、ガラス転移点(Tg)を高くすると造膜性が低下してしまい、クラックが入りやすくなるので、溶剤を併用する必要がある。一方、アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)を低くすると、タックが強くなるため、巻き取りができない、或いは耐久性が低くなるといった問題が生ずる場合がある。これらの問題を改善するため、水性アクリル系樹脂を、弾性、密着性、及び耐摩耗性に優れるPUDと併用することで、双方の樹脂の長所を併せ持つようにすることが行われている。このため、水性アクリル系樹脂とPUDを含有する組成物については、水性アクリル系樹脂とPUDの相溶性が優れていることが望まれる。さらに、水性アクリル系樹脂とPUDとを混合する際には、ショック凝集が生じないことが必要である。
このような観点から、その分子内に反応型の二重結合(不飽和結合)を有する低分子量の紫外線吸収剤を重合し、高分子量化することが考えられる。しかしながら、このような紫外線吸収剤を単独で重合しようとしても、水性アクリル系樹脂とPUDの相溶性を改良することはできない。このため、重合性基を有するベンゾフェノン型紫外線吸収剤とアクリル系モノマーとを重合して、ブリードアウト、溶出性、及び耐熱性を改良し、添加する高分子材料との相溶性を向上させる試みがなされている(特許文献1参照。)。しかしながら、この試みでは、一部の高分子材料との相溶性の改善効果が不十分であるとともに、水性製品への応用は困難であるといった問題がある。
また、水性エマルジョン型の高分子紫外線吸収剤が報告されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この高分子紫外線吸収剤は、水に分散させるために乳化剤を使用する必要があるため、耐水性が不十分であるとともに、透明性が低下したり、乳化剤がブリードアウトしたりする場合がある。
また、ベンゾトリアゾール型の紫外線吸収剤にラクトンを付加させてポリエステルポリオールとしたものを用いて、紫外線吸収PUDを得る報告がなされている(特許文献3参照。)。しかしながら、ポリエステルポリオール中にはポリエステル構造が存在するため、耐加水分解性などの耐候性に劣る場合がある。
このような開発状況において、紫外線吸収作用を十分に発揮することができるコーティング剤であって、各種用途に使用することが可能であり、特に合成擬革の表面処理用コーティング剤の提供が切望されてきた。
特開平3−281685号公報 特開平6−73368号公報 特開2002−121253号公報 岩田 敬治 編、ポリウレタン樹脂ハンドブック、第571〜599頁、15.ポリウレタン皮革(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑み、その課題とするところは、従来の紫外線吸収剤を用いた場合に比して、耐光性、非ブリードアウト性、相溶性、耐水性、及び耐熱性に優れたコーティング剤、特に、合成擬革の表面処理用コーティング剤、及びその製造方法、それを用いることにより光劣化が抑制されるとともに、耐久性の向上した合成擬革を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、紫外線吸収型ポリマーとポリウレタンのディスパージョンを含有するポリマー組成物を用いることにより、前記課題を解決できることに着目し、その知見に基いて本発明に想到するに至った。
即ち、本発明によれば以下に示す前記ポリマー組成物を含有してなる各種用途に適した被覆用コーティング剤、特に、合成擬革の表面処理用コーティング剤が提供される。
[1]紫外線吸収型ポリマー(A)と、ポリウレタン(B)のディスパージョンと、を含有するポリマー組成物であって、前記紫外線吸収型ポリマー(A)は、二重結合及び紫外線吸収基を有する化合物(a)(以下、単に「化合物(a)」ということがある。)と、二重結合含有成分(h)と、を含有する重合成分を重合させて得られる重合生成物であり、前記ポリウレタン(B)は、活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く。)を有する化合物(b)(以下、単に「化合物(b)」ということがある。)と、ポリオール(c)及び/又はポリアミン(d)と、ポリイソシアネート(e)と、を含有する反応成分を反応させて得られる反応性生物であるポリマー組成物を含有するコーティング剤。
[2]前記化合物(a)が、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される前記[1]に記載のポリマー組成物。
(前記一般式(1)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、Rは、水素原子又は炭素数10以下のアルキル基を示し、Rは、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシオキシアルキレン基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示す。)
(前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、Rは、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシオキシアルキレン基を示し、Rは、水素原子又はメチル基示す。)
(前記一般式(3)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、Rは、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシオキシアルキレン基を示し、Rは、水素原子又はメチル基示す。)
(前記一般式(4)中、Rは、単結合、炭素数20以下のアルキレン基、炭素数20以下のオキシアルキレン基、又は炭素数20以下のヒドロキシアルコキシル基を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示し、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシル基を示す。)
[3]前記二重結合含有成分(h)が、スチレン系モノマー、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、及びアクリロニトリル系モノマーからなる群より選択される少なくとも一種のモノマーである前記[1]又は[2]に記載のコーティング剤。
[4]前記紫外線吸収型ポリマー(A)に含まれる前記化合物(a)に由来する構成単位の割合が1〜80質量%である前記[1]に記載のコーティング剤。
[5]前記紫外線吸収型ポリマー(A)は、ガラス転移点(Tg)が−20〜160℃、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,500,000、及び酸価が2〜200mgKOH/gであるとともに、水に溶解又は分散可能な重合生成物である前記[1]に記載のコーティング剤。
[6]前記紫外線吸収型ポリマー(A)の含有割合が、全樹脂成分質量基準で0.1〜50質量%である前記[1]又は[5]に記載のコーティング剤。
[7]前記反応成分が、さらに、短鎖ジオール成分(f)及び/又は短鎖ジアミン成分(g)を含有してなる前記[1]に記載のコーティング剤。
[8]前記ポリウレタン(B)が、前記化合物(b)、前記ポリオール(c)、前記ポリアミン(d)、前記短鎖ジオール成分(f)、及び前記短鎖ジアミン成分(g)の合計の活性水素含有基(アニオン性親水性基を除く)(1)と、前記ポリイソシアネート(e)のイソシアネート基(2)と、を(1)/(2)=0.9〜1.5の当量比で反応させて得られる反応性生物である前記[1]に記載のコーティング剤。
[9]前記化合物(b)が、下記一般式(5)で表される化合物である前記[1]又は[6]のいずれかに記載のコーティング組成物。
(HO−R'−)−R−(R”−X ・・・(5)
(前記一般式(5)中、Rは、アルキレン基、シクロアルキル環、芳香族環、アミン構造、又は複素環を示し、R'は、アルキレン基、シクロアルキル環、又は芳香族環を示し、R”は、単結合、アルキレン基、シクロアルキル環、又は芳香族環を示し、Xは、−COOH、−SOH、又は−POを示し、nは1又は2を示し、mは1又は2を示し、lは1〜3の整数を示す)
[10]前記化合物(b)が、ジメチロールアルカン酸類である前記[1]、[8]又は[9]のいずれかに記載のコーティング剤。
[11]前記ポリウレタン(B)の重量平均分子量が、1,000〜500,000である前記[1]又は[8]に記載のコーティング剤。
[12]前記[1]〜[11]のいずれかに記載のコーティング剤が、前記紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体と、前記ポリウレタン(B)のディスパージョンと、を混合する工程、又は前記ポリウレタン(B)のディスパージョンを調製する工程の中間段階で生成したポリウレタン(B)のプレポリマーに、前記紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体を添加する工程を有する製造方法によって製造されるコーティング剤。
[13]前記紫外線吸収型ポリマー(A)の含有割合が、全樹脂成分質量基準で0.1〜50質量%である上記[1]に記載のコーティング剤。
[14]前記[1]〜[13]のいずれか一項に記載のコーティング剤であって、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、及びイソシアネート化合物(ブロック体含む)からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤により架橋反応させて得られるコーティング剤。
[15]前記コーティング剤の用途が、合成擬革の表面処理剤である請求項1〜14のいずれか一項に記載のコーティング剤。
[16]前記合成擬革の表面処理用コーティング剤が、前記合成擬革の基材上に形成されたミクロポーラス層又は接着剤層にさらに付与される表皮層の形成に用いられる被膜形成物質である前記[15]に記載のコーティング剤。
[17]前記合成擬革のミクロポーラス層又は接着剤層に、請求項1〜16のいずれか一項に記載のコーティング剤からなる表皮層が形成されてなる合成擬革。
また、本発明によれば、合成擬革の基材上に形成されたミクロポーラス層または接着剤層上に表皮層を付与する擬革の製造方法において、表皮層に上記[15]に記載の表面処理用コーティング剤を塗工により形成することを特徴とする合成擬革の製造方法が提供される。
本発明のコーティング剤、特に、合成擬革用表面処理用コーティング剤は、従来の紫外線吸収剤を用いた場合に比して、耐光性、非ブリードアウト性、相溶性、耐水性、及び耐熱性に優れた効果を奏する。また、本発明のコーティング剤を用いることにより、光劣化が抑制されるとともに、耐久性の向上した合成擬革を製造することが可能である。
実施例1で得られたフィルムについて測定した紫外線吸収スペクトルである。 実施例1で得られたフィルムについて測定した赤外線吸収スペクトルである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。本発明のコーティング剤、特に合成擬革用表面処理用コーティング剤は、紫外線吸収機能を有するものであり、紫外線吸収型ポリマー(A)と、ポリウレタン(B)のディスパージョン(以下、「PUD(B)」とも記す。)とを含んでなる、好ましくは安定な水分散物を含有するものである。以下、その詳細について説明する。
(紫外線吸収型ポリマー(A))
紫外線吸収型ポリマー(A)は、分子内に反応型の二重結合(不飽和結合)及び紫外線吸収基を有する化合物(a)と、二重結合(不飽和結合)含有成分(h)とを含む重合成分を重合させることにより得られる。化合物(a)の二重結合は、ラジカル重合、カチオン重合、及びアニオン重合などの通常の重合法で重合可能な、反応性を有する二重結合であればよい。反応性及び入手又は合成の容易さなどの観点から、アクリル系又はメタクリル系の二重結合が好ましい。以下、「アクリル」と「メタクリル」を、併せて「(メタ)アクリル」とも記す。
化合物(a)の紫外線吸収基の構造としては、例えば、一般的に用いられている紫外線吸収剤の構造を挙げることができる。そのような紫外線吸収剤の具体例としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート系、及びトリアジン系の紫外線吸収剤等を挙げることができる。なお、化合物(a)には、これらの紫外線吸収剤の構造以外の構造を有する紫外線吸収基が含まれていてもよい。
紫外線吸収基の構造がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の構造である場合における化合物(a)としては、前記一般式(1)で表わされる構造を有するものを挙げることができる。前記一般式(1)で表される化合物(a)の具体例としては、2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−(メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−(2'−メタクリロイルオキシエチル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−[(2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル)−5−クロロ]−2H−ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。これらの化合物(a)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収基の構造がベンゾフェノン系紫外線吸収剤の構造である場合における化合物(a)としては、前記一般式(2)で表わされる構造を有するものを挙げることができる。前記一般式(2)で表される化合物(a)の具体例としては、2−ベンゾイル−5−(2'−ヒドロキシ−3'−メタクリロイルオキシプロポキシ)−フェノール、2−ベンゾイル−5−(2'−メタクリロイルオキシエトキシ)−フェノール、2−ベンゾイル−5−(2'−アクリロイルオキシエトキシ)−フェノール、2−ベンゾイル−5−(2'−アクリロイルオキシエトキシ)−6−tert−ブチル−フェノール等を挙げることができる。これらの化合物(a)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収基の構造がサリシレート系紫外線吸収剤の構造である場合における化合物(a)としては、前記一般式(3)で表わされる構造を有するものを挙げることができる。また、紫外線吸収基の構造がトリアジン系紫外線吸収剤の構造である場合における化合物(a)としては、一般式(4)で表わされる構造を有するものを挙げることができる。前記一般式(4)で表される化合物(a)の具体例としては、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピオキシ)]−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(11−アクリロイルオキシ−ウンデシルオキシ)フェニル]−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。これらの化合物(a)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
化合物(a)と共重合させる二重結合含有成分(h)としては、(メタ)アクリル酸系モノマーが好適である。このような(メタ)アクリル酸系モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。なお、二重結合含有成分(h)としては、スチレン系モノマーやアクリロニトリル系モノマーも使用することができる。これらの二重結合含有成分(h)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
紫外線吸収型ポリマー(A)に含まれる化合物(a)に由来する構成単位の割合が高いほど、紫外線吸収効果は高まる。しかしながら、化合物(a)に由来する構成単位の含有割合が高過ぎると、合成時の紫外線吸収型ポリマー(A)の安定性や、ポリウレタン(B)との相溶性が低下する傾向にある。このため、紫外線吸収型ポリマー(A)に含まれる化合物(a)に由来する構成単位の割合は、1〜80質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましい。
化合物(a)以外の重合成分として、カルボキシル基などの親水性基を有するモノマーを用いることで、水分散性が付与された紫外線吸収型ポリマー(A)を得ることができる。なお、親水性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸等を挙げることができる。紫外線吸収型ポリマー(A)は、酸価が高いほど水分散性は高まる。しかしながら、酸価が高すぎる紫外線吸収型ポリマー(A)を含有するポリマー組成物を用いて形成される塗膜は、耐水性が低下したり、硬くなりすぎて塗料性能が低下したりする傾向にある。このため、紫外線吸収型ポリマー(A)の酸価は、2〜200mgKOH/gであることが好ましく、5〜100mgKOH/gであることがさらに好ましい。
二重結合含有成分(h)として、(メタ)アクリル酸と長鎖アルコールとのエステルを用いると、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)が低下する傾向にある。このようなガラス転移点(Tg)の低い紫外線吸収型ポリマー(A)を用いると、柔軟性が向上した塗膜を形成可能な、造膜性に優れたポリマー組成物とすることができる。一方、二重結合含有成分(h)として、(メタ)アクリル酸と短鎖アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、又はアクリロニトリルを用いると、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)が高まる傾向にある。このようなガラス転移点(Tg)の高い紫外線吸収型ポリマー(A)を用いると、耐久性及び強靭性が向上した塗膜を形成可能なポリマー組成物とすることができる。すなわち、紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)が適当な数値となるように、重合成分の種類や比率を選択することで、強靭性の高い塗膜を形成可能であるとともに、造膜性に優れたポリマー組成物を得ることができる。具体的には、二種類以上の(メタ)アクリル酸系モノマーを二重結合含有成分(h)として用いることが好ましい。また、紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)は−20〜160℃であることが好ましい。紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)が160℃超であると、造膜性及び相溶性が低下する傾向にある。一方、紫外線吸収型ポリマー(A)のガラス転移点(Tg)が−20℃未満であると、塗膜形成時にタックが生じやすくなるとともに、耐熱性などの耐久性が低下する傾向にある。
紫外線吸収型ポリマー(A)を得るために用いられる重合成分には、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)の紫外線吸収機能、耐久性、水分散性、及び相溶性などの特性を損なわない範囲で、光安定性や酸化防止機能などの「その他の機能」を有するモノマー(重合成分)を含有させてもよい。このような「その他の機能」を有するモノマーの具体例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等を挙げることができる。これらのモノマーは、ヒンダードアミン系光安定剤の部分構造である。
(紫外線吸収型ポリマー(A)の製造方法)
紫外線吸収型ポリマー(A)は、化合物(a)と二重結合含有成分(h)を含む重合成分を、例えば、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合などの従来公知の重合方法によって重合することで得ることができる。例えば、溶液重合においては、重合開始剤の存在下、適当な溶剤中で重合成分を重合させればよい。なお、溶液重合では、通常、乳化剤を用いないので、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)の相溶性、透明性、及び耐水性が良好になる。
溶液重合の際に用いる溶剤の種類は、重合反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。溶剤の具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレンングリコールなどのアルコール系溶剤;石油エーテル、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系溶剤を挙げることができる。これらのなかでも、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)が水分散性になることから、水と混和するアルコール系溶剤、エーテル系溶剤、アミド系溶剤が好ましい。溶剤の使用量は、重合反応の条件によって適宜決定される。通常、重合成分に対して質量比で0.1〜100倍程度、好ましくは0.2〜20倍程度である。なお、これらの溶剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤としては、従来既知のものを用いることができる。重合開始剤の具体例としては、過酸化ベンゾイル、ジブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの過酸化物類;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系重合開始剤を挙げることができる。これらの重合開始剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。重合開始剤の使用量は特に限定されないが、通常、重合成分に対して0.1〜10質量%程度である。
重合反応の温度は、反応条件によって適宜設定される。通常は、室温(25℃)〜使用する溶剤の沸点以下の温度であればよい。また、得られる紫外線吸収型ポリマー(A)の重合度を調整するために、メルカプタン類などの連鎖移動剤やハイドロキノンなどの重合禁止剤を重合反応系に添加してもよい。
このようして得られる紫外線吸収型ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、非ブリードアウト性、耐熱性、耐久性、水分散性、相溶性、塗膜性能などの諸性能を満足するためには、1,000〜1,500,000であることが好ましく、5,000〜100,000であることがさらに好ましい。なお、本明細書における「重量平均分子量(Mw)」及び「数平均分子量(Mn)」とは、特に断らない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値を意味する。
溶液重合によって得られた紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液を、例えば溶液状態の高分子製品に添加することで、紫外線吸収剤として使用することができる。また、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液から溶剤を蒸発させて乾固させたものを高分子製品に練り込んでも、紫外線吸収剤として使用することができる。
なお、水分散体とすることで、紫外線吸収型ポリマー(A)の機能がさらに有効に発揮される処理剤を得ることができる。紫外線吸収型ポリマー(A)の水分散体を調製するには、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液に中和剤を添加して紫外線吸収型ポリマー(A)の塩を形成させた後、水を投入すればよい。中和剤は、水に溶解又は分散させたものを添加してもよい。
中和剤の具体例としては、アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノールなどの有機アミン類;リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ類を挙げることができる。中和剤の添加量は、通常は、紫外線吸収型ポリマー(A)のカルボキシル基に対して0.8〜1当量とすることが好ましいが、紫外線吸収型ポリマー(A)の酸価が高い場合は中和剤の添加量を減らすことも可能である。
紫外線吸収型ポリマー(A)の水分散体は、必要に応じて、減圧蒸留などの方法により脱溶剤して重合時に使用した溶剤を除去し、VOCを含まない水分散体とすることができる。紫外線吸収型ポリマー(A)を、VOCを含まない水分散体とすることにより、PUD(B)と配合する際にPUD(B)の分散安定性を高めることができる。また、得られたポリマー組成物を、処理剤として使用する際の作業環境が大幅に改善される。
(ポリウレタン(B)のディスパージョン)
ポリウレタン(B)は、活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く)を有する化合物(b)と、ポリオール(c)及び/又はポリアミン(d)と、ポリイソシアネート(e)とを含む反応成分を反応させて得られる。より好ましくは、ポリウレタン(B)は、化合物(b)、ポリオール(c)、及びポリアミン(d)、並びに必要に応じて用いられる短鎖ジオール成分(f)及び短鎖ジアミン成分(g)の合計の活性水素含有基(アニオン性親水性基を除く)(1)と、ポリイソシアネート(e)のイソシアネート基(2)とを、(1)/(2)=0.9〜1.5の当量比(モル比)で反応させて得られる。
ポリウレタン(B)の「ディスパージョン」の形態は、淡青色ないし淡白色の透明で均一な分散体であり、経時的に沈降することもない。その粒子径は1nm〜1,000nmであり、好ましくは、5nm〜400nmである。粒子径が1nmに達しないと溶液となり、分子量が大きくならず、一方、1,000nmを超えると濁りを生じ、沈降が容易となり安定性に問題が生じる。
本明細書における「ポリウレタン」とは、ポリウレタン及びポリウレタン−ウレアの総称を意味する。なお、この「ポリウレタン」は、必要に応じてアミン成分を反応させたものであってもよい。また、本明細書における「活性水素含有基」とは、イソシアネート基との反応性を有する、活性水素を持った官能基を意味する。このような「活性水素含有基」の具体例としては、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、及びアミノ基などを挙げることができる。
活性水素含有基及びアニオン性親水性基を有する化合物(b)は、そのアニオン性親水性基によって得られるポリウレタン(B)に水分散性を付与する構成要素である。すなわち、ポリウレタン(B)は、乳化剤を用いなくても安定な自己乳化型分散体となりうる。化合物(b)としては、前記一般式(5)で表される化合物を挙げることができる。具体的には、スルホン酸系化合物、カルボン酸系化合物、及びリン酸系化合物などを化合物(b)として用いることができる。これらの化合物(b)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
スルホン酸系化合物の具体例としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸などを挙げることができる。カルボン酸系化合物の具体例としては、ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸などのジメチロールアルカン酸;ジメチロールアルカン酸のアルキレンオキシド低モル付加物(末端官能基定量による数平均分子量500未満);ジメチロールアルカン酸のε−カプロラクトン低モル付加物(末端官能基定量による数平均分子量500未満);ジメチロールアルカン酸の酸無水物とグリセリンとから誘導されるハーフエステル類;ジメチロールアルカン酸の水酸基と、不飽和結合を有するモノマーと、カルボキシル基及び不飽和結合を有するモノマーと、をフリーラジカル反応させて得られる化合物などを挙げることができる。なかでも、ジメチロールプロパン酸、及びジメチロールブタン酸などのジメチロールアルカン酸が、入手の容易さ、酸価の調整のしやすさなどの観点から好適である。反応成分中の化合物(b)の含有量は、得られるポリウレタン(B)の水分散性と耐水性の両立といった観点から設定される。より具体的には、反応成分中の化合物(b)の含有量は、得られるポリウレタン(B)の酸価が2〜200mgKOH/gとなる量とすることが好ましく、5〜100mgKOH/gとなる量とすることがさらに好ましい。
ポリオール(c)は単独で、又はポリアミン(d)と併用することで、ポリウレタン(B)の主骨格を構成しうる成分である。ポリオール(c)としては、ウレタン合成に用いられている従来公知のポリオールを用いることができる。ポリオール(c)の具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びその他のポリオールなどを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、脂肪族系ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸など)及び/又は芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、テレフタル酸など)と、低分子量グリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール,1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)と、を縮重合したものが例示される。
このようなポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ−3−メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ−3−メチルバレロラクトンジオールなどを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体などを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体などを挙げることができる。
その他のポリオールの具体例としては、ダイマージオール、ポリブタジエンポリオール及びその水素添加物、ポリイソプレンポリオール及びその水素添加物、アクリルポリオール、エポキシポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、シロキサン変性ポリオール、α,ω−ポリメチルメタクリレートジオール、α,ω−ポリブチルメタクリレートジオールなどを挙げることができる。
ポリオール(c)の数平均分子量(Mn、末端官能基定量による)は、特に限定されないが、500〜3,000であることが好ましい。ポリオール(c)の数平均分子量(Mn)が3,000超であると、ウレタン結合の凝集力が発現し難くなって機械特性が低下する傾向にある。また、数平均分子量が3,000超の結晶性ポリオールは、皮膜化した際に白化現象を引き起こす場合がある。なお、ポリオール(c)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミン(d)は単独で、又は上記のポリオール(c)と併用することで、ポリウレタン(B)の主骨格を構成しうる成分である。ポリアミン(d)の具体例としては、長鎖アルキレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、末端アミンポリアミド、シロキサン変性ポリアミン類などを挙げることができる。
ポリイソシアネート(e)としては、ポリウレタンの製造に用いられている従来公知のもポリイソシアネートを用いることができる。ポリイソシアネート(e)の具体例としては、トルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4'−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、ジュリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o−ニトロベンジジンジイソシアネート、4,4'−ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネート;メチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添XDIなどの脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートと、低分子量のポリオール又はポリアミンとを、末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなどを挙げることができる。耐候性に優れたポリマー組成物を得るといった観点からは、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環式ジイソシアネートが好ましい。
なお、ポリウレタン(B)を得るための反応成分として、必要に応じて、短鎖ジオール成分(f)及び/又は短鎖ジアミン成分(g)を用いることも好ましい。短鎖ジオール成分(f)の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(末端官能基定量による数平均分子量500未満);1,4−ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式グリコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満、同上);キシリレングリコールなどの芳香族グリコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満、同上);ビスフェノールA、チオビスフェノール、スルホンビスフェノールなどのビスフェノール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物(数平均分子量500未満、同上);C〜C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミンなどを挙げることができる。
なお、短鎖ジオール成分(f)として、多価アルコール系化合物を用いることもできる。このような多価アルコール系化合物の具体例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、トリス−(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパンなどを挙げることができる。なお、短鎖ジオール成分(f)としてポリオールを用いる場合には、そのようなポリオールとしてはジオール化合物が好ましい。これらの短鎖ジオール成分(f)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
短鎖ジアミン成分(g)の具体例としては、メチレンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物;フェニレンジアミン、3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−メチレンビス(フェニルアミン)、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン化合物;シクロペンチルジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン化合物などを挙げることができる。さらには、ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類を、短鎖ジアミン成分(g)として用いることができる。なお、水分散させたプレポリマーの鎖伸長剤として短鎖ジアミン成分(g)を用いる場合には、短鎖ジアミン成分(g)は水溶性であることが好ましい。なお、短鎖ジアミン成分(g)としてポリアミンを用いる場合には、そのようなポリアミンとしてはジアミン化合物が好ましい。これらの短鎖ジアミン成分(g)は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリウレタン(B)のディスパージョンの製造方法)
ポリウレタン(B)は、従来公知のポリウレタンの製造方法により製造することができる。具体的には、先ず、分子内に活性水素を含まない有機溶剤の存在下又は不存在下、化合物(b)と、ポリオール(c)及び/又はポリアミン(d)と、ポリイソシアネート(e)と、鎖伸長剤として必要に応じて用いられる短鎖ジオール成分(f)とからなる反応成分を反応させて反応物(例えばプレポリマー)を得る。反応成分は、一般的には末端イソシアネート基を有するプレポリマーが形成される配合組成とすればよい。また、ワンショット法又は多段法により、通常20〜150℃、好ましくは60〜110℃で、理論イソシアネート%となるまで反応させればよい。
得られた反応物(プレポリマー)に水と中和剤を添加して乳化させれば、ポリウレタン(B)のディスパージョン(水分散体)を得ることができる。中和剤としては、紫外線吸収型ポリマー(A)の水分散体を調製する際に用いられるものと同様の有機アミン類、アルカリ金属、無機アルカリ類を用いることができる。なお、必要に応じて、プレポリマーに短鎖ジアミン成分(g)を反応させて所望の分子量となるように鎖伸長させてもよい。また、化合物(b)、ポリオール(c)、ポリアミン(d)、短鎖ジオール成分(f)、及び短鎖ジアミン成分(g)の合計の活性水素含有基(アニオン性親水性基を除く)(1)と、ポリイソシアネート(e)のイソシアネート基(2)とを、(1)/(2)=0.9〜1.5の当量比(モル比)で反応させることが好ましい。さらに、必要に応じて脱溶剤することで、ポリウレタン(B)を得ることもできる。
上記のようにして得られるポリウレタン(B)の重量平均分子量(Mw)は1,000〜500,000であることが、ポリウレタンの柔軟性、接着性、及び耐摩耗性などの特性がより有効に発揮されるために好ましい。
本発明では、ウレタン合成において、必要に応じて触媒を使用できる。例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸亜鉛、テトラn−ブチルチタネートなどの金属と有機及び無機酸の塩、及び有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミン、ジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。
ポリウレタン(B)は、溶剤を用いずに合成しても、有機溶剤を用いて合成してもよい。有機溶剤としては、イソシアネート基に対して不活性な有機溶剤、又はイソシアネート基に対して反応成分よりも低活性な有機溶剤を用いることができる。有機溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;トルエン、キシレン、スワゾール(商品名、コスモ石油社製)、ソルベッソ(商品名、エクソン化学社製)などの芳香族系炭化水素溶剤;n−ヘキサンなどの脂肪族系炭化水素溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤;エチレングリコールエチルエーテルアセテ−ト、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネートなどのグリコールエーテルエステル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム系溶剤などを挙げることができる。これらのなかでも、溶剤回収の容易さ、反応成分の溶解性、反応性、沸点、及び水への乳化分散性などを考慮すれば、メチルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、及びテトラヒドロフランが好ましい。
なお、ウレタン合成において、イソシアネート基がポリマー末端に残った場合、イソシアネート基の停止反応を行うことも好ましい。イソシアネート基の停止反応は、イソシアネート基との反応性を有する化合物を用いて行うことができる。このような化合物としては、モノアルコール、モノアミンなどの単官能性の化合物;イソシアネートに対して異なる反応性を有する二種の官能基を有する化合物を用いることができる。このような化合物の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのモノアルコール;モノエチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミンなどのモノアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどを挙げることができる。これらのなかでもアルカノールアミンが、反応制御が容易であるために好ましい。
(ポリマー組成物及びその製造方法)
紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体と、ポリウレタン(B)のディスパージョンとを混合することで、本発明のポリマー組成物を製造することができる。また、ポリウレタン(B)を調製する途中の段階で、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体と混合することも好ましい態様である。より具体的には、(1)ポリウレタン(B)のプレポリマー反応の終了後、プレポリマーを水に乳化(分散)させる前の段階、又は(2)プレポリマーを水に乳化(分散)させた後であって鎖伸長反応を行う前の段階(中間段階)で、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体を添加し、その後、必要に応じて鎖伸長反応を行えばよい。このように、ポリウレタン(B)のディスパージョンを調製する途中の段階で、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体を添加して混合すると、ショック凝集が極めて発生し難くなる。また、紫外線吸収型ポリマー(A)とポリウレタン(B)との相溶性がさらに向上する。そして、このようにして得られたポリマー組成物をコーティング素材とする場合、透明性が高く、高光沢な塗膜を形成することができ、合成擬革用表面処理用コーティング剤として着色剤、艶消し剤を配合しても白ボケしたりくすんだりしない。
本発明のコーティング剤に含まれる紫外線吸収型ポリマー(A)の割合は、ポリマー組成物中の全樹脂成分に対して0.1〜50質量%とすることが好ましく、1〜50質量%とすることがさらに好ましい。また、本発明のポリマー組成物には、その水分散安定性や相溶性などを損なわない範囲で、その他樹脂、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、フィラー、着色剤、架橋剤などの従来公知の添加剤を添加し、性能向上を図る、或いは機能性又は意匠性を付与した表面処理剤とすることができる。
本発明のコーティング剤は、架橋剤を添加することにより耐久性がさらに向上した擬革を得ることができる。特に、紫外線吸収型ポリマー(A)及びポリウレタン(B)の分子中に存在するカルボキシル基と反応しうる架橋剤を使用し、紫外線吸収型ポリマー(A)とポリウレタン(B)とを架橋反応させることが好ましい。
架橋剤としては、オキサゾリン化合物、水系エポキシ化合物、水系カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、水系イソシアネート化合物、金属錯体系架橋剤などの従来公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤のなかでも、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物が好ましい。架橋剤として用いることのできるエポキシ化合物の市販品としては、「jER」(三菱化学社製)などを挙げることができる。カルボジイミド化合物の市販品としては、「カルボジライト」(日清紡ケミカル社製)などを挙げることができる。アジリジン化合物の市販品としてはとしては、「ケミタイト」(日本触媒社製)などをあげることができる。オキサゾリン化合物の市販品としては、「エポクロス」(日本触媒社製)などを挙げることができる。イソシアネート化合物の市販品としては、「デュラネート」(旭化成ケミカルズ社製)などを挙げることができる。
これらの架橋剤は、適量であれば耐熱性や耐候性の向上に有効である。但し、架橋剤の使用量が多すぎると、皮膜の脆化を引き起こす場合がある。このため、架橋剤の使用量は、ポリマー組成物中の樹脂成分100質量部に対して40質量部以下とすることが好ましく、0.5〜10質量部とすることがさらに好ましい。
(コーティング剤の用途)
本発明に係るコーティング剤を塗布するのに適した塗布対象物は、種々の素材からなるものであり、限定されるものではなく、例えば、プラスチックシート、フィルム、ガラス、テント、ゴム、金属等の塗布を必要とする素材等を挙げることができるが、インパネ、ドア、コンソール、座席シート等の車輌内装材に用いられる素材に対して顕著な効果を発揮する。特に、湿式法、乾式法又は熱可塑性樹脂レザー等の方法により作製される各種合成擬革の表面にグラビア、スプレー等の手法により塗布することにより著しく顕著な効果を奏するので、本発明に係るコーティング剤が特に効果を発揮する合成擬革とコーティング剤を用いた表面処理について以下説明する。
ポリウレタン樹脂が、その優れた性質をもとに合成擬革に用いられていることは既述したが、ポリウレタン系樹脂を用いた合成擬革は、例えば、以下の主工程を経る湿式法などによって製造されている。先ず、例えば、繊維質基材層上に、ポリウレタン系樹脂のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を主体とした有機溶剤の溶液を塗布し、水中で凝固させてミクロポーラス層を形成させる。次いで、上記ミクロポーラス層上に、各種有機溶剤に溶解したポリウレタン系樹脂溶液を、グラビアなどの塗布機でダイレクトコートし、乾燥させて表皮層(銀面層)を形成させるか、或いはポリウレタン系樹脂溶液を離型紙上に塗布し、乾燥して形成される皮膜面に接着剤層を形成し、これらの層を上記ミクロポーラス層に転写する方法が挙げられる。
また合成擬革は、その表面にコーティング剤を処理することで意匠性(色、光沢あるいは艶消し、および触感など)、耐久性(耐光性、耐摩耗性、耐薬品性)を高めることができる。本発明のコーティング剤は、紫外線吸収剤成分によって耐光性を付与するだけでなく、高分子量化しているため耐熱性、耐候性に優れ、またブリードアウトせず長期的に性能を発揮し、更に乳化剤などの添加物を使用しないため、耐水性に優れ、添加剤のブリードアウトもない。本発明のコーティング剤はその特徴としてPUD成分を含むため、密着性および柔軟性に優れ、合成擬革用表面処理剤として好適である。
前記の通り、本発明のコーティング剤を塗工することによって紫外線吸収成分による耐光性の向上だけでなく、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性などの耐久性に優れた擬革を提供できる。
以下、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)<紫外線吸収型ポリマー(A)の合成>
[合成例A1:ベンゾトリアゾール型ポリマー(溶液)]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、メチルエチルケトン(MEK)100g、及び2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(大塚化学社製、商品名「RUVA−93」、以下「(a)−1」と記す)50gを仕込み、窒素雰囲気下で60℃に加熱した。メタクリル酸メチル38g、メタクリル酸5g、メタクリル酸ヒドロキシエチル3g、アクリル酸ブチル3g、アクリル酸エチル1g、及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2gの混合物を用意した。混合物の半分を反応容器内に添加し、残りの半分を滴下ロートで1時間かけて反応容器内に滴下した。滴下後、そのままの状態で6時間反応させて、酸価が32.6mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)が37,000、及び数平均分子量(Mn)が15,000の紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A2:ベンゾトリアゾール型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A3:ベンゾトリアゾール型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A4:ベンゾトリアゾール型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A5:ベンゾフェノン型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A6:サリシレート型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
[合成例A7:トリアジン型ポリマー(溶液)]
表1に示す配合としたこと以外は、前述の合成例A1と同様にして紫外線吸収型ポリマーの溶液(固形分濃度50%)を得た。
表1中の略号の意味を以下に示す。
(a)−1:2−[2'−ヒドロキシ−5'−(メタクリロキシエチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
(a)−2:2−[2'−ヒドロキシ−5'−(2'−ヒドロキシ−3'−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
(a)−3:2−ベンゾイル−5−(2'−メタクリロイルオキシエチル)−フェノール
(a)−4:フェニル−3−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル)サリシレート
(a)−5:2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ,2−ドデシロキシメチル)]−1,3,5−トリアジン
MMA:メタクリル酸メチル
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
BA:アクリル酸ブチル
EA:アクリル酸エチル
重合開始剤:2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
[合成例A8:(水分散体)]
合成例A1で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液100gに、トリエチルアミン(TEA)2.9g(紫外線吸収型ポリマーのカルボキシル基に対して当量)と及びイオン交換水113.8gからなるTEA水溶液を撹拌しながら少量ずつ添加した。反応系が均一になった後、真空脱気によりMEKを除去して、透明な紫外線吸収型ポリマーの水分散体(固形分濃度30%)を得た。
[合成例A9〜A14(水分散体)]
合成例A1で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液に代えて、合成例A2〜A7で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液を用いたこと以外は、前述の合成例A8と同様にして紫外線吸収型ポリマーの水分散体(固形分濃度30%)を得た。いずれもの水分散体も微青色〜透明であった。
(2)<ポリウレタン(B)の合成>
[合成例B1:ポリウレタン(B1)のディスパージョン]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)6.0g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(商品名「プラクセルCD220」、ダイセル化学工業社製、末端官能基定量による数平均分子量2000)100g、及びMEK59.0gを仕込んだ。次いで、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)31.9g(OH基に対してNCO基が2倍当量)を加え、樹脂のNCO基が理論値の4.0%となるまで90℃で反応を行ってウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー溶液を40℃に冷却した後、TEA4.5gを添加した。さらに、イオン交換水317.3gを添加し、系内が均一になるまで撹拌して乳化させることでウレタンプレポリマー水分散体を得た。得られたウレタンプレポリマー水分散体に、イソホロンジアミン(IPDA)15.3gをイオン交換水35.7gで希釈したものを滴下して、ウレタンプレポリマーのNCO基と反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで攪拌した。次いで、真空脱気によりMEKを除去して、酸価が16.4mgKOH/gのポリウレタン(B1)のディスパージョン(固形分濃度30%)を得た。
(3)<ポリマー組成物の製造>
以下に示す「製造法1」、「製造法2」、又は「製造法3」にしたがってポリマー組成物を製造した。
「製造法1」:別々に合成した紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体とポリウレタン(B)のディスパージョンとを混合する。
「製造法2」:ポリウレタン(B)のプレポリマーを調製したところに、紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液を添加して均一に水分散させた後、ウレタンの鎖伸長反応を行う。
「製造法3」:ポリウレタン(B)のプレポリマーを調製して水分散させた後、紫外線吸収型ポリマー(A)の水分散体を添加し、次いで、ウレタンの鎖伸長反応を行う。
[実施例1:ポリマー組成物(製造法1)]
ポリウレタン(B1)のディスパージョン100gに対して、合成例A8で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体4.1gを撹拌しながら少量ずつ添加してポリマー組成物(実施例1)を得た。得られたポリマー組成物はほぼ透明であり、析出物なども発生しなかった。また、得られたポリマー組成物の固形分濃度は30%、固形分(樹脂成分)の酸価は17.0mgKOH/g、及び固形分に含まれる化合物(a)に由来する構成単位の割合(化合物(a)含有割合)は2%であった。
[実施例2〜7:ポリマー組成物(製造法1)]
合成例A8で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体に代えて、合成例A9〜A14で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体を用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてポリマー組成物(実施例2〜7)を得た。いずれのポリマー組成物もほぼ透明であり、析出物なども発生しなかった。得られたポリマー組成物の性状を表2に示す。
[実施例8:ポリマー組成物(製造法2)]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、DMPA10.0g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(プラクセルCD220)100g、及びMEK70.9gを仕込んだ。次いで、イソホロンジイソシアネート(IPDI)55.3g(OH基に対してNCO基が2倍当量)を加え、樹脂のNCO基が理論値の4.4%となるまで90℃で反応を行ってウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー溶液を40℃に冷却した後、合成例A1で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液15.2gを添加した。さらにTEA8.0gを添加した後、イオン交換水395.4gを添加し、系内が均一になるまで攪拌して乳化させることでウレタンプレポリマー水分散体を得た。得られたウレタンプレポリマー水分散体に、IPDA20.1gをイオン交換水46.9gで希釈したものを滴下して、ウレタンプレポリマーのNCO基と反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで攪拌した。次いで、真空脱気によりMEKを除去してポリマー組成物(実施例8)を得た。得られたポリマー組成物の固形分濃度は30%、固形分(樹脂成分)の酸価は23.0mgKOH/g、及び化合物(a)含有割合は2%であった。なお、得られたポリマー組成物に含まれるポリウレタンを「ポリウレタン(B2)」とする。
[実施例9〜14:ポリマー組成物(製造法2)]
合成例A1で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液に代えて、合成例A2〜A7で得た紫外線吸収型ポリマーの溶液を用いたこと以外は、前述の実施例8と同様にしてポリマー組成物(実施例9〜14)を得た。得られたポリマー組成物の性状を表2に示す。
[実施例15:ポリマー組成物(製造法3)]
攪拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換した後、DMPA12.0g、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール(プラクセルCD220)100g、及びMEK79.4gを仕込んだ。次いで、水添MDI(HMDI)73.2g(OH基に対してNCO基が2倍当量)を加え、樹脂のNCO基が理論値の4.4%となるまで90℃で反応を行ってウレタンプレポリマー溶液を得た。得られたウレタンプレポリマー溶液を40℃に冷却した後、TEA9.1gをイオン交換水423.0gに溶解させた水溶液を添加し、系内が均一になるまで攪拌して乳化させることでウレタンプレポリマー水分散体を得た。得られたウレタンプレポリマー水分散体に、合成例A8で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体28.3gを添加した。さらに、IPDA22.5gを水52.5gで希釈したものを滴下して、ウレタンプレポリマーのNCO基と反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される、遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで攪拌した。次いで、真空脱気によりMEKをしてポリマー組成物(実施例15)を得た。得られたポリマー組成物の固形分濃度は30%、固形分(樹脂)の酸価は24.5mgKOH/g、及び化合物(a)含有割合は2%であった。なお、得られたポリマー組成物に含まれるポリウレタンを「ポリウレタン(B3)」とする。
[実施例16〜21:ポリマー組成物(製造法3)]
合成例A8で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体に代えて、合成例A9〜A14で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体を用いたこと以外は、前述の実施例15と同様にしてポリマー組成物(実施例16〜21)を得た。得られたポリマー組成物の性状を表2に示す。
[比較例1:高分子紫外線吸収剤の配合]
合成例B1で得たポリウレタン(B1)のディスパージョン100gに、高分子紫外線吸収剤(商品名「ULS−1700」、一方社油脂工業社製、ベンゾトリアゾール系のノニオン性水エマルション)3.1g、及びイオン交換水1.0gを添加して、高分子紫外線吸収剤を配合したポリマー組成物(比較例1)を得た。得られたポリマー組成物の固形分濃度は30%であった。
[比較例2:低分子紫外線吸収剤の配合]
2−(2H−べンゾトリアゾール−2−イル)−4',6−ジ−tert−ペンチルフェノール(商品名「チヌビン328」、BASF社製)3.1gをウレタンプレポリマー溶液に添加したこと以外は、前述の合成例B1と同様にして、低分子紫外線吸収剤を配合したポリマー組成物(比較例2)を得た。得られたポリマー組成物の固形分濃度は30%、固形分(樹脂)の酸価は16.4mgKOH/gであった。
[比較例3:紫外線吸収型ポリマーの水分散体]
前述の合成例A8で得た紫外線吸収型ポリマーの水分散体(固形分濃度30%)を「比較例3のポリマー組成物」とする。
(4)<試験例>
[試験1:塗膜性状]
実施例1〜21及び比較例1〜3のポリマー組成物を、それぞれPETフィルム上にコーティングした後、加熱乾燥して、膜厚20μmの塗膜が形成された塗工フィルムを得た。
実施例1〜21のポリマー組成物を用いた場合には、透明で良好なフィルムを得ることができた。特に、実施例8〜21のポリマー組成物を用いた場合には、形成された塗膜が高い光沢を有していた。これに対して、比較例1及び2のポリマー組成物を用いて形成した塗膜は白濁していた。また、比較例3のポリマー組成物を用いて形成した塗膜には亀裂が生じており、PETフィルムから塗膜の一部が剥離していた。比較例1及び2のポリマー組成物は、相溶性が良好ではないために、形成された塗膜が白濁したと考えられる。また、比較例3のポリマー組成物は、ガラス転移点(Tg)が高いアクリル樹脂のみを樹脂成分として含むものであるために、成膜性及び密着性が良好ではないと考えられる。得られたフィルムの外観の評価結果を表3に示す。
<フィルム外観の評価基準>
◎:透明高光沢塗膜
○:透明塗膜
×:白濁塗膜
××:塗膜に亀裂及び剥離
[試験2:紫外線吸収機能]
実施例1のポリマー組成物と、合成例B1で得たポリウレタン(B1)のディスパージョンを、それぞれ離型紙上にコーティングした後、加熱乾燥して、膜厚20μmのフィルムを得た。日本分光社製の紫外可視分光光度計(Ubest V−550)を使用して、得られたフィルムの紫外線吸収スペクトルを測定した。測定した紫外線吸収スペクトルを図1に示す。図1に示すように、実施例1のポリマー組成物は、十分な紫外線吸収機能を有するフィルムを形成可能であることが明らかである。
[試験3:赤外線吸収機能]
実施例1のポリマー組成物を離型紙上にコーティングした後、加熱乾燥して、膜厚10μmのフィルムを得た。日本分光社製のフーリエ変換赤外分光光度計(FT/IR−350)を使用して、得られたフィルムの赤外線吸収スペクトルを測定した。測定した赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
[試験4:耐水性及び耐溶剤性(実施例22〜27、比較例1及び2)]
実施例1のポリマー組成物に対して、表4に示す配合で各種架橋剤を配合した(実施例22〜27)。
実施例22〜27のポリマー組成物、並びに比較例1及び2のポリマー組成物を、それぞれ易接着処理したPETフィルム上にコーティングした後、100℃で5分間乾燥して、膜厚20μmの塗膜(フィルム)を形成した。形成された塗膜を50℃で3日間エージングした後、室温にて脱イオン水とトルエンにそれぞれ1時間浸漬した後に引き上げ、塗膜の状態を観察した。なお、脱イオン水に浸漬した塗膜は、耐水性の評価に用いた。また、トルエンに浸漬した塗膜は、耐溶剤性の評価に用いた。耐水性及び耐溶剤性の評価結果を表5に示す。
耐水性に関し、実施例22〜27のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、いずれも外観に変化はなく、透明なままであった。これに対して、比較例1及び2のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、いずれもさらに白化した。
耐溶剤性に関し、架橋剤を配合した実施例23〜27のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、いずれも外観に変化はなく、透明なままであった。これに対して、架橋剤を配合していない実施例22のポリマー組成物、及び比較例1及び2のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、いずれも膨潤した。
[試験5:非ブリードアウト性]
前述の「試験4」と同様にして形成した塗膜(フィルム)を室温条件下に放置し、経時変化を観察した。非ブリードアウト性の評価結果を表5に示す。
実施例22〜27及び比較例1のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、いずれも外観に変化はなく、透明なままであった(但し、比較例1のポリマー組成物を用いて形成された塗膜は、初期段階で白濁していた)。これに対して、比較例2のポリマー組成物を用いて形成された塗膜については、低分子紫外線吸収剤がブリードアウトしており、白く粉をふいたような外観となった。
<耐水性、耐溶剤性、及び非ブリードアウト性の評価基準>
耐水性
○:変化なし、△:白濁のまま、×:激しく白化
耐溶剤性
◎変化なし、○:膨潤
非ブリードアウト性
○:変化なし、×:ブリードアウト
以上より、自己乳化型の高分子紫外線吸収剤(紫外線吸収型ポリマー)とポリウレタン(B)ディスパージョンとを含む実施例のポリマー組成物を用いれば、耐水性及び非ブリードアウト性に優れた塗膜を形成可能であることが明らかである。さらに、架橋剤を添加することで、耐溶剤性にも優れた塗膜を形成することができる。これに対して、乳化剤を用いて水分散させた高分子紫外線吸収剤を添加した比較例1のポリマー組成物では、形成される塗膜の耐水性が不十分であった。また、低分子紫外線吸収剤を添加した比較例2のポリマー組成物では、低分子紫外線吸収剤の経時的なブリードアウトが観察された。
合成擬革実施例
<擬革用樹脂>
[樹脂合成例1]
撹拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、CD−220を100部、エチレングリコールを15部、DMF(ジメチルホルムアミド)を284部仕込み、70℃に加温した。ここに、MDI(メチレンビス(4−フェニルイソシアネート))を74部(水酸基とイソシアネート基が当量)投入し、IRスペクトルにてイソシアネートの吸収がなくなるまで加熱撹拌した。その後、DMFを157部添加し、固形分30%のポリウレタン樹脂溶液PU1を得た。
[樹脂合成例2]
撹拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、CD−220を100部、DMPAを7.1部およびIPDIを35.3部(イソシアネート基と水酸基の比率が1.5)仕込み、90℃で加熱撹拌した。NCO%が理論値に達したところで40℃まで冷却し、TEA5.3部を添加し、均一になったところで、脱イオン水348部を激しく撹拌しながら徐々に投入してプレポリマーの水分散液を調製した。続いてIPDAを9部添加して鎖伸長反応を行い、固形分30%の水分散ポリウレタン樹脂PU2を得た。
[樹脂合成例3]
撹拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、CD−220を100部、1,4−ブタンジオールを15部、DMFを187.2部およびIPDIを72.2部(イソシアネート基と水酸基の比率が1.5)仕込み、90℃で加熱撹拌した。NCO%が理論値に達したところで20℃まで冷却し、IPDA18.4部とDMF292.5部を添加して鎖伸長反応を行い、固形分30%のポリウレタン樹脂溶液PU3を得た。
[樹脂合成例4]
ポリエステルポリオール(1,4−ブタンジオール/アジピン酸縮合物、分子量2,000)を100部、1,4−ブタンジオールを15部、MDIを54.2部(水酸基とイソシアネート基が当量)、を均一に撹拌し、トレー中に注入して100℃で反応させた。得られた反応生成物を粉砕後、押出機を用いて200〜230℃でペレット化し、TPU(熱可塑性ポリウレタン)PU4のペレットを得た。
[樹脂合成例5]
撹拌機、冷却管、温度計、窒素吹き込み管およびマンホールを備えた反応容器を窒素ガスで置換した後、ポリエステルポリオール(1,4−ブタンジオール/アジピン酸縮合物、分子量3,000)を200部、DMFを90.5部仕込み、70℃に加温した。ここにTDIを11.2部(水酸基とイソシアネート基が当量)投入し、IRスペクトルにてイソシアネートの吸収がなくなるまで加熱撹拌して、固形分70%のポリウレタン樹脂溶液PU5を得た。
<表面処理層配合液作製>
以下の配合処方により、紫外線吸収型ポリマーと、ポリウレタンのディスパージョンとを含む表面処理層配合液組成物1を調製した。
〔表面処理層配合液組成物1〕
・実施例1ポリマー組成物 100部
・ダイミックビーズUCN−5070C
(ポリウレタンビーズ、大日精化工業社製) 30部
・WT20−100
(旭化成ケミカルズ社製、イソシアネート化合物) 5部
・イオン交換水(固形分が15%となる量) 所定量
同様に以下の配合処方により、紫外線吸収型ポリマーを含まない、ポリウレタンのディスパージョンを含む比較用表面処理層配合液組成物2を調製した。
〔比較用表面処理層配合液組成物2〕
・ポリウレタンB1(紫外線吸収剤なし) 100部
・ダイミックビーズUCN−5070C
(ポリウレタンビーズ、大日精化工業社製) 30部
・WT20−100
(旭化成ケミカルズ社製、イソシアネート化合物) 5部
・イオン交換水(固形分が15%となる量) 所定量
同様に以下の配合処方により、低分子量紫外線吸収型を含む、ポリウレタンのディスパージョンを含む比較用表面処理層配合液組成物3を調製した。
〔比較用表面処理層配合液組成物3〕
・比較例2ポリマー組成物(低分子量紫外線吸収剤含有) 100部
・ダイミックビーズUCN−5070C
(ポリウレタンビーズ、大日精化工業社製) 30部
・WT20−100
(旭化成ケミカルズ社製、イソシアネート化合物) 5部
・イオン交換水(固形分が15%となる量) 所定量
<合成擬革作製>
(湿式法)
[実施例28(合成擬革)]
(基材作成)
下記の配合処方で含浸液組成液4を作成し、該液を不織布に十分に含浸させた後に、130℃で乾燥および熱硬化させ、柔軟性を付与し、基材とする不織布を作製した。
〔含浸液組成物4の配合〕
・レザミンCUT−270W(大日精化工業社製) 100部
・レザミンCUT−275C(大日精化工業社製) 75部
・イオン交換水 600部
先に、樹脂合成例1で合成したポリウレタン樹脂溶液PU1を含む下記の配合処方で、湿式組成液5を作製した。そして、上記で得た不織布に含浸させ、湿式凝固させた後、洗浄、乾燥工程を経て、さらに、面平滑性を付与させるために、その表皮表面部分をバフィング処理した。その結果、非常にソフトな風合いの含浸不織布を得た。なお、ウレタン樹脂溶液、凝固槽中のDMFは回収されるシステムで製造を行った。
〔湿式配合液組成物5〕
・PU1(樹脂合成例1、ポリウレタン樹脂) 100部
・レザミンCUT−30(湿式添加剤、大日精化工業社製) 2部
・レザミンCUT−107(湿式添加剤、大日精化工業社製) 3部
・レザミンCUT−250改(湿式添加剤、大日精化工業社製) 1部
・DMF 250部
上記で得た含浸不織布の表面に、樹脂合成例2で得た水分散ポリウレタン樹脂PU2を含む下記の配合処方で調製した組成物6を、グラビア印刷によってダイレクト塗布した。その際、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布した。塗布後、乾燥機中で溶剤(イオン交換水)を乾燥し、表皮層を形成させた。その後、さらに、表面を処理するために上記の表面処理層配合液組成物1をグラビアコーターで塗工乾燥して、乾燥厚み5μmの表面処理層を形成し、実施例28の合成擬革を作製した。
〔表皮形成層配合液組成物6〕
・PU2(樹脂合成例2、水分散ポリウレタン樹脂) 100部
・セイカセブンDW−794ブラック 25部
・イオン交換水(固形分が20%となる量) 所定量
[実施例29(合成擬革)]
平織りからなる綿生地を機械的に起毛して得られる起毛布上に、樹脂合成例1で合成したポリウレタン樹脂溶液PU1を含む配合の、下記の湿式配合液組成物7を塗布し、塗布層を水中で凝固させて厚み1,000μmのミクロポーラス層を形成させ、水洗、乾燥させた。その後、得られたミクロポーラス層上に、樹脂合成例3で得たポリウレタン樹脂溶液PU3を含む配合の、下記の表皮層配合液組成物8をナイフコーターで塗布乾燥させ、乾燥厚み20μmの表皮層を形成させた。次に、上記の表面処理層配合液組成物1を、グラビアコーターで塗布乾燥させ、乾燥厚み5μmの表面処理層を形成させた。さらに、100℃の温水にて湯もみ加工して、実施例29の合成擬革を作製した。
〔湿式配合液組成物7〕
・PU1(樹脂合成例1、ポリウレタン樹脂) 100部
・レザミンCUT−30(湿式添加剤、大日精化工業社製) 2部
・レザミンCUT−107(湿式添加剤、大日精化工業社製) 3部
・レザミンCUT−250改(湿式添加剤、大日精化工業社製) 1部
・セイカセブンBS−780(s)ブラック 5部
・DMF 150部
〔表皮形成層配合液組成物8〕
・PU3(樹脂合成例3、ポリウレタン樹脂) 100部
・セイカセブンBS−780(s)ブラック 20部
・MEK/DMF=1/1(固形分が20%となる量) 所定量
[実施例30(合成擬革)]
平織りからなる綿生地を機械的に起毛して得られる起毛布上に、上記の湿式配合液組成物7を塗布した。そして、塗布層を水中で凝固させて厚み1,000μmのミクロポーラス層を形成させ、水洗、乾燥させ湿度層形成基布を作製した。次いで、離型紙(DE139大日本印刷株式会社製)上に、上記表皮層配合組成8を塗布し、乾燥して厚み20μmの表皮層を形成させ、上記ミクロポーラス層上に、150℃にて熱ラミネートさせ離型紙を剥離して合成擬革を得た。さらに、表面処理層配合液組成物1をグラビアコーターで塗布乾燥させ、乾燥厚み5μmの表面処理層を形成させて、実施例30の合成擬革を作製した。
[実施例31(合成擬革)]
(乾式法)
離型紙(DE139大日本印刷株式会社製)上に、上記表皮層配合液組成物8を塗布し、乾燥して、厚み20μmの表皮層を形成した。形成した表皮層上に、樹脂合成例5で得たポリウレタン樹脂溶液PU5を含む接着層配合液組成物9を塗布して、厚み200μmの接着剤層を形成し、これをドライラミネート(150℃、クリアランス=0)の条件に合わせて起毛布上に転写した。これに、上記の表面処理層配合液組成物1をグラビアコーターで塗布乾燥させ、乾燥厚み5μmの表面処理層を形成させて実施例31の合成擬革を作製した。
〔接着層配合液組成物9〕
・PU5(樹脂合成例5、ポリウレタン樹脂) 100部
・レザミンUD−架橋剤
(ポリイソシアネート系架橋剤、大日精化工業社製) 10部
・MEK/DMF=1/1(固形分が40%となる量) 所定量
[実施例32(合成擬革)]
(TPUレザー法)
樹脂合成例4で得た熱可塑性ポリウレタンPU4を含むTPUシート配合組成物10をカレンダー加工(150℃)により膜厚300μmのシートを作製した。そのシート状に、上記の表面処理層配合液組成物1をグラビア印刷にて、厚さ10μmドライに塗布、乾燥した後、皮革調のシボ形状を得るためにシボ加工(180℃)を施した。これに、上記接着層配合液組成物9をグラビアコーターにより厚さ30μmとなるように塗布し、基材を貼り合せて、実施例32の合成擬革を作製した。
〔TPUシート配合組成物10〕
・PU4 100部
・ダイミックSZ−7740ブラック 10部
[比較例3(合成擬革)]
実施例31において、表面処理層に用いる配合組成液を、表面処理層配合液組成物2(紫外線吸収剤なし)に変えたほかは同様にして比較例3の合成擬革を作製した。
[比較例4(合成擬革)]
実施例31において、表面処理層に用いる配合組成液を、表面処理層配合液組成物3(低分子量紫外線吸収剤含有)に変えたほかは同様にして比較例4の合成擬革を作製した。
以上のようにして得られた合成擬革シートのサンプルをそれぞれ用い、耐光性、耐熱性、耐摩耗性などの試験を行った。
<評価>
以下に、各試験項目の内容と、その際の評価基準を示した。結果を表6に示した。
[試験6・外観・風合い]
作製した合成擬革を目視にて、下記の基準で評価した。
(評価基準)
1)外観
○:見ための感性がよく、天然皮革調に近いもの
×:天然皮革調に近くないもの
2)風合い
○:ボリューム感があり、ソフトなもの
△:多少ボリューム感はあるが、ミドルなもの
×:ボリューム感がなく、ハードなもの
[試験7・接着強度]
作製した各合成擬革において、表面同士を、接着剤を介して貼り付けて、接着強度の測定を行った。
(評価基準)
○:2kg/cm以上
△:1kg/cm以上2kg/cm未満
×:1kg/cm未満
[試験8・耐加水分解性]
作製した各合成擬革について、高温多湿環境下でのジャングル試験(70℃、相対湿度95%、3週間)を行った。試験前後における表面層の基材との接着強度を測定し、初期強度と比較した強度の保持率で評価した。
(評価基準)
○:保持率が60%以上
△:保持率が30%以上60%未満
×:保持率が30%未満
[試験9・耐磨耗性試験]
作製した合成擬革を、テーバー磨耗機を用いて、磨耗輪H22、荷重500g、100回で試験した後、目視にて外観を評価した。
(評価基準)
○:変化なし
△:若干の磨耗がある
×:磨耗がある
[試験10・耐光性]
作製した各合成擬革について、高温乾燥環境下でのサンシャインウェザオメーター試験(63℃、水無、120時間)を行った。試験前後における塗膜の外観変化を目視にて評価した。
(評価基準)
○:変化なし
△:わずかな変化が見られる
×:変色、割れ、ひびなどが見られる
[試験11・耐熱性]
作製した各合成擬革についてギァオーブンにて試験(120℃、150時間)を実施した。試験前後における塗膜の外観変化を目視にて評価した。
(評価基準)
○:変化なし
△:わずかな変化が見られる
×:変色、割れ、ひびなどが見られる
以上より、自己乳化型の高分子紫外線吸収剤(紫外線吸収型ポリマー)とポリウレタン(B)ディスパージョンとを含む実施例の合成擬革用表面処理用コーティング剤を用いれば、耐久性能に優れた合成擬革を作製可能であることが明らかである。これに対し、紫外線吸収成分を含有しない比較例3では、耐光性が劣り、着色が見られた。また、低分子紫外線吸収剤を添加した比較例4のでは、低分子紫外線吸収剤の経時的なブリードアウトが観察された。
本発明によれば、耐光性、相溶性、耐水性、及び非ブリードアウト性に優れているとともに、高い紫外線吸収機能を有する塗膜を形成可能なポリマー組成物を得ることができ、このポリマー組成物を用いることで耐候性及び耐久性に優れたコーティング剤、特に合成擬革用表面処理用コーティング剤への応用が可能である。

Claims (16)

  1. 紫外線吸収型ポリマー(A)と、ポリウレタン(B)のディスパージョンとからなるポリマー組成物を含有してなる合成擬革の表面処理用コーティング剤であって、
    前記紫外線吸収型ポリマー(A)が、二重結合及び紫外線吸収基を有する化合物(a)と、二重結合含有成分(h)とを含有する重合成分を重合させて得られるカルボキシル基を有する重合生成物であり、
    前記ポリウレタン(B)が、活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く。)を有する化合物(b)とポリオール(c)及び/又はポリアミン(d)と、ポリイソシアネート(e)とを含有する反応成分を反応させて得られる反応生成物であり、
    前記紫外線吸収型ポリマー(A)の酸価が、2〜200mgKOH/gであり、
    前記紫外線吸収型ポリマー(A)に含まれる、前記二重結合及び紫外線吸収基を有する化合物(a)に由来する構成単位の割合が30〜80質量%であり、
    前記紫外線吸収型ポリマー(A)が、中和塩である
    ことを特徴とする合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  2. 前記二重結合及び紫外線吸収基を有する化合物(a)が、下記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
    (前記一般式(1)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、R1は、水素原子又は炭素数10以下のアルキル基を示し、R2は、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシアルカンジイルオキシ基を示し、R3は、水素原子又はメチル基を示す。)
    (前記一般式(2)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、R1は、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシアルカンジイルオキシ基を示し、R2は、水素原
    子又はメチル基を示す。)
    (前記一般式(3)中、Xは、ハロゲン、水素原子、又は炭素数10以下のアルキル基を示し、R1は、単結合、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のオキシアルキレン基、又は炭素数10以下のヒドロキシアルカンジイルオキシ基を示し、R2は、水素原子又はメチル基を示す。)
    (前記一般式(4)中、R1は、単結合、炭素数20以下のアルキレン基、炭素数20以下のオキシアルキレン基、又は炭素数20以下のヒドロキシアルカンジイルオキシ基を示し、R2は、水素原子又はメチル基を示し、R3〜R6は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、又はアルコキシル基を示す。)
  3. 前記二重結合含有成分(h)が、スチレン系モノマー、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、及びアクリロニトリル系モノマーからなる群より選択される少なくとも一種の重合成分であり、かつアクリル酸又はメタクリル酸を少なくとも含有してなる請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  4. 前記紫外線吸収型ポリマー(A)は、ガラス転移点(Tg)が20〜160℃であり、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,500,000、であると共に、水に溶解又は分散可能な重合生成物である請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  5. 前記紫外線吸収型ポリマー(A)の含有割合が、全樹脂成分質量基準で、0.1〜50質量%である請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  6. 前記ポリウレタン(B)を調製するための前記反応成分が、さらに、数平均分子量500未満の脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素ジオール及びそのアルキレンオキド付加物、及び炭素数18以下のジアルカノールアミンからなる群より選択される少なくとも一種の短鎖ジオール成分(f)及び/又は炭素数13以下の脂肪族、芳香族又は脂環式炭化水素ジアミン及び炭素数10以下の脂肪族又は芳香族炭化水素ジヒドラジドからなる群より選択される少なくとも一種の短鎖ジアミン成分(g)を含有してなる請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  7. 前記ポリウレタン(B)が、
    前記活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く。)を有する化合物(b)、前記ポリオール(c)、前記ポリアミン(d)、前記短鎖ジオール成分(f)、及び前記短鎖ジアミン成分(g)の合計の活性水素含有基(アニオン性親水性基を除く。)(1)と、
    前記ポリイソシアネート(e)のイソシアネート基(2)とを(1)/(2)=0.9〜1.5の当量比で反応させて得られた反応成分である請求項1に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  8. 前記活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く。)を有する化合物(b)が、下記一般式(5)で表される化合物である請求項1又は7に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
    (HO−R'−)2−R−R"−X ・・・(5)
    (前記一般式(5)中、Rは、3価の脂肪族炭化水素基又は3級アミン構造を示し、R'は、アルキレン基を示し、R"は、単結合又はアルキレン基を示し、Xは、−COOH、−SO3H、又は−PO32を示す。)
  9. 前記活性水素含有基及びアニオン性親水性基(水酸基を除く。)を有する化合物(b)が、ジメチロールアルカン酸である請求項1、7又は8に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  10. 前記ポリウレタン(B)の重量平均分子量が、1,000〜500,000である請求項1又は7に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤であって、さらに、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、及びイソシアネート化合物(ブロック体をむ。)からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤を含有してなる合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  12. 合成擬革の基材上に形成されたミクロポーラス層又は接着剤層上にさらに付与される表皮層の形成に用いられる被膜形成物質である請求項1〜11のいずれか1項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤の製造方法であって、
    前記ポリウレタン(B)のディスパージョンを調製する工程の中間段階において生成したウレタンプレポリマーに、前記紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は水分散体を添加する工程を有することを特徴とする合成擬革の表面処理用コーティング剤の製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤の製造方法であって、
    前記紫外線吸収型ポリマー(A)の溶液又は分散体と前記ポリウレタン(B)のディスパージョンを混合する工程を有することを特徴とする合成擬革の表面処理用コーティング剤の製造方法。
  15. 合成擬革のミクロポーラス層又は接着剤層に、請求項1〜11のいずれか一項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤からなる表皮層が形成されてなることを特徴とする合成擬革。
  16. 合成擬革の基材上に形成されたミクロポーラス層又は接着剤層上に、表皮層を付与する合成擬革の製造方法において、前記表皮層を請求項1〜11のいずれか1項に記載の合成擬革の表面処理用コーティング剤の塗工により形成することを特徴とする合成擬革の製造方法。
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