JP2005272590A - 水性ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

水性ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐摩擦性、ポリオレフィン系樹脂に対する密着性及びブロッキング性に優れる水性ポリウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】
ポリウレタン樹脂水分散体とポリイソシアネート水分散体とが、所定量となるように配合されており、前記ポリウレタン樹脂水分散体は、ポリエステルポリオール(A)と鎖伸長剤(B)と化合物(C)と有機ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを乳化し、ポリアミン(E)にて架橋させたものであることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性ポリウレタン樹脂組成物に関する。詳しくは、耐摩擦性、ポリオレフィン系樹脂に対する密着性及びブロッキング性に優れる水性ポリウレタン樹脂組成物に関するものである。
近年、酸性雨・ダイオキシン等の環境問題から、化粧板・壁紙等の建装材に用いられるプラスチック基材として、ポリ塩化ビニルからポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂に変換されつつある。ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、ポリ塩化ビニルと比較して耐摩擦性に劣っているため、該ポリオレフィン系樹脂を基材とする建装材の表面には、コーティング剤を用いて保護層が設けられている。
従来、前記コーティング剤としては、溶剤系のものが使用されていたが、近年では、環境問題、労働安全性等の見地より、有機溶剤を極力使用しない水性コーティング剤の要望が強くなってきている。
ところで、前記水性コーティング剤としては、アクリル樹脂系のものが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1記載のアクリル樹脂系の水性コーティング剤は、溶剤系コーティング剤に比べて耐摩擦性及びポリオレフィン系樹脂に対する密着性に劣るという問題を有している。
そのため、耐摩擦性及びポリオレフィン系樹脂に対する密着性に優れている水性アクリル−ウレタン共重合組成物が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、前記特許文献2記載のものは、耐摩擦性及びポリオレフィン系樹脂に対する密着性は優れているが、ブロッキング性が十分とは言えない。
即ち、特許文献2記載の水性アクリル−ウレタン共重合組成物は、壁紙等の表面をコーティングして巻き取りした際に壁紙同士が付着してしまい、使用時に容易に引き出すことができず、使用しにくいという問題を有している。
そのため、耐摩擦性、ポリオレフィン系樹脂に対する密着性及びブロッキング性に優れる水性樹脂組成物が要望されている。
特開平9−158098号公報 特開2000−119362号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、耐摩擦性、ポリオレフィン系樹脂に対する密着性及びブロッキング性に優れる水性樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリウレタン樹脂水分散体とポリイソシアネート水分散体とから構成されている所定の水性ポリウレタン樹脂組成物により上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリウレタン樹脂水分散体とポリイソシアネート水分散体とが、前記ポリウレタン樹脂水分散体の固形分100重量部に対し前記ポリイソシアネート水分散体の固形分が10〜80重量部となるように配合されており、前記ポリウレタン樹脂水分散体は、ポリエステルポリオール(A)と鎖伸長剤(B)と化合物(C)と有機ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを乳化し、ポリアミン(E)にて架橋させたものであり、前記ポリエステルポリオール(A)は、数平均分子量500〜5000で、酸成分とグリコール成分とから構成され、前記酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を35重量%以上含有するものであり、前記鎖伸長剤(B)は、芳香族環を有するポリオール及び/又は脂環族ポリオールで、数平均分子量500未満であり、前記化合物(C)は、分子内にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有するものであり、前記ポリアミン(E)は、分子内にアミノ基を2個以上有するものであることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物を提供する。
本発明に係る水性ポリウレタン樹脂組成物は、耐摩擦性、ポリオレフィン系樹脂に対する密着性及びブロッキング性に優れるという効果を奏する。
また、本発明に係る水性ポリウレタン樹脂組成物は、例えば、該水性ポリウレタン樹脂組成物で壁紙等の表面をコーティングすれば、汚れが付着しても拭けば簡単に汚れが落ちるという耐汚染性に優れた表面が得られるという効果も奏する。
本発明に係る水性ポリウレタン樹脂組成物の実施形態について説明する。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂水分散体とポリイソシアネート水分散体とが、前記ポリウレタン樹脂水分散体の固形分100重量部に対し前記ポリイソシアネート水分散体の固形分が10〜80重量部となるように配合されており、前記ポリウレタン樹脂水分散体は、ポリエステルポリオール(A)と鎖伸長剤(B)と化合物(C)と有機ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを乳化し、ポリアミン(E)にて架橋させたものであり、前記ポリエステルポリオール(A)は、数平均分子量500〜5000で、酸成分とグリコール成分とから構成され、前記酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を35重量%以上含有するものであり、前記鎖伸長剤(B)は、芳香族環を有するポリオール及び/又は脂環族ポリオールで、数平均分子量500未満であり、前記化合物(C)は、分子内にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有するものであり、前記ポリアミン(E)は、分子内にアミノ基を2個以上有するものからなる。
本実施形態の前記ポリウレタン樹脂水分散体は、前記ポリエステルポリオール(A)と、前記鎖伸長剤(B)と、前記化合物(C)と、前記有機ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを乳化し、前記ポリアミン(E)にて架橋させてなる。
まず、本実施形態で用いられるウレタンプレポリマーを構成する前記ポリエステルポリオール(A)、前記鎖伸長剤(B)、前記化合物(C)及び前記有機ポリイソシアネート(D)について説明する。
本実施形態で用いられる前記ポリエステルポリオール(A)を構成する酸成分の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等を挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
また、前記ポリエステルポリオール(A)を構成する酸成分の脂環族ジカルボン酸としては、例えば、前記芳香族ジカルボン酸の水添加物等、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等を挙げることができる。これらの脂環族ジカルボン酸は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
更に、前記ポリエステルポリオール(A)を構成する他の酸成分としては、例えば、マロン酸、琥珀酸、酒石酸、シュウ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキル琥珀酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の脂肪族ジカルボン酸、或いはこれらの酸無水物、アルキルエステル、酸ハライド等の反応性誘導体等を挙げることができる。これらの脂肪族ジカルボン酸は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
本実施形態で用いられるポリエステルポリオール(A)は、前記酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を35重量%以上含有するものである。
芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸の含有割合が、35重量%未満では、水性ポリウレタン樹脂組成物から得られる樹脂が柔らかくなり、コーティングした後の巻き取り時にブロッキングが生じる問題がある。
尚、芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸等が好ましい。
また、脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサンジカルボン酸等が好ましい。
前記芳香族ジカルボン酸と前記脂環族ジカルボン酸とは、各々単独で使用することもできるし、また、両者を混合して使用することもできる。
本実施形態で用いられる前記ポリエステルポリオール(A)を構成するグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール等の直鎖グリコール或いは1,2−プロピレングリコール、1−メチル−1,3−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,4−ペンタンジオール、1,2−ジメチル−ネオペンチルグリコール、2,3−ジメチル−ネオペンチルグリコール、1−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ジメチルブチレングリコール、1,3−ジメチルブチレングリコール、2,3−ジメチルブチレングリコール、1,4−ジメチルブチレングリコール等の分岐グリコール等を挙げることができる。これらの直鎖グリコール或いは分岐グリコールは、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
本実施形態で用いられるポリエステルポリオール(A)は、前記酸成分と前記グリコール成分とを脱水縮合させる公知のポリエステル製造方法と同様の方法で得られる。
前記ポリエステルポリオール(A)の数平均分子量は、500〜5,000であり、好ましくは1,000〜4,000、より好ましくは1,500〜3,000である。
数平均分子量が500未満では、水性ポリウレタン樹脂組成物から得られる樹脂が硬くて脆くなり、密着性も低下する。また、数平均分子量が5,000を超えると水性ポリウレタン樹脂組成物から得られる樹脂が柔らかくなり、ブロッキング性が低下する。
尚、数平均分子量は、実施例記載の方法により測定される。
本実施形態で用いられる前記鎖伸長剤(B)は、芳香族環を有するポリオール及び/又は脂環族ポリオールで、数平均分子量500未満である。
前記芳香族環を有するポリオールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等を挙げることができる。
前記脂環族ポリオールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールS等を挙げることができる。
尚、これらの鎖伸長剤(B)は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
前記鎖伸長剤(B)は、数平均分子量500未満である。数平均分子量としては、116〜500未満が好ましい。
数平均分子量が500以上になると、化粧板や壁紙等の基材への密着性が低下するという問題がある。
本実施形態で用いられる分子内にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物(C)としては、分子中にカルボキシル基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物を挙げることができる。分子中にカルボキシル基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール吉草酸等を挙げることができる。
これらの化合物は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
分子内にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物(C)は、ウレタンプレポリマーの水への分散性を容易にし、化粧板や壁紙等の基材への密着性を良好にするという効果を奏する。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、該水性ポリウレタン樹脂組成物中のカルボキシル基含有量としての酸価が3〜15mgKOH/gあり、好ましくは7〜12mgKOH/gである。
酸価が3mgKOH/g未満の場合には、水への分散性が困難になるという問題がある。
また、酸価が15mgKOH/gを超える場合には、耐汚染性が低下し、汚れが落ちにくくなるという問題がある。
酸価は、実施例記載の方法により測定される。
本実施形態で用いられる有機ポリイソシアネート(D)としては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらの有機ポリイソシアネートの2量体、3量体やビューレット化イソシアネート等の変性体を挙げることができる。尚、これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
尚、本実施形態で用いられる有機ポリイソシアネート(D)としては、耐候性の面から脂環族ポリイソシアネートが好ましく、具体的には、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
前記有機ポリイソシアネートは、前記ウレタンプレポリマー中に30〜50重量%含有されおり、好ましくは33〜45重量%含有されており、より好ましくは37〜45重量%含有されている。
該有機ポリイソシアネートの含有量が30重量%未満では、ブロッキング性が低下するという問題がある。
また、該有機ポリイソシアネートの含有量が50重量%を超えると、コーティングの際の造膜温度が高くなりすぎ、皮膜が形成されにくくなる。また、皮膜の柔軟性がなくなり、傷つき防止性が低下するという問題がある。
本実施形態で用いられるポリウレタン樹脂水分散体は、従来公知の方法によって製造することが可能であり、各成分を一度に加えて反応させるワンショット法又は、例えば、有機ポリイソシアネートと活性水素化合物の一部とを反応させてイソシアネート基を末端に有するプレポリマーを形成した後、活性水素化合物の残部を加えて更に反応させて製造する多段法等の何れの方法で製造してもよい。また、有機ポリイソシアネートに対して不活性で水と相溶する有機溶媒中で上記方法を用いて反応を行い、反応後に水を添加し、有機溶媒を取り除いてポリウレタン樹脂水分散体を製造する方法で製造してもよい。
前記ポリウレタン樹脂水分散体の製造は、まず、イソシアネートに対して不活性で水と相溶する有機溶媒中で有機ポリイソシアネート(D)と、ポリエステルポリオール(A)と、化合物(C)とを反応させてイソシアネート基を末端に有するプレポリマーを形成した後、更に鎖伸長剤(B)を反応させて末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを形成させる。次いで、例えば、前記ウレタンプレポリマーを中和剤を用いて中和後、乳化しポリアミン(E)にて架橋させる方法や前記ウレタンプレポリマーを中和剤を含む水で中和・乳化し、ポリアミン(E)にて架橋させる方法等によりポリウレタン樹脂水分散体を製造する。ここで言う乳化とは、樹脂を水中に安定に分散させることも含む。
尚、当然のことながら、適当な界面活性剤、例えば高級脂肪酸、樹脂酸、酸性脂肪アルコール、硫酸エステル、高級アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、スルホン化ひまし油、スルホコハク酸エステル等に代表されるアニオン系界面活性剤、或いは、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコール又はフェノール類との公知の反応生成物に代表されるノニオン系界面活性剤等を併用して乳化してもよい。
前記ウレタンプレポリマーの製造は、前記(A)〜前記(D)を用いて通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。前記反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において、使用される触媒を使用してもよい。該ウレタン反応触媒としては、アミン触媒(例えば、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等)、錫系触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等)、チタン系触媒(例えば、テトラブチルチタネート等)を挙げることができる。
触媒の使用量は、ウレタンプレポリマー中、通常0.1重量%以下である。
前記有機ポリイソシアネートに対して不活性で水と相溶する有機溶剤としては、エステル系溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールジメチルエーテル等)、アミド系溶剤(例えば、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)を挙げることができる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。 これらの中で好ましいのは、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフランである。
前記ポリアミン(E)は、分子内にアミノ基を2個以上有する化合物である。
前記ポリアミン(E)としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジプロピレントリアミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、メタキシレンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド等を挙げることができる。
該ポリアミン(E)は、ウレタンプレポリマーをポリマー化し、3次元網目構造とするための鎖伸長アミンとしての働きを奏するものである。
前記中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等を用いることができる。
アウトガスの発生を抑えるために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩を用いることが好ましい。
これらの中和剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
本実施形態で用いられる前記ポリイソシアネート水分散体としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名:アクアネート100,アクアネート200又は住友バイエルウレタン(株)製、商品名:バイジュール310)、ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト変性体(旭化成工業(株)製、商品名:デュラネートWB40-80D)等を挙げることができる。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、前記ポリウレタン樹脂水分散体と前記ポリイソシアネート水分散体とからなる。
前記水性ポリウレタン樹脂組成物は、前記ポリウレタン樹脂水分散体の固形分100重量部に対し前記ポリイソシアネート水分散体の固形分が10〜80重量部となるように配合されており、好ましくは、該ポリウレタン樹脂水分散体の固形分100重量部に対し該ポリイソシアネート水分散体の固形分が20〜60重量部となるように配合されている。
ポリイソシアネート水分散体の固形分が、10重量部未満の場合には、化粧板や壁紙等の基材への密着性が低下するという問題がある。
また、ポリイソシアネート水分散体の固形分が、80重量部を超える場合には、水性ポリウレタン樹脂組成物から得られる樹脂が柔らかくなり、コーティングした後の巻き取り時にブロッキング性が低下するという問題がある
尚、固形分とは、ポリウレタン樹脂水分散体及びポリイソシアネート水分散体から水分を除いて残る部分をいい、該固形分には、紫外線吸収剤等の添加剤も含まれる。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物には、紫外線吸収剤の他に、顔料や染料、粘度調整のための水、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、消包剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等を添加することもできる。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物の固形分中には、紫外線吸収剤が1〜10重量%添加されており、好ましくは、2〜7重量%添加されている。
紫外線吸収剤を添加することにより、コーティング塗膜の耐候性を向上させる効果を奏する。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系の化合物等を挙げることができる。
尚、ここで言う固形分とは、水性ポリウレタン樹脂組成物から水分を除いて残る部分をいう。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物に紫外線吸収剤を添加する時期は、前記ウレタンプレポリマーの乳化前である。好ましくは、ポリエステルポリオール(A)と鎖伸長剤(B)と化合物(C)と有機ポリイソシアネート(D)とからウレタンプレポリマーを作製するときに添加するものである。
該方法によれば、ウレタンプレポリマーを乳化するときに紫外線吸収剤がエマルジョン内に取り込まれることで、水性ポリウレタン樹脂組成物を用いてコーティングした際の塗膜より紫外線吸収剤がブリードすることが少なく、耐候性が向上する効果を奏する。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物を適用する対象基材としては、例えば、ポリエステルフィルム(延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、ナイロンフィルム(延伸ナイロンフィルム、未延伸ナイロンフィルム等)、ポリオレフィンフィルム(ポリエチレンフィルム)、延伸ポリプロピレンフィルム、未延伸ポリプロピレンフィルム等が好ましく、コロナ放電処理等の表面処理を施したフィルムも好ましく使用できる。
なかでも、コロナ放電処理等の表面処理を施した延伸ポリプロピレンフィルム及び未延伸ポリプロピレンフィルムがより好ましく使用できる。
コロナ放電処理等の表面処理を施すことにより密着性を向上させることができる。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物の基材への塗布方法については、特に制限はなく、公知の塗布装置、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター等を用いて行われる。
塗布量は、目的に応じて適宜選択することができる。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、難接着基材である延伸ポリプロピレンフィルム等への密着性、耐汚染性、ブロッキング性、耐候性、耐摩耗性に優れた塗膜を与える。そのため、特に化粧板や壁紙に用いられる化粧紙や樹脂製化粧シートのトップコーティング剤として好適に用いることができる。このほか各種インテリア等のトップコーティング剤としても使用できる。
該トップコーティング剤が適用される下地としては、例えば、模様等が印刷された紙類、模様等が印刷された前記基材の印刷面或いは素地、顔料等で着色された前記基材素地等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(水酸基価の測定法)
水酸基価は、JIS K 1557-1970に準拠して測定した。
(数平均分子量)
数平均分子量は、前記水酸基価より算出した。
(酸価)
酸価は、JIS K0070-1992に準拠して、水性ポリウレタン樹脂組成物の固形分1g中に含まれる遊離カルボキシル基を中和するに要するKOHのmg数より求めた。
(ポリエステルグリコールAの合成)
脱水装置を備えたフラスコ中に酸成分としてテレフタル酸(210重量部)及びアジピン酸(93重量部)と、グリコール成分としてエチレングリコール(62重量部)及びネオペンチルグリコール(104重量部)とを仕込み、反応触媒としてテトライソプロピルチタネート(0.1重量部)を添加した後、酸価1.0以下、水分0.05%以下となるまで220℃で縮合反応を行った。
得られたポリエステルグリコールAは、数平均分子量2,000、水酸基価 56mgKOH/g、酸成分69重量%であった。
(ポリエステルグリコールBの合成)
試薬及びその量を表1に示したものに代えた以外は、前記(ポリエステルグリコールAの合成)と同様の方法を用いて、ポリエステルグリコールBを合成した。
得られたポリエステルポリオールBの数平均分子量は2,000、水酸基価は56mgKOH/g、酸成分54重量%であった。
(ポリエステルグリコールCの合成)
試薬及びその量を表1に示したものに代えた以外は、前記(ポリエステルグリコールAの合成)と同様の方法を用いて、ポリエステルグリコールCを合成した。
得られたポリエステルポリオールの数平均分子量は2,000、水酸基価は56mgKOH/g、酸成分27重量%であった。
ポリエステルグリコールAからポリエステルグリコールCの合成に用いた試薬及び試薬量等については、表1に示した。
Figure 2005272590
(合成例1)
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにポリエステルグリコールA(512.5重量部)、トリメチロールプロパン(13.3重量部)、ジメチロールプロピオン酸(24.7重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(73.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(375.6重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量2.9%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(15重量部)(第一工業製薬(株)製)、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、10%苛性ソーダ水溶液(23.6重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミンを(24.7重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体1を得た。
(合成例2)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールB(512.5重量部)、トリメチロールプロパン(13.3重量部)、ジメチロールプロピオン酸(24.7重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(73.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(375.6重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量2.9%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(15重量部)(第一工業製薬(株)製)、チヌビン384-2(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(50.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、トリエチルアミン(18.6重量部)、添加中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(24.7重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体2を得た。
(合成例3)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールB(558.3重量部)、トリメチロールプロパン(14.5重量部)、ジメチロールプロピオン酸(26.9重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(80.5重量部)、イソホロンジイソシアネート(146.7重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(173.1重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量1.1%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、JF-83(城北化学工業製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、トリエチルアミン(20.2重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(9.1重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体3を得た。
(合成例4)
合成例1と同様の方法により、クラレポリオールP-2020(テレフタル酸/3−メチル−1,5−ペンタンジオール:数平均分子量2,000:クラレ製)(512.2重量部)、トリメチロールプロパン(13.3重量部)、ジメチロールプロピオン酸(14.3重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(84.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(375.3重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量2.9%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、10%苛性ソーダ水溶液(42.6重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体4を得た。
(合成例5)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールA(447.8重量部)、トリメチロールプロパン(11.6重量部)、ジメチロールプロピオン酸(21.6重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(64.6重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(454.4重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量6.5%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、チヌビン384-2(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(70.0重量部)をメチルエチルケトン(400重量部)に溶解して添加し、10%苛性ソーダ水溶液(64.4重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(54.0重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体5を得た。
(合成例6)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールA(524.2重量部)、トリメチロールプロパン(13.6重量部)、ジメチロールプロピオン酸(33.7重量部)、1,4-シクロヘキサンジオール(51.1重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(377.4重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量3.0%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(第一工業製薬(株)製)(10.0重量部)、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液(100重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにイソホロンジアミン(54.6重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体6を得た。
(合成例7)
合成例1と同様の方法により、クラレポリオールP-2020(476.8重量部)、トリメチロールプロパン(12.4重量部)、ジメチロールプロピオン酸(23.3重量部)、ニューポールBPE-20NK(三洋化成工業製:ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物:数平均分子量327.67)(147重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(340.5重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量2.7%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(第一工業製薬(株)製)(15.0重量部)、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、10%水酸化ナトリウム水溶液(69.4重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジエチレントリアミン(19.9重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体7を得た。
(合成例8)
合成例1と同様の方法により、クラレポリオールP-2020(478.6重量部)、トリメチロールプロパン(12.4重量部)、ジメチロールプロピオン酸(25.2重量部)、アデカポリエーテルBPX-11(旭電化工業製:ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物:数平均分子量359.615)(149.4重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(334.4重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量2.6%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(第一工業製薬(株)製)(15.0重量部)、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、トリエチルアミン(19.0重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジエチレントリアミン(19.1重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体8を得た。
(合成例9)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールA(580重量部)、トリメチロールプロパン(15.0重量部)、ジメチロールプロピオン酸(105重量部)、イソホロンジイソシアネート(300重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量1.1%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、トリエチルアミン(47.4重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散し、1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体9を得た。
(合成例10)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールA(582.9重量部)、トリメチロールプロパン(14.6重量部)、ジメチロールプロピオン酸(73.2重量部)、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(27.9重量部)、イソホロンジイソシアネート(301.4重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量1.1%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、チヌビン384-2(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(50.0重量部)をメチルエチルケトン(400重量部)に溶解して添加し、10%苛性ソーダ水溶液(64.4重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(9.1重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体10を得た。
(合成例11)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールC(512.5重量部)、トリメチロールプロパン(13.3重量部)、ジメチロールプロピオン酸(24.7重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(73.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(375.6重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量1.1%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、トリエチルアミン(18.6重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(9.1重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体11を得た。
(合成例12)
合成例1と同様の方法により、ニッポラン4010(日本ポリウレタン工業製:ブチレンアジペート、数平均分子量2,000、芳香族酸0%)(512.5重量部)、トリメチロールプロパン(13.3重量部)、ジメチロールプロピオン酸(24.7重量部)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(73.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(375.6重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量1.2%であるウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、トリエチルアミン(18.6重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(11.0重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体12を得た。
(合成例13)
合成例1と同様の方法により、ポリエステルグリコールA(523.1重量部)、トリメチロールプロパン(13.6重量部)、ジメチロールプロピオン酸(39.8重量部)、1,4-シクロヘキサンジオール(45.9重量部)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(377.6重量部)、メチルエチルケトン(800重量部)を加え、75℃で4時間反応させ、不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量6.5%のウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、非イオン活性剤ノイゲンEA-157(第一工業製薬(株)製)(15.0重量部)、チヌビン900(チバスペシャリティーケミカルズ製:紫外線吸収剤)(30.0重量部)をメチルエチルケトン(300重量部)に溶解して添加し、トリエチルアミン(30.0重量部)加え中和後、水(2200重量部)を徐々に加えてホモジナイザーを使用し乳化分散させた。これにジプロピレントリアミン(27.1重量部)添加し1時間攪拌した。これを減圧、50℃下、脱溶剤を行い、不揮発分約35%のポリウレタン樹脂水分散体13を得た。
前記合成例1〜前記合成例13で用いた試薬量を表2に示した。
Figure 2005272590
(実施例1)
前記合成例1で得られたポリウレタン樹脂水分散体1286重量部(固形分100重量部相当(水分186重量部含有))とポリイソシアネート水分散体(アクアネート200使用:固形分28.6重量部相当)とを水28.6重量部に分散した塗布液(水合計量214.6重量部)を調整した。
該塗布液をコロナ放電処理した厚さ100μmの延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)のコロナ放電処理面へバーコーター塗布し、50℃で30秒間ドライヤー乾燥した。乾燥膜厚3μmの塗膜を形成しこれを試験片として、OPP密着性試験、耐汚染性試験、ブロッキング性試験、耐候性試験を行った。その結果を表3に示した。
(実施例2)〜(比較例7)
実施例1と同様に試験片を作製し各種試験を行った。ポリウレタン樹脂水分散体、ポリイソシアネート水分散体、水の各使用量及び試験結果を表3に示した。
尚、実施例1〜比較例7で用いたポリウレタン樹脂水分散体は、不揮発分約35%と水分約65%とを含むものである。そのため、固形分100重量部相当のポリウレタン樹脂水分散体は、水分を約186重量部含む。
(試験方法及び評価方法)
(1)OPP密着性試験:塗膜を形成した試験片を25℃で3日間養生し、該試験片の表面をカッターナイフで1mm幅にカットし、100個のマス目を作った。該試験片に粘着テープ(ニチバン製、商品名:セロテープ)を貼付、これを急速に剥がした。
評価: ◎:塗膜が全く剥がれなかった。
○:塗膜が80〜99%残存した。
△:塗膜が50〜79%残存した。
×:塗膜が50%未満しか残存しなかった。
(2)耐汚染性試験:試験片の表面を青インク(水性)及び黒ペン(油性)で直径2cmに塗りつぶし、4時間放置後、エタノールでふき取り、表面を観察した。
評価: ○:汚れなし。
△:少し汚れが残る。
×:汚れが残る。
(3)ブロッキング性試験:塗膜硬化前の試験片の塗布面と塗布面とを、2.0kg/cm2で圧着したまま、50℃のオーブンに放置した。24時間後に取り出し、塗布面と塗布面とを剥離し、ブロッキングの状態を観察した。
評価: ○:容易に剥がれる。
△:抵抗があるが剥がれる。
×:剥がれない。
(4)耐候性試験:試験片を25℃で3日間養生し、該試験片の表面をカッターナイフで1mm幅にカットし、100個のマス目を作った。該試験片を岩崎電気(株)製(スーパーUV試験機)にセットして、以下のサイクルを10回繰り返した後、塗布面に粘着テープ(ニチバン製、商品名:セロテープ)を貼付、これを急速に剥がした。
スーパーUV試験機による1サイクルの条件:70℃で8時間(60%RH)放置し、次いで50℃で4時間(96%RH)放置した。
評価: ○:塗膜が80%以上残存した。
△:塗膜が50%〜79%残存した。
×:塗膜が50%未満しか残存しなかった。
Figure 2005272590
実施例1〜実施例8においては、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)に対する密着性、ブロッキング性及び耐汚染性に優れていることが判明した。

Claims (6)

  1. ポリウレタン樹脂水分散体とポリイソシアネート水分散体とが、
    前記ポリウレタン樹脂水分散体の固形分100重量部に対し前記ポリイソシアネート水分散体の固形分が10〜80重量部となるように配合されており、
    前記ポリウレタン樹脂水分散体は、ポリエステルポリオール(A)と鎖伸長剤(B)と化合物(C)と有機ポリイソシアネート(D)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーを乳化し、ポリアミン(E)にて架橋させたものであり、
    前記ポリエステルポリオール(A)は、数平均分子量500〜5000で、酸成分とグリコール成分とから構成され、前記酸成分として芳香族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸を35重量%以上含有するものであり、
    前記鎖伸長剤(B)は、芳香族環を有するポリオール及び/又は脂環族ポリオールで、数平均分子量500未満であり、
    前記化合物(C)は、分子内にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素とを有するものであり、
    前記ポリアミン(E)は、分子内にアミノ基を2個以上有するものであることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記化合物(C)が、分子中にカルボキシル基と少なくとも2個の活性水素とを有する化合物であり、水性ポリウレタン樹脂組成物中のカルボキシル基含有量としての酸価が3〜15mgKOH/gである請求項1記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記有機ポリイソシアネート(D)が、脂環族ジイソシアネートであり、且つ前記ウレタンプレポリマー中該脂環族ジイソシアネートを30〜50重量%含有している請求項1又は2に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 紫外線吸収剤が、水性ポリウレタン樹脂組成物の固形分中に1〜10重量%添加されている請求項1〜3の何れかに記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  5. 前記紫外線吸収剤が、前記ウレタンプレポリマーを乳化する前に添加されている請求項1〜4の何れかに記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  6. 化粧板若しくは壁紙の表面を保護するトップコート剤として用いる請求項1〜5の何れかに記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
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