JP2008300678A - 半導体素子の製造方法、及び半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体基板上に配線を設け、該配線上に最終保護膜を形成する半導体素子の製造方法において、前記配線上に第1保護膜を形成する工程と、前記第1保護膜上に、引張応力を有する第2保護膜を形成する工程と、前記配線のコンタクト領域の前記第1保護膜、及び前記第2保護膜を除去する工程とを有する。
【選択図】なし
Description
一方、パッシベーション膜が複数層からなる技術としては、圧縮応力が大きい膜の上に圧縮応力が小さい膜を積層し、高密度プラズマCVD法で製造した2層構造のパッシベーション膜が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、パッシベーション膜の表層部と下層部との膜質が異なり、下層部では圧縮応力が小さく、表層部では耐湿性に優れた単層のパッシベーション膜も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
前述したパッシベーション膜を用いた半導体基板のそりが形成、若しくは緩和される様子を表す図を図6に示す。図6(A)では、そりが発生していない半導体基板10に標準的なパッシベーション膜30を形成した際、両者の熱膨張(収縮)率の違いにより、半導体基板のそりが発生してしまう。また、図6(B)では、初期状態で上に凸のそり(以下、適宜、「ポジティブ方向のそり」と称する)が形成されている半導体基板10に、圧縮応力を有するパッシベーション膜40を堆積することで、半導体基板のそりが緩和する。しかしながら、前述の通り、標準的なP−SiN膜は圧縮応力であるので、初期状態で下に凸(以下、適宜、「ネガティブ方向のそり」と称する)のそりが形成されている半導体基板に標準的なP−SiN膜を形成すると、ネガティブ方向のそりを促すことになり、半導体基板のそりを緩和することが困難である。
従って、前記特許文献1で開示されたパッシベーション膜は、内部応力が引張応力である単層のパッシベーション膜であるため、耐湿性に劣る。また、ネガティブ方向のそりを緩和する方向に応力が作用するものの、その応力は弱く、ネガティブ方向のそりを十分に緩和することが難しい。また、引張応力ことができるものの、半導体基板の下に凸のそりを緩和する際に問題となる。
前記特許文献2で開示されたパッシベーション膜は積層構造であるものの、積層膜のいずれも内部応力が圧縮応力であるため、ネガティブ方向のそりを有する半導体基板のそりを緩和することが困難である。また、高密度プラズマCVDにより形成されているので膜質は良好であるが、製造工程が煩雑になり、従来の製造プロセスから大きな変更を余儀なくされる。
前記特許文献3で開示されたパッシベーション膜は、表層部の耐湿性が良好であるものの、表層部及び下層部でいずれも圧縮応力であるため、半導体基板のネガティブ方向のそりを促すことになり、半導体基板のそりを緩和することが困難である。
即ち、本発明の目的は、下に凸のそりを有する半導体基板のそりを低減した半導体素子の製造方法、及び半導体素子を提供することにある。
請求項1に記載の半導体素子の製造方法によると、最終保護膜が2層構造であるため、単層と比較して所定の膜質、内部応力を有する最終保護膜を設計しやすくなり、尚且つ第2保護膜が引張応力を有するため、半導体基板のネガティブ方向のそり(下に凸のそり)を抑制することができる半導体素子を製造することができる。
請求項2に記載の半導体素子の製造方法によると、請求項1に記載の発明の効果に加え、第1保護膜が第2保護膜より小さい引張応力であるか、又は第1保護膜が圧縮応力を有することにより、第1保護膜の方が第2保護膜より耐湿性に優れるため、最終保護膜全体としての耐湿性を向上させることができる。
請求項3に記載の半導体素子の製造方法によると、請求項1及び請求項2に記載の発明の効果に加え、従来の製造方法で大きな引張応力を有する最終保護膜を形成することができるため、半導体基板のネガティブ方向のそりを十分に緩和することができる。
請求項4に記載の半導体素子の製造方法によると、請求項1〜請求項3に記載の発明の効果に加え、第1保護膜の内部応力が第2保護膜の引張応力より小さいか、若しくは第1保護膜の内部応力が圧縮応力であるため、引張応力を有し、尚且つ耐湿性に優れた積層構造を有する最終保護膜を形成することができる。
請求項5に記載の半導体素子の製造方法によると、請求項1〜請求項3に記載の発明の効果に加え、従来の並行平板型プラズマCVDでいずれの膜を製造することができるため、これまでの製造プロセスから大きな変更をすることなく、半導体基板のネガティブ方向のそり(下に凸のそり)を抑制することができる。
最終保護膜の引張応力が200MPa〜400MPaであることを特徴とする。
請求項6に記載の半導体素子の製造方法によると、半導体基板に下に凸のそりが形成されている場合であっても、最終保護膜の引張応力により、そのそりを緩和することができる。
本発明の半導体素子の製造方法は、半導体基板上に配線を設け、該配線上に最終保護膜を形成する半導体素子の製造方法において、前記配線上に第1保護膜を形成する工程と、前記第1保護膜上に、引張応力を有する第2保護膜を形成する工程と、前記配線のコンタクト領域の前記第1保護膜、及び前記第2保護膜を除去する工程と、を有する。
また、本発明の好ましい態様としては、前記第2保護膜の内部応力が前記第1保護膜の内部応力より大きいことが好ましい。
このようにして製造した半導体素子において、図1に、半導体基板のチップ実装面(半導体基板の配線形成側の面)側が内側になるように、下に凸のそり(以下、適宜、「ネガティブ方向のそり」と称する)を緩和する工程の概略断面図を示す。
まず、半導体基板10に配線(不図示)を形成すると、配線形成時における熱履歴により、半導体基板10にそりが生じる。このように、ネガティブ方向のそりを有する半導体基板10の配線が形成されている面に、第1保護膜12、及び第2保護膜14の順で、凸部内面にプラズマCVDで加熱・膨張・冷却を経て最終保護膜16を形成する。その後、冷却・収縮により、そりが緩和した半導体素子を形成することができる。
また、本発明の半導体素子の製造方法は、前記第1保護膜12、及び前記第2保護膜14を並行平板型プラズマCVDで形成することが好ましい。汎用性の高い並行平版型プラズマCVDにおいても、諸条件を調整することにより、従来の製造プロセスから大きな変更を加える必要がなく、高い引張応力を有する最終保護膜16を形成することができる。
以下に、各工程について詳述する。なお、内部応力の記載については、プラス符合が引張応力であり、マイナス符合が圧縮応力を表す。
本発明の半導体素子の製造方法は、配線上に第1保護膜を形成する工程を有する。以下に、第1保護膜の形成方法、及び第1保護膜について詳述する。
本発明における第1保護膜の形成方法は、公知のプラズマCVDにより成膜することができ、中でも、最も汎用性の高い並行平版型プラズマCVDにより形成することができる。以下には、例えば、標準的な保護膜(以下、適宜、「P−SiN膜」と称する)、及び内部応力がほぼ0MPaの保護膜(以下、適宜、「LS−SIN膜」と称する)の2種類について、その形成条件について詳述する。
プラズマCDVにおけるガス種は、例えば、SiH4、NH3、N2の混合ガスを用いることができ、これらのガスの流量を適宜変更することができる。P−SiNを形成する場合には、SiH4、NH3、N2のガス流量を、それぞれ、160sccm〜180sccm、65sccm〜85sccm、1800sccm〜2200sccm、の範囲であることが挙げられる。また、LS−SiNの場合には、それぞれ、180sccm〜200sccm、65sccm〜85sccm、1800sccm〜2200sccm、の範囲であることが挙げられる。
膜の生成圧力は、P−SiNを形成する場合には、0.55kPa〜0.65kPaであり、LS−SiNの場合には、0.55kPa〜0.65kPaの範囲であることが挙げられる。
高周波電力は、P−SiNを形成する場合には、400W〜450Wであり、LS−SiNの場合には、380W〜430Wの範囲であることが挙げられる。
電極温度は、P−SiNを形成する場合には、350℃〜400℃であり、LS−SiNの場合には、350℃〜400℃の範囲であることが挙げられる。
電極間距離は、P−SiNを形成する場合には、10mm〜20mmであり、LS−SiNの場合には、10mm〜20mmの範囲であることが挙げられる。
処理時間は、成膜する膜厚により適宜変更することができる。
このようにして形成された本発明における第1保護膜は、半導体基板上の配線と接しているので、膜中の内部応力が後述する第2保護膜より低いことが好ましい。具体的には、第1保護膜単層の内部応力が−300MPa〜50MPaであることが好ましく、−50MPa〜50MPaであることが特に好ましい。この範囲にあると、後述する第2保護膜を第1保護膜上に形成することにより、半導体基板のネガティブ方向のそりを緩和することができ、且つ、耐湿性に優れた膜を配線と接する層に形成することができるため、配線の腐食を抑制することができる。なお、前記内部応力の値は、第1保護膜及び第2保護膜を積層する時の、第1保護膜を形成した条件で第1保護膜単層を形成し、その第1保護膜単層で測定した値を表す。
ここで、所定の内部応力を制御するための因子を調査した結果、半導体基板の熱膨張率(<0.0003%/℃)を制御することができる制御因子は、物質を構成する原子、または分子の結合性質に大きく依存することがわかっている。また、原子、又は分子の結合性質によって、原子間力であるポテンシャル・エネルギーの形は変化し、一般にポテンシャル・エネルギーの底が深い物質は熱振動による原子のずれが小さく、原子間の結合力が大きい。そのため、結晶硬度も高く、物質自体の熱膨張率は小さくなる。逆に、原子間の結合力が小さい物質は、結晶は柔らかく、熱膨張率が大きくなる。
このような特性を有する本発明の第1保護膜の材質は、シリカ膜(SiO2)や窒化シリコン膜(Si3N4)を用いることができるが、耐湿性、耐酸性の観点から、窒化シリコン膜であることが好ましい。
標準的な窒化シリコン膜では、波数800cm−1〜900cm−1付近に見られる顕著なピークは、Si−N結合ピークであり、P−SiN膜中の大部分を占める安定した結合である。その他、3300cm−1付近に見られるブロードなピークはN−H結合(結合乖離エネルギー:386KJ/mol)、2200cm−1付近にSi−H結合(結合乖離エネルギー:318KJ/mol)が確認される。このように、P−SiN膜中には、成膜中に取り込まれた水素原子が、異なる結合状態で取り込まれており、それぞれが固有の振動を示す。
このようなP−SiN膜中の内部応力は、−300MPa〜−50MPaである。
これに対し、内部応力をほぼ0MPaにしたLS−SiN膜では、膜中の水素の結合状態をN−H結合から、より低波数側のSi−H結合へシフトさせることによって、膜中の結合乖離エネルギーが低減するため、熱膨張係数を小さくし、内部応力が低減する。このようなLS−SiNの内部応力は、−50MPa〜50MPaである。
以上より、第1保護膜は、−300MPa〜50MPaの範囲であり、第1保護膜上に第2保護膜を形成することにより半導体基板のネガティブ方向のそりを緩和することに加え、耐湿性が良好な最終保護膜を形成することができる。
これらの膜の昇温脱離ガス分析によるHの脱離量の結果を図3に示す。ここで、昇温脱離ガス分析とは、高真空中に置かれたサンプルを加熱し、脱離したガス成分を四重極質量分析器(Q−Mass)により特定する分析手法であり、これによりサンプル中に含有される成分、特に水素や水分を高感度に定性分析することができる。今回の評価においては、特に質量数1、すなわち水素に注目して計測した。
図3より、標準的なP−SiN膜、及びLS−SiN膜のいずれも水素の脱離量は同等であり、同質の膜質であることがわかる。さらに、標準的なP−SiN膜、及びLS−SiN膜は、いずれも加工性の指標となるドライエッチレートが同等であり、耐湿性の指標となるウエットエッチレートも同等である。従って、LS−SiNは、標準的なP−SiN膜と加工性、及び耐湿性が同等で、内部応力が緩和されているので、積層構造の最終保護膜の場合、特に配線と接する側に用いることで配線に加わる応力を回避することができるため有用である。
本発明の半導体素子の製造方法は、第1保護膜上に、第1保護膜より高い引張応力を有する第2保護膜を形成する工程を有する。以下に、第2保護膜の形成方法、及び第2保護膜について詳述する。
本発明における第2保護膜の形成方法は、第1保護膜と同様に、従来の並行平板型プラズマCVDにより、前述した第1保護膜上に第2保護膜を成膜することができる。
プラズマCVDにおけるガス種は、例えば、SiH4、NH3、N2の混合ガスを用いることができ、これらのガスの流量を適宜変更することができる。具体的には、SiH4、NH3、N2のガス流量を、それぞれ、50sccm〜70sccm、70sccm〜90sccm、1800sccm〜2200sccm、の範囲であることが挙げられる。このガス流量にすることで、膜中に含まれるHを、N−H結合として残留させることができる。
膜の生成圧力は、0.65kPa〜0.75kPaの範囲であることが挙げられる。
高周波電力は、前述した結合乖離エネルギーを制御することができる観点で重要であり、230W〜310Wの範囲であることが挙げられ、250W〜290Wであることが好ましく、250W〜270Wであることが特に好ましい。
電極温度は、350℃〜400℃の範囲であることが挙げられる。
電極間距離は、10mm〜20mmの範囲であることが挙げられる。
処理時間は、成膜する膜厚により適宜変更することができる。
本発明における第2保護膜は、膜中の内部応力が引張応力を有する。これにより、最終保護膜である最終保護膜の膜中の応力を引張応力にすることができ、最終保護膜を形成した後の半導体基板のそりを抑制することができ、尚且つ膜質を劣化させず、特に耐湿性に優れた最終保護膜を形成することができる。
第2保護膜においても、第1保護膜と同様に、熱膨張率を調整することにより応力を制御することができる。図4は、P−SiN膜と、高引張応力を有する窒化シリコン膜(以下、適宜、「HS−SiN膜」と称する)のFT−IR(Fourier Transform Infrared spectroscopy)吸収スペクトルを示す図である。
本発明における第2保護膜は、P−SiN膜と同様に、波数800cm−1〜900cm−1付近に見られる顕著なピークを有し、これはSi−N結合ピークであり、P−SiN膜中の大部分を占める安定した結合である。しかし、2200cm−1付近に見られるSi−H結合から、より高波数側のN−H結合へシフトさせることによって、膜中の結合乖離エネルギーが増加するため、熱膨張係数が大きく、内部応力が増加する。このようなHS−SiN膜の内部応力は、400MPa〜500MPaが好ましく、400MPa〜450MPaであることが特に好ましい。引張応力が500MPaを超えると、最終保護膜の耐湿性が劣り、400MPa以下の場合、半導体基板のそりを緩和することが困難となる。なお、この内部応力は引張応力を表す。なお、前記内部応力の値は、第1保護膜及び第2保護膜を積層した時の、第2保護膜を形成した条件で第2保護膜単層を形成し、その第2保護膜単層で測定した値を表す。
このように、第2保護膜の内部応力を上記のような範囲に設定することにより、第1保護膜、及び第2保護膜からなる最終保護膜全体の応力が引張応力となり、ネガティブ方向のそりを有する半導体基板の内面側に形成した後におけるそり量を低減することができる。
P−SiN膜、及びHS−SiN膜において、昇温脱離ガス分析によるHの脱離量の結果を図5に示す。図5より、HS−SiN膜の方が水素の脱離量は多い。従って、これらの結果より、膜中の水素含有量と、その結合状態に注目して条件調整することが重要であることがわかる。
なお、第2保護膜の材質は、第1保護膜と同様である。
本発明の半導体の製造方法は、配線のコンタクト領域の前記第1保護膜、及び前記第2保護膜を除去する工程を有する。
除去方法は、従来のフォトリソ・エッチングにより除去することができる。
本発明の半導体素子は、半導体基板上に配線を設け、該配線上に最終保護膜が形成された半導体素子において、前記最終保護膜が2層構造であり、最終保護膜の引張応力が200MPa〜400MPaである。
本発明の半導体素子の製造方法は、前述した半導体素子の製造方法により製造することができる。以下に、最終保護膜、及び半導体基板について詳述する。
第1保護膜と第2保護膜との膜厚比は、半導体素子の信頼性確保とそり緩和の観点から、5000Å:10000Å〜6000Å:10000Åであることが好ましい。
第1保護膜と第2保護膜との応力比は、積層構造において、最大のそり低減効果を得る観点から、絶対値で−50MPa:400MPa〜0MPa:450MPaが好ましく、0MPa:450MPa〜50MPa:500MPaであることが特に好ましい。
第1保護膜と第2保護膜とを積層した最終保護膜中の引張応力は、半導体基板の熱膨張率のそり変化量を抑える観点から、200MPa〜400MPaであり、250MPa〜350MPaであることが特に好ましい。この範囲であると、ネガティブ方向のそりを十分に緩和することができる。
また、前記第1保護膜、及び前記第2保護膜は、前記第1保護膜形成後、半導体素子をプラズマCDV装置のチャンバーに入れたまま、連続的に前記第2保護膜を形成することができるので、従来の工程プロセスと同様に最終保護膜を形成することができる。
[半導体基板]
本発明で用いる半導体基板としては、たとえばシリコン基板、SOI基板等が挙げられ、また、配線の材質は、Cu、Al等が挙げられる。
なお、本実施形態は、限定的に解釈されるものではなく、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは、言うまでもない。
本発明の実施例として、標準的な窒化シリコン膜(下層:第1保護膜・・・P−SiN)を形成した後、高引張応力を有する窒化シリコン膜(上層:第2保護膜・・・HS−SiN)を形成した実施例1、内部応力をほぼ0にした窒化シリコン膜(下層:第1保護膜・・・LS−SiN)を形成した後、高引張応力を有する窒化シリコン膜(上層:第2保護膜・・・HS−SiN)を形成した実施例2を実施した。
比較例としては、標準的な窒化シリコン膜(第1保護膜・・・P−SiN)単層を形成した比較例1、及び内部応力をほぼ0MPaにした窒化シリコン膜(第1保護膜・・・LS−SiN)単層を形成した比較例2、実施例1において上層と下層とを逆にして形成した比較例3を実施した。以下に詳細を記載する。
〔実施例1の製造方法〕
まず、Al配線が形成されたシリコン半導体基板(直径:15cm)をプラズマCDV装置(製造元:AMAT社、型番:Precision−5000CVD)に装着し、ガス流量、生成圧力、高周波電力、電極温度、及び電極距離を表1に示す条件で、下層(第1保護膜)として標準的な窒化シリコン膜(P−SiN膜)を膜厚が0.6μmとなるように形成し、続けて、上層(第2保護膜)として高引張応力を有する窒化シリコン膜(HS−SiN膜)を膜厚が1.0μmとなるように形成した。
上記のようにして形成した膜の膜厚、内部応力、加工性、耐湿性、及びそり変化量を評価した。加工性の評価においては、ドライエッチレートを評価することにより加工性の評価を行った。耐湿性の評価においては、ウエットエッチレートを評価することにより耐湿性の判断指標とした評価方法を記載する。
−生成膜厚−
光学式膜厚測定機(KLA−Tencor社製、UV−1250)を用い、可視光によりシリコン基板上に堆積した膜厚を測定した。
−内部応力−
レーザ反射式のそり測定機(KLA−Tencor社製、FLX−5200h)を用い、成膜前後でのそり変化量を計測し、内部応力を算出した。なお、数値の符合でプラスが引張応力を表し、マイナスが圧縮応力を表す。
−そり変化量−
レーザ反射式のそり測定機(KLA−Tencor社製、FLX−5200h)を用い、成膜前後でのそり変化量を計測した。
−加工性(ドライエッチレート)−
(CF4/O2/CHF3/Arガス系のドライエッチング装置(東京エレクトロン社製、UNITY−65DP)により、処理前後における膜減り量から単位時間当たりのエッチレートを算出した。
なお、積層構造の場合、上層膜(HS−SiN)のみを処理し、その結果を算出した。
−耐湿性(ウエットエッチレート)−
上記のようにして製造された半導体基板を、純水により5%に希釈されたフッ酸(以下、適宜、「BHF」と称する)に1分浸漬させ、処理前後における膜減り量から単位時間当たりのエッチレートを算出した。ウエットエッチレートが大きいほど、耐湿性に劣ることになる。
なお、積層構造の場合、上層膜(HS−SiN)のみを処理し、その結果を算出した。
このようにして評価した結果を、表3に示す。
〔実施例2の製造方法〕
実施例1において、下層、及び上層を下記表2に設定した以外、実施例1と同様にして半導体素子を製造し、評価を行った。結果を表3に示す。
〔比較例1〜比較例3の製造方法〕
比較例1は、実施例1において、HS−SiN膜を形成せず、P−SiN膜のみを形成した以外は実施例1と同様に半導体素子を製造し、実施例1と同様の評価を行った。
比較例2は、実施例2において、HS−SiN膜を形成せず、LS−SiN膜のみを形成した以外は実施例1と同様に半導体素子を製造し、実施例1と同様の評価を行った。
比較例3は、実施例1において、下層としてHS−SiN膜を形成した後に上層としてP−SiN膜を形成した以外は実施例1と同様に半導体素子を製造し、実施例1と同様の評価を行った。
なお、ドライエッチレート、及びウエットエッチレートの評価については、比較例3が積層構造であるため、上層膜(P−SiN)のみを処理し、その結果を算出した。
これらの評価結果を表3に示す。
12 第1保護膜
14 第2保護膜
16 最終保護膜
Claims (6)
- 半導体基板上に配線を設け、該配線上に、第1保護膜と第2保護膜とを順次積層した最終保護膜を形成する半導体素子の製造方法において、
前記配線上に第1保護膜を形成する工程と、
前記第1保護膜上に、引張応力を有する第2保護膜を形成する工程と、
前記配線のコンタクト領域の前記第1保護膜、及び前記第2保護膜を除去する工程と、
を有することを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 前記第2保護膜の内部応力が前記第1保護膜の内部応力より大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
- 前記第2保護膜の引張応力が、400MPa〜500MPaであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体素子の製造方法。
- 前記第1保護膜の内部応力が−300MPa〜50MPaであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
- 前記第1保護膜、及び前記第2保護膜を並行平板型プラズマCVDで形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
- 半導体基板上に配線を設け、該配線上に最終保護膜が形成された半導体素子において、
前記最終保護膜が2層構造であり、最終保護膜の引張応力が200MPa〜400MPaであることを特徴とする半導体素子。
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